JP4481220B2 - マルチ作業機 - Google Patents
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Description
本発明は上記問題点に鑑み、フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムが風等の影響でパタパタと振動乃至揺動しても、フィルム検出器が誤検出するのを防止できるようにしたものである。
前記テンションロールのフィルム案内外周面に凹溝が形成され、フィルムロールからテンションロールに繰り出されたマルチフィルムを検出するように、フィルム検出器の感知部がテンションロールの前記凹溝に配置されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記テンションロールは、支持軸に外嵌した複数のロール体を備え、各ロール体は支持軸廻りに回転自在に支持され、隣り合うロール体間に前記凹溝が形成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、一対の支持腕間に、テンションロールを回転自在に支持する支持軸が、支持腕を貫通して両外方に突出するように設けられ、前記テンションロールは複数のロール体を備え、複数のロール体は、支持軸にそれぞれ外嵌されて、一対の支持腕間と支持腕間の外方とに配置され、支持腕を挟んで隣り合うロール体間に前記凹溝が形成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記フィルム検出器は、揺動自在に支持された感知レバーと、感知レバーの揺動動作によりオンオフ動作する感知スイッチとを具備し、前記感知部が、感知レバーの揺動によって凹溝から出退するように、感知レバーの遊端側に形成され、感知部が凹溝内に後退する方向に感知レバーを付勢するように、バネが設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、フィルムロールと押えロールとの間に、第1テンションロールと第2テンションロールとが設けられ、第1テンションロールはフィルムロールの後下方に配置されて、フィルムロールから後下方に繰り出されたマルチフィルムを前下方に向けて屈曲させるように、第1テンションロールの後側にマルチフイルムが巻回され、第2テンションロールは第1テンションロールの前下方であって押えロールの前上方に配置されて、第1テンションロールから前下方に繰り出されたマルチフィルムを後下方に向けて屈曲させるように、第2テンションロールの前側にマルチフィルムが巻回され、第1テンションロールに前記感知部が設けられている点にある。
図1及び図2において、1はマルチロータリ作業機で、ロータリ耕耘作業と畝成形作業とマルチフィルム被覆作業とを一工程(同時作業)で行えるものである。このマルチロータリ作業機1は、センタドライブ駆動方式のロータリ作業機2と畝成形機3とマルチ作業機4とが一体的に連結された構成を有し、走行機体であるトラクタ6の後部に、リンク装着機構を構成する昇降基枠7と昇降機構8とを介して昇降自在に装着されている。
ロータリ作業機2の機枠であるロータリ機枠10は、ギアケース11とギアケース11から下方に突設する伝動ケース12とギアケース11から突出する左右一対のサポートアーム13から構成されている。
トラクタ6のPTO軸20からの駆動力は、ユニバーサルジョイント軸21により作業機1の入力軸に伝達され、ギアケース11及び伝導ケース12内に設けられた伝動機構を介して爪軸16に伝達される。この爪軸16が軸心回りに回転することで、耕耘爪15は土を耕起反転すると共に砕土する。
この耕耘部17は、耕耘爪15が土に対して下向きに回転切削してダウンカット耕耘するダウンカットロータリによって構成されており、耕耘爪15は、図1の矢印A方向に回転する。
このカバー体23は、耕耘爪15で耕耘される土の飛散を防止すると共に、耕耘爪15から放擲された土が衝突することによって砕土作用を行う。
前記ロータリ作業機2をトラクタ6の後部に連結するための昇降基枠7は、前記ギアケース11を左右両側より挟み込むように固着又は左右サポートアーム13に固着されており、前記ギアケース11又はサポートアーム13から前方へ突出している。昇降基枠7の前部はトラクタ6の後部に設けられたブラケット26に横軸回りで揺動自在に枢着される。
リフトアーム28の他端(基端)側はトラクタ6の後部の油圧装置30に枢着され、この油圧装置30の内部に配置された油圧シリンダ(図示せず)により横軸周りに回動するようになっている。当該ロータリ作業機2(マルチロータリ作業機1)はトラクタ6後部に2点リンク機構で連結されており、油圧装置30を作動して、リフトアーム28を上下揺動することで昇降基枠7ひいてはロータリ作業機2(マルチロータリ作業機1)を昇降する。
前記昇降基枠7の後上部には、左右一対のマスト部材33が固着されている。また、サポートアーム13の中途部には、左右一対の後連結部材35が後方突設している。この後連結部材35の下端は、前記カバー体23の上面と隣接するため、カバー体23上面と略同一の曲率を有する円弧状となっており、カバー体23が前後方向に移動する際のガイドの役目も有している。
前記畝立て横枠39の左右方向中途部に、左右一対の連結棒支持枠45が固着され、各連結棒支持枠45に挟角設定部材25が前方に突出するように設けられている。各挟角設定部材25は前記一対の後連結部材35をそれぞれの外側から挟み込むように配置されている。
これらによって締結手段50が構成されており、この締結手段50を締結する又は解除することで、ロータリ作業機2に対して畝成形機3を連結又は挟角調整可能にしている。
サポートアーム13と爪軸16とを結ぶ中心線に対して、畝立て横枠36と爪軸16とを結ぶ中心線がなす挟角αは、後連結部材35と挟角設定部材25との相対前後位置を調整することにより変更され、この挟角αの変更は互いの相対姿勢の変更となる。
下部リンク55は前端が畝立て縦枠38に揺動自在に枢支され、上部リンク56は前端が左右方向に軸心が向く六角パイプ等の連結棒59に連結されている。連結棒59は畝立て横枠39に固定の連結棒支持枠45に回動自在に支持され、左右上部リンク56の前上固定枢支点を形成している。
前記連結棒59の略中央には、六角筒体等の連結筒体67が嵌合しボルト68を介して固定されている。この連結筒体67から略上方に、側面視略くの字形の回動部材69が延設されている。この回動部材69の先端は、後述の連動体70に枢支軸71を介して回動自在に枢着されている。
伸縮ロッド74は、雌ネジを有し且つ連動体70に連結ピン77を介して連結された先端ロッド78と、この先端ロッド78に螺合する雄ネジを有する駆動ロッド81と、ロッドカバー83と、駆動ロッド81の基端に設けられたハンドル84とを有している。前記ロッドカバー83はマスト部材33に横軸回りに回動自在に枢着されている。
前記高さ調整機構73はハンドル84を回動することで、伸縮ロッド74の長さが伸縮し、回動部材69を先端ロッド78に連動して、図3の矢印B方向へ移動することになる。すると、連結棒59が図3の矢印C方向へ回動し、上部リンク56が連結棒59回りに上下に揺動し、前記ゲージ輪62が昇降するようになる。
また、前記連動体70には、マルチロータリ作業機1の耕耘開始時において、所望する耕耘深さに耕耘爪15が早期に達することを促す腰折れ機構86が設けられている。
腰折れ機構86は、連動体70の下部略中央から左右一対の押上片支持体89が下方へ突出しており、この押上片支持体89の間には側面視略くの字形の押上片90が、その屈曲部で横軸91回りに枢着されている。
この腰折れ状態では、ゲージ手段10すなわち回動部材30からの力が伸縮ロッド26には伝わらないようになるため、ゲージ輪53は畝成形機3を支える機能を有さずフリーの状態になる。
マルチロータリ作業機1を用いて耕耘作業を開始する際には、前記ゲージ輪62が畝成形機3を支持している状態であれば、その支持が障害になり、ロータリ作業機2が圃場Fの土中に入り込みづらい状況となる。したがって、畦際から耕耘開始位置までの距離が長くなる等の不都合が生じる。
そのため、耕耘始めには、前記長片92を押し上げることで、腰折れ機構86を側面視略への字に折り曲げ、ゲージ輪62の支持状態をフリーとなる。
所望の耕耘深さになった後は、昇降機構8を介してマルチロータリ作業機1を上方へ持ち上げる。その際、ゲージ輪62がその自重で下にさがることで、回動部材69を前方へ回動し、作用部93が下方へ押し戻され、略への字に折れていた連動体70と先端ロッド78は一直線になる。これにより、腰折れ機構86は、ゲージ輪62の力を伸縮ロッド74へ伝えるようになり、ゲージ輪62は畝成形機3の上下位置を規制する機能を有するようになる。
第1テンションロール111はフィルムロール107の後下方に配置されて、フィルムロール107から後下方に繰り出されたマルチフィルム117を前下方に向けて屈曲させるように、第1テンションロール111の後側にマルチフイルム117が巻回されている。第2テンションロール112は第1テンションロール111の前下方であって押えロール99の前上方に配置されて、第1テンションロール111から前下方に繰り出されたマルチフィルム117を後下方に向けて屈曲させるように、第2テンションロール112の前側にマルチフィルム117が巻回されている。第1テンションロール111及び第2テンションロール112によって、マルチフィルム117に張力を与えハリをもたせるようになっている。
図4〜図7において、第1テンションロール111は複数(図例では5個)のロール体119を備え、複数のロール体119は、支持軸115に、ブッシュ120等を介してそれぞれ軸心廻りに回転自在に外嵌されて、一対の支持腕114間に3個配置され、支持腕113間の両外方(左右方向の両外側方)に1個ずつ配置されている。一対の支持腕114を挟んで隣り合うロール体119間に、左右一対の凹溝121が形成されている。従って、第1テンションロール111の左右方向の中途部に一対の凹溝121が設けられ、一対の凹溝121は、第1テンションロール111の外周面に沿って環状に形成されている。
前記実施の形態では、フィルムロール107から繰り出されたマルチフィルム117は、第1テンションロール111及び第2テンションロール112を通って、押えロール99に向けて繰り出されて、マルチフィルム117の両側部が押えロール99で踏圧され、マルチフィルム117は畝成形機3により成形された畝Rに対して被せられる。このとき、フィルムロール107から第1テンションロール111に繰り出されたマルチフィルム117によりフィルム検出器123の感知部126が押されて、該感知部126が凹溝121内に後退し、感知レバー124は、バネ130の付勢に抗して横軸129廻りに矢印b方向に揺動し、作動片125aが感知レバー124に押圧されて、図8に示す感知スイッチ125のb接点125bが開くので、警報器131は作動することはなく、警報を発しない。
また、感知部126の先端部は、支持腕114に接当することにより凹溝121に対する感知部126の突出移動を規制するストッパー126aとされているので、感知レバー124の揺動動作によって、感知部126が凹溝121から外れるのを防止することができ、感知部126が凹溝121から外れることによるフィルム検出器123の誤動作やフィルム検出器123が検出不能になるのを防ぐこともできる。
図10は他の実施形態を示し、例えば支持腕114よりも左右方向内方側において、第1テンションロール111の隣り合うロール体119及びそのブッシュ120を互いに離間させて、該隣り合うロール体119間に、環状の凹溝121が形成され、この凹溝121に、感知レバー124の遊端側に形成した感知部126が出退自在に設けられ、フィルム検出器123の感知部126に、マルチフイルム117に接触してその繰り出し動作により回転する転動ロール135が設けられている。その他の点は、前記図1〜図8の実施形態の場合と同様の構成である。
なお、前記実施の形態では、テンションロール111は複数のロール体119を備え、隣り合うロール体119間に凹溝121が形成されているが、これに代え、テンションロール111を1つのロール体等で構成し、テンションロール111の左右方向の中途部に凹溝121を没入形成するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、本願発明のマルチ作業機を、マルチロータリ作業機で、ロータリ耕耘作業と畝成形作業とマルチフィルム被覆作業とを一工程で行えるようにしたマルチロータリ作業機1に設けられているマルチ作業機に適用実施しているが、これに代え、ロータリ作業機2及び畝成形機3とは別体に構成された、単独のマルチ作業機に適用実施するようにしてもよいし、畝成形機3のみと一体に構成されたマルチ作業機に適用実施するようにしてもよい。
2 ロータリ作業機
3 畦成型機
4 マルチ作業機
99 押えロール
107 フィルムロール
111 第1テンションロール
112 第2テンションロール
114 支持腕
115 支持軸
117 マルチフィルム
119 ロール体
121 凹溝
123 フィルム検出器
124 感知レバー
126 感知部
126a ストッパー
Claims (10)
- 畝を覆うマルチフィルム(117)を繰り出すフィルムロール(107)と、フィルムロール(107)から繰り出されたマルチフィルム(117)の側部を土に向けて押圧する押えロール(99)とを備え、フィルムロール(107)と押えロール(99)との間で畝の上方位置に、フィルムロール(107)から繰り出されたマルチフィルム(117)にテンションを与えるテンションロール(111)が設けられ、テンションロール(111)が固定の支持軸(115)廻りに回転自在に支持されたマルチ作業機であって、
前記テンションロール(111)のフィルム案内外周面に凹溝(121)が形成され、フィルムロール(107)からテンションロール(111)に繰り出されたマルチフィルム(117)を検出するように、フィルム検出器(123)の感知部(126)がテンションロール(111)の前記凹溝(121)に配置されていることを特徴とするマルチ作業機。 - 前記テンションロール(111)の支持軸(115)方向の中途部に凹溝(121)が形成され、前記感知部(126)が凹溝(121)に出退移動自在に設けられ、フィルムロール(107)からテンションロール(111)に繰り出されたマルチフィルム(117)により押されて、感知部(126)が凹溝(121)内に後退すると共に、フィルムロール(107)からテンションロール(111)に繰り出されたマルチフィルム(117)がなくなったとき、感知部(126)が凹溝(121)から突出するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマルチ作業機。
- 前記テンションロール(111)は、支持軸(115)に外嵌した複数のロール体(119)を備え、各ロール体(119)は支持軸(115)廻りに回転自在に支持され、隣り合うロール体(119)間に前記凹溝(121)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチ作業機。
- 前記凹溝(121)は、テンションロール(111)の外周面に沿って環状に形成され、前記感知部(126)は、環状の凹溝(121)に対応して円弧状に形成され、感知部(126)の先端は、テンションロール(111)の支持軸(115)に接当することによって感知部(126)が凹溝(121)から突出移動するのを規制するストッパー(126a)とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマルチ作業機。
- 一対の支持腕(114)間に、テンションロール(111)を回転自在に支持する支持軸(115)が、支持腕(114)を貫通して両外方に突出するように設けられ、前記テンションロール(111)は複数のロール体(119)を備え、複数のロール体(119)は、支持軸(115)にそれぞれ外嵌されて、一対の支持腕(114)間と支持腕(114)間の外方とに配置され、支持腕(114)を挟んで隣り合うロール体(119)間に前記凹溝(121)が形成されていることを特徴する請求項1〜3のいずれか1項に記載のマルチ作業機。
- 前記感知部(126)の先端部は、支持腕(114)に接当することにより凹溝(121に対する感知部(126)の突出移動を規制するストッパー(126a)とされていることを特徴する請求項5に記載のマルチ作業機。
- 前記フィルム検出器(123)は、揺動自在に支持された感知レバー(124)と、感知レバー(124)の揺動動作によりオンオフ動作する感知スイッチ(125)とを具備し、前記感知部(126)が、感知レバー(124)の揺動によって凹溝(121)から出退するように、感知レバー(124)の遊端側に形成され、感知部(126)が凹溝(121)内に後退する方向に感知レバー(124)を付勢するように、バネ(130)が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のマルチ作業機。
- 前記フィルム検出器(123)の感知部(126)に、マルチフイルム(117)に接触してその繰り出し動作により回転する転動ロール(135)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のマルチ作業機。
- フィルムロール(107)と押えロール(99)との間に、第1テンションロール(111)と第2テンションロール(112)とが設けられ、第1テンションロール(111はフィルムロール(107)の後下方に配置されて、フィルムロール(107)から後下方に繰り出されたマルチフィルム(117)を前下方に向けて屈曲させるように、第1テンションロール(111)の後側にマルチフイルム(117)が巻回され、第2テンションロール(112)は第1テンションロール(111)の前下方であって押えロール(99)の前上方に配置されて、第1テンションロール(111)から前下方に繰り出されたマルチフィルム(117)を後下方に向けて屈曲させるように、第2テンションロール(112)の前側にマルチフィルム(117)が巻回され、第1テンションロール(111)に前記感知部(126)が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のマルチ作業機。
- 前記フィルム検出器(123)がマルチフィルム(117)を検出しなくなったときに作動する警報器(131)が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のマルチ作業機。
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