JP2708410B2 - 非晶質金属細線 - Google Patents

非晶質金属細線

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JP2708410B2 JP61265139A JP26513986A JP2708410B2 JP 2708410 B2 JP2708410 B2 JP 2708410B2 JP 61265139 A JP61265139 A JP 61265139A JP 26513986 A JP26513986 A JP 26513986A JP 2708410 B2 JP2708410 B2 JP 2708410B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、靭性に優れた特性を有する断面が円形な非
晶質金属細線に関するものである。 (従来の技術) 非晶質金属材料は、その材質の優れた電磁気特性、機
械的特性から種々の実用化研究が進められている。その
中でも断面が円形なFe系非晶質金属細線については、特
開昭56−165016号公報に記載されており、また、その中
でも疲労特性に優れたものは、特開昭58−213857号公報
に記載されており、さらに疲労特性と靭性に優れたもの
は特開昭60−106949号公報に記載されている。そして、
特に特開昭60−106949号公報記載のものは、冷間加工性
が改良され、撚り線への加工が可能であるまでに改良さ
れてきている。 (発明が解決しようとする問題点) これらの金属細線は、適当な径の線に伸線加工された
り、あるいは伸線される以前の素線の状態や伸線された
状態で撚り加工されたり、または織ったり編んだりして
用いられることが非常に多い。これらの加工を行うため
には、疲労特性が優れていることはもちろんのこと、靭
性にも優れていることが必要である。靭性に優れていな
いと、上記の加工の途中で金属細線が切断することにな
る。従来の金属細線、特にFe−Cr−Si−Bからなる金属
細線を、例えばダイヤモンドダイスを用いて線引する
と、原線200m当り数十回以上も切断することがある。そ
のため、金属細線の長さは短くなって商品価値を減ずる
とともに、上記加工の作業効率を低下させることにな
る。また、撚ったり、織ったり、編んだりするような応
力のかかる加工を行うと、これも原線2000m当り数十回
以上も切断することがある。 (問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは、これらの現状に鑑み、鉄、シ
リコンおよびホウ素を必須元素として含み、これにコバ
ルトまたはクロムが任意元素として含むFe−Co−Cr−B,
Fe−Co−Si−BまたはFe−Cr−Si−Bからなる非晶質合
金が有する疲労特性に優れた性質を維持しながら、靭性
に優れた非晶質合金材料を提供することを目的として鋭
意研究した結果、上記非晶質合金組成に含まれる不純物
であるAl、Ti、S、O、Nの総含量をある濃度以下に規
制すると、上記の目的が達成される断面が円形な非晶質
金属細線が得られるという事実、および得られた細線が
加工の途中で切断がほとんど生じないという事実を見い
出し、本発明に到達したものである。 即ち、本発明は主成分としてFe、Co、Cr、SiおよびB
を含む組成式: (FeaCob100-(x+y+z)CrxSiyBz (1) {式中、0.1≦a≦1.0、0<b≦0.9、a+b=1.0、0
<x≦20原子%、5原子%≦y≦15原子%、5原子%≦
z≦15原子%、15原子%≦Y+Z≦28原子%を満足す
る。} で表わされる合金からなり、かつその不純物が式: 1.5[Al]+1.8[Ti]+1.0[S]+0.8[O]+1.0[N]≦220 (2) {式中、[ ]は各原子のppm濃度を示す。} を満足する靭性に優れた円形断面の非晶質金属細線、 主成分としてFe、Co、SiおよびBを含む組成式: (FeaCob100-(y+z)SiyBz (3) {式中、0.1≦a≦1.0、0<b≦0.9、a+b=1.0、5
原子%≦y≦15原子%、5原子%≦z≦15原子%、15原
子%≦y+z≦28原子%を満足する。} で表わされる合金からなり、かつその不純物が式: 1.5[Al]+1.8[Ti]+1.0[S]+0.8[O]+1.0[N]≦220 (2) {式中、[ ]は各原子のppm濃度を示す。} を満足する靭性に優れた円形断面の非晶質金属細線、 および主成分としてFe、Cr、SiおよびBを含む組成
式: Fe100-(x+y+z)CrxSiyBz (4) {式中、0.1<x≦20原子%、5原子%≦y≦15原子
%、5原子%≦z≦15原子%、15原子%≦y+z≦28原
子%を満足する。} で表わされる合金からなり、かつその不純物が式: 1.5[Al]+1.8[Ti]+1.0[S]+0.8[O]+1.0[N]≦220 (2) {式中、[ ]は各原子のppm濃度を示す。} を満足する靭性に優れた円形断面の非晶質金属細線を要
旨とするものである。 本発明のFe−Co−Cr−Si−B系非晶質金属細線におい
ては、主成分のFe、Co、Cr、SiおよびBは靭性に優れた
特性を有する非晶質金属細線を得るために一定の組成範
囲内でなければならない。即ち、Crは0原子%を越え20
原子%以下であることが必要で、0.5原子%以上15原子
%以下であることが好ましい。Siは5原子%以上で15原
子%以下であることが必要で、7原子%以上15原子%以
下であることが好ましい。Bは5原子%以上で15原子%
以下であることが必要で、7原子%以上15原子%以下で
あることが好ましい。また、SiとBとの和は15原子%以
上で28原子%以下であることが必要で、17原子%以上で
28原子%以下であることが好ましい。残部はFeとCoより
なるが、FeとCoとの比として、Feは0.1以上で1.0未満が
必要で、0.2以上1.0未満が好ましい。Coは0を越え0.9
以下が必要で0を越え0.8以下が好ましい。不純物元素
であるAl、Ti、S、O、Nの量は、相互の濃度により影
響し合うが、それぞれの係数の大きさにより自ずと濃度
が決定される。Alの係数は1.5、Tiの係数は1.8、Sの係
数は1.0、Oの係数は0.8、Nの係数は1.0であり、
(2)左辺の和が220以下であることが必要である。
(2)左辺の和が220より大きい場合には得られた金属
細線の靭性、加工性が充分でないものが生じる。また、
金属細線をノズルから吹出す際のノズル孔の閉塞が著し
く生じるようになり、実用上利用し得る長い連続的な金
属細線が得られない。 次に、本発明のFe−Co−Si−B系非晶質細線において
は、主成分のFe、Co、SiおよびBは靭性に優れた特性を
有する非晶質金属細線を得るために一定の組成範囲内で
なければならない。すなわち、Siは5原子%以上で15原
子%以下であることが必要で、7原子%以上15原子%以
下であることが好ましい。Bは5原子%以上で15原子%
以下であることが必要で、7原子%以上15原子%以下で
あることが好ましい。またSiとBとの和は15原子%以上
で28原子%以下であることが必要で、17原子%以上で28
原子%以下であることが好ましい。残部はFeとCoよりな
るが、FeとCoとの比として、Feは0.1以上で1.0未満が必
要で、0.2以上1.0未満が好ましい。Coは0を越え0.9以
下が必要で0を越え0.8以下が好ましい。不純物元素で
あるAl、Ti、S、O、Nの量は、相互の濃度により影響
し合うが、それぞれの係数の大きさにより自ずと濃度が
決定される。Alの係数は1.5、Tiの係数は1.8、Sの係数
は1.0、Oの係数は0.8、Nの係数は1.0であり、(2)
左辺の和が220以下であることが必要である。(2)左
辺の和が220より大きい場合には得られた金属細線の靭
性、加工性が充分でないものが生じる。また、金属細線
をノズルから吹出す際のノズル孔の閉塞が著しく生じる
ようになり、実用上使用し得る長い連続的な金属が得ら
れない。 さらに、本発明のFe−Cr−Si−B系非晶質金属細線に
おいては、主成分のFe、Cr、SiおよびBは靭性に優れた
特性を有する非晶質金属細線を得るために一定の組成範
囲内でなければならない。すなわち、Crは0原子%を越
え20原子%以下であることが必要で、0.5原子%以上15
原子%以下であることが好ましい。Siは5原子%以上で
15原子%以下であることが必要で、7原子%以上15原子
%以下であることが好ましい。Bは5原子%以上で15原
子%以下であることが必要で、7原子%以上15原子%以
下であることが好ましい。またSiとBとの和は15原子%
以上で28原子%以下であることが必要で、17原子%以上
で28原子%以下であることが好ましい。残部はFeよりな
る。不純物元素であるAl、Ti、S、O、Nの量は、相互
の濃度により影響し合うが、それぞれの係数の大きさに
より自ずと濃度が決定される。Alの係数は1.5、Tiの係
数は1.8、Sの係数は1.0、Oの係数は0.8、Nの係数は
1.0であり、(2)左辺の和が220以下であることが必要
である。(2)左辺の和が220より大きい場合には得ら
れた金属細線の靭性、加工性が充分でないものが生じ
る。また、金属細線をノズルから吹出す際のノズル孔の
閉塞が著しく生じるようになり、実用上利用し得る長い
連続的な金属細線が得られない。 本発明のFe−Co−Cr−Si−B系非晶質金属細線、Fe−
Co−Si−B系非晶質金属細線、またはFe−Cr−Si−B系
非晶質金属細線において不純物量を規定する式は、 1.5[Al]+1.8[Ti]+1.0[S]+0.8[O]+1.0[N]≦220 (2) で示される。 (2)式の各元素に個別につけた係数は、その元素を
含む合金が急冷凝固される際に、非晶質状態とならず、
部分的に微結晶が混在してくる傾向の大きさを示すもの
であり、この数字が大きいほど非晶質化を妨げる力の大
きい元素といえる。また、(2)式における右辺の数字
は、得られた金属細線が有する靭性および加工性が実用
に供され得るかどうかを評価する指標であり、その合金
系の非晶質形成能と関係した数字である。(2)式にお
いて各副成分元素濃度にそれぞれの重み係数をかけた和
が、(2)式右辺の数字以下であればその合金系から得
られる非晶質金属細線が実用に供し得る靭性、加工性を
有していることを意味するものである。 本発明において、前記Fe−Co−Cr−Si−B系、Fe−Co
−Si−B系、またはFe−Cr−Si−B系の組成に耐食性を
向上させる目的で、Niを30原子%以下、好ましくは0.1
原子%以上で30原子%以下、耐熱性、耐食性および機械
的特性を向上させる目的Ta、Nb、Moのうち少なくとも1
種を10原子%以下、好ましくは0.1原子%以上で10原子
%以下、それぞれ添加することができる。また、非晶質
形成能、強度および疲労特性を向上させる目的でCを2
原子%以下、好ましくは0.1原子%以上で2原子%以下
添加することができる。特にこれらの添加元素の中でNi
を1〜20原子%、Moを0.5〜5原子%添加することが好
ましい。 本発明の細線は不純物元素をできる限り含まない純度
の高い原料金属、例えばジョンソンマッセー社の高純度
金属原料、またはそれらを更に高温プラズマ処理、高温
アーク処理、不活性ガスのバブリング等の方法によりそ
の中に含まれるO、N、S等のガス成分を低下させたも
のを用いて得てもよい。また、O、Nの濃度を極力小さ
くした少なくとも10-4以上の高真空下で、あるいはアル
ゴンガス(Arに多少のH2ガスの含まれた混合ガスを含
む)中において作成した合金を用いてもよい。比較的純
度が低く、不純物元素濃度が高い原料を用いる場合に
は、現在知られている各種精錬法、例えば、エレクトロ
スラグ溶融精製法、電子ビーム溶解法、高温プラズマ溶
解法、高温アーク真空溶解法等を適用して純化を行った
り、母合金作成時に精製を併せて行った原料を用いて母
合金を得、これを用いてもよい。 その原料を用いて得た母合金から金属細線を得るには
前記合金組成を用い、製造法として特に好ましい回転液
中紡糸法により急冷固化させればよい。回転液中紡糸法
としては、特開昭56−165016号公報に記載されているよ
うに、回転ドラムの中に水を入れ、遠心力でドラム内壁
に水膜を形成させ、この水膜中に溶融した合金を約80〜
200μm径の紡糸ノズルより噴出し、円形断面を有する
細線を得る方法が挙げられる。特に、均一な連続細線を
得るには、回転ドラムの周速度を紡糸ノズルより噴出さ
れる溶融金属流の速度と同速度にするか、またはそれ以
上にすることが望まれ、特に回転ドラムの周速度を紡糸
ノズルより噴出される溶融金属流の速度よりも5〜30%
速くすることが好ましい。また、紡糸ノズルより噴出さ
れる溶融金属流とドラム内壁に形成された水膜との角度
は20゜以上が好ましい。 本発明の細線は、線径が約50〜250μmであり、しか
も60%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%
以上の真円度を有し、好ましくは線径斑が4%以下の均
一な形状を有する細線である。 (実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。 なお、実施例中における引張破断強度、靭性および形
状は次のようにして評価した。 (1)試料の引張破断強度;インストロン型引張試験機
を用いて、試料長12cm、歪速度4.17×10-4/sで測定した
S−S曲線より求めた。 (2)靭性(切/2000m);金属細線(測定試料3)を
第1図に示すプーリー(この時の曲線にかかる表面歪を
2.2%となるように細線の直径に応じてプーリーの径を
変更する)に1回巻きつけ、細線に背応力(40kg/mm2
をかけならが連続的に送り出しローラ6から試料3を走
行させて巻取ローラ7で巻取ったとき、原線2000m当り
に破断した数を測定し、評価した。細線にかかる表面歪
λは、下記の式で算出した。ここでの評価は、撚った
り、織ったり、編んだりするような応力のかかる加工を
行うときの目安になるものである。 (ただし、tは試料の直径、rはプーリーの半径を表わ
す。) (3)靭性(切/2000m):0.13mmφの直径を有する非
晶質金属細線を0.15mmφ〜0.10mmφまで0.005mmピッチ
で、ダイヤモンドダイスを複数個並べ、金属細線を直列
に通すタイプの極細線伸線機にて100m/分の速度で0.10m
mφまで伸線加工を行った。このときの原線2000m当りの
切断数を求め、評価した。 ここでの評価は伸線加工を行うときの目安になるもの
である。 (4)形状 真円度;同一断面の最長軸直径Rmaxと最短軸直径Rminの
比を求めた。 長さ方向の太さ斑の測定;10m試長中ランダム10点直径を
測定し、直径の最大と最小との差を平均直径で割り、そ
れを100倍して求めた。 また、合金中の不純物元素濃度は以下のように測定し
た。 (5)不純物元素濃度(ガス成分以外) 試料を適当な酸に溶解した後、日本ジャーレルアッシ
ュ社のICP発光分光分析装置にて測定した。 (6)O、N含有量 堀場製作所製、EMGA−2200型金属中、O・N同時分析
装置を用いて測定した。 (7)S含有量 堀場製作所製、C・S分析装置を用いて測定した。 実施例1〜21、比較例1〜17 ジョンソンマッセイ社の高純度Fe、Co、Cr、Siならび
にシュタルク社の高純度Bを、純度99.9%以上の高純度
単結晶マグネシアから焼結して得た高純度マグネシアル
ツボを用い、少なくとも10-5torr以上の高真空下にて高
周波溶解し、各種合金組成ならびに各種元素組成の母合
金を得たが、不純物濃度の特に高いものは、上記母合金
作製時に不純物元素を適当量それぞれ別途加えて表−1
に示す種々の組成からなる母合金を得た。 これらの母合金をアルゴン雰囲気中で溶融した後、ア
ルゴンガス圧で孔径0.135mmφのルビー製紡糸ノズルよ
り320rpmで回転している内径600mmφの円筒ドラム内に
形成された温度4℃、深さ3.0cmの回転冷却液体中に噴
出して急冷固化させ、平均直径0.130mmφの円形断面を
有する均一な非晶質の連続細線を得た。この時の紡糸ノ
ズル先端と回転冷却液体表面との距離を1mmに保持し、
紡糸ノズルより噴出された溶融金属流とその回転冷却液
表面とのなす角は70゜であった。なお、溶融金属流の紡
糸ノズルからの噴出速度は、大気中に一定の時間噴出し
て集められた金属重量から測定し、約570m/分になるよ
うに噴出アルゴンガス圧を調整した。得られた非晶質金
属細線の引張破断強度、靭性、形状を測定した結果を表
−1にまとめて示す。 比較例1〜8は、本発明の特許請求の範囲の主合金組
成の範囲外の合金等であり、いずれも完全な非晶質ワイ
ヤーが得られない。また、ワイヤー特性もよくない。比
較例1はSiが少なすぎる。比較例2はBが少なすぎる。
比較例3はBが多すぎる。比較例4はSi、Bは範囲内で
あるがSi+Bの総計が28原子%を越えている。比較例5
は比較例1とFeとCoの比が異なるが、Siがやはり少なす
ぎる。比較例6は比較例2とFeとCoの比が異なるが、B
がやはり多すぎる。比較例7はFe、Co、Si、Bは主組成
を満たすがCrが多すぎ、若干靭性の面で問題がある。比
較例8はFeの含量が少なすぎ、靭性の面でやはり問題が
ある。 比較例9〜17は、主合金組成は本発明の特許請求の範
囲に入っているが、不純物元素濃度がいずれも多すぎ、
ワイヤー性能が劣悪なものである。比較例9はAl、Ti、
Si、O、Nがいずれも多く、非晶質ワイヤーが得られな
かった。比較例10はTi、Sの含量は低下させたが、Al、
O、Nの含量が比較的多く、総量として本発明の範囲を
越えているものであり、これもワイヤー性能は充分では
ない。比較例11〜13は比較例9〜10とはFeとCoの比が異
なるが、やはり不純物元素濃度が高くワイヤー性能は悪
い。比較例12は、Al、S、O、Nを比較的少なくした
が、Tiが多い場合であり、これも実用化しうるワイヤー
性能を与えない。比較例13は比較的Al、Ti、Nの量を低
くしたがSの量が多く、これもワイヤー性能を劣化させ
ている。比較例14〜17は主合金組成とSi、B量とが、比
較例9〜13とは異なったものであるが、やはり不純物含
量が多く、ワイヤー性能が充分ではないものである。比
較例14はTiとSの含量を低く抑えたが、AlとO、N含量
が高い。比較例15はAlとS含量を低く抑えたが、Ti、
O、N含量が高い。比較例16はTi、S、O、Nを低く抑
えたが、Al含量が高い。比較例17はAl、S、O、N含量
を低く抑えたが、Ti含量が高い。 実施例1〜21は、いずれも本発明の範囲のものであ
り、いずれも現時点で満足すべき性能を示している。 実施例10に示した130μmφの非晶質金属細線を使用
して素線にねじりが入らないプラネタリー型撚線機を用
い、7本撚の撚線を50cm/分の速度にて全長1000m作製し
た。その際の撚線は195ターン/mとした。その際に発生
した素線の切断数は0であった。 一方、比較例7に示した130μmφの細線を使用して
同様に撚加工を試みたが素線の破断が多発した。また、
比較例12に示した130μmφの細線でも同様に撚加工時
に素線の破断が多発した。 (発明の効果) 本発明の非晶質金属細線は冷間加工を工業的規模で行
うことが可能なものであり、その後、連続的に撚り加工
も可能であるものであって、ベルト、タイヤ等のゴムお
よびプラスチックの補強材、コンクリート、ガラス等と
の複合材、各種工業用補強材、ファインメッシュフィル
ター、ロープ、テグス等のしなやかさを必要とされる強
度材、その他センサー、磁性材料等の電磁気用途なども
幅広く工業的規模で使用可能なものである。
【図面の簡単な説明】 第1図はワイヤーの靭性を測定するモデル試験機の概略
図である。 1……試料の表面歪を調整するためのプーリー。2……
測定試料。 3……送り出しローラ。 4……巻取りローラ。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.主成分としてFe、Co、Cr、SiおよびBを含む組成
    式: (FeaCob100-(x+y+z)CrxSiyBz (1) {式中、0.1≦a≦1.0、0<b≦0.9、a+b=1.0、0
    <x≦20原子%、5原子%≦y≦15原子%、5原子%≦
    z≦15原子%、15原子%≦y+z≦28原子%を満足す
    る。} で表わされる合金からなり、かつその不純物が式: 1.5[Al]+1.8[Ti]+1.0[S]+0.8[O]+1.0[N]≦220 (2) {式中、[ ]は各原子のppm濃度を示す。}を満足す
    る靭性に優れた円形断面の非晶質金属細線。 2.主成分としてFe、Co、SiおよびBを含む組成式: (FeaCob100-(y+z)SiyBz (3) {式中、0.1≦a≦1.0、0<b≦0.9、a+b=1.0、5
    原子%≦y≦15原子%、5原子%≦z≦15原子%、15原
    子%≦z+y≦28原子%を満足する。} で表わされる合金からなり、かつその不純物が式: 1.5[Al]+1.8[Ti]+1.0[S]+0.8[O]+1.0[N]≦220 (2) {式中、[ ]は各原子のppm濃度を示す。} を満足する靭性に優れた円形断面の非晶質金属細線。 3.主成分としてFe、Cr、SiおよびBを含む組成式: Fe100-(x+y+z)CrxSiyBz (4) {式中、0<x≦20原子%、5原子%≦y≦15原子%、
    5原子%≦z≦15原子%、15原子%≦y+z≦28原子%
    を満足する。} で表わされる合金からなり、かつその不純物が式: 1.5[Al]+1.8[Ti]+1.0[S]+0.8[O]+1.0[N]≦220 (2) {式中、[ ]は各原子のppm濃度を示す。} を満足する靭性に優れた円形断面の非晶質金属細線。
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