JPH0556752A - 高水分蛋白質原料の組織化処理方法及び装置 - Google Patents

高水分蛋白質原料の組織化処理方法及び装置

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JPH0556752A
JPH0556752A JP24248891A JP24248891A JPH0556752A JP H0556752 A JPH0556752 A JP H0556752A JP 24248891 A JP24248891 A JP 24248891A JP 24248891 A JP24248891 A JP 24248891A JP H0556752 A JPH0556752 A JP H0556752A
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extruder
die
pump
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JP24248891A
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Yoshinori Tokugawa
善範 徳川
Yoshiaki Oda
吉昭 小田
Sadaji Tsukui
貞治 津久井
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 水分含有量の多い蛋白質原料から、肉様の組
織を有する食品素材を提供する。 【構成】 二軸エクストルーダ2の先端には、一対のギ
ヤ5,5からなるロータリ式ギヤポンプ6が取り付けら
れ、ギヤ5,5の回転によって、エクストルーダ2から
供給される原料の搬送量が制御される。そのギヤポンプ
6の先端には、弁軸17の進退によって原料通路19の
断面積を変化させる可変絞り弁15が取り付けられその
絞り弁15の原料出口部19dに、ダイ27が取り付け
られている。二軸エクストルーダ2によって混練搬送さ
れてくる高水分の蛋白質原料は、ギヤポンプ6及び絞り
弁15によって抵抗を受け、その原料の圧力が高まり、
温度が上昇する。高温高圧の原料がダイ27から大気中
に押し出されることによって、その原料が繊維状に組織
化されるとともに、その原料中の水分が一瞬のうちに蒸
発し、膨化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛋白質原料、あるいは
それに澱粉類や調味料等を混合した原料を組織化処理し
て、肉様の組織を有する食品素材を製造するために用い
られる蛋白質原料の組織化処理方法及びその装置に関す
るもので、特に、おからのような水分含有率の高い蛋白
質原料を組織化処理する高水分蛋白質原料の組織化処理
方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大豆等に含まれている植物性蛋白質や魚
肉等に含まれている動物性蛋白質を繊維状に組織化する
と、畜肉様の食品素材が得られるということが知られて
いる。そして、その組織化処理方法としては、二軸エク
ストルーダを用いて原料を混練搬送し、ダイを通して押
出成形する方法が知られている。例えば特開昭61−1663
65号公報には、植物性蛋白質原料を二軸エクストルーダ
で加熱加圧処理して冷却ダイから押し出すことにより、
繊維状に組織化された畜肉様の植物性蛋白質食品素材を
得る方法が記載されている。また、特開昭61-25457号公
報、特開昭62-22555号公報等には、植物性蛋白質原料と
マリンビーフあるいは鶏卵等の動物性蛋白質原料とを混
合した混合原料に水を添加し、更に澱粉類等を配合して
原料中の水分含有率を調整したものを、二軸エクストル
ーダによって加熱加圧処理してダイから押し出すことに
より、同様に組織化された蛋白質食品素材を得る方法が
記載されている。更に、特開昭61-25463号公報には、魚
肉すりみにマリンビーフ、その他の添加物を適宜混合し
た原料を同様に処理することによって、同様な食品素材
が得られることが記載されている。
【0003】このような組織化処理方法においては、原
料は二軸エクストルーダによってクッキングされ、ダイ
によって組織化される。したがって、その二軸エクスト
ルーダは、原料が組織化する温度(通常は130〜15
0℃)にまでクッキングされるように運転される。しか
しながら、一般の蛋白質原料には水分が含まれている。
そして、水は大気圧下では100℃以上にはならない。
そのために、水分の多い原料の場合には、二軸エクスト
ルーダの運転条件を変えても、原料の温度をその組織化
温度にまで高めることはできない。組織化温度にまで高
めるためには、原料が加圧されるようにする必要があ
る。
【0004】そこで、従来は、そのように二軸エクスト
ルーダを用いておから等のような高水分の蛋白質原料を
組織化処理するときには、その原料を乾燥させたり澱粉
や市販の植物性蛋白質等の添加物の配合量を増加させた
りして、原料の含水率を調整するとともに、押し出され
る原料を冷却し得る冷却ダイを用い、冷却しながら押出
成形するようにしていた。そのように原料を低水分とし
て冷却しながら押出成形すると、ダイを通る原料が冷却
硬化することによってその抵抗が大きくなるので、エク
ストルーダの先端における原料圧力が高められる。した
がって、原料が組織化温度にまで達するようになる。そ
して、ダイを通して押し出されることにより、原料の圧
力が加圧下から大気圧へと急激に変化するので、原料中
の水分が一瞬のうちに蒸発し、原料が膨化して組織化さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うに原料の水分含有率を低くして冷却ダイに通すと、得
られる組織化物は、繊維が密で見かけ比重も高く硬いも
のとなる。そのために、その後の味付け工程において調
味液が組織化物の内部に浸透しにくくなり、良好な味付
けができなくなるという問題がある。また、食感も、歯
切れや喉ごしについて満足できるものとは言えなくな
る。したがって、原料は、多量の水分を含有した状態で
組織化処理されるようにすることが望まれる。
【0006】しかも、その場合、原料は、高水分であっ
ても低水分原料と同様に膨化させて組織化されることが
望まれる。そのためには、原料中に含まれている多量の
水分が一瞬のうちに蒸発されるようにしなければならな
い。そして、当然のことながら、水分の蒸発に要する熱
量は、その水分の量が多いほど大きくなる。したがっ
て、高水分原料を処理するためには、ダイから押し出さ
れる原料の温度を高めること、すなわち、ダイの入口側
における原料の圧力を増大させることが必要となる。従
来のように二軸エクストルーダから供給される原料を直
接冷却ダイから押し出すものの場合には、ダイの入口側
における原料圧力はエクストルーダの先端における原料
圧力にほぼ等しくなる。したがって、そのようにダイの
入口側における原料圧力を増大させるためには、二軸エ
クストルーダの先端における原料圧力をより高めること
が必要となる。しかしながら、エクストルーダの先端側
の原料圧力を高めるようにすると、特に高水分原料の場
合には原料が逆流しやすくなるので、二軸エクストルー
ダの安定した運転が不可能となってしまう。
【0007】また、冷却ダイに通すと、その冷却ダイに
よって原料の有する熱量が奪われるので、原料中の水分
の蒸発効率が低下する。したがって、膨化処理効率も低
下することになる。
【0008】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、水分含有率の高い蛋白質
原料を、高水分状態のままで効率よく膨化させて組織化
処理することのできる方法及び装置を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、原料を押出成形するダイとして、冷却
を行わない通常のダイを用いるようにしている。そし
て、本発明による高水分蛋白質原料の組織化処理方法
は、二軸エクストルーダとダイとの間の原料通路にポン
プを設けて、そのポンプにより二軸エクストルーダから
ダイに送られる原料の搬送量を調整するとともに、その
ポンプより下流側の原料通路の断面積を変化させること
によって、原料圧力を2段階で調整するようにしたこと
を特徴としている。
【0010】また、本発明による高水分蛋白質原料の組
織化処理装置は、二軸エクストルーダとダイとの間の原
料通路にポンプと可変絞り弁とを順に設けたことを特徴
としている。そのポンプとしては、例えばロータリ式ギ
ヤポンプのように高水分原料を搬送することができ、し
かも、その搬送量を変化させることのできる可変流量ポ
ンプを用いることが望ましい。しかしながら、粘度がほ
ぼ一定の原料の処理に用いる場合には、そのポンプは定
流量ポンプであってもよい。また、絞り弁としては、原
料通路に設けられた弁座と、その弁座に対して進退する
ことによって原料通路の断面積を変化させる弁軸とから
なるものを用いることができる。その場合、それらポン
プ及び絞り弁の外周にはヒータを設けて、原料通路を通
る原料が加熱されるようにすることが望ましい。
【0011】
【作用】このように構成することにより、二軸エクスト
ルーダへの原料供給量が一定の場合、例えばギヤポンプ
の回転数を下げて原料の搬送量を減少させると、そのポ
ンプが設けられている原料通路の抵抗が高くなる。した
がって、エクストルーダの先端における原料圧力が高く
なり、原料中の水分量に関係なく原料温度が高められる
ようになる。そして、そのようにして圧力調整された原
料が、そのポンプよりも下流側の原料通路の断面積を小
さくすることによって、その原料通路において絞られる
ようになるので、その原料通路の抵抗が更に高くなり、
ダイの入口側における原料温度が一層高められる。した
がって、水分の多い原料であっても、その温度が組織化
温度にまで高められるとともに、水分を蒸発させるため
の十分な熱量が与えられる。そして、その原料がダイに
導かれ、押出成形されることにより、膨化して繊維状に
組織化される。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図は本発明による高水分蛋白質原料の組織化処理装
置の一実施例を示すもので、図1はその要部の水平断面
図であり、図2はその更に要部の縦断側面図である。
【0013】図1から明らかなように、この組織化処理
装置1は二軸エクストルーダ2を備えている。そのエク
ストルーダ2は、一対のスクリュ3,3を互いに噛み合
うようにしてバレル4内に平行に配置したもので、各ス
クリュ3,3は、図示されていない駆動装置により同時
に回転駆動されるようになっている。また、図示されて
いないが、バレル4の基端部には原料供給口が設けられ
ており、その原料供給口から高水分蛋白質原料が内部に
導入されるようになっている。
【0014】エクストルーダ2の先端側、すなわち出口
側にあたるバレル4の端面には、互いに噛み合う一対の
ギヤ5,5からなるロータリ式ギヤポンプ6がボルト7
によって固着されている。そのギヤポンプ6のケーシン
グ8には、軸線方向に貫通し、一端がバレル4の内部に
連通する貫通孔9が形成されている。その貫通孔9のエ
クストルーダ2に隣接する部分は、下流側に向かって断
面積が徐々に縮小する原料入口部10aとされている。
また、その原料入口部10aの下流側には、上述のギヤ
5,5を収容するギヤ収容部10bが設けられている。
そのギヤ5,5は、図示されていない駆動手段によって
矢印方向に回転速度可変に回転駆動されるようになって
いる。更に、そのギヤ収容部10bより下流側の貫通孔
9は、比較的小径の原料出口部10cとされている。こ
うして、二軸エクストルーダ2からギヤポンプ6に供給
される原料は、その原料入口部10aからギヤ収容部1
0bに導かれ、そのギヤ収容部10bにおいてギヤ5,
5による抵抗を受けた後、原料出口部10cに導かれる
ようになっている。すなわち、それら原料入口部10
a、ギヤ収容部10b、及び原料出口部10cによっ
て、ギヤポンプ6内の原料通路10が形成されている。
ギヤポンプ6のケーシング8には、更に、その原料入口
部10a及び出口部10cにおける原料の圧力をそれぞ
れ測定する圧力計11,12が取り付けられている。ま
た、そのポンプ6の外周部には、そのポンプ6内の原料
を加熱するヒータ13が設けられている。
【0015】ロータリ式ギヤポンプ6の出口側の端面に
は、ボルト14によって可変絞り弁15が固着されてい
る。この可変絞り弁15は外筒16と弁軸17とからな
るもので、その外筒16には、ギヤポンプ6の原料出口
部10cに連通する貫通孔18が形成されている。図2
に示されているように、その貫通孔18のギヤポンプ6
に隣接する部分は小径の原料入口部19aとされ、その
入口部19aに連なる部分に、下流側に向かって径が拡
大するテーパ部18aが形成されている。弁軸17は、
外筒16の先端側から貫通孔18内に挿入されるように
なっている。その弁軸17の外端部には雄ねじ部17a
が設けられている。一方、外筒16の先端面には、ナッ
ト部材20がボルト21によって固着されている。そし
て、そのナット部材20の雌ねじ部20aに、弁軸17
の雄ねじ部17aが螺合されている。弁軸17の雄ねじ
部17aには、更に、そのナット部材20の外側に、固
定ナット22が螺合されている。こうして、固定ナット
22をゆるめ、弁軸17を回転させることにより、その
弁軸17が図2の実線位置と仮想線位置との間で外筒1
6に対して進退するようにされている。
【0016】弁軸17の内端面17bは、外筒16の貫
通孔18に設けられているテーパ部18aに対応するテ
ーパ面とされている。また、貫通孔18内に挿入される
弁軸17の内端部分17cは、その貫通孔18の内径よ
りも小径とされている。こうして、二軸エクストルーダ
2からギヤポンプ6を通して可変絞り弁15に供給され
た原料は、その絞り弁15の原料入口部19a、貫通孔
18のテーパ部18aと弁軸17の内端面17bとの間
のすきま19b、及び外筒16と弁軸17の内端部分1
7cとの間のすきま19cを通り、外筒16の側面に形
成された原料出口部19dに導かれるようになってい
る。すなわち、これら原料入口部19a、すきま19
b,19c、及び原料出口部19dによって、可変絞り
弁15内の原料通路19が形成されている。そして、弁
軸17を進退させることにより、貫通孔18のテーパ部
18aと弁軸17の内端面17bとの間のすきま19b
の大きさが変わり、原料通路19の断面積が変化するよ
うにされている。したがって、その貫通孔18のテーパ
部18aは、弁軸17に対する弁座となっている。
【0017】外筒16と弁軸17との間には、原料が原
料通路19から弁軸17及びナット部材20の各ねじ部
17a,20a側に漏洩するのを防ぐシール部材23が
設けられている。そのシール部材23はシール押さえ2
4によって保持されている。また、外筒16には、原料
通路19を通る原料を加熱するためのヒータ25が設け
られている。
【0018】図1に示されているように、可変絞り弁1
5の外筒16の側面には、その絞り弁15の原料出口部
19dに連通する入口部26aを有するダイ27が、ボ
ルト28によって固着されている。そのダイ27の出口
部26bは小径の開口とされている。こうして、二軸エ
クストルーダ2から供給される原料は、可変流量ポンプ
であるロータリ式ギヤポンプ6内の原料通路10及び可
変絞り弁15内の原料通路19を通してダイ27に導か
れ、そのダイ27から押し出されることによって繊維状
に成形されるようになっている。
【0019】次に、このように構成された組織化処理装
置1の作用について説明する。この組織化処理装置1を
用いて高水分の蛋白質原料を処理するときには、二軸エ
クストルーダ2のスクリュ3,3を所定の速度で回転さ
せながら、その原料を、エクストルーダ2の原料供給口
からバレル4内に供給する。すると、その原料は、スク
リュ3,3によって混練されながら出口側へと搬送され
る。その間において、原料は、エクストルーダ2のバレ
ル4に設けられている図示されていないヒータによって
加熱されるとともに、スクリュ3,3による剪断を受け
て更に加熱される。こうして、エクストルーダ2の先
端、したがってロータリ式ギヤポンプ6の原料入口部1
0aに、高温で溶融状態の原料が導かれる。そこで、圧
力計11によって検出される原料入口部10a内の原料
圧力を監視しながら、一対のギヤ5,5を矢印方向に回
転させる。そして、そのギヤ5,5の回転数を適宜選択
することにより、ギヤポンプ6を通る原料の搬送量を少
なくする。すると、エクストルーダ2から送られる原料
が大きな抵抗を受けることになり、ギヤポンプ6の原料
入口部10aにおける原料圧力が増大する。このように
してギヤポンプ6の原料入口部10aにおける原料圧
力、すなわち二軸エクストルーダ2の先端における原料
圧力を所定の大きさに保つと、蛋白質原料は、水分含有
量が多くても組織化する温度となる。
【0020】そして、そのように圧力が高められた原料
が、ギヤ5,5間を通ってギヤポンプ6の原料出口部1
0c側に押し出され、可変絞り弁15の原料入口部19
aからその絞り弁15内に導かれる。その場合、ギヤポ
ンプ6はヒータ13によって加熱される。したがって、
ギヤポンプ6の原料通路10を通る原料が冷却されるこ
とはない。そこで、次に可変絞り弁15の上流側、すな
わちギヤポンプ6の原料出口部10cにおける原料圧力
を圧力計12によって監視しながら、絞り弁15の弁軸
17を回転させる。すると、その弁軸17は、弁座であ
る外筒16のテーパ部18aに対して進退し、その間の
すきま19bの大きさが変化する。そして、それによっ
てそのすきま19bを通る原料の抵抗が変化するので、
絞り弁15の原料入口部19aにおける原料圧力が変化
する。このようにして、圧力計12によって検出される
原料圧力が所定の大きさとなったところで弁軸17の回
転を止め、固定ナット22によりその位置で固定する。
そして、その状態でエクストルーダ2及びギヤポンプ6
の運転を続ける。
【0021】このように、原料通路19の断面積を変化
させることにより、可変絞り弁15を通る原料の圧力を
所定の大きさに設定することが可能となる。したがっ
て、その原料圧力を、エクストルーダ2の先端における
原料圧力よりも高くすることができる。すなわち、エク
ストルーダ2の先端における原料圧力をそのエクストル
ーダ2に原料の逆流が生じるほど増大させなくても、原
料温度はその組織化温度よりも十分に高くすることがで
きる。そして、そのようにすることによって、水分含有
量の多い蛋白質原料であっても、その水分を蒸発させる
に十分な熱量を持たせることが可能となる。
【0022】このようにして圧力及び温度が高められた
原料は、次いで、その可変絞り弁15の原料出口部19
dからダイ27の入口部26aに導かれる。この間にお
いて、絞り弁15に設けられているヒータ25を作動さ
せることにより、その絞り弁15を通る原料が加熱され
る。したがって、原料がその絞り弁15において冷却さ
れることはない。こうして、原料は、組織化温度以上の
温度を保ったままダイ27に導かれ、そのダイ27の出
口部26bから大気中に押し出されて成形される。その
場合、ダイ27の前後における圧力差は十分に大きく、
その温度も高い。したがって、原料中の水分は一瞬のう
ちに蒸発する。その結果、原料は膨化した繊維状組織化
物となる。
【0023】このように、この組織化処理装置1を用い
ることにより、水分を多量に含む原料を、そのまま膨化
させて組織化することが可能となる。したがって、従来
のような原料の水分調整が不要となり、工程が大幅に単
純化されるとともに、良質の組織化食品素材を得ること
ができるようになる。
【0024】次に、このような組織化処理装置1を用い
て実際に高水分蛋白質原料を処理した実施例について説
明する。 (実施例1)二軸エクストルーダ2として本出願人会社
製の食品用二軸エクストルーダ(商品名:TEX52
F)を用い、そのエクストルーダ2に、ギヤ5,5がヘ
リカル、シャフトが両軸受構造で、中心間距離が36m
m、歯幅が36mmのロータリ式ギヤポンプ6を取り付け
た。そのギヤポンプ6の適用範囲は吸入圧が120kg/c
m2、吐出圧が350kg/cm2まで、ギヤ回転数は35〜1
70rpm 、単位吐出量は25.6cm3/rev であった。ま
た、そのギヤポンプ6の先端には、弁軸17の内端部分
17cの外径が28mm、その内端部分17cに対向する
外筒16の貫通孔18の内径が31mmで、弁軸17の内
端面17bと貫通孔18のテーパ部18aとの間のすき
ま19bの大きさを0〜7mmの範囲で調整することので
きる可変絞り弁15を取り付けた。更に、その絞り弁1
5に、径が3mmで2孔のダイ27を取り付けた。そし
て、その二軸エクストルーダ2をスクリュ3,3の回転
数150rpm 、バレル4の温度80〜180℃の条件で
運転しながら、そのエクストルーダ2に水分含有量約7
6%のおからを30kg/hの速度で定量供給した。その
際、ロータリ式ギヤポンプ6及び可変絞り弁15の温度
は、それぞれのヒータ13,25によりともに190℃
に保持した。また、絞り弁15の弁軸17の内端面17
bとその弁座である貫通孔18のテーパ部18aとの間
のすきま19bの大きさは、最大の7mmとした。この状
態で、圧力計11を監視しながらギヤ5,5の回転数を
調整し、二軸エクストルーダ2の先端であるギヤポンプ
6の原料入口部10aにおける原料圧力を0〜50kg/c
m2の範囲内で変化させてみた。得られた成形物の組織化
の程度は、原料圧力の大きさによって異なっていた。す
なわち、圧力計11によって検出される原料圧力が10
kg/cm2以下の状態で処理したものは、ほとんど組織化さ
れておらず、ぼそぼそのものとなった。また、原料圧力
を10〜20kg/cm2としたものは、肉眼による観察では
組織化されていることが認められたが、試食してみたと
ころ、硬くて歯ごたえも悪く、物理的性状形態のみでな
く官能的にみても良好な食品素材とは言い難かった。一
方、原料圧力を20kg/cm2以上とした場合には、二軸エ
クストルーダ2における原料の搬送能力が低下してしま
い、運転条件によっては原料供給口から逆流する傾向に
あり、安定した運転ができなかった。そこで、その原料
圧力は10〜20kg/cm2とし、圧力計12を監視しなが
ら可変絞り弁15の弁軸17を調整することにより、そ
の絞り弁15の原料入口部19a、すなわちロータリ式
ギヤポンプ6の原料出口部10cにおける原料圧力を5
〜50kg/cm2の範囲で変化させてみた。他の運転条件は
上述の場合と同様とした。そのときには、その圧力計1
2によって検出される原料圧力が高くなるにつれて、押
出成形物の水分蒸発量が増加し、膨化率が大きくなるこ
とが認められた。そして、その原料圧力を十分高くした
ときに得られた組織化物を試食した結果、その組織化物
は、物理的性状形態のみでなく、官能的にみても卓越し
た肉様食品素材となることが確認された。
【0025】(実施例2)実施例1と同じ組織化処理装
置1を用い、二軸エクストルーダ2のスクリュ回転数を
180rpm とするとともに、圧力計11によって検出さ
れるロータリ式ギヤポンプ6の入口部10aにおける原
料圧力を10〜20kg/cm2に調整する以外は、二軸エク
ストルーダ2の運転条件、ギヤポンプ6及び可変絞り弁
15の温度を実施例1と同じとして、魚肉すりみの組織
化処理を行った。原料としては、市販の冷凍すりみに蛋
白質含有率90%の市販の植物性蛋白質を5%混合した
混合原料を用いた。混合後の原料の含水率は約72%で
あった。この原料を50kg/hの速度で二軸エクストルー
ダ2に定量供給し、弁軸17を調整して、実施例1と同
様に、圧力計12によって検出される原料圧力を5〜5
0kg/cm2の範囲内で変化させた。その結果、いずれの場
合にも組織化された成形物が得られた。しかしながら、
その形状は原料圧力によって異なっていた。すなわち、
実施例1の場合と同様に、圧力計12によって検出され
る原料圧力が高くなるにつれて、成形物の水分蒸発量が
増加し、膨化率が大きくなった。そして、その膨化され
た組織化物を試食した結果、その組織化物は、物理的性
状形態のみでなく、官能的にみても卓越した肉様食品素
材であることが確認された。
【0026】(実施例3)実施例1と同じ組織化処理装
置1を用い、二軸エクストルーダ2、ロータリ式ギヤポ
ンプ6、及び可変絞り弁15の運転条件は実施例2と同
様として、市販の豚肉に同じく市販の植物性蛋白質(蛋
白質含有率90%)を5%混合した混合原料を、実施例
2と同じ速度で二軸エクストルーダ2に供給して処理し
た。その混合原料の含水率は約70%であった。得られ
た成形物は、実施例2の場合と同様に、原料圧力の大き
さによって膨化率が異なるものとなった。そして、膨化
率の大きい組織化物は優れた食品素材となることが確か
められた。
【0027】(実施例4)実施例3と同一条件で同じ組
織化処理装置1を運転し、その二軸エクストルーダ2
に、市販の植物性蛋白質(蛋白質含有率約90%)を1
0kg/hの速度で、また、水を38リットル/hの速度でそ
れぞれ定量供給した。その場合の原料の含水率は約81
%であった。この場合にも、実施例3の場合と同様に、
原料圧力によって異なる膨化率の組織化物が得られた。
そして、大きく膨化した組織化物を試食したところ、卓
越した肉様食品素材となることが確認された。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、二軸エクストルーダとダイとの間の原料通路
にポンプを設け、そのポンプによって、エクストルーダ
からダイ側に送られる原料の搬送量を調整するようにし
ているので、二軸エクストルーダの先端における原料圧
力を高めることができる。したがって、原料中の水分含
有量に関係なくその原料の温度を制御することが可能と
なり、組織化温度にまで昇温させることが可能となる。
また、そのポンプより下流側の原料通路の断面積を変化
させるようにしているので、ポンプによって調整された
原料の圧力を更に調整することができる。したがって、
粘度の低い高水分の蛋白質原料であっても、二軸エクス
トルーダにおける原料の逆流を招くことなく、その原料
の圧力を更に高めることが可能となる。その結果、原料
の温度を組織化温度よりも高めることが可能となり、十
分に膨化させた繊維状組織化物を得ることができる。そ
して、冷却ダイを用いる必要がないので、原料に付与さ
れた熱量はその膨化に有効に利用されるようになる。し
たがって、熱効率も向上する。また、本発明の組織化処
理装置によれば、通常の二軸エクストルーダとダイとの
間にポンプと可変絞り弁とを設けるだけでよいので、そ
の装置を安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高水分蛋白質原料の組織化処理装
置の一実施例を示す要部の水平断面図である。
【図2】その組織化処理装置に用いられている可変絞り
弁の要部を拡大して示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 組織化処理装置 2 二軸エクストルーダ 5 ギヤ 6 ロータリ式ギヤポンプ 10 原料通路 11 圧力計 12 圧力計 13 ヒータ 15 可変絞り弁 17 弁軸 18a テーパ部(弁座) 19 原料通路 25 ヒータ 27 ダイ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分含有率の高い蛋白質原料を二軸エク
    ストルーダによって混練搬送し、ダイを通して押出成形
    することにより前記原料を組織化する組織化処理方法に
    おいて;前記エクストルーダと前記ダイとを結ぶ原料通
    路にポンプを設け、そのポンプにより前記エクストルー
    ダから前記ダイに送られる原料の搬送量を調整して、前
    記エクストルーダの先端における原料圧力を調整すると
    ともに、 そのポンプによる圧力調整後の原料圧力を、前記原料通
    路の断面積を変化させることによって更に調整すること
    を特徴とする、 高水分蛋白質原料の組織化処理方法。
  2. 【請求項2】 蛋白質原料を混練搬送する二軸エクスト
    ルーダと、 そのエクストルーダから送られる原料を押出成形するダ
    イと、 それらエクストルーダとダイとを結ぶ原料通路に設けら
    れ、その原料通路を通る原料の搬送量を調整するポンプ
    と、 そのポンプより下流側の前記原料通路に設けられ、その
    原料通路の断面積を変化させる可変絞り弁と、 を備えている、高水分蛋白質原料の組織化処理装置。
  3. 【請求項3】 前記ポンプが、回転数を変化させ得る一
    対のギヤからなるロータリ式ギヤポンプとされており、 そのポンプの外周部に、前記原料通路を通る原料を加熱
    するヒータが設けられていることを特徴とする、 請求項2記載の高水分蛋白質原料の組織化処理装置。
  4. 【請求項4】 前記可変絞り弁が、前記原料通路に設け
    られた弁座と、その弁座に対して進退することにより前
    記原料通路の断面積を変化させる弁軸とによって構成さ
    れており、 その圧力調整弁の外周側に、前記原料通路を通る原料を
    加熱するヒータが設けられていることを特徴とする、 請求項2又は3記載の高水分蛋白質原料の組織化処理装
    置。
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