JP3379059B2 - 安価なFe−B−Si−C非晶質合金薄帯 - Google Patents

安価なFe−B−Si−C非晶質合金薄帯

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力トランス、高
周波トランスなどの鉄心に用いられるFe−B−Si−
C非晶質合金薄帯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非晶質合金は、これまで多くの方法によ
って製造できることが知られているが、薄い帯状を呈す
る非晶質合金薄帯を工業的に生産するには、液体状態の
溶融合金を移動する冷却基板の表面で急冷凝固させる方
法、すなわち、液体急冷法が採用されている。液体急冷
法として知られているプロセスとして、遠心急冷法、単
ロール法、双ロール法等がある。合金の組成を適切に選
択し、これらのプロセスを用いれば、磁気的性質、機械
的性質等で優れた特性を有する非晶質合金薄帯を得るこ
とができる。
【0003】この非晶質合金薄帯は、その優れた特性か
ら多くの用途において工業材料として有望視されてい
る。そのなかでも、電力トランスや高周波トランスなど
の鉄心としての用途において、鉄損が低いこと、透磁率
が小さいこと等の理由から例えばFe−B−Si−C非
晶質合金薄帯(以下、単に薄帯と称す)が適していると
考えられる。
【0004】この薄帯を製造する際の合金用鉄源として
は従来、例えば電解鉄などの高純度な鉄源が用いられて
いた。各種の不純物が特性の劣化を招くと考えられてい
たからである。不純物元素の許容量については、例え
ば、特開昭57−137451号公報にFe−B−Si
非晶質合金薄帯における各種不純物元素の最大許容量が
明示されている。
【0005】前記公報に記載された各種不純物元素の最
大許容量は原子パーセントで示されているが、前記公報
の実施例1に示された成分系(Bが15.3原子%、S
iが5.8原子%)を例にとって、主な不純物元素の最
大許容量を重量%に換算すると以下の通りとなる。すな
わち、Mnが0.14%、Sが0.014%、Pが0.
005%である。これらの不純物元素は、鉄鉱石を原料
とした製鋼プロセスで生産される鋼種において特に問題
となる元素であるが、これらの不純物元素の最大許容量
の値がかなり小さいため、通常の製鋼プロセスで生産さ
れる鋼を薄帯の合金用鉄源として使用することは困難と
考えられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、不純物の許容量
の制限から高純度な鉄源の使用を余儀なくされていた
が、高純度な鉄源はもちろん高価であることから薄帯製
造時の合金コストは高くなり、これが薄帯の製造コスト
をかなり高くする一因となっていた。つまり、薄帯を工
業材料として広く普及させるためにはその製造コストに
おいて問題があり、薄帯の合金コスト低減が強く望まれ
ていた。
【0007】本発明の目的は、従来薄帯製造時に存在し
ていた合金用鉄源として用いる材料における制限を取り
除き、安価な合金用鉄源を使用しても、良好な特性を示
す合金薄帯を提供することにある。
【0008】
【発明が解決するための手段】合金コスト低減を実現す
るためには、鉄源として例えば、不純物をある程度含有
する低品位な鉄源の使用を可能とすればよいと考えられ
る。概して、低品位な鉄源は安価で、合金コストを低減
できるからである。本発明者らは、不純物元素として特
に、Mn,S,Pに注目し、これらの不純物元素の含有
量が異なる各種のFe−B−Si−C合金を用いて実験
を行った。その結果、Pを微量含有すると、その他の不
純物を従来より多く含有しても、薄帯の特性劣化は起こ
らない、つまり、不純物の許容量を従来よりも大きくす
ることができるとの新しい知見を得た。そして、この知
見を基に検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明は、以下の構成を要旨とする。すな
わち、 (1)ベースの元素がFeで、B,Si,Cを合金構成
元素とし、さらに、P,MnおよびS元素の含有量が重
量%でそれぞれ、 P :0.018%以上0.1%以下、 Mn:0.25%以上0.5%以下、 S :0.004%以上0.05%以下 であることを特徴とする安価なFe−B−Si−C非晶
質合金薄帯および (2)合金元素が原子%で、 B :7%〜20%、 Si:1%〜19%、 C :0.02%〜4% 含有し、残部がFeおよび不純物であることを特徴とす
る(1)記載の安価なFe−B−Si−C非晶質合金薄
帯である。
【0010】以下に、本発明について詳しく説明する。
はじめに、本発明においてPの含有量を0.018重量
%以上0.1重量%以下と限定した理由について述べ
る。Pの含有量をこの範囲とすると、その他の不純物元
素であるMn,Sの含有量を前述の範囲としても、つま
り、従来の許容量以上としても、鉄損がW13/50 (50
Hz、1.3T (テスラ) での鉄損値)で0.12w/kg
以下と低い値を示す。例えば、薄帯をトランスの鉄心と
して用いる場合に薄帯の鉄損値はできるだけ低くするこ
とが要求されるが、薄帯の鉄損はW13/50 で0.12w/
kg以下とすることが望ましい。しかし、Pの含有量を
0.018重量%未満とすると、その他の不純物の許容
量を拡大する効果、つまり、Mn,Sといった不純物元
素を従来の許容量以上としても、鉄損はW13/50 で0.
12w/kg以下と低くなる現象は認められない。一方、P
の含有量を0.1重量%超とすると、もはやP添加によ
る不純物許容量拡大効果は認められなくなる。したがっ
て、Pの含有量は0.018重量%以上0.1重量%
と限定した。
【0011】次に、Mn,Sの含有量を限定した理由に
ついて述べる。Mn,Sの含有量をそれぞれ、0.5重
量%超、0.05重量%超とすると、Pを0.018重
量%以上0.1重量%以下添加しても、得られた薄帯の
鉄損値はW13/50 で0.12w/kg超と高くなることか
ら、Mn,Sの含有量ををそれぞれ、0.5重量%以
下、0.05重量%以下と限定した。一方、Mn,Sの
含有量の下限値をそれぞれ、0.25重量%、0.00
4重量%としたのは、これらの元素の下限値をこれらの
値以下と限定すると、従来のように高純度な鉄源を使用
しなければならなくなるためである。高純度な鉄源は高
価であるため、合金コストの増大を招くので好ましくな
い。
【0012】さらに、本発明においてFe−B−Si−
C合金の各合金構成元素の含有量として、Feの含有量
は、原子%で70%以上86%以下の範囲とすることが
好ましい。また、B,Si,Cの含有量についてはそれ
ぞれ、7原子%以上20原子%以下、1原子%以上19
原子%以下、0.02原子%以上4原子%以下が好まし
い範囲である。これらの元素の含有量に好ましい範囲を
設けた理由は、以下の通りである。
【0013】例えば、薄帯をトランスの鉄心として用い
る場合、鉄心の飽和磁束密度はFeの含有量により一義
的に決まる。鉄心の飽和磁束密度は実用的なレベルとし
て1.5T(テスラ)以上の高い値とする必要があるの
で、これを実現するためにFe含有量は70原子%以上
とする必要がある。一方、Fe含有量が86原子%超と
なると、非晶質の形成が困難となり良好な特性は得られ
なくなる。
【0014】BとSiは非晶質形成能および特性の熱的
安定性を向上させるために添加する。Bが7原子%未
満、Siが1原子%未満では非晶質相が安定して形成さ
れず、一方、Bが20原子%超、Siが19原子%超と
しても原料コストが高くなるだけで、非晶質形成能、熱
的安定性に向上が認められない。よって、B含有量は7
原子%以上20原子%以下、Si含有量は1原子%以上
19原子%以下が好ましい。
【0015】さらに、Cは薄帯の製造性向上に効果があ
る元素である。Cを含有させることにより、冷却基板と
の濡れ性が向上して良好な薄帯を形成することができ
る。この点から、Cの含有量は0.02原子%以上4原
子%以下が好ましい。なお、C添加によるさらに大きな
濡れ性の向上を得るためには、Cの含有量を0.1原子
%以上4原子%以下とするとよい。
【0016】従来、高価な高純度鉄源の使用を余儀なく
されていたのに対して、本発明により、低品位な鉄源の
使用が可能となったことから、安価な鉄源を使用できる
ようになり、よって、薄帯製造時の合金コストの削減が
可能となった。つまり、薄帯を安価に製造することがで
きるようになった。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明により、薄帯の成分を決定
する際は、はじめに、Fe,B,Si,Cの含有量を原
子%で決定し、次いで、Fe−B−Si−C合金と各不
純物元素の含有量の比率を重量%でもって決定するとよ
い。
【0018】P,Mn,Sの不純物元素の含有量がそれ
ぞれ、0.018重量%以上0.1重量%以下、0.2
重量%以上0.5重量%以下、0.004重量%以上
0.05重量%以下であれば、薄帯の特性はFe,B,
Si,Cの含有量で決まる。Fe,B,Si,Cの含有
量の好ましい範囲については先に述べたが、特に好まし
い組み合わせを合金組成で示すと、例えば、Fe−B12
−Si6.5 −C1 (原子%)や、Fe−B15−Si6
1 (原子%)や、Fe−B15−Si3.5 −C1 (原子
%)が挙げられる。
【0019】一方、不純物元素に関して、Pの含有量を
0.018重量%以上0.1重量%以下と限定したが、
大きな不純物許容量拡大効果を得るためには、Pの含有
量を0.03重量%以下とすることが好ましい。さら
に、Mn,Sの不純物元素の含有量は、本発明で限定す
る範囲内で、できるだけ少ない方が好ましく、Mn,S
の含有量はそれぞれ、0.25重量%以上0.3重量%
以下、0.004重量%以上0.02重量%以下が好ま
しい。
【0020】本発明により、例えば、鉄鉱石を原料とし
た製鋼プロセスで生産される鋼種の一部を薄帯の合金鉄
源として使用することが可能となったが、本発明の薄帯
を製造するための合金鉄源は、この製鋼プロセスで生産
される鋼に限定されるわけではない。
【0021】また、薄帯を製造する装置としては、溶融
合金をノズルを介して高速で移動する冷却基板の上に噴
出し、熱的接触によって急冷凝固させる液体急冷法であ
る単ロール装置や双ロール装置等である。単ロール装置
には、ドラムの内壁を使う遠心急冷装置たエンドレスタ
イプのベルトを使う装置や、これらの改良型、例えば補
助ロールや、ロール表面温度制御装置を付属させたも
の、あるいは減圧下ないし、真空中または不活性ガス中
での鋳造装置も含まれる。
【0022】薄帯の板厚、板幅などの寸法について本発
明においては特に限定しないが、薄帯の板厚は、例え
ば、10μm以上100μm以下が好ましい。また、板
幅については、20mm以上が好ましい。
【0023】
【実施例】
(実施例1)Fe−B12−Si6.5 −C1 (原子%)合
金と残部が不純物からなる非晶質合金を用いて、大気中
単ロール薄帯製造装置を用いて薄帯の製造を行った。用
いた合金の不純物元素はP,MnおよびSで、薄帯製造
にはこれらの元素の含有量の異なる各種の合金を用いて
行った。
【0024】用いた単ロール薄帯製造装置は、直径58
0mmの銅合金製冷却ロール、試料溶解用の高周波誘導電
源、石英るつぼなどからなり、るつぼの先端にはスリッ
トノズル(幅0.6mm)を取り付けた。薄帯製造時の冷
却ロールの回転数は800rpm とした。
【0025】すべての合金とも良好な薄帯が得られ、板
厚はおよそ30μmであった。すべてのチャージについ
て薄帯の成分分析を行った。合金の成分元素のうち、不
純物元素についてその含有量を表1に示す。また、得ら
れた薄帯の鉄損を測定するために、サンプルを360℃
で1時間、窒素雰囲気中で磁場焼鈍し、SSTで鉄損を
測定した。得られた鉄損値を表1に示す。
【0026】表1の本発明例に示す結果からわかるよう
に、いずれのチャージの薄帯とも、P,MnおよびSの
含有量がそれぞれ、0.018重量%以上0.1重量%
以下、0.25重量%以上0.5重量%以下、0.00
4重量%以上0.05重量%以下の範囲にあり、いずれ
のチャージの薄帯とも、鉄損値がW13/50 で0.12w/
kg以下と低い値を示している。
【0027】この結果から、Mn,Sの不純物含有量を
従来の許容値以上に高くしても、Pを0.018重量%
以上0.1重量%以下含有させることにより良好な特性
を有する薄帯を得られることがわかった。すなわち、合
金鉄源として従来より低品位な材料を使用できることが
わかった。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例2)Fe−B15−Si6 −C
1 (原子%)合金と残部が不純物からなる非晶質合金を
用いて薄帯の製造を行った。用いた合金の不純物元素は
P,MnおよびSで、薄帯製造にはこれらの元素の含有
量の異なる各種の合金を用いて行った。なお、用いた薄
帯製造装置および製造条件は、実施例1の場合と同様で
あった。
【0030】すべての合金とも良好な薄帯が得られ、板
厚はおよそ30μmであった。すべてのチャージについ
て薄帯の成分分析を行った。合金の成分元素のうち、不
純物元素についてその含有量を表2に示す。得られたす
べてのチャージの薄帯について鉄損を測定した。測定条
件は、実施例1の場合と同様であった。
【0031】表2から、本発明例でのいずれのチャージ
の薄帯とも、P,MnおよびSの含有量がそれぞれ、
0.018重量%以上0.1重量%以下、0.25重量
%以上0.5重量%以下、0.004重量%以上0.0
5重量%以下の範囲にあり、そのいずれのチャージの薄
帯とも、鉄損値がW13/50 で0.12w/kg以下と低い値
を示すことがわかる。
【0032】この結果から、Mn,Sの不純物含有量を
従来の許容値以上に高くしても、Pを0.018重量%
以上0.1重量%以下含有含有させることにより良好な
特性を有する薄帯を得られることがわかった。すなわ
ち、従来より低品位な合金鉄源の使用が可能であること
がわかった。
【0033】
【表2】
【0034】(実施例3)Fe−B15−Si3.5 −C1
(原子%)合金と残部が不純物からなる非晶質合金を用
いて薄帯の製造を行った。用いた合金の不純物元素は
P,MnおよびSで、薄帯製造にはこれらの元素の含有
量の異なる各種の合金を用いて行った。なお、用いた薄
帯製造装置および製造条件は、実施例1の場合と同様で
あった。
【0035】すべての合金とも良好な薄帯が得られ、板
厚はおよそ30μmであった。すべてのチャージについ
て薄帯の成分分析を行った。合金の成分元素のうち、不
純物元素についてその含有量を表3に示す。得られたす
べてのチャージの薄帯について鉄損を測定した。測定条
件は、実施例1の場合と同様であった。
【0036】表3から、本発明例でのいずれのチャージ
の薄帯とも、P,MnおよびSの含有量がそれぞれ、
0.018重量%以上0.1重量%以下、0.25重量
%以上0.5重量%以下、0.004重量%以上0.0
5重量%以下の範囲にあり、いずれのチャージの薄帯と
も、鉄損値がW13/50 で0.12w/kg以下と低い値を示
すことがわかる。
【0037】この結果から、Mn,Sの不純物含有量を
従来の許容値以上に高くしても、Pを0.018重量%
以上0.1重量%以下含有含有させることにより良好な
特性を有する薄帯を得られることがわかった。すなわ
ち、従来より低品位な合金鉄源の使用が可能であること
がわかった。
【0038】
【表3】
【0039】
【比較例】
(比較例1)Fe−B12−Si6.5 −C1 (原子%)合
金と残部が不純物からなる非晶質合金を用いて薄帯の製
造を行った。用いた合金の不純物元素はP,Mnおよび
Sで、薄帯製造にはこれらの元素の含有量の異なる各種
の合金を用いて行った。なお、用いた薄帯製造装置およ
び製造条件は、実施例1の場合と同様であった。
【0040】すべての合金とも薄帯が得られ、板厚はお
よそ30μmであった。すべてのチャージについて薄帯
の成分分析を行った。合金の成分元素のうち、不純物元
素についてその含有量を表1のCh.No.19〜28
に示す。得られたすべてのチャージの薄帯について鉄損
を測定した。測定条件は、実施例1と同様であった。
【0041】表1のCh.No.19〜28に示す結果
からわかるように、P,MnおよびSのうち少なくとも
1元素がそれらの許容含有量(P:0.018重量%以
上0.1重量%以下、Mn:0.25重量%以上0.5
重量%以下、S:0.004重量%以上0.05重量以
下)を外れると薄帯の鉄損はW13/50 で0.12w/kgを
超える高い値を示した。
【0042】(比較例2)Fe−B15−Si6 −C
1 (原子%)合金と残部が不純物からなる非晶質合金を
用いて薄帯の製造を行った。用いた合金の不純物元素は
P,MnおよびSで、薄帯製造にはこれらの元素の含有
量の異なる各種の合金を用いて行った。なお、用いた薄
帯製造装置および製造条件は、実施例1の場合と同様で
あった。
【0043】すべての合金とも板厚がおよそ30μmの
薄帯が得られた。薄帯の不純物元素についての分析結果
を表2のCh.No.19〜28に示す。得られたすべ
てのチャージの薄帯について鉄損を測定した。測定条件
は、実施例1と同様であった。
【0044】表2のCh.No.19〜28に示す結果
から、P,Mn、およびSのうち少なくとも1元素がそ
れらの許容含有量(P:0.018重量%以上0.1重
量%以下、Mn:0.25重量%以上0.5重量%以
下、S:0.004重量%以上0.05重量以下)を外
れると、薄帯の鉄損はW13/50 で0.12w/kgを超える
高い値となることがわかった。
【0045】(比較例3)Fe−B15−Si3.5 −C1
(原子%)合金と残部が不純物からなる非晶質合金を用
いて薄帯の製造を行った。用いた合金の不純物元素は
P,MnおよびSで、薄帯製造にはこれらの元素の含有
量の異なる各種の合金を用いて行った。なお、用いた薄
帯製造装置および製造条件は、実施例1の場合と同様で
あった。
【0046】すべての合金とも板厚がおよそ30μmの
薄帯が得られた。薄帯の不純物元素についての分析結果
を表3のCh.No.19〜28に示す。得られたすべ
てのチャージの薄帯について鉄損を測定した。測定条件
は、実施例1と同様であった。
【0047】表3のCh.No.19〜28に示す結果
から、P,MnおよびSのうち少なくとも1元素がそれ
らの許容含有量(P:0.018重量%以上0.1重量
%以下、Mn:0.25重量%以上0.5重量%以下、
S:0.004重量%以上0.05重量以下)を外れる
と、薄帯の鉄損はW13/50 で0.12w/kgを超える高い
値となることがわかった。
【0048】
【発明の効果】本発明により、薄帯の合金鉄源として低
品位の材料の使用が可能となったことから、薄帯製造時
の合金コストの低減が実現し、安価に薄帯を製造するこ
とができるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−16947(JP,A) 特開 平8−283919(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 45/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースの元素がFeで、B,Si,Cを
    合金構成元素とし、さらに、不純物としてP,Mnおよ
    びS元素の含有量が重量%でそれぞれ、 P :0.018%以上0.1%以下、 Mn:0.25%以上0.5%以下、 S :0.004%以上0.05%以下 であることを特徴とする安価なFe−B−Si−C非晶
    質合金薄帯。
  2. 【請求項2】 合金元素が原子%で、 B :7%〜20%、 Si:1%〜19%、 C :0.02%〜4% 含有し、残部がFeおよび不純物であることを特徴とす
    る請求項1記載の安価なFe−B−Si−C非晶質合金
    薄帯。
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