JPH0618754U - 舶用減速逆転機の潤滑装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力軸軸受部に非接触型のシールを用いたも
のにおいて、そのシール部分に連通した潤滑油戻し穴か
らオイルパン外にオイルが洩れ出すことのない構造を提
供して、油洩れを防止する。 【構成】 出力大歯車（３）を囲むバッフルプレート
（12）に、オイルパン（10）内の油が潤滑油戻し穴（1
1）側に流出するのを防止する逆止壁（13）を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、舶用減速逆転機の潤滑装置であって、特にオイルパン内の潤滑油 が外部に洩れるのを防止するための装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、減速逆転機における出力軸軸受部のシールは、オイルシールやＶリング 等をその回転摺動部に挿入した接触型のシール構造が用いられているが、このよ うな構造では、この接触部の機械損失によって機械効率を低下させる不都合があ る。そこで、最近、このような理由から、この部分に非接触型のシールを用いる ことが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、出力軸軸受部のシールを非接触型とすることによって、この部 分の機械的ロスを防止できるという効果があるが、半面、常に隙間があることか らこの部分から油洩れを生じやすい欠点がある。即ち、上記非接触型のシール部 分は軸受の外側に配置されるが、この軸受部分の近傍に、その軸受を潤滑した潤 滑油を軸受部の外側を迂回してケース内のオイルパン内へ戻すための戻し穴を設 けたものにおいては、特に、荒天時の船体の揺れにより、オイルパン内のオイル のピッチング現象によって、その戻し穴から上記シール部分を通して外部にオイ ル洩れを生じるという欠点がある。

【０００４】 この考案は、このような従来の欠点を解消して、上記のように出力軸軸受部に 非接触型のシールを用いたものにおいて、そのシール部分に連通した潤滑油戻し 穴からオイルパン外にオイルが洩れ出すことのない構造を提供して、油洩れを防 止することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決するため、この考案では、減速逆転機における出力軸軸受部 の外側に非接触型シール部を設けるとともに、その軸受部を潤滑した潤滑油の戻 り通路を減速逆転機の内外に貫通して形成したものにおいて、舶用減速逆転機ケ ース内のオイルパン内において、そのオイルパン内の潤滑油が前記戻し通路側に 入り込むのを防止する逆止壁を、出力大歯車の下部部分を囲むバッフルプレート に固定して取付けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

バッフルプレートによって、オイルパン内のオイルがピッチング現象等によっ て戻し穴から外部に流出するのを防止することができる。

【０００７】

【実施例】

図において、（１）は、減速逆転機ケースであり、この減速逆転機ケース（１ ）に前後方向の出力軸（２）が軸支されている。出力軸（２）には、減速逆転機 ケース（１）内において出力大歯車（３）が外嵌して取付けられている。この大 歯車（３）の後部側の減速逆転機ケース（１）の軸受部（４）に、テーパーロー ラ型の軸受（５）が嵌入されて、その出力軸（２）を軸支している。更に、この 軸受部（４）を覆うようにして、外側からリング状の蓋（６）がボルト（７）に よって固定されるとともに、この蓋（６）と大歯車（３）の後端部に取付けた軸 継手（８）外周との間に、所謂ラビリンスパッキンと呼ばれる非接触型のシール （９）が形成されている。更に、このシール（９）よりも図の下側において、減 速逆転機ケース（１）の前記軸受部（４）を内外に貫通するようにして、軸受（ ５）を潤滑した潤滑油を、減速逆転機ケース（１）内底部のオイルパン（10）内 へ戻す戻し穴（11）が設けられている。

【０００８】 （12）は、上記大歯車（３）が潤滑油を掻き回すのを防止するため、減速逆転 機ケース（１）内に配置された断面凹状のバッフルプレートであり、このバッフ ルプレート（12）は、大歯車（３）の下部部分における前後両側と下側を覆うよ うに形成されているが、その後部側の側壁面に、この考案の逆止壁部材（13）を ボルト（14）によって固定して、オイルパン（10）内における潤滑油の油面のピ ッチング現象によって、前記戻し穴（11）側に潤滑油が流出するのを防止するよ うにしている。

【０００９】 逆止壁部材（13）は、図２で示すように、その一端が上方に垂直に折り曲げら れて、この垂直部（15）をボルト（16）によって固定するようにしている。他方 、バッフルプレート（12）側面には予め水平なスリット（17）とナット（18）が 溶接して形成されるネジ穴が設けられ、逆止壁部材（13）の水平部分を、図４で 示すように、バッフルプレート（12）の裏面からスリット（17）へ挿入して外方 へ突出させ、垂直部（15）のボルト穴（20）へ内側から差込んだボルト（14）を 前記ナット（18）へネジ込んで固定するようにしている。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、潤滑油面が潤滑油の戻し穴側に上昇するの を防止するための逆止壁を設けているから、その戻し穴の外側に非接触型のシー ルを設けた場合であっても、そのオイルパン内の潤滑油が外部に洩れ出すという 不都合を防止できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す減速逆転機の要部縦断
面図である。

【図２】逆止壁部材の斜視図である。

【図３】バッフルプレートの斜視図である。

【図４】逆止壁部材の取付け部の拡大縦断面図である。

【符号の説明】

（２） 出力軸 （３） 出力大歯車 （４） 軸受部 （10） オイルパン （11） 戻し穴 （12） バッフルプレート （13） 逆止壁部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 減速逆転機における出力軸軸受部の外側
   に非接触型シール部を設けるとともに、その軸受部を潤
   滑した潤滑油の戻り通路を減速逆転機の内外に貫通して
   形成したものにおいて、舶用減速逆転機ケース内のオイ
   ルパン内において、そのオイルパン内の潤滑油が前記戻
   し通路側に入り込むのを防止する逆止壁を、出力大歯車
   の下部部分を囲むバッフルプレートに固定して取付けた
   ことを特徴とする舶用減速逆転機の潤滑装置。