JP3729359B2 - 船外機用エンジンのオイル戻し構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型船舶に搭載される船外機のエンジンに関し、特に、そのようなエンジンおける潤滑オイルの戻し構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型船舶に搭載される船外機には、クランク軸が上下方向となるように縦方向に各気筒を配列させたエンジンが、船外機上部のトップカウリング内に収納されており、そのような船外機のエンジンでは、シリンダブロックとクランクケースにより画成されるクランク室の内部において、シリンダブロック側に一体成形された半割り状の軸受構成部分と、クランクケース側に一体成形された半割り状の軸受構成部分により、上下方向に間隔をおいてジャーナル軸受部が形成され、それらのジャーナル軸受部によって、両方の軸受構成部分で挟持されるように、クランク軸が軸支されている。
【0003】
一方、上記のような船外機用エンジンにおけるクランク軸ジャーナル軸受部の潤滑については、オイルポンプによりエンジン下方のオイルパンから吸い上げた潤滑オイルが、シリンダブロック側のメインオイル通路からシリンダブロック側軸受構成部分に形成されたオイル通路を通して各ジャーナル軸受部に供給されていて、各ジャーナル軸受部を潤滑したオイルは、クランク室の底部からオイルパンに戻されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の船外機用エンジンでは、各ジャーナル軸受部を潤滑してから下方に落下するオイルの大部分は、クランク軸の回転に連れ回されて、クランクケース側の壁面に付着してから、該壁面を伝ってクランク室の底部に流れるが、該クランクケース側の壁面からは、ジャーナル軸受部のクランクケース側軸受構成部分が、上下方向に間隔をおいて一体的に形成されているため、それらの軸受構成部分により、該壁面を伝うオイルの流れが止められて、クランク室底部へのスムーズなオイルの戻りが阻害されるというような問題を生じることとなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、上記の請求項1に記載したように、クランク軸が上下方向となるように縦方向に各気筒が配列され、シリンダブロックとクランクケースにより画成されるクランク室内に、シリンダブロック側に形成された半割り状の軸受構成部分と、クランクケース側に形成された半割り状の軸受構成部分により、クランク軸を挟持するように、ジャーナル軸受部が上下方向に間隔をおいて形成されている船外機用エンジンにおいて、クランク室内の各ジャーナル軸受部のクランクケース側軸受構成部分に対して、シリンダと対向するクランクケースの壁部に近接して、上下方向に連通するオイル戻し孔がそれぞれ形成されていると共に、このオイル戻し孔のそれぞれに対して、クランク軸の回転により連れ回されたオイルをクランク軸の側から分離するためのガイドプレートが、上方から見てオイル戻し孔を横切るように、クランクケースの壁部から所定の間隔を置いて設置されていることを特徴とするものである。
【0006】
また、上記の請求項1に記載した船外機用エンジンのオイル戻し構造において、上記の請求項2に記載したように、各クランクケース側軸受構成部分のオイル戻し孔が、クランクケースの上側もしくは下側から各クランクケース側軸受構成部分を上下方向に貫通してから、上側もしくは下側の貫通孔を閉蓋することにより形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、上記の請求項1に記載した船外機用エンジンのオイル戻し構造において、上記の請求項3に記載したように、各クランクケース側軸受構成部分のオイル戻し孔が、シリンダと対向するクランクケース壁部の外側から各クランクケース側軸受構成部分を部分的に鋳抜いてから、該壁部の外側から鋳抜き部分を閉蓋することにより形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、上記の請求項1乃至3に記載した船外機用エンジンのオイル戻し構造において、上記の請求項4に記載したように、各ジャーナル軸受部のシリンダブロック側軸受構成部分に対しても、上下方向に連通するオイル戻し孔がそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の船外機用エンジンのオイル戻し構造の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明のオイル戻し構造を適用したエンジンが搭載されている船外機の右舷側から見た外観を示すもので、船外機1は、トップカウリング2とアッパーケース3とロアーケース4により構成されるハウジング内に各部品が収納されており、トップカウリング2は、アッパーカウル2aとボトムカウル2bとエアダクトカバー2cにより構成され、アッパーケース3は、その上部がエプロン5によって覆われていて、ロアーケース4に対してプロペラ6が装着され、取付部材7を介して、船体8の後尾板に対して上下および左右回動可能に取り付けられるものである。
【0012】
図2〜図4は、船外機1のハウジング内部における各部品の設置状態を示すもので、図2は、右舷側から見たトップカウリング2の内部を示し、図3は、その上方から見た状態を示し、図4は、右舷側から見たアッパーケース4の内部を示すものである。
【0013】
船外機1には、図2または図3に示すように、縦方向に各気筒が配列された4サイクル4気筒のL型エンジン10が、ボトムカウル2bとアッパーケース3の間に設置されたエキゾーストガイド11の上面に固定され、上面側がカバー部材12で覆われた状態で、上部のトップカウリング2内に収納されている。
【0014】
エンジン10は、その本体部分が、ヘッドカバー13と、シリンダヘッド14と、シリンダボディとクランク室の一部を構成するシリンダブロック15と、クランクケース16を船体の前後方向に沿って一体的に連結することにより構成されていて、クランクケース16の側が前部となり、ヘッドカバー13の側が後部となるように配置されている。
【0015】
シリンダヘッド14には、各気筒の吸・排気バルブ17,18が装着され、各バルブ17,18を駆動するためのカム軸20,21が、それぞれ回転軸線方向が上下方向となるように、ヘッドカバー13に覆われたカムキャップ22とシリンダヘッド14の軸受部分により軸支されていて、各カム軸20,21の上端部には、それぞれカムプーリー23,24が固定されている。
【0016】
シリンダブロック15の前部とクランクケース16によって画成されているクランク室25には、回転軸線方向が上下方向となるようにクランク軸26が配置されており、このクランク軸26に対して、その上端部にフライホイール27が固定され、フライホイール27の下方にタイミングプーリー30が固定されていて、タイミングプーリー30と各カムプーリー23,24とに渡って、クランク軸26の回転を吸・排気バルブ17,18のカム軸20,21に伝動させるためのタイミングベルト28が掛け渡されている。
【0017】
なお、タイミングベルト28に対しては、その弛みを防ぐためのアイドラー29が配置されており、アイドラー29は、ガスを封入したガスシリンダーによるテンショナー(図示せず)によって、常にタイミングベルト28を内側に押圧する方向に付勢されている。
【0018】
エンジン10の前方左側には、クランクケース16の前面に一体的に連結された状態で、吸気経路の空気導入部となるサージタンク31が設置されており、サージタンク31から延びる吸気通路32は、スロットル部33を介して、シリンダヘッド14の左側部分に上下方向で間隔をおいて形成された各気筒の吸気ポート34にそれぞれ接続されている。
【0019】
シリンダヘッド14の右側部分には、各気筒の燃焼室に接続する各排気ポート35が上下方向で間隔をおいて形成されており、各排気ポート35に対して、それらを一本に集合させてエンジン本体の下方に排気ガスを排出するための排気通路36が、シリンダ37の右側でシリンダブロック15に一体的に形成されていて、シリンダブロック15内で上下方向に延びる排気通路36は、その下端がエキゾーストガイド11の排気通路11aに接続されている。
【0020】
なお、上記のエンジン10には、エンジン本体内に設けられたオイル通路40に対して、クランク軸26の下端近傍に、エキゾーストガイド11の下方に配置されたオイルパンから潤滑オイルを吸い上げるためのオイルポンプ38が設けられており、シリンダブロック15の中程に、オイルポンプ38により吸い上げられたオイルを濾過するためのオイルフィルター39が設けられている。
【0021】
また、エンジン本体内に設けられた冷却水による冷却経路に対して、シリンダブロック15の上部に、シリンダおよび燃焼室周りの温度に応じて冷却水の排出量を制御するためのサーモスタットバルブ41が設けられ、シリンダブロック15の下部に、冷却経路内の水圧が所定以上とならないように該冷却経路から冷却水を逃がすためのプレッシャーバルブ42が設けられている。
【0022】
さらに、エンジン10に対して、その吸気側に、船体8内に設置された燃料タンク(図示せず)からエンジン10に燃料を送給するための燃料ポンプ43が配置されており、その排気側に、エンジン本体の冷却経路から冷却水の一部を取り出してトップカウリング2の放水口45からパイロット水として放水するためのパイロット水送水管44が接続されている。
【0023】
トップカウリング2の下方に位置するアッパーケース3には、図4に示すように、エンジン10から戻される冷却水を一時的に受け止める水溜め部50が画成されており、該水溜め部50と隔離された状態で、エンジン10のクランク軸26に上端を連結させたドライブ軸51が、その下端部がロアーケース4内に延びるように、上下方向に貫通されている。
【0024】
アッパーケース3内を通るドライブ軸51のロアーケース4近傍には、ドライブ軸51の回転に連動して駆動されるウォーターポンプ52が設置されており、該ウォーターポンプ52には、図示していないが、下方に向かって、ロアーケース4内の吸水口に延びる冷却水吸入管が接続され、上方に向かって、アッパーケース3内を通ってエンジン10に延びる冷却水送給管53が接続されている。
【0025】
一方、アッパーケース3の水溜め部50には、エキゾーストガイド11の下面に密着して、その上面開放部がエキゾーストガイド11の下面によって閉鎖されるように、有底のオイルパン54が設置されており、該オイルパン54には、その底部の中央付近からオイルパン54内の空間部を上下に貫通する筒状の排気管挿通部54aが一体的に立設されている。
【0026】
また、水溜め部50のオイルパン54下方には、その上面開放部が排気管挿通部54aを含むオイルパン54の下面により覆われるように、底壁に排気ガス排出口55aを設けたマフラー(排気ガス膨張室)55が設置されており、該マフラー55の内部空間は、排気ガス排出口55aを介して、ロアーケース4内に画成された排気通路(図示せず)に連通されている。
【0027】
オイルパン54の排気管挿通部54aには、エキゾーストガイド11の排気通路11aに接続される排気管56が取り付けられており、排気管56の下端は、オイルパン54より下方に突出してマフラー55内に開口されていて、該マフラー55の内部空間は、排気管56とエキゾーストガイド11の排気通路11aを介して、エンジン10の排気通路36と連通されている。
【0028】
オイルパン54の内部には、オイルパン54内に溜まったオイルを吸入してエンジン10のオイルポンプ38に送り込むためのサクションパイプ57が、エキゾーストガイド11の下面から下方に突設されている。
【0029】
このサクションパイプ57は、図5に示すように、その吸い込み口57aから上方に真っ直ぐ延びる管57bの上端に、その吐出口57cにまで水平方向に拡がって上方が開放された部分57dが、エキゾーストガイド11の下面に固定するための部分として一体的に形成された構造を有するものである。
【0030】
このような構造のサクションパイプ57によれば、排気管56等との配置関係からサクションパイプ57の吸い込み口57aの位置とエキゾーストガイド11のオイル通路11cの下端開口位置がずれていても、従来のサクションパイプのように、サクションパイプの吸い込み口から吐出口までを屈曲した管として形成し、該屈曲管をステーにより支える状態でエキゾーストガイド11の下面に固定するようなことを行う必要がない。
【0031】
すなわち、図6に示すように、サクションパイプ57をその固定部分57dでエキゾーストガイド11の下面に固定するだけで、その吸い込み口57aを適切な位置に配置し、且つ、その吐出口57cをエキゾーストガイド11のオイル通路11cの開口位置に合わせることができる。なお、図中の符号64はエンジンマウントを示し、65はマウントスペースを示すものである。
【0032】
オイルパン54の周壁には、オイルパン54を取り囲む水溜め部50の水をオーバーフローさせるための導水管58が一体的に形成されており、水溜め部50の側に入水口が開口された導水管58の水通路は、マフラー55の周壁上端外側に一体的に形成された水通過部55bを介して、アッパーケース3の水落下口3aに連通されている。
【0033】
アッパーケース3には、水落下口3aからロアーケース4に続く排水通路59が下方に画成されていると共に、さらに、マフラー55に連通するアイドル膨張室60が上方に画成されていて、アイドル膨張室60には、機外に通じる排気孔61と排水孔62が開口されている。
【0034】
アッパーケース3の下方に位置するロアーケース4には、図示していないが、アッパーケース3を貫通したドライブ軸51の下端部が軸支されており、該ドライブ軸51の下端部は、シフト変換ギア部を介して、ロアーケース4に装着されたプロペラ6の回転軸と連結されている。
【0035】
また、図示していないが、ロアーケース4には、ウォーターポンプ52により吸い上げられる冷却水の吸水口が設けられていると共に、アッパーケース3のマフラー55を経て送られてきた排気ガスをプロペラ6の回転に伴って水中に排出するための排気通路が画成され、アッパーケース3から落下された冷却水を機外に排出するための冷却水排出部が画成されている。
【0036】
ところで、上記のような構成を有する船外機1において、エンジン10のクランク室25内で上下方向に延びるクランク軸26は、図7に示すように、エンジン本体のシリンダブロック15とクランクケース16の上壁および底壁の合面にそれぞれ形成されたジャーナル軸受部68,69と、クランク室25の内部で上下方向に各気筒の間隔をおいて設けられた各ジャーナル軸受部70とによって軸支されている。
【0037】
クランク室25の内部に設けられた各ジャーナル軸受部70は、図8に示すように、何れも、シリンダブロック15に一体成形された半割り状の各軸受構成部分71と、クランクケース16に一体成形された半割り状の軸受構成部分72とにより形成されており、両軸受構成部分71,72は、クランク室25の外側からボルト73で一体的に連結固定される。
【0038】
各ジャーナル軸受部70のシリンダブロック側軸受構成部分71には、何れも、軸受部に潤滑オイルを供給するために、メインオイル通路40cから分かれて軸受部に開口するオイル通路40dがそれぞれ形成されている。
【0039】
上記のようにクランク室25内にジャーナル軸受部70が設けられている船外機用エンジン10において、本実施形態では、各ジャーナル軸受部70のクランクケース側軸受構成部分72に、図7〜図9に示すように、クランクケース16のシリンダと対向する側の壁部に近接して、上下方向に連通するオイル戻し孔74がそれぞれ形成されている。
【0040】
それらのオイル戻し孔74は、クランクケース16の上壁から各クランクケース側軸受構成部分72を上下方向に同軸的に貫通することにより形成されていて、その際にクランクケース16の上壁に貫通された孔75は、図7に示すように、栓76により閉蓋されている。
【0041】
本実施形態では、さらに、各シリンダブロック側軸受構成部分71に対しても、上下方向に連通するオイル戻し孔77がそれぞれ形成されている。
【0042】
なお、クランク室25内には、クランクケース16のシリンダと対向する側の壁部に対して、クランク軸26の回転により連れ回されたオイルを案内して、該オイルをクランク軸26の側から確実に分離するためのガイドプレート80が、所定の間隔を置いてクランクケース16の壁部に沿うように、ボルト81で取り付けられている。
【0043】
このガイドプレート80は、上下方向に配置された各クランクケース側軸受構成部分72の間に入り込むように設けられており、図8に示すように、上方から見てガイドプレート80がオイル戻し孔74の略中心部を横切るように、すなわち、各オイル戻し孔74の真上をガイドプレート80が通るように、クランクケース16の壁部から所定の間隔を置いて設置されている。
【0044】
上記のような構成を有する本実施形態の船外機用エンジン10によれば、各軸受部68,69,70を潤滑するために、エキゾーストガイド11の下方に配置されたオイルパン54に溜められたオイルが、クランク軸26の下端近傍に設けられたオイルポンプ38の駆動により、図7に矢印で示すように、サクションパイプ57で吸い上げられ、エキゾーストガイド11のオイル通路11cから、シリンダブロック15に設けられたオイル通路40aを通って、オイルポンプ38に吸入され、オイルポンプ38からシリンダブロック15側に吐出されてから、オイル通路40bを通ってオイルフィルター39に送られ、オイルフィルター39で濾過されてからメインオイル通路40cを通り、末端の各オイル通路40dに分配されて各軸受部68,69,70に供給される。
【0045】
そして、各軸受部68,69,70に供給されて当該部分を潤滑したオイルは、最終的には、クランク室25の底部からオイルパン54に戻されるが、その際、クランク室25内において、軸受部68,70から下方に落下したオイルは、一部はシリンダブロック側軸受構成部分71のオイル戻し孔77などを通ってそのまま落下するが、その大部分はクランク軸26の回転に連れ回されて、ガイドプレート80やその裏側のクランクケース16の内面に付着してから、それらを伝って下方に流れ落ちる。
【0046】
その場合、上記のように各クランクケース側軸受構成部分72にオイル戻し孔74が設けられている本実施形態の船外機用エンジンのオイル戻し構造によれば、クランクケース16の内面やガイドプレート80を伝って流れ落ちるオイルは、その途中でクランクケース16の内面からクランクケース側軸受構成部分72が上下方向に間隔をおいて一体的に形成されているにもかかわらず、各オイル戻し孔74を通ることにより、それらの軸受構成部分72によってその流れを止められることなく、スムーズにクランク室25の底部に流れて、速やかにオイルパン54に戻されることとなる。
【0047】
なお、本実施形態では、クランクケース16の上壁から各クランクケース側軸受構成部分72を上下方向に同軸的に貫通することによってオイル戻し孔74を形成しているため、既に成形されたクランクケース16に対して、きわめて容易にオイル戻し孔74を形成することができる。
【0048】
以上、本発明の船外機用エンジンのオイル戻し構造の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態のような具体的な構造にのみ限定されるものではなく、例えば、シリンダブロック側軸受構成部分71のオイル戻し孔77を省略することにより実施することも可能であり、また、各クランクケース側軸受構成部分72のオイル戻し孔74についても、上記の実施形態のように各クランクケース側軸受構成部分72を上下方向に貫通して形成されるものに限られるものではない。
【0049】
すなわち、図10および図11は、本発明の船外機用エンジンのオイル戻し構造の他の実施形態を示すものであるが、この実施形態では、クランクケース16のシリンダと対向する壁部の外側から各クランクケース側軸受構成部分72を部分的に鋳抜いてから、該壁部の外側から該鋳抜き部分を蓋部材78により閉蓋することによって、オイル戻し孔74が形成されている。
【0050】
このような他の本実施形態では、クランクケース16の上壁や下壁に余計な孔を設けることなく、クランクケース16の成形時に、きわめて容易にオイル戻し孔74を形成することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の船外機用エンジンのオイル戻し構造によれば、クランク軸の軸受部を潤滑した後でクランク軸の回転に連れ回りするオイルを、クランク室内のジャーナル軸受部に邪魔されることなく、スムーズにクランク室の底部に流すことができて、オイルパンへのオイルの戻しを速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイル戻し構造が適用されているエンジンを搭載した船外機の概略を示す右舷側から見た側面図。
【図2】図1の示した船外機のトップカウリング内部を示す側方から見た一部断面説明図。
【図3】図2の示したトップカウリング内部の上方から見た断面説明図。
【図4】図1の示した船外機のアッパーケース内部を示す側方から見た断面説明図。
【図5】図4中に示したサクションパイプの断面側面図。
【図6】図5に示したサクションパイプの配置説明図。
【図7】本発明の船外機用エンジンのオイル戻し構造の一実施形態を示すエンジンの部分拡大断面説明図。
【図8】図7に示した実施形態におけるジャーナル軸受部の上面説明図。
【図9】図7に示した実施形態におけるクランクケースの正面図。
【図10】本発明の船外機用エンジンのオイル戻し構造の他の実施形態を示すジャーナル軸受部の上面説明図。
【図11】図10に示した実施形態におけるクランクケースの正面図。
【符号の説明】
1 船外機
10 エンジン
15 シリンダブロック
16 クランクケース
25 クランク室
26 クランク軸
70 クランク室内のジャーナル軸受部
71 シリンダブロック側軸受構成部分
72 クランクケース側軸受構成部分
74 (クランクケース側軸受構成部分の)オイル戻し孔
77 (シリンダブロック側軸受構成部分の)オイル戻し孔
80 ガイドプレート
Claims (4)
- クランク軸が上下方向となるように縦方向に各気筒が配列され、シリンダブロックとクランクケースにより画成されるクランク室内に、シリンダブロック側に形成された半割り状の軸受構成部分と、クランクケース側に形成された半割り状の軸受構成部分により、クランク軸を挟持するように、ジャーナル軸受部が上下方向に間隔をおいて形成されている船外機用エンジンにおいて、クランク室内の各ジャーナル軸受部のクランクケース側軸受構成部分に対して、シリンダと対向するクランクケースの壁部に近接して、上下方向に連通するオイル戻し孔がそれぞれ形成されていると共に、このオイル戻し孔のそれぞれに対して、クランク軸の回転により連れ回されたオイルをクランク軸の側から分離するためのガイドプレートが、上方から見てオイル戻し孔を横切るように、クランクケースの壁部から所定の間隔を置いて設置されていることを特徴とする船外機用エンジンのオイル戻し構造。
- 各クランクケース側軸受構成部分のオイル戻し孔が、クランクケースの上側もしくは下側から各クランクケース側軸受構成部分を上下方向に貫通してから、上側もしくは下側の貫通孔を閉蓋することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の船外機用エンジンのオイル戻し構造。
- 各クランクケース側軸受構成部分のオイル戻し孔が、シリンダと対向するクランクケース壁部の外側から各クランクケース側軸受構成部分を部分的に鋳抜いてから、該壁部の外側から鋳抜き部分を閉蓋することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の船外機用エンジンのオイル戻し構造。
- 各ジャーナル軸受部のシリンダブロック側軸受構成部分に対しても、上下方向に連通するオイル戻し孔がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の船外機用エンジンのオイル戻し構造。
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