JP3724106B2 - エンジンのラダーフレーム構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンのシリンダブロックを補強するためのラダーフレーム構造の改良に関し、更に詳しくは剛性が高く、耐久信頼性の高いラダーフレーム構造を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの振動や騒音を発生させる主要な部分としては、動弁系の衝撃や燃焼圧力に伴う衝撃やピストンスラップ等が考えられるが、これらの内、燃焼圧力は低周波から高周波成分までの広い振動を含んでおり、最も大きな振動・騒音の発生原因となっている。
【0003】
燃焼圧力はシリンダヘッドとピストンを介してシリンダブロックに伝達され、これに伴って発生する振動エネルギーの大部分はピストン側からシリンダブロックへ伝達される。そしてピストンに伝達された振動エネルギーはクランクシャフトを経由してシリンダブロックに伝達され、このシリンダブロックで一部が放射されて騒音となり、更にこのシリンダブロックの下部の解放面に取付けられているオイルパンやフロントカバー等にも伝達されて放射され、エンジン騒音となっている。
【0004】
エンジンの振動や騒音を低減する方法としてはシリンダブロックの下部構造の剛性を高める方法があるが、この方法はエンジンの重量を増加するために好ましくはない。そこで例えば、イ)実開昭59−552号、ロ)実開平6−73355号公報等でクランクシャフトを軸支するラダーフレーム構造を強化する方法が提案され、実施されている。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
前記イ)の技術は、シリンダブロックの下縁に締結される複数のベアリングキャップ部の両側端部を、シリンダブロックスカート部に連なる側壁部にて前後方向に一体的に連結したクランクフレームの側壁部の下縁に厚肉部を設けるとともに、この厚肉部とベアリングキャップ部とが交差する隅部に、両者を斜めに結合する火打ち部を一体的に形成した構造を提案している。
【0006】
しかし、このエンジンの構造はクランクシャフトのウエイト部やコンロッドピンの回転軌跡を避けるため、下面を大きく開口せざるを得ない構造となるためにクランクフレームの剛性を高めることが困難であり、更に厚肉部の厚さをかなり厚くしなければ効果が期待できず、その結果、エンジンの振動や騒音の低減効果に比較して重量が増加するという問題がある。
【0007】
前記ロ)の技術は、図4に示すようにラダーフレーム20の下面にこのラダーフレーム20より比強度の高い材料で作ったクランクシャフトの回転軌跡を回避する後退部21aを板状に形成した補強プレート(ベッドプレート)21を配置し、更にその下面に図示しないオイルパンを配置し、このオイルパンの下面から前記補強プレート21からラダーフレーム20を通してシリンダブロックの側壁に至るボルトで一体的に締結した構造を提案している。
【0008】
しかし、このエンジンの構造は、ラダーフレーム20の下面に補強プレート21を付加しているので、ラダーフレーム20等の剛性が向上する反面、コストが大幅に増加する欠点がある。また、図示しないシリンダブロックと前記ラダーフレーム20と補強プレート21と、更にオイルパンからなる多数の部材を積層し、これらにボルトをオイルパン側から貫通して一体的に組立てることから、各合面である取付面が増加することになり、その結果シール面の耐久信頼性が低下するという問題がある。更にラダーフレーム20と補強プレート21とシリンダブロックとの結合は、長いボルトを使用して締結するので、結合剛性が低下し、エンジン全体の剛性も低下するという問題がある。
【0009】
本発明は特に、ロ)の技術の欠点を改良し、剛性を高めたラダーフレーム構造によってシリンダブロックのスカート部を補強する構造を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係るエンジンのラダーフレーム構造は、エンジンのシリンダブロックの下面に締結され、複数のベアリングキャップ部の両端を連結したラダーフレーム構造において、前記複数のベアリングキャップ部の間の側壁部の断面形状をクランク軸の回転軌跡に対応して円弧状に形成し、前記側壁部の下面にオイルが流通可能な開口部を設けるとともに、前記側壁部の外側の高さ方向中間の位置にオイルパンを取り付けるフランジ部を設けている。
【0011】
そして、このフランジ部に取り付けたオイルパンの内部に前記ラダーフレームの下方部分を突出させる構造となっている。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係るラダーフレームの一部を示す平面図、図2は図1におけるA−A断面図、そして図3はラダーフレームと関連する部材の関係を示す斜視図である。
【0013】
エンジンのシリンダブロック1の下部解放面に本発明に係るラダーフレーム2を設け、更にこのラダーフレーム2の側壁部の中間位置にオイルパン3のフランジ部4を固定して前記ラダーフレーム2の下部の開口部を閉止するようになっている。
本発明に係るラダーフレーム2は、上面に設けたフランジ部5の下方に側壁部6を延長し、この側壁部6の下面に開口部7を形成し、更に前記側壁部6の内面側に図1のように複数個のベアリングキャップ部8を配置して両側壁部6の間を連結してラダーフレーム2全体を補強している。
【0014】
ラダーフレーム2の側壁部6は図2に示すように図示しないクランク軸の回転軌跡Cにほぼ沿って形成され、外面あるいは外面と内面に連通してリブ9a,9bが長手方向に設けられ、更にこのリブ9bの下側であって、側壁部6の中間位置にフランジ部9cが形成され、側壁部6の下端部に肉厚部9dが開口部7を囲んで枠状に形成されている。
【0015】
前記ベアリングキャップ部8の上面の中間部にベアリングキャップ支持面10を形成し、このベアリングキャップ支持面10の背面と側壁部6の内面との間に複数本の肉厚のリブ8a〜8dを連結し、これらのリブ8a〜8dと前記側壁部6とで囲まれた部分に壁11が設けられて補強し、更にこの壁11に窓14が開口されてベアリングキャップ部8間にオイルや空気の通過を許容するようになっている。
【0016】
前記フランジ部9cより上方部分は、従来のラダーフレームと同様なシリンダブロックの下部構造の補強をする機能を持ち、更に前記より下方部分は従来の補強プレートと同様にラダーフレーム2を補強する機能を持っており、この部分はオイルパン3内に収容されている。
前記側壁部6は、図示しないクランク軸の回転軌跡Cに近い円弧状の断面に形成されており、これの内面を多数のリブ8a〜8dとこれらのリブ8a〜8dと該側壁部6を結ぶ壁11からなるベアリングキャップ部8を一体的に形成して補強すると共に、軽量化を図った構造に形成されている。そしてラダーフレーム2の下面の肉厚部9dで囲まれた枠形の部分に開口部7が設けられてオイルパン3とラダーフレーム2との間を連通している。
【0017】
また、ベアリングキャップ部8の両側にはメインボルト孔12が開口されており、これのピッチはシリンダブロック1に形成したベアリングキャップ部に開口したメインボルト孔まで貫通している。
また、ラダーフレーム2の側壁部6の中程に形成したフランジ部9cの下面にオイルパン3の取付面であるフランジ部4を当てがい、図示しないボルトで当接面に設けたシール材を介して締結するようになっている。
【0018】
前記オイルパン3のフランジ部4の取付面である前記フランジ部9cの位置は、ラダーフレーム2の下面である肉厚部9dの下端面N、及びメインボルト孔12の孔の開口端面Mよりも上部であって、このラダーフレーム2の高さの半分の部分に設けてある。従って、ラダーフレーム2の下半分はオイルパン3内に収容され、上半分はシリンダブロック1側に連結された状態となっている。
【0019】
図4に示した従来の補強プレート21は、ラダーフレーム20の下面を補強する構造のものであることから、ラダーフレーム20自体にもかなりの強度を持たせなければならなかった。一方、本発明に係るラダーフレーム2においては、図2に示すように側壁部6をオイルパン3の内部まで延長してその面積を広くしているので、ラダーフレーム2の強度をかなり高くすることができ、これを取付けたシリンダブロック1の下部構造を十分に補強することができる。
【0020】
また、この側壁面6はクランク軸の回転軌跡Cに沿わせて円弧状に形成してラダーフレーム2を構成しており、このラダーフレーム2の下面が塞がれたような形状になっているので剛性が向上する。そして前記側壁面6はクランク軸の回転軌跡Cに合わせて構成されているのでこのクランク軸が干渉することがない。
更に、ラダーフレーム2の下端面N及びメインボルト締結孔端面Mがオイルパン3の取付面であるフランジ部9cよりも下部に位置しているので、ラダーフレーム2の高さが増した分がオイルパン3内に収容されることになり、従ってエンジンの高さを高くすることがない。また、従来のシリンダブロック、オイルパンをそのまま使用することができる。
【0021】
また、シリンダブロック1とラダーフレーム2との間、及びこのラダーフレーム2とオイルパン3との間はそれぞれシール部材を介して接合されるので複数枚のシール部材を押圧することがないので、シール面における信頼性が向上する。また、ラダーフレーム2とシリンダブロック1との間はメインボルトで締結されることからシリンダブロック1の下部構造を容易に強化することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係るエンジンのラダーフレーム構造は、エンジンのシリンダブロックの下面に締結され、複数のベアリングキャップ部の両端を連結したラダーフレーム構造において、前記複数のベアリングキャップ部の間の側壁部の断面形状をクランク軸の回転軌跡に対応して円弧状に形成し、前記側壁部の下面にオイルが流通可能な開口部を設けるとともに、前記側壁部の外側の高さ方向中間の位置にオイルパンを取り付けるフランジ部を設け、該フランジ部に取り付けたオイルパンの内部に前記ラダーフレームの下方部分を突出させるので次の効果を奏することができる。
【0023】
1.本発明のラダーフレームによれば、シリンダブロックの下面が塞がれた形状になっているので、剛性が著しく向上する。
2.本発明のラダーフレームの側壁部はクランク軸の回転軌跡に沿った形状をしているのでクランク軸と側壁部とが干渉することがなく、またオイルはオイルパンに円滑に流下する。
【0024】
3.本発明のラダーフレームの下方部分がオイルパンの内部に突出しているので、ラダーフレームの高さが高くなった分がオイルパン内に収容されてエンジンの高さを高くすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るラダーフレームの一部を示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】ラダーフレームと関連する部材との関係を示す斜視図である。
【図4】従来のラダーフレームと補強プレートとの関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 ラダーフレーム 3 オイルパン
4,5 フランジ部 6 側壁部 7 開口部
8 ベアリングキャップ部 8a〜8d リブ
9a,9b リブ 9c フランジ部 10 ベアリングキャップ支持面
11 壁 12 メインボルト孔 14 窓
M メインボルト孔の開口端面 N 下端面
Claims (1)
- エンジンのシリンダブロックの下面に締結され、複数のベアリングキャップ部の両端を連結したラダーフレーム構造において、前記複数のベアリングキャップ部の間の側壁部の断面形状をクランク軸の回転軌跡に対応して円弧状に形成し、前記側壁部の下面にオイルが流通可能な開口部を設けるとともに、前記側壁部の外側の高さ方向中間の位置にオイルパンを取り付けるフランジ部を設け、該フランジ部に取り付けたオイルパンの内部に前記ラダーフレームの下方部分を突出させることを特徴とするエンジンのラダーフレーム構造。
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