JP6819427B2 - Fe系非晶質合金及びFe系非晶質合金薄帯 - Google Patents

Fe系非晶質合金及びFe系非晶質合金薄帯 Download PDF

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本発明は、電力トランス、高周波トランスなどの鉄心等に用いられるFe系非晶質合金及びFe系非晶質合金薄帯に関するものである。
合金を溶融状態から急冷することによって、連続的に薄帯や線を製造する方法として遠心急冷法、単ロール法、双ロール法等が知られている。これらの方法は、高速回転する金属製ドラムの内周面または外周面に溶融金属をオリフィス等から噴出させることによって、急速に溶融金属を凝固させて薄帯や線を製造するものである。また、合金組成を適正に選ぶことによって、液体金属に類似した非晶質合金を得ることができ、磁気的性質あるいは機械的性質に優れた材料を製造することができる。
このような急冷凝固により得られる非晶質合金として、これまで多くの成分が提案されている。例えば、特許文献1では、原子%で、Fe、Ni、Cr、Co、Vからの少なくとも1種で60〜90%、P、C、Bからの少なくとも1種で10〜30%、Al、Si、Sn、Sb、Ge、In、Beからの少なくとも1種で0.1〜15%からなる合金成分が提案されている。特許文献1に記載の技術は非晶質相が得られる合金成分を提案したもので、特に電力トランスや高周波トランスなどの鉄心等の用途に限定した、いわゆる磁気的性質のみに注目した成分の提案ではない。
その後、磁気的性質に注目した非晶質合金としての合金成分も多く提案されている。例えば、特許文献2では、原子%で、Feが75〜78.5%、Siが4〜10.5%、Bが11〜21%からなる合金成分が提案されている。
一方、特許文献3では、Fe、Coからの少なくとも1種で70〜90%、残部がB、C、Pからの少なくとも1種および不可避的不純物からなり、さらに、Fe、Coの含有量を、Niでその3/4まで、V、Cr、Mn、Cu、Mo、Nb、Ta、Wでその1/4まで代替でき、又、B、C、Pの含有量を、Siでその3/5まで、Alでその1/3まで代替できる合金成分が提案されている。
特許文献1、3で提案された非晶質合金成分の中でも、エネルギー損失である鉄損が低いこと、飽和磁束密度および透磁率が高いこと、さらには安定して非晶質相が得られる等の理由から、例えば特許文献2に示すようなFeSiB系非晶質合金が、電力トランスや高周波トランスの鉄心等の用途として有望視されるようになった。
以来、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金の合金成分に関する開発は、このFeSiB系を中心にして進められた。すなわち、FeSiB系非晶質合金においての一層の鉄損低減開発が盛んに行われ、多くの成果が生み出された。
非晶質合金における鉄損の改善はかなり進められ、例えば、特許文献4、5により、単板測定による鉄損W13/50(磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損)で、安定して0.10W/kg以下の低鉄損を実現できるまでに至った。
つまり、本発明者らは特許文献4で、例えば、原子%で、Feを70%以上86%以下、Bを7%以上20%以下、Siを1%以上19%以下、Cを4%以下含有し、残部不可避的不純物からなる合金成分を提案した。
一方、本発明者らは特許文献5では、例えば、原子%で、Bを7%以上20%以下、Siを1%以上19%以下、Cを0.02%以上4%以下含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金成分を提案した。
さらに、本発明者らは特許文献6で、例えば、原子%で、Feを80%以上82%以下、Bを12%以上16%以下、Siを2%以上7%以下、Cを0.003%以上2%以下含有し、残部不可避的不純物からなる合金成分を提案した。
その後、特許文献7、8に示すような提案もなされた。すなわち、特許文献7では、例えば、原子%で、Feを78%以上86%以下、Ni、Crの少なくとも一方を0.01%以上5%以下、Bを7%以上20%以下、Siを0.001%以上5%以下含有し、残部不可避的不純物からなる合金成分を提案した。
一方、特許文献8では、例えば、原子%で、Feを76%以上84%以下、Bを8%以上18%以下、Siを12%以下、Cを0.01%以上3%以下含有し、残部不可避的不純物から構成され、フリー面、ロール面の表面から深さ方向2〜20nmにC偏析層が存在する合金薄帯を提案した。
特開昭49−91014号公報 特開昭57−116750号公報 特開昭61−30649号公報 特開平8−283920号公報 特開平9−95760号公報 特開2006−312777号公報 特開2006−45660号公報 特開2006−45662号公報
しかしながら、これまで非晶質合金における鉄損低減開発がかなり進んでいるものの、更なる鉄損の改善が強く要求されている。電力でのエネルギーロス改善の課題はかなり切迫した問題だからである。
本発明の目的は、このような更なる低鉄損化のニーズに応えるべく、一層の低鉄損化を実現できるFe系非晶質合金及びFe系非晶質合金薄帯を提供することにある。
本発明者は、これまで提案された各種合金成分の構成元素のうち、先に述べた例えば、特許文献4、5に記載のFeをメインとし、B、Si及びCを合金元素とした成分系に注目し、更なる低鉄損化について検討及び実験を行った。そして、Feをメインとし、添加元素がB、Si、Cを主体とする成分系において、詳細実験を行った結果、鉄損(鉄損W13/50)が安定して0.085W/kg以下となる非晶質合金の成分範囲を見出した。そして、この知見を基に検討を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は、以下のとおりである。
(1)本発明は、原子%で、Bを10.0%以上14.0%以下、Siを6.0%超8.0%以下、Cを1.0%超4.0%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなり、磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W 13/50 )が0.085W/kg以下であることを特徴とするFe系非晶質合金に関する。
(2)本発明は、原子%で、Bを10.0%以上14.0%以下、Siを6.0%超8.0%以下、Cを1.0%超4.0%以下、かつ、前記B、Si、Cの合計含有量が17.0%超19.0%以下、もしくは、23.0%以上25.0%以下で、残部がFe及び不可避的不純物からなり、磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W 13/50 )が0.085W/kg以下であることを特徴とするFe系非晶質合金に関する。
(3)本発明は、Ni、Cr、Coのうち少なくとも1種以上で、(1)または(2)に記載のFe系非晶質合金のFeを10.0原子%以下の範囲で、代替することを特徴とするFe系非晶質合金に関する
)本発明は、(1)〜()のいずれか一項に記載のFe系非晶質合金からなることを特徴とするFe系非晶質合金薄帯に関する。
本発明によれば、鉄損(鉄損W13/50)を安定して0.085W/kg以下にすることができるFe系非晶質合金及びFe系非晶質合金薄帯を提供できる。
以下、本発明に係るFe系非晶質合金について詳細に説明する。
本実施形態のFe系非晶質合金の特徴は、Fe、B、Si、C合金において、これら構成元素の含有量を最適化することで鉄損が極めて低くなる成分範囲を見出し、鉄損(鉄損W13/50)が安定して0.085W/kg以下となることを実現したことにある。また、本実施形態のFe系非晶質合金は、ベースであるFeの一部をNi、Cr、Coで代替することで、更なる軟磁気特性の改善を実現したことにある。なお、ここでいう鉄損W13/50とは、単板での鉄損測定において磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損である。
また、鉄損W13/50の測定は以下の通りに行う。合金溶湯を急冷凝固して非晶質合金薄帯を製造する。得られた非晶質合金薄帯の全長に渡って複数の測定箇所から鉄損W13/50を測定し、その中の最大値を鉄損W13/50とする。測定箇所の数は特に制限はないが、例えば6箇所以上とすればよい。非晶質合金薄帯の鉄損W13/50は多少のばらつきが生じるが、本実施形態ではその最大値が0.085W/kg以下であるので、安定して低い鉄損を有するFe系非晶質合金を得ることが可能になる。鉄損W13/50はより好ましくは0.083W/kg以下である。
はじめに、本実施形態のFe系非晶質合金において、各元素の含有量を限定した理由について述べる。
B、Si及びCは、本実施形態のFe系非晶質合金において、非晶質相の形成および熱的安定性を向上させるために添加する。これら元素の含有量を最適化することにより、鉄損の一層の改善が可能であることを見出した。
つまり、本発明者が例えば特許文献4および5を基に更なる低鉄損化を実現するために、B、Si、Cの含有量と鉄損との関係を詳細に調べたところ、これら元素の含有量の組合せを最適化した領域で、鉄損W13/50が安定して0.085W/kg以下となることを見出した。
よって、本発明では以下のように、B、Si、Cの含有量を限定する。つまり、原子%で、Bが10.0%以上14.0%以下、Siが6.0%超8.0%以下、Cが1.0%超4.0%以下と限定する。
さらに、B、Si、Cの合計含有量を17.0%超19.0%以下、もしくは、23.0%以上25.0%以下とすることで、鉄損W13/50が安定して0.083W/kg以下とすることも可能である。
これに対して、B、Si、Cの少なくとも1つの元素が、原子%で、Bが10.0%未満または14.0%超、Siが6.0%以下または8.0%超、Cが1.0%以下または4.0%超となると、鉄損W13/50を安定して0.085W/kg以下とすることは困難となる。
本実施形態のFe系非晶質合金では、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種で、10.0原子%以下の範囲で代替することで、鉄損の改善も実現できる。これら元素による代替量に上限を設けたのは、10.0原子%超となると原料コストが嵩むためである。
本実施形態のFe系非晶質合金の残部はFe及び不可避的不純物である。ここで、Fe系非晶質合金においてFeの含有量は磁束密度の点から重要となり、通常は1.5T程度以上の飽和磁束密度が必要とされる。この飽和磁束密度は合金中のFe含有量で一義的に決まり、Fe含有量が多いほど飽和磁束密度は高くなる。よって、飽和磁束密度を1.5T程度以上にするために、Feの含有量は原子%で75.0%以上とすることが好ましい。なお、Fe含有量の上限は86.0原子%以下とすることが好ましい。Fe含有量が86.0原子%を超えると、非晶質相が形成しにくくなるからである。
本実施形態のFe系非晶質合金は、通常、薄帯の形態で得ることができる。このFe系非晶質合金薄帯は、上述の実施形態において説明した成分からなる合金を溶解し、溶湯をスロットノズル等を介して高速で移動している冷却板上に噴出し、該溶湯を急冷凝固させる方法、例えば、単ロール法、双ロール法によって製造することができる。これらのロール法に用いるロールは金属製であり、ロールを高速回転させ、ロール表面またはロール内面に溶湯を衝突させることで合金の急冷凝固が可能である。
単ロール装置には、ドラムの内壁を使う遠心急冷装置、エンドレスタイプのベルトを使う装置、およびこれらの改良型である補助ロールやロール表面温度制御装置を付属させたもの、減圧下あるいは真空中、または不活性ガス中での鋳造装置も含まれる。
本実施形態では、薄帯の板厚、板幅などの寸法は特に限定しないが、薄帯の板厚は、例えば、10μm以上100μm以下が好ましい。また、板幅は10mm以上が好ましい。
以上説明の如く得られたFe系非晶質合金薄帯は、電力トランスや高周波トランスでの鉄心等の用途として用いることができる。
なお、本実施形態のFe系非晶質合金は、薄帯の他に粉末状とすることも可能である。その場合、上述の組成の合金溶湯を満たしたるつぼのノズルから回転するロールあるいは冷却用の水などの液体の中に高速で合金溶湯あるいは合金溶湯の液滴を噴出して急冷凝固する方法を採用することができる。
上述の方法により、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金粉末を得ることができる。
このようにして得られたFe系非晶質合金粉末は、金型等により圧密して目的の形状に成形し、必要に応じ焼結して一体化することで、電力トランスや高周波トランス、コイルの鉄心等の用途として適用することができる。
なお、本実施形態のFe系非晶質合金が非晶質組織を有するか否かは、例えば、Fe管球を用いたX線回折装置によるX線回折測定で確認できる。すなわち、X線回折測定において明確な回折ピークが得られない場合は、Fe系非晶質合金が非晶質組織を有していると確認できる。
以下、実施例について説明する。
(実施例1)
以下の表1に示す各種成分の合金をアルゴン雰囲気中で溶解し、単ロール装置で鋳造して薄帯を作製した。鋳造雰囲気は大気中であった。そして、得られた薄帯について軟磁気特性を調査した。なお、用いた単ロール装置は直径300mmの銅合金製冷却ロール、試料溶解用の高周波電源、先端にスロットノズルが付いている石英ルツボ等から構成される。
本実験では、長さ20mm、幅0.6mmのスロットノズルを使用した。冷却ロールの周速は24m/秒とした。結果として、得られた薄帯の板厚は約25μmであり、板幅はスロットノズルの長さに依存するので20mmであり、長さはおよそ50mであった。
得られた薄帯の鉄損は、SST(Single Strip Tester)を用いて測定した。鉄損測定条件は、磁束密度1.3T、周波数50kHzである。これらの特性測定用の試料は、いずれも1ロットの全長に渡って6箇所から採取し、鉄損測定用のサンプルは120mm長さに切断した薄帯サンプルとした。これら鉄損測定用の薄帯サンプルは360℃にて1時間、磁場中でアニールを行って測定に供した。アニール中の雰囲気は窒素とした。鉄損の測定結果は6箇所でのデータの最大値を、表1に示した。
一方、飽和磁束密度は、VSM装置(振動試料型磁力計)を用いて測定した。VSM装置用の試料は、上記6箇所からの薄帯サンプルについていずれも幅中央部から採取した薄片とした。
Figure 0006819427
表1の試料No.1〜20の結果から明らかなように、Bを10.0原子%以上14.0原子%以下、Siを6.0原子%超8.0原子%以下、Cを1.0原子%超4.0原子%以下の本発明範囲とすることによって、磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損が0.085W/kg以下と、良好な軟磁気特性を有するFe系非晶質合金薄帯が得られることがわかった。さらに、表1の試料No.1、No.3、No.4、No.6、No.8、No.10、No.11、No.13〜No.18の結果から明らかなように、B、Si、Cの合計含有量を17.0原子%超19.0原子%以下、もしくは、23.0原子%以上25.0原子%以下とすることで、鉄損が安定して0.083W/kg以下と、より良好な軟磁気特性を有するFe系非晶質合金薄帯が得られることがわかった。また、試料No.1〜20は、飽和磁束密度が1.5T以上であった。さらに、試料No.1〜20は、X線回折測定において明確な回折ピークが観察されず、非晶質であることが確認された。
これらに対して、試料No.21〜29に示す比較例のうち、試料No.21、No.27では、表面にうねりが発生し良好な薄帯が得られなかったことから、鉄損の測定ができなかった(表1中の「鉄損」の欄中に「−」で示す)。
試料No.21はB含有量が望ましい範囲の下限10.0原子%を下回った例で、No.27はB含有量が望ましい範囲の下限10.0原子%を下回り、Si含有量が望ましい範囲の下限6.0原子%以下となった例である。
一方、試料No.22〜No.26、No.28、No.29では薄帯が得られても鉄損が0.085W/kg以下を満足する特性は得られなかった。
試料No.22はB含有量が望ましい範囲の上限14.0原子%を上回り鉄損が増加した例、試料No.23はSi含有量が望ましい範囲の下限6.0原子%以下となり鉄損が増加した例、No.24はSi含有量が望ましい範囲の上限8.0原子%を上回り鉄損が増加した例である。
一方、試料No.25はC含有量が下限の1.0原子%以下となり鉄損が増加した例、試料No.26はC含有量が上限の4.0原子%を上回り鉄損が増加した例である。
さらに、試料No.28はB含有量が上限の14.0原子%を上回り、かつ、C含有量が上限の4.0原子%を上回り鉄損が増加した例、試料No.29はSi含有量が下限の6.0原子%以下となり、かつ、C含有量が上限4.0原子%を上回り鉄損が増加した例である。
これらの対比から、本発明により、Fe系非晶質合金において磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損が0.085W/kg以下という優れた鉄損を実現できることがわかった。
(実施例2)
表1のNo.6に示す合金について、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種以上で代替した各種成分の合金を用いて、実施例1と同様の装置、条件により薄帯を作製した。なお、用いた合金の具体的な成分については、Ni、Cr、Coについてのみを表2に示した。結果として、得られた薄帯の板厚、板幅、および長さはそれぞれ、約25μm、20mm、およそ50mであった。得られた薄帯の飽和磁束密度及び鉄損について評価した。これらの特性評価に用いた試料の採取方法及び測定条件は、実施例1と同じであった。その測定結果を表2に示す。なお、表2での表示要領は、表1の場合と同様である。
Figure 0006819427
表2の試料No.30〜36の結果から明らかなように、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種以上で、10.0原子%以下の範囲で代替しても、鉄損W13/50が安定して0.085W/kg以下であることがわかった。また、試料No.30〜36は、飽和磁束密度が1.5T以上であった。さらに、試料No.30〜36は、X線回折装置において明確な回折ピークが観察されず、非晶質であることが確認された。
(実施例3)
表1のNo.17に示す合金について、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種以上で代替した各種成分の合金を用いて、実施例1と同様の装置、条件により薄帯を製作した。なお、用いた合金の具体的な成分については、Ni、Cr、Coについてのみを表3に示した。結果として、得られた薄帯の板厚、板幅、長さはそれぞれ、約25μm、20mm、およそ50mであった。得られた薄帯の飽和磁束密度及び鉄損について評価した。これらの特性評価に用いた試料の採取方法及び測定条件は、実施例1と同じであった。その測定結果を、表3に示す。なお、表3での表示要領は、表1の場合と同様である。
Figure 0006819427
表3の試料No.37〜43の結果から明らかなように、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種以上で、10原子%以下の範囲で代替しても、鉄損W13/50が安定して0.085W/kg以下となることがわかった。また、試料No.37〜43は、飽和磁束密度が1.5T以上であった。さらに、試料No.37〜43は、X線回折測定において明確な回折ピークが観察されず、非晶質であることが確認された。
本発明により、鉄損が一層低い、すなわち、品質が良好なFe系非晶質合金、例えば、Fe系非晶質合金薄帯を工業的規模で安定して製造することが可能となった。本発明のFe系非晶質合金の特性は、これまでのFe系非晶質合金より品質が良好であることから、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (4)

  1. 原子%で、Bを10.0%以上14.0%以下、Siを6.0%超8.0%以下、Cを1.0%超4.0%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W 13/50 )が0.085W/kg以下であることを特徴とするFe系非晶質合金。
  2. 原子%で、Bを10.0%以上14.0%以下、Siを6.0%超8.0%以下、Cを1.0%超4.0%以下、かつ、前記B、Si、Cの合計含有量が17.0%超19.0%以下、もしくは、23.0%以上25.0%以下で、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W 13/50 )が0.085W/kg以下であることを特徴とするFe系非晶質合金。
  3. Ni、Cr、Coのうち少なくとも1種以上で、請求項1または請求項2に記載のFe系非晶質合金のFeを10.0原子%以下の範囲で、代替することを特徴とするFe系非晶質合金。
  4. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のFe系非晶質合金からなることを特徴とするFe系非晶質合金薄帯。
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