JP3722524B2 - 連続用紙処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二つ折り、または三つ折りする重ね合わせ面の少なくとも一面側に感圧性接着剤を設け、側部には移送孔を等間隔に透設したマージナル部を有する連続用紙に対し、折り畳み、マージナル部の切断除去、所定単位長の切断、重ね合わせ面の接着、という処理を施すための連続用紙処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の処理装置は知られているが、折り畳んだ連続状態にある用紙に対して圧を加え、重ね合わせ面を圧着すると、圧着時に連続用紙が押しつぶされて伸びる状態となり、この伸びが累積してシワとなり、このシワの累積によって折り畳み重ね合わせ面にズレを生じ、正規に折り畳み重ね合わされていない状態で圧着されることになって、大量の不良品が発生するとともに、連続用紙の移送にも支障を来たすという事態を生じてしまう。このような事態を防止するには、所定長に切断して単位用紙とした後に、重ね合わせ面を圧着すればよいのであるが、重ね合わせ面が接着していないので、単位用紙を圧着すべく移送中に、重ね合わせ面がズレてしまい、ジャムを生じたり、ズレた状態のまま圧着されて不良品になるという不都合を生じる。
【0003】
従来、このような不都合を避けるために、特公昭62−7000号公報で開示されているように、所定長の単位用紙に切断する前段階に仮接着部(仮綴じ部)を設け、重ね合わせ接着面の全部もしくは一部を仮接着(仮綴じ)することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この仮接着部を設ける構成では、仮接着部という余分な構成を付加するために処理装置が大型化してしまうという不都合がある。連続用紙が単位長を形成する横ミシン目を有する場合には、低速ローラと高速ローラの移送速度差を利用して切断するバースタ装置を切断部に採用することにより、前記低速ローラで仮接着部を兼ねることができるが、連続用紙に単位長を形成する横ミシン目がない場合には、バースタ装置を切断部に採用できないので、仮接着部は不可欠であり、処理装置の大型化という不都合を解消することができない。本発明はこの不都合を解消した連続用紙処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために本発明の請求項1に記載した連続用紙処理装置は、二つ折り、または三つ折りして重ね合わせる重ね合わせ面の少なくとも一面側には感圧性接着剤を設け、側部には移送孔を等間隔に透設したマージナル部を有する一方、単位長を形成する横ミシン目は有しない連続用紙の処理装置であって、連続用紙を二つ折り、または三つ折りする折り畳み部と、折り畳まれた連続用紙をマージナル部の移送孔を利用して所定方向に移送するトラクタ移送部と、連続用紙のマージナル部を切断するマージナルスリット部と、一対の回転胴の一方にその軸方向に延びるよう設けた切断刃によって連続用紙を所定の単位長に切断するとともに切断時の圧により切断端を仮綴じする切断部と、切断した用紙に圧をかけて重ね合わせ面を接着する圧着部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載した連続用紙処理装置は、請求項1の構成に加えて、トラクタ移送部と切断部の一対の回転胴の一方とをギアを介して連繋したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。ここにおいて、図1は装置全体を概略的に示す斜視図、図2は同じく側面図、図3は連続用紙の概略的な断面図である。
【0008】
まず、処理の対象となる連続用紙について説明する。図1〜図3に示すように、連続用紙1は、二つ折りするための折り用ミシン目2を幅方向中央に有し、幅方向両側には移送孔3a,3bを等間隔に透設したマージナル部4a,4bを有している。また、前記折り用ミシン目2で折り重ねた場合に重ね合わせ面となる前記連続用紙1の表面側には、通常では接着せず所定の圧を加えると接着可能となり、接着後に剥離可能で、印字あるいは印刷が可能な感圧性接着剤5を全面的に塗布している。
【0009】
上述した感圧性接着剤5としては、印字、印刷が可能であり、感圧性で一旦接着すると再剥離不能な非剥離性の接着剤基剤に、この接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状充てん剤を配合してなるものが好適である。前記接着剤基剤としては、従来用いられている通常の感圧性接着剤でよいが、特に挙げれば、天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックスが、耐ブロッキング性、耐熱性、耐摩耗性等の点で好適である。
【0010】
一方、前記微粒状充てん剤としては、前記接着剤基剤との親和力が小さいもの、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、活性白土、球状アルミナ、小麦デンプン、シリカ、ガラス粉末、シラスバルーン等が用いられる。これらの材料は、単独でも、複数組み合わせてもよいが、特に、シリカと他の適宜な充てん剤との組み合わせが好適である。また、粒径の異なる2種類以上を組み合わせると、接着剤塗布面を凹凸状に形成しやすいので、剥離性能が向上する。シリカを添加すると、接着剤の塗膜を強化しうるとともに、その多孔質性により、接着剤が表面に付着しやすいので、接着力や剥離力を調整しやすいという利点がある。また、シリコーンオイルを用いているプリンタで、ノンインパクトプリンタ方式で印字した場合でも、シリカがシリコーンオイルを吸収するので、接着剤がシリコーンオイルにより接着しなくなることもない。
【0011】
上述した微粒状充てん剤の配合割合によって、感圧性接着剤5による接着面の剥離強度を調整する。また、微粒状充てん剤の配合割合による調整に加えて、感圧性接着剤5を網点状に塗布したり、塗布厚を調整したり、あるいは地紋印刷を施して調整を行うと、剥離強度の調整はより容易となる。感圧性接着剤5の具体例としては、天然ゴム100重量部に対し、スチレン2重量部とメタクリル酸10重量部とをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックスに、テルペン樹脂系粘着付与剤5重量部に対し、平均粒径5μmのシリカゲル20重量部を添加したものを加えてなるものが好適である。
【0012】
そして、図示してはいないが、連続用紙1の裏面側は折り重ねた時の表出面であり、宛名情報と差出人情報とをあらかじめ印字あるいは印刷している。また、同じく図示してはいないが、連続用紙1の重ね合わせ面である表面側には、隠蔽状態で通知する通知情報をあらかじめ印字あるいは印刷している。すなわち、この連続用紙1は、通知情報を隠蔽状態で郵送し、受領した宛名人が重ね合わせ接着面を剥離して通知情報を視認できる、隠蔽葉書30となるものである。
【0013】
続いて、連続用紙処理装置について説明する。図1に示すように、所定状態で供給された連続用紙1を折り用ミシン目2で二つ折りする折り畳み部は、機体6に取り付けたU型折りバー7と、このU型折りバー7にそれぞれ設けた、連続用紙1の表面側から折り用ミシン目2に当接する折りガイド7a及び連続用紙1の裏面側から折り用ミシン目2の両脇を挟み込む折り爪(図示せず)とによって構成している。そして、左右の移送孔3a,3bが重なり合うように二つ折りした連続用紙1を、ガイド板8を介してトラクタ移送部たるトラクタ装置9に導き、トラクタ装置9の移送ピンにマージナル部4a,4bの移送孔3a,3bを係合して、図2上右方向に移送するよう構成している。このトラクタ装置9の移送方向端には、連続用紙1のマージナル部4a,4bを切断するマージナルスリット部たるスリッタ10を設けている。
【0014】
マージナル部4a,4bを切断除去した連続用紙1を所定の単位長さに切断する切断部は、噛合するギア11,12で連動する上下一対の回転可能な回転胴たるカット胴13と受胴14とからなり、前記カット胴13の周面には軸方向に延びるよう切断刃15を設けている。この切断刃15による連続用紙1の切断時に、切断刃15と受胴14とで生ずる圧により連続用紙1の切断端を仮綴じする。また、図2に示すように、前記受胴14に設けたギア12は機体6に回転可能に支持したギア16と噛合し、このギア16はトラクタ装置9の駆動ギア17と噛合している。そして、前記受胴14の回転軸18と駆動モータ19の駆動軸20にはベルト21を掛け渡し、前記駆動モータ19の駆動力により、受胴14及びカット胴13を回転駆動するとともに、トラクタ装置9も回転駆動するよう構成している。
【0015】
カット胴13の回転軸は軸支部材22a,22bに回転自在に支持している。これら軸支部材22a,22bは、上部の幅が下部よりも広く形成されたブロック状に構成され、その下部を機体6に設けた凹部(図示せず)に挿脱可能に構成している。そして、別途用意した同一構成の軸支部材22a,22bに、前記カット胴13とは周長の異なるカット胴を回転自在に支持することにより、連続用紙1の切断間隔に応じてカット胴13を前記軸支部材22a,22bとともに交換可能に構成している。
【0016】
切断した単位用紙23に感圧性接着剤5の接着条件である圧をかけて重ね合わせ面を接着する圧着部は、単位用紙23の移送方向に所定間隔をおいて配置した、上下二対の圧着ローラ24,25及び26,27からなる。これら圧着ローラ24,25及び26,27に続いて、単位用紙23を移送しながら重ねるコンベアスタッカ28を設け、このコンベアスタッカ28の圧着ローラ26,27側にはライダーロール29を設けている。
【0017】
次に、上述のように構成した連続用紙処理装置で連続用紙1から隠蔽葉書30を作成する動作について説明する。まず、表裏面にあらかじめ必要な情報を印字あるいは印刷した連続用紙1を図示していない供給装置により所定方向に移送し、U型折りバー7を通過させ、折りガイド7a及び折り爪によって、感圧性接着剤5塗布面が重なり合うように、折り用ミシン目2で二つ折りすると、左右の移送孔3a,3bが重なり合う状態となる。したがって、連続用紙1の表面側である重ね合わせ面に印字あるいは印刷した通知情報は外部からは見えず、連続用紙1の裏面側に印字あるいは印刷した宛名情報と差出人情報が表出する状態となる。
【0018】
続いて、二つ折りした連続用紙1を、ガイド板8を介してトラクタ装置9に導き、トラクタ装置9の移送ピンにマージナル部4a,4bの移送孔3a,3bを係合する。ここで、駆動モータ19を駆動すると、トラクタ装置9が回転駆動して連続用紙1を図2上右方向に移送する。そして、移送しながら不要となったマージナル部4a,4bをスリッタ10で切断除去する。
【0019】
マージナル部4a,4bを切断除去した連続用紙1はさらに移送され、この移送速度と同期して回転するカット胴13と受胴14との間を通過する際に、カット胴13の回転により移動してきた切断刃15によって受胴14に押圧されるようにして切断され、葉書大の単位用紙23になるとともに、この切断時の押圧力により切断端は感圧性接着剤5が接着して仮綴じされる。したがって、単位用紙23はその後の移送中に重ね合わせ面がズレることがなく、正規の重ね合わせ状態で圧着ローラ24,25及び26,27により重ね合わせ面が確実に、かつ剥離可能に接着され、隠蔽葉書30となる。そして、作成した隠蔽葉書30はコンベアスタッカ28上に移送し、ライダーロール29で案内して、順次コンベアスタッカ28に集積していくものである。
【0020】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、折り畳み部は連続用紙1を二つ折りするU型折りバー7と折りガイド及び折り爪で構成するほか、Z字状に三つ折りしたり、同一面側の中央部に向けて、左右部分を順次折り重ねて三つ折りする折り畳み装置でもよく、また、二つ折りも完全に重ね合わせるほか、部分的に重ね合わせるものでもよい。さらに、切断部のカット胴13は軸支部材22a,22bを介することなく、機体6に直接支持してもよい。またさらに、処理対象が隠蔽葉書30を作成するための連続用紙1に限らないことはもちろんである。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したところで明らかなように、本発明によれば、単位長を形成する横ミシン目がない連続用紙を、単位長さに切断する際に切断端を仮綴じすることにより、処理装置を大型化することなく、切断後の単位用紙の重ね合わせ面のズレを防ぎ、正規の状態で重ね合わせ面を圧着することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 装置全体を概略的に示す斜視図。
【図2】 同じく側面図。
【図3】 連続用紙の概略的な断面図
【符号の説明】
1 連続用紙
2 折り用ミシン目
3a,3b 移送孔
4a,4b マージナル部
5 感圧性接着剤
6 機体
7 U型折りバー
7a 折りガイド
9 トラクタ装置
10 スリッタ
11,12,16,17 ギア
13 カット胴
14 受胴
15 切断刃
19 駆動モータ
23 単位用紙
24,25,26,27 圧着ローラ
28 コンベアスタッカ
30 隠蔽葉書
Claims (2)
- 二つ折り、または三つ折りして重ね合わせる重ね合わせ面の少なくとも一面側には感圧性接着剤を設け、側部には移送孔を等間隔に透設したマージナル部を有する一方、単位長を形成する横ミシン目は有しない連続用紙の処理装置であって、連続用紙を二つ折り、または三つ折りする折り畳み部と、折り畳まれた連続用紙をマージナル部の移送孔を利用して所定方向に移送するトラクタ移送部と、連続用紙のマージナル部を切断するマージナルスリット部と、一対の回転胴の一方にその軸方向に延びるよう設けた切断刃によって連続用紙を所定の単位長に切断するとともに切断時の圧により切断端を仮綴じする切断部と、切断した用紙に圧をかけて重ね合わせ面を接着する圧着部とを、備えたことを特徴とする連続用紙処理装置。
- トラクタ移送部と切断部とをギアを介して連繋したことを特徴とする請求項1記載の連続用紙処理装置。
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