JPH09256124A - Fe基非晶質金属フィラメント - Google Patents

Fe基非晶質金属フィラメント

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JPH09256124A
JPH09256124A JP6876396A JP6876396A JPH09256124A JP H09256124 A JPH09256124 A JP H09256124A JP 6876396 A JP6876396 A JP 6876396A JP 6876396 A JP6876396 A JP 6876396A JP H09256124 A JPH09256124 A JP H09256124A
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JP
Japan
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amorphous metal
metal filament
alloy
section
base amorphous
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JP6876396A
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English (en)
Inventor
Takeshi Masumoto
健 増本
Akihisa Inoue
明久 井上
Akihiro Katsuya
晃弘 勝矢
Akira Murakami
亮 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NHK Spring Co Ltd
Unitika Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断面が実質的に円形であり、加工性に優れた
Fe基非晶質金属フィラメントを提供する。 【解決手段】 下記組成式 Fe100-a-bab (ただし、a≦25、b≦22、12≦a+b≦25)
で示される組成を有する合金からなり、かつ断面が実質
的に円形であるFe基非晶質金属フィラメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は断面が実質的に円形のF
e基非晶質金属フィラメントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の方法で溶融状態の合金
を急冷することにより、薄帯状、粉粒状、フィラメント
状など種々の形状を有する非晶質金属材料が得られるこ
とはよく知られている。実際に、Fe基、Co基、Ni
基、Al基、Ti基などの合金系について数多くの非晶
質金属材料が製造されている。このなかで、Fe基非晶
質金属は原料価格が安価で、従来の結晶質金属材料と比
較して高強度を示し、また軟磁気特性も優れている。特
に、Fe−B−P系非晶質金属は、他の鉄−半金属系合
金と比較して、耐食性に優れている。
【0003】ここで、非晶質金属材料の工業的用途を考
慮した場合、その形状が重要になってくる。例えば、非
晶質金属薄帯は単ロール法、双ロール法などの方法によ
って容易に製造できるが、厚さ20〜40μmの薄帯形
状では工業的用途が制約される。また、粉粒状非晶質合
金はガスアトマイズ法などによって作製できるが、粒径
が20〜60μmの粉末形状の場合にも工業的用途はか
なり限定される。
【0004】これに対して、非晶質金属フィラメントは
折り曲げ力に対して強い反発力を有するとともに捻り力
が加わったときに大きなトルクを発生させることがで
き、さらに金網状に編んだり織布にすることができるな
どの利点を有するため、工業的には薄帯や粉末に比べて
有用である。なかでも円形断面を有する非晶質金属フィ
ラメントは工業的価値が高いとされている。
【0005】このような円形断面を有する非晶質金属フ
ィラメントを製造するには、薄帯や粉末を製造する場合
に比べて高度な技術が必要とされている。例えば特開昭
56−165016号公報および特開昭57−7905
2号公報には、回転液中紡糸法により円形断面を有する
非晶質金属フィラメントを製造する方法が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の回転液
中紡糸法を適用してFe−B−P系合金からなる非晶質
金属フィラメントを製造しようとすると、冷却液体中で
溶湯が分断されて連続線を得ることが困難であった。
【0007】本発明は上記従来の課題を解決するために
なされたものであり、断面が実質的に円形であり、加工
性に優れたFe基非晶質金属フィラメントを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のFe基非晶質金
属フィラメントは、下記組成式 Fe100-a-bab (ただし、a≦25、b≦22、12≦a+b≦25)
で示される組成を有する合金からなり、かつ断面が実質
的に円形であることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のFe基非晶質金属フィラ
メントを構成する合金の組成は、非晶質相を得るため
に、上記のように限定することが必要である。すなわ
ち、Bの含有率は、Fe、BおよびPの総和に対して2
5原子%以下であることが必要である。Bの含有率が2
5原子%を超えると、得られるフィラメントが結晶化し
て脆くなり、実用に供することが困難になる。
【0010】また、Pの含有率は、Fe、BおよびPの
総和に対して、22原子%以下であることが必要であ
る。Pの含有率が22原子%を超えると、得られるフィ
ラメントが結晶化して脆くなり、実用に供することが困
難になる。また、Bの原子%(a)とPの原子%(b)
の和a+bの値は、12以上25以下であることが必要
である。a+bの値が12未満であるか、または25を
超えると、得られるフィラメントが結晶化して脆くな
り、実用に供することが困難になる。
【0011】本発明のFe基非晶質金属フィラメントを
構成する合金には、非晶質状態を保持しかつ優れた加工
性を損なわない範囲内で、Co、Ni、Ti、Zr、H
f、Nb、V、Ta、Cr、W、Mo、Mn、Cu、A
l、C、SiおよびGeからなる群より選択された1種
または2種以上の元素を含有させることができる。これ
らの添加元素の具体的な含有率は、Fe、BおよびCな
らびに添加元素の総和に対して、CoおよびNiの場合
30原子%以下、Crの場合15原子%以下、Nb、
V、Ta、W、Moの場合には10原子%以下、Mn、
Cu、Al、C、Si、Geの場合は3原子%以下に設
定される。これらの添加元素を含有させることにより、
フィラメントの引張り強度などの機械的性質や磁気的性
質、また耐熱性、耐食性を向上させることができる。
【0012】本発明のFe基非晶質金属フィラメントは
断面が実質的に円形である。このことを真円度で規定す
ると80%以上を意味する。さらに、真円度は90%以
上であることがより好ましい。また、線径斑(断面積変
動)は30%以下であることが好ましく、さらに25%
以下であることがより好ましい。これらの範囲をはずれ
ると、得られるフィラメントの加工性が低下し、伸線加
工の際に破断する頻度が高くなる。本発明のFe基非晶
質金属フィラメントの線径は、70μm以下であること
が好ましく、さらに60μm以下であることがより好ま
しい。これは、線径が70μmを超えると、結晶質相が
析出して加工性が悪化するためである。
【0013】本発明のFe基非晶質金属フィラメントを
製造するにあたっては、上記組成の合金を溶融し、その
溶湯を高速運動している固体冷媒に接触させると同時
に、または接触させた後に、溶融合金の表面張力を利用
して円形断面を形成させる液体急冷法などを利用するこ
とができる。
【0014】上記液体急冷法として、例えば J.VaC.Sc
i.Technol.,Vol.11,No,6(1974)1067-1071に記載されて
いる方法が挙げられる。この方法は、ルツボ中で合金原
料を溶融し、その溶融合金に、回転している先端の鋭利
なロールを接触させることにより、微少量の合金をロー
ルの回転方向に連続して接触させ、かつ合金の表面張力
により円形断面を有するフィラメントを製造する方法で
ある。
【0015】また、特開昭48−4340号公報や特開
昭52−22897号公報などに記載されている公知の
方法を利用することもできる。例えば特開昭48−43
40号公報に記載の方法によれば、真空中あるいはアル
ゴンなどの不活性ガス雰囲気中において、合金原料をセ
ラミックス製のルツボ中で溶融したのちに、この溶融合
金を、1000〜8000rpmで回転しているCu、
Fe、Mo、Wなどの金属またはこれらの合金からなる
直径10〜100cmの先端の鋭利なV字形断面のロー
ルと接触させ、ロール回転方向にフィラメントを連続し
て紡糸することにより、本発明に係るFe基非晶質金属
フィラメントを得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明に
ついて更に具体的に説明する。 [実施例1〜6および比較例1〜5]表1に示す各種組
成の合金原料をセラミックスルツボ中で溶融させ、アル
ゴン雰囲気中において、この融液を2000rpmで回
転している直径20cmの先端の鋭利なロールと接触さ
せ、ロール回転方向に溶融合金を連続して紡糸すること
により非晶質金属フィラメントを作製した。作製したフ
ィラメントについて、その組織、延性(密着曲げ)、真
円度、平均線径、線径斑(断面積変動)および加工性を
以下のようにして評価した結果を表1に示す。
【0017】“組織”については、X線回折法により非
晶質特有のハローパターンが得られることにより判定
し、結晶質相からの回折線が観察された場合には、非晶
質相を含んでいても結晶質と判定した。“延性”につい
ては、密着曲げの可否により判定した。また“真円度”
は、1mの長さに切断したフィラメントの断面を光学顕
微鏡により任意の10点で観察し、それぞれの断面の長
径(R)と短径(r)との比、(r/R)×100
(%)の平均値で求めた。本発明において断面が実質的
に円形であるということは、真円度が80%以上である
ことを意味する。
【0018】“平均線径”については、上記10点にお
ける断面の長径(R)の平均値を求めて平均線径とし
た。“線径斑”については、上記10点における断面の
長径(R)の中での最大値と最小値との差を平均線径で
割り(除算し)、その値を100倍して算出した。“加
工性”については、1回の減面率が約10%となるよう
なダイヤモンドダイスを複数枚用い、1mの長さに切断
したフィラメントを室温で伸線加工し、合計の減面率が
50%以上になるまで伸線加工を行った際に発生する破
断回数で判断した。なお、伸線時の破断回数が50回を
超えた場合には、伸線加工性がないと判定して伸線を中
止した。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、実施例1〜6に
示した実質的に円形断面を有する本発明のFe基非晶質
金属フィラメントは密着曲げが可能な延性に富んだフィ
ラメントであり、実施例1〜6のいずれのフィラメント
についても、減面率50%以上の伸線加工に際してほと
んど破断を生じない優れた加工性を示していた。一方、
比較例1〜5のフィラメントの場合は、その合金組成が
本発明の組成範囲を逸脱しているために結晶質相を生
じ、延性に乏しく、伸線加工時に破断が頻繁に発生する
加工性の低いフィラメントであり、実用上用いることが
できないものであった。 [比較例6]表1の比較例6に示す組成からなる合金原
料を石英管に入れ、アルゴン雰囲気中で溶融したのち
に、この合金融液を、4000rpmで回転する直径2
0cmの銅ロール表面に、孔径0.3mmの石英ノズル
からアルゴンガス噴出圧0.8kg/cm2 の条件で噴
出させることにより、幅約1mm、厚さ約20μmの非
晶質金属薄帯を作製した。このときのノズルと回転ロー
ルとの距離は1mm以下に設定した。こうしてアルゴン
雰囲気中において薄帯を作製した。作製した薄帯につい
て、他の実施例および比較例と同様に、組織、延性(密
着曲げ)、真円度、平均線径、線径斑および加工性を測
定した。なお、線径については、断面の面積と同じ面積
になる円の直径を相当線径として評価した。その結果を
表1に示す。
【0021】表1から明らかなように、単ロール法によ
り作製された比較例6の非晶質薄帯は、かなり幅の狭い
ものでも、真円度が2%と非常に低かった。このものは
線径斑(断面積変動)が少なくかつ延性に優れているに
もかかわらず、伸線加工を行った際には破断を生じやす
く、加工性に乏しい材料であった。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、断
面が実質的に円形であり、機械的性質および磁気的性質
に優れたFe基非晶質金属フィラメントを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000004503 ユニチカ株式会社 兵庫県尼崎市東本町1丁目50番地 (72)発明者 増本 健 宮城県仙台市青葉区上杉3丁目8番22号 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806 (72)発明者 勝矢 晃弘 神奈川県横浜市中区本牧原4−1−206 (72)発明者 村上 亮 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記組成式 Fe100-a-bab (ただし、a≦25、b≦22、12≦a+b≦25)
    で示される組成を有する合金からなり、かつ断面が実質
    的に円形であることを特徴とするFe基非晶質金属フィ
    ラメント。
JP6876396A 1996-03-25 1996-03-25 Fe基非晶質金属フィラメント Pending JPH09256124A (ja)

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JP6876396A JPH09256124A (ja) 1996-03-25 1996-03-25 Fe基非晶質金属フィラメント

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JP6876396A JPH09256124A (ja) 1996-03-25 1996-03-25 Fe基非晶質金属フィラメント

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JPH09256124A true JPH09256124A (ja) 1997-09-30

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ID=13383113

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JP6876396A Pending JPH09256124A (ja) 1996-03-25 1996-03-25 Fe基非晶質金属フィラメント

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JP (1) JPH09256124A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100723162B1 (ko) * 2005-12-24 2007-05-30 주식회사 포스코 고강도 고인성을 갖는 결정-비정질 복합재료

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100723162B1 (ko) * 2005-12-24 2007-05-30 주식회사 포스코 고강도 고인성을 갖는 결정-비정질 복합재료

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