JP3729005B2 - 車両の後方監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ等で撮像された車両後方の画像情報から車両後方視界を監視する、車両の後方監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カメラ等で撮像された時刻の異なる2画像中の同一点の移動ベクトルを算出し、算出した移動ベクトルから接近する移動物体の存在を検出する技術が知られており、特に、自動車の分野において、カメラ等で自車両の後方を撮像して、後側方(例えば、隣レーンの後方)から接近してくる他車両の存在を検出するオプティカルフロー式の車両の後方監視装置が知られている。
【0003】
このようなオプティカルフロー式の後方監視装置としては、例えば特開平7−50769号公報に開示された技術があり、この技術では、自車両後方の画像情報に基づいて、画像内の無限遠点FOEから発散する方向のオプティカルフローを算出し、その大きさと方向とから危険を判断するものである。
また、特開平8−83345号公報には、画像中に大きな占有面積の移動物体が存在する場合でも、確実に移動物体に起因するオプティカルフローを算出し、さらに、算出したオプティカルフローによりその移動物体が接近しているものか否かを判定する方法に関する技術が開示されている。さらに、特開平9−18863号公報には、複数のカメラ又は旋回可能なカメラをそなえることにより、車両後方の監視領域を広げて安全性を高めようとするものが開示されている。
【0004】
ところで、車両の後方監視とは、自車両に接近している他車両の存在を検出すること、さらには、その結果を自車両のドライバに表示したり警報したりすることである。そして、自車両に接近中の他車両は、道路上、即ち、自車両の走行車線やこれに隣接した走行車線を走行しているため、接近中の他車両は、自車両後方の画像の中の特定の領域(道路上に相当する領域)に存在することになる。
【0005】
そこで、例えば特開平10−147198号公報には、自車両後方の画像の全ての領域に対してオプティカルフローを算出するのでなく、図7に斜線で示すように、画像内の特定の領域(即ち、無限遠点FOE周りL0,無限遠点FOEから画像の下方に放射状に延びる自車両走行レーン領域L1,自車両走行レーン領域L1の走行方向の右側に隣接し無限遠点FOEから左下方に放射状に延びる右側隣接レーン領域L2,自車両走行レーン領域L1の走行方向左側に隣接し無限遠点FOEから右下方に放射状に延びる左側隣接レーン領域L3の各領域)に限定してオプティカルフローを算出する技術が提案されている。これにより、オプティカルフローの演算処理負担を軽減でき、必要なオプティカルフローを速やかに算出できるようになり、装置の性能向上に寄与する。なお、隣接レーン領域L2,L3は走行レーンとは限らない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来技術は、いずれも車両が直線状の道路を走行していることが前提になっており、車両がカーブ路を走行しているときには、得られるオプティカルフローが変化するため、道路の路側にある静止物を誤って接近車両と判定してしまうことがある。
【0007】
つまり、オプティカルフローに基づいて、例えば隣接レーンを走行している接近中の車両の存在を発見しようとする場合、車両が直進していれば、無限遠点から離れる方向に放射状に向かうオプティカルフローを算出して、これに基づいて接近車両の有無や接近車両の大きさ等を判定することができる。この場合、静止物は無限遠点に近づく方向に向かうオプティカルフローとなる。
【0008】
ところが、例えば図8(a)に示すようなカーブ路を車両が走行する場合(旋回時)には、走行する道路後方(特に、ある程度自車両から遠方)の道路脇にある静止物も無限遠点FOEから離れる方向に放射状に向かうオプティカルフローとして算出してしまうことがある。
つまり、図8(a)に示すように、走行レーンLL1,LL2,LL3がカーブしていると(なお、WLは白線を示す)、図8(a)の画像中の旋回内側に位置する静止物Aは、次画像では図8(b)に示すように、画像中の位置を変化させることがある。図8(b)には、図8(a)における静止物Aの位置をA′で示すが、この結果、静止物AはオプティカルフローF1を生成することになる。このようなオプティカルフローF1は、無限遠点から離れる方向に放射状に向かうオプティカルフローに近くなりやすいため、接近車両と判別できなくなり、静止物を接近車両と誤検出してしまう。特に、旋回中に更に道路勾配の変化等も加わると、このような静止物Aにより生成されたオプティカルフローは、接近車両により生成されるオプティカルフローにより近くなることがあり、かかる誤検出がより生じやすくなる。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、車両の旋回中においても静止物を接近車両と誤検出することのないようにして車両の後方を正しく監視できるようにした、車両の後方監視装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の車両の後方監視装置では、オプティカルフローを用いて車両の後方を監視する車両の後方監視装置であって、該車両の後方視界を撮像する撮像手段と、該車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、該旋回状態検出手段により検出された旋回状態の情報に基づいて、該車両の直進時には、該撮像手段で得られた画像内で無限遠点から放射状に延びる右隣接レーン領域及び左隣接レーン領域を直進時の監視領域に設定し、該車両の旋回時には、上記画像の左右端から該無限遠点よりも手前までの距離を設定し、上記直進時の監視領域のうち旋回内側の領域内については上記の画像の左右端から上記の設定した距離までの領域に制限したものを旋回時の監視領域に設定する監視領域設定手段と、該監視領域設定手段で設定された上記の何れかの監視領域に対して、オプティカルフローを算出するオプティカルフロー算出手段とをそなえ、該オプティカルフロー算出手段により算出されたオプティカルフローに基づいて該車両の後方監視を行なう。これにより、旋回状態に応じて適切で効率の良い監視を行なうことができるようになる。
【0011】
また、請求項2記載の本発明の車両の後方監視装置では、上記の右隣接レーン領域及び左隣接レーン領域を、無限遠点のレベルよりも下方に所定の中心角に拡がる放射型の領域とする。
また、請求項3記載の本発明の車両の後方監視装置では、上記監視領域設定手段は、上記撮像手段で得られた上記画像の左右端からの距離を旋回度合いに応じて設定し、上記旋回時の監視領域を、上記の画像の左右端から上記の設定した画像の左右端からの距離までの領域に制限する。
また、請求項4記載の本発明の車両の後方監視装置では、上記の画像の左右端からの距離は、旋回時のハンドル角の大きさが大きくなるほど減少していくように設定される。
また、請求項5記載の本発明の車両の後方監視装置では、該オプティカルフロー算出手段で算出されたオプティカルフローに基づいて、該車両に対して後続車両が接近しているか否かを判定する接近車判定手段をそなえ、該接近車判定手段により該接近車両が存在したら、ドライバに警告する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1〜図6は本発明の一実施形態としての車両の後方監視装置を示すものである。
本車両の後方監視装置は、図1に示すように、車両1の所定の位置(例えば、車体の後部)に自車両後方の道路状況を撮像する撮像手段としてのCCDカメラ2と、CCDカメラ2で得られた画像情報(アナログ画像信号)を処理するECU(電子制御ユニット)10とから構成されている。
【0013】
ECU10は、車両1内部にそなえられ、A/D変換器3,第1フレームメモリ4A,第2フレームメモリ4B,監視領域設定手段(監視領域変更手段5Aを含む)5,オプティカルフロー算出手段(DSP)6,接近車判定手段7から構成されている。
すなわち、CCDカメラ2から入力されたアナログ画像信号は、まず、A/D変換器3によってデジタル画像信号へ変換処理されるようになっている。さらに、A/D変換器3で処理されたデジタル画像信号は、第1フレームメモリ4A,第2フレームメモリ4Bに交互に周期的に格納されるようになっている。このデジタル画像信号の格納周期は、後述のオプティカルフロー(以下、単にフローとも略す)の算出等の画像処理能力で決まるが、ここでは、例えば、10フレーム(1フレーム1/30秒)毎に5フレームの位相差で各フレームメモリ4A,4Bにデジタル画像信号が入力されるようになっているものとする。
【0014】
監視領域設定手段5は、ハンドル角センサ(旋回状態検出手段)21により検出されたハンドル角θthに基づいて監視領域を設定する。例えば、車両が直進している時〔ここでは、ハンドル角θthが舵角閾値(微小なハンドル角値)θth0 以内(θth≦θth0 )の時〕には、図2(a)に示すような監視領域を設定し、車両が旋回している時〔ここでは、ハンドル角θthが舵角閾値(微小なハンドル角値)θth0 よりも大(θth>θth0 )の時〕には、図2(b)に示すような監視領域を設定する。
【0015】
つまり、車両の直進時には、図2(a)に斜線で示すように、画像内の無限遠点FOEから画像上では左下方に放射状に延びるが自車両の進行方向に対しては右隣のレーンに相当する右隣接レーン領域L2と、無限遠点FOEから画像上では右下方に放射状に延びるが自車両の進行方向に対しては左隣のレーンに相当する左隣接レーン領域L3とを監視領域に設定する。これらの領域L2,L3は、本実施形態では、無限遠点FOEのレベル(画像上下方向位置)よりも下方に所定の中心角に拡がる放射型の領域として設定されている。なお、図2中、LL1,LL2,LL3は走行レーンを、WLは白線を示す。また、隣接レーン領域L2,L3は走行レーンとは限らず、側道等の部分も含むものとする。
【0016】
一方、車両の旋回時には、図2(b)に斜線で示すように、直進時の監視領域L2,L3に対して、旋回内側に相当する領域について旋回度合いに応じて監視領域を変更する。つまり、旋回度合いに応じて画像の左右端からの距離LL ,LR を設定し、画像の左右端から距離LL ,LR までの領域を監視領域に設定するようにしている。
【0017】
なお、距離LL は左隣接レーン領域L3(画像中では右側)に関する監視領域を規定するものであり、距離LR は右隣接レーン領域L2(画像中では左側)に関する監視領域を規定するものである。これらの距離LL ,LR は、ハンドル角センサ21により検出されたハンドル角θthに対して、図3(a),(b)に示すような特性で設定されるようになっている。
【0018】
つまり、右隣接レーン領域L2に関する距離LR は、図3(a)に示すように、ハンドル角θthが中立及び左側の場合には、最大〔即ち、画像の左端から左右方向中央(無限遠点FOE位置)に達するまでの距離〕とされ、ハンドル角θthが右側の場合には、ハンドル角θthの大きさが大きくなるほど減少していくようになっている。
【0019】
左隣接レーン領域L3に関する距離LL は、図3(b)に示すように、ハンドル角θthが中立及び右側の場合には、最大〔即ち、画像の左端から左右方向中央(無限遠点FOE位置)に達するまでの距離〕とされ、ハンドル角θthが左側の場合には、ハンドル角θthの大きさが大きくなるほど減少していくようになっている。
【0020】
したがって、車両が左旋回していれば、即ち、ハンドル角θthが左側の場合には、左隣接レーン領域L3に関する距離LL が短くされて、左隣接レーン領域L3′は図2(b)に示すように縮小される。図示しないが、車両が右旋回していれば、即ち、ハンドル角θthが右側の場合には、右隣接レーン領域L2に関する距離LR が短くされて、右隣接レーン領域L2′が縮小される。このため、監視領域設定手段5は、旋回状態に応じて監視領域を予め設定された領域から変更する監視領域変更手段5Aとしての機能ももっている。
【0021】
このように直進時の監視領域L2,L3に対して、旋回時に旋回内側の領域内の遠方領域(無限遠点FOEに近い領域)を監視領域から除外するのは、このような箇所に存在する静止物が接近車両に酷似したオプティカルフローをなすため静止物を接近車両と誤検出してしまうおそれがあり、これを回避するためである。また、このような誤検出のおそれが高い領域は自車両から離隔した領域なので監視対象から除外しても監視への影響は少ない。
【0022】
なお、オプティカルフロー算出手段6は、各フレームメモリ4A,4Bに格納された撮像時間の異なるデジタル画像信号に基づき、監視領域設定手段5で設定された監視領域(監視領域変更手段5Aで変更された監視領域)に対して、オプティカルフローを算出するようになっている。このオプティカルフロー算出手段6におけるオプティカルフローの算出処理は、従来技術と同様であり、次のように行なわれる。
【0023】
まず、第1フレームメモリ4Aに格納された時間tにおける撮像画像(第1フレーム)から着目画像(画素)を抽出し、続いて、第2フレームメモリ4Bに格納された時間t+Δt〔Δt=5/30秒(5フレーム分)〕における撮像画像(第2フレーム)の着目画像(画素)を抽出する。この着目画素の設定は、一定の閾値以上の画素を選定するようにしてもよく、また、撮像画像上において周囲画素の輝度の平均よりも特に高輝度の画素を選定するようにしてもよい。
【0024】
ここで、図4(a),(b)に示すように、異なる時間において、後方から隣車線(以下、隣レーンという)上を接近してくる後続車両101を撮像したとする。図4(a)に示す画像100Aを時間tにおける撮像画像とし、図4(b)に示す画像100Bを時間t+Δtにおける撮像画像とすると、それぞれの画像100A,100Bから例えば着目画素PA1,PA2,PB1,PB2を抽出する。なお、ここでは、説明の便宜上、各画像の着目画素は2つとしているが、実際はさらに多くの着目画素を抽出することになる。
【0025】
そして、それぞれの着目画素PA1,PA2,PB1,PB2にウインドウSA1,SA2,SB1,SB2を設定し、2画面100A,100B間のウインドウSA1,SA2,SB1,SB2の同一性を検証して、2画面100A,100B間の対応する着目画素を求めるようになっているのである。このウインドウの同一性の検証方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、特開平8−83345号公報等に記載されているように、相関法や勾配法により検証することができる。
【0026】
そして、2画面100A,100B間の対応する着目画素が求められると、これらの着目画素を結んだベクトルがオプティカルフローとなるのである。ここでは、ウインドウSA1とSB1とが同一であり、ウインドウSA2とSB2とが同一であるので、着目画素はPA1とPB1とが対応し、PA2とPB2とが対応しており、それぞれを結ぶことによりオプティカルフローf1 ,f2 が求められる。
【0027】
このようにして、他の対応する着目画素についても対応を検証していくことにより、図4(c)に示すように、後方を走行する後続車両101に対応した複数のオプティカルフロー(オプティカルフロー群)Fが得られるのである。
なお、後続車両101以外にも、道路標識102等の周囲風景に対応したオプティカルフローも得られるが、これらは自車両から相対的に遠ざかるように(いわゆる無限遠点方向に収束するように)移動しているので、後続車両101に対応するオプティカルフロー群Fとは、ベクトルの向きが逆となる。そこで、オプティカルフロー算出手段6では、ベクトルの向きに閾値を設け、自車両に接近する方向のオプティカルフローのみ算出するようになっている。
【0028】
接近車判定手段7では、オプティカルフロー算出手段6で算出されたオプティカルフローに基づいて、自車両に対して後続車両101が接近しているか否かを判定する。ここでは、自車両に接近する方向のオプティカルフロー群Fとして認識される接近車両が存在するか否かを判定して、接近車両が存在したら、警報表示モニター8に表示して、ドライバに警告するようになっている。なお、自車両に近い位置にある接近車両(これは、オプティカルフロー群Fの位置から推定可能である)や接近速度が所定レベル以上に速い接近車両〔これは、オプティカルフロー群Fのベクトルの大きさ(大きさの平均値が好ましい)から推定可能である〕については、特別な表示をしてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態としての車両の後方監視装置は、上述のように構成されているので、例えば、監視領域については、例えば図5に示すようにして設定される。
つまり、ハンドル角θthに基づいて、図3(a)に示すようなマップから、右隣接レーン領域L2に関する距離LR を算出し(ステップS10)、距離LR に基づいて、右隣接レーン領域L2に関する監視領域を設定する(ステップS20)。次に、ハンドル角θthに基づいて、図3(b)に示すようなマップから、左隣接レーン領域L3に関する距離LL を算出し(ステップS30)、距離LL に基づいて、左隣接レーン領域L3に関する監視領域を設定する(ステップS40)。なお、図5の各ステップ内に示す側では、ハンドル角θthが左にθ1になっている場合を示す。
【0030】
このようにして、監視領域が、車両の旋回状態に応じて設定されるので、旋回時に、無限遠点から離れる方向に放射状に向かうオプティカルフローとなりやすい静止物は監視対象から外されることになり、静止物を接近車両であるとする誤検出を防止することができる。また、このような誤検出のおそれが高い領域は自車両から離隔した領域なので監視対象から除外しても影響は少ない。
【0031】
この結果、車両の旋回状態においても、接近車両を精度良く検出することができ、ドライバへの警告や表示等をより的確に行なえるようになる。
また、旋回曲率が小さければ、車両後方で車両から大きく離隔した(即ち、無限遠点FOEに近い)静止物ほど誤検出し易いが、旋回曲率が大きくなるほど、車両後方で車両に比較的近い(即ち、無限遠点FOEから離れた)静止物についても誤検出の対象になってくるが、本実施形態では、旋回状態に応じて、ハンドル角が大きいほど、即ち、旋回曲率が大きいほど、監視対象を自車両に近い位置のみに制限するので、誤検出の低減を効率よく実現できる。
【0032】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施しうるものである。
例えば、基本となる車両の直進時の監視領域L2,L3を、図6(a)に示すように設定してもよい。つまり、本実施形態では、右隣接レーン領域L2及び左隣接レーン領域L3を、無限遠点FOEからこの無限遠点FOEよりも斜め下方の放射状領域に設定しているが、図6(a)に示すように、監視領域L2,L3の画像における外側上方の領域を、無限遠点レベル(画像内で無限遠点FOEと同等の高さ)まで拡張している。このように、基本となる車両直進時の監視領域L2,L3は、適宜設定しうるものであり、これは例えば車両に搭載するカメラの高さ等に応じて設定することが好ましい。なお、車両直進時の監視領域L2,L3を、図6(a)に示すように設定すると、右旋回時には、監視領域は例えば図6(b)に示すように変更される。
【0033】
また、本実施形態では、旋回時には、旋回状態に応じて、画像の左右中央(無限遠点FOEに対応する位置)から外側に向けて監視しない領域を拡げていくようにしているが、これに加えて、図6(c)に示すように、旋回状態に応じて(例えばハンドル角に応じて)、無限遠点レベル(画像内で無限遠点FOEと同等の高さ)から下方に向けて監視しない領域(距離LL ′参照)を拡げていくように設定することも考えられる。逆に言えば、全監視領域の最前部(画像中では最下部)から上方に旋回状態に応じた距離HL (又は、HR )だけの部分のみを監視領域とすることになる。この場合の距離HL ,HR は、距離LL ,LR の設定の場合と同様に、例えば図3に示すような特性で設定することができる。また、このような監視領域についての制限を上下方向のみ行なうようにして、旋回時の監視領域の変更を行なってもよい。
【0034】
なお、距離LL ,LR や距離HL ,HR の設定は、旋回度合いが強いほど、つまり、旋回曲率が大きい(旋回半径が小さい)ほど距離LL ,LR や距離HL ,HR が小さくなればよく、図3に示すような特性に限らない。
また、旋回度合いは、ハンドル角に限らず、例えば横Gセンサで検出される横Gを用いて検出してもよい。
【0035】
さらに、本実施形態では、旋回外側の監視領域は変更していないが、旋回外側の監視領域を旋回内側に向けて拡張するなど、旋回外側の監視領域を変更するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の車両の後方監視装置によれば、該車両の旋回時には、旋回状態に応じて監視領域を設定するので、旋回状態に応じて適切で効率の良い監視を行なうことができ、車両の後方監視の精度を向上させることができる。
特に、旋回時に、無限遠点から離れる方向に放射状に向かうオプティカルフローとなりやすい静止物は監視対象から外されることになり、静止物を接近車両であるとする誤検出を防止することができ、車両の後方監視の精度をより効率よく向上させることができる。
また、画像の左右端からの距離を、旋回時のハンドル角の大きさが大きくなるほど減少していくように設定することにより、旋回状態に応じて、ハンドル角が大きいほど、即ち、旋回曲率が大きいほど、監視対象を自車両に近い位置のみに制限するので、誤検出の低減を効率よく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両の後方監視装置の構成模式的に示すブロッグ図である。
【図2】本発明の一実施形態としての車両の後方監視装置における監視領域を示す図であり、(a)は車両の直進時のものを、(b)は車両の旋回時のものを示す。
【図3】本発明の一実施形態としての車両の後方監視装置における監視領域の変更特性を示す図であり、(a)は右旋回の場合を、(b)は左旋回の場合を示す。
【図4】本発明の一実施形態としての車両の後方監視装置におけるオプティカルフローの算出を説明する図であり、(a)は時間tにおける撮像画像を示す図、(b)は時間t+Δtにおける撮像画像を示す図、(c)は(a),(b)の撮像画像から得られるオプティカルフローを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態としての車両の後方監視装置における監視領域の変更処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態としての車両の後方監視装置における監視領域の変形例を示す図であり、(a)は第1変形例にかかる車両の直進時のものを示し、(b)は第2変形例にかかる車両の旋回時のものを示し、(c)は第2変形例にかかる車両の旋回時のものを示す。
【図7】従来の車両の後方監視装置における監視領域の一例を示す図である。
【図8】従来の車両の後方監視装置における課題を説明する図であり、(a),(b)はオプティカルフロー算出のための画像の一例である。
【符号の説明】
1 車両
2 撮像手段としてのCCDカメラ
5 監視領域設定手段
5A 監視領域変更手段
6 オプティカルフロー算出手段(DSP)
7 接近車判定手段
10 ECU(電子制御ユニット)
21 ハンドル角センサ(旋回状態検出手段)
Claims (5)
- オプティカルフローを用いて車両の後方を監視する車両の後方監視装置であって、
該車両の後方視界を撮像する撮像手段と、
該車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、
該旋回状態検出手段により検出された旋回状態の情報に基づいて、該車両の直進時には、該撮像手段で得られた画像内で無限遠点から放射状に延びる右隣接レーン領域及び左隣接レーン領域を直進時の監視領域に設定し、該車両の旋回時には、上記画像の左右端から該無限遠点よりも手前までの距離を設定し、上記直進時の監視領域のうち旋回内側の領域内については上記の画像の左右端から上記の設定した距離までの領域に制限したものを旋回時の監視領域に設定する監視領域設定手段と、
該監視領域設定手段で設定された上記の何れかの監視領域に対して、オプティカルフローを算出するオプティカルフロー算出手段とをそなえ、
該オプティカルフロー算出手段により算出されたオプティカルフローに基づいて該車両の後方監視を行なう
ことを特徴とする、車両の後方監視装置。 - 上記の右隣接レーン領域及び左隣接レーン領域は、無限遠点のレベルよりも下方に所定の中心角に拡がる放射型の領域である
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の後方監視装置。 - 上記監視領域設定手段は、上記撮像手段で得られた上記画像の左右端からの距離を旋回度合いに応じて設定し、上記旋回時の監視領域を、上記の画像の左右端から上記の設定した画像の左右端からの距離までの領域に制限する
ことを特徴とする、請求項2記載の車両の後方監視装置。 - 上記の画像の左右端からの距離は、旋回時のハンドル角の大きさが大きくなるほど減少していくように設定される
ことを特徴とする、請求項3記載の車両の後方監視装置。 - 該オプティカルフロー算出手段で算出されたオプティカルフローに基づいて、該車両に対して後続車両が接近しているか否かを判定する接近車判定手段をそなえ、該接近車判定手段により該接近車両が存在したら、ドライバに警告する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の後方監視装置。
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