JP6683419B2 - 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金及び非晶質合金薄帯 - Google Patents

軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金及び非晶質合金薄帯 Download PDF

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本発明は、電力トランス、高周波トランスなどの鉄心等に用いられるFe系非晶質合金及び非晶質合金薄帯に関するものである。
合金を溶融状態から急冷することによって、連続的に薄帯や線を製造する方法として遠心急冷法、単ロ−ル法、双ロ−ル法等が知られている。これらの方法は、高速回転する金属製ドラムの内周面または外周面に溶融金属をオリフィス等から噴出させることによって、急速に溶融金属を凝固させて薄帯や線を製造するものである。また、合金組成を適正に選ぶことによって、液体金属に類似した非晶質合金を得ることができ、磁気的性質あるいは機械的性質に優れた材料を製造することができる。
このような急冷凝固により得られる非晶質合金として、これまで多くの成分が提案されている。例えば、特許文献1では、原子%で、Fe、Ni、Cr、Co、Vからの少なくとも1種で60〜90%、P、C、Bからの少なくとも1種で10〜30%、Al、Si、Sn、Sb、Ge、In、Beからの少なくとも1種で0.1〜15%からなる合金成分が提案されている。特許文献1に記載の技術は非晶質相が得られる合金成分を提案したもので、特に電力トランスや高周波トランスなどの鉄心等の用途に限定した、いわゆる磁気的性質のみに注目した成分の提案ではない。
その後、磁気的性質に注目した非晶質合金としての合金成分も多く提案されている。例えば、特許文献2では、原子%で、Feが75〜78.5%、Siが4〜10.5%、Bが11〜21%からなる合金成分が提案されている。
一方、特許文献3では、Fe、Coからの少なくとも1種で70〜90%、B、C、Pからの少なくとも1種で10〜30%、さらに、Fe、Coの含有量を、Niでその3/4まで、V、Cr、Mn、Mo、Nb、Ta、Wでその1/4まで代替でき、又、B、C、Pの含有量を、Siでその3/5まで、Alでその1/3まで代替できる合金成分が提案されている。
特許文献1、3で提案された非晶質合金成分の中でも、エネルギ−損失である鉄損が低いこと、飽和磁束密度および透磁率が高いこと、さらには安定して非晶質相が得られる等の理由から、例えば特許文献2に示すようなFeSiB系非晶質合金が、電力トランスや高周波トランスの鉄心等の用途として有望視されるようになった。
以来、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金の合金成分に関する開発は、このFeSiB系を中心にして進められた。すなわち、FeSiB系非晶質合金においての一層の鉄損低減開発が盛んに行われ、多くの成果が生み出された。
非晶質合金における鉄損の改善はかなり進められ、例えば、特許文献4により、単板測定による鉄損W13/50(磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損)で、安定して0.10W/kg以下の低鉄損を実現できようにまで至った。
つまり、本発明者は特許文献4で、例えば、原子%で、Feを78%以上86%以下、Pを6%以上18%以下、Cを2%以上10%以下含有し、さらに、Si、Alの少なくとも一方を0.1%以上5%以下含有し、残部不可避的不純物からなる合金成分を提案した。
特開昭49−91014号公報 特開昭57−116750号公報 特開昭61−30649号公報 特開2008−240148号公報
しかしながら、非晶質合金における鉄損低減開発がかなり進んでいるものの、一方で、本用途での磁束密度の改善が強く要求されている。しかし、例えば、上述の低鉄損を維持しながら飽和磁束密度が安定して1.6Tを超える非晶質合金を開発することは非常に困難であった。
本発明の目的は、このような磁束密度改善のニーズに応えるべく、低鉄損を維持しながら一層の高磁束密度化を実現できる非晶質合金及び非晶質合金薄帯を提供することにある。
本発明者は、これまで提案された各種合金成分の構成元素のうち、先に述べた例えば、特許文献4に記載のFeをメインとし、P、C及びAlからなる成分系に注目し、低鉄損を維持しながら更なる高磁束密度化について検討及び実験を行った。そして、Feをメインとし、添加元素がP、C、Alを主体とする成分系を基本として、さらに他の元素も組み合わせて詳細実験を行った結果、飽和磁束密度が安定して1.6Tを超える非晶質合金の成分を見出した。そして、この知見を基に検討を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は、以下のとおりである。
(1)本発明は、原子%で、Feを80%以上88%以下、Pを6%以上16%以下、Cを2%以上8%以下、Alを0.1%以上3%以下含有し、さらに、Moを0.1%以上5%以下含有し、残部不可避的不純物からなり、磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W13/50)が0.10W/kg未満、かつ、飽和磁束密度が1.6T超であることを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金に関する。
(2)本発明は、Ni、Cr、Coのうち少なくとも1種以上で、(1)に記載の合金のFeを10原子%以下の範囲で、代替することを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金に関する。
(3)本発明は、(1)または(2)に記載のFe系非晶質合金からなり、板厚10μm以上100μm以下であることを特徴とするFe系非晶質合金薄帯に関する。
本発明によれば、低鉄損を維持したまま飽和磁束密度が1.6Tを超える非晶質合金の使用が可能となった。さらに、本発明のFe系非晶質合金では、FeSiB系非晶質合金において必要であったBを含有しないので高価なB源の使用も解消したことで、製造コストを低減できる効果も期待される。
また、本発明により、低鉄損を維持したまま飽和磁束密度が1.6Tを超える非晶質合金薄帯の提供が可能となった。
以下、本発明に係るFe系非晶質合金について詳細に説明する。
本実施形態のFe系非晶質合金の特徴は、Fe、P、C、Alからなる合金に、更にMoを添加し、構成元素の含有量を最適化したことにより、軟磁気特性、特に低鉄損を維持したまま飽和磁束密度を製造ロット内で安定して一層高くすることを実現したことにある。また、本実施形態のFe系非晶質合金は、ベースであるFeの一部をNi、Cr、Coで代替することで更なる軟磁気特性の改善を実現したことにある。低鉄損とは、単板測定による鉄損W13/50(磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損)で、安定して0.10W/kg以下を示すことであり、この特性を備えたまま1.6T以上の高い飽和磁束密度を示すFe系非晶質合金を実現できる。
はじめに、本実施形態のFe系非晶質合金において、各元素の含有量を限定した理由について述べる。
PおよびCは、本実施形態のFe系非晶質合金において、非晶質相形成及び非晶質相の熱的安定性を向上させるために添加する。さらに、これら元素の含有量を最適化することで、軟磁気特性を一層改善できることが可能で、例えば、飽和磁束密度を安定して1.6T超を実現することができる。Pが6原子%未満、Cが2原子%未満ではFe系非晶質合金において、非晶質合金が安定して得られないことから、飽和磁束密度を安定して1.6T超とすることが困難となる。一方、Pを16原子%超、Cが8原子%超としても、飽和磁束密度を安定して1.6T超とすることは困難となる。従って、Pを6原子%以上16原子%以下、Cを2原子%以上8原子%以下の範囲に限定した。
さらに、本実施形態のFe系非晶質合金において、Alを添加すると非晶質相形成能が改善し、非晶質相の熱的安定性が一層向上する。Alの含有量は0.1原子%以上、3原子%以下とする。Alが、0.1原子%未満ではその効果が認められず、3原子%超ではこの効果があまり認められないからである。なお、Al含有量の範囲を0.5原子%以上、2原子%以下とすると、さらに好ましい。
本実施形態のFe系非晶質合金において、Moの添加も非晶質形成能を一層向上させる。Moの含有量は0.1原子%以上、5原子%以下とする。Moが0.1原子%未満では非晶質形成能の向上効果が認められず、Moが5原子%超では非晶質形成能の向上効果があまり認められないからである。
Fe系非晶質合金において、Feの含有量は通常、70原子%以上であれば一般的な鉄心としての実用的なレベルの飽和磁束密度が得られるが、1.6T超の高い飽和磁束密度を得るためには、Feを80原子%以上にする必要がある。一方、Feの含有量が88原子%超となると、非晶質相の形成が困難となり、非晶質合金特有の良好な軟磁気特性(例えば、鉄損W13/50を安定して0.1W/kg以下とすること)が難しくなる。よって、本実施形態のFe系非晶質合金において、Fe含有量を80原子%以上88原子%以下の範囲と限定した。
一般的に、飽和磁束密度はFeの含有量でほぼ決まり、Feの含有量が高い程、飽和磁束密度が高くなる。本実施形態のFe系非晶質合金の場合、非晶質相を形成するためにPやCなどの元素を添加するが、その分Feの含有量が低くなり、得られる飽和磁束密度には制限があった。本実施形態のFe系非晶質合金では新たにMoを添加することで非晶質相形成能を向上させたことでFeの含有量を多くすることが可能となり、これが1つのポイントとなって本実施形態のFe系非晶質合金を実現できた。
また、本実施形態のFe系非晶質合金において、飽和磁束密度1.66T以上を得るためのFeのより好ましい範囲は84〜88%、Pのより好ましい範囲は6〜11%、Cのより好ましい範囲は2〜5%、Moのより好ましい範囲は0.9〜3%とすることができる。
また、本実施形態のFe系非晶質合金において、0.09W/kg以下の低鉄損を得るためには、Feのより好ましい範囲は80〜84%、Pのより好ましい範囲は8〜16%、Cのより好ましい範囲は2〜6%、Moの範囲は0.1〜5%とすることができる。
本実施形態のFe系非晶質合金では、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種で、10原子%以下の範囲で代替することで、高飽和磁束密度を維持したまま鉄損などの軟磁気特性の改善も実現できる。これら元素による代替量に上限を設けたのは、10原子%超となると、飽和磁束密度が低くなることや原料コストが嵩むためである。
本実施形態のFe系非晶質合金は、通常、薄帯の形態で得ることができる。このFe系非晶質合金薄体は、上述の実施形態において説明した成分からなる合金を溶解し、溶湯をスロットノズル等を通して高速で移動している冷却板上に噴出し、該溶湯を急冷凝固させる方法、例えば、単ロ−ル法、双ロ−ル法によって製造することができる。これらのロール法に用いるロールは金属製であり、ロールを高速回転させ、ロール表面またはロール内面に溶湯を衝突させることで合金の急冷凝固が可能である。
単ロ−ル装置には、ドラムの内壁を使う遠心急冷装置、エンドレスタイプのベルトを使う装置、およびこれらの改良型である補助ロ−ルやロ−ル表面温度制御装置を付属させたもの、減圧下あるいは真空中、または不活性ガス中での鋳造装置も含まれる。
本実施形態では、薄帯の板厚、板幅などの寸法は特に限定しないが、薄帯の板厚は、例えば、10μm以上100μm以下が好ましい。また、板幅は10mm以上が好ましい。
以上説明の如く得られたFe系非晶質合金薄帯は、電力トランスや高周波トランスの鉄心等の用途として用いることができる。
なお、本実施形態のFe系非晶質合金は、薄帯の他に粉末状とすることも可能である。その場合、上述の組成の合金溶湯を満たしたるつぼのノズルから回転するロールあるいは冷却用の水などの液体の中に高速で合金溶湯あるいは合金溶湯の液滴を噴出して急冷凝固する方法を採用することができる。
上述の方法により、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金粉末を得ることができる。
上述のように得られたFe系軟磁性合金粉末は、金型等により圧密して目的の形状に成形し、必要に応じ焼結して一体化することで、電力トランスや高周波トランス、コイルの鉄心等の用途として適用することができる。
以下、実施例について説明する。
(実施例1)
以下の表1に示す各種成分の合金をアルゴン雰囲気中で溶解し、単ロ−ル法で薄帯に鋳造した。鋳造雰囲気は大気中であった。そして、得られた薄帯について軟磁気特性を調査した。使用した単ロ−ル薄帯製造装置は、直径300mmの銅合金製冷却ロ−ル、試料溶解用の高周波電源、先端にスロットノズルが付いている石英ルツボ等から構成される。
この実験では、長さ20mm、幅0.6mmのスロットノズルを使用した。冷却ロ−ルの周速は24m/秒とした。結果として、得られた薄帯の板厚は約25μm、長さ約50mであり、板幅はスロットノズルの長さに依存するので20mmであった。
得られた薄帯の飽和磁束密度はVSM装置(振動試料型磁力計)を用いて測定した。薄帯の鉄損は、SST(Single Strip Tester)を用いて測定した。なお、鉄損測定条件は、磁束密度1.3T、周波数50Hzである。これらの特性測定用の試料は、いずれも1ロットの全長に渡って6箇所から採取した。VSM装置用の試料は薄帯幅中央部からの薄片とした。一方、鉄損測定用の試料は120mm長さに切断した薄帯サンプルを用い、それらの薄帯サンプルを360℃にて1時間磁場中でアニ−ルを行って測定に供した。
アニ−ル中の雰囲気は窒素とした。
飽和磁束密度及び鉄損の測定結果は6個所でのデ−タの平均値を、表1に示した。



Figure 0006683419
表1の試料No.1〜27の結果から明らかなように、Feを80原子%以上88原子%以下、Pを6原子%以上16原子%以下、Cを2原子%以上8原子%以下、Alを0.1原子%以上3原子%以下、さらに、Moを0.1原子%以上5原子%以下の本発明範囲とすることによって、飽和磁束密度1.6T超、又、磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損が0.1W/kg未満で、良好な軟磁気特性を有するFe系非晶質合金薄帯が得られることがわかった。
これらに対して、試料No.28〜38に示す比較例のうち、試料No.29、30、32、38では、鋳造において良好な薄帯が得られなかった(表1中の軟磁気特性の欄中に「−」で示す)。
試料No.29の比較例は、Pの含有量が望ましい範囲の6原子%を下回る例であるが、破断発生や、表面にうねり発生のため、軟磁気特性の測定が困難であった。
試料No.30の比較例は、Cの含有量が望ましい範囲の2原子%を下回る例であるが、表面にうねり発生のため、軟磁気特性の測定が困難であった。
試料No.32の比較例は、Feの含有量が望ましい範囲の88原子%を上回る例であるが、破断発生のため、軟磁気特性の測定が困難であった。
試料No.38の比較例は、Feの含有量が望ましい範囲の88原子%を上回る例であるが、破断発生のため、軟磁気特性の測定が困難であった。
また、試料No.28、31、33〜37、38では薄帯が得られても飽和磁束密度が1.6T超及び鉄損が0.1W/kg未満の両者を満足する特性が得られなかった。
試料No.31はC含有量が望ましい範囲の上限8原子%を上回る例であり鉄損が増加した例、試料No.33はAl含有量が望ましい範囲の下限2原子%を下回り鉄損が増加した例、試料No.34はAl含有量が望ましい範囲の上限3原子%を超えて鉄損が増加した例である。試料No.35はMo含有量が望ましい範囲の下限0.1原子%を下回り飽和磁束密度が1.6T未満となった例、試料No.36はMo含有量が望ましい範囲の上限5原子%を超えて飽和磁束密度が1.6T未満となった例である。試料No.37はFe含有量が望ましい範囲の下限80原子%を下回った例であり飽和磁束密度が1.6T未満となった例である。
これらの対比から、本発明により、Fe系非晶質合金において磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損が0.1W/kg未満という優れた鉄損を維持しながら、更なる飽和磁束密度の改善を実現できることがわかった。
また、表1に示す試験結果から鑑み、No.3、7〜10、15、18、21、24の試料で飽和磁束密度1.66T以上を得ることができたので、飽和磁束密度1.66T以上を得るためのFeのより好ましい範囲は84〜88原子%の範囲であり、Pのより好ましい範囲は6〜11原子%、Cのより好ましい範囲は2〜5原子%、Moのより好ましい範囲は0.9〜3原子%であることがわかる。
また、No.1、2、4、6、11〜13、17、19、20、23、26の試料において特に低い0.09以下の鉄損となったので、このような低鉄損とするためにFeのより好ましい範囲は80〜84%、Pのより好ましい範囲は8〜16%、Moの範囲は0.1〜5%であることがわかる。
(実施例2)
表1のNo.1に示す合金について、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種で代替した各種成分の合金を用いて、実施例1と同様の装置、条件により薄帯を鋳造した。なお、用いた合金の具体的な成分については、Ni、Cr、Coについてのみを表2に示した。結果として、得られた薄帯の板厚は約25μmであった。得られた薄帯の飽和磁束密度及び鉄損について評価した。これらの特性評価に用いた試料の採取方法及び測定条件は、実施例1と同じであった。その測定結果を表2に示す。なお、表2での表示要領は、表1の場合同様である。
Figure 0006683419
表2の試料No.41〜47の結果から明らかなように、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種で、10原子%以下の範囲で代替しても、飽和磁束密度が1.6T超で、鉄損をW13/50で安定して0.10W/kg未満とできることがわかった。
(実施例3)
表1のNo.10に示す合金について、Feの一部をNi、Cr,Coの少なくとも1種で代替した各種成分の合金を用いて、実施例1と同様の装置、条件により薄帯を鋳造した。なお、用いた合金の具体的な成分については、Ni、Cr、Coについてのみを表3に示した。結果として、得られた薄帯の板厚は約25μmであった。得られた薄帯の飽和磁束密度及び鉄損について評価した。これらの特性評価に用いた試料の採取方法及び測定条件は、実施例1と同じであった。その測定結果を、表3に示す。なお、表3での表示要領は、表1の場合同様である。
Figure 0006683419
表3の試料No.51〜57の結果から明らかなように、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種で、10原子%以下の範囲で代替しても、飽和磁束密度が1.6T超で、鉄損をW13/50で安定して0.10W/kg未満とできることがわかった。
本発明により、飽和磁束密度が高く鉄損が低い、すなわち、品質が良好なFe系非晶質合金、例えば、Fe系非晶質合金薄帯を工業的規模で安定して製造することが可能となった。本発明のFe系非晶質合金の特性は、これまでのFe系非晶質合金より品質が良好であることから、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (3)

  1. 原子%で、Feを80%以上88%以下、Pを6%以上16%以下、Cを2%以上8%以下、Alを0.1%以上3%以下含有し、さらに、Moを0.1%以上5%以下含有し、残部不可避的不純物からなり、
    磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W13/50)が0.10W/kg未満、かつ、飽和磁束密度が1.6T超であることを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金。
  2. Ni、Cr、Coのうち少なくとも1種以上で、請求項1に記載のFe系非晶質合金のFeを10原子%以下の範囲で、代替したことを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金。
  3. 請求項1または請求項に記載のFe系非晶質合金からなり、板厚10μm以上100μm以下であることを特徴とするFe系非晶質合金薄帯。
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