JPH11269620A - Al基非晶質合金フィラメント - Google Patents
Al基非晶質合金フィラメントInfo
- Publication number
- JPH11269620A JPH11269620A JP7739798A JP7739798A JPH11269620A JP H11269620 A JPH11269620 A JP H11269620A JP 7739798 A JP7739798 A JP 7739798A JP 7739798 A JP7739798 A JP 7739798A JP H11269620 A JPH11269620 A JP H11269620A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filament
- amorphous alloy
- alloy filament
- amorphous
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
- Metal Extraction Processes (AREA)
Abstract
断面円形のAl基非晶質合金フィラメントを提供する。 【解決手段】 実質的に円形断面のAl基非晶質合金フ
ィラメントであり、一般式:Al100-a-b Xa Yb で示
される組成(式中の元素群XはTi,V,Cr,Mn,
Fe,Co,Ni,CuおよびZrから選択される1種
または2種以上の元素であり、元素群YはY(イットリ
ウム),La,Ce,Sm,NdおよびMm(ミッシュ
メタル)から選択される1種または2種以上の元素であ
り、aとbは原子%で4≦a≦12、b≦8、6≦a+
b≦14の範囲にある)を有し、非晶質相と非晶質相中
に分散する微細結晶質相とにより構成されている。
Description
非晶質合金フィラメントに関し、特に非晶質相中に微細
結晶質が分散した高強度のAl基非晶質合金フィラメン
トに関する。
とにより、薄帯状、フィラメント状、粉粒体状など種々
の形状を有する非晶質または非晶質と微細結晶質の複合
体が得られることはよく知られている。
どの方法によって容易に製造でき、これまでにもFe
系、Ni系、Co系、Ti系、Al系などの合金系にお
いて数多くの非晶質または非晶質と微細結晶質の複合体
の薄帯が作製されている。中でも、特開平3−2600
37号公報や特開平6−316738号公報に開示され
たAl系非晶質または微細結晶質の合金は、軽量かつ高
比強度の合金として種々の分野への応用が期待されてい
る。
よって作製可能な材料形状は、薄帯形状のみに限られる
ことから、工業的にはその用途が非常に限定されたもの
になっていた。これに対し、フィラメント形状のもの
は、折り曲げ力に対して強い反発力を有するとともに、
ねじり力が加わったときに大きなトルクを発生させるこ
とができ、しかも金網状に編んだり、織布にすることが
できるなどの利点を有するため、薄帯に比べてより有用
とされており、中でも円形断面を有するフィラメントは
工業的に価値の高いものと考えられている。
を連続的に製造する場合には、薄帯を製造する場合に比
べて極めて高度な技術を必要としている。この円形断面
を有するフィラメントは、例えば特開昭56−1650
16号公報および特開昭57−79052号公報に開示
された回転液中紡糸法によって作製されており、これま
でに80〜250μm程度の線径を有する種々の非晶質
合金フィラメントが得られている。また、特開平1−4
7831号公報および特開平3−87340号公報に
は、前記公報に記載された技術を応用して製造した線径
80〜250μmの円形断面を有するAl系非晶質合金
フィラメントが開示されている。
た特開平1−47831号公報および特開平3−873
40号公報に開示された線径80〜250μmの円形断
面を有するAl系非晶質合金フィラメントは、細孔ノズ
ルから活性なAl合金の溶湯が冷媒中に噴出することに
よって作製されるため、線径の分布(長手方向の線径の
変動)が大きいという問題があった。また、その線径変
動のため、断線を生じさせずに室温付近においてダイス
による伸線加工を行うことが困難であり、フィラメント
自体の強度も大幅に変動するという問題もあった。さら
に、線径80μm以下のフィラメントの作製は、細孔ノ
ズルの閉塞が頻繁に発生するために実質的にフィラメン
トを作製し続けることが不可能であった。
れ、その目的は、従来のAl基非晶質合金フィラメント
の欠点を解消し、室温において十分な伸線加工や撚り線
加工などが可能な優れた加工性と延性とを有し、かつ高
強度な、断面が実質的に円形のAl基非晶質合金フィラ
メントを提供することにある。
解決するために鋭意研究した結果、実質的に円形断面を
有するAl基非晶質合金フィラメントを特定の組成範囲
で形成することにより優れた加工性と延性とともに高強
度が実現されるという事実を見出だした。
有するAl基非晶質合金フィラメントであって、一般
式:Al100-a-b Xa Yb で示される組成(式中の元素
群XはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu
およびZrから選択される1種または2種以上の元素で
あり、元素群Yは、Y(イットリウム),La,Ce,
Sm,NdおよびMmから選択される1種または2種以
上の元素であり、aとbは原子%で4≦a≦12、b≦
8、6≦a+b≦14の範囲にある)を有し、非晶質相
と非晶質相中に分散する微細結晶質相とにより構成され
ることを特徴とする。
は、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cuお
よびZrから選択される1種または2種以上の元素を含
有することが必要であり、その含有量としては、4原子
%以上12原子%以下であることが必要である。Ti,
V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,CuおよびZrか
ら選択される1種または2種以上の元素の含有量が4原
子%未満であったり、12原子%を越える場合には、フ
ィラメントが脆化したり、たとえ延性があっても高強度
なフィラメントを得ることができない。
Mm(ミッシュメタル)から選択される1種または2種
以上の元素を含有することが必要であり、その含有量と
しては6原子%以下であることが必要である。
ら選択される1種または2種以上の元素の含有量が6原
子%を越える場合には、フィラメントが脆化したり、た
とえ延性があっても高強度なフィラメントを得ることが
できない。
Yの原子%(b)の和(a+b)の値は、6以上14以
下であることが必要である。(a+b)の値が6未満で
あるか、あるいは14を越えると、フィラメントが脆化
したり、たとえ延性があっても高強度なフィラメントを
得ることができない。
断面が実質的に円形である。このことを真円度で規定す
ると80%以上を意味する。さらに、真円度は90%以
上であることがより好ましい。また、線径斑(断面積変
動)は30%以下であることが好ましく、さらに25%
以下であることがより好ましい。これらの範囲をはずれ
ると、得られるフィラメントの加工性が低下し、伸線加
工の際に破断する頻度が高くなる。
線径は、25μm以上80μm以下であることが好まし
い。線径が80μmを越えると、結晶質相の析出が過多
となり、フィラメントが脆化して加工性が乏しくなり、
実用に供すことができなくなる。また、線径が25μm
未満になると、結晶質相の析出が過少となり、高強度な
フィラメントを得ることができない。
製造するにあたっては、上記組成の合金を溶融し、その
溶湯を高速運動している固体冷媒に接触させると同時
に、または接触させた後に、溶融合金の表面張力を利用
して円形断面を形成させる液体急冷法などを利用するこ
とができる。
hnol.,Vol.11,No,6(1974)1067-1071に記載されている方
法が挙げられる。この方法は、ルツボ中で合金を溶融
し、その溶融合金に、回転している先端の鋭利なロール
を接触させることにより、微少量の合金をロールの回転
方向に連続して接触させ、かつ合金の表面張力により円
形断面を有するフィラメントを製造する方法である。
昭52−22897号公報などに記載されている公知の
方法を利用することもできる。例えば特開昭48−43
40号公報に記載の方法においては、真空中あるいはア
ルゴンなどの不活性ガス雰囲気中において、合金をセラ
ミックス製のルツボ中で溶融したのちに、この溶融合金
を、1000〜8000rpmで回転しているCu、F
e、Mo、Wなどの金属またはこれらの合金からなる直
径10〜100cmの先端の鋭利なロールと接触させ、
ロール回転方向にフィラメントを連続して紡糸すること
により、本発明に係るAl基非晶質合金フィラメントを
得ることができる。以下に実施例および比較例を示し、
本発明について更に具体的に説明する。 [実施例1〜9および比較例1〜5]
ックスルツボ中で溶融させ、アルゴン雰囲気中におい
て、この溶融合金を、2000rpmで回転している直
径20cmの先端の鋭利なロールと接触させ、ロール回
転方向に溶融合金を連続して紡糸することによりフィラ
メントを作製した。作製されたフィラメントについて、
その組織、強度、延性(密着曲げ)、真円度、平均線径
および加工性を測定した。その結果を表1に示す。
析により判定した。X線回折法により非晶質相特有のハ
ローパターンが得られた場合は非晶質と判定し、X線回
折法により結晶質相からの回折線が観察された場合で、
示差熱分析法により非晶質相からの発熱反応が観察され
た場合は非晶質と結晶質の混相と判定し、発熱反応が観
察されなかった場合は結晶質と判定した。
を用い、長さ20mmのフィラメント10本を4.2×
10-4のひずみ速度で引張試験を行い、平均破断強度を
求めた。延性については、密着曲げの可否により判定し
た。また真円度は、1mの長さのフィラメントの断面を
光学顕微鏡によって任意の10点で観察し、それぞれの
断面の長径(R)と短径(r)との比、(r/R)×1
00(%)の平均値で求めた。本発明において、断面が
実質的に円形であるということは、この真円度が80%
以上であることを意味する。
る断面の長径(R)の平均値を求めて平均線径とした。
さらにフィラメントの加工性については、1回の減面率
が約10%となるようなダイヤモンドダイスを複数枚用
い、1mの長さのフィラメントを室温で伸線加工し、合
計の減面率が75%以上となるまで伸線加工を行った際
に発生する破断回数で判断した。なお、伸線時の破断回
数が50回を越えた場合には、伸線加工性がないと判定
して伸線を中止した。
示した本発明のAl基非晶質合金フィラメントは、引張
強度が1000MPa以上の高強度を有し、密着曲げが
可能な延性に富んだフィラメントであり、減面率が75
%以上の冷間での伸線加工に際してもほとんど破断を生
じない優れた加工性を有していた。
ている8086Al系合金は、引張強度が260MPa
であり、この発明のAl基非晶質合金と比較してその強
度は非常に低かった。また、比較例2,3に示したフィ
ラメントについては、その組成が本発明の組成範囲を逸
脱しており、比較例2は非晶質単相であり、実施例1〜
9と比較して引張強度の低いフィラメントであった。
供することができないフィラメントとなった。また比較
例4に示したフィラメントについては、平均線径が10
0μmと大きく、結晶相単相で脆く、実用に供すること
ができないフィラメントとなった。また、比較例5に示
したフィラメントについては、平均線径が20μmと小
さく、非晶質単相であり、実施例1〜9と比較して引張
強度の低いフィラメントであった。
れた比強度と加工性および延性をあわせもつ断面円形の
Al基非晶質合金フィラメントを提供できる。
Claims (2)
- 【請求項1】実質的に円形断面を有するAl基非晶質合
金フィラメントであって、 一般式:Al100-a-b Xa Yb で示される組成(式中の
XはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cuお
よびZrから選択される1種または2種以上の元素であ
り、YはY(イットリウム),La,Ce,Sm,Nd
およびMm(ミッシュメタル)から選択される1種また
は2種以上の元素であり、aとbは原子%で4≦a≦1
2、b≦8、6≦a+b≦14の範囲にある)を有し、 非晶質相と非晶質相中に分散する微細結晶質相とにより
構成されることを特徴とするAl基非晶質合金フィラメ
ント。 - 【請求項2】線径が25μm以上80μm以下である請
求項1記載のAl基非晶質合金フィラメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7739798A JPH11269620A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | Al基非晶質合金フィラメント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7739798A JPH11269620A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | Al基非晶質合金フィラメント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11269620A true JPH11269620A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13632772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7739798A Pending JPH11269620A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | Al基非晶質合金フィラメント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11269620A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100767719B1 (ko) | 2006-08-29 | 2007-10-17 | 한국과학기술연구원 | Ti 비정질 나노 분말과 그 제조방법 |
US7803238B2 (en) | 2005-02-15 | 2010-09-28 | Kobe Steel, Ltd. | Al—Ni-rare earth element alloy sputtering target |
CN108588587A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-28 | 内蒙古科技大学 | 一种Al-Ce-ETM系铝基非晶合金及其制备方法 |
-
1998
- 1998-03-25 JP JP7739798A patent/JPH11269620A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7803238B2 (en) | 2005-02-15 | 2010-09-28 | Kobe Steel, Ltd. | Al—Ni-rare earth element alloy sputtering target |
US8172961B2 (en) | 2005-02-15 | 2012-05-08 | Kobe Steel, Ltd. | Al-Ni-rare earth element alloy sputtering target |
KR100767719B1 (ko) | 2006-08-29 | 2007-10-17 | 한국과학기술연구원 | Ti 비정질 나노 분말과 그 제조방법 |
CN108588587A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-28 | 内蒙古科技大学 | 一种Al-Ce-ETM系铝基非晶合金及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4144058A (en) | Amorphous metal alloys composed of iron, nickel, phosphorus, boron and, optionally carbon | |
USRE32925E (en) | Novel amorphous metals and amorphous metal articles | |
Hagiwara et al. | Production of amorphous Co Si B and Co M Si B (M≡ Group IV–VIII transition metals) wires by a method employing melt spinning into rotating water and some properties of the wires | |
EP0018096B1 (en) | Boron containing transistion metal alloys comprising a dispersion of an ultrafine crystalline metallic phase and method for making said alloys, method of making an article from a metallic glass body | |
US3856513A (en) | Novel amorphous metals and amorphous metal articles | |
JP5837824B2 (ja) | 材料を切断する方法および製品 | |
EP0066356B1 (en) | Process for the production of fine amorphous metallic wires | |
AU2009313602B2 (en) | Exploitation of deformation mechanisms for industrial usage in thin product forms | |
JP5224514B2 (ja) | ナノサイズ金属ガラス構造体 | |
Inoue et al. | Production of Fe-PC amorphous wires by in-rotating-water spinning method and mechanical properties of the wires | |
JPH08269647A (ja) | Ni基非晶質金属フィラメント | |
JPH1171660A (ja) | 高強度非晶質合金およびその製造方法 | |
JPH08253847A (ja) | Ti−Zr系非晶質金属フィラメント | |
CA1231559A (en) | Iron-base alloy materials having excellent workability | |
JPH07238336A (ja) | 高強度アルミニウム基合金 | |
JP2016052690A (ja) | ガラス状金属組成物の処理における二酸化炭素及び/又は一酸化炭素の気体の利用 | |
Inoue et al. | Production of Al-based amorphous alloy wires with high tensile strength by a melt extraction method | |
JPH07316755A (ja) | Al基非晶質金属フィラメント | |
JPH11269620A (ja) | Al基非晶質合金フィラメント | |
JPH0387338A (ja) | 希土類金属基合金箔又は希土類金属基合金細線及びその製造方法 | |
JPH09143642A (ja) | Ni基非晶質金属フィラメント | |
JP2708410B2 (ja) | 非晶質金属細線 | |
JPS6411704B2 (ja) | ||
JPH07252561A (ja) | Ti−Zr系合金 | |
Inoue et al. | High-strength bulk nanocrystalline alloys in a Zr-based system containing compound and glassy phases |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070424 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070622 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070925 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080219 |