JP3587617B2 - 船外機のオイルパン冷却構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型船舶に搭載される船外機の冷却構造に関し、特に、船外機のエンジン下方に配置されるオイルパンの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型船舶に搭載される船外機では、通常、船外機上部のトップカウリング内に収納されているエンジン本体に対し、該エンジン本体で使用される潤滑オイルを溜めておくためのオイルパンが、エキゾーストガイドを介して、トップカウリングの下方に位置するアッパーケース内に設置されている一方、ウォーターポンプにより吸い上げられてエンジン本体に送給された冷却水は、エンジン本体内の冷却経路を通ってエンジン本体を冷却してからアッパーケース内に戻され、アッパーケース内でオイルパンやマフラーを冷却してから、ロアーケースを経て機外に排出されている。
【0003】
その際、エンジン本体の冷却経路からは、該経路内の水圧を所定に保つためにシリンダブロック下部に設置されたプレッシャーバルブを通って直接戻される冷却水と、エンジン本体の冷却経路を通って所定以上の温度に加温されてからシリンダブロック上部の冷却経路排水口付近に設置されたサーモスタットバルブを通って戻される冷却水が、それぞれアッパーケース内に戻されることとなるが、従来は、それらの冷却水の両方が、何れもオイルパンやマフラーの周りを同じように流されてから、ロアーケース内に落下されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにエンジン本体から戻される冷却水によって冷却される従来の船外機のオイルパン冷却構造では、エンジン本体が高温とならない低速運転時には、サーモスタットバルブを通ってオイルパンに流される高温の冷却水量が少なく、プレッシャーバルブを通って戻される低温の冷却水量が多くなって、オイルが過冷却されてしまうという問題を生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、上記の請求項1に記載したように、冷却水によるエンジン本体の冷却経路に対して、シリンダおよび燃焼室周りの温度に応じて冷却水の排出量を制御するためのサーモスタットバルブと、該冷却経路内の水圧が所定以上とならないように冷却水を逃がすためのプレッシャーバルブがそれぞれ設置されていると共に、該エンジン本体の下方にオイルパンが配置されている船外機において、サーモスタットバルブを通して戻される所定以上の温度の冷却水を、全てオイルパンの周りに供給すると共に、プレッシャーバルブを通して戻される冷却水を、オイルの温度検知に基づく制御により、オイルパンの周りに適量供給(全く供給しない場合をも含む)することができるように構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
また、上記の請求項1に記載した船外機のオイルパン冷却構造において、上記の請求項2に記載したように、プレッシャーバルブを通して戻される冷却水が、オイル温度が高い時にはオイルパン周りへの流量が多くなり、オイル温度が低い時にはオイルパン周りへの流量が少なくなるように、オイルの温度検知に基づいて作動する分配バルブにより制御されていることを特徴とするものである。
【0007】
さらに、上記の請求項3に記載したように、冷却水によるエンジン本体の冷却経路に対して、シリンダおよび燃焼室周りの温度に応じて冷却水の排出量を制御するためのサーモスタットバルブと、該冷却経路内の水圧が所定以上とならないように冷却水を逃がすためのプレッシャーバルブがそれぞれ設置されていると共に、該エンジン本体の下方にオイルパンが配置されている船外機において、アッパーケース内に上方水溜め部と下方水溜め部が画成され、該上方水溜め部にオイルパンが配置され、下方水溜め部にマフラーが配置されていると共に、サーモスタットバルブを通して戻される冷却水が上方水溜め部に供給され、プレッシャーバルブを通して戻される冷却水が下方水溜め部に供給されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の船外機のオイルパン冷却構造の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本発明のオイルパン冷却構造が適用されている船外機の右舷側から見た外観を示すもので、船外機1は、トップカウリング2とアッパーケース3とロアーケース4により構成されるハウジング内に各部品が収納されており、トップカウリング2は、アッパーカウル2aとボトムカウル2bとエアダクトカバー2cにより構成され、アッパーケース3は、その上部がエプロン5によって覆われていて、ロアーケース4に対してプロペラ6が装着され、取付部材7を介して、船体8の後尾板に対して上下および左右回動可能に取り付けられるものである。
【0011】
図2〜図5は、船外機1のハウジング内部における各部品の設置状態を示すもので、図2は、右舷側から見た船外機1の内部を示し、図3は、そのトップカウリング2の部分を示し、図4は、そのアッパーケース4の部分を示し、図5は、上方から見たトップカウリング2内を示すものである。
【0012】
船外機1には、縦方向に各気筒が配列された4サイクル4気筒のL型エンジン10が、ボトムカウル2bとアッパーケース3の間に設置されたエキゾーストガイド11の上面に固定され、上面側がカバー部材12で覆われた状態で、上部のトップカウリング2内に収納されている。
【0013】
エンジン10は、図3または図5に示すように、その本体部分が、ヘッドカバー13と、シリンダヘッド14と、シリンダボディとクランク室の一部を構成するシリンダブロック15と、クランクケース16を船体の前後方向に沿って一体的に連結することにより構成されていて、クランクケース16の側が前部となり、ヘッドカバー13の側が後部となるように配置されている。
【0014】
シリンダヘッド14には、各気筒の吸・排気バルブ17,18が装着され、各バルブ17,18を駆動するためのカム軸20,21が、それぞれ回転軸線方向が上下方向となるように、ヘッドカバー13に覆われたカムキャップ22とシリンダヘッド14の軸受部分により軸支されていて、各カム軸20,21の上端部には、それぞれカムプーリー23,24が固定されている。
【0015】
シリンダブロック15の前部とクランクケース16によって画成されているクランク室25には、回転軸線方向が上下方向となるようにクランク軸26が軸支されており、このクランク軸26に対して、その上端部にフライホイール27が固定され、フライホイール27の下方にタイミングプーリー30が固定されていて、タイミングプーリー30と各カムプーリー23,24とに渡って、クランク軸26の回転を吸・排気バルブ17,18のカム軸20,21に伝動させるためのタイミングベルト28が掛け渡されている。
【0016】
なお、タイミングベルト28に対しては、その弛みを防ぐためのテンショナー29が配置されており、テンショナー29は、ガスを封入したガスシリンダー(図示せず)によって、常にタイミングベルト28を内側に押圧する方向に付勢されている。
【0017】
エンジン10の前方左側には、クランクケース16の前面に一体的に連結された状態で、吸気経路の空気導入部となるサージタンク31が設置されており、サージタンク31から延びる吸気通路32は、スロットル部33を介して、シリンダヘッド14の左側部分に上下方向で間隔をおいて形成された各気筒の吸気ポート34にそれぞれ接続されている。
【0018】
シリンダヘッド14の右側部分には、各気筒の燃焼室に接続する各排気ポート35が上下方向で間隔をおいて形成されており、各排気ポート35に対して、それらを一本に集合させてエンジン本体の下方に排気ガスを排出するための排気通路36が、シリンダ37の右側でシリンダブロック15に一体的に形成されていて、シリンダブロック15内で上下方向に延びる排気通路36は、その下端がエキゾーストガイド11の排気通路11aに接続されている。
【0019】
また、上記のエンジン10には、エンジン本体内に設けられたオイル通路に対して、油温センサー39が設置されていると共に、エキゾーストガイド11の下方に配置されたオイルパンから潤滑オイルを吸い上げるためのオイルポンプ38が、クランク軸26の上端近傍に設けられている。
【0020】
そして、エンジン本体内に設けられた冷却水による冷却経路に対して、シリンダおよび燃焼室周りの温度に応じて冷却水の排出量を制御するためのサーモスタットバルブ41と、冷却経路内の水圧が所定以上とならないように該冷却経路から冷却水を逃がすためのプレッシャーバルブ42がそれぞれ設けられている。
【0021】
冷却水によるエンジン本体の冷却経路については、ウォーターポンプ52により冷却水送給管53を通して送給される冷却水によって、エンジン本体のシリンダおよび燃焼室周りと排気通路周りのそれぞれを冷却するために、別途の図6に示すように、シリンダヘッド14に対して、燃焼室周りの冷却水路(ウォータージャケット)73と排気通路(排気ポート29)周りの冷却水路72(ウォータージャケット)がそれぞれ設けられていると共に、シリンダブロック15に対して、シリンダ37周りの冷却水路(ウォータージャケット)74と排気通路36周りの冷却水路(ウォータージャケット)71がそれぞれ設けられている。
【0022】
各冷却水路71,72,73,74は、各気筒が縦方向に配列されている関係上、何れも、上下方向の冷却水路となっていて、冷却水送給管53からエキゾーストガイド11を経て送給された冷却水を、各冷却水路71,72,73,74を通して、エンジン本体(シリンダブロック15)の上部から排出できるように、各冷却水路71,72,73,74が一つの冷却経路を形成するように連通されている。
【0023】
この各冷却水路71,72,73,74により形成される冷却経路に対して、上記のようなサーモスタットバルブ41が、シリンダブロック15の上部で冷却経路の排水口近傍に設置され、プレッシャーバルブ42が、シリンダブロック15の下部で冷却経路の上流側となる排気通路周りの冷却水路71の下流端部近傍に設置されている。
【0024】
シリンダブロック15には、図6に示すように、各冷却水路71,74の他に、排気通路36からの排気熱をシリンダ37の側に伝達させないための断熱空間部76が形成され、また、サーモスタットバルブ41を通って冷却経路から排出された冷却水をアッパーケース3内に戻すための冷却水戻し通路77が形成されている。
【0025】
サーモスタットバルブ41から排出された冷却水は、エンジン本体の冷却水戻し通路77からエキゾーストガイド11を通ってアッパーケース3内に戻され、プレッシャーバルブ42から逃がされた冷却水は、冷却水戻し管78からエキゾーストガイド11を通ってアッパーケース3内に戻されることとなる。
【0026】
さらに、エンジン10に対して、図5に示すように、船体8内に設置された燃料タンク(図示せず)からエンジン10に燃料を送給するための燃料ポンプ43が、その吸気側に配置されており、エンジン本体の冷却経路から冷却水の一部を取り出してトップカウリング2の放水口45からパイロット水として放水するためのパイロット水送水管44が、その排気側に接続されている。
【0027】
トップカウリング2の下方に位置するアッパーケース3には、図4に示すように、エンジン10から戻される冷却水を一時的に受け止める水溜め部50が画成されており、該水溜め部50と隔離された状態で、エンジン10のクランク軸26に上端を連結させたドライブ軸51が、その下端部がロアーケース4内に延びるように、上下方向に貫通されている。
【0028】
アッパーケース3内を通るドライブ軸51のロアーケース4近傍には、ドライブ軸51の回転に連動して駆動されるウォーターポンプ52が設置されており、該ウォーターポンプ52には、図示していないが、下方に向かって、ロアーケース4内の吸水口に延びる冷却水吸入管が接続され、上方に向かって、アッパーケース3内を通ってエンジン10に延びる冷却水送給管53が接続されている。
【0029】
一方、アッパーケース3の水溜め部50には、エキゾーストガイド11の下面に密着して、その上面開放部がエキゾーストガイド11の下面によって閉鎖されるように、有底のオイルパン54が設置されており、該オイルパン54には、その底部の中央付近からオイルパン54内の空間部を上下に貫通する筒状の排気管挿通部54aが一体的に立設されている。
【0030】
また、水溜め部50のオイルパン54下方には、その上面開放部が排気管挿通部54aを含むオイルパン54の下面により覆われるように、底壁に排気ガス排出口55aを設けたマフラー(排気ガス膨張室)55が設置されており、該マフラー55の内部空間は、排気ガス排出口55aを介して、ロアーケース4内に画成された排気通路(図示せず)に連通されている。
【0031】
オイルパン54の排気管挿通部54aには、エキゾーストガイド11の排気通路11aに接続される排気管56が取り付けられており、排気管56の下端は、オイルパン54より下方に突出してマフラー55内に開口されていて、該マフラー55の内部空間は、排気管56とエキゾーストガイド11の排気通路11aを介して、エンジン10の排気通路36と連通されている。
【0032】
オイルパン54の内部には、オイルパン54内に溜まったオイルを吸入してエンジン10のオイルポンプ38に送り込むために、逆止弁57aを備えたサクションパイプ57がエキゾーストガイド11の下面から下方に突設されている。
【0033】
オイルパン54の周壁には、オイルパン54を取り囲む水溜め部50の水をオーバーフローさせるための導水管58が一体的に形成されており、水溜め部50の側に入水口が開口された導水管58の水通路は、マフラー55の周壁上端外側に一体的に形成された水通過部55bを介して、アッパーケース3の水落下口3aに連通されている。
【0034】
アッパーケース3には、水落下口3aからロアーケース4に続く排水通路59が下方に画成されていると共に、さらに、マフラー55に連通するアイドル膨張室60が上方に画成されていて、アイドル膨張室60には、機外に通じる排気孔61と排水孔62が開口されている。
【0035】
アッパーケース3の下方に位置するロアーケース4には、図示していないが、アッパーケース3を貫通したドライブ軸51の下端部が軸支されており、該ドライブ軸51の下端部は、シフト変換ギア部を介して、ロアーケース4に装着されたプロペラ6の回転軸と連結されている。
【0036】
また、図示していないが、ロアーケース4には、ウォーターポンプ52により吸い上げられる冷却水の吸水口が設けられていると共に、アッパーケース3のマフラー55を経て送られてきた排気ガスをプロペラ6の回転に伴って水中に排出するための排気通路が画成され、アッパーケース3から落下された冷却水を機外に排出するための冷却水排出部が画成されている。
【0037】
上記のように各部材が配置されている船外機1の排気経路について、エンジン10の本体に形成された排気通路36から下方に排出された排気ガスは、エキゾーストガイド11の排気通路11aと排気管56を経て、マフラー55内に送り込まれ、アイドル膨張室60から排気孔61を通って大気中に放出されると共に、プロペラ6が回転している走行時には、大部分の排気ガスは、マフラー55の排気ガス排出口55aからロアーケース4内の排気通路を通って、プロペラ6の回転に連れて水中に排出される。
【0038】
また、船外機1の冷却経路について、ウォーターポンプ52によりロアケース4の吸水口から吸い上げられた冷却水は、冷却水送給管53によりアッパーケース3内を冷却しながら、エキゾーストガイド11を介してエンジン10に送給され、エンジン10内の冷却水圧力が所定以上とならないように、プレッシャーバルブ42を通して余分の冷却水がアッパーケース3に戻される状態で、エンジン10を冷却してから、サーモスタットバルブ41を経てアッパーケース3に戻され、更にオイルパン54やマフラー55の周りを冷却してから、ロアーケース4内に落下して冷却水排出部から機外に排出される。
【0039】
図7は、上記のような船外機1の冷却経路における本実施形態のオイルパン冷却構造を示すもので、図示していないが、エンジン本体の冷却経路を全て通過してから、サーモスタットバルブ41を通って、冷却水戻し通路77からエキゾーストガイド11を介してアッパーケース3内に戻される冷却水は、全てオイルパン54の周りを取り囲む水溜め部50に戻されるように構成されている。
【0040】
そして、エンジン本体の冷却経路を排気通路36周りだけ通過してから、プレッシャーバルブ42を通して冷却水戻し管78によりアッパーケース3内に戻される冷却水は、エキゾーストガイド11の冷却水戻し通路11bにおいて、分配バルブ80により、オイルパン54の周壁に形成された導水管58から水落下口3aを通って直接的にアッパーケース3の排水通路59からロアーケース4内に落下する冷却水と、水溜め部50に落下する冷却水とに適宜分けられることとなる。
【0041】
すなわち、本実施形態のオイルパン冷却構造においては、プレッシャーバルブ42を通してアッパーケース3内に戻される冷却水の流れは、図8に示すように、油温センサー39によるオイルの温度検知もしくはオイル通路やオイルパンの温度検知等に基づいて、ECUからの制御信号により作動するサーボモーターやソレノイドにより、分配バルブ80が作動することによって、オイルの温度が高い時には、図9に示すように、プレッシャーバルブ42からの冷却水は水溜め部50に導入されるが、オイルの温度が低い時には、図10に示すように、プレッシャーバルブ42からの冷却水は水溜め部50に導入されず、全て導水管58からアッパーケース3の排水通路59に直接流されることとなる。
【0042】
上記のようにエンジン本体から冷却水が戻される本実施形態のオイルパン54の冷却構造によれば、オイルの温度が高い時には、オイルパン54を取り囲む水溜め部50に、サーモスタットバルブ41を通った冷却水が流されると共に、プレッシャーバルブ42から戻された比較的温度の低い冷却水が流されるため、該低い温度の冷却水によりオイルパン54を冷却することができて、オイルの温度上昇を抑えることができる。
【0043】
そして、オイルの温度が低い時には、オイルパン54を取り囲む水溜め部50に、プレッシャーバルブ42から戻された比較的温度の低い冷却水が全く流されることなく、サーモスタットバルブ41を通った所定温度以上の冷却水のみが流されるため、オイルの過冷却を防止することができる。
【0044】
以上、本発明の船外機のオイルパン冷却構造の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態のような、プレッシャーバルブ42から戻される冷却水を、分配バルブ80により、オイルの温度に応じて適量だけ水溜め部50に流すというようなものに限定されるものではなく、オイルの過冷却を防止するという目的を達成するために、図11に示すように、アッパーケース3に画成される水溜め部を上方水溜め部50aと下方水溜め部50bとに区画して、オイルパン54の周りの上方水溜め部50aには、常に、プレッシャーバルブ42から戻される冷却水を流すことなく、サーモスタットバルブ41を通った所定温度以上の冷却水のみを流すことにより実施可能なものである。
【0045】
図11は、本発明の船外機のオイルパン冷却構造の他の実施形態を示すもので、本実施形態では、オイルパン54の底部付近を基準として、アッパーケース3に画成される水溜め部が、オイルパン54の周壁を囲む仕切部材81により、上方水溜め部50aと下方水溜め部50bに区画されていて、上方水溜め部50aにオイルパン54が配置され、下方水溜め部50bにマフラー55が配置されている。
【0046】
また、オイルパン54の周壁に一体的に形成されている導水管58には、オイルパン54を取り囲む上部水溜め部50aの冷却水をオーバーフローさせて水落下口3aから排水通路59に落下させるためのオーバーフロー通路58aと、プレッシャーバルブ42から冷却水戻し管78により戻される冷却水をエキゾーストガイド11の冷却水戻し通路11bから下方水溜め部50bに送るための送水通路58bとが並設されている。
【0047】
上記のような構成を有する本実施形態のオイルパン冷却構造においては、図示していないが、最初に述べた実施形態の場合と同様に、エンジン本体の冷却経路を全て通過してサーモスタットバルブ41から冷却水戻し通路77によりアッパーケース3内に戻される冷却水は、オイルパン54の周りを取り囲む上部水溜め部50aに戻される。
【0048】
また、プレッシャーバルブ42から冷却水戻し管78によりアッパーケース3内に戻される冷却水は、図11に示すように、エキゾーストガイド11の冷却水戻し通路11bから導水管58の送水通路58bを通って、マフラー55の周りを取り囲む下方水溜め部50bに戻される。
【0049】
そして、上部水溜め部50aからオーバーフローした冷却水は、導水管58のオーバーフロー通路58aから水落下口3aを通って、アッパーケース3の排水通路59からロアーケース4内に落下すると共に、下部水溜め部50bの冷却水は、排水通路59の側壁に開口されたオーバーフロー孔3bからオーバーフローして、排水通路59からロアーケース4内に落下する。
【0050】
上記のようにエンジン本体から冷却水が戻される本実施形態のオイルパン44の冷却構造によれば、オイルパン54を取り囲む上部水溜め部50aには、プレッシャーバルブ42から戻された比較的温度の低い冷却水が全く流されることなく、サーモスタットバルブ42を通った所定温度以上の冷却水のみが流されるため、オイルの過冷却を防止することができる。
【0051】
また、マフラー55の周りを取り囲む下方水溜め部50bには、サーモスタットバルブ41を通った高温の冷却水が全く流されることなく、プレッシャーバルブ42から戻された比較的温度の低い冷却水のみが流されるため、高温の排気ガスが通過するマフラー55を効果的に冷却することができる。
【0052】
そのため、高速運転時にも、マフラー55の外側に位置する部分のアッパーケース3の表面温度を効果的に下げることができて、当該部分の白化(アッパーケースの表面温度が高温となることにより海水中の成分によって該ケースの表面が白くなって見栄えが悪くなる現象)を防止することができる。
【0053】
なお、オイルパン54の外側に位置する部分のアッパーケース3の表面温度は上がって当該部分は白化するが、この部分はエプロン5で覆われているため、外観上何ら問題はない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の船外機のオイルパン冷却構造によれば、低速運転時に、サーモスタットバルブを通って所定の温度以上にコントロールされた冷却水のみがオイルパンの周りに流されるため、オイルの過冷却を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイルパン冷却構造が適用される船外機の概略を示す右舷側から見た側面図。
【図2】図1に示した船外機の内部構造を示す側方から見た一部断面説明図。
【図3】図2の示した船外機内部構造のトップカウリング部分を示す側方から見た一部断面説明図。
【図4】図2の示した船外機内部構造のアッパーケース部分を示す側方から見た断面説明図。
【図5】図2の示した船外機内部構造のトップカウリング部分を示す上方から見た断面説明図。
【図6】図5に示したエンジンの上方から見た一部拡大断面図。
【図7】本発明のオイルパン冷却構造の一実施形態を示す部分拡大縦断面図。
【図8】図7に示した実施形態におけるプレッシャーバルブからの冷却水経路を示すブロック説明図。
【図9】図8に示した冷却水経路のオイル高温時の冷却水の流れを示す説明図。
【図10】図8に示した冷却水経路のオイル低温時の冷却水の流れを示す説明図。
【図11】本発明のオイルパン冷却構造の他の実施形態を示す部分拡大縦断面図。
【符号の説明】
1 船外機
10 エンジン
41 サーモスタットバルブ
42 プレッシャーバルブ
50 水溜め部
50a 上方水溜め部
50b 下方水溜め部
54 オイルパン
55 マフラー
80 分配バルブ
Claims (3)
- 冷却水によるエンジン本体の冷却経路に対して、シリンダおよび燃焼室周りの温度に応じて冷却水の排出量を制御するためのサーモスタットバルブと、該冷却経路内の水圧が所定以上とならないように冷却水を逃がすためのプレッシャーバルブがそれぞれ設置されていると共に、該エンジン本体の下方にオイルパンが配置されている船外機において、サーモスタットバルブを通して戻される所定以上の温度の冷却水を、全てオイルパンの周りに供給すると共に、プレッシャーバルブを通して戻される冷却水を、オイルの温度検知に基づく制御により、オイルパンの周りに適量供給(全く供給しない場合をも含む)することができるように構成されていることを特徴とする船外機のオイルパン冷却構造。
- プレッシャーバルブを通して戻される冷却水が、オイル温度が高い時にはオイルパン周りへの流量が多くなり、オイル温度が低い時にはオイルパン周りへの流量が少なくなるように、オイルの温度検知に基づいて作動する分配バルブにより制御されていることを特徴とする請求項1に記載の船外機のオイルパン冷却構造。
- 冷却水によるエンジン本体の冷却経路に対して、シリンダおよび燃焼室周りの温度に応じて冷却水の排出量を制御するためのサーモスタットバルブと、該冷却経路内の水圧が所定以上とならないように冷却水を逃がすためのプレッシャーバルブがそれぞれ設置されていると共に、該エンジン本体の下方にオイルパンが配置されている船外機において、アッパーケース内に上方水溜め部と下方水溜め部が画成され、該上方水溜め部にオイルパンが配置され、下方水溜め部にマフラーが配置されていると共に、サーモスタットバルブを通して戻される冷却水が上方水溜め部に供給され、プレッシャーバルブを通して戻される冷却水が下方水溜め部に供給されるように構成されていることを特徴とする船外機のオイルパン冷却構造。
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Applications Claiming Priority (1)
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-
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- 1996-03-11 JP JP08200896A patent/JP3587617B2/ja not_active Expired - Lifetime
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