JP3729442B2 - 食品用エクストルーダのクッキング制御方法 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明はコーン、米、豆類を原料としてダイレクトパフスナックを製造するに際して使用する、食品用エクストルーダのクッキング制御方法に関する。
背景技術
従来のダイレクトパフスナック類はコーン、米、豆類のグリッツを原料として一軸又は二軸エクストルーダを使用して製造されている。
製造されるスナックの品質はエクストルーダによるクッキングの度合いを制御することにより調整されているが、通常クッキング度合いの制御は、エクストルーダに装着されている温度計、圧力計、回転数、電流計、フィード量等の計測値をチェックすると共に、ノズルから排出される製品を熟練作業者が個人的に官能評価を行い、上記の計測値とその官能評価の結果を勘案して経験によって適宜調節することにより行っている。
しかしながら、従来技術による食品用エクストルーダのクッキング度合いの制御は、熟練作業者個人の経験に依存する部分が多く、制御手段が作業者によって異なり、製品の品質が必ずしも一定でないのが実情である。
尚、良好な製品を製造することができる熟練作業者となるには長期間の経験と多くの知識が必要であり、熟練を積まねば安定したエクストルーダ制御を行うことは困難である。
更に、原料品質の変化や原料の変更に対する対応が論理的ではないため、調整が完了するまでに長時間を要し、その調整期間中は生産性が低下する等の欠点があった。
品質管理においても、一作業者当たりのエクストルーダの管理台数を多くすれば、該エクストルーダにより生産される製品の品質管理が低下し、品質のバラツキが拡大する等の虞れがあった。
一方、製造された膨化スナック生地の良否に関する評価は官能試験により行われている。この官能評価はスナックの食感の良否を5段階に分け、5点を最良とするものである。官能評価で5点評価を受けた場合には問題ないが、5点未満の評価を受けた場合は、エクストルーダの制御が必要となる。
しかしながら、評価点数のみではクッキング度合いがオーバーなのか、不足なのかが明確ではないため、この評価値のみを根拠としてエクストルーダを制御することはできない。
尚、食品用エクストルーダに装着されている温度計は機械本体の内部温度を計測しているのであって、品温を計測しているのではないために製品の品質と必ずしも密接な相関を示すものではなく、圧力と製品の品質との関連も明確ではない。
従って、本発明の目的は、エクストルーダに装着した計測器の測定値に基づいてクッキングの制御を行ない、熟練作業者の運転状況判断に委ねることなく、一定の品質を有する製品を製造することができる食品用エクストルーダのクッキング制御方法を提供することにある。
発明の開示
本発明に係る食品用エクストルーダのクッキング制御方法は、食品用エクストルーダ回転軸駆動モーターが単位時間に消費する電力量を該エクストルーダに単位時間に供給した原料生地量(以下、フィード量ともいう)で除した比消費電力量値を求め、良好な品質のスナック生産時の該比消費電力量値を基準値とし、該比消費電力量値基準値と比消費電力量値の差が小さい場合には、食品用エクストルーダの回転制御を中心に制御を行い、前記の差が大きい場合には、前記食品用エクストルーダの回転制御のほか、水の添加量の増減、スナック原料のフィード量の増減の順で制御するように制御ルールを確立し、ファジィ制御によるコンピューター管理によって制御することを特徴としている。
比消費電力量値基準値は最適なスナックの品質評価が得られるような値であり、該スナックの品質評価は、従来方法と異なり、食感と色調とボリューム等の物性測定値で評価し、前記食感は前記スナックの気泡寸法とスナックの切断応力の計測値に基づきメンバーシップ関数値で評価した食感評価値で表し、前記色調は分光測色計の計測値に基づきメンバーシップ関数値で評価した色調評価値で表し、前記ボリュームは所定容量の容器に入れた前記スナックの重量に基づきメンバーシップ関数値で評価したボリューム評価値で表し、前記食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に予め設定されている不良品評価値が1つでも存在する場合には、前記スナックの品質評価を不良品評価値とし、前記食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に前記不良品評価値が存在しない場合には該食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に、従来法による官能評価値に近似するように配分したウェイト係数を乗算し、該係数を乗算した食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の和から品質評価値を得るようにしたことを特徴する品質評価法によって設定し制御する。
更に、本発明によるエクストルーダの制御方法は、前記品質評価値の最適なスナック製造時のエクストルーダ回転軸駆動モーターの比消費電力量値、回転数、原料のフィード量、水の添加量を中心値として各々の値の上限値、下限値、調整値の各値を求め、比消費電力量値の中心値を基準値とし、該比消費電力量値基準値と実際のスナック製造時のエクストルーダ回転軸駆動モーターの比消費電力量値とを比較した結果を、ファジィ理論によるルールに入力して前記回転数、スナック原料のフィード量、水の添加量の各々を制御することを特徴としている。
尚、前記ファジィ理論によるルールは、前記比消費電力量値として比消費電力量値基準値である中心値と上限値、下限値の各々にプラス/マイナスの調整値を有する上限域、中心域及び下限域を設定し、前記回転数として上限値と下限値との間を所定の値からなる調整値により段階的にプラス/マイナスすることができるようになし、食品用エクストルーダの比消費電力量値が中心値である比消費電力量値基準値のプラス/マイナスの調整値からなる中心域に存在する場合には回転数、原料のフィード量及び水の添加量をキープし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在する場合には回転数を下限値+調整値とし、且つ原料のフィード量及び水の添加量を中心値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値+調整値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を中心値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量を中心値及び水の添加量を上限値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値、水の添加量が上限値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を上限値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が上限値以上に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量を上限値及び水の添加量を上限値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在する場合には回転数を上限値−調整値、原料のフィード量を中心値及び水の添加量を中心値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数が上限値−調整値に存在する場合には回転数を上限値、原料のフィード量を中心値及び水の添加量を中心値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数が下限値に存在する場合には回転数を下限値+調整値、原料のフィード量を中心値及び水の添加量を下限値とし、前記食品用エクストルーダの消費電力量が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数及び水の添加量が下限値に存在する場合には回転数を上限値−調整値、原料のフィード量及び水の添加量を下限値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が下限値以下に存在する場合には回転数を上限値、原料のフィード量及び水の添加量を下限値とすることを特徴としている。
本発明方法において使用される食品用エクストルーダのクッキング制御システムは、スナック原料のフィード量を調整するためのフィード手段と、スナック原料への水の添加量を調整するための加水手段と、スナック原料に所定量の水を添加して混合した原料生地を食品用エクストルーダにより加熱・膨化させてスナックを製造するための加工手段と、前記フィード手段、加水手段、加工手段の各々の運転条件をコンピュータ管理することができる制御手段とを備えており、前記制御手段は、予め最適なスナックの品質評価が得られた時の前記食品用エクストルーダ回転軸を回転させるための駆動モーターで単位時間に消費する電力量をエクストルーダに単位時間に供給する原料生地量で除した値を比消費電力量値基準値とし、該基準値を基に、前記モーターで実際のスナック生産時に消費する電力量と原料のフィード量との比から求めた比消費電力量値との相対的な差が小さい場合には、食品用エクストルーダ回転軸の回転数による制御を行い、比消費電力量値基準値と実際に供給されている原料のフィード量当たりの比消費電力量値との相対的な差が大きい場合には、回転軸の回転数の制御に加えて、水の添加量の増減、スナック原料のフィード量の増減の順で制御する機能を有している。
前記制御手段は、前記最適なスナックの品質評価値から好適なモーターの比消費電力量値、回転数、原料のフィード量、水の添加量の各々の上限値、中心値、下限値、調整値の各値を求め、前記比消費電力量値の中心値と、実際のモーターの消費電力量とを比較した結果を、ファジィ理論によるルールに入力して、前記回転数、スナック原料のフィード量、水の添加量の各々を制御する。
これにより、熟練技術者に依存していたエクストルーダのクッキング制御の自動化を図ることができ、最適品質の膨化スナックを安定して製造することができる。
次に、本発明に係る食品用エクストルーダのクッキング制御方法について図面を参照しつつ説明する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明によるエクストルーダのクッキング制御方法を実施するためのシステムの概略図である。
第2図は食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々の物性値と品質との関係をファジィメンバーシップ関数によって示した図である。
第3図は、物性測定値と比消費電力量値との相関関係を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
第1図には、本発明に係る食品用エクストルーダのクッキング制御方法を実施するために用いられるシステムの一例が示されている。該システム1は、スナック原料のフィード量を調整するためのフィード手段2と、スナック原料への水の添加量を調整するための加水手段3と、スナック原料に所定量の水を添加して混合した原料生地を食品用エクストルーダにより加熱・膨化させてスナックを製造するための加工手段4と、前記フィード手段2、加水手段3、加工手段4の各々の運転をコンピュータ管理することができる制御手段5とから構成されている。フィード手段2は、スナック原料を一時的に貯蔵するための原料タンク20と、該タンクから所定量のスナック原料を供給するためのフィーダー21と、該フィーダーにおけるスナック原料のフィード量の増減をコントロールするためのフィーダー制御器22とを備えている。
加水手段3は、水を一時的に貯蔵するためのタンク30と、該タンク30から所定量の水を原料へ添加するためのポンプ31と、該ポンプ31における水の添加量の増減をコントロールするためのポンプ制御器32とを備えている。
加工手段4は、スナック原料に所定量の水を添加して混合することにより得られた原料生地を加工手段に投入するためのホッパー40と、原料生地を加熱するための加熱筒41と、加熱された原料生地を膨化させるためのダイ42と、加熱筒41の内部に装備され、モーター43により回転せしめられる回転体(スクリュー)44を具備する食品用エクストルーダが使用される(以下、該加工手段4をエクストルーダ4と称することもある)。
該エクストルーダ4としては一軸式又は二軸式の何れも使用することができる。
尚、図示されていないが該エクストルーダ4の回転体を回転するためのモーター43の内部には、該モーター43の消費電力を計測することができる電力計測器と、該モーター43の回転数を計測することができる回転計とが設けられている。
制御手段5は前記フィーダー制御器22、ポンプ制御器32、モーター43の各々とケーブル10で接続されており、前記モーター43の消費電力量を検知し、該消費電力量をフィード量で除して得られる比消費電力量値を基に、最適品質のスナックが得られるように前記フィード手段2、加水手段3、加工手段4の各々の運転を制御する機能を有している。
即ち、制御手段5には製品として最適な「スナックの品質評価値」が得られた時の前記モーター43で単位時間に消費する電力量に対する原料のフィード量(kg/hr)から算出された比消費電力量値が「基準値」として予め設定されており、該基準値を基に、「ファジィ理論」によって前記モーター43の回転数、原料のフィード量及び水の添加量をコントロールすることができる。
以下「スナックの品質評価値」、「基準値」、「ファジィ理論」を基本として更に説明する。
「スナックの品質評価」は物性値で評価することができる。即ち、従来の官能評価により行っていたスナックの品質評価をスナックの気泡寸法とスナックの切断応力(硬度)の両計測値に基づく食感評価値と、スナック表面を分光測色計で計測した色調評価値と、所定容量の容器に入れたスナックの重量を計測したボリューム評価値とを、下記の式1に代入することによって行うことができる。
品質評価値=k{w1×(食感評価値)+w2×(色調評価値)+w3×(ボリューム評価値)}・・・(式1)
ここで食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々はメンバーシップ関数値(0〜1)で示される。また、w1、w2、w3は各評価値のウエイトを示し、w1+w2+w3=1となるように、メンバーシップ関数値に則して配分される係数である。
k値は各物性評価値によるメンバーシップ関数値の共通和(各数列項目の中で最も小さい値)が0の場合には0とし、共通和が0より大きい時には1とする係数とする。したがって、例えば色調評価値が0点評価である場合、他の評価値が最高良品値の1点であっても色合いが悪いスナックは商品として不適当であるために算出される品質評価値を0点とし、不良品として評価される。
食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々の算出方法について、図2を参照しつつ説明する。
第2図は、コーングリッツを原料として製造したコーンスナック製品に関する食感評価値、色調評価値及びボリューム評価値の各々の物性値と品質との関係を、ファジィメンバーシップ関数によって示したものである。
(A)食感評価値は(a)気泡寸法と(b)切断応力の各物性値とから構成される。
(a)気泡寸法の計測は製造されたスナックを切断し、気泡寸法計測を容易にするために、該切断面を20倍に拡大した時の気泡を測定することにより行う。コーンスナック製品において最高良品(1点)とされる気泡寸法は計測点数50個の平均値が0.5〜0.6mmのものである。平均気泡寸法が0.5mm未満のものは、ややクッキングが過度の傾向にあり、平均0.3mm以下のものは完全にクッキングが過度(ギザ)と評価されて不良品(0点)として評価される。一方、平均気泡寸法が0.6mmを超えるものはクッキングがやや不足の傾向にあり、平均0.8mm以上では完全にクッキング不足(ガリ)と評価される。本製品は上記と同様に不良品(0点)として評価される。
(b)切断応力の計測は、レオメーターを使用し、φ0.3mmのワイヤーで50個のスナックを切断した時の平均最大応力値を測定することにより行う。
コーンスナック製品において最高良品(1点)とされる平均切断応力は計測点数50個の平均値が400〜500g重であり、平均切断応力が400g重未満のものはクッキングがやや過度の傾向にあり、平均値200g重以下では完全にクッキング過度(ギザ)となり、不良品(0点)として評価される。一方、平均切断応力が500g重を超えるものはクッキングが不足の傾向で、平均700g重以上ではクッキング不足(ガリ)となり、不良品(0点)として評価される。
上記のように評価された気泡寸法と切断応力は、以下の式2により食感評価値として算出される。
食感評価値=w1×(気泡寸法評価点)+w2×(切断応力評価点) ・・・(式2)
ここで、w1及びw2は、メンバーシップ関数値に則して配分される係数であり、コーンスナック製品では、w1=0.4、w2=0.6である。
即ち、気泡寸法評価点に0.4を乗じた値と、切断応力評価点に0.6を乗じた値の和をもって食感評価値とする。
(B)色調評価値は、ハンター表記方法による色素分析値のb値を分光測色計を使用して測定することにより行われる。
コーンスナック製品において最高良品(1点)とされるb値は、計測点数50個の平均値が0.38以上で、b値が0.38未満はクッキングが過度の傾向にあり、更にb値が0.33以下では完全にクッキング過度(ギザ)と評価され、不良品(0点)として評価される。
(C)ボリューム評価値は、1リットル容量の容器に入るスナックの生地の重量(g)を測定することにより行う。
コーンスナック製品において最高良品(1点)とされるボリュームは39〜43g/リットルである。39g/リットル未満の場合はボリュームが過度傾向にあり、且つクッキングも過度の傾向にある。更に35g/リットル以下では完全にクッキング過度(ギザ)となり、不良品(0点)として評価される。一方、ボリュームが43g/リットルを超えるものはクッキングが不足の傾向にある。更に47g/リットル以上では完全にクッキング不足(ガリ)となり、不良品(0点)として評価される。
上記のようにして得られた評価値の各々を前出の式1
品質評価値=k{w1×(食感評価値)+w2×(色調評価値)+w3×(ボリューム評価値)}・・・(式1)
に代入することにより、品質評価値を得ることができる。食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各値は0〜1点の評価で表されることから、品質評価値も0〜1点で表される。尚、この評点を5倍することにより5点評価の官能評価値と一致させることができる。
算出される品質評価値は1点が最高良品値であり、完全不良品は0点である。合格ラインは任意に設定することができるが、市場に提供する製品は0.8点以上であることが好ましい。
但し、食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の何れかに0点の評価がされたものが1つでもある場合には製品としての価値はない。その場合、k値によって品質評価値を0点にし、不良品として処理することができる。
斯くして表された品質評価値と、従来方式による10名の専門パネラーによる官能評価値との相関とを調べた結果、相関係数=0.98という高い相関関係が認められた。
「基準値」は、上述の方法で評価した結果最適なスナックの品質評価が得られた場合に、その時のエクストルーダ4の単位時間の消費電力量(Pw)を、該単位時間内に供給した原料生地量(kg)で除して求めた比消費電力量値である。該基準値を基に制御手段5に、最適品質のスナックが得られるための前記モーター43で消費する電力量の範囲を予め設定する。
該範囲は上限値、中心値及び下限値の各々に、プラス/マイナスの調整値を有する上限域(Pw=pwB±Δp)、中心域(Pw=pwm±Δp)、下限域(Pw=pwL±Δp)からなっている。
同時に、モーター43の回転数の中心値(R=rm)、下限値(R=rL)、上限値(R=rB)、調整値(Δr)を設定する。該調整値(Δr)は、上限値と下限値との間を、段階的にプラス/マイナスするためのものである。
更に、原料のフィード量の中心値(F=fm)、下限値(F=fL)及び上限値(F=fB)と、水の添加量の中心値(W=wm)、下限値(W=wL)及び上限値(W=wB)を設定する。
これらの設定値を制御手段5に設定した後、エクストルーダ4の運転を開始すると、所定時間経過後から制御状態に入る。
モーターの回転数が中心値(R=rm)に達した時点で、ポンプ制御器32によって中心値(W=wm)に調整された水がポンプ31により加水混合器23に添加され、同時にフィーダー制御器22によって中心値(F=fm)に設定されたスナック原料がフィーダー21により加水混合器23に投入され、これらが攪拌・混合された後、原料生地がエクストルーダ4のホッパー40に投入される。
投入された原料生地は、エクストルーダ4の内部に配置された回転体44の回転により加熱されながらダイ部42に押し出され、膨化形成される。
前記ダイ部42の先端にはカッター45が装着されており、所定の大きさ毎に膨化形成されたスナックを切断し、最終的に膨化スナック46が得られる。
ここで制御手段5は、実際に供給されている原料生地量当たりの前記モーター43の比消費電力量値と予め設定した基準値とを「ファジィ理論」に基づき比較演算する。
その結果、該比消費電力量値と基準値との相対的な差が小さい場合には、回転数による制御が行われ、良品の膨化スナックが得られるように調整する。
一方、該比消費電力量値と基準値との相対的な差が大きい場合には、回転数による制御のみでは調整不可能であるために回転数の制御に加えて、前記水の添加量の増減、前記スナック原料のフィード量の増減の順で制御することにより、良品の膨化スナックが得られるような製造条件を適宜設定する。
前記「ファジィ理論」による運転制御は、以下のルールに基づいて実行される。
ルール1
モーターの比消費電力量値が中心域に存在する場合には[if Pw=pwm±Δp]、回転数、原料のフィード量及び水の添加量をキープする[then R=keep、F=keep、W=keep]。
ここで、Pwは比消費電力量値、pwmは中心域比消費電力量値、Δpは調整値(この調整値内ならば品質差を認めない範囲)、Rはエクストルーダ回転数、Fはフィード量(単位時間当たりの原料供給量)、Wは加水量をそれぞれ意味する。
ルール2
前記モーターの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在する場合には[if(pwm+Δp)<Pw<pwB]、回転数を下限値+調整値、原料のフィード量及び水の添加量を中心値とする[then R=rL+Δr、F=fm、W=wm]。
ここで、pwBは上限値比消費電力量値、(rL+Δr)は下限回転数+調整値、fmはフィード量中心値、wmは加水量中心値をそれぞれ意味する。
ルール3
前記モーター比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値+調整値に存在する場合には[if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL+Δr]、回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を中心値とする[then R=rL、F=fm、W=wm]。
ルール4
前記モーターの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値に存在する場合には[if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL]、回転数を下限値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を上限値とする[then R=rL、F=fm、W=wB]。
ここで、wBは加水量上限値を意味する。
ルール5
前記モーターの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値、水の添加量が上限値に存在する場合には[if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL、W=wB]、回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を上限値とする[then R=rL、F=fB、W=wB]。
ここで、fBはフィード量上限値を意味する。
ルール6
前記モーターの比消費電力量値が上限値以上に存在する場合には[if Pw≧pwB]、回転数を下限値、原料のフィード量を上限値、水の添加量を上限値とする[then R=rL、F=fB、W=wB]。
ここで、pwBは比消費電力量値上限値を意味する。
ルール7
前記モーターの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在する場合には[if(pwm−Δp)>Pw>pwL]、回転数を上限値−調整値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を中心値とする[then R=rB−Δr、F=fm、W=wm]。
ここで、rBは回転数上限値を意味する。
ルール8
前記モーターの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数が上限値−調整値に存在する場合には[if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=(rB−Δr)]、回転数を上限値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を中心値とする[then R=rB、F=fm、W=wm]。
ルール9
前記モーターの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し、且つ回転数が下限値に存在する場合には[if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rL]、回転数を下限値+調整値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を下限値とする[then R=rL+Δr、F=fm、W=wL]。
ルール10
前記モーターの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し、且つ、回転数及び水の添加量が下限値に存在する場合には[if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rL、W=wL]、回転数を上限値−調整値、原料のフィード量、水の添加量を下限値とする[then R=rB−Δr、F=fL、W=wL]。
ルール11
前記モーターの比消費電力量値が下限値以下に存在する場合には[if Pw≦pwL]、回転数を上限値、原料のフィード量及び水の添加量を下限値とする[then R=rB、F=fL、W=wL]。
試験例1(物性値と計測値との相関性)
本発明に係るエクストルーダのクッキング制御方法を完成するためには、最適良品の膨化スナックが有する気泡寸法、切断応力、色調、ボリュームの各々の物性値と、駆動制御器に装着されている計測器によって計測される値との相関性が高いことが要求される。
そこで、一軸エクストルーダ(ドイツ国ハインシャーフ社製)を使用し、コーングリッツを原料としてスナックを製造し、物性値と計測値との相関性について検討した。
先ず、エクストルーダのダイ部に厚み1.0mm、長さ8mmの長方形のノズル孔8個を刻設したノズルを使用し、イエローコーングリッツを250kg/hのフィード条件下で、エクストルーダ回転数、グリッツ水分量等を適宜変化させてクッキング処理し、良品とされるスナックを製造した。
得られたスナックのうち、50個を被験試料とし、該被験試料について切断面の気泡の平均寸法、平均切断応力、ボリューム、色差分析によるL値、b値をそれぞれ計測した。
気泡寸法は被験試料を切断した後、該切断面を20倍に拡大し、100個の気泡を測定することにより被験試料50個の気泡一個当たりの平均を求めた。
切断応力はレオメーター(全研社製)を使用し、0.3mmのワイヤーで被験試料を切断したときの最大応力を測定することにより、被験試料50個の平均最大応力値を求めた。
ボリュームは1リットル容量の容器に入る被験試料の生地重量を測定することにより求めた。
色調は被験試料の表面の色調を分光測色計(ミノルタ社製CM5251型)を用いて測定することによりL値及びb値を求めた。
一方、計測値については、前記と同一のエクストルーダを使用し、エクストルーダの回転体を回転させるための駆動モーターの消費電力量を原料のフィード量(kg)で除して得られる比消費電力量値、ダイ部に装着した圧力計の計測値によるノズル部圧力、ダイ部ノズルから排出される膨化スナック生地の品温を放射温度計で計測した生地温度、ダイ部に装着した温度計の計測値のノズル部温度をそれぞれ計測した。
前記物性値と上記計測値から、物性値と計測値の相関係数を求めた。その結果、表1に示されているようにスナックの切断面の気泡の平均寸法、切断応力、ボリューム、色調(b値)は、比消費電力量値との相関係数が特に高いことが認められた。
一方、色調におけるL値は生地温度との相関が高くノズル部圧力、ノズル部温度の各々の物性評価値との相関は低いものであった。
上記の結果に基いて比消費電力量値と気泡寸法、切断応力、b値、ボリュームの各々との関係について詳細に検討した。
第3図には上記気泡寸法、切断応力、b値、ボリュームの各々物性測定値と比消費電力量値との相関関係が示されている。
第3図から明らかなように気泡寸法、切断応力、b値、ボリュームの各々物性測定値と比消費電力量値との間には一定の相関関係が認められた。
具体的には、最適品質のスナックの気泡サイズ(0.5〜0.6mm)を得るためには、比消費電力量値を142〜152wh/kgの範囲で維持することが好ましく(第3(a)図参照)、最適品質のスナックの切断応力(400〜500g重)を得るためには、比消費電力量値を144〜156wh/kgの範囲で維持することが好ましく(第3(b)図参照)、最適品質のスナックのb値(0.33〜0.38)を得るためには、比消費電力量値を130〜152wh/kgの範囲で維持することが好ましく(第3(c)図参照)、最適品質のスナックのボリューム(39〜43g/l)を得るためには、比消費電力量値を140〜158wh/kgの範囲で維持することが好ましいことが明らかとなった。
以上の結果から、製品の品質を評価する食感評価値、色調評価値及びボリューム評価値のすべてが、原料1kg当たりの比消費電力量値によって制御できることが判明した。
更に、(気泡寸法と切断応力とからなる)食感、色調、ボリュームのすべての項目について最適品質であることを満たす比消費電力量値の範囲は、144〜152wh/kgであり、これを基準値とすることにより、スナック製品の品質を制御し得ることが明らかとなった。
実施例1(エクストルーダのクッキング制御)
次に、本発明による食品用エクストルーダのクッキング制御方法及びクッキング制御システムを利用して膨化スナックを製造した結果について以下に説明する。
エクストルーダはコレットタイプ一軸エクストルーダ(ドイツ国ハインシャーフ社製)を使用し、制御コンピュータには予め下記の設定値をインプットした。
目標消費電力
中心域 Pwm=(pwm±Δp)=148±4wh/kg
下限域 PwL=(pwL+Δp)=140wh/kg±4wh/kg
上限域 PwB=(pwB±Δp)=156wh/kg±4wh/kg
回転数制御値
中心値 R=rm=650〜675rpm
下限値 R=rL=650rpm
上限値 R=rB=675rpm
調整値 Δr=25rpm
原料フィード量制御値
中心値 F=fm=195〜200kg/h
下限値 F=fL=195kg/h
上限値 F=fB=200kg/h −5kg/hづつ低下
加水量制御値
中心値 W=wm=2%加水
下限値 W=wL=1%加水
上限値 W=wB=3%加水
制御法則として下記のルールをインプットした。
ルール1 if Pw=pwm±Δp
then R=keep、F=keep、W=keep
ルール2 if(pwm+Δp)<Pw<pwB
then R=rL+Δr、F=fm、W=wm
ルール3 if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL+Δr
then R=rL、F=fm、W=wm
ルール4 if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL
then R=rL、F=fm、W=wB
ルール5 if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL、W=wB
then R=rL、F=fB、W=wB
ルール6 if Pw≧pwB
then R=rL、F=fB、W=wB
ルール7 if(pwm−Δp)>Pw>pwL
then R=rB−Δr、F=fm、W=wm
ルール8 if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rB−Δr
then R=rB、F=fm、W=wm
ルール9 if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rL
then R=rL+Δr、F=fm、W=wL
ルール10 if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rL、W=wL
then R=rB−Δr、F=fL、W=wL
ルール11 if Pw≦pwL
then R=rB、F=fL、W=wL
上記準備の完了後、原料タンクにイエローコーングリッツを投入し、エクストルーダの運転を開始し、回転数を650rpmに設定後、回転数が設定値に達し安定したことを確認した。
然る後に加水混合装置を作動させ、原料タンクからグリッツを200kg/hで加水混合装置に供給すると同時に、ポンプで加水し、原料生地の水分を14%に調整し、運転を継続した。
この状態で比消費電力量値はPw=(pwm±Δp)=144wh/kg(比消費電力量値=電流*電圧*時/時間当たりフィード量)に達し、ボリュームが40g/リットルで切断応力450g重、平均気泡サイズ0.55mm、色調特性を示すハンター表示値0.42の製品が安定に生産された。
(1)クッキングオーバーの制御
この状態から直流モーター、原料フィード装置、加水ポンプの制御値を無作為に調整し、クッキングをオーバーな状態とした。
その結果、比消費電力量値はPw=170wh/kg、ボリュームが30g/リットルで切断応力250g重、平均気泡サイズ0.25mm、色調特性を示すハンター表示値0.32の、クッキングがオーバーな製品が製造される状態となった。
この状態下において、本発明に係る制御ルールによるコンピューター制御状態に切り替えた。
その結果、2分後には比消費電力量値Pw=(pwm±Δp)=145±4wh/kg(比消費電力量値=電流*電圧*時/時間当たりフィード量)に達し、ボリュームが40g/リットルで切断応力460g重、平均気泡サイズ0.5mm、色調特性を示すハンター表示値0.40の製品が安定して生産されるようになった。
(2)クッキングアンダーの制御
前記(1)と同様にして、比消費電力量値Pw=(pwm±Δp)=146wh/kg(比消費電力量値=電流*電圧*時/時間当たりフィード量)、ボリュームが41g/リットル、切断応力460g重、平均気泡サイズ0.50mm、色調特性を示すハンター表示値0.40の製品が安定して生産される状態になした。
この状態から直流モーター、原料フィード装置、加水ポンプの制御値を無作為に調整し、クッキングをアンダーな状態とした。
その結果、比消費電力量値がPw=120wh/kg、ボリュームが55g/リットルで切断応力650g重、平均気泡サイズ0.80mm、色調特性を示すハンター表示値0.48のクッキングがアンダーな製品が製造される状態になった。
この状態下において、本発明に係る制御ルールによるコンピューター制御状態に切り替えた。
その結果、2分後には比消費電力量値がPw=(pwm±Δp)=148±4wh/kg(比消費電力量値=電流*電圧/フィード量)に達し、ボリュームが40g/リットルで切断応力450g重、平均気泡サイズ0.53mm、色調特性を示すハンター表示値0.41、の製品が安定に生産される状態に復帰した。
産業上の利用可能性
本発明による食品用エクストルーダのクッキング制御方法によれば、ファジー理論と組み合わせ、スナックの製造工程における種々の設定値の変動を即座に感知し、自動的に修復することができるために生産性を低下させることなく、品質の安定した製品を継続的に製造することができる。
更に、膨化スナックのクッキング制御が自動的に行えるため、一作業者当たりのエクストルーダの管理台数を多くすることもでき、大量生産にも対応することができる。
本発明はコーン、米、豆類を原料としてダイレクトパフスナックを製造するに際して使用する、食品用エクストルーダのクッキング制御方法に関する。
背景技術
従来のダイレクトパフスナック類はコーン、米、豆類のグリッツを原料として一軸又は二軸エクストルーダを使用して製造されている。
製造されるスナックの品質はエクストルーダによるクッキングの度合いを制御することにより調整されているが、通常クッキング度合いの制御は、エクストルーダに装着されている温度計、圧力計、回転数、電流計、フィード量等の計測値をチェックすると共に、ノズルから排出される製品を熟練作業者が個人的に官能評価を行い、上記の計測値とその官能評価の結果を勘案して経験によって適宜調節することにより行っている。
しかしながら、従来技術による食品用エクストルーダのクッキング度合いの制御は、熟練作業者個人の経験に依存する部分が多く、制御手段が作業者によって異なり、製品の品質が必ずしも一定でないのが実情である。
尚、良好な製品を製造することができる熟練作業者となるには長期間の経験と多くの知識が必要であり、熟練を積まねば安定したエクストルーダ制御を行うことは困難である。
更に、原料品質の変化や原料の変更に対する対応が論理的ではないため、調整が完了するまでに長時間を要し、その調整期間中は生産性が低下する等の欠点があった。
品質管理においても、一作業者当たりのエクストルーダの管理台数を多くすれば、該エクストルーダにより生産される製品の品質管理が低下し、品質のバラツキが拡大する等の虞れがあった。
一方、製造された膨化スナック生地の良否に関する評価は官能試験により行われている。この官能評価はスナックの食感の良否を5段階に分け、5点を最良とするものである。官能評価で5点評価を受けた場合には問題ないが、5点未満の評価を受けた場合は、エクストルーダの制御が必要となる。
しかしながら、評価点数のみではクッキング度合いがオーバーなのか、不足なのかが明確ではないため、この評価値のみを根拠としてエクストルーダを制御することはできない。
尚、食品用エクストルーダに装着されている温度計は機械本体の内部温度を計測しているのであって、品温を計測しているのではないために製品の品質と必ずしも密接な相関を示すものではなく、圧力と製品の品質との関連も明確ではない。
従って、本発明の目的は、エクストルーダに装着した計測器の測定値に基づいてクッキングの制御を行ない、熟練作業者の運転状況判断に委ねることなく、一定の品質を有する製品を製造することができる食品用エクストルーダのクッキング制御方法を提供することにある。
発明の開示
本発明に係る食品用エクストルーダのクッキング制御方法は、食品用エクストルーダ回転軸駆動モーターが単位時間に消費する電力量を該エクストルーダに単位時間に供給した原料生地量(以下、フィード量ともいう)で除した比消費電力量値を求め、良好な品質のスナック生産時の該比消費電力量値を基準値とし、該比消費電力量値基準値と比消費電力量値の差が小さい場合には、食品用エクストルーダの回転制御を中心に制御を行い、前記の差が大きい場合には、前記食品用エクストルーダの回転制御のほか、水の添加量の増減、スナック原料のフィード量の増減の順で制御するように制御ルールを確立し、ファジィ制御によるコンピューター管理によって制御することを特徴としている。
比消費電力量値基準値は最適なスナックの品質評価が得られるような値であり、該スナックの品質評価は、従来方法と異なり、食感と色調とボリューム等の物性測定値で評価し、前記食感は前記スナックの気泡寸法とスナックの切断応力の計測値に基づきメンバーシップ関数値で評価した食感評価値で表し、前記色調は分光測色計の計測値に基づきメンバーシップ関数値で評価した色調評価値で表し、前記ボリュームは所定容量の容器に入れた前記スナックの重量に基づきメンバーシップ関数値で評価したボリューム評価値で表し、前記食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に予め設定されている不良品評価値が1つでも存在する場合には、前記スナックの品質評価を不良品評価値とし、前記食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に前記不良品評価値が存在しない場合には該食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に、従来法による官能評価値に近似するように配分したウェイト係数を乗算し、該係数を乗算した食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の和から品質評価値を得るようにしたことを特徴する品質評価法によって設定し制御する。
更に、本発明によるエクストルーダの制御方法は、前記品質評価値の最適なスナック製造時のエクストルーダ回転軸駆動モーターの比消費電力量値、回転数、原料のフィード量、水の添加量を中心値として各々の値の上限値、下限値、調整値の各値を求め、比消費電力量値の中心値を基準値とし、該比消費電力量値基準値と実際のスナック製造時のエクストルーダ回転軸駆動モーターの比消費電力量値とを比較した結果を、ファジィ理論によるルールに入力して前記回転数、スナック原料のフィード量、水の添加量の各々を制御することを特徴としている。
尚、前記ファジィ理論によるルールは、前記比消費電力量値として比消費電力量値基準値である中心値と上限値、下限値の各々にプラス/マイナスの調整値を有する上限域、中心域及び下限域を設定し、前記回転数として上限値と下限値との間を所定の値からなる調整値により段階的にプラス/マイナスすることができるようになし、食品用エクストルーダの比消費電力量値が中心値である比消費電力量値基準値のプラス/マイナスの調整値からなる中心域に存在する場合には回転数、原料のフィード量及び水の添加量をキープし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在する場合には回転数を下限値+調整値とし、且つ原料のフィード量及び水の添加量を中心値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値+調整値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を中心値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量を中心値及び水の添加量を上限値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値、水の添加量が上限値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を上限値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が上限値以上に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量を上限値及び水の添加量を上限値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在する場合には回転数を上限値−調整値、原料のフィード量を中心値及び水の添加量を中心値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数が上限値−調整値に存在する場合には回転数を上限値、原料のフィード量を中心値及び水の添加量を中心値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数が下限値に存在する場合には回転数を下限値+調整値、原料のフィード量を中心値及び水の添加量を下限値とし、前記食品用エクストルーダの消費電力量が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数及び水の添加量が下限値に存在する場合には回転数を上限値−調整値、原料のフィード量及び水の添加量を下限値とし、前記食品用エクストルーダの比消費電力量値が下限値以下に存在する場合には回転数を上限値、原料のフィード量及び水の添加量を下限値とすることを特徴としている。
本発明方法において使用される食品用エクストルーダのクッキング制御システムは、スナック原料のフィード量を調整するためのフィード手段と、スナック原料への水の添加量を調整するための加水手段と、スナック原料に所定量の水を添加して混合した原料生地を食品用エクストルーダにより加熱・膨化させてスナックを製造するための加工手段と、前記フィード手段、加水手段、加工手段の各々の運転条件をコンピュータ管理することができる制御手段とを備えており、前記制御手段は、予め最適なスナックの品質評価が得られた時の前記食品用エクストルーダ回転軸を回転させるための駆動モーターで単位時間に消費する電力量をエクストルーダに単位時間に供給する原料生地量で除した値を比消費電力量値基準値とし、該基準値を基に、前記モーターで実際のスナック生産時に消費する電力量と原料のフィード量との比から求めた比消費電力量値との相対的な差が小さい場合には、食品用エクストルーダ回転軸の回転数による制御を行い、比消費電力量値基準値と実際に供給されている原料のフィード量当たりの比消費電力量値との相対的な差が大きい場合には、回転軸の回転数の制御に加えて、水の添加量の増減、スナック原料のフィード量の増減の順で制御する機能を有している。
前記制御手段は、前記最適なスナックの品質評価値から好適なモーターの比消費電力量値、回転数、原料のフィード量、水の添加量の各々の上限値、中心値、下限値、調整値の各値を求め、前記比消費電力量値の中心値と、実際のモーターの消費電力量とを比較した結果を、ファジィ理論によるルールに入力して、前記回転数、スナック原料のフィード量、水の添加量の各々を制御する。
これにより、熟練技術者に依存していたエクストルーダのクッキング制御の自動化を図ることができ、最適品質の膨化スナックを安定して製造することができる。
次に、本発明に係る食品用エクストルーダのクッキング制御方法について図面を参照しつつ説明する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明によるエクストルーダのクッキング制御方法を実施するためのシステムの概略図である。
第2図は食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々の物性値と品質との関係をファジィメンバーシップ関数によって示した図である。
第3図は、物性測定値と比消費電力量値との相関関係を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
第1図には、本発明に係る食品用エクストルーダのクッキング制御方法を実施するために用いられるシステムの一例が示されている。該システム1は、スナック原料のフィード量を調整するためのフィード手段2と、スナック原料への水の添加量を調整するための加水手段3と、スナック原料に所定量の水を添加して混合した原料生地を食品用エクストルーダにより加熱・膨化させてスナックを製造するための加工手段4と、前記フィード手段2、加水手段3、加工手段4の各々の運転をコンピュータ管理することができる制御手段5とから構成されている。フィード手段2は、スナック原料を一時的に貯蔵するための原料タンク20と、該タンクから所定量のスナック原料を供給するためのフィーダー21と、該フィーダーにおけるスナック原料のフィード量の増減をコントロールするためのフィーダー制御器22とを備えている。
加水手段3は、水を一時的に貯蔵するためのタンク30と、該タンク30から所定量の水を原料へ添加するためのポンプ31と、該ポンプ31における水の添加量の増減をコントロールするためのポンプ制御器32とを備えている。
加工手段4は、スナック原料に所定量の水を添加して混合することにより得られた原料生地を加工手段に投入するためのホッパー40と、原料生地を加熱するための加熱筒41と、加熱された原料生地を膨化させるためのダイ42と、加熱筒41の内部に装備され、モーター43により回転せしめられる回転体(スクリュー)44を具備する食品用エクストルーダが使用される(以下、該加工手段4をエクストルーダ4と称することもある)。
該エクストルーダ4としては一軸式又は二軸式の何れも使用することができる。
尚、図示されていないが該エクストルーダ4の回転体を回転するためのモーター43の内部には、該モーター43の消費電力を計測することができる電力計測器と、該モーター43の回転数を計測することができる回転計とが設けられている。
制御手段5は前記フィーダー制御器22、ポンプ制御器32、モーター43の各々とケーブル10で接続されており、前記モーター43の消費電力量を検知し、該消費電力量をフィード量で除して得られる比消費電力量値を基に、最適品質のスナックが得られるように前記フィード手段2、加水手段3、加工手段4の各々の運転を制御する機能を有している。
即ち、制御手段5には製品として最適な「スナックの品質評価値」が得られた時の前記モーター43で単位時間に消費する電力量に対する原料のフィード量(kg/hr)から算出された比消費電力量値が「基準値」として予め設定されており、該基準値を基に、「ファジィ理論」によって前記モーター43の回転数、原料のフィード量及び水の添加量をコントロールすることができる。
以下「スナックの品質評価値」、「基準値」、「ファジィ理論」を基本として更に説明する。
「スナックの品質評価」は物性値で評価することができる。即ち、従来の官能評価により行っていたスナックの品質評価をスナックの気泡寸法とスナックの切断応力(硬度)の両計測値に基づく食感評価値と、スナック表面を分光測色計で計測した色調評価値と、所定容量の容器に入れたスナックの重量を計測したボリューム評価値とを、下記の式1に代入することによって行うことができる。
品質評価値=k{w1×(食感評価値)+w2×(色調評価値)+w3×(ボリューム評価値)}・・・(式1)
ここで食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々はメンバーシップ関数値(0〜1)で示される。また、w1、w2、w3は各評価値のウエイトを示し、w1+w2+w3=1となるように、メンバーシップ関数値に則して配分される係数である。
k値は各物性評価値によるメンバーシップ関数値の共通和(各数列項目の中で最も小さい値)が0の場合には0とし、共通和が0より大きい時には1とする係数とする。したがって、例えば色調評価値が0点評価である場合、他の評価値が最高良品値の1点であっても色合いが悪いスナックは商品として不適当であるために算出される品質評価値を0点とし、不良品として評価される。
食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々の算出方法について、図2を参照しつつ説明する。
第2図は、コーングリッツを原料として製造したコーンスナック製品に関する食感評価値、色調評価値及びボリューム評価値の各々の物性値と品質との関係を、ファジィメンバーシップ関数によって示したものである。
(A)食感評価値は(a)気泡寸法と(b)切断応力の各物性値とから構成される。
(a)気泡寸法の計測は製造されたスナックを切断し、気泡寸法計測を容易にするために、該切断面を20倍に拡大した時の気泡を測定することにより行う。コーンスナック製品において最高良品(1点)とされる気泡寸法は計測点数50個の平均値が0.5〜0.6mmのものである。平均気泡寸法が0.5mm未満のものは、ややクッキングが過度の傾向にあり、平均0.3mm以下のものは完全にクッキングが過度(ギザ)と評価されて不良品(0点)として評価される。一方、平均気泡寸法が0.6mmを超えるものはクッキングがやや不足の傾向にあり、平均0.8mm以上では完全にクッキング不足(ガリ)と評価される。本製品は上記と同様に不良品(0点)として評価される。
(b)切断応力の計測は、レオメーターを使用し、φ0.3mmのワイヤーで50個のスナックを切断した時の平均最大応力値を測定することにより行う。
コーンスナック製品において最高良品(1点)とされる平均切断応力は計測点数50個の平均値が400〜500g重であり、平均切断応力が400g重未満のものはクッキングがやや過度の傾向にあり、平均値200g重以下では完全にクッキング過度(ギザ)となり、不良品(0点)として評価される。一方、平均切断応力が500g重を超えるものはクッキングが不足の傾向で、平均700g重以上ではクッキング不足(ガリ)となり、不良品(0点)として評価される。
上記のように評価された気泡寸法と切断応力は、以下の式2により食感評価値として算出される。
食感評価値=w1×(気泡寸法評価点)+w2×(切断応力評価点) ・・・(式2)
ここで、w1及びw2は、メンバーシップ関数値に則して配分される係数であり、コーンスナック製品では、w1=0.4、w2=0.6である。
即ち、気泡寸法評価点に0.4を乗じた値と、切断応力評価点に0.6を乗じた値の和をもって食感評価値とする。
(B)色調評価値は、ハンター表記方法による色素分析値のb値を分光測色計を使用して測定することにより行われる。
コーンスナック製品において最高良品(1点)とされるb値は、計測点数50個の平均値が0.38以上で、b値が0.38未満はクッキングが過度の傾向にあり、更にb値が0.33以下では完全にクッキング過度(ギザ)と評価され、不良品(0点)として評価される。
(C)ボリューム評価値は、1リットル容量の容器に入るスナックの生地の重量(g)を測定することにより行う。
コーンスナック製品において最高良品(1点)とされるボリュームは39〜43g/リットルである。39g/リットル未満の場合はボリュームが過度傾向にあり、且つクッキングも過度の傾向にある。更に35g/リットル以下では完全にクッキング過度(ギザ)となり、不良品(0点)として評価される。一方、ボリュームが43g/リットルを超えるものはクッキングが不足の傾向にある。更に47g/リットル以上では完全にクッキング不足(ガリ)となり、不良品(0点)として評価される。
上記のようにして得られた評価値の各々を前出の式1
品質評価値=k{w1×(食感評価値)+w2×(色調評価値)+w3×(ボリューム評価値)}・・・(式1)
に代入することにより、品質評価値を得ることができる。食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各値は0〜1点の評価で表されることから、品質評価値も0〜1点で表される。尚、この評点を5倍することにより5点評価の官能評価値と一致させることができる。
算出される品質評価値は1点が最高良品値であり、完全不良品は0点である。合格ラインは任意に設定することができるが、市場に提供する製品は0.8点以上であることが好ましい。
但し、食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の何れかに0点の評価がされたものが1つでもある場合には製品としての価値はない。その場合、k値によって品質評価値を0点にし、不良品として処理することができる。
斯くして表された品質評価値と、従来方式による10名の専門パネラーによる官能評価値との相関とを調べた結果、相関係数=0.98という高い相関関係が認められた。
「基準値」は、上述の方法で評価した結果最適なスナックの品質評価が得られた場合に、その時のエクストルーダ4の単位時間の消費電力量(Pw)を、該単位時間内に供給した原料生地量(kg)で除して求めた比消費電力量値である。該基準値を基に制御手段5に、最適品質のスナックが得られるための前記モーター43で消費する電力量の範囲を予め設定する。
該範囲は上限値、中心値及び下限値の各々に、プラス/マイナスの調整値を有する上限域(Pw=pwB±Δp)、中心域(Pw=pwm±Δp)、下限域(Pw=pwL±Δp)からなっている。
同時に、モーター43の回転数の中心値(R=rm)、下限値(R=rL)、上限値(R=rB)、調整値(Δr)を設定する。該調整値(Δr)は、上限値と下限値との間を、段階的にプラス/マイナスするためのものである。
更に、原料のフィード量の中心値(F=fm)、下限値(F=fL)及び上限値(F=fB)と、水の添加量の中心値(W=wm)、下限値(W=wL)及び上限値(W=wB)を設定する。
これらの設定値を制御手段5に設定した後、エクストルーダ4の運転を開始すると、所定時間経過後から制御状態に入る。
モーターの回転数が中心値(R=rm)に達した時点で、ポンプ制御器32によって中心値(W=wm)に調整された水がポンプ31により加水混合器23に添加され、同時にフィーダー制御器22によって中心値(F=fm)に設定されたスナック原料がフィーダー21により加水混合器23に投入され、これらが攪拌・混合された後、原料生地がエクストルーダ4のホッパー40に投入される。
投入された原料生地は、エクストルーダ4の内部に配置された回転体44の回転により加熱されながらダイ部42に押し出され、膨化形成される。
前記ダイ部42の先端にはカッター45が装着されており、所定の大きさ毎に膨化形成されたスナックを切断し、最終的に膨化スナック46が得られる。
ここで制御手段5は、実際に供給されている原料生地量当たりの前記モーター43の比消費電力量値と予め設定した基準値とを「ファジィ理論」に基づき比較演算する。
その結果、該比消費電力量値と基準値との相対的な差が小さい場合には、回転数による制御が行われ、良品の膨化スナックが得られるように調整する。
一方、該比消費電力量値と基準値との相対的な差が大きい場合には、回転数による制御のみでは調整不可能であるために回転数の制御に加えて、前記水の添加量の増減、前記スナック原料のフィード量の増減の順で制御することにより、良品の膨化スナックが得られるような製造条件を適宜設定する。
前記「ファジィ理論」による運転制御は、以下のルールに基づいて実行される。
ルール1
モーターの比消費電力量値が中心域に存在する場合には[if Pw=pwm±Δp]、回転数、原料のフィード量及び水の添加量をキープする[then R=keep、F=keep、W=keep]。
ここで、Pwは比消費電力量値、pwmは中心域比消費電力量値、Δpは調整値(この調整値内ならば品質差を認めない範囲)、Rはエクストルーダ回転数、Fはフィード量(単位時間当たりの原料供給量)、Wは加水量をそれぞれ意味する。
ルール2
前記モーターの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在する場合には[if(pwm+Δp)<Pw<pwB]、回転数を下限値+調整値、原料のフィード量及び水の添加量を中心値とする[then R=rL+Δr、F=fm、W=wm]。
ここで、pwBは上限値比消費電力量値、(rL+Δr)は下限回転数+調整値、fmはフィード量中心値、wmは加水量中心値をそれぞれ意味する。
ルール3
前記モーター比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値+調整値に存在する場合には[if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL+Δr]、回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を中心値とする[then R=rL、F=fm、W=wm]。
ルール4
前記モーターの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値に存在する場合には[if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL]、回転数を下限値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を上限値とする[then R=rL、F=fm、W=wB]。
ここで、wBは加水量上限値を意味する。
ルール5
前記モーターの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値、水の添加量が上限値に存在する場合には[if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL、W=wB]、回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を上限値とする[then R=rL、F=fB、W=wB]。
ここで、fBはフィード量上限値を意味する。
ルール6
前記モーターの比消費電力量値が上限値以上に存在する場合には[if Pw≧pwB]、回転数を下限値、原料のフィード量を上限値、水の添加量を上限値とする[then R=rL、F=fB、W=wB]。
ここで、pwBは比消費電力量値上限値を意味する。
ルール7
前記モーターの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在する場合には[if(pwm−Δp)>Pw>pwL]、回転数を上限値−調整値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を中心値とする[then R=rB−Δr、F=fm、W=wm]。
ここで、rBは回転数上限値を意味する。
ルール8
前記モーターの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数が上限値−調整値に存在する場合には[if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=(rB−Δr)]、回転数を上限値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を中心値とする[then R=rB、F=fm、W=wm]。
ルール9
前記モーターの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し、且つ回転数が下限値に存在する場合には[if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rL]、回転数を下限値+調整値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を下限値とする[then R=rL+Δr、F=fm、W=wL]。
ルール10
前記モーターの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し、且つ、回転数及び水の添加量が下限値に存在する場合には[if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rL、W=wL]、回転数を上限値−調整値、原料のフィード量、水の添加量を下限値とする[then R=rB−Δr、F=fL、W=wL]。
ルール11
前記モーターの比消費電力量値が下限値以下に存在する場合には[if Pw≦pwL]、回転数を上限値、原料のフィード量及び水の添加量を下限値とする[then R=rB、F=fL、W=wL]。
試験例1(物性値と計測値との相関性)
本発明に係るエクストルーダのクッキング制御方法を完成するためには、最適良品の膨化スナックが有する気泡寸法、切断応力、色調、ボリュームの各々の物性値と、駆動制御器に装着されている計測器によって計測される値との相関性が高いことが要求される。
そこで、一軸エクストルーダ(ドイツ国ハインシャーフ社製)を使用し、コーングリッツを原料としてスナックを製造し、物性値と計測値との相関性について検討した。
先ず、エクストルーダのダイ部に厚み1.0mm、長さ8mmの長方形のノズル孔8個を刻設したノズルを使用し、イエローコーングリッツを250kg/hのフィード条件下で、エクストルーダ回転数、グリッツ水分量等を適宜変化させてクッキング処理し、良品とされるスナックを製造した。
得られたスナックのうち、50個を被験試料とし、該被験試料について切断面の気泡の平均寸法、平均切断応力、ボリューム、色差分析によるL値、b値をそれぞれ計測した。
気泡寸法は被験試料を切断した後、該切断面を20倍に拡大し、100個の気泡を測定することにより被験試料50個の気泡一個当たりの平均を求めた。
切断応力はレオメーター(全研社製)を使用し、0.3mmのワイヤーで被験試料を切断したときの最大応力を測定することにより、被験試料50個の平均最大応力値を求めた。
ボリュームは1リットル容量の容器に入る被験試料の生地重量を測定することにより求めた。
色調は被験試料の表面の色調を分光測色計(ミノルタ社製CM5251型)を用いて測定することによりL値及びb値を求めた。
一方、計測値については、前記と同一のエクストルーダを使用し、エクストルーダの回転体を回転させるための駆動モーターの消費電力量を原料のフィード量(kg)で除して得られる比消費電力量値、ダイ部に装着した圧力計の計測値によるノズル部圧力、ダイ部ノズルから排出される膨化スナック生地の品温を放射温度計で計測した生地温度、ダイ部に装着した温度計の計測値のノズル部温度をそれぞれ計測した。
前記物性値と上記計測値から、物性値と計測値の相関係数を求めた。その結果、表1に示されているようにスナックの切断面の気泡の平均寸法、切断応力、ボリューム、色調(b値)は、比消費電力量値との相関係数が特に高いことが認められた。
一方、色調におけるL値は生地温度との相関が高くノズル部圧力、ノズル部温度の各々の物性評価値との相関は低いものであった。
上記の結果に基いて比消費電力量値と気泡寸法、切断応力、b値、ボリュームの各々との関係について詳細に検討した。
第3図には上記気泡寸法、切断応力、b値、ボリュームの各々物性測定値と比消費電力量値との相関関係が示されている。
第3図から明らかなように気泡寸法、切断応力、b値、ボリュームの各々物性測定値と比消費電力量値との間には一定の相関関係が認められた。
具体的には、最適品質のスナックの気泡サイズ(0.5〜0.6mm)を得るためには、比消費電力量値を142〜152wh/kgの範囲で維持することが好ましく(第3(a)図参照)、最適品質のスナックの切断応力(400〜500g重)を得るためには、比消費電力量値を144〜156wh/kgの範囲で維持することが好ましく(第3(b)図参照)、最適品質のスナックのb値(0.33〜0.38)を得るためには、比消費電力量値を130〜152wh/kgの範囲で維持することが好ましく(第3(c)図参照)、最適品質のスナックのボリューム(39〜43g/l)を得るためには、比消費電力量値を140〜158wh/kgの範囲で維持することが好ましいことが明らかとなった。
以上の結果から、製品の品質を評価する食感評価値、色調評価値及びボリューム評価値のすべてが、原料1kg当たりの比消費電力量値によって制御できることが判明した。
更に、(気泡寸法と切断応力とからなる)食感、色調、ボリュームのすべての項目について最適品質であることを満たす比消費電力量値の範囲は、144〜152wh/kgであり、これを基準値とすることにより、スナック製品の品質を制御し得ることが明らかとなった。
実施例1(エクストルーダのクッキング制御)
次に、本発明による食品用エクストルーダのクッキング制御方法及びクッキング制御システムを利用して膨化スナックを製造した結果について以下に説明する。
エクストルーダはコレットタイプ一軸エクストルーダ(ドイツ国ハインシャーフ社製)を使用し、制御コンピュータには予め下記の設定値をインプットした。
目標消費電力
中心域 Pwm=(pwm±Δp)=148±4wh/kg
下限域 PwL=(pwL+Δp)=140wh/kg±4wh/kg
上限域 PwB=(pwB±Δp)=156wh/kg±4wh/kg
回転数制御値
中心値 R=rm=650〜675rpm
下限値 R=rL=650rpm
上限値 R=rB=675rpm
調整値 Δr=25rpm
原料フィード量制御値
中心値 F=fm=195〜200kg/h
下限値 F=fL=195kg/h
上限値 F=fB=200kg/h −5kg/hづつ低下
加水量制御値
中心値 W=wm=2%加水
下限値 W=wL=1%加水
上限値 W=wB=3%加水
制御法則として下記のルールをインプットした。
ルール1 if Pw=pwm±Δp
then R=keep、F=keep、W=keep
ルール2 if(pwm+Δp)<Pw<pwB
then R=rL+Δr、F=fm、W=wm
ルール3 if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL+Δr
then R=rL、F=fm、W=wm
ルール4 if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL
then R=rL、F=fm、W=wB
ルール5 if(pwm+Δp)<Pw<pwB、R=rL、W=wB
then R=rL、F=fB、W=wB
ルール6 if Pw≧pwB
then R=rL、F=fB、W=wB
ルール7 if(pwm−Δp)>Pw>pwL
then R=rB−Δr、F=fm、W=wm
ルール8 if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rB−Δr
then R=rB、F=fm、W=wm
ルール9 if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rL
then R=rL+Δr、F=fm、W=wL
ルール10 if(pwm−Δp)>Pw>pwL、R=rL、W=wL
then R=rB−Δr、F=fL、W=wL
ルール11 if Pw≦pwL
then R=rB、F=fL、W=wL
上記準備の完了後、原料タンクにイエローコーングリッツを投入し、エクストルーダの運転を開始し、回転数を650rpmに設定後、回転数が設定値に達し安定したことを確認した。
然る後に加水混合装置を作動させ、原料タンクからグリッツを200kg/hで加水混合装置に供給すると同時に、ポンプで加水し、原料生地の水分を14%に調整し、運転を継続した。
この状態で比消費電力量値はPw=(pwm±Δp)=144wh/kg(比消費電力量値=電流*電圧*時/時間当たりフィード量)に達し、ボリュームが40g/リットルで切断応力450g重、平均気泡サイズ0.55mm、色調特性を示すハンター表示値0.42の製品が安定に生産された。
(1)クッキングオーバーの制御
この状態から直流モーター、原料フィード装置、加水ポンプの制御値を無作為に調整し、クッキングをオーバーな状態とした。
その結果、比消費電力量値はPw=170wh/kg、ボリュームが30g/リットルで切断応力250g重、平均気泡サイズ0.25mm、色調特性を示すハンター表示値0.32の、クッキングがオーバーな製品が製造される状態となった。
この状態下において、本発明に係る制御ルールによるコンピューター制御状態に切り替えた。
その結果、2分後には比消費電力量値Pw=(pwm±Δp)=145±4wh/kg(比消費電力量値=電流*電圧*時/時間当たりフィード量)に達し、ボリュームが40g/リットルで切断応力460g重、平均気泡サイズ0.5mm、色調特性を示すハンター表示値0.40の製品が安定して生産されるようになった。
(2)クッキングアンダーの制御
前記(1)と同様にして、比消費電力量値Pw=(pwm±Δp)=146wh/kg(比消費電力量値=電流*電圧*時/時間当たりフィード量)、ボリュームが41g/リットル、切断応力460g重、平均気泡サイズ0.50mm、色調特性を示すハンター表示値0.40の製品が安定して生産される状態になした。
この状態から直流モーター、原料フィード装置、加水ポンプの制御値を無作為に調整し、クッキングをアンダーな状態とした。
その結果、比消費電力量値がPw=120wh/kg、ボリュームが55g/リットルで切断応力650g重、平均気泡サイズ0.80mm、色調特性を示すハンター表示値0.48のクッキングがアンダーな製品が製造される状態になった。
この状態下において、本発明に係る制御ルールによるコンピューター制御状態に切り替えた。
その結果、2分後には比消費電力量値がPw=(pwm±Δp)=148±4wh/kg(比消費電力量値=電流*電圧/フィード量)に達し、ボリュームが40g/リットルで切断応力450g重、平均気泡サイズ0.53mm、色調特性を示すハンター表示値0.41、の製品が安定に生産される状態に復帰した。
産業上の利用可能性
本発明による食品用エクストルーダのクッキング制御方法によれば、ファジー理論と組み合わせ、スナックの製造工程における種々の設定値の変動を即座に感知し、自動的に修復することができるために生産性を低下させることなく、品質の安定した製品を継続的に製造することができる。
更に、膨化スナックのクッキング制御が自動的に行えるため、一作業者当たりのエクストルーダの管理台数を多くすることもでき、大量生産にも対応することができる。
Claims (4)
- 食品用エクストルーダで単位時間に消費する電力量を該エクストルーダに単位時間に供給した原料生地量で除した比消費電力量値を求め、
良好な品質のスナック生産時の比消費電力量値を基準値として、該比消費電力量値基準値と比消費電力量値の差が小さい場合には、エクストルーダの回転数制御を行い、
前記の差が大きい場合には、前記食品用エクストルーダの回転制御の他に水の添加量の増減、スナック原料のフィード量の増減の順で制御する
ことを特徴とする、食品用エクストルーダのクッキング制御方法。 - 請求の第1項に記載の食品用エクストルーダのクッキング制御方法において、
比消費電力量値基準値は、最適なスナックとしての品質評価が得られる値であり、
該スナックの品質評価は食感と、色調と、ボリュームとで評価し、
前記食感は、前記スナックの気泡寸法とスナックの切断応力の計測値に基づきメンバーシップ関数値で評価した食感評価値で表し、
前記色調は、分光測色計の計測値に基づきメンバーシップ関数値で評価した色調評価値で表し、
前記ボリュームは、所定容量の容器に入れた前記スナックの重量に基づきメンバーシップ関数値で評価したボリューム評価値で表し、
前記食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に予め設定されている不良品評価値が1つでも存在する場合には、前記スナックの品質評価を不良品評価値とし、
前記食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に前記不良品評価値が存在しない場合には該食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の各々に、従来法による官能評価値に近似するように配分したウェイト係数を乗算し、
該係数を乗算した食感評価値、色調評価値、ボリューム評価値の和から品質評価値を得る
ことを特徴とする、食品用エクストルーダのクッキング制御方法。 - 請求の範囲第1項又は第2項に記載の食品用エクストルーダのクッキング制御方法において、
最適なスナックとしての品質評価値を得たエクストルーダの回転数、原料のフィード量、水の添加量を中心値として、各々製造時における回転数、原料のフィード量、水の添加量に上限値、下限値、調整値の各値を求め、
比消費電力量値基準値である中心値と、実際に消費する比消費電力量値とを比較した結果を、ファジィ理論によるルールに入力し、
これによって前記回転数、スナック原料のフィード量、水の添加量の各々を制御する
ことを特徴とする、食品用エクストルーダのクッキング制御方法。 - 請求の範囲第3項に記載の食品用エクストルーダのクッキング制御方法において
ファジィ理論によるルールは、
比消費電力量値として、比消費電力量値基準値である中心値と上限値、下限値の各々に、プラス/マイナスの調整値を有する上限域、中心域、下限域を設定し、エクストルーダの回転数として、上限値と下限値との間を、所定の値からなる調整値により段階的にプラス/マイナスし、
エクストルーダの比消費電力量値が中心値である比消費電力量値基準値のプラス/マイナスの調整値からなる中心域に存在する場合には回転数、原料のフィード量及び水の添加量をキープし、
エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在する場合には回転数を下限値+調整値、原料のフィード量及び水の添加量を中心値とし、エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値+調整値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を中心値とし、
エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を上限値とし、
エクストルーダの比消費電力量値が前記中心域と上限値との間に存在し且つ回転数が下限値、水の添加量が上限値に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量及び水の添加量を上限値とし、
エクストルーダの比消費電力量値が上限値以上に存在する場合には回転数を下限値、原料のフィード量を上限値、水の添加量を上限値とし、
エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在する場合には回転数を上限値−調整値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を中心値とし、
エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数が上限値−調整値に存在する場合には回転数を上限値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を中心値とし、
エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数が下限値に存在する場合には回転数を下限値+調整値、原料のフィード量を中心値、水の添加量を下限値とし、
エクストルーダの比消費電力量値が中心域と下限値との間に存在し且つ回転数及び水の添加量が下限値に存在する場合には回転数を上限値−調整値、原料のフィード量、水の添加量を下限値とし、
エクストルーダの比消費電力量値が下限値以下に存在する場合には回転数を上限値、原料のフィード量及び水の添加量を下限値とする
ことを特徴とする、食品用エクストルーダのクッキング制御方法。
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