JP4948868B2 - Fe系非晶質合金薄帯 - Google Patents

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Description

本発明は、電力用トランス、高周波用トランス等の鉄芯に用いられるFe系非晶質合金薄帯に関するものである。特に、高磁束密度を具備し、熱的安定性、非晶質形性能、加工性および鉄損に優れたFe系非晶質合金薄帯に関する。
非晶質合金薄帯を電力用トランス、高周波用トランス等の鉄芯素材として用いる技術的課題としては、珪素鋼板を用いる場合に比較してトランス製造時の材料使用量、例えば鉄芯、銅線が多くなり、製造コストが高くなることが挙げられる。これは、非晶質合金薄帯の多くが、飽和磁化力が小さく、トランスでの設計磁束密度を低くせざるを得ないという理由によるもので、その結果として鉄芯断面積が大きくなるためである。
そこで、非晶質合金薄帯の磁束密度を向上させるために様々な研究がなされてきた。例えば、特許文献1では、Fe8020の組成からなる非晶質合金薄帯において飽和磁束密度1.57〜1.61T(Tesla) が得られること、Si,Pを添加することで脆化温度、延性を改善しうることが提案されている。また、特許文献2では、Fe−B−Si−C系の非晶質合金薄帯において、Co添加により高磁束密度を確認しているものの、Coは高価な元素であることからコスト的に難点がある。そこで、Coを使用することなく高磁束密度を実現しうる成分系として、非特許文献1にはFe−B−C系の非晶質合金薄帯が紹介され、この成分系で1.78Tの飽和磁束密度を達成したことが報告されているが、Fe−B−Si−C系の非晶質合金薄帯と比較して鉄損が悪いこと、焼鈍時やトランス動作時の磁気特性安定で代表される熱的安定性が低位であるという問題がある。
更に、特許文献3では、P:0.008〜0.1質量%の微量添加によりS,Mnなどの不純物元素含有の許容量を拡大しうることが提案されているが、P添加に伴う熱的安定性や加工性(脆性)への影響については評価されていない。また、特許文献4では、Crを含む非晶質合金薄帯にNを添加することで、薄帯の硬度上昇や最大透磁率、鉄損の改善が提案されているが、依然として熱的安定性、加工性の問題は解決されていない。
特開平03−264654号公報 特開平03−500668号公報 特開平09−95760号公報 特開昭62−74050号公報 Hatta et al.: JEEEE Trans. Magnetics MAG-14(1978)1013
Fe−B−Si系あるいは、Fe−B−Si−C系の非晶質合金薄帯の高磁束密度化を図るためには、Fe以外の成分の量を減らすことが有効であるが、このようにすると、熱的安定性、非晶質形成能、加工性(脆性)、鉄損が改善されないという問題がある。また、これに加えてさらに、安価な鉄源を利用して安定な鉄損が得られるFe系非晶質合金薄帯は、これまでに得ることができなかった。
本発明者らは、Fe−B−Si系およびFe−B−Si−C系の非晶質合金にNを含有させることにより、結晶化促進元素と言われている不純物元素(Al等)を表面酸化層に濃縮させることが可能になり、これにより非晶質合金薄帯の亀裂伝播が防止され加工性が大きく改善することを見出した。このN含有の効果は、特に、低鉄損、非晶質形性能の改善効果に有効なPを含有させる際の問題(Pを含有させることにより薄帯に亀裂が伝播し易くなる)を解消し、これにより、高磁束密度を具備し、熱的安定性、非晶質形性能、加工性(脆性)、鉄損に優れたFe系非晶質合金薄帯の製造が可能となった。
また、Pを含有させる上でNを含有させることは、磁束密度や耐食性の特性や焼鈍条件等の改善を目的としてFeの一部をNi、Co、Crに置換した際に生じる薄帯脆化問題を改善する効果もあることも判明した。
これらの知見を基に検討を重ね、本発明を完成するに至った。その要旨は次の通りである。
(1)原子%で、B:5〜25%、Si:1〜30%、N:0.001〜0.2%、を含有し、さらに、C:0.003〜10%、P:0.001〜0.2%の一種または二種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、脆性評価指標として曲げ破壊直径が4mm以下であることを特徴とするFe系非晶質合金薄帯。
(2)原子%で、B:10〜20%、Si:1〜10%、N:0.001〜0.2%、C:0.02〜2%、P:0.001〜0.2%、とすることを特徴とする(1)に記載のFe系非晶質合金薄帯。
(3)原子%で、B:5〜12%、Si:1〜5%、N:0.001〜0.2%、C:1〜10%、P:0.001〜0.2%、とすることを特徴とする(1)に記載のFe系非晶質合金薄帯。
(4)原子%で、Fe量の15%以下をCo、Niあるいは5%以下のCrから1種また
は2種以上で置換したことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの項に記載のFe系非
晶質合金薄帯。
本発明によれば、高磁束密度を具備し、熱的安定性、非晶質形成能、加工性(脆性)、鉄損を改善したFe系非晶質合金薄帯を提供することが可能となる。
先ず、本発明における成分組成とその範囲について説明する。なお、成分組成の範囲は特段の指定が無い限りは、何れも原子%である。
Bは非晶質形成能と熱的安定性の改善に有効な元素であり、各特性の要求に応じて適正量が添加される。Bが5%未満では非晶質相を安定して得ることはできず、一方、25%を超えると融点上昇により非晶質相形成が困難になる。低鉄損、熱的安定性を重視する場合には、Bは10〜20%が好ましく、高磁束密度を重視する場合には半金属元素を低減する必要があることから5〜12%とすることが好ましい。
Siも同様に、非晶質形成能と熱的安定性の改善に有効な元素であり、各特性の要求に応じて適正量が添加される。Siが1%未満では非晶質相を安定して形成することはできず、一方、30%超では熱的安定性の改善効果が飽和する。低鉄損、熱的安定性を重視する場合には、Siは1〜10%が好ましく、高磁束密度を重視する場合には半金属元素を低減する必要があることから1〜5%とすることが好ましい。
Nは熱的安定性、非晶質形性能および非晶質薄帯の加工性(脆性)の改善に有効な元素であり、各特性の要求に応じて適正な含有量が決定される。Nが0.001%未満ではこれら特性の改善が見られず、一方、0.2%超では熱的安定性の効果が飽和する。Nは好ましくは0.003%、0.004%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%程度、さらには、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%程度含んでいてもよい。一方、0.1%を超えてのNの添加はコストが嵩み、好ましくは、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%程度であれば添加コストは下がる。
なお、不純物が含まれる鉄源を使用してCoやNi、Crを含有させる場合において低鉄損の効果を主として狙う場合には、Nは必ずしも添加を必須とするものではなく、不可避的不純物として含有している程度でもよい。
Cは薄帯の磁束密度の向上、非晶質形性能の改善(鋳造性向上)に有効な元素であり、各特性の要求に応じて適正量な含有量が決定される。Cを0.001%以上、好ましくは0.003%以上含有させることによって、溶湯と冷却基板の濡れ性が向上して良好な薄帯を形成することができる。さらに、Cが0.01%以上、好ましくは0.02%以上では非晶質形性能の改善効果が得られ、より好ましくは0.03%、0.06%、0.08%、0.1%、0.15%、0.2%、0.3%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、さらには、1%、2%、3%、4%、5%含有させることも可能である。一方、10%超では磁束密度の改善効果が低下する。低鉄損、熱的安定性を重視する場合には、Cは0.02〜2%が好ましく、高磁束密度を重視する場合にはB量を低減するために融点が上昇するので半金属元素のCを1〜10%添加することが好ましい。
Pは鉄損、非晶質形性能の改善に有効な元素であり、各特性の要求に応じて適正量が含有される。Pの含有により非晶質形性能が改善し、不純物元素含有の許容量が拡大するが、Pが0.001%未満では非晶質形性能改善効果が見られずまた鉄損改善効果も見られない。Pを含有させることにより非晶質形性能が向上するが、一方で、Pの含有量の増加に伴い薄帯に亀裂が伝播し易くなり、加工性が劣化する問題が発生する。さらにPが0.2%を超えると非晶質薄帯のロール冷却面を外側にして曲げ、破壊する際の曲げ破壊直径が大きくなり非晶質薄帯の加工性(脆性)が悪化する。Pは、0.002%、0.003%、0.004%、0.006%、0.008%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、さらには、0.12%、0.15%程度含まれていてもよい。
本発明においては、Fe量の15%以下をCo、Niあるいは5%以下のCrから1種または2種以上で置換すると、非晶質薄帯の脆化問題が発生せずに良好な非晶質薄帯が得られる。これらの元素は好ましくは、0.001%、0.002%、0.003%、0.005%、0.008%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%程度含んでいても良い。但し、Co、Niについては磁束密度の改善効果はあるが、高価であるため、原料コストを考慮するとFe量の10%以下、さらには5%以下の置換に留めておくのが好ましい。これらの元素は、さらに好ましくは、4%、3%、2%、1%以下でもよい。
安価な鉄源を用いた場合、例えば、鉄鉱石が原料である製鋼プロセスで生産される一部の鋼種を合金の鉄源に使用することが可能になるが、本発明の薄帯を製造するための鉄源は、この製鋼プロセスで生産される鋼種に限定される訳ではない。また、本発明において含有される微量成分は、合金等による積極的な添加をしてもよく、また、他の合金等から混入する不純物成分を積極的に活用することにより含有させても良い。
また、本発明の成分に、構成元素としてFe、B、Si以外に公知のTi、Zr、V、Nb、Mo、Cu等を含んでいても、何ら本発明の効果を損なうものではない。特に、Ti、Zrは非晶質形成能改善に効果があることが知られており、これらはそれぞれ0.01〜5%程度含有してもよい。
本発明の薄帯は、本発明の合金成分を溶解し、溶湯をスロットノズル等を通して高速で移動している冷却板の上に噴出し、該溶湯を急冷凝固させる方法、例えば、単ロール法、双ロール法によって製造することができる。単ロール装置には、ドラムの内壁を使う遠心急冷装置、エンドレスタイプのベルトを使う装置、およびこれらの改良型である補助ロールやロール表面温度制御装置を付属させたもの、減圧下あるいは真空中、または不活性ガス中での鋳造装置も含まれる。本発明では、薄帯の板厚、板幅などの寸法は特に限定しないが、薄帯の板厚は、例えば、10μm以上100μm以下が好ましい。また、板幅は20mm以上が好ましい。
<実施例1>
直径580mmの銅合金製冷却ロール(ロール回転数800rpm)、試料溶解用の高周波誘導溶解装置、石英坩堝、坩堝先端に設けた長さ25mm、幅0.6mmのスリットノズルからなる単ロール非晶質合金薄帯製造装置を用いてFe−B−Si系の成分組成にNおよびC、Pを含有させた表1に示す成分で、幅25mm、厚さ28〜35μmの非晶質合金薄帯を製造した。なお、Fe源は不純物の少ない転炉鋼を用い、Bの添加はFe−Bとして、Siの添加はFe−Siとして、Cの添加は純Cとして、Pの添加はFe−Pとして、Nの添加は窒素ガス気流中で窒化鉄を配合することによって行なった。表1にその成分組成と得られた各特性を示した。なお、得られた非晶質合金薄帯の諸特性は以下に記述する方法で測定した。
1)磁気特性は、得られた薄帯を360℃で1時間、窒素雰囲気中で磁場中焼鈍し、単板磁気測定装置(SST)にて測定し、磁束密度1.3T、周波数50Hzでの鉄損と磁場800A/mにおける磁束密度(B8)にて評価した。
2)熱的安定性は、キューリー温度を評価指標とし(キューリー温度が大きいほど熱的に安定)、振動試料型磁力計(VSM)にて測定した。
3)非晶質形性能は、結晶化温度(Tp)、融点(Tm)を示差走査熱量計(DSC)にて測定し、評価指標として、Tp/Tmで示した(Tp/Tmが大きいほど非晶質形性能が良好)。
4)脆性評価は、360℃で1時間、窒素雰囲気中で焼鈍した後の非晶質薄帯を薄帯のロール冷却面側を外側に曲げ、破壊する際の曲げ破壊直径を測定した(曲げ破壊直径が大きいほど脆性が悪化)。
非晶質薄帯を電力用トランス、高周波用トランス等の鉄芯に用いる場合、非晶質薄帯は非常に薄いため通常巻き鉄芯として用いられる。したがって鉄芯を製造する際に脆性は特に重要な特性となる。本発明者らが調査した結果、脆性評価指標とした曲げ破壊直径は4mm以下とする必要がある。また焼鈍温度等の製造条件や、設計条件等から、Tp/Tmは0.5以上、キュリー温度は350℃以上必要であることも分かった。一方、鉄損および磁束密度は鉄芯の設計にかかわるため、必要に応じて選択されている。(一般に低鉄損、高磁束密度が要求されるが、例えば、鉄損が若干高くても高磁束密度を優先して設計される、低鉄損が重要で磁束密度はあまり重要視されない設計等、対象機器に合わせて選択される。)
Figure 0004948868
表1は本発明の請求項1、2の発明に関係する低鉄損で、高磁束密度を得る本発明例および比較例の成分組成とその評価結果である。表1において、比較例1はFe−B−Si系の非晶質薄帯でN、C、Pの何れも含有しておらずベースの成分組成である。比較例1に対しN、C、Pを含有させて得られた非晶質薄帯の磁気特性、熱的安定性、非晶質形性能、脆性を評価した。
本発明例1は比較例1に対してNを0.004%含有させており、熱的安定性、非晶質形性能、脆性が改善されている。本発明例2ではCを0.93%含有した上で、Nを0.004%含有させているため磁束密度も向上している。一方、本発明例3ではPを0.1%含有した上でNを0.004%含有させているため、鉄損が良好となっている。本発明例4ではCを0.93%、Pを0.1%、Nを0.004%含有させており熱的安定性、非晶質形性能、脆性、磁束密度、鉄損の全てにおいて改善されている。本発明例5ではC、Nは本発明例4と同じであるがPが0.2%含有さており、Feの減少により磁束密度が僅かに低下するが、鉄損値は大きく改善され、さらに非晶質形性能および脆性も改善されていた。一方、比較例2ではPが0.25%と過剰に含有されているため磁束密度は低下し、脆性が悪化していた。本発明例6〜8はCを0.93%、Pを0.1%含有させた上でNの含有量を変化させているが、磁束密度、鉄損が大きく変わることなく、N量の含有量の増加に伴い熱的安定性、非晶質形性能、脆性が向上されている。比較例3はNを0.25%と過剰に含有しておりN添加のコストが嵩んでいるが、熱的安定性、非晶質形成能はすでに飽和しており、またNの増加により磁束密度が低下している。
以上のことから熱的安定性、非晶質形成能、加工性(脆性)、鉄損が改善されることが解る。
<実施例2>
実施例1と同様の方法で表2に示す成分で、幅25mm、厚さ28〜35μmのFe−B−Si−C−P−N系の非晶質合金薄帯を製造した。表2にその成分組成と得られた各特性を示した。なお、測定方法および評価方法は実施例1と同一である。
Figure 0004948868
表2は本発明の請求項3の発明に関係する低鉄損で、加工性が良好で、中程度の磁束密度を得る本発明例および比較例の成分組成とその評価結果である。表2において、比較例4はP、Nの何れも含有しておらずベースの成分組成である。比較例4に対しP、Nを含有して得られた非晶質薄帯の磁気特性、熱的安定性、非晶質形成能、脆性を評価した。
本発明例9ではPが0.005%、Nが0.004%添加されており鉄損、脆性、熱的安定性の改善が見られた。本発明例10、11は、それぞれP:0.1%、P:0.2%、およびN:0.004%の含有でFeが減少したため磁束密度は僅かに低下するが鉄損値は大きく改善され、非晶質形性能、脆性も改善されていた。一方、比較例5ではPが0.25%と過剰に含有されているため磁束密度は低下し、脆性が悪化していた。本発明例12〜14はP:0.1%含有で低鉄損を示しており、非晶質形成能も改善されているが、さらにNの含有量の増加に伴い熱的安定性、非晶質形性能、脆性が改善している。比較例6はN:0.25%と過剰に含有しておりN添加のコストが嵩んでいるが、熱的安定性、非晶質形成能はすでに飽和しており、またNの増加により磁束密度が低下している。
以上のことから、表2の成分組成においても熱的安定性、非晶質形成能、加工性(脆性)、鉄損が改善されることが解る。
<実施例3>
実施例1と同様の方法で表3に示す成分で、幅25mm、厚さ28〜35μmのFe−B−Si−C−P−N系の非晶質合金薄帯を製造した。表3にその成分組成と得られた各特性を示した。なお、測定方法および評価方法は実施例1と同一である。
Figure 0004948868
表3は本発明の請求項4の発明に関係する高磁束密度を得る本発明例および比較例の成分組成とその評価結果である。表3において、比較例7はP、Nの何れも含有しておらずベースの成分組成である。比較例7に対しP、Nを含有して得られた非晶質薄帯の磁気特性、熱的安定性、非晶質形成能、脆性を評価した。
本発明例15ではPが0.005%、Nが0.004%含有されており鉄損、脆性、熱的安定性の改善が見られた。本発明例16、17は、それぞれP:0.1%、P:0.2%、およびN:0.004%の含有でFeが減少したため磁束密度は僅かに低下するが鉄損値は大きく改善され、さらに非晶質形性能および脆性も改善されていた。一方、比較例8ではPが0.25%と過剰に添加されているため磁束密度は低下し、脆化していた。本発明例18〜20はP:0.1%添加で低鉄損を示しており、非晶質形性能も改善されているが、さらにN量の含有量の増加に伴い熱的安定性、非晶質形性能、脆性が改善している。比較例9はN:0.25%と過剰に含有しておりN添加のコストが嵩んでいるが、熱的安定性、非晶質形成能はすでに飽和しており、またNの増加により磁束密度が低下している。
以上のことから、表3の成分組成においても熱的安定性、非晶質形成能、加工性(脆性)、鉄損が改善されることが解る。
<実施例4>
実施例1と同様の方法で表4に示す成分で、幅25mm、厚さ28〜35μmのFe−B−Si−C−P−N系非晶質合金薄帯のFeをCo、Ni、Crで置換した非晶質合金薄帯を製造した。表4にその成分組成と得られた各特性を示した。なお、測定方法および評価方法は実施例1と同一である。
Figure 0004948868
表4は本発明の請求項5の発明に関係する磁束密度や耐食性改善を目的とした本発明例および比較例の成分組成とその評価結果である。表4において、本発明例21〜24は磁束密度改善のためにFeをCoで、本発明例25はNiでそれぞれ置換している。さらに、本発明例21はC、Pを、本発明例22はCを、本発明例23はPを含有させていない成分組成である。本発明例26は耐食性改善を目的としてFeをCrで置換している。本発明例27は磁束密度、耐食性の両方の改善を目的としてFeをCo、Ni、Crで置換している。なお、NiおよびCrはFe源およびFe−B等の添加合金から微量が不可避的に混入した(例えば、表4の本発明例21のNi:0.03%およびCr:0.05%)。比較例10、11は本発明例21、22に対してNを含有しない例であり、比較例12は本発明例23に対してNを比較例24に対しN、Pを含有しない例である。
また、比較例12〜14は本発明例24〜27に対し、N、Pを含有しない例である。
本発明例ではいずれもNの含有効果により曲げ破壊直径が何れも40%程度減少し、4mm以下となっており脆性改善がなされていることが解る。また、Pの効果により鉄損も良好となり、P添加による脆性もNの含有効果により改善されている。
以上のことからFeをCo、Ni、Crで置換した場合においてもPおよびNの含有効果により薄帯特性が改善されることが解る。
本発明の合金薄帯は、Nの添加効果により熱的安定性、非晶質形成能、加工性(脆性)、鉄損が改善される。また、電力トランスや高周波トランスの鉄芯用や、更には磁気シ−ルド材などの鉄芯用軟磁性材料として、幅広く使用することができる。

Claims (4)

  1. 原子%で、B :5〜25%、
    Si:1〜30%、
    N :0.001〜0.2%
    を含有し、さらに
    C :0.003〜10%、
    P :0.001〜0.2%
    の一種または二種を含有し、
    残部Feおよび不可避的不純物からなり、
    脆性評価指標として曲げ破壊直径が4mm以下であることを特徴とするFe系非晶質合金薄帯。
  2. 原子%で、
    B :10〜20%、
    Si:1〜10%、
    N :0.001〜0.2%、
    C :0.02〜2%、
    P :0.001〜0.2%
    とすることを特徴とする請求項1に記載のFe系非晶質合金薄帯。
  3. 原子%で、
    B :5〜12%、
    Si:1〜5%、
    N :0.001〜0.2%、
    C :1〜10%、
    P :0.001〜0.2%
    とすることを特徴とする請求項1に記載のFe系非晶質合金薄帯。
  4. 原子%で、Fe量の15%以下をCo、Niあるいは5%以下のCrから1種または2種以上で置換したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のFe系非晶質合金薄帯。
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