JP3722411B2 - 鉄基非晶質合金用母材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面性状、靭性に有害なAlの含有量が十分低い鉄基非晶質合金用母材の工業上の利用性の高い製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄基非晶質合金薄帯は、トランス、磁気シールド、チョークコイル等の鉄心材料として広く用いられている。
更に、結晶粒径が数10nmの微細組織を有する鉄基ナノ結晶合金薄帯がその優れた軟磁気特性を生かして各種磁性部品に多用されている。鉄基ナノ結晶合金薄帯は、鉄基非晶質合金を熱処理により結晶化させたものである。
これらの磁性合金は薄い帯状材料を巻き回したトロイダル磁心として使用されるのが一般的であり、その合金薄帯は通常単ロール法、双ロール法等の液体急冷法により製造されている。液体急冷法についてはアグネ発行、増本ら著「アモルファス合金」第1章、1.1.5節「液体急冷法」に詳しく解説されている。例えば、単ロール法とは、高速で回転する一つの冷却ロール上に溶融合金を噴出、急速凝固させて連続的に薄帯を得る方法である。
【0003】
前記鉄基磁性合金としては、用途に適した各種組成系が実用材料として開発されている。中でも、Nbを含む組成は優れた軟磁気特性を示す合金として知られている。
例えば、特公昭60−38454号には優れた実効透磁率を有するFe−Nb−Si−B系非晶質合金が開示されている。また、特公平4−4393号公報に開示されるようにFe−Cu−Nb−Si−B系合金は軟磁性の良好なナノ結晶の磁性合金として知られている。非晶質合金では、Nbは磁歪を低下させて軟磁気特性を向上させる元素であり、ナノ結晶合金の場合、Nbは結晶粒の微細化効果を有する合金元素として重要である。従来、これらのNbを含む軟磁性合金には高価な高純度Nbが溶解原料として使用されてきた。高純度Nbは磁気特性あるいは靭性に対して有害となるAlなどの不純物元素が少ないからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、溶解原料としての高純度Nbは極めて高価であることから合金薄帯の製造コストが高くなるという問題があった。
一方、高純度Nbより1/10安価なフェロニオブが工業的には望ましいが、フェロニオブは不純物元素特にAl含有量が0.1〜2mass%程度と多い。これはAlによるテルミット法により製造するからである。これは微粉Alを用いて金属酸化物(例えばNb2O5)を還元する精錬方法である。
従って、フェロニオブに限らず特にテルミット法で製造するフェロアロイ(合金鉄)には多くのAlが残留する。
不純物として含有されるAlは、溶融したとき酸化してAl2O3となる。そこで、単ロール法により合金薄帯を製造する場合、溶融合金を噴出するノズルにAl2O3を主成分とするスラグや介在物が付着堆積するため、得られた薄帯表面の長手方向に沿って筋状の疵(筋疵)が連続して発生するという問題があった。
【0005】
表面に筋疵があると、トロイダルコイルに巻回する時に表面の凹凸のために占積率が低下し、コイルの小型化を阻害すると共に磁気特性を著しく低下する。
また、得られた合金薄帯内にAl2O3が非金属介在物として残留するため薄帯が脆化するという問題もあった。非金属介在物が破壊の起点となるからである。薄帯が脆化すると、トロイダル磁心に巻回する時に薄帯が途中で切れたりして工程を著しく乱したり、歩留まりを低下する。
従って本発明は、原料として安価でAl含有量の多いフェロニオブなどのフェロアロイを使用した場合でも、筋疵や脆化が無く磁気特性も良好な低Al含有量の鉄基非晶質合金薄帯の製造に好適な非晶質合金用母材の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、次の通りである。(1)鉄基非晶質合金用母材の製造方法であって、フェロニオブを含む前記非晶質合金の構成元素と共に、標準生成自由エネルギーの絶対値がAl2O3より小さい前記非晶質合金の構成元素の少なくとも1種以上の酸化物を溶解し、生成するAl2O3を除去してAl含有量が50ppm以下である母材を得る鉄基非晶質合金用母材の製造方法である。
【0007】
本発明においては、非晶質合金の構成元素の原料の一つとしてフェロニオブを用いることができる。
また、本発明においては、前記酸化物としては、鉄酸化物、銅酸化物、珪素酸化物、硼素酸化物のいずれか1種以上が好ましく、より好ましくは、Fe2O3である。
【0009】
本発明においては、前記の、非晶質合金の構成元素と共に、標準生成自由エネルギーの絶対値がAl2O3より小さい前記非晶質合金の構成元素の少なくとも1種以上の酸化物を溶解し、生成するAl2O3を除去する方法と、それと併用して、溶解した溶湯に酸素を主体とするガスを吹込みまたは吹付け、生成するAl 2 O 3 を除去する方法を用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の最大の特徴の一つは、鉄基非晶質合金用母材の製造方法において、標準生成自由エネルギーの絶対値がAl2O3より小さい前記非晶質合金の構成元素の酸化物を利用することにある。
標準生成自由エネルギーは、例えば丸善発行、日本金属学会編集の「金属データブック」第2部「製錬に関する基礎的物性と熱力学的数値」2.1.2a節「酸化物の標準標準生成自由エネルギ・温度図」や、日本金属学会の新制金属講座「非鉄金属製錬」、「鉄鋼精錬」の付図1(酸化物の標準標準生成自由エネルギ)から知れる。
【0011】
標準生成自由エネルギーの絶対値がAl2O3より小さい酸化物、例えばFe2O3は、酸化還元反応、Fe2O3+2Al=Al2O3+2Feによって自身は還元されて鉄基非晶質合金の主構成元素である鉄に変化する。
他方、フェロニオブやフェロボロン等の原料に不純物として多量に含有されるAlは酸化されてAl2O3に変化して、溶湯の表面にスラグとして浮上してくる。Alとの酸素に対する親和力の差異を利用する。Al2O3を除去すれば、溶湯が清浄化され、表面性状や靭性に有害なAlの含有量を低減できる。
前記酸化物の反応生成物は鉄基非晶質合金の主または副構成元素として活用できる。例えば、添加したFe2O3は溶湯中のAlにより還元され鉄が生成するが、この鉄は非晶質合金の主元素となる。
【0012】
本発明で上述した作用を得ることができる酸化物としては、たとえば、鉄酸化物として、Fe2O3、FeO、Fe3O4またはこれらの混合物、銅酸化物として、CuO、Cu2Oまたはこれらの混合物、珪素酸化物としては、SiO2であり、硼素酸化物としては、B2O3である。
原料の溶解時に装入する酸化物の量は、使用する原料中のAl含有量に応じて調整する。酸化物は原料と共に溶解前に装入しても、あるいは溶解途中で追装しても良い。
【0013】
本発明において、Nbを必須元素として含む鉄基非晶質合金では安価なフェロニオブを用いることができる。フェロニオブとしてはAl含有量量が0.1〜2mass%程度の市販品が使用できる。このような市販品に対して本発明は有効であり、これにより安価な原料を用いても低Al含有量の鉄基非晶質合金薄帯が得られ、薄帯表面の筋疵の発生および脆化を防止することができる。
本発明において、Al含有量が、50ppmを超える場合は、非晶質合金の表面性状、脆化に悪影響を与えるため好ましくなく、50ppm以下という規制値を設ける必要がある。なお、Al含有量を5ppm未満にすることは工業上のコスト高を招くので、量産性を考慮すれば5ppm程度が下限である。
【0014】
また、上述した鉄酸化物、銅酸化物、珪素酸化物、硼素酸化物等の標準生成自由エネルギーの絶対値がAl 2 O 3 より小さい前記非晶質合金の構成元素の酸化物のいずれか1種以上の酸化物の添加と、酸素の導入による精錬を併用することもできる。その場合、前記非晶質合金の構成元素を溶解して溶湯とし、前記溶湯に酸素を主体とするガスを吹込みまたは吹付け、生成するAl2O3を除去する。ガスを溶湯の上部から吹付けたり、溶湯の中にランスを挿入して吹込むかは必要に応じて選択できる。酸素を主体とするガスとは、主として酸素であるが、不純物として含有される酸素ガスも許容できる。場合によっては空気や、酸素と不活性ガスとの混合ガスを使用できる。
【0015】
Al2O3スラグを除去して得られる溶融合金が薄帯製造に供される。たとえば、低Al化した溶融合金は一旦鋳型に注ぎ凝固させ母材とした後、再溶解して溶湯として薄帯製造に使用する。また、母材を溶融状態のまま(鋳造せずに)直接薄帯製造に供することもできる。
【0016】
非晶質合金薄帯の製造法は特に限定されるものではなく、従来公知の単ロール法、双ロール法等の液体急冷法として知られているいずれのプロセスを使用しても良い。また、薄帯製造の雰囲気も大気、不活性ガスあるいは減圧下等いずれの場合も選択できる。
なお、本発明に係る非晶質合金薄帯の厚さは5〜100μm程度、幅は1〜300mm程度である。
【0017】
本発明に係わる鉄基非晶質合金薄帯の組成系は、特に限定されないが、Fe−Nb−Si−B系、Fe−Ni−Nb−Si−B系および得られた非晶質合金をその結晶化温度以上で熱処理して得られる数10nmの微細結晶組織を有するナノ結晶合金となるFe−Cu−Nb−Si−B系、Fe−Zr−Nb−B系およびFe−Nb−B系等に好適である。特にNbを必須元素として含む鉄基非晶質合金の場合には、原料であるフェロニオブに起因するAlが除去できる。Nbを含有しない組成系でも原料として使用するフェロアロイ、例えばフェロボロンに起因するAlも除去できる。
【0018】
本発明の製造方法により得られた母材を用いて製造された鉄基非晶質合金薄帯は、Al含有量が低く、薄帯内に脆化の起点となるAl2O3の非金属介在物の残留がほとんどなくなるため、薄帯の脆化が著しく改善できる。
【0019】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
原子%でCuが1%、Nbが3%、Siが15.5%、Bが6.5%、残部Feの組成になるように原料配合量を調整して、坩堝内で誘導加熱により母材を溶製した。この合金は結晶粒径が10nm程度のナノ結晶組織を発現可能な組成である。この際、Nb源としては表1に示す含有Al量の異なるフェロニオブを使用し、Fe2O3の配合量もそれに合わせて調整した。溶解時に発生、浮上したAl2O3を主体とするスラグを除去した後、溶融合金を鋳型に注ぎ凝固させ母材とした。
比較例として、表1に示す同じフェロニオブ原料を使用してFe2O3を添加しないで溶製した母材も用意した。
【0020】
次に、単ロール急冷装置を用いて薄帯を製造した。坩堝内に前記母材を装入し、高周波誘導加熱により溶解して溶湯とした後、矩形状のスリットを有するノズルより、銅合金製の冷却ロール上に溶融合金を噴出、急冷凝固して、幅25mm、厚さ18μmの薄帯を得た。
得られた薄帯をX線回折により調べた結果、すべて非晶質単相状態であった。溶製した母材の含有Al量および単ロール法により作製した鉄基非晶質合金薄帯の筋疵の有無および脆化の程度を引裂試験により調べた結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
引裂試験とは、薄帯を長手方向に沿ってほぼ等間隔に20ヶ所幅方向(長手方向と直角方向)に引裂き、脆く破断した割合を脆化率として評価するものである。例えば、試料No.7では、引裂いた20ヶ所のうち3ヶ所が脆く破断したためその比3/20の百分率は15%となる。
鉄酸化物を添加せず溶製した母材から得られた非晶質合金薄帯のAl含有量は全て50ppmを超えており、かつ全てに筋疵が発生している。また、薄帯の脆化率も高い。他方、本発明例は全て、薄帯のAl含有量が50ppm以下であり、筋疵や脆化の発生もまったく見られない。
【0023】
(実施例2)
表2に示す組成になるように原料配合量を調整して、坩堝内で誘導加熱により母材を溶製した。これら合金は全て結晶粒径が10nm程度のナノ結晶組織を発現可能な組成である。使用したフェロニオブ原料のAl含有量は0.72mass%で、Fe2O3と共に溶解して、浮上したAl2O3を主体とするスラグを除去した後、溶融合金を鋳型に注ぎ凝固させ母材とした。
【0024】
次に、単ロール急冷装置を用いて薄帯を製造した。坩堝内に前記母材を装入し、高周波誘導加熱により溶解して溶湯とした後、矩形状のスリットを有するノズルより、銅合金製の冷却ロール上に溶融合金を噴出、急冷凝固して、幅50mm、厚さ20μmの薄帯を得た。なお、得られた薄帯をX線回折により調べた結果、すべて非晶質単相状態であった。溶製した母材の含有Al量および単ロール法により作製した鉄基非晶質合金薄帯の筋疵の有無および脆化の程度を引裂試験により調べた結果を表2に示す。本発明例は組成に限定されず全て、薄帯のAl含有量が50ppm以下であり、筋疵や脆化の発生もまったく見られない。
【0025】
【表2】
【0026】
(実施例3)
原子%でCuが1%、Nbが2%、Siが11%、Bが9%、残部Feの組成になるように原料配合量を調整して、坩堝内で誘導加熱により母材を溶製した。本合金は結晶粒径が10nm程度のナノ結晶組織を発現可能な組成である。この際、Nb源としては含有Al量が1mass%のフェロニオブ、B源としては含有Al量が0.2mass%のフェロボロンを使用し、酸化物としては、標準生成自由エネルギーの絶対値がAl2O3より小さいFe2O3、CuO、SiO2およびB2O3の4種類を選定し、各々原料と共に溶解して、浮上したAl2O3を主体とするスラグを除去した後、溶融合金を鋳型に注ぎ凝固させ母材とした。
【0027】
次に、単ロール急冷装置を用いて薄帯を製造した。坩堝内に前記母材を装入し、高周波誘導加熱により溶解して溶湯とした後、矩形状のスリットを有するノズルより、銅合金製の冷却ロール上に溶融合金を噴出、急冷凝固して、幅100mm、厚さ25μmの薄帯を得た。なお、得られた薄帯をX線回折により調べた結果、すべて非晶質単相状態であった。溶製した非晶質合金用母材の含有Al量および単ロール法により作製した鉄基非晶質合金薄帯の筋疵の有無および脆化の程度を引裂試験により調べた結果を表3に示す。本発明例は使用した酸化物の種類によらず、全て母材のAl含有量が50ppm以下であり、筋疵や脆化の発生もまったく見られない。
【0028】
【表3】
【0030】
(実施例5)
表4に示す組成になるように原料配合量を調整して、坩堝内で誘導加熱により母材を溶製した。これらの合金は、最終的には非晶質合金として使用されるものである。使用したフェロニオブ原料およびフェロボロン原料のAl含有量はそれぞれ0.5mass%、0.01mass%で、Fe2O3と共に溶解して、浮上したAl2O3を主体とするスラグを除去した後、溶融合金を鋳型に注ぎ凝固させ母材とした。
次に、単ロール急冷装置を用いて薄帯を製造した。坩堝内に前記母材を装入し、高周波誘導加熱により溶解して溶湯とした後、矩形状のスリットを有するノズルより、銅合金製の冷却ロール上に溶融合金を噴出、急冷凝固して、幅50mm、厚さ50μmの薄帯を得た。
【0031】
なお、得られた薄帯をX線回折により調べた結果、すべて非晶質単相状態であった。非晶質合金用母材のAl含有量および単ロール法により作製した鉄基非晶質合金薄帯の筋疵の有無および脆化の程度を引裂試験により調べた結果を表4に示す。本発明例は組成に限定されず全て、母材Al含有量が50ppm以下であり、非晶質合金薄帯には筋疵や脆化の発生もまったく見られない。
【0032】
【表4】
【0033】
(実施例6)
原子%でCuが0.6%、Nbが2.6%、Siが7.5%、Bが10%、残部Feの組成になるように原料配合量を調整して、坩堝内で誘導加熱により母材を溶製した。本合金は結晶粒径が10nm程度のナノ結晶組織を発現可能な組成である。この際、Nb源としては含有Al量が0.9mass%のフェロニオブ、B源としては含有Al量が0.04mass%のフェロボロンを使用し、Fe2O3と共に溶解すると共に坩堝内に酸素を吹付けて酸化精錬して、浮上したAl2O3を主体とするスラグを除去した後、溶融合金を鋳型に注ぎ凝固させ母材とした。
次に、単ロール急冷装置を用いて矩形状のスリットを有するノズルから銅合金製の冷却ロール上に溶融合金を噴出、急冷凝固して、幅200mm、厚さ50μmの薄帯を得た。得られた薄帯をX線回折により調べた結果、すべて非晶質単相状態であった。母材の含有Al量は20ppmであり、単ロール法により作製した鉄基非晶質合金薄帯には筋疵や脆化の発生もまったく見られない。
【0034】
本発明によれば、Nb源として安価でAl含有量の多いフェロニオブを使用した場合でも筋疵や脆化のない低Al含有量の鉄基非晶質合金用母材を提供することができるため、その効果には著しいものがある。
Claims (3)
- 鉄基非晶質合金用母材の製造方法であって、フェロニオブを含む前記非晶質合金の構成元素と共に、標準生成自由エネルギーの絶対値がAl2O3より小さい前記非晶質合金の構成元素の酸化物を溶解し、生成するAl2O3を除去して前記構成元素の原料から混入して不可避的に存在するAlの含有量を50ppm以下とした母材を得ることを特徴とする鉄基非晶質合金用母材の製造方法。
- 前記酸化物が鉄酸化物、銅酸化物、珪素酸化物、硼素酸化物のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の鉄基非晶質合金用母材の製造方法。
- 前記酸化物がFe2O3であることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄基非晶質合金用母材の製造方法。
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