JP6881249B2 - 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金およびFe系非晶質合金薄帯 - Google Patents
軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金およびFe系非晶質合金薄帯 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6881249B2 JP6881249B2 JP2017219368A JP2017219368A JP6881249B2 JP 6881249 B2 JP6881249 B2 JP 6881249B2 JP 2017219368 A JP2017219368 A JP 2017219368A JP 2017219368 A JP2017219368 A JP 2017219368A JP 6881249 B2 JP6881249 B2 JP 6881249B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- amorphous alloy
- based amorphous
- iron loss
- atomic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
一方、特許文献3では、Fe、Coからの少なくとも1種で70〜90%、B、C、Pからの少なくとも1種で10〜30%、さらに、Fe、Coの含有量を、Niでその3/4まで、V、Cr、Mn、Mo、Nb、Ta、Wでその1/4まで代替でき、又、B、C、Pの含有量を、Siでその3/5まで、Alでその1/3まで代替できる合金成分が提案されている。
(1)本発明は、原子%で、Feを76.0%以上、Bを10.0%以上13.0%以下、Siを5.0%以上8.0%以下、Cを2.0%以上3.0%以下、Mnを0.10%以上2.0%以下含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金である。
(2)本発明は、原子%で、Feを76.0%以上、Bを10.0%以上13.0%以下、Siを5.0%以上8.0%以下、Cを2.0%以上3.0%以下、Mnを0.10%以上2.0%以下含有し、かつ、前記B、Si、C、Mnの合計含有量が18.0%以上23.5%以下であり、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金である。
(3)また、本発明は、Ni、Cr、Coのうち少なくとも1種以上で、(1)または(2)に記載の合金のFeを10.0原子%以下の範囲で、代替したことを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金であってもよい。
(4)更に、本発明は、磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W13/50)が0.090W/kg未満、かつ、飽和磁束密度が1.50T以上であることを特徴とする、(1)〜(3)の何れか一項に記載のFe系非晶質合金であってもよい。
(5)更に、本発明は、磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W13/50)が0.085W/kg以下、かつ、飽和磁束密度が1.50T以上であることを特徴とする(2)または(3)に記載の軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金であってもよい。
(6)また、本発明は、(1)〜(5)のいずれか一項に記載のFe系非晶質合金からなることを特徴とするFe系非晶質合金薄帯である。
本実施形態のFe系非晶質合金の特徴は、Fe、B、Si、C合金において、これら構成元素の含有量を最適化することで鉄損が極めて低くなる成分範囲を見出し、さらに、Mnを最適量添加することで、鉄損(鉄損W13/50)が安定して0.090W/kg未満となることを実現したことにある。また、本実施形態のFe系非晶質合金は、ベースであるFeの一部をNi、Cr、Coで代替することで、更なる軟磁気特性の改善を実現したことにある。なお、ここでいう鉄損W13/50とは、単板での鉄損測定において磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損である。
すなわち、図1に示すように、B、Si、C,Mnの含有量の組合せを最適化することで、鉄損W13/50が安定して0.090W/kg未満となることがわかった。
よって、本発明では以下のように、B、Si、C、Mnの含有量を限定する。つまり、原子%で、Bが10.0%以上13.0%以下、Siが5.0%以上8.0%以下、Cが2.0%以上3.0%以下さらに、Mnが0.10%以上2.0%以下と限定する。
以上説明の如く得られたFe系非晶質合金薄帯は、電力トランスや高周波トランスでの鉄心等の用途として用いることができる。
その場合、上述の組成の合金溶湯を満たしたるつぼのノズルから回転するロールあるいは冷却用の水などの液体の中に高速で合金溶湯あるいは合金溶湯の液滴を噴出して急冷凝固する方法を採用することができる。
このようにして得られたFe系非晶質合金粉末は、金型等により圧密して目的の形状に成形し、必要に応じ焼結して一体化することで、電力トランスや高周波トランス、コイルの鉄心等の用途として適用することができる。
(実施例1)
以下の表1に示す各種成分の合金をアルゴン雰囲気中で溶解し、単ロ−ル装置で鋳造して薄帯を作製した。鋳造雰囲気は大気中であった。そして、得られた薄帯について軟磁気特性を調査した。使用した単ロ−ル装置は、直径300mmの銅合金製冷却ロ−ル、試料溶解用の高周波電源、先端にスロットノズルが付いている石英ルツボ等から構成される。
飽和磁束密度の測定結果は6個所でのデ−タの平均値を、鉄損の測定結果は6箇所でのデータの最大値をそれぞれ、表1に示した。
試料No.17は、Fe含有量が望ましい範囲の下限76.0原子%を下回り飽和磁束密度が低下した例である。試料No.19は、B含有量が望ましい範囲の上限13.0原子%を上回り鉄損が増加した例である。試料No.20は、Si含有量が望ましい範囲の下限5.0原子%を下回り鉄損が増加した例である。試料No.21は、Si含有量が上限の8.0原子%を上回り鉄損が増加した例である。
表1のNo.1に示す合金について、Feの一部をNi、Cr、Coの少なくとも1種で代替した各種成分の合金を用いて、実施例1と同様の装置、条件により薄帯を鋳造した。なお、用いた合金の具体的な成分については、Ni、Cr、Coについてのみを表2に示した。結果として、得られた薄帯の板厚、板幅、および長さはそれぞれ、約25μm、20mm、およそ50mであった。得られた薄帯の飽和磁束密度及び鉄損について評価した。これらの特性評価に用いた試料の採取方法及び測定条件は、実施例1と同じであった。その測定結果を表2に示す。なお、表2での表示要領は、表1の場合同様である。
また、いずれの試料も、X線回折測定において明確な回折ピークが観察されず、非晶質であることが確認された。
表1のNo.12に示す合金について、Feの一部をNi、Cr,Coの少なくとも1種で代替した各種成分の合金を用いて、実施例1と同様の装置、条件により薄帯を鋳造した。なお、用いた合金の具体的な成分については、Ni、Cr、Coについてのみを表3に示した。結果として、得られた薄帯の板厚、板幅、長さはそれぞれ、約25μm、20mm、およそ50mであった。得られた薄帯の飽和磁束密度及び鉄損について評価した。
これらの特性評価に用いた試料の採取方法及び測定条件は、実施例1と同じであった。その測定結果を、表3に示す。なお、表3での表示要領は、表1の場合同様である。
また、いずれの試料も、X線回折測定において明確な回折ピークが観察されず、非晶質であることが確認された。
Claims (6)
- 原子%で、Feを76.0%以上、Bを10.0%以上13.0%以下、Siを5.0%以上8.0%以下、Cを2.0%以上3.0%以下、Mnを0.10%以上2.0%以下含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金。
- 原子%で、Feを76.0%以上、Bを10.0%以上13.0%以下、Siを5.0%以上8.0%以下、Cを2.0%以上3.0%以下、Mnを0.10%以上2.0%以下含有し、かつ、前記B、Si、C、Mnの合計含有量が18.0%以上23.5%以下であり、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金。
- Ni、Cr、Coのうち少なくとも1種以上で、請求項1または請求項2に記載のFe系非晶質合金のFeを10.0原子%以下の範囲で、代替したことを特徴とする、軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金。
- 磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W13/50)が0.090W/kg未満、かつ、飽和磁束密度が1.50T以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金。
- 磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける鉄損(鉄損W13/50)が0.085W/kg以下、かつ、飽和磁束密度が1.50T以上であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のFe系非晶質合金からなることを特徴とするFe系非晶質合金薄帯。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016222354 | 2016-11-15 | ||
JP2016222354 | 2016-11-15 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018083984A JP2018083984A (ja) | 2018-05-31 |
JP6881249B2 true JP6881249B2 (ja) | 2021-06-02 |
Family
ID=62237935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017219368A Active JP6881249B2 (ja) | 2016-11-15 | 2017-11-14 | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金およびFe系非晶質合金薄帯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6881249B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110699616B (zh) * | 2019-11-25 | 2022-09-16 | 佛山市中研非晶科技股份有限公司 | 非晶带材及其制备方法 |
CN110747411B (zh) * | 2019-11-25 | 2024-02-13 | 佛山市中研非晶科技股份有限公司 | 铁基非晶合金用母合金 |
CN110828093B (zh) * | 2019-11-25 | 2022-07-12 | 佛山市中研非晶科技股份有限公司 | 非晶磁芯及其制备方法 |
JP6938743B1 (ja) * | 2020-09-30 | 2021-09-22 | Tdk株式会社 | 軟磁性合金および磁性部品 |
JP7230968B2 (ja) * | 2020-09-30 | 2023-03-01 | Tdk株式会社 | 軟磁性合金および磁性部品 |
JP7230967B2 (ja) * | 2020-09-30 | 2023-03-01 | Tdk株式会社 | 軟磁性合金および磁性部品 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5024644B2 (ja) * | 2004-07-05 | 2012-09-12 | 日立金属株式会社 | 非晶質合金薄帯 |
JP4771215B2 (ja) * | 2005-03-29 | 2011-09-14 | 日立金属株式会社 | 磁心ならびにそれを用いた応用品 |
JP4268621B2 (ja) * | 2005-04-08 | 2009-05-27 | 新日本製鐵株式会社 | 軟磁気特性に優れた急冷凝固薄帯 |
JP6089430B2 (ja) * | 2012-03-30 | 2017-03-08 | セイコーエプソン株式会社 | 軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子 |
-
2017
- 2017-11-14 JP JP2017219368A patent/JP6881249B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018083984A (ja) | 2018-05-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7020119B2 (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金及びFe系非晶質合金薄帯 | |
JP6881249B2 (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金およびFe系非晶質合金薄帯 | |
JP4310480B2 (ja) | アモルファス合金組成物 | |
JP5320764B2 (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金 | |
KR101222127B1 (ko) | 연자기 특성이 우수한 Fe계 비정질 합금 | |
JP5320768B2 (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金 | |
KR101014396B1 (ko) | Fe계 비정질 합금 박대 | |
JP3594123B2 (ja) | 合金薄帯並びにそれを用いた部材、及びその製造方法 | |
JP6405261B2 (ja) | 磁気記録用軟磁性合金及びスパッタリングターゲット材並びに磁気記録媒体 | |
JP5932861B2 (ja) | 合金組成物、Fe基ナノ結晶合金薄帯、Fe基ナノ結晶合金粉末及び磁性部品 | |
JP4268621B2 (ja) | 軟磁気特性に優れた急冷凝固薄帯 | |
TWI452146B (zh) | 鐵磁性非晶合金帶及其製備 | |
JP6601139B2 (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金及びFe系非晶質合金薄帯 | |
JP3432661B2 (ja) | Fe系非晶質合金薄帯 | |
JP2004353090A (ja) | 合金薄帯並びにそれを用いた部材 | |
JP2001279387A (ja) | 急冷凝固薄帯製造用の安価なFe基母合金 | |
JPWO2017154561A1 (ja) | Fe基合金組成物、軟磁性材料、磁性部材、電気・電子関連部品および機器 | |
JP6819427B2 (ja) | Fe系非晶質合金及びFe系非晶質合金薄帯 | |
JP6683419B2 (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金及び非晶質合金薄帯 | |
JP6443112B2 (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金及び非晶質合金薄帯 | |
JP4969808B2 (ja) | 磁気特性に優れた鉄系非晶質薄帯の製造方法及び製造装置 | |
JPS581183B2 (ja) | 磁束密度が高く角形比の大きい高透磁率非晶質合金 | |
JPS6037179B2 (ja) | 非晶質磁性合金 | |
JP5320765B2 (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金 | |
JP2022177475A (ja) | 軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金及び軟磁気特性に優れたFe系非晶質合金薄帯 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200703 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210317 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210419 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6881249 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |