JP3727353B2 - トリテルペン誘導体および肝疾患治療剤 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、トリテルペン誘導体またはその塩を有効成分として含有してなる肝疾患治療剤および新規トリテルペン誘導体に関する。
背景技術
肝臓は解毒、各種の代謝、物質の貯蔵など生体の生命維持に必要な種々の機能を有する重要な臓器である。しかし、ウイルス、薬物、アルコールなど種々の原因により急性的あるいは慢性的に障害を受けることがある。これらはウイルス性肝炎、薬物性肝障害、アルコール性肝障害、脂肪肝、さらに肝硬変や肝癌などの疾病を引き起こす。
従来、このような肝臓疾患の治療としては食事療法、安静療法の他、グリチルリチン製剤、副腎皮質ステロイド、インターフェロン等が用いられている。しかしなこれらが肝疾患治療に充分な効果をあげているとは言えない。さらに、グリチルリチン製剤やインターフェロンは静脈内投与であるため長期投与には適さない。更に、インターフェロンおよびステロイド剤はその副作用が問題となっている。
また、トリテルペン誘導体の一部は抗補体活性および血小板凝集抑制作用を示し、免疫疾患および血栓症の予防薬および治療薬として知られている(特開昭61−85344号公報)。しかしながら、トリテルペン誘導体が肝疾患治療剤として有効であることは知られていない。
[発明の概要]
本発明者等は、今般、ある種のトリテルペン誘導体が肝疾患の治療に有効であるとの知見を得た。また、本発明者等は、新規なトリテルペン誘導体の合成に成功した。本発明はかかる知見に基づくものである。
そして、本発明による第一の態様の肝疾患治療剤は、下記の式(I)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩を有効成分として含有してなるものである。
[式中、
R1は、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルコキシ基、または
低級アルカノイルオキシ基を表し、
R2は、
低級アルキル基、
低級アルケニル基、
−CH2OR5(ここで、R5は水素原子、アリールメチル基、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は水素原子または低級アルキル基を表す)、または
−CH2N(R7)R8(ここで、R7およびR8は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、アリール基、または低級アルカノイル基を表す)を表すか、
あるいは、R1およびR2は一緒になって、−O−C(R9)R10−O−CH2−(ここで、R9およびR10は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基またはアリール基を表す)を形成していもてよく、
R3およびR4は、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
低級アルキル基、
低級アルケニル基、
アリール基、
ヒドロキシメチル基、
−N(R11)R12(ここで、R11およびR12は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−OR13(ここで、R13は低級アルキル基、シクロ低級アルキル基、アラルキル基、低級アルカノイル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、低級アルケニル基、低級アルケニルカルボニル基、またはアリール低級アルケニルカルボニル基を表す)を表し、
あるいは、R3およびR4は一緒になって、オキソ基、ヒドロキシイミノ基、またはアルキリデン基を形成していてもよく、
Xは、O、CH2、またはNHを表す。]
また、本発明による第二の態様の肝疾患治療剤は、下記の式(II)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩を有効成分として含有してなるものである。
[式中、
R16は、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルコキシ基、または
低級アルカノイルオキシ基を表し、
R17は
低級アルキル、
低級アルケニル、
−CH2OR5(ここで、R5は前記と同一の意味を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−CH2OCON(R9)R10(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)、−CON(R29)R30(ここで、R29およびR30は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、低級アルカノイル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、
−CH2N(R7)R8(ここで、R7およびR8は前記と同一の意味を表す)、
−C(R6)2OH(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−COR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、または
−CH=CHR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)を表すか、
あるいは、R16およびR17は一緒になって、−O−C(R9)R10−O−CH2−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)を形成していてもよく、
R18およびR19は、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルキル基、−N(R11)R12(ここで、R11およびR12は前記と同一の意味を表す)、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−OR13(ここで、R13は前記と同一の意味を表す)、
−O−(CH2)m−R22
(ここで、R22は
アミノ基、
−NH−COOR23(ここで、R23はアリールメチル基、または低級アルキル基を表す)、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、または
−COOR24(ここで、R24は水素原子、低級アルキル基、またはアリールメチル基を表す)を表し、
mは1〜4の整数を表す)、
−OCOCH(R25)(CH2)n−R22(ここで、R22は前記と同一の意味を表し、R25は水素原子、低級アルキル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、nは0〜3の整数を表す)、
−OCOCH=CH−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、または−OCON(R29)R30(ここで、R29およびR30は前記と同一の意味を表す)を表し、
あるいは、R18およびR19は一緒になって、オキソ基を表し、
R20およびR21は、それぞれ前記R18およびR19と同一の意味を表すが、但し、R20およびR21が同時に水素原子になる場合は除かれ、
あるいは、R18およびR20は一緒になって、−O−[C(R9)R10]p−O−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表し、pは1〜3の整数を表す)、または−OCO−[C(R9)R10]q−OCO−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表し、qは0〜2の整数を表す)を表し、
Yは、O、CH2、またはNH、もしくは単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される。]
また、本発明による第三の態様の肝疾患治療剤は、下記の式(III)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩を有効成分として含有してなるものである。
[式中、
R1、R2、およびYは前記と同一の意味を表し、
R27は、
−O−(CH2)m−R22(ここで、R22およびmは前記と同一の意味を表す)、
−OCOCH(R25)(CH2)n−R22(ここで、R22、R25、およびnは前記と同一の意味を表す)、
−OCON(R29)R30(ここで、R29およびR30は前記と同一の意味を表す)、
−OCO−(CH2)n−R16(ここで、R16は前記と同一の意味を表す)、または
−OCOCH=CH−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)を表す。]
また、本発明による第四の態様の肝疾患治療剤は、下記の式(IV)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩を有効成分として含有してなるものである。
[式中、
R1、R18、R19、およびYは前記と同一の意味を表し、
R28は
−CON(R29)R30(ここで、R29およびR30は前記と同じ意味を表す)、
−C(R6)2OH(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−COR6a(ここで、R6aは低級アルキル基を表す)、または
−CH=CHR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)を表す。]
さらに本発明による第一の態様の新規化合物群は、下記の式(Ia)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩である。
[式中、
R1は、水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、
R2は、ヒドロキシメチル基、低級アルコキシメチル基、低級アルカノイルオキシメチル基、またはカルボキシル基を表すか、
あるいはR1およびR2は一緒になって、−O−C(R14)R15−O−CH2−(ここで、R14およびR15は同一または異なり、水素原子または低級アルキル基を表す)を形成していてもよく、
R3およびR4は、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
低級アルキル基、
低級アルケニル基、
アリール基、
ヒドロキシメチル基、
−N(R11)R12(ここで、R11およびR12は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−OR13(ここで、R13は低級アルキル基、シクロ低級アルキル基、アラルキル基、低級アルカノイル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、低級アルケニル基、低級アルケニルカルボニル基、またはアリール低級アルケニルカルボニル基を表す)を表し、
あるいは、R3およびR4は一緒になって、オキソ基、ヒドロキシイミノ基、またはアルキリデン基を形成していてもよく、
Xは、O、CH2、またはNHを表すが、
但し、R1が水酸基を表し、R2がヒドロキシメチル基を表し、R3が水素原子を表し、R4が水酸基を表し、かつXがOを表す化合物は除く。]
さらに本発明による第二の態様の新規化合物群は、下記の式(IIa)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩である。
[式中、
R16は、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を除く)、または
低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を除く)を表し、
R17は
低級アルキル、
低級アルケニル、
−CH2OR5(ここで、R5は前記と同一の意味を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−CH2OCON(R9)R10(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)、−CON(R7)R8(ここで、R7およびR8は前記と同一の意味を表す)、
−CH2N(R7)R8(ここで、R7およびR8は前記と同一の意味を表す)、
−C(R6)2OH(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−COR6a(ここで、R6aは低級アルキル基を表す)、または
−CH=CHR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)を表すか、
あるいは、R16およびR17は一緒になって、−O−C(R9)R10−O−CH2−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)を形成していてもよく、
R18およびR19は、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルキル基、−N(R11)R12(ここで、R11およびR12は前記と同一の意味を表す)、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−OR13(ここで、R13は前記と同一の意味を表す)、
−O−(CH2)m−R22
(ここで、R22は
アミノ基、
−NH−COOR23(ここで、R23はアリールメチル基、または低級アルキル基を表す)、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、または
−COOR24(ここで、R24は水素原子、低級アルキル基、またはアリールメチル基を表す)を表し、
mは1〜4の整数を表す)、
−OCOCH(R25)(CH2)n−R22(ここで、R22は前記と同一の意味を表し、R25は水素原子、低級アルキル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、nは0〜3の整数を表す)、
−OCOCH=CH−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、または−OCON(R29)R30(ここで,R29およびR30は前記と同一の意味を表す)を表し、
あるいは、R18およびR19は一緒になって、オキソ基を表し、
R20およびR21は、それぞれ前記R18およびR19と同一の意味を表すが、但し、R20およびR21が同時に水素原子になる場合は除かれ、
あるいは、R18およびR20は一緒になって、−O−[C(R9)R10]p−O−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表し、pは1〜3の整数を表す)、または−OCO−[C(R9)R10]q−OCO−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表し、qは0〜2の整数を表す)を表し、
Yは、O、CH2、またはNH、もしくは単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成されるが、
但し、R16が水酸基を表し、R17が−CH2OCH3を表し、R20が水酸基またはメトキシ基を表し、R18およびR21が共に水素原子を表し、R19が水酸基またはメトキシ基を表し、かつ、Yが単結合を表す化合物、および
R16が水酸基を表し、R17が−CH2OHを表し、R20が水酸基を表し、R18、R19、およびR21が共に水素原子を表し、かつ、Yが単結合を表す化合物は除く。]
さらに本発明による第三の態様の新規化合物群は、前記式(III)で表される化合物である。
さらに本発明による第四の態様の新規化合物群は、前記式(IV)で表される化合物である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、マウスにおいてコンカナバリアンAにより発症させた肝炎に対する本発明による肝疾患治療剤の効果を示す図である。すなわち、肝障害の指標とされる血漿(プラズマ)中アラニン アミノ トランスフェラーゼ(ALT)活性は、対照群において2068±518(u/l)であるのに対し、本発明による肝疾患治療剤による処置群では55±16(u/l)と、未処置群の値(すなわち正常値)と同じレベルまで低下した。
[発明の具体的説明]
定義
本明細書において、上記化合物に関し、基または基の一部としての「低級アルキル」は直鎖または分岐鎖状のいずれをも意味し、好ましくは炭素数1〜6であり、より好ましくは炭素数1〜4である。また、基または基の一部としての「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、直鎖または分岐鎖状のいずれをも意味し、好ましくは炭素数2〜6であり、より好ましくは炭素数2〜4である。また、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味するものとする。更に、「アリール」とは好ましくはフェニル、ナフチル、トリル、メトキシフェニルなどを意味するものとする。また、基または基の一部としての「アラルキル」とは好ましくはフェニルC1-4アルキル、より好ましくはベンジル、フェネチルなどを意味するものとする。
また、上記化合物に関し、アリールメチルオキシ基としては、例えばフェニルメチルオキシ、ナフチルメチルオキシ基等が挙げられる。
また、低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1−6の直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基が挙げられる。
低級アルカノイルオキシ基としては、例えばアセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ基等の炭素数2−6の直鎖状アルカノイルオキシ基が挙げられる。
低級アルカノイル基としては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチル、ペンタノイル、tert−ブチルカルボニル、ヘキサノイル基等の炭素数1−6の直鎖状または分枝鎖状アルカノイル基が挙げられる。
低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1−6の直鎖状または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。
また、低級アルケニル基としては、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチルアリル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル基等の炭素数2−6の直鎖状または分枝鎖状が挙げられる。
アリール基としては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル基等が挙げられる。
シクロ低級アルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル、フェニルプロピル基等が挙げられる。
また、アリールカルボニル基としては、例えばベンゾイル、ナフチルカルボニル基等が挙げられる。
低級アルケニルカルボニル基としては、例えばアクリロイル、アリルカルボニル、2−ブテニルカルボニル基等の炭素数3−6の直鎖状が挙げられる。
アラルキルカルボニル基としては、例えばフェニルアセチル、フェニルプロピオニル、ナフチルアセチル基等が挙げられる。アラルケニルカルボニル基としては、例えばシンナモイル、フェニルブテノイル基等が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばエチリデン、プロピリデン、ブチリデン基等が挙げられる。
アリールメチルオキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アラルケニルカルボニル基上の一以上の水素原子は置換されていてもよく、その置換基の個数は1〜2が好ましく、置換基としては、例えばメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基、アセトキシ基、メチレンジオキシ基等が挙げられる。
肝疾患治療剤/式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物
前記式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物およびその塩は、肝疾患の治療に有用である。適応できる肝疾患としては、急性および慢性ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、薬物性、中毒性、アルコール性、肝内胆汁うっ滞性、先天性代謝異常性の肝障害があげられる。ここで、「肝障害」とは肝臓の炎症性疾患を意味し、症状の進行によっては脂肪肝、肝硬変、肝細胞癌をも含む概念として用いることとする。
具体的には、前記式で表されるトリテルペン誘導体はアフラトキシンB1(肝障害誘導物質)の存在下、共存させることにより培養ヒト肝癌細胞(HepG2)の壊死を抑制する作用を有し、またコンカナバリアンA肝炎マウスにおいて肝障害抑制作用を有する。
前記式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物には、種々の異性体が存在するが、本発明はその異性体およびそれらの混合物のいずれをもを包含するものである。また、式中の他の基に起因する異性体の存在も考えられるが、これらの異性体およびその混合物も本発明に包含されるものである。
本発明の好ましい態様によれば、好ましい前記式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物は、下記の式(I−1)、(II−1)、(III−1)、または(IV−1)で表される立体配置を有するものである。
本発明において好ましい前記式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物群を示せば次の通りである。
まず、式(I)で表される化合物については、
R1が水酸基を表し、R3が水素原子を表し、かつ、XがOを表す化合物群、および
R1が水酸基を表し、R2がヒドロキシメチル基を表し、R3が水素原子を表し、R4が水酸基または−OR13を表し、かつ、XがOを表す化合物群
が挙げられる。
式(II)で表される化合物については、
R16が水酸基を表し、R17が−CH2OHを表し、R18およびR20が共に水素原子を表し、R19およびR21が共に水酸基を表し、かつ、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17は−CH2OR5を表し、R18が水素原子を表し、R19が−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17は−CH2OR5を表し、R18およびR19並びにR20およびR21が一緒になってともにオキソ基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17は−CH2OR5を表し、R18およびR19が一緒になってオキソ基を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17は−CH2OR5を表し、R18およびR19が水素原子を表し、R20およびR21が一緒になってオキソ基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を除く)、または低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を除く)を表し、R17は−CH2OR5を表し、R18およびR19が水素原子を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基を表し、R17は−CH2OR5を表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果YがOを表す化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−C(R6)2OHを表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−COR6aを表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、および
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH=CHR6を表すか、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、
R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群
が挙げられる。
また式(III)で表される化合物については、
R1が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシを表し、R2が−CH2OR5を表し、R27が−OCO−(CH2)n−R16を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R1が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシを表し、R2が−CH2OR5を表し、R27が−O−(CH2)m−R22を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R1が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシを表し、R2が−CH2OR5を表し、R27が−OCOCH(R25)(CH2)n−R22または−OCOCH=CH−COOR6を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、および
R1が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシを表し、R2が−CH2OR5を表し、R27が−OCON(R29)R30を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群
があげられる。
また式(IV)で表される化合物については、
R18およびR19が水素原子、水酸基、または−OR13を表し、R28が−CON(R29)R30(ここで、R29およびR30は前記と同じ意味を表す)、−C(R6)2OH(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、−COR6a(ここで、R6aは前記と同一の意味を表す)、または−CH=CHR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)を表す化合物
が挙げられる。
上記式(I)、(II)、(III)、または(IV)で表される化合物は塩として存在することができる。この塩は、上記化合物に通常の方法に従って製薬学的に許容される塩基を作用させることにより容易に塩とすることができる。上記において塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基とピペラジン、モルホリン、ピペリジン、エチルアミン、トリメチルアミン等の有機塩基を使用することができる。
本発明による上記の化合物は、化合物としてそのまま投与されることも可能であるが、医薬組成物として提供されるのが好ましい。上記化合物またはその塩を有効成分とする肝疾患治療剤医薬組成物は、経口および非経口(例えは、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与することができる。
従って、本発明による肝疾患治療剤は、投与経路に応じた適当な剤形とされ、具体的には主として静注、筋注などの注射剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ錠などの経口剤、直腸投与剤、油脂性座剤、水性座剤などの種々に調製することができる。これらの各種製剤は通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などを用いて常法により製造することができる。使用可能な無毒性の上記添加剤としては、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
式(I)で表される化合物の投与量は患者の年齢、体重、状態あるいは疾患の程度などにより異なるが、通常成人1人、1日当たりの投与量は0.1−1000mgであり、好ましくは1−100mgである。投与回数は1日1−2回である。投与方法は経口投与および非経口投与のいずれであってもよい。
新規化合物群/式(Ia)、(IIa)、(III)、または(IV)の化合物
本発明の別の態様によれば、上記式(Ia)、(IIa)、(III)、または(IV)で表される新規なトリテルペン誘導体が提供される。
これら式中における各基の好ましい例は上記式(I)、(II)、(III)、および(IV)において説明したものと同一であってよい。
但し、(IIa)について、R16が表す低級アルコキシ基はメトキシ基を含まず、また低級アルカノイルオキシ基はアセトキシ基を含まないと定義したが、次の化合物群にあっては、R16が表す低級アルコキシ基はメトキシ基を含み、また低級アルカノイルオキシ基はアセトキシ基を含むものとする。すなわち、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18が水素原子を表し、R19が−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19並びにR20およびR21が一緒になってともにオキソ基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19が一緒になってオキソ基を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群、および
R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19が水素原子を表し、R20およびR21が一緒になってオキソ基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される化合物群
である。
また、これら新規化合物について好ましい化合物群、またさらにその好ましい立体配置についても、についても上記式(I)、(II)、(III)、および(IV)において説明したものと同一であってよい。
また、式(Ia)、(IIa)、(III)、または(IV)で表される化合物にあっても種々の異性体が存在するが、本発明はその異性体およびそれらの混合物のいずれをもを包含するものである。また、式中の他の基に起因する異性体の存在も考えられるが、これらの異性体およびその混合物も本発明に包含されるものである。式(Ia)、(IIa)、(III)、または(IV)で表される化合物にあっても製薬学的に許容される塩基を作用させることにより容易に塩とすることができる。好ましい塩基としては、上記式(I)、(II)、(III)、および(IV)において説明したものと同一であってよい。
化合物の製造
方法(A)
式(I)で表される化合物のうち式(VI)で表される化合物(ここで、R1、R2、R3およびR4は前記と同一の意味を表す)は、次に示されるように式(V)で表される(但し、R1、R2、R3、およびR4は前記と同一の意味を表す)化合物を適当な酸化剤と反応させることにより製造することができる。
この反応に用いられる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。酸化剤としては例えば過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酢酸等が挙げられる。酸化剤は(V)に対して通常1−3当量用いられる。反応温度は通常0℃〜60℃の範囲で行われてよい。
方法(B)
式(I)で表されるトリテルペン誘導体のうち、式(VII)で表される化合物(但し、R1、R2、R3およびR4は前記と同一の意味を表す)は、次に示されるように式(V)の化合物をシクロプロパン化試剤と反応させることにより製造することができる。
この反応に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、および1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。シクロプロパン化試剤としてはZn(Cu)−CH2I2およびEt2Zn−CH2I2等が挙げられる。シクロプロパン化試剤は通常式(V)の化合物に対して1〜10当量の範囲で用いられる。反応温度は通常−40℃〜60℃の範囲で行われる。また、この反応系に例えば四塩化チタンのようなルイス酸を加えると反応が促進される場合がある。
方法(C)
式(I)で表される化合物のうち式(VIII)で表される化合物(但し、R1、R2、R3およびR4は前記と同一の意味を表す)は、次に示されるように式(V)の化合物とIN3を反応させ、次いで適当な還元剤と反応させることにより製造することができる。
IN3は式(V)の化合物に対して通常1〜3当量の範囲で用いられ、この反応に用いられる溶媒としてはDMFおよびアセトニトリル等が挙げられる。反応温度は0℃〜40℃の範囲で行われる。また、還元剤としては水素化リチウムアルミニウムを1〜5当量の範囲で用いられ、この反応に用いられる溶媒としてはジエチルエーテルおよびテトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度は0℃〜60℃の範囲で行われる。
方法(D)
式(II)で表される化合物のうち式(X)で表される化合物(但し、R18、R19、R20、およびR21は前記と同一の意味を表す)は、次に示されるように式(IX)で表される(但し、R18、R19、R20、およびR21は前記と同一の意味を表す)化合物を適当な酸化剤と反応させることにより製造することができる。
この反応に用いられる溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。酸化剤としては例えば過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酢酸等が挙げられる。酸化剤は式(V)の化合物に対して通常1−3当量用いられる。反応温度は通常0℃〜60℃の範囲で行われる。
方法(E)
式(III)で表される化合物のうち式(XIV)で表される化合物(但し、R27*は、−O−(CH2)m−R22、−OCOCH(R25)(CH2)n−R22、−OCON(R29)R30、−OCO−(CH2)n−R16、または−OCOCH=CH−COOR6を表し、R16、R22、R25、R29、R30、n、およびmは前記と同一の意味を表す)は、次に示される反応によって製造することができる。
まず、式(XI)で表される化合物(但し、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)と、式:Z−(CH2)m−R22(ここで、Zはハロゲン原子を表す)、Cl−COCH(R25)(CH2)n−R22、R29−NCO、Cl−CO−(CH2)n−R6、またはCl−COCH=CH−COOR6で表される化合物を、塩基存在下あるいは、塩基非存在下反応させることにより、式(XIII)で表される化合物(但し、R9、R10、R27*、およびmは前記と同一の意味を表す)を得ることができる。この反応に用いられる溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、またはジメチルホルムアミド等が挙げられる。塩基としては例えば、トリエチルアミン、ピリジン、または4−ジメチルアミノピリジン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−ブチルリチウム、NaCH2SOCH3、tert−BuOK等が挙げられる。式:Z−(CH2)m−R22(ここで、Zはハロゲン原子を表す)、Cl−COCH(R25)(CH2)n−R22、R29−NCO、Cl−CO−(CH2)n−R16、またはCl−COCH=CH−COOR6で表される化合物は、式(XI)で表される化合物に対し、1〜3当量の範囲で用いられる。
塩基は式(XI)で表される化合物に対し、通常1〜10当量の範囲で用いられ、場合によっては溶媒として用いられる。反応温度は−60℃〜60℃の範囲で行われる。塩基は式(XI)で表される化合物に対し、通常1〜10当量の範囲で用いられ、場合によっては溶媒として用いられる。反応温度は−20℃〜60℃の範囲で行われる。
次に、式(XIII)で表される化合物を、酸存在下、加水分解反応することにより式(XIV)で表される化合物を製造することができる。この反応に用いられる溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、水、ジクロロメタン、またはクロロホルム等が挙げられる。酸としては例えば、塩酸および硫酸等の鉱酸、またはBF3・Et2O等のルイス酸等が挙げられる。反応温度は通常0℃〜120℃の範囲で行われる。
方法(F)
式(IV)で表される化合物のうち式(XVIII)で表される化合物は、次に示す方法に従って製造することができる。
まず、式(XV)で表される化合物(但し、Arはアリール基を表す)と式(XVI)で表される化合物(但し、R29およびR30は前記と同一の意味を表す)とを、適当な縮合剤の存在下反応させることにより、式(XVII)で表される化合物(但し、Ar、R29、およびR30は前記と同一の意味を表す)を得ることができる。この反応に用いられる溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、またはジメチルホルムアミド等が挙げられる。縮合剤としては例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、DCC−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬)、またはジフェニルホスホリルアジド等が挙げられる。また、縮合剤は通常式(XV)で表される化合物に対して、1〜3当量の範囲で用いられる。反応温度は通常−20℃〜60℃の範囲で行われる。
次に、式(XVII)で表される化合物を、触媒存在下、接触還元反応を行うことにより式(XVIII)で表される化合物を製造することができる。この反応に用いられる溶媒としては例えば、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、またはクロロホルム等が挙げられる。触媒としては例えば、Pd−C、Pd−黒、またはPd(OH)2−C等が挙げられる。触媒は式(XVII)で表される化合物に対して、0.1〜0.6当量の範囲で用いられる。反応は通常1〜4気圧の水素雰囲気下、室温で行われる。
得られた式(XVII)で表される化合物の水酸基をさらに修飾することによって式(IV)の化合物を得ることができる。
式(XV)で表される化合物は下記の方法により製造することができる。
式(XVa)で表される化合物と、式(XVb)で表される化合物とを、塩基存在下反応させ、トリアリール基を脱保護することにより式(XVc)で表される化合物(Arはアリール基を表す)を製造することができる。この反応に用いられる溶媒としてはジエチルエーテル、THF、DMF、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、ベンゼン、またはトルエン等が挙げられる。塩基としては例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−ブチルリチウム、NaCH2SOCH3、またはtert−BuOK等が挙げられる。塩基および式(XVb)の化合物は式(XVa)の化合物に対して1〜10当量の範囲で用いられるのが望ましい。温度は−78℃〜60℃の範囲で行われるのが好ましい。脱保護は塩酸および硫酸等の鉱酸の存在下、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、または水等の溶媒中0℃〜80℃の反応温度で行われる。
次に、式(XVc)で表される化合物を、適当な酸化剤で酸化することにより、式(XVd)の化合物を製造することができる。酸化剤としては例えば、ピリジニウムクロメート、ピリジニウムダイクロメート、二酸化マンガン、あるいはDMSO−オキザリルクロライド等のDMSO酸化試剤等が挙げられる。この反応に用いられる溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、またはTHF等が挙げられる。酸化剤は式(XVc)の化合物に対して1〜5当量の範囲で用いられるのが望ましい。反応温度は通常、−78℃〜40℃の範囲で行う。
更に、式(XVd)で表される化合物を、適当な酸化剤で酸化することにより、式(XV)の化合物を製造することができる。この反応に用いられる溶媒としては例えば、DMF、tert−ブタノール、アセトン、または水等が挙げられる。酸化剤としては例えば、ピリジニウムダイクロメート、Jones試薬、過マンガン酸カリウム、または亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。酸化剤は式(XVd)の化合物に対し通常、1〜30当量の範囲で用いられる。反応温度は0℃〜60℃の範囲で行われる。
方法(G)
式(I)で表される化合物(但し、R1が低級アルコキシ基または低級アルカノイルオキシ基を表し、R2が−CH2OR5(ここで、R5は低級アルキル基または低級アルカノイル基を表す))、式(II)で表される化合物(但し、R16がアリールメチルオキシ基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5(ここで、R5は低級アルキル基または低級アルカノイル基を表す))、および式(III)で表される化合物(但し、R1が低級アルコキシ基または低級アルカノイルオキシ基であり、R2が−CH2OR5(ここで、R5は低級アルキル基または低級アルカノイル基を表す))は、それぞれ式(I)で表される化合物(但し、R1が水酸基基であり、R2が−CH2OHを表す)、式(II)で表される化合物(但し、R16が水酸基を表し、R17が−CH2OHを表す)、および式(III)で表される化合物(但し、R1が水酸基を表し、R2が−CH2OHを表す)と、式R5Zまたは式(R5a)2O(ここで、R5aは低級アルキル基または低級アルカノイル基を表す)で表される化合物とを、塩基存在下、反応させることによって、製造することができる。この反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、またはジメチルホルムアミド等が挙げられる。塩基としては例えば、トリエチルアミン、ピリジン、または4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。式R5Zまたは式(R5a)2Oで表される化合物は、式(I)、式(II)、および式(III)で表される化合物に対して、1〜3当量の範囲で用いられるのが好ましい。また、塩基は、式(I)、式(II)、および式(III)で表される化合物に対して、1〜10当量の範囲で用いられのが好ましく、また場合によっては溶媒として用いられる。反応は−20℃〜60℃の範囲で実施することができる。
方法(H)
式(II)で表される化合物のうち、式(XIX)で表される化合物(但し、R*が−OR13、−O−(CH2)m−R22、−OCOCH(R25)(CH2)n−R22、−OCOCH=CH−COOR6、または−OCON(R29)R30を表す)は、次に示される反応によって製造することができる。
まず、式(XX)で表される化合物と、式:R13Z(ここで、Zはハロゲン原子を表す)、(R13)2O、Cl−COCH(R25)(CH2)n−R22、Cl−COCH=CH−COOR6、またはR29−NCOで表される化合物を、塩基存在下、反応させることにより、式(XIX)で表される化合物を得ることができる。この反応に用いられる溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、またはジメチルホルムアミド等が挙げられる。塩基としては例えば、トリエチルアミン、ピリジン、または4−ジメチルアミノピリジンが挙げられる。式:R13Z(ここで、Zはハロゲン原子を表す)、(R13)2O、Cl−COCH(R25)(CH2)n−R22、R29−NCO、Cl−CO−(CH2)n−R16、またはCl−COCH=CH−COOR6で表される化合物は、式(XX)で表される化合物に対し、1〜3当量の範囲で用いられる。塩基は式(XX)で表される化合物に対し、通常1〜10当量の範囲で用いられ、場合によっては溶媒として用いられる。反応温度は−60℃〜60℃の範囲で行われる。
また、式(II)で表される化合物のうち、式(XIX)で表される化合物(但し、R*が−OR13または−O−(CH2)m−R22を表す)は、式(II)で表される化合物(但し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基を表す)と、式:R13ZまたはZ−(CH2)m−R22(ここで、Zはハロゲン原子を表す)で表される化合物を、塩基存在下、反応させることにより得ることができる。反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、THF、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSOが挙げられる。塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−ブチルリチウム、NaCH2SOCH3、tert-BuOK等が挙げらる。塩基およびR13ZまたはZ−(CH2)m−R22で表される化合物は、式(II)で表される化合物に対して1〜10当量の範囲で用いられるのが好ましい。反応は−78℃〜60℃の範囲で行われるのが好ましい。
方法(I)
式(I)で表される化合物(但し、R3およびR4が一緒になってオキソ基を表す)、式(II)で表される化合物(但し、R18およびR19および/またはR20およびR21が一緒になってオキソ基を表す)、および式(IV)で表される化合物(但し、R18およびR19が一緒になってオキソ基を表す)は、式(I)で表される化合物(但し、R3が水素原子を表し、R4が水酸基を表す)、式(II)で表される化合物(但し、R18およびR20が水素原子を表し、R19とR21との両方が水酸基を表すか、またはいずれか一方が水酸基を表し、他方が水素原子を表す)、および式(IV)で表される化合物(但し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基を表す)を、酸化剤で酸化することにより製造することができる。酸化剤としては、例えば、ピリジニウムクロメート、ピリジニウムダイクロメート、二酸化マンガン、またはDMSO−オキザリルクロライドのようなDMSO酸化試剤が挙げられる。溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、またはTHF等が挙げられる。酸化剤は1〜5当量の範囲で用いられるのが好ましく、反応は通常−78℃〜40℃の範囲で実施することができる。
方法(J)
式(I)で表される化合物(但し、R3が水素原子を表し、R4が水酸基を表す)、式(II)で表される化合物(但し、R18およびR20が水素原子を表し、R19とR21との両方が水酸基を表すか、またはいずれか一方が水酸基を表し、他方が水素原子を表す)、および式(IV)で表される化合物(但し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基を表す)は、式(I)で表される化合物(但し、R3およびR4が一緒になってオキソ基を表す)、式(II)で表される化合物(但し、R18およびR19および/またはR20およびR21が一緒になってオキソ基を表す)、および式(IV)で表される化合物(但し、R18およびR19が一緒になってオキソ基を表す)を、還元剤で還元することによって得ることができる。還元剤としては、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられ、通常1〜5当量の範囲で用いられる。溶媒としては、例えばジエチルエーテル、THF、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン等が挙げられる。反応は−78℃〜60℃の温度で実施することができる。
方法(K)
式(II)で表される化合物のうち、下記の式(XXI)で表される化合物は、次のようにして製造することができる。
まず、式(XXII)で表される化合物と、式:WSO2Cl(ここで、Wはアルキルまたはアリール基を表す)で表される化合物とを、塩基の存在下、反応させることにより、式(XXIII)で表される化合物を得ることができる。反応に用いることができる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、THF、DMF等が挙げられる。式:WSO2Clで表される化合物の具体例としては、例えばメタンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルクロライド等が挙げられる。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。式:WSO2Clおよび塩基は、式(XXII)で表される化合物に対して、通常1〜3当量の範囲で用いられる。反応は通常0℃〜60℃の温度で実施することができる。
次に、式(XXIII)で表される化合物と、還元剤とを反応させることにより、式(XXI)で表される化合物を得ることができる。反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、THF、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン等が挙げられる。還元剤としては、例えば水素化トリエチルホウ素リチウムが挙げられ、通常1〜5当量の範囲で用いられる。反応は−78℃〜60℃の温度で実施することができる。
方法(L)
式(IV)で表される化合物(但し、R28が−C(R6)2OHを表す)で表される化合物は、式(IV)で表される化合物(但し、R28が−CHOを表す)で表される化合物と、式:(R6)iMZj(ここで、R6は前記と同一の意味を表し、Mはリチウム、マグネシウム、亜鉛、またはアルミニウムを表し、Zはハロゲン原子を表し、iは1〜3の整数を表し、jは0または1を表す)の化合物と反応させることにより得ることができる。反応に用いられる溶媒としてはジエチルエーテル、THF、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホラストリアミド、ジクロロメタンが挙げられる。式:(R6)iMZjで表される化合物は、式(IV)で表される化合物に対して1〜3当量の範囲で用いるのが好ましい。反応は通常−78℃〜20℃の温度で実施することができる。
方法(M)
式(IV)で表される化合物(但し、R28が−CH=CHR6を表す)で表される化合物は、式(IV)で表される化合物(但し、R28が−CHOを表す)で表される化合物と、オレフィン化試剤を反応させることにより得ることができる。反応に用いられる溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、THF、DMF、DMSO等が挙げられる。オレフィン化試剤としては例えば、Ph3P=CHR6、Tebbe試薬、Nysted試薬等が挙げられる。オレフィン化試剤は式(IV)で表される化合物に対して1〜10等量の範囲で用いられるのが好ましい。反応温度は通常−78℃〜40℃の温度で実施することができる。また、この反応系に例えば四塩化チタン等のルイス酸を加えると、反応を促進させることができる場合があり、好ましい。
方法(N)
式(IV)で表される化合物(但し、R28が−COR6または−C(R6)OHを表す)で表される化合物は、式(II)で表される化合物(但し、R28が−COOR6を表す)で表される化合物と、式:(R6)iMZj(ここで、R6は前記と同一の意味を表し、Mはリチウム、マグネシウム、亜鉛、またはアルミニウムを表し、Zはハロゲン原子を表し、iは1〜3の整数を表し、jは0または1を表す)の化合物と反応させることにより得ることができる。反応に用いられる溶媒としてはジエチルエーテル、THF、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホラストリアミド、ジクロロメタンが挙げられる。式:(R6)iMZjで表される化合物は、式(IV)で表される化合物に対して1〜3当量の範囲で用いるのが好ましい。反応は通常−78℃〜20℃の温度で実施することができる。
以上の方法(A)〜(M)を組み合わせることで、式(I)、(II)、(III)、および(IV)に包含される種々の化合物が製造可能であることは当業者には明らかであろう。また、以上の方法において、反応に関与しないまたは関与することが好ましくない官能基を保護しておくことは当業者には明らかな事項であり、そのために慣用されている保護基を利用できることもまた当業者には明らかな事項である。
実施例
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の化合物1〜74の構造は、次の表に示されるとおりである。なお、次の表において式(A)は、式(I)、(II)、(III)、および(VI)の構造を総括的に一般化したものである。
また、化合物3、11、18、および21は文献(Chem.Pharm.Bull.,36,153(1988))記載の方法により製造した。また、化合物1および7については文献(Ber.,70, 2083, 2093(1937),Ber.,71, 790, 1604(1938),Chem.Pharm.Bull.,31,664(1983)およびChem.Pharm.Bull.,31,674(1983))記載の方法により製造した。
実施例1
12α,13α−エポキシオレアナン−3β,22β,24(4β)−トリオール(化合物2)
化合物1、230mg(0.5mmol)をジクロロメタン10mlおよびクロロホルム3mlに溶解し、50−60%のm−クロロ過安息香酸216mgを加え、室温で一晩撹拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和重曹水、ついで飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩を濾別後、溶液を減圧濃縮した。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、無色固体として化合物2、193mg(収率81%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.88(3H,s),0.90(3H,s),0.97(3H,s),0.98(3H,s),0.99(3H,s),1.04(3H,s),1.22(3H,s),0.74-1.87(22H,m),2.36(1H,d,J=4.16Hz),2.76(1H,dd,J=2.50Hz,9.16Hz),3.05(1H,s),3.29(1H,t,J=10.5Hz),3.40-3.45(1H,m),3.55-3.60(1H,m),4.17(1H,d,J=10.5Hz)
MS EI(m/z):474(M+)
実施例2
3β、24(4β)−イソプロピリデンジオキシ−22β−メトキシオレアン−12−エン(化合物4)
化合物3、300mgをTHF5mlに溶解し、55%水素化ナトリウム130mgを加えて室温で1時間攪拌した後、ヨウ化メチル2mlを加え一晩攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製して、無色泡状物質として化合物4、285mg(収率93%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.86(3H,s),0.90(3H,s),0.99(3H,s),1.00(3H,s),1.11(3H,s),1.15(3H,s),1.22(3H,s),1.37(3H,s),1.44(3H,s),0.83-2.10(21H,m),2.80-2.83(1H,m),3.23(1H,d,J=11.8Hz),3.28(3H,s),3.44-3.47(1H,m),4.06(1H,d,J=11.8Hz),5.23(1H,t-like)
MS FD(m/z):512(M+)
実施例3
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β、24(4β)−ジオール(化合物5)
化合物4、280mgをTHFに溶解し、三フッ化ホウ素エチルエーテル0.66mlを加え室温で1時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製して、無色固体として化合物5、203mg(収率79%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.85(3H,s),0.89(3H,s),0.90(3H,s),0.94(3H,s),1.00(3H,s),1.11(3H,s),1.25(3H,s),0.80-2.10(21H,m),2.80-2.82(1H,m),3.28(3H,s),3.33(1H,d,J=11.1Hz),3.42-3.45(1H,m),5.22(1H,t-like)
MS EI(m/z):472(M+)
実施例4
22β−メトキシ−12,13−エポキシオレアナン−3β,24(4β)−ジオール(化合物6)
化合物5、50mg(0.1mmol)をジクロロメタン1mlに溶解し、70%のm−クロロ過安息香酸31mgを加えて、室温で一晩撹拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和重曹水、次いで飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、無色固体の化合物6、14.5mg(収率28%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.87(3H,s),0.89(3H,s),0.96(3H,s),0.97(3H,s),0.99(3H,s),1.04(3H,s),1.22(3H,s),0.74-1.88(21H,m),2.42(1H,br.s),2.80(1H,br.s),2.94(1H,dd,J=3.33Hz,9.71Hz),3.04(1H,s),3.26-3.30(1H,m),3.29(3H,s),3.40-3.44(1H,m),4.17(1H,d,J=9.71Hz)
MS EI(m/z):488(M+)
実施例5
12,13−エポキシオレアナン−3β,21β,22β,24(4β)−テトラオール(化合物8)
化合物7、50mg(0.1mmol)をジクロロメタン1mlとクロロホルム1mlに溶解し、70%のm−クロロ過安息香酸32mgを加えて37℃で一晩撹拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和重曹水、次いで飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、無色固体の化合物8、18mg(収率35%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.91(3H,s),1.00(3H,s),1.05(3H,s),1.13(3H,s),1.14(3H,s),1.23(3H,s),0.75-2.08(23H,m),3.03(1H,s),3.28(1H,d,J=11.28Hz),3.40-3.51(3H,m),4.17(1H,d,J=11.28Hz)
MS FAB(m/z):491(M++1)
実施例6
22β−ベンジルオキシアセチルオキシ−3β,24(4β)−イソプロピリデンジオキシオレアン−12−エン(化合物9)
化合物3、38mgをジクロロメタン5mlに溶解し、4−ジメチルアミノピリジン15mgとベンジルオキシアセチルクロライド18μlを加えて室温で1.5時間撹拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製して、無色泡状の化合物9、36mg(収率76%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.81(3H,s),0.90(3H,s),0.96(3H,s),0.98(3H,s),1.14(3H,s),1.15(3H,s),1.22(3H,s),1.38(3H,s),1.44(3H,s),0.87-2.20(21H,m),3.23(1H,d,J=11.65Hz),3.46(1H,dd,J=4.44Hz,11.44Hz),4.03-4.10(3H,m),4.64(2H,d,J=1.94Hz),4.78(1H,t-like),5.25(1H,t-like),7.30-7.39(5H,m)
MS FAB(m/z):647(M++1)
実施例7
22β−ベンジルオキシアセチルオキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物10)
化合物9、36mgをジクロロメタン1mlとメタノール2mlに溶解し、塩酸1mlを加えて室温で1時間撹拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮して、無色固体の化合物10、30mg(収率88%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.80(3H,s),0.89(3H,s),0.90(3H,s),0.94(3H,s),0.96(3H,s),1.14(3H,s),1.25(3H,s),0.84-2.20(21H,m),3.35(1H,d,J=11.1Hz),3.42-3.47(1H,m),4.10(2H,dd,J=16.37Hz,26.91Hz),4.20(1H,d,J=11.1Hz),4.64(2H,d,J=1.67Hz),4.78(1H,t-like),5.24(1H,t-like),7.28-7.38(5H,m)
MS EI(m/z):606(M+)
実施例8
3β、22β−ジベンジルオキシ−24(4β)−トリフェニルメチルオキシオレアン−12−エン(化合物12)
化合物11、95mgを無水DMF5mlに溶解し、60%水素化ナトリウム83mgを加え、室温で1.5時間攪拌した後、ベンジルブロマイド75μlを加え40℃で5時間攪拌した。反応液を酢酸エチルエステルで希釈し、水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチルエステル=10:1)にて精製して、無色固体の化合物12、118mg(収率65%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.33(3H,s),0.82(3H,s),0.88(3H,s),0.92(3H,s),1.03(3H,s),1.08(3H,s),1.34(3H,s),0.70-2.15(21H,m),2.93-2.97(1H,m),3.06-3.07(1H,m),3.17(1H,d,J=9.2Hz),3.53(1H,d,J=9.2Hz),4.32(1H,d,J=11.9Hz),4.38(1H,d,J=11.9Hz),4.61(1H,d,J=11.9Hz),4.63(1H,d,J=11.9Hz),5.17(1H,t-like),7.19-7.50(25H,m)
MS FD(m/z):881(M++1)
実施例9
3β、22β−ジベンジルオキシオレアン−12−エン−24(4β)−オール(化合物13)
化合物12、440mgをメタノール10ml,アセトン2mlに溶解し、濃塩酸0.4mlを加え、30分還流した。反応液に水を加え、1N水酸化ナトリウムで中和した後、塩化メチレンで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮した。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチルエステル=10:1)にて精製して、油状物質として化合物13、231mg(収率72%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.88(3H,s),0.89(3H,s),0.93(3H,s),0.94(3H,s),1.05(3H,s),1.11(3H,s),1.21(3H,s),0.85-2.18(22H,m),3.07-3.08(1H,m),3.18-3.24(2H,m),4.16(1H,d,J=10.5Hz),4.32(1H,d,J=11.7Hz),4.39(1H,d,J=11.7Hz),4.62(1H,d,J=11.7Hz),4.67(1H,d,J=11.7Hz),5.22(1H,t-like),7.26-7.34(10H,m)
MS SIMS(m/z):639(M++1)
実施例10
3β、22β−ジベンジルオキシ−24(4β)−オキソオレアン−12−エン(化合物14)
塩化オキザリル0.15mlを塩化メチレン4mlに溶解した後、−78℃に冷却し、DMSO 0.23mlを塩化メチレンに溶解した溶液を加え、10分間攪拌した。この調製した反応液に、化合物13、128mgを塩化メチレン2mlに溶解した溶液を加え、−78℃で15分間攪拌した。この反応液にトリエチルアミン0.7mlを加え、−78℃で5分間攪拌した後、0℃まで昇温した。反応液を水で希釈した後、塩化メチレンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮した。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチルエステル=10:1)にて精製して、無色泡状物質として化合物14、104mg(収率82%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.83(3H,s),0.89(3H,s),0.93(3H,s),0.94(3H,s),1.04(3H,s),1.10(3H,s),1.21(3H,s),0.85-2.18(21H,m),3.07(1H,dd,J=3.1Hz,3.1Hz),3.18(1H,dd,J=5.1Hz,5.1Hz),4.20,4.61(1H,each,bothd,J=11.7Hz),5.23(1H,t-like),7.22-7.35(10H,m),10.07(1H,s)
MS SIMS(m/z):637(M++1)
実施例11
3β、22β−ジベンジルオキシオレアン−12−エン−24(4β)−オイックアシッド(化合物15)
化合物14、20mgをtert−ブタノール6mlに溶解し、2−メチル−2−ブテン1.5mlを加えた。この反応液に亜塩素酸ナトリウム250mgとリン酸一ナトリウム250mgを水2.5mlに溶解した溶液を加え室温で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルエステルで抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチルエステル=5:1)にて精製して、無色固体の化合物15、6.8mg(収率34%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.94(3H,s),0.95(3H,s),1.02(3H,s),1.04(3H,s),1.10(3H,s),1.40(3H,s),0.85-2.19(21H,m),3.05-3.09(1H,m),3.15-3.19(1H,m),4.32(1H,d,J=11.83Hz),4.56(1H,d,J=11.83Hz),4.61(1H,d,J=11.83Hz),4.85(1H,d,J=11.83Hz),5.23(1H,t-like),7.23-7.52(10H,m).
MS EI(m/z):652(M+)
実施例12
N−n−ブチル−3β,22β−ジベンジルオキシオレアン−12−エン−24(4β)−オイックアミド(化合物16)
化合物15、20mgを無水DMF1mlに溶解し、BOP試薬16mgを加えて室温で2時間撹拌した後、n−ブチルアミン0.1mlを加えて更に、室温で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮して、得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製して、無色泡状の化合物16、16mg(収率73%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.92(3H,s),0.93(3H,s),1.01(3H,s),1.04(3H,s),1.10(3H,s),1.34(3H,s),0.82-2.25(28H,m),3.08-3.18(4H,m),4.32(1H,d,J=11.65Hz),4.46(1H,d,J=11.65Hz),4.61(1H,d,J=11.65Hz),4.75(1H,d,J=11.65Hz),5.23(1H,t-like),7.28-7.37(10H,m),7.50(1H,t-like)
MS FAB(m/z):708(M++1)
実施例13
N−n−ブチル−3β,22β−ジヒドロオキシオレアン−12−エン−24(4β)−オイックアミド(化合物17)
化合物16、13mgをメタノール1mlとジクロロメタン1mlに溶解し、10%Pd−C、13mgを加え、常圧、室温で2時間接触還元を行った。反応液をセライトろ過し、溶液を減圧濃縮して、無色固体の化合物17、10mg(収率100%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.87(3H,s),0.90(3H,s),0.92(3H,s),1.02(3H,s),1.04(3H,s),1.12(3H,s),1.38(3H,s),0.91-2.22(29H,m),3.10-3.25(3H,m),3.40-3.45(1H,m),3.77(1H,d,J=8.75Hz),5.27(1H,t-like),5.97(1H,t-like)
MS EI(m/z):527(M+)
実施例14
3β、24(4β)−ジアセトキシ−21β,22β−イソプロピリデンジオキシオレアン−12−エン(化合物19)
21β,22β−イソプロピリデンジオキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物18)20mgを無水ピリジン0.5mlに溶解し、無水酢酸0.5mlを加え、室温で一晩攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した後硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製して無色固体として化合物19、19mg(収率80%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.92(3H,s),0.98(9H,s),1.00(3H,s),1.03(3H,s),1.11(3H,s),1.34(3H,s),1.49(3H,s),2.04(3H,s),2.07(3H,s),1.00-2.28(19H,m),3.73(2H,s),4.14(1H,d,J=11.5Hz),4.37(1H,d,J=11.5Hz),4.57-4.61(1H,m),5.27(1H,t-like)
MS EI(m/z):598(M+)
実施例15
3β,24(4β)−ジアセトキシオレアン−12−エン−21β,22β−ジオール(化合物20)
化合物19、18mgをジクロロメタン0.5mlとメタノール1mlに溶解し、1N塩酸0.2mlを加えて室温で2時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、ジクロロメタン:酢酸エチル=3:1)にて精製して、無色固体として化合物20、14mg(収率79%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.96(3H,s),0.97(3H,s),0.98(6H,s),1.02(3H,s),1.03(3H,s),1.15(3H,s),2.02(3H,s),2.04(3H,s),0.99-2.27(21H,m),3.41(1H,t,J=3.6Hz),3.51(1H,dd,J=3.6Hz,7.5Hz),4.14(1H,d,J=11.7Hz),4.37(1H,d,J=11.7Hz),4.56-4.61(1H,m),5.26(1H,t-like)
MS FAB(m/z):581(M+Na+)
実施例16
3β,24(4β)−ジメトキシオレアン−12−エン−21β,22β−ジオール(化合物22)
21β,22β−イソプロピリデンジオキシ−3β,24(4β)−ジメトキシオレアン−12−エン(化合物21)15mgをジクロロメタン1mlとメタノール1mlに溶解し、1N塩酸0.2mlを加えて室温で1.5時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮して無色固体として化合物22、12mg(収率87%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.97(6H,s),0.99(3H,s),1.00(3H,s),1.02(3H,s),1.12(3H,s),1.14(3H,s),0.73-2.26(21H,m),2.72(1H,dd,J=4.2Hz,11.9Hz),3.27(3H,s),3.31(1H,d,J=9.7Hz),3.35(3H,s),3.41(1H,t,J=3.6Hz),3.51(1H,dd,J=3.6Hz,7.5Hz),3.54(1H,d,J=9.7Hz),5.27(1H,t-like)
MS EI(m/z):502(M+)
実施例17
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン−21β,22β−ジオール(化合物23)
ソヤサポゲノールA(化合物7)1.0gを無水DMF10mlに溶解し、ベンズアルデヒドジメチルアセタール0.38ml、カンファースルホン酸10mgを加えて室温で一晩攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した後硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製して無色固体として化合物23、728mg(収率61%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.96(3H,s),0.97(3H,s),1.00(3H,s),1.02(3H,s),1.08(3H,s),1.17(3H,s),1.48(3H,s),0.90-2.47(21H,m),3.42(1H,br s),3.51(1H,br s),3.62(1H,d,J=11.0Hz),3.64(1H,dd,J=5.4Hz,12.1Hz),4.31(1H,d,J=11.0Hz),5.27(1H,t-like),5.78(1H,s),7.32-7.39(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS FAB(m/z):585(M+Na+)
実施例18
21β,22β−ジアセトキシ−3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン(化合物24)および
21β−アセトキシ−3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン−22β−オール(化合物25)
化合物23、100mgを無水ピリジン2.5mlに溶解し、無水酢酸1mlを加え、室温で3時間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した後硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製して無色固体として化合物24、23mg(収率20%)、化合物25、69mg(収率65%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物24)
0.80(3H,s),0.88(3H,s),0.97(3H,s),1.07(3H,s),1.08(3H,s),1.18(3H,s),1.48(3H,s),2.00(3H,s),2.07(3H,s),0.89-2.47(19H,m),3.62(1H,d,J=11.0Hz),3.64(1H,dd,J=5.1Hz,12.1Hz),4.30(1H,d,J=11.0Hz),4.90(2H,s),5.29(1H,t-like),5.78(1H,s),7.30-7.39(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS EI(m/z):647(M+H)+
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物25)
0.87(3H,s),0.97(3H,s),1.00(3H,s),1.08(3H,s),1.13(3H,s),1.18(3H,s),1.49(3H,s),2.14(3H,s),0.90-2.48(20H,m),3.46(1H,d,J=3.1Hz),3.62(1H,d,J=11.3Hz),3.65(1H,dd,J=5.9Hz,12.8Hz),4.31(1H,d,J=11.3Hz),4.94(1H,d,J=3.1Hz),5.28(1H,t-like),5.79(1H,s),7.28-7.39(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS EI(m/z):604(M+)
実施例19
21β,22β−ジアセトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物26)
化合物24、23mgをメタノール1mlとジクロロメタン1mlに溶解し、10%Pd−C、5mgを加え、常圧、室温で4時間接触還元を行った。反応液をセライトろ過し、溶液を減圧濃縮して、無色固体の化合物26、16mg(収率82%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.79(3H,s),0.87(3H,s),0.89(3H,s),0.94(3H,s),1.07(3H,s),1.16(3H,s),1.25(3H,s),0.83-1.98(18H,m),2.00(3H,s),2.06(3H,s),2.23-2.28(1H,m),2.48(1H,br s),2.72(1H,br s),3.32-3.38(1H,m),3.45(1H,dd,J=5.4Hz,12.1Hz),4.20(1H,d,J=11.1Hz),4.89(2H,s),5.27(1H,t-like),
MS EI(m/z):558(M+)
実施例20
21β−アセトキシオレアン−12−エン−3β,22β,24(4β)−トリオール(化合物27)
化合物25、20mgをメタノール1mlとジクロロメタン1mlに溶解し、10%Pd−C、5mgを加え、常圧、室温で1時間接触還元を行った。反応液をセライトろ過し、溶液を減圧濃縮して、無色固体の化合物27、13mg(収率79%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.85(3H,s),0.89(3H,s),0.96(6H,s),1.12(3H,s),1.15(3H,s),1.25(3H,s),0.84-1.98(19H,m),2.13(3H,s),2.28-2.34(1H,m),2.43(1H,br s),2.71(1H,br s),3.32-3.50(3H,m),4.21(1H,d,J=11.1Hz),4.93(1H,d,J=3.3Hz),5.26(1H,t-like),
MS FAB(m/z):539(M+Na+)
実施例21
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシ−21β,22β−ジメトキシオレアン−12−エン(化合物28)、
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシ−22β−メトキシオレアン−12−エン−21β−オール(化合物29)、および
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシ−21β−メトキシオレアン−12−エン−22β−オール(化合物30)
化合物23、20mgを無水THFに溶解し、60%水素化ナトリウム14mgを加えて室温で1時間攪拌した後、ヨウ化メチル32μl加えて6時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製して、無色固体として化合物28、6mg(収率28%)、化合物29、5mg(収率26%)、化合物30、3mg(収率14%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物28)
0.94(6H,s),0.99(3H,s),1.03(3H,s),1.07(3H,s),1.15(3H,s),1.48(3H,s),0.88-2.47(19H,m),3.02(2H,br s),3.43(3H,s),3.46(3H,s),3.62(1H,d,J=11.5Hz),3.64(1H,dd,J=5.7Hz,12.1Hz),4.31(1H,d,J=11.5Hz),5.24(1H,t-like),5.78(1H,s),7.32-7.39(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS EI(m/z):590(M+)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物29)
0.95(3H,s),1.00(3H,s),1.01(3H,s),1.03(3H,s),1.08(3H,s),1.16(3H,s),1.48(3H,s),0.90-2.48(20H,m),2.99(1H,d,J=3.3Hz),3.40(3H,s),3.57(1H,d,J=3.3Hz),3.62(1H,d,J=11.1Hz),3.64(1H,dd,J=5.6Hz,12.1Hz),4.30(1H,d,J=11.1Hz),5.27(1H,t-like),5.79(1H,s),7.31-7.38(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS EI(m/z):576(M+)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物30)
0.92(3H,s),0.95(3H,s),0.96(3H,s),0.99(3H,s),1.08(3H,s),1.15(3H,s),1.48(3H,s),0.90-2.46(20H,m),2.91(1H,d,J=3.9Hz),3.44(1H,d,J=3.9Hz),3.47(3H,s),3.62(1H,J=10.8Hz),3.64(1H,dd,J=5.4Hz,12.1Hz),4.30(1H,d,J=10.8Hz),5.24(1H,t-like),5.78(1H,s),7.31-7.38(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS EI(m/z):576(M+)
実施例22
21β,22β−ジメトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物31)
化合物28、20mgをメタノール1mlとジクロロメタン1mlに溶解し、10%Pd−C、5mgを加え、常圧、室温で1時間接触還元を行った。反応液をセライトろ過し、溶液を減圧濃縮して、無色固体の化合物31、15mg(収率89%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.93(6H,s),0.95(3H,s),1.02(3H,s),1.13(3H,s),1.25(3H,s),0.83-1.88(18H,m),2.18-2.21(1H,m),2.41(1H,br s),2.74(1H,br s),3.01(2H,s),3.32-3.50(2H,m),3.42(3H,s),3.45(3H,s),4.21(1H,d,J=11.3Hz),5.22(1H,t-like),
MS EI(m/z):502(M+)
実施例23
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,21β,24(4β)−トリオール(化合物32)
化合物29、13mgをメタノール1mlとジクロロメタン1mlに溶解し、10%Pd−C、5mgを加え、常圧、室温で2.5時間接触還元を行った。反応液をセライトろ過し、溶液を減圧濃縮して、無色固体の化合物32、7mg(収率68%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.94(3H,s),0.96(3H,s),0.99(3H,s),1.02(3H,s),1.14(3H,s),1.25(3H,s),0.82-1.89(19H,m),2.25-2.31(2H,m),2.41(1H,br s),2.73(1H,br s),2.98(1H,d,J=3.3Hz),3.32-3.37(1H,m),3.40(3H,s),3.42-3.48(1H,m),3.56(1H,d,J=3.3Hz),4.21(1H,d,J=11.1Hz),5.24(1H,t-like),
MS EI(m/z):488(M+)
実施例24
21β−メトキシオレアン−12−エン−3β,22β,24(4β)−トリオール(化合物33)
化合物30、8mgをメタノール1mlとジクロロメタン1mlに溶解し、10%Pd−C、5mgを加え、常圧、室温で1時間接触還元を行った。反応液をセライトろ過し、溶液を減圧濃縮して、無色固体の化合物33、6mg(収率80%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.91(3H,s),0.94(3H,s),0.95(3H,s),0.95(3H,s),1.13(3H,s),1.25(3H,s),0.82-2.18(20H,m),2.41(1H,br s),2.73(1H,br s),2.90(1H,d,J=4.0Hz),3.32-3.46(3H,m),3.46(3H,s),4.21(1H,d,J=11.1Hz),5.22(1H,t-like),
MS EI(m/z):488(M+)
実施例25
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシ−21,22−ジオキソオレアン−12−エン(化合物34)、および
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシ−22−オキソオレアン−12−エン−21β−オール(化合物35)
塩化オキサリル0.15mlをジクロロメタン4mlに溶解した後、−78℃に冷却し、DMSO 0.25mlをジクロロメタン1mlに溶解した溶液を加え、10分間攪拌した。この調製した反応液に化合物23、200mgをジクロロメタン4mlに溶解した溶液を滴下し、−78℃で15分間攪拌した。この溶液にトリエチルアミン0.74mlを加え、−78℃で5分間攪拌した後、徐々に0℃まで昇温した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、ジクロロメタン)にて精製して、黄色固体として化合物34、76mg(収率37%)、化合物35、30mg(収率15%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物34)
0.98(3H,s),1.09(3H,s),1.14(3H,s),1.15(3H,s),1.16(3H,s),1.20(3H,s),1.49(3H,s),0.90-2.63(19H,m),3.62(1H,d,J=11.1Hz),3.64(1H,dd,J=5.3Hz,11.4Hz),4.29(1H,d,J=11.1Hz),5.41(1H,t-like),5.78(1H,s),7.31-7.39(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS EI(m/z):558(M+)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物35)
0.70(3H,s),0.97(3H,s),1.06(3H,s),1.09(3H,s),1.12(3H,s),1.27(3H,s),1.49(3H,s),0.91-2.49(19H,m),3.60-3.68(3H,m),4.19(1H,d,J=4.2Hz),4.30(1H,d,J=11.1Hz)5.32(1H,t-like),5.79(1H,s),7.30-7.40(3H,m),7.48-7.52(2H,m)
MS EI(m/z):560(M+)
実施例26
21,22−ジオキソオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物36)
化合物34、25mgをジクロロメタン1mlとメタノール2mlに溶解し、1N塩酸0.5mlを加えて室温で4時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、無色固体として化合物36、12mg(収率59%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.91(3H,s),0.94(3H,s),1.13(3H,s),1.14(3H,s),1.15(3H,s),1.18(3H,s),1.25(3H,s),0.80-2.75(21H,m),3.32-3.39(1H,m),3.41-3.49(1H,m),4.21(1H,d,J=11.0Hz),5.40(1H,t-like),
MS FAB(m/z):471(M+H)+
実施例27
22−オキソオレアン−12−エン−3β,21β,24(4β)−トリオール(化合物37)
化合物35、25mgをジクロロメタン1mlとメタノール2mlに溶解し、1N塩酸0.5mlを加えて室温で4時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、無色固体として化合物37、13mg(収率61%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.69(3H,s),0.90(3H,s),0.94(3H,s),1.05(3H,s),1.11(3H,s),1.25(3H,s),1.26(3H,s),0.80-2.73(21H,m),3.32-3.38(1H,m),3.42-3.49(1H,m),3.65(1H,d,J=4.1Hz),4.18(1H,d,J=4.1Hz),4.21(1H,d,J=11.2Hz),5.30(1H,t-like),
MS FAB(m/z):473(M+H)+
実施例28
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン−21β,22β−ジオール(化合物23)、
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン−21α,22α−ジオール(化合物38)、
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン−21α,22β−ジオール(化合物39)、および
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン−21β,22α−ジオール(化合物40)
水素化アルミニウムリチウム30mgを無水THF3mlに懸濁させ氷冷下で化合物34、193mgを無水THF2mlに溶解した溶液を滴下し、2時間攪拌した。反応液に飽和硫酸ナトリウム溶液を加え、室温でしばらく攪拌した。不溶物をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:THF=3:1)にて精製して、化合物23、化合物38の混合物として89mg(収率46%)、化合物39、11mg(収率5%)、化合物40、8mg(収率4%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物39)
0.85(3H,s),0.89(3H,s),0.95(3H,s),1.08(6H,s),1.10(3H,s),1.48(3H,s),0.85-2.48(21H,m),3.21-3.44(2H,m),3.60-3.68(2H,m),4.30(1H,d,J=11.3Hz),5.30(1H,t-like),5.78(1H,s),7.31-7.40(3H,m),7.48-7.53(2H,m)
MS FAB(m/z):585(M+Na+)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物40)
0.91(3H,s),0.97(3H,s),1.00(3H,s),1.01(3H,s),1.07(3H,s),1.16(3H,s),1.48(3H,s),0.85-2.48(21H,m),3.27-3.35(2H,m),3.60-3.68(2H,m),4.30(1H,d,J=11.3Hz),5.25(1H,t-like),5.78(1H,s),7.30-7.39(3H,m),7.48-7.52(2H,m)
MS FAB(m/z):585(M+Na+)
実施例29
オレアン−12−エン−3β,21α,22β,24(4β)−テトラオール(化合物41)
化合物39、11mgをジクロロメタン0.5mlとメタノール1mlに溶解し、1N塩酸0.1mlを加えて室温で4時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、無色固体として化合物41、3mg(収率34%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.83(3H,s),0.87(3H,s),0.90(3H,s),0.91(3H,s),1.05(3H,s),1.08(3H,s),1.23(3H,s),0.85-2.27(23H,m),3.20-3.35(3H,m),3.40-3.46(1H,m),4.19(1H,d,J=11.3Hz),5.26(1H,t-like),
MS EI(m/z):474(M+)
実施例30
オレアン−12−エン−3β,21β,22α,24(4β)−テトラオール(化合物42)
化合物40、9mgをジクロロメタン0.5mlとメタノール1mlに溶解し、1N塩酸0.1mlを加えて室温で4時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、無色固体として化合物42、4mg(収率58%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.90(3H,s),0.93(3H,s),0.99(6H,s),1.14(3H,s),1.25(3H,s),0.82-2.44(21H,m),3.00-3.05(1H,m),3.10-3.14(1H,m),3.22-3.47(3H,m),3.42(1H,dd,J=6.6Hz,11.0Hz),4.20(1H,d,J=11.0Hz),5.23(1H,t-like),
MS EI(m/z):474(M+)
実施例31
21β−アセトキシ−3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシ−22−オキソオレアン−12−エン(化合物43)
実施例18の方法に従って、化合物25、91mgから化合物43、49mg(収率54%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.86(3H,s),0.97(3H,s),1.03(3H,s),1.04(3H,s),1.08(3H,s),1.27(3H,s),1.49(3H,s),2.18(3H,s),0.90-2.49(19H,m),3.60-3.68(2H,m),4.30(1H,d,J=11.3Hz),5.32(2H,t-like),5.78(1H,s),7.31-7.40(3H,m),7.48-7.52(2H,m)
MS EI(m/z):602(M+)
実施例32
21β−アセトキシ−3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシ−22β−メシルオキシオレアン−12−エン(化合物44)
化合物25、316mgを無水ピリジン8mlに溶解し、メタンスルホニルクロライド162μl、触媒量の4-DMAPを加え、室温で一晩攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた固体をn-ヘキサン:酢酸エチルの混液で洗浄し、化合物44、331mg(収率93%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.91(3H,s),0.98(3H,s),1.00(3H,s),1.08(3H,s),1.10(3H,s),1.19(3H,s),1.49(3H,s),2.14(3H,s),0.93-2.48(18H,m),3.08(3H,s),3.60-3.68(2H,m),3.72-3.78(1H,m),4.30(1H,d,J=11.5Hz),4.59(1H,d,J=3.1Hz),4.97(1H,d,J=3.1Hz),5.30(1H,t-like),5.78(1H,s),7.30-7.39(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS TSP(m/z):700(M+NH4 +)
実施例33
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン−21β−オール(化合物45)
化合物44、315mgに氷冷下で水素化トリエチルホウ素リチウム(1.0MTHF溶液)4.6mlを加え、室温で15分間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製して、泡状物質として化合物45、221mg(収率88%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.85(3H,s),0.94(6H,s),0.96(3H,s),1.08(3H,s),1.18(3H,s),1.48(3H,s),0.90-2.48(22H,m),3.47(1H,br s),3.62(1H,d,J=11.3Hz),3.64(1H,dd,J=5.1Hz,12.1Hz),4.30(1H,d,J=11.3Hz),5.24(1H,t-like),5.78(1H,s),7.30-7.39(3H,m),7.49-7.52(2H,m)
MS TSP(m/z):564(M+NH4 +)
実施例34
オレアン−12−エン−3β,21β,24(4β)−トリオール(化合物46)
実施例12の方法に従って、化合物45、46mgから無色固体として化合物46、18mg(収率46%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.84(3H,s),0.89(3H,s),0.92(3H,s),0.93(6H,s),1.16(3H,s),1.24(3H,s),0.86-2.48(24H,m),3.33(1H,d,J=11.3Hz),3.39-3.48(2H,m),4.20(1H,d,J=11.3Hz),5.22(1H,t-like),
MS TSP(m/z):476(M+NH4 +)
実施例35
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシ−21−オキソオレアン−12−エン(化合物47)
実施例25の方法に従って、化合物45、110mgから、無色固体として化合物47、56mg(収率51%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物34)
0.96(3H,s),0.98(3H,s),1.02(3H,s),1.08(3H,s),1.13(3H,s),1.21(3H,s),1.48(3H,s),0.90-2.50(21H,m),3.62(1H,d,J=11.3Hz),3.64(1H,dd,J=4.9Hz,12.6Hz),4.30(1H,d,J=11.3Hz),5.34(1H,t-like),5.79(1H,s),7.30-7.39(3H,m),7.49-7.53(2H,m)
MS FAB(m/z):567(M+Na+)
実施例36
3β,24(4β)−ベンジリデンジオキシオレアン−12−エン−21α−オール(化合物48)
実施例28の方法に従って、化合物47、55mgから、無色固体として化合物48、11mg(収率20%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm (化合物34)
0.86(3H,s),0.87(3H,s),0.96(3H,s),0.97(3H,s),1.08(3H,s),1.14(3H,s),1.48(3H,s),0.90-2.48(22H,m),3.52(1H,dd,J=4.6Hz,12.1Hz),3.62(1H,d,J=11.0Hz),3.64(1H,dd,J=5.1Hz,11.8Hz),4.30(1H,d,J=11.0Hz),5.23(1H,t-like),5.78(1H,s),7.30-7.39(3H,m),7.49-7.53(2H,m)
MS FAB(m/z):569(M+Na+)
実施例37
オレアン−12−エン−3β,21α,24(4β)−トリオール(化合物49)
実施例19の方法に従って、化合物48、11mgから、無色固体として化合物49、7mg(収率82%)を得た。
1H-NMR(CDCl3+CD3OD)δ ppm
0.85(3H,s),0.86(3H,s),0.89(3H,s),0.92(6H,s),0.96(3H,s),1.12(3H,s),1.23(3H,s),0.83-2.21(21H,m),3.32(1H,d,J=11.0Hz),3.39-3.45(1H,m),3.50(1H,dd,J=5.6Hz,11.8Hz),4.19(1H,d,J=11.0Hz),5.21(1H,t-like)
MS TSP(m/z):459(M+H)+
実施例38
3β,24(4β)−イソプロピリデンジオキシ−22β−トシルオキシオレアン−12−エン(化合物50)
化合物1、500mgをピリジンに溶解し、p−トルエンスルホニルクロライド287mg、触媒量の4−ジメチルアミノピリジンを加え、室温で一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮して、無色固体として化合物50、654mg(収率100%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.76(3H,s),0.84(9H,s),0.94(3H,s),0.96(3H,s),1.10(3H,s),1.14(3H,s),1.21(3H,s),1.37(3H,s),1.44(3H,s),0.78-2.10(21H,m),2.45(3H,s),3.22(1H,d,J=11.65Hz),3.43-3.46(1H,m),4.03(1H,d,J=11.65Hz),4.34-4.37(1H,m),5.22(1H,t-like)
MS FD(m/z):652(M+)
実施例39
3β,24(4β)−イソプロピリデンジオキシオレアン−12、21−ジエン(化合物51)
化合物50、65mgに氷冷下で水素化トリエチルホウ素リチウム(1.0M THF溶液)2mlを加え、65℃で1時間攪拌した。反応液を室温に戻し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、無機塩を濾別した。溶液を減圧濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製して、無色固体として化合物51、38mg(収率79%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.88(3H,s),0.96(9H,s),0.98(3H,s),0.99(3H,s),1.12(3H,s),1.17(3H,s),1.22(3H,s),1.38(3H,s),1.44(3H,s),0.90-2.13(19H,m),3.23(1H,d,J=11.54Hz),3.45-3.48(1H,m),4.05(1H,d,J=11.54Hz),5.20-5.32(3H,m)
MS EI(m/z):480(M+)
実施例40
オレアン−12、21−ジエン−3β,24(4β)−ジオール(化合物52)
化合物51、48mgをメタノール1ml、ジクロロメタン1mlに溶解し、1N塩酸0.5mlを加え1時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮して、無色固体として化合物52、36mg(収率82%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.87(3H,s),0.90(3H,s),0.94(3H,s),0.95(3H,s),0.98(3H,s),1.11(3H,s),1.25(3H,s),0.84-2.13(19H,m),2.36(1H,d,J=4.10Hz),2.68(1H,d,J=6.67Hz),3.32-3.37(1H,m),3.43-3.48(1H,m),4.21(1H,d,J=11.28Hz),5.20-5.30(3H,m)
MS EI(m/z):440(M+)
実施例41
オレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物53)
化合物51、30mgをメタノール2ml、ジクロロメタン1mlに溶解し、20%Pd(OH)2−C 5mgを加え一晩常圧接触還元を行った。反応液をろ過し、溶液を減圧濃縮して、無色固体として化合物53、26mg(収率93%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.82(3H,s),0.87(6H,s),0.89(3H,s),0.93(3H,s),1.13(3H,s),1.25(3H,s),1.25(3H,s),0.78-2.03(23H,m),2.37(1H,d,J=4.16Hz),2.71(1H,dd,J=2.50Hz,8.88Hz),3.32-3.37(1H,m),3.42-3.48(1H,m),4.21(1H,d,J=10.88Hz),5.18(1H,t-like)
MS EI(m/z):442(M+)
実施例42
3β−ベンゾイルオキシオレアン−12−エン−24(4β)−オール(化合物56)
化合物53、1.00g(2.26mmol)をピリジン10mlに溶解しトリチルクロライド881mg(3.16mmol)を加え、5時間還流した。溶媒を留去後、水を加え酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。無機塩をろ別後、溶液を減圧濃縮して化合物54(粗生成物)、1.5gを得た。化合物54(粗生成物)、1.5gをジクロロメタン20mlに溶解し、4-DMAP 690mg,ベンゾイルクロライド476.5mgを加え2時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮して、化合物55(粗生成物)、1.7gを得た。化合物55(粗生成物)、1.7gをメタノール20ml、アセトン50mlに溶解し、濃塩酸0.5mlを加え70℃で2時間攪拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液を加え中和し、溶媒留去後、水を加え酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製して、無色固体として化合物56,818mg(収率66%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.84(3H,s),0.87(3H,s),0.88(3H,s),0.98(3H,s),1.14(3H,s),1.15(3H,s),1.60(3H,s),0.80-2.10(24H,m),3.59(1H,t,J=10.7Hz),4.26(1H,dd,J=11.7Hz,2.6Hz),4.92(1H,dd,J=8.6Hz,7.6Hz),5.19(1H,t,J=3.6Hz),7.43-7.60(3H,m),7.96-8.00(2H,m).
FABMS(m/z):569(M++Na)
実施例43
3β−ベンゾイルオキシ−24(4β)−オキソオレアン−12−エン(化合物57)
化合物56、1.50mgをジクロロメタン5mlに溶解し、ピリジニウムクロロクロメート71.1mgを加え1時間攪拌した。1時間後ピリジニウムクロロクロsメート71.1mgを追加し更に1時間攪拌した。反応液にシリカゲルを加えろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=20:1)にて精製して、無色固体として化合物57,142mg(収率95%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.83(3H,s),0.88(3H,s),0.91(3H,s),0.96(3H,s),1.16(3H,s),1.17(3H,s),1.58(3H,s),0.80-2.20(23H,m),4.93(1H,dd,J=11.4Hz,5.9Hz),5.20(1H,t,J=3.5Hz),7.41-7.59(3H,m),7.97-8.00(2H,m),10.23(1H,s).
FABMS(m/z):545(M++1)
実施例44
24(4β)−オキソオレアン−12−エン−3β−オール(化合物58)
化合物57、121mg(0.222mmol)をメタノール3ml,THF4mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え3時間攪拌した。1N塩酸を加え中和し、溶媒留去後、水を加え酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=12:1)にて精製して、無色固体として化合物58,75.4mg(収率77%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.83(3H,s),0.87(9H,s),0.99(3H,s),1.14(3H,s),1.29(3H,s),0.80-2.10(23H,m),3.10-3.25(2H,m),5.19(1H,t,J=3.6Hz),9.77(1H,d,J=2.3Hz).
FABMS(m/z):441(M++1)
実施例45
24(4β)−メチルオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物59)
化合物58、50.0mg(0.114mmol)をTHF2mlに溶解し、−78℃に冷却した。同温度でMeLiのエーテル溶液0.42ml(1.08mmol/ml)を加えた後、30分かけて0℃まで昇温し、0℃で更に10分攪拌した。水を加え酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をpreparative TLC(展開系、n-ヘキサン:THF=2.2:1)にて精製して、無色固体として化合物59,39.0mg(収率75%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.83(3H,s),0.87(6H,s),0.96(3H,s),0.97(3H,s),1.12(3H,s),1.17(3H,s),1.23(3H,d,J=6.3Hz),0.80-2.10(25H,m),3.42(1H,dd,J=12.1Hz,3.8Hz),4.57(1H,q,J=6.3Hz),5.19(1H,t,J=3.6Hz).
FABMS(m/z):479(M++Na)
実施例46
3β−ベンゾイルオキシオレアン−12−エン−24(4β)−オイックアシッド(化合物60)
化合物57、300mgをtert-ブタノール15mlに溶解し、2−メチル−2−ブテン2.93mlを加えた。この反応液に亜塩素酸ナトリウム250mgとリン酸一ナトリウム430mgを水2.0mlに溶解した溶液を加え室温で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルエステルで抽出後、硫酸ナトリウムで乾燥した。無機塩を濾別し、溶液を減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチルエステル=4:1)にて精製して、無色固体の化合物60、261mg(収率85%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.84(3H,s),0.87(3H,s),0.88(3H,s),1.00(3H,s),1.01(3H,s),1.16(3H,s),1.37(3H,s),0.80-2.60(23H,m),4.81(1H,dd,J=12.3Hz,4.3Hz),5.21(1H,t,J=3.4Hz),7.40-7.58(3H,m),8.05-8.08(2H,m),.
FABMS(m/z):583(M++Na)
実施例47
メチル{オレアン−12−エン−3β−オール−24(4β)−オエイト}(化合物62)
化合物60、251mgをメタノール1ml,THF6mlに溶解し、4N水酸化ナトリウム水溶液1mlを加え室温で一晩攪拌した。1N塩酸を加え、pH3とし、溶媒留去後、水を加え酢酸エチルで抽出、硫酸ナトリウムで乾燥した。無機塩をろ別後、溶液を減圧濃縮した。得られた残査をメタノール6ml、THF6mlに溶解し、トリメチルシリルジアゾメタンのヘキサン溶液を過剰量加え室温で1分攪拌した。溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて精製して、無色固体として化合物62,136mg(収率65%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.79(3H,s),0.83(3H,s),0.87(3H,s),0.98(3H,s),1.13(3H,s),1.41(3H,s),1.58(3H,s),0.80-2.10(23H,m),3.09(1H,td,J=12.0Hz,4.5Hz),3.34-3.38(1H,m),3.68(3H,s),5.19(1H,t,J=3.5Hz).
FABMS(m/z):493(M++Na)
実施例48
24(4β)−メチル−24(4β)−オキソオレアン−12−エン−3β−オール(化合物63)、および
24(4β)、24(4β)−ジメチルオレアン−12−エン−3β、24(4β)−ジオール(化合物64)
化合物62、30.0mgをTHF2mlに溶解し、−78℃に冷却した。同温度でMeLiのエーテル溶液0.71ml(1.08mmol/ml)を加えた後、30分かけて室温まで昇温し、室温で更に4時間攪拌した。水を加え酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をpreparative TLC(展開系、n-ヘキサン:THF=6:1)にて精製して、無色固体として化合物63,16.7mg(収率58%)及び化合物64,3.4mg(収率11%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm(化合物63)
0.81(3H,s),0.83(3H,s),0.87(3H,s),1.01(3H,s),1.14(3H,s),1.39(3H,s),1.59(3H,s),2.18(3H,s),0.80-2.20(23H,m),3.05(1H,td,J=11.9Hz,4.1Hz),3.18-3.22(1H,m),5.20(1H,t,J=3.6Hz).
FABMS(m/z):454(M++1)
1H-NMR(CDCl3)δ ppm(化合物64)
0.83(3H,s),0.87(6H,s),1.02(3H,s),1.12(3H,s),1.19(3H,s),1.22(3H,s),1.41(3H,s),1.42(3H,s),0.80-2.40(25H,m),3.37-3.43(1H,m),5.21(1H,t,J=3.6Hz).
FABMS(m/z):493(M++Na)
実施例49
22−メチレンオレアン−12−エン−3(−オール(化合物65)
化合物58、25mgをTHF1mlに溶解し、Tebbe試薬(0.5mmol/mlトルエン溶液)0.57mlを0℃で加え、0℃で30分、室温で一晩攪拌した。ジエチルエーテル、1N-NaOHを加えろ過、ろ液を減圧濃縮した。水を加え酢酸エチルで抽出、硫酸ナトリウムで乾燥後、無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をpreparative TLC(展開系、n-ヘキサン:THF=5:1)にて精製して、無色固体として化合物65,17.9mg(収率72%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.83(3H,s),0.87(6H,s),0.93(3H,s),0.94(3H,s),1.14(3H,s),1.18(3H,s),0.80-2.10(24H,m),3.20-3.35(1H,m),5.09(1H,dd,J=17.6Hz,1.7Hz),5.17-5.24(2H,m),6.06(1H,dd,J=17.6Hz,11.2Hz).
FABMS(m/z):(M++Na)
実施例50
21−オキソオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物66)
実施例19の方法に従って、化合物47、7mgから、無色固体として化合物66、6mg(収率100%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.93(3H,s),0.94(3H,s),1.00(6H,s),1.11(3H,s),1.20(3H,s),1.25(3H,s),0.83-2.50(23H,m),3.34(1H,d,J=11.0Hz),3.45(1H,dd,J=3.8Hz,11.0Hz),4.21(1H,d,J=11.0Hz),5.32(1H,t-like)
MS TSP(m/z):474(M+NH4+)
実施例51
22β−エチルマロニルオキシ−3β,24(4β)−イソプロピリデンジオキシオレアン−12−エン(化合物67)
化合物3、100mgをジクロロメタン3mlに溶解し、4-ジメチルアミノピリジン37mg、エチルマロニルクロライド38μlを加えて、室温で30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮し、得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製して、無色固体として化合物67、85mg(収率67%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.83(3H,s),0.90(3H,s),0.98(3H,s),0.99(3H,s),1.15(3H,s),1.16(3H,s),1.22(3H,s),1.28(3H,t,J=7.2Hz),1.38(3H,s),1.44(3H,s),0.86-2.21(21H,m),3.23(1H,d,J=11.5Hz),3.35(2H,s),3.46(1H,dd,J=4.6Hz,9.5Hz),4.05(1H,d,J=11.5Hz),4.19(2H,q,J=7.2Hz),4.73(1H,t-like),5.32(1H,t-like)
MS TSP(m/z):635(M+Na+)
実施例52
22β−マロニルオキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物68)
化合物67、73mgをエタノール5ml、ジクロロメタン1mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム0.8mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性にし、ジクロロメタンで抽出した。溶液を減圧濃縮し、得られた残さをメタノール2ml、ジクロロメタン1mlに溶解し、1N塩酸0.5mlを加えて、室温で30分攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮して、無色固体として化合物68、54mg(収率83%)を得た。
1H-NMR(CDCl3+CD3OD)δ ppm
0.81(3H,s),0.87(3H,s),0.88(3H,s),0.91(3H,s),0.96(3H,s),1.12(3H,s),1.22(3H,s),0.84-2.20(21H,m),3.28-3.44(2H,m),3.33(2H,s),4.18(1H,d,J=11.3Hz),4.71(1H,t-like),5.22(1H,t-like)
MS FAB(m/z):567(M+Na+)
実施例53
3β,24(4β)−イソプロピリデンジオキシ−22β−メトキシカルボニルプロポキシオレアン−12−エン(化合物69)
化合物3、50mgを無水DMF1mlに溶解し、60%水素化ナトリウム20mgを加えて、室温で2.5時間攪拌した後、トリメチル-4-ブロモオルトブチレート87μlを加えて50℃で一晩攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて、水で2回洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮し、得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開系、n-ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、無色固体として化合物69、15mg(収率24%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.86(3H,s),0.88(3H,s),0.99(3H,s),1.00(3H,s),1.12(3H,s),1.16(3H,s),1.22(3H,s),1.38(3H,s),1.44(3H,s),0.82-2.13(23H,m),2.43(2H,t,J=7.2Hz),2.86-2.89(1H,m),3.16-3.22(1H,m),3.23(1H,d,J=11.5Hz),3.46(1H,dd,J=4.6Hz,9.5Hz),3.52-3.58(1H,m),3.67(3H,s),4.05(1H,d,J=11.5Hz),5.23(1H,t-like)
MS TSP(m/z):599(M+H)+
実施例54
22β−メトキシカルボニルプロポキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物70)
化合物69、15mgをメタノール1ml、ジクロロメタン0.5mlに溶解し、1N塩酸0.2mlを加えて、室温で15分間攪拌した。ジクロロメタンで抽出後、硫酸マネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮して、無色固体として化合物70、13mg(収率94%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.86(3H,s),0.87(3H,s),0.89(3H,s),0.94(3H,s),1.00(3H,s),1.11(3H,s),1.25(3H,s),0.83-2.13(25H,m),2.42(2H,t,J=7.2Hz),2.86-2.88(1H,m),3.16-3.22(1H,m),3.32-3.38(1H,m),3.42-3.48(1H,m),3.52-3.58(1H,m),3.67(3H,s),4.21(1H,d,J=11.0Hz),5.21(1H,t-like)
MS TSP(m/z):576(M+NH4+)
実施例55
オレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール−22β−O−プロパンカロボキシリックアシッド(化合物71)
化合物70、13mgをメタノール2ml、ジクロロメタン1mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム0.8ml加えて、室温で10時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性にし、ジクロロメタンで抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ別し、溶液を減圧濃縮して、無色固体として化合物71、10mg(収率83%)を得た。
1H-NMR(CDCl3+CD3OD)δ ppm
0.86(3H,s),0.88(3H,s),0.89(3H,s),0.94(3H,s),1.00(3H,s),1.11(3H,s),1.24(3H,s),0.82-2.12(23H,m),2.43(2H,t,J=7.2Hz),2.88-2.91(1H,m),3.20-3.26(1H,m),3.33(1H,d,J=11.0Hz),3.39-3.44(1H,m),3.53-3.60(1H,m),4.20(1H,m),5.22(1H,t-like)
MS TSP(m/z):543(M-H)-
実施例56
3β,24(4β)−イソプロピリデンジオキシ−22β−アニリンカルボニルオキシオレアン−12−エン(化合物72)
化合物3、30.0mgをピリジン2mlに溶解し、フェニルイソシアネート14mgを加え1hr還流した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、無機塩を濾別した。溶液を減圧濃縮し、得られた固体をpreparative TLC(展開系、n-ヘキサン:THF=7:1)にて精製して、無色固体として化合物72、23.0mg(収率62%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.89(3H,s),0.92(3H,s),1.00(3H,s),1.02(3H,s),1.16(6H,s),1.23(3H,s),1.38(3H,s),1.44(3H,s),0.80-2.30(21H,m),3.23(1H,d,J=11.6Hz),3.46(1H,dd,J=9.3,4.1Hz),4.05(1H,d,J=11.6Hz),4.65(1H,t,J=3.8Hz),5.27(1H,t-like),6.50(1H,s),7.05(1H,t,J=7.2Hz),7.28-7.42(4H,m).
FABMS(m/z):640(M+Na)+
実施例57
22β−アニリノカルボニルオキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール(化合物73)
化合物72、20.0mgをメタノール1mlに溶解し、1N HCl 0.1mlを加え室温で5分攪拌した。溶媒留去後、NaHCO3飽和水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、無機塩を濾別した。溶液を減圧濃縮し、得られた固体をpreparative TLC(展開系、n-ヘキサン:THF=2.5:1)にて精製して、無色固体として化合物73、16.2mg(収率87%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.88(3H,s),0.90(3H,s),0.92(3H,s),0.95(3H,s),1.02(3H,s),1.15(3H,s),1.25(3H,s),0.80-2.70(23H,m),3.31-3.49(2H,m),4.21(1H,dd,J=11.4,2.0Hz),4.65(1H,t,J=4.1Hz),5.26(1H,t,J=3.2Hz),6.49(1H,s),7.05(1H,t,J=7.4Hz),7.27-7.43(4H,m).
FABMS(m/z):600(M+Na)+
実施例58
22β−アミノカルボニルオキシオレアン−12−エン−3β、24(4β)−ジオール(化合物74)
化合物3、5.6mgをピリジン0.2mlに溶解し、トリクロロアセチルイソシアネート4.2mgを加え室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた固体にメタノール0.5ml,炭酸カリウム6.2mgを加え室温で10分攪拌した。溶媒留去後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。溶液を減圧濃縮し、得られた固体にメタノール0.5ml,1N HCl 0.1mlを加え室温で10分攪拌した。溶媒留去後、NaHCO3飽和水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、無機塩を濾別した。溶液を減圧濃縮し、得られた固体をpreparative TLC(展開系、n-ヘキサン:AcOEt=1:1.5)にて精製して、無色固体として化合物74、2.5mg(収率44%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ ppm
0.84(3H,s),0.89(3H,s),0.90(3H,s),0.95(3H,s),1.00(3H,s),1.14(3H,s),1.25(3H,s),0.80-2.80(23H,m),3.32-3.48(2H,m),4.21(1H,d,J=11.0Hz),4.48-4.56(3H,m),5.24(1H,t,J=3.5Hz)
FABMS(m/z):524(M+Na)+
製剤例1 錠剤
常法により湿式造粒し、ステアリン酸マグネシウムを添加したのち打錠し、一錠当たり下記の組成の錠剤を製造した。
製剤例2 座剤
ウイラップゾールH-15を60℃で加熱して溶かし、化合物2を加えて分散させ座剤コンテナに充填し、室温に冷却して1個当たり下記の組成の座剤を製造した。
試験例1
肝細胞障害抑制モデル(in vitro)における効果
Hep G2細胞にアフラトキシンB1(10-5M)存在下、被検化合物を0.1−10μg/mlの濃度で添加し、CO2インキュベーター中で37℃、48時間培養した。培養終了後、細胞をトリパンブルーで染色し、その色素取り込み能をモノセレーター(オリンパス社製)で測定した。肝細胞障害抑制率(%)は以下に示される式に従って算出した。但し、対照群の値はアフラトキシンB1単独存在下での吸光度(%)を示し、処置群の値はアフラトキシンB1と被検化合物との共存下での吸光度(%)を示す。
その結果、化合物2、6、10、17、20、22、26、27、32、33、36、37,46、49、66および73は、5%以上の肝細胞障害抑制効果を示した。
試験例2
コンカナバリアンA(Con A)肝炎モデルにおける効果
21−25gのBALB/c系雄性マウス(8週齢)に生理食塩水に溶解したCon Aを20mg/kgの用量で静脈内投与して肝炎を発症させた。被検化合物(化合物7)を25%ジメチルスルホキシド、25%ポリエチレングリコール400、0.25%カルボキシメチルセルロースの混合液(コントロールビークル)に懸濁し、Con A投与2時間前および14時間前に0.2mg/マウス、1.0mg/マウス、および2.0mg/マウスの3用量で皮下投与した。対照群としてコントロールビークルのみを投与した。Con A投与24時間後に、エーテル麻酔下、屠殺し、血漿(プラズマ)中アラニン アミノ トランスフェラーゼ(ALT)活性を肝障害の指標として測定した。
その結果は、図1に示される通りであった。すなわち、被検化合物で処理されない場合(対照群)のALT活性は2068±518(u/l)に対し、化合物7の1.0mg/マウスおよび2.0mg/マウスの処置群でALT活性は55±16(u/l)と、Con A未処置群の値(すなわち正常値)と同じレベルまで低下した。
Claims (35)
- 下記の式(I)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩を有効成分として含有してなる、肝疾患治療剤。
[式中、
R1は、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルコキシ基、または
低級アルカノイルオキシ基を表し、
R2は、
低級アルキル基、
低級アルケニル基、
−CH2OR5(ここで、R5は水素原子、アリールメチル基、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は水素原子または低級アルキル基を表す)、または
−CH2N(R7)R8(ここで、R7およびR8は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、アリール基、または低級アルカノイル基を表す)を表すか、
あるいは、R1およびR2は一緒になって、−O−C(R9)R10−O−CH2−(ここで、R9およびR10は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基またはアリール基を表す)を形成していもてよく、
R3およびR4は、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
低級アルキル基、
低級アルケニル基、
アリール基、
ヒドロキシメチル基、
−N(R11)R12(ここで、R11およびR12は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−OR13(ここで、R13は低級アルキル基、シクロ低級アルキル基、アラルキル基、低級アルカノイル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、低級アルケニル基、低級アルケニルカルボニル基、またはアリール低級アルケニルカルボニル基を表す)を表し、
あるいは、R3およびR4は一緒になって、オキソ基、ヒドロキシイミノ基、またはアルキリデン基を形成していてもよく、
Xは、O、CH2、またはNHを表す。] - R1が水酸基を表し、R3が水素原子を表し、かつ、XがOを表す、請求項1記載の肝疾患治療剤。
- R1が水酸基を表し、R2がヒドロキシメチル基を表し、R3が水素原子を表し、R4が水酸基または−OR13を表し、かつ、XがOを表す、請求項1記載の肝疾患治療剤。
- 下記の式(Ia)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩。
[式中、
R1は、水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、
R2は、ヒドロキシメチル基、低級アルコキシメチル基、低級アルカノイルオキシメチル基、またはカルボキシル基を表すか、
あるいはR1およびR2は一緒になって、−O−C(R14)R15−O−CH2−(ここで、R14およびR15は同一または異なり、水素原子または低級アルキル基を表す)を形成していてもよく、
R3およびR4は、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
低級アルキル基、
低級アルケニル基、
アリール基、
ヒドロキシメチル基、
−N(R11)R12(ここで、R11およびR12は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−OR13(ここで、R13は低級アルキル基、シクロ低級アルキル基、アラルキル基、低級アルカノイル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、低級アルケニル基、低級アルケニルカルボニル基、またはアリール低級アルケニルカルボニル基を表す)を表し、
あるいは、R3およびR4は一緒になって、オキソ基、ヒドロキシイミノ基、またはアルキリデン基を形成していてもよく、
Xは、O、CH2、またはNHを表すが、
但し、R1が水酸基を表し、R2がヒドロキシメチル基を表し、R3が水素原子を表し、R4が水酸基を表し、かつXがOを表す化合物は除く。] - R1が水酸基を表し、R3が水素原子を表し、かつ、XがOを表す、請求項4記載の化合物またはその塩。
- R1が水酸基を表し、R2が−CH2OHを表し、R3が水素原子を表し、R4がメトキシ基を表し、かつ、XがOを表す、請求項4記載の化合物またはその塩。
- 下記の式(II)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩を有効成分として含有してなる、肝疾患治療剤。
[式中、
R16は、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルコキシ基、または
低級アルカノイルオキシ基を表し、
R17は
低級アルキル、
低級アルケニル、
−CH2OR5(ここで、R5は前記と同一の意味を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−CH2OCON(R9)R10(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)、
−CON(R29)R30(ここで、R29およびR30は同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、低級アルカノイル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、
−CH2N(R7)R8(ここで、R7およびR8は前記と同一の意味を表す)、
−C(R6)2OH(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−COR6a(ここで、R6aは低級アルキル基を表す)、または
−CH=CHR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)を表すか、
あるいは、R16およびR17は一緒になって、−O−C(R9)R10−O−CH2−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)を形成していてもよく、
R18およびR19は、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルキル基、−N(R11)R12(ここで、R11およびR12は前記と同一の意味を表す)、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−OR13(ここで、R13は前記と同一の意味を表す)、
−O−(CH2)m−R22
(ここで、
R22は
アミノ基、
−NH−COOR23(ここで、R23はアリールメチル基、または低級アルキル基を表す)、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、または
−COOR24(ここで、R24は水素原子、低級アルキル基、またはアリールメチル基を表す)を表し、
mは1〜4の整数を表す)、
−OCOCH(R25)(CH2)n−R22(ここで、R22は前記と同一の意味を表し、R25は水素原子、低級アルキル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、nは0〜3の整数を表す)、
−OCOCH=CH−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、または−OCON(R29)R30(ここで、R29およびR30は前記と同一の意味を表す)を表し、
あるいは、R18およびR19は一緒になって、オキソ基を表し、
R20およびR21は、それぞれ前記R18およびR19と同一の意味を表すが、但し、R20およびR21が同時に水素原子になる場合は除かれ、
あるいは、R18およびR20は一緒になって、−O−[C(R9)R10]p−O−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表し、pは1〜3の整数を表す)、または−OCO−[C(R9)R10]q−OCO−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表し、qは0〜2の整数を表す)を表し、
Yは、O、CH2、またはNH、もしくは単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される。] - R16が水酸基を表し、R17が−CH2OHを表し、R18およびR20が共に水素原子を表し、R19およびR21が共に水酸基を表し、かつ、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18が水素原子を表し、R19が−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19並びにR20およびR21が一緒になってともにオキソ基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19が一緒になってオキソ基を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19が水素原子を表し、R20およびR21が一緒になってオキソ基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19が水素原子を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基を表し、R17は−CH2OR5を表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果YがOを表す、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−C(R6)2OHを表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−COR6aを表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシ基を表し、R17が−CH=CHR6を表すか、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項7に記載の肝疾患治療剤。
- 下記の式(IIa)で表されるトリテルペン誘導体またはその塩。
[式中、
R16は、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を除く)、または
低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を除く)を表し、
R17は
低級アルキル、
低級アルケニル、
−CH2OR5(ここで、R5は前記と同一の意味を表す)、
ホルミル基、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−CH2OCON(R9)R10(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)、
−CON(R7)R8(ここで、R7およびR8は前記と同一の意味を表す)、
−CH2N(R7)R8(ここで、R7およびR8は前記と同一の意味を表す)、
−C(R6)2OH(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−COR6a(ここで、R6aは低級アルキル基を表す)、または
−CH=CHR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)を表すか、
あるいは、R16およびR17は一緒になって、−O−C(R9)R10−O−CH2−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表す)を形成していてもよく、
R18およびR19は、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、
低級アルキル基、−N(R11)R12(ここで、R11およびR12は前記と同一の意味を表す)、
−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、
−OR13(ここで、R13は前記と同一の意味を表す)、
−O−(CH2)m−R22
(ここで、R22は
アミノ基、
−NH−COOR23(ここで、R23はアリールメチル基、または低級アルキル基を表す)、
水酸基、
アリールメチルオキシ基、または
−COOR24(ここで、R24は水素原子、低級アルキル基、またはアリールメチル基を表す)を表し、
mは1〜4の整数を表す)、
−OCOCH(R25)(CH2)n−R22(ここで、R22は前記と同一の意味を表し、R25は水素原子、低級アルキル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、nは0〜3の整数を表す)、
−OCOCH=CH−COOR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、または−OCON(R29)R30(ここで、R29およびR30は前記と同一の意味を表す)を表し、
あるいは、R18およびR19は一緒になって、オキソ基を表し、
R20およびR21は、それぞれ前記R18およびR19と同一の意味を表すが、但し、R20およびR21が同時に水素原子になる場合は除かれ、
あるいは、R18およびR20は一緒になって、−O−[C(R9)R10]p−O−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表し、pは1〜3の整数を表す)、または−OCO−[C(R9)R10]q−OCO−(ここで、R9およびR10は前記と同一の意味を表し、qは0〜2の整数を表す)を表し、
Yは、O、CH2、またはNH、もしくは単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成されるが、
但し、R16が水酸基を表し、R17が−CH2OCH3を表し、R20が水酸基またはメトキシ基を表し、R18およびR21が共に水素原子を表し、R19が水酸基またはメトキシ基を表し、かつ、Yが単結合を表す化合物、
R16が水酸基を表し、R17が−CH2OHを表し、R20が水酸基を表し、R18、R19、およびR21が共に水素原子を表し、かつ、Yが単結合を表す化合物、および
R16が水酸基を表し、R17が−CH2OHを表し、R18が水酸基を表し、R19、R20、およびR21が共に水素原子を表し、かつ、Yが単結合を表す化合物を除く。] - R16が水酸基、低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を含む)、または低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を含む)を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18が水素原子を表し、R19が−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項18に記載の化合物。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を含む)、または低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を含む)を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19並びにR20およびR21が一緒になってともにオキソ基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項18に記載の化合物。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を含む)、または低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を含む)を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19が一緒になってオキソ基を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項18に記載の化合物。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を含む)、または低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を含む)を表し、R17が−CH2OR5を表し、R18およびR19が水素原子を表し、R20およびR21が一緒になってオキソ基を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項18に記載の化合物。
- R16が水酸基を表し、R17は−CH2OR5を表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果YがOを表す、請求項18に記載の化合物。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を除く)、または低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を除く)を表し、R17が−C(R6)2OHを表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項18に記載の化合物。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を除く)、または低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を除く)を表し、R17が−COR6aを表し、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項18に記載の化合物。
- R16が水酸基、低級アルコキシ基(但し、メトキシ基を除く)、または低級アルカノイルオキシ基(但し、アセトキシ基を除く)を表し、R17が−CH=CHR6を表すか、R18が水素原子を表し、R19が水酸基または−OR13を表し、R20が水素原子を表し、R21が水酸基または−OR13を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項18に記載の化合物。
- R1が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシを表し、R2が−CH2OR5を表し、R27が−OCO−(CH2)n−R16を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項27に記載のトリテルペン誘導体。
- R1が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシを表し、R2が−CH2OR5を表し、R27が−O−(CH2)m−R22を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項27に記載のトリテルペン誘導体。
- R1が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシを表し、R2が−CH2OR5を表し、R27が−OCOCH(R25)(CH2)n−R22または−OCOCH=CH−COOR6を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項27に記載のトリテルペン誘導体。
- R1が水酸基、低級アルコキシ基、または低級アルカノイルオキシを表し、R2が−CH2OR5を表し、R27が−OCON(R29)R30を表し、Yが単結合を表し、その結果Yが結合する環において共鳴する二重結合が形成される、請求項27に記載のトリテルペン誘導体。
- 請求項27〜31のいずれか一項に記載の化合物を有効成分として含有してなる、肝疾患治療剤。
- R18およびR19が水素原子、水酸基、または−OR13を表し、R28が−CON(R29)R30(ここで、R29およびR30は前記と同じ意味を表す)、−C(R6)2OH(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)、−COR6a(ここで、R6aは前記と同一の意味を表す)、または−CH=CHR6(ここで、R6は前記と同一の意味を表す)を表す、請求項33に記載の化合物。
- 請求項33または34に記載の化合物を有効成分として含有してなる、肝疾患治療剤。
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