JP3727398B2 - 内燃機関のオイルシール潤滑装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のクランク軸とシリンダブロックの間の軸受支持部における、オイルシール潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関のオイルシールの構造については、実開昭55−127162号公報の如き技術が公知とされているのである。
しかし、上記従来の内燃機関のオイルシール構造は、ラジアルタイプである為に、オイルシールのリップとクランクシャフトの当りが線に近いものとなり、シリンダブロック内部からの跳ね掛け程度の潤滑油量で充分であった。
また、スラストメタルにも油溝があり、メインスラスト軸受メタルを通った油がスラストメタルの油溝を通りオイルシール部へ注油されていた。
【0003】
しかし、オイルシールをアキシャルタイプとした場合には、クランク軸の側に固定されたスリンガーがオイルシールケース内径と略同じ径であり、リップ部に潤滑油が入り難い構造となっており、潤滑油の不足が発生し、リップ部の摩耗が問題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、オイルシールケース1とシリンダブロックBの間に介装するパッキン2に堰をつけることにより、オイルシールの機能と潤滑油の滞留と注油機能を持たせるものである。
また、オイルシールケース1の側のオイルシールを内嵌する孔の内周にオイル溜まりの溝11を穿つことにより、オイル溜まりを構成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
シリンダブロックBとオイルシールケース1の間にパッキン2を介装し、該パッキン2とオイルシールケース1のオイルシール取付孔の内周とによりオイル溜まりAを形成する構成において、前記オイルシールケース1のオイルシールを内嵌する孔の内周に、オイル溜まりの溝11を形成し、前記パッキン2の内径は、オイル溜まりの溝11よりも小径に構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1はパッキン2によりオイル溜まりAを構成した実施例の正面図、
図2は図1のパッキン2の構成を示す側面図、
図3はオイルシールケース1の下部にオイル溜まりAを構成する為に閉塞板3を固定した実施例の正面図である。
【0007】
図4はボルト又はビス4により固定した状態の閉塞板3を示す側面図、
図5は閉塞板3とオイル溜まりAの構成を示すオイルシールケース1の正面断面図である。
【0008】
図6はオイルシールケース1にオイル溜まりAを設けた構成を示す正面図、
図7は同じくオイル溜まりAを設けたオイルシールケース1の正面断面図、
図8は同じくオイル溜まりAを設けたオイルシールケース1の側面図である。
【0009】
図1と図2において、パッキン2にオイル溜まりAを設けた構成について説明する。
本発明のオイルシールOは、クランク軸5の外端部の周囲に嵌装すべく構成している。該クランク軸5にコンロッド12の下端が枢結されており、該クランク軸5の外端がシリンダブロックBの軸受孔に介装した軸受メタル6により軸受支持されている。
【0010】
該軸受メタル6は、シリンダブロックBの下面にメタル支持体14を締結ボルト15により締付けて軸受支持している。該軸受メタル6は2つ割に構成されており、一方はシリンダブロックBの軸受メタル6の嵌入孔に嵌装されて、他方はメタル支持体14に嵌装されており、該メタル支持体14をシリンダブロックBの側に締結ボルト15により締結することにより、半割の2つの軸受メタル6が一体となって、クランク軸5の周囲を軸受支持する一体的な軸受メタル6となるのである。
【0011】
そして、該軸受メタル6の部分においては、潤滑油シール構造とすることは出来ないので、該シリンダブロックBの外側で、クランク軸5の外周に嵌合するようにオイルシールケース1を付設し、該オイルシールケース1の内部にオイルシールOを設けているのである。
【0012】
該オイルシールOは、オイルシールケース1と、鉄板により構成されたスリンガー8の部分と、ゴム製リップ7とダストシール9と、ゴム製リップ7とダストシール9を支持する支持板10により構成されている。
該スリンガー8の部分はクランク軸5の外周に圧入されており、該クランク軸5と共に回転する鉄板製のドーナツ板である。そして、ゴム製リップ7とダストシール9の部分が、支持板10を介してオイルシールケース1の内周に固定され、クランク軸5と共に回転することのない部分である。
【0013】
故に、ゴム製リップ7がスリンガー8の垂直面の外側のアキシャル面に接当し、ダストシール9の部分がスリンガー8のラジアル面に接当している。
該スリンガー8の外周は、オイルシールケース1の内周と近い位置まで突出されているので、スリンガー8とゴム製リップ7の間に、潤滑油が到達しないという不具合があったのである。故に、本発明においては、該スリンガー8の外周を越えて、ゴム製リップ7の部分に潤滑油が至るように、オイルシールケース1の下部の内周部分に、パッキン2の突出部により堰2aを構成して、オイル溜まりAを設けたものである。
【0014】
また、該パッキン2の材料としてソフトメタルを使用することにより、オイルシール取付面をラフな加工であるダイカストの無加工面に構成して、該パッキン2により、このダイカストの粗い表面にソフトメタルを接触させて、潤滑油の漏油を阻止することが出来るのである。
【0015】
次に図3と図4に示す、実施例を説明する。
該実施例においては、スリンガー8とゴム製リップ7の部分に注油する為に、オイル溜まりAを構成する技術は同じであるが、図1と図2の実施例の場合と相違して、図4と図5に示す如く、閉塞板3を設けて、該オイルシールケース1の下部に堰止め部を構成している。該閉塞板3は2本のボルト又はビス4により固定している。
【0016】
また、図6と図7と図8に示す実施例においても、オイルシールケース1の下部にオイル溜まりAを作るという構成は同じである。
しかし、該実施例においては、オイルシールケース1の下部に、オイル溜まりの溝11を構成している。該オイルシールケース1には、オイルシールOを嵌入する孔の内径で、スリンガー8やゴム製リップ7を嵌装する部分の外周に、オイル溜まりの溝11が構成されている。該オイル溜まりの溝11を設けただけでは、オイル溜まりAを構成できないので、パッキン2を介装し、該パッキン2の内径はオイル溜まりの溝11よりも小径に構成している。
【0017】
以上の如く構成したので、オイルシールケース1の内径部分の内周にオイル溜まりの溝11を設け、該オイル溜まりの溝11よりもやや内径まで、パッキン2の内径を突出させることにより、オイル溜まりの溝11とパッキン2により、円周上にオイル溜まりAを構成することが出来るのである。オイルシールケース1はシリンダブロックBに固定されていて回転しない部分であるから、内周の全域にオイル溜まりAを構成しても、重力により潤滑油が下降すると、該オイル溜まりAには溜まらないのであるが、実際にはクランク軸5が回転しているので、遠心力で外方へ跳ね飛ばされる潤滑油が、内径の全周に配置したオイル溜まりAに溜まるのである。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
第1に、シリンダブロックBとオイルシールケース1の間に介在させたパッキン2により、オイル溜まりAを形成したので、オイルシールケース1とシリンダブロックBの間のパッキン2に堰部分を設けることにより、シール機能と注油機能を、パッキン2に持たせることができるので、オイルシールOの焼きつきを阻止することが出来たのである。
【0019】
第2に、シリンダブロックBとオイルシールケース1の間に介在させたパッキン2によりオイル溜まりAを形成し、該オイル溜まりAは、オイルシールケース1の下部に形成したので、オイルシールケース1とシリンダブロックBの間に、パッキン2を挟んだ状態で固定するだけで、オイル溜まりAを構成することができ、オイルシールOのゴム製リップ7の部分の焼きつきを阻止する構成とすることが簡単にできるのである。
【0020】
第3に、シリンダブロックBとオイルシールケース1の間に介在させたパッキン2によりオイル溜まりAを形成した内燃機関のオイルシール潤滑装置において、オイルシールケース1の下部にオイル溜まりAを形成し、かつオイルシール取付孔の内周にオイル溜まりの溝11を形成したので、従来のラジアルタイプのオイルシールOに出来るだけ近い状態の注油条件にして、ゴム製リップ7の焼きつきを阻止することが出来たのである。
また、従来のラジアルタイプと同じオイルシールケースの取付方向とすることが出来たのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パッキン2によりオイル溜まりAを構成した実施例の正面図。
【図2】 図1のパッキン2の構成を示す側面図。
【図3】 オイルシールケース1の下部にオイル溜まりAを構成する為に閉塞板3を固定した実施例の正面図。
【図4】 ボルト又はビス4により固定した状態の閉塞板3を示す側面図。
【図5】 閉塞板3とオイル溜まりAの構成を示すオイルシールケース1の正面断面図。
【図6】 オイルシールケース1にオイル溜まりAを設けた構成を示す正面図。
【図7】 オイルシールケース1にオイル溜まりAを設けた構成を示す正面断面図。
【図8】 同じくオイル溜まりAを設けたオイルシールケース1の側面図。
【符号の説明】
A オイル溜まり
O オイルシール
1 オイルシールケース
2 パッキン
2a 堰
3 閉塞板
4 ボルト又はビス
5 クランク軸
6 軸受メタル
7 ゴム製リップ
8 スリンガー
9 ダストシール
11 オイル溜まりの溝
Claims (1)
- シリンダブロックBとオイルシールケース1の間にパッキン2を介装し、該パッキン2とオイルシールケース1のオイルシール取付孔の内周とによりオイル溜まりAを形成する構成において、前記オイルシールケース1のオイルシールを内嵌する孔の内周に、オイル溜まりの溝11を形成し、前記パッキン2の内径は、オイル溜まりの溝11よりも小径に構成したことを特徴とする内燃機関のオイルシール潤滑装置。
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JP00778596A JP3727398B2 (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 内燃機関のオイルシール潤滑装置 |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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1996
- 1996-01-19 JP JP00778596A patent/JP3727398B2/ja not_active Expired - Fee Related
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