JP3727618B2 - マルチ作業機の予備フィルムロール受け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、予備フィルムロール受け構造を有するマルチ作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ロータリ作業機の後方に畝成形機を設け、さらにその後方にマルチ作業機を設けた構成のマルチロータリ作業機があり、これは走行機体であるトラクタ等の後方にリンク装着機構と昇降機構を介して連結されて使用されている。このマルチロータリ作業機は、トラクタを走行させながらロータリ作業機で土を耕耘し、耕耘した土を用い畝成形機で畝を成形し、さらに、成形された畝にマルチ作業機でマルチフィルムを覆うように被せるものである。
【0003】
このようなマルチロータリ作業機としては、例えば、特開平10−117609号公報等に開示されているものがある。
この公報に開示されているマルチロータリ作業機のマルチ作業機は、フィルムロール支持部より前方に予備フィルムロールを保持する予備フィルム受け構造を有している。すなわち、マルチ作業機枠の左右方向に円柱状のストッパーが付設されると共に左右両側で前後方向にロールガイドが配設されている。このロールガイド間に予備フィルムロールが左右方向に載置され、前記ストッパーにより巻き出し中のフィルムロールに接触しないようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の予備フィルムロール受け構造の場合、予備フィルムロールを積載するのが困難であったり、マルチ作業機に大きな衝撃や振動が加わったときに巻芯方向にずれて落下したりする可能性がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、予備フィルムロールの載置を容易にした及び/又は落下防止を可能にしたマルチ作業機の予備フィルムロール受け構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、巻き出しフィルムロール支持部より前方で予備フィルムロールの両端を保持する予備フィルム受け手段は、予備フィルムロールの両端から突出する巻芯を保持する上方開放二股形状の保持部材を有することである。
これにより、上方開放で二股形状の保持部材に、予備フィルムロールの巻芯を嵌め込んで架け渡すことで、予備フィルムロールの巻芯方向のずれを防止することができる。
【0006】
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、巻き出しフィルムロール支持部より前方で予備フィルムロールの両端を保持する予備フィルム受け手段は、上方開放状で且つ一脚部が他脚部より長尺で上方に突出した二股形状の保持部材を有することである。
これにより、保持部材の長尺の脚部に予備フィルムロールを倣わせることで、予備フィルムロールを容易に保持部材間に嵌め込んで載置することが可能となる。
【0007】
本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、巻き出しフィルムロール支持部より前方で予備フィルムロールの両端を保持する予備フィルム受け手段は、予備フィルムロールの両端から突出する巻芯を保持する保持部材を有し、この保持部材は一脚部が他脚部より長尺で上方に突出した二股形状を有することである。
これにより、上方開放で二股形状の保持部材に、予備フィルムロールの巻芯を嵌め込んで架け渡すことで、予備フィルムロールの巻芯方向のずれを防止することができると共に、保持部材の長尺の脚部に予備フィルムロールを倣わせることで、予備フィルムロールを容易に保持部材間に嵌め込んで載置することが可能となる。
【0008】
本発明における課題解決のための第4の具体的手段は、前記保持部材は前脚部と後脚部とが略平行で且つ略垂直又は前方へ傾斜し且つ前脚部を後脚部より長く形成していることである。
これにより、垂直又は前方へ傾斜している前脚部に巻芯を当てて沿わせるように予備フィルムロールを移動することで、予備フィルムロールを後方から容易に保持部材間に嵌め込むことができる。
本発明における課題解決のための第5の具体的手段は、前記保持部材の二股形状部は予備フィルムロールを複数本保持する長さを有することである。
【0009】
これにより、予備フィルム受け手段は複数の予備フィルムロールを保持することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜8は、予備フィルムロール受け構造100を有するマルチ作業機36として、マルチ作業機36が連結されているマルチロータリ作業機14を例示したものであり、予備フィルムロール受け構造100の第1実施形態を示すものである。
マルチロータリ作業機14はロータリ耕耘作業と畝成形作業とマルチフィルム被覆作業とを一工程(同時作業)で行えるものである。このマルチロータリ作業機14は、図1の如く、センタドライブ駆動方式のロータリ作業機2と畝成形機7とマルチ作業機36とが一体的に連結された構成を有し、走行機体であるトラクタ6の後部に、リンク装着機構を構成する昇降基枠4と昇降機構5とを介して昇降自在に装着されている。
【0011】
ロータリ作業機2の機枠であるロータリ機枠3は、ギアケース40とギアケース40から下方に突設する伝動ケース44とギアケース40から突出する左右一対のサポートアーム38から構成されている。
前記伝動ケース44の下部には、圃場Fを耕耘する複数の耕耘爪41を有する爪軸8が、左右軸心回りに回転自在に設けられ耕耘部42を形成している。
トラクタ6のPTO軸45からの駆動力は、ユニバーサルジョイント軸46により入力軸47に伝達され、ギアケース40及び伝導ケース44内に設けられた伝動機構を介して爪軸8に伝達される。この爪軸8が軸心回りに回転することで、耕耘爪41は土を耕起反転すると共に砕土する。
【0012】
この耕耘部42は、耕耘爪41が土に対して下向きに回転切削してダウンカット耕耘するダウンカットロータリによって構成されており、耕耘爪41は、図1の矢印A方向に回転する。
カバー体33は、図1,3に示すように、爪軸8及び耕耘爪41の上方を覆う側面視略半円弧状のカバーであり、後述する畝成形機7の前部に形成されている挟角設定部材22の下部に、その上部が固着されている。したがって、畝成形機7と一体になり連動して爪軸回りに移動するようになっている。
【0013】
このカバー体33は、耕耘爪41で耕耘される土の飛散を防止すると共に、耕耘爪41から放擲された土が衝突することによって砕土作用を行う。
前記ロータリ作業機2をトラクタ6の後部に連結するための昇降基枠4は、前記ギアケース40を左右両側より挟み込むように固着又は左右サポートアーム38に固着されており、前記ギアケース40又はサポートアーム38から前方へ突出している。昇降基枠4の前部はトラクタ6の後部に設けられたブラケット16に横軸回りで揺動自在に枢着される。
【0014】
昇降基枠4の中途部には昇降機構5が取り付けられている。すなわち、左右一対のリフトロッド17の一端が、前記昇降基枠4の中途部に横軸回り回動自在に枢支されており、このリフトロッド17の他端はリフトアーム18の一端とそれぞれ横軸回り回動自在に枢支されている。
リフトアーム18の他端(基端)側はトラクタ6の後部の油圧装置20に枢着され、この油圧装置20の内部に配置された油圧シリンダ(図示せず)により横軸周りに回動するようになっている。当該ロータリ作業機2(マルチロータリ作業機14)はトラクタ6後部に2点リンク機構で連結されており、油圧装置20を作動して、リフトアーム18を上下揺動することで昇降基枠4ひいてはロータリ作業機2(マルチロータリ作業機14)を昇降する。
【0015】
前記一対のリフトロッド17のどちらか一方で且つその中途部には、昇降基枠4の左右方向の傾きを調整するための水平制御手段(油圧シリンダ)19が設けられている。
前記昇降基枠4の後上部には、左右一対のマスト部材39が固着されている。また、サポートアーム38の中途部には、左右一対の後連結部材21が後方突設している。この後連結部材21の下端は、前記カバー体33の上面と隣接するため、カバー体33上面と略同一の曲率を有する円弧状となっており、カバー体33が前後方向に移動する際のガイドの役目も有している。
【0016】
前記ロータリ作業機2の後方に連結された畝成形機7は、畝立て機枠49を機枠として有しており、左右一対の畝立て縦枠50と、この畝立て縦枠50上部間に架け渡された畝立て横枠51とから形成されている。この畝立て機枠49には畝の左右の側面を形成する左右の側板52と、畝Rの上面を形成する上板53とが備えられており、前後及び下方に開放状に畝立て部54を形成している。
前記畝立て横枠51の左右方向中途部に、左右一対の連結棒支持枠69が固着され、各連結棒支持枠69に挟角設定部材22が前方に突出するように設けられている。各挟角設定部材22は前記一対の後連結部材21をそれぞれの外側から挟み込むように配置されている。
【0017】
各挟角設定部材22には、前後方向に複数(2つ)の長孔23が形成されている。この長孔23は爪軸8を中心とした略円弧状である。この長孔23と後連結部材21に設けられた締結孔(図示せず)に、ボルト24を貫通させ締め付けることで、前記後連結部材21と挟角設定部材22とを締結し固定するようにしている。
これらによって締結手段24が構成されており、この締結手段24を締結する又は解除することで、ロータリ作業機2に対して畝成形機7を連結又は挟角調整可能にしている。
【0018】
ロータリ作業機上の特定の点(例えばサポートアーム38)と爪軸8とを結ぶ中心線に対して、畝成形機上の特定の点(例えば畝立て横枠51)と爪軸8とを結ぶ中心線がなす挟角αは、後連結部材21と挟角設定部材22との相対前後位置を調整することにより変更され、この挟角αの変更は互いの相対姿勢の変更となる。
ゲージ手段10はロータリ作業機2の耕深を調整する左右一対のゲージ手段であり、畝成形機の構成部材に装着されていて、畝成形機7の圃場Fに対する高さも変更し形成される畝Rの高さを調整できる。この左右各ゲージ手段10は、畝立て機枠49に、上部リンク56と下部リンク55とを平行に支持した平行リンク機構となっている。
【0019】
下部リンク55は前端が畝立て縦枠50に揺動自在に枢支され、上部リンク56は前端が左右方向に軸心が向く六角パイプ等の連結棒66に連結されている。連結棒66は畝立て横枠51に固定の連結棒支持枠69に回動自在に支持され、左右上部リンク56の前上固定枢支点を形成している。
上部リンク56及び下部リンク55の後端には連結リンク57が連結され、この連結リンク57又は下部リンク55の後端に、ゲージ体であるゲージ輪29が回転自在に枢支される。
【0020】
前記連結棒66の略中央には、六角筒体等の連結筒体67が嵌合しボルト68を介して固定されている。この連結筒体67から略上方に、側面視略くの字形の回動部材30が延設されている。この回動部材30の先端は、図4の如く、後述の連動体27に枢支軸91を介して回動自在に枢着されている。
前記ゲージ手段10を高さ調整する高さ調整機構11は、図1,3〜7に示す構成であり、長さ方向に伸縮可能な伸縮ロッド26と連動体27とを有している。
【0021】
伸縮ロッド26は、雌ネジ60を有し且つ連動体27に連結ピン43を介して連結された先端ロッド59と、この先端ロッド59に螺合する雄ネジ62を有する駆動ロッド61と、ロッドカバー63と、駆動ロッド61の基端に設けられたハンドル64とを有している。前記ロッドカバー63はマスト部材39に横軸回りに回動自在に枢着されている。
前記高さ調整機構11はハンドル64を回動することで、伸縮ロッド26の長さが伸縮し、回動部材30を先端ロッド59に連動して、図4の矢印B方向へ移動することになる。すると、連結棒66が図4の矢印C方向へ回動し、上部リンク56が連結棒66回りに上下に揺動し、前記ゲージ輪29が昇降するようになる。
【0022】
ゲージ輪29を上方に上げることで、畝成形機7は圃場Fに対して下降することになり、耕深が深くなって高畝が形成され、逆に、ゲージ輪29を下方に下げることで、畝成形機7は圃場Fに対して上昇することになり、耕深が浅くなって低畝が形成されることになる。
また、前記連動体27には、マルチロータリ作業機14の耕耘開始時において、所望する耕耘深さに耕耘爪41が早期に達することを促す腰折れ機構70が設けられている。
【0023】
腰折れ機構70は図4〜7に示すようなものであり、連動体27の下部略中央から左右一対の押上片支持体71が下方へ突出しており、この押上片支持体71の間には側面視略くの字形の押上片72が、その屈曲部で横軸73回りに枢着されている。
この押上片72の長片74を上方へ押し上げる(図6の矢印D方向)ことにより、押上片72の作用部75が先端ロッド59の先端下部を上方へ押し上げることになる。このとき、この先端ロッド59が枢着している連動体27は下方へ開口しているため、図7のように先端ロッド59と連動体27は側面視略への字に折れ曲がるようになる。
【0024】
この腰折れ状態では、ゲージ手段10すなわち回動部材30からの力が伸縮ロッド26には伝わらないようになるため、ゲージ輪29は畝成形機7を支える機能を有さずフリーの状態になる。
この腰折れ機構70は、以下のようにして使用する。
マルチロータリ作業機14を用いて耕耘作業を開始する際には、前記ゲージ輪29が畝成形機7を支持している状態であれば、その支持が障害になり、ロータリ作業機2が圃場Fの土中に入り込みづらい状況となる。したがって、畦際から耕耘開始位置までの距離が長くなる等の不都合が生じる。
【0025】
そのため、耕耘始めには、前記長片74を押し上げることで、腰折れ機構70を側面視略への字に折り曲げ、ゲージ輪29の支持状態をフリーとなる。
すると、ロータリ作業機2や畝成形機7の自重により、耕耘爪41が早期に所望の深さに達するようになり、短時間で所望の耕耘深さを得ることができるようになる。
所望の耕耘深さになった後は、昇降機構5を介してマルチロータリ作業機14を上方へ持ち上げる。その際、ゲージ輪29がその自重で下にさがることで、回動部材30を前方(図7の矢印E方向)へ回動し、作用部75が下方(図7の矢印G方向)へ押し戻され、略への字に折れていた連動体27と先端ロッド59は一直線になる。これにより、腰折れ機構70は、ゲージ輪29の力を伸縮ロッド26へ伝えるようになり、ゲージ輪29は畝成形機7の上下位置を規制する機能を有するようになる。
【0026】
この畝成形機7の後方にはマルチ作業機36が設けられており、前記左右の畝立て縦枠50の略中央から後方へ、左右一対のマルチ作業機枠83が突設している。
このマルチ作業機枠83の前後方向略中央には、フィルムロール78から巻き出されたマルチフィルム77に張力を与え、ハリをもたせるための2つのテンションロール79が左右方向に軸心がむくように設けられている。マルチ作業機枠83の後部からは支持体80が後下方に突設され、この支持体80の中途部に踏圧輪81が設けられると共に、後端部には土掛けディスク82が設けられている。
【0027】
前記マルチ作業機36は、フィルムロール78から、マルチフィルム77をテンションロール79で張力を与えながら巻き出し、畝成形機7により成形された畝Rに対して、マルチフィルム77の両端を踏圧輪81で踏圧しながら被せ、土掛けディスク82によりマルチフィルム77の両縁に土を被せる作業を行う。
なお、当該フィルムロール78は、筒状の巻芯106にマルチフィルム77が巻かれることで形成されており、この巻芯106はフィルムロール78の両端面から突出するようになっている。
【0028】
前記畝立て横枠51には、図1,3,8に示す如く、フィルムロール78を配置するためのフィルムロール受け手段86が設けら、その前方に予備フィルムロール76を載置可能とする予備フィルムロール受け手段87が設けられている。フィルムロール受け手段86は、畝立て横枠51の左右両側部の上壁に一対の支持片107がボルト等で固定された上で後方に突出しており、さらに、この支持片107の後部に略上方に突出した巻き出しフィルムロール支持部101がボルト等で固定されている。この巻き出しフィルムロール支持部101の先端部(後方側)には、フィルムロール78の巻芯106を回動自在に支持する支持部108が形成されている。
【0029】
前記フィルムロール受け手段86の前側には、上方開口で二股形状の保持部材102を左右一対有する予備フィルムロール受け手段87が設けられている。
この予備フィルムロール受け手段87は、前記畝立て横枠51の左右両端部の前部側壁に、左右一対の保持部材支持柱109が上方を向くようにボルト等で固定されており、この保持部材支持柱109の先端には、側面視略U字形の上方開口で二股形状の保持部材102が一体形成されている。
この保持部材102を棒材等を略U字形に成形し、その下端部に棒材等からなる保持部材支持棒109を溶着することで予備フィルムロール受け手段87を形成してもよい。
【0030】
二股形状をなす前脚部103と後脚部104とは略平行で、予備フィルムロール76の巻芯106が入り込む間隔を形成しており、前後103及び後脚104の長さは予備フィルムロール76を複数本保持可能なものとなっている。本実施形態の場合は、両脚部103,104の長さは、予備フィルムロール76を2つ保持できるものとなっているが、これに限定されるものではなく、3つ以上複数個保持できてもよく、1つだけ保持できるものであってもよい。
また、前脚部103は後脚部104より長尺であり、図8の如く後脚部104より長さLだけ突出している。この長さLは載置される予備フィルムロール76の巻芯106の半径より長いことが好ましい。
【0031】
マルチ作業機36の作業時又は若干持ち上げた時において、前記保持部材102の両脚部103,104は前方へ傾斜又は略垂直になるように配置されている。
一方、前記連動体27の先端には、畝成形機7を高さ調整機構11に連動させる連動手段12が設けられおり、この高さ調整機構11と連動手段12とにより、畝成形機7の姿勢を調整するための姿勢調整装置1は構成されている。
図4,5に示すように、この連動手段12は、連動体27に枢支連結されたロック部材31と畝立て横枠51から上方突出状に設けられたロック部材係合部93とを有している。ロック部材31の基端は、前記連動体27に、回動部材30の枢支軸91を利用して横軸回りに回動自在に枢支され、先端の下縁には、下方開口のU字形に切り欠かれた複数の切り欠き部92が形成されている。
【0032】
畝立て横枠51の略中央でその後方側壁には、2本の縦棒90が固着されており、この上部間に設けた横棒によってロック部材係合部93が形成されている。このロック部材係合部93に前記切り欠き部92の1つが上方から嵌り込むことで、ロック部材係合部93と回動部材30の枢支軸91と連結筒体67との3点で構成される三角形状がロックされる。すると、連動体27と畝立て横枠51との位置関係がロックされて回動部材30の回動が制止され、ゲージ手段10の動きは固定されることになる。ゲージ手段10の動きが固定されると、連動体27と畝成形機7とが一体的に連結した状態になる。
【0033】
切り欠き部92とロック部材係合部93の係合は解除自在であり、ロック部材31を上方に持ち上げることで簡単に係合解除することができる。
ロック部材31を使用しない際は、ロック部材31を枢支軸91回りに前方へ回動させ、図4の2点鎖線のように連動体27の略上部に配置させておくことが好ましい。なお、ロック部材31がこの位置で留まるように、ロック部材31の下縁略中央には、連動体27の上面と係合する係止片94が固着されている。
以上述べたマルチロータリ作業機14のマルチ作業機36において、図2,3に示すように、予備フィルムロール76は、左右一対の保持部材102の両脚部103,104の間にその巻芯106が入り込むように架け渡され載置される。
【0034】
このとき、予備フィルムロール76の両端面と保持部材102の左右方向内側面とが当接するために、当該予備フィルムロール76の左右移動が規制される。したがって、予備フィルムロール76がその巻芯方向に移動しても保持部材102から巻芯106が外れて落下することはない。
前記保持部材102の前脚部103と後脚部104との間は、巻芯106を把持するための狭い間隔であるため、保持部材102の前後方向の幅を小さくすることが可能となっている。また、マルチフィルム77の外周面に保持部材102が接触して保持を行うものではないため、予備フィルムロール76自体が滑ったりしてずれ落ちたり、マルチフィルム77が傷ついたりすることを防げる。
【0035】
この予備フィルムロール受け手段87に予備フィルムロール76を載置する際は、図8の矢印のように、マルチ作業機36の後方から、予備フィルムロールの巻芯106を後脚部104の上を通って前脚部103の上方へ突出している部分に当たるように移動させる。その後、巻芯106を前脚部103に沿わせるように下方へ落下させることで、位置合わせを行うことなく容易に保持部材102間に巻芯106を挟み込むことができ、予備フィルムロール76の載置が簡単に行える。
【0036】
このとき、保持部材102が前方傾斜若しくは略垂直であるため、予備フィルムロール76の巻芯106は常に前脚部103に当たった状態で下方に案内されるようになり、保持部材102の両脚部103,104の間隔から外れることがなくなる。
また、マルチフィルム被覆作業(マルチ作業)を行わないとき、例えば、トラクタ6が路上を走行するときには、マルチロータリ作業機14は、昇降機構5により、昇降基枠4の前端部を中心として揺動して上方に持ち上げられ、図8の2点鎖線の如く、予備フィルムロール受け手段87は前方へ大きく傾斜するようになる。この状態であっても、前脚部103が後脚部104より長く、前脚部103の先端部が後脚部104の先端部より突出しているため、予備フィルムロール76が振動等で両脚部103,104に沿って移動しても上方開口から飛び出ることはなく、安定した把持・載置が可能となる。
【0037】
巻き出し中のフィルムロール78のマルチフィルム77がなくなった場合は、適宜、この予備フィルムロール受け手段87から予備フィルムロール76を取り出してフィルムロール78とし、巻き出しフィルムロール支持部101にセッティングすればよい。
図9は、予備フィルムロール受け手段87の第2実施形態を示すものである。本実施形態の予備フィルムロール受け手段87は、第1実施形態のものと略同一である。しかしながら、保持部材102の二股形状をなす前脚部103と後脚部104との間が、予備フィルムロール76本体(マルチフィルム77の外周面)が入り込む間隔となっている点が異なっている。両脚部103,104の長さは予備フィルムロール76を複数本保持可能なものとなっている。
【0038】
この構成であっても、予備フィルムロール76本体を前脚部103に沿わせるように下方へ落下させることで、位置合わせを行うことなく容易に保持部材102間に挟み込むことができ、予備フィルムロール76の載置が簡単に行える。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、保持部材102の前脚部103は、後脚部104より長尺で前脚部103の先端部が突出しているが、これは、予備フィルムロール76を後方から移動させ載置する場合の構成であり、前方から移動させ載置する場合は、後脚部104が長尺で上方に突出する構成が好ましい。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、予備フィルムロール76の載置を容易に及び/又は落下防止を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】予備フィルムロール受け手段の第1実施形態を備えたマルチロータリ作業機の側面図である。
【図2】同背面図である。
【図3】同中央部の背面斜視図である。
【図4】同中央部の正面斜視図である。
【図5】同中央部の平面図である。
【図6】腰折れ装置非作動時の拡大側面図である。
【図7】腰折れ装置作動時の拡大側面図である。
【図8】予備フィルムロール受け手段の拡大側面図である。
【図9】予備フィルムロール受け手段の第2実施形態の拡大側面図である。
【符号の説明】
14 マルチロータリ作業機
36 マルチ作業機
76 予備フィルムロール
87 予備フィルム受け手段
100 予備フィルムロール受け構造
101 巻き出しフィルムロール支持部
102 保持部材
103 前脚部
104 後脚部
106 巻芯
Claims (5)
- 巻き出しフィルムロール支持部(101)より前方で予備フィルムロール(76)の両端を保持する予備フィルム受け手段(87)は、予備フィルムロール(76)の両端から突出する巻芯(106)を保持する上方開放二股形状の保持部材(102)を有することを特徴とするマルチ作業機の予備フィルムロール受け構造。
- 巻き出しフィルムロール支持部(101)より前方で予備フィルムロール(76)の両端を保持する予備フィルム受け手段(87)は、上方開放状で且つ一脚部(103,104)が他脚部(104,103)より長尺で上方に突出した二股形状の保持部材(102)を有することを特徴とするマルチ作業機の予備フィルムロール受け構造。
- 巻き出しフィルムロール支持部(101)より前方で予備フィルムロール(76)の両端を保持する予備フィルム受け手段(87)は、予備フィルムロール(76)の両端から突出する巻芯(106)を保持する保持部材(102)を有し、この保持部材(102)は一脚部(103,104)が他脚部(104,103)より長尺で上方に突出した二股形状を有することを特徴とするマルチ作業機の予備フィルムロール受け構造。
- 前記保持部材(102)は前脚部(103)と後脚部(104)とが略平行で且つ略垂直又は前方へ傾斜し且つ前脚部(103)を後脚部(104)より長く形成していることを特徴とする請求項2又は3に記載のマルチ作業機の予備フィルムロール受け構造。
- 前記保持部材(102)の二股形状部は予備フィルムロール(76)を複数本保持する長さを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマルチ作業機の予備フィルムロール受け構造。
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