JP3720357B2 - 交流機械の駆動装置において変換器を使用せずに磁束、位置及び速度を推定する方法及び装置 - Google Patents

交流機械の駆動装置において変換器を使用せずに磁束、位置及び速度を推定する方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、一般的には電動機駆動及び制御装置の分野、及び交流機の回転子の速度及び位置の決定、及び誘導機におけるトルク制御のための磁束ベクトル位置の決定に関する。
【0002】
【背景技術】
機械に供給される電力を制御するために、電子スイッチングを利用している交流機に対する様々な駆動装置が現在市販されている。これらの交流機駆動装置は、様々な要求を満たすために機械の速さ及び/またはトルクを制御させる。そのような機械駆動装置は、シャフト位置及び/または速度のフィードバックを供給するために機械的シャフト変換器を一般に必要とする。フィードバックは、トルク制御(即ち、磁界配向またはベクトル制御)及び軌跡追跡の両方のために、特にゼロ及び低速における制御のために、必要である。しかしながら、シャフト変換器及びシャフト変換器から電子駆動装置に信号を供給するための関連配線は、装置の価格及び故障率を大幅に増加し、かつまた作業現場における機械の合計体積及び質量も増加する。一般に誘導機は、他の種類の機械よりもかなり価格が低くかつ頑丈であるので、これらの変換器を付加することによって誘導機の長所が最高に損なわれることになる。
【0003】
【発明の開示】
従って、電動機運動制御応用における位置または速度変換器を排除することの要望は、長い間認識されていた。回転子の位置または速度を推定させるためのいくつかの方法が提案されている。限界はあるものの、若干の成功は、誘導機ほど複雑ではなく、容易に追跡できる固有な空間依存性の回転子特性を有する、同期機械及び磁気抵抗機械の回転子の位置を決定する技術により得られている。最も一般的な機械の種類であり、従って最も重要な商業的可能性を有する、誘導機の回転子の位置及び速度の推定は、その滑らかな対称回転子及び対称誘導回転子電流及び滑りの故に、複雑である。それにも係わらず、誘導機における正確でかつパラメータ無感応な位置及び速度測定は、機械内の空間的現象を追跡することによってのみ得ることができる。もしトルク制御(及び/または適度の精度の速度制御)のみがアプリケーションによって要求されるならば、磁束ベクトル位置(及び/または大きさ)を知れば十分である。測定されたシャフト位置または速度フィードバックに依存しない従来の磁束推定方法は、ゼロ及び低速において失敗する。
【0004】
本発明によれば、多相交流機械のための駆動装置は、基本駆動周波数の成分と駆動電力より高い周波数でかつ低い電力--好適には信号成分が回転子の運動に実質的に影響を与えない十分に高い周波数でかつ十分に低い電力の重なり合う信号成分とを含む機械の固定子巻線に電力を供給する。
【0005】
機械の回転子は、回転子インピーダンスを変化させかつ回転子の回転位置の関数として信号周波数の励起信号に対する固定子巻線の応答に影響を及ぼす突極性を有しうる。好適には、固定子巻線から見た、誘導機における回転子漏洩インダクタンス、及び同期機械における同期インダクタンスは、回転子の回転位置の周期関数として変化する。そこで、信号周波数における応答の大きさと固定子位置との間の相関を供給するために信号周波数における固定子応答を検出しかつ測定しうる。時間の関数としての回転子位置に関する情報(従って、回転子の速度に関する情報)は、電動機を所望の速度またはトルクで駆動するかまたは所望の位置へ駆動するために電動機に適切な基本周波数駆動電力を供給すべく制御装置で利用することができる。
【0006】
本発明は、若干の永久磁石同期機械及び全ての同期磁気抵抗機械のような、固有の回転子突極性を有している機械を用いて実行することができる。しかしながら、付加的な励起信号の比較的高い周波数においてのみ主に効果を有する突極性を回転子に導入することによって誘導機で利用しうることが本発明の一つの長所である。例えば、回転子は、信号周波数において固定子に関する回転子の位置の関数として、回転子の実効漏洩インダクタンス、従って固定子巻線から見たインピーダンスにおける変化を有するように構築しうるが、トルク制御動作により基本駆動及び滑り周波数において実質的に均一でかつ対称的なインピーダンス特性を有しうる。磁界配向動作に対応する低い滑り周波数及び通常の基本駆動周波数において、インピーダンスは、漏洩インピーダンスではなく実効回転子抵抗によって支配される傾向がある。従って、インダクタンスがある程度変化しても、これらの低い周波数において、インピーダンス及び電動機動作に及ぼす効果は、小さい。誘導機回転子のそのような非対称性または突極性は、回転子の周縁の回りの回転子スロット幅及び深さにおける変化、回転子の回りの導電性バーの断面積またはジオメトリにおける変化、選択された回転子スロットを開き、これらのスロットの間の他の回転子スロットを閉じること、を含むが、それらに限定されるものではない、様々な方法で導入することができる。既存のかご型誘導電動機は、例えば、選択された回転子バーの上の回転子にスロットを選択的に切るかまたはバーの上に可変幅のスロットを切ることによって本発明を実施するために変更することができる。
【0007】
突極性がない一様な回転子を有する誘導機に本発明を適用する場合、機械内の磁束通路の飽和は、磁束ベクトルの位置の関数として信号周波数における励起信号に対する固定子巻線における応答に影響を及ぼす突極性を生成する。好適には、固定子巻線から見た誘導機の固定子過渡インダクタンスは、磁束ベクトル位置の周期関数として変化する。そこで、信号周波数における固定子応答は、信号周波数における応答の大きさと磁束ベクトル位置との間の相関を供給するために検出されかつ測定されうる。時間の関数としての磁束ベクトル位置に関する情報(従ってまた磁束ベクトルの角速度に関する情報)は、電動機を所望のトルク及び速さで駆動するために適切な基本周波数駆動電力を電動機に供給すべく制御装置で利用することができる。
【0008】
高い磁束レベルにおける、回転子スロット及び固定子スロットが開いた、または半分閉じているかご型誘導電動機のような、対称で、突極性のない回転子構造の交流機械の意図的な動作は、固定子及び回転子の主磁束通路の飽和をもたらし、それによって信号周波数における固定子過渡インダクタンスにおける変化、従って、信号周波数における固定子に関する磁束ベクトル位置の関数として、固定子巻線から見たインピーダンスにおける変化を生成する。特定の利点は、磁束ベクトル位置及び速度のパラメータ無感応な、動的推定は、ゼロ及び低速でさえも供給されることがある。
【0009】
固定子巻線における高周波信号に対する応答の検出は、注入された信号周波数の関数である多相信号と多相応答信号とを混合し、かつ回転子の角位置または磁束ベクトルと相関される、信号周波数に対する応答の変化を分離するために混合された信号を濾波することによって、入力信号の周波数を異なる周波数に変換する方式、所謂ヘテロダイン方式の検出を利用して実行されるのが好ましい。
【0010】
駆動装置は、基本駆動周波数及び信号周波数の両方において固定子巻線に出力電圧を供給するために空間ベクトル、パルス幅変調方式で制御することができるインバータを含みうる。また、インバータは、固定子へ基本周波数電力だけを供給するために制御されうるし、かつ別の信号発生器は、固定子巻線に高周波信号を注入するために接続されうる。
【0011】
本発明は、リニアモータにも取り込まれうる。リニアモータの巻線の1つは、(回転子導体に対応する)相対的に運動可能な二次巻線に誘導的に結合させた固定子巻線のように)一次巻線として動作する。一次巻線から見たインピーダンスは、二次巻線の相対位置の関数として変化する。
本発明の更なる目的、特徴及び利点は、添付図面に関連して解釈される以下の詳細な説明から明らかであろう。
【0012】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明による電動機駆動装置の回路図を図1に示す。この電動機駆動装置は、シャフト32により負荷33に結合された交流電動機31を含む。交流電動機31は、インバータ駆動装置38から出力供給ライン34、35及び36に平衡多相(図では3相)電力が供給される。交流機用インバータ装置は、公知であり、交流電動機31を駆動するための必要条件により、様々な方法で構成することができる。交流電動機31は、例えば、同期永久磁石電動機及び同期磁気抵抗電動機を含む同期電動機、磁束ベクトル位置の関数として変化する特性を有する多相かご型誘導電動機、及び後述する回転位置の関数として変化する特性を有する誘導電動機のような、交流電力で駆動することができる様々な種類の電動機のいずれでもよい。インバータ装置38は、後述するように供給されうる、ライン40及び41上の基本周波数q及びd軸電流
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
に対する命令信号を受信し、かつ位置及び速度観測装置43からライン42上のより高い周波数の電圧命令信号
Figure 0003720357
を受信する。
【0013】
位置及び速度観測装置43は、ライン34、35及び36上の電圧を測定するためにこれらのライン34、35及び36に接続されたフィルタ及び座標変換回路46から、ライン44及び45上の
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
で示された、励起信号(高)周波数電流及び電圧信号を受信する。また、フィルタ及び座標変換回路46は、ライン35及び36の電流(及び、それによってライン34の電流)を検出するために電流センサ39(例えば、ホール効果センサまたは電流変成器)にも接続されている。信号
Figure 0003720357
は、測定された3相電動機電流を等価q軸及びd軸電流に変換する座標変換によって回路46から供給される2つの電流信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
からなる。信号
Figure 0003720357
は、ライン34、35及び36上の測定された電圧を等価q軸及びd軸電圧に変換する座標変換を介して回路46によって供給される2つの電圧信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
からなる。回路46は、この技術において周知の標準構造のものでありうるし、以下に詳述するように電流信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を供給する一例を図35に示す。本発明では、後述する位置及び速度観測装置43は、出力信号としてライン47及び48上に供給される、回転子位置及び速さに対する推定
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
をそれぞれ供給するためにライン44及び45上の信号からの情報を用いる。
【0014】
電流命令信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
は、通常設計の直接磁界配向制御装置50から例示的に供給することができる。直接磁界配向制御装置50は、ライン51上の磁束命令信号
Figure 0003720357
と、ライン52上の所望トルク
Figure 0003720357
と、フィルタ及び座標変換回路46からライン54上の基本(低)周波数電圧
Figure 0003720357
のフィードバック情報と、ライン55上の基本周波数
Figure 0003720357
と、ライン56上の推定回転子位置
Figure 0003720357
とを交信する。
Figure 0003720357
は、ライン34、35及び36間の3相電圧の座標変換によって回路46によって供給されたq軸及びd軸電圧である2つの電圧信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を表す。図1に示すように、直接磁界配向制御装置50は、磁束調整器58、同期−静止座標変換装置59、トルク電流計算器60、及び回転子磁束観測装置61を含む。標準設計のこれらの装置は、基本周波数電流命令信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
をインバータ装置38に供給するために図1に示すように接続される。使用する特定の制御装置は選択の問題であり、本発明の位置及び速度観測装置は、制御装置なしでも有用な電動機位置及び/または速度情報を供給するために用いうることが理解されるであろう。
【0015】
図2に示すように、運動制御式交流機駆動装置は、(ライン47及び48上にそれぞれ供給される)推定位置
Figure 0003720357
及び速度
Figure 0003720357
と、(ライン66及び67上にそれぞれ供給される)所望位置信号
Figure 0003720357
及び速度
Figure 0003720357
との間の差を受信する線形フィードバック制御装置65を更に利用することができる。線形フィードバック制御装置65の出力は、加算接合手段70へのライン69に供給される。また、加算接合手段70は、ライン72上の命令フィードフォワード装置71の入力の1つが所望の加速度信号
Figure 0003720357
である、命令フィードフォワード装置71の出力も受信する。また、命令フィードフォワード装置71は、所望の位置信号
Figure 0003720357
及び所望の速度信号
Figure 0003720357
も受信する。加算接合手段70の出力、即ちトルク命令信号
Figure 0003720357
は、磁界配向制御装置71へ供給される。磁界配向制御装置71は、図1に示す制御装置50のような直接制御装置でもよいし、または間接制御装置であってもよい。
【0016】
トルク制御式誘導機駆動装置の制御装置の別の実施例を図3に示す。この駆動装置は、間接磁界配向制御装置73を利用する。駆動装置入力は、トルク命令
Figure 0003720357
及び磁束レベル命令
Figure 0003720357
である。磁束命令
Figure 0003720357
は、磁束電流計算器74によって受け取られ、磁束電流計算器74は、出力電流信号
Figure 0003720357
を同期-静止座標変換回路59に供給する。磁束命令
Figure 0003720357
及びトルク命令
Figure 0003720357
は、滑り角計算器75によって受け取られ、滑り角計算器75は、計算された滑り角
Figure 0003720357
を加算回路に供給する。また、加算回路は、位置及び速度観測装置43から観測された位置信号
Figure 0003720357
も受け取る。加算回路の出力
Figure 0003720357
は、同期-静止座標変換回路59に供給される。また、トルク及び磁束命令信号は、トルク電流計算器76によっても受け取られ、トルク電流計算器76は、その出力
Figure 0003720357
を同期-静止座標変換回路59に供給する。
【0017】
一様な回転子を有する通常の誘導電動機における磁束角位置の推定を利用する、電動機駆動装置を図4に示す。図4の駆動装置では、インバータ装置38は、後述するように供給されうる、ライン40上の基本周波数q軸電流
Figure 0003720357
とライン41上のd軸電流
Figure 0003720357
に対する命令信号を受け取り、かつ追跡(トラッキング)フィルタ443からライン42により高い周波数の電圧命令信号
Figure 0003720357
を受け取る。
【0018】
追跡フィルタ443は、フィルタ及び座標変換回路46から、ライン44及び45に
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
でそれぞれ示される、励起信号(高)周波数電流及び電圧信号を受け取る。フィルタ及び座標変換回路46は、ライン34、35及び36上の電圧を測定するためにこれらのライン34、35及び36に接続され、かつまたライン35及び36の電流(及び、それによってライン34の電流)を検出するために電流センサ39(例えば、ホール効果センサまたは電流変成器)にも接続されている。前述したように、信号
Figure 0003720357
は、2つの電流信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
からなり、かつ信号
Figure 0003720357
は、2つの電圧信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
からなり、これらの信号は、回路46から供給される。本発明において、以下に詳述する、追跡フィルタ443は、ライン447及び448に出力信号として供給される、磁束角位置及び速度に対する推定
Figure 0003720357
及び速度推定
Figure 0003720357
をそれぞれ供給するためにライン44及45上の信号からの情報を用いる。
【0019】
磁束角位置の推定は、インバータ装置によって用いられるライン40及び41上の静止(即ち、固定子)フレーム量に対して、ライン51及び52上の同期フレーム固定子電流命令信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
の座標変換59を供給するために例示的に用いられうる。電流命令信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
は、交流機に対して十分に確立された磁界配向(即ち、ベクトルまたはトルク制御)方式における磁束及びトルク命令にそれぞれ関係がある。使用された特定の制御装置は、選択の問題であり、本発明の追跡フィルタは、制御装置なしでも有用な磁束位置及び/または速度情報を供給するために用いられうることが理解されるであろう。更に、2相(即ち、q軸及びd軸)量で示された実施例は、好ましいけれどもオプションである。また、装置は、3相機械フレーム座標で実現することもできるし、または選択したいずれかの座標系で実現することもできる。
【0020】
インバータ駆動装置38は、低い周波数から運転周波数まで変化させることができる(典型的には60Hz程度であるが、180Hzまたは240Hzまで拡げることができる)、所望の基本駆動周波数で電動機31を駆動する電力を供給する手段である。更に、信号電力成分は、インバータ装置38から電動機31の固定子巻線に供給される。この信号電力成分は、電動機の機械的性能に実質的に影響を与えないように十分に高い周波数でありかつ低い振幅である。電動機31は、回転位置または磁束角位置の関数として時間的に変化する信号周波数の固定子電流成分を発生することによってライン34、35及び36上のより高い周波数電圧信号に応答するように構成されている。
【0021】
インバータ装置38における高周波信号の導入は、様々な方法で達成しかつ制御することができる。一つの方法を図5に示す。その方法では、インバータ装置38は、パルス幅変調式電圧源インバータ77を含み、パルス幅変調式電圧源インバータ77への入力は、電流調整器78の出力と高周波電圧信号
Figure 0003720357
との和である。ライン40及び41上の電流入力信号
Figure 0003720357
は、加算接合手段79に供給される。加算接合手段79は、所望の基本電流
Figure 0003720357
と(回路46の一部でありうる低域フィルタ81から受け取ってライン80に供給した)測定された基本駆動周波数電流
Figure 0003720357
との間の差を供給する。低域フィルタ81は、固定子巻線上の電流センサ39に接続される座標変換回路83からライン82に電流フィードバック信号
Figure 0003720357
を受け取る。また、ライン82上の信号は、より高い信号周波数である固定子巻線で測定された電流の一部に対応する、高周波成分
Figure 0003720357
を出力ライン44上に供給するために高域フィルタ84も通過される。本発明の原理を説明するために低域フィルタ81及び高域フィルタ84を図5に示すが、これらのフィルタは排除しうるし、または、もし望むならば、固定子電流の信号周波数成分に対するより精巧なフィルタリング及び検出技術は、より大きな信頼性かつより低い雑音を有する回転子位置の関数として高周波信号成分の振幅の変化の指示を供給するために用いうる。
【0022】
図5の装置では、直交出力電圧
Figure 0003720357
を表している信号もまた変換回路83から帯域フィルタ87へのライン86に供給される。濾波された信号
Figure 0003720357
は、加算接合手段89において命令された信号
Figure 0003720357
(例えば、所望の一定振幅、平衡多相信号)から減算される。この差は、信号電圧振幅調整器90に供給される。調整器90の出力は、加算接合手段92に供給されて電圧源インバータ77への電圧信号
Figure 0003720357
を供給するために電流調整器78の出力と加算される。
【0023】
命令された信号電圧と測定された信号電圧との間の誤差に作用するオプションの調整器を利用する、図5の高周波信号注入方式は、不動作時間効果、直流母線電圧変化、等によってもたらされる変動及び不平衡を最小にする。この調整方式は、理想的な多相信号電圧源からのPWM電圧源インバータにおける偏差(ずれ)を補償することを事実上試みる。信号周波数と同期して参照フレームで作用する比例積分(PI)調整器は、信号電圧調整器を実現する好ましい手段である。図5に示す全ての電圧及び電流は、静止フレームのd軸及びq軸に対応している2つの量からなることに注目されたい。また、低域通過フィルタ81、高域通過フィルタ84及び帯域通過フィルタ87のような構成要素は、装置46の一部を形成しうるし、かつフィードバック構成要素は、観測装置43の一部を形成しうることにも注目されたい。
【0024】
平衡多相電流の形式の高電力主励起及び低電力高周波信号励起の両方を生成するために電流調整式電圧源インバータ(VSI)を利用する信号電流注入を図6に示す。信号周波数電流命令信号
Figure 0003720357
は、加算接合手段93において基本電流信号
Figure 0003720357
と加算される。(電流ではなく)測定された信号電圧
Figure 0003720357
に対してヘテロダイン・プロセスを実行しかつ位置及び速度推定を得るために観測装置を駆動する。帯域フィルタ94は、基本励起及びインバータスイッチング高調波から信号電圧成分
Figure 0003720357
を分離するために用いることができる。図7〜図9に関して以下に説明する制御装置は、
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357

Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
でそれぞれ置換することによって図6の装置で利用することができる。
【0025】
高い信頼性と低い雑音で固定子電流(または、以下に説明するように、電圧)から回転子位置または磁束角位置情報を抽出するために好適なヘテロダイン復調技術を利用することができる。本発明の装置では、座標変換回路46からのq軸電流
Figure 0003720357
及びd軸電流
Figure 0003720357
と、推定された回転子位置及び信号周波数の直交正弦関数、例えば、それぞれ
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
(ここに
Figure 0003720357
は推定された回転子位置(電気的ラジアン)であり、
ωi
は命令された信号周波数である)との乗算は、以下の式(1)で与えられた混合信号
ε
を結果としてもたらす。式(1)の第1項は、
Figure 0003720357
周波数
Figure 0003720357
においてでありかつ有用な位置情報を含んではいない。しかしながら、第2項は、望ましい位置情報を含み、
Figure 0003720357
と共に直流(dc)に近づく。
Figure 0003720357
通常の回転子速度及び注入された信号周波数の場合は、
Figure 0003720357
であるから、第1項は、低域濾波によって容易に除去することができる。残りのヘテロダイン・プロセスが実行されかつ濾波された信号は、本質的に線形位置誤差
εf
の形式である。即ち、
Figure 0003720357
と共に、
Figure 0003720357
である。
図7に示すヘテロダイン・プロセス97は、推定された回転子位置
Figure 0003720357
と、信号周波数
ωi
とに基づき、推定された回転子位置及び信号周波数の直交正弦関数
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を求め、乗算回路103及び104でq軸電流
Figure 0003720357
及びd軸電流
Figure 0003720357
をこれらの正弦関数にそれぞれ乗じて
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を求め、
Figure 0003720357
から
Figure 0003720357
を加算接合手段98で減算する段階を具備する。
【0026】
磁気飽和を供給するために十分なレベルで電動機が駆動するような一様な回転子を有している通常の誘導電動機で本発明が用いられるような高い信頼性と低い雑音で固定子電流(または電圧)から磁束ベクトル及び位置情報を抽出するために閉ループ・ヘテロダイン復調技術を代替的に利用することができる。座標変換回路46からのq軸電流
Figure 0003720357
及びd軸電流
Figure 0003720357
と、推定された磁束ベクトル位置及び信号周波数の直交正弦関数、例えばそれぞれ
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
(ここに
Figure 0003720357
は推定された磁束ベクトル位置(電気的ラジアン)であり、
ωi
は命令された信号周波数である)との乗算は、以下の式(1’)で与えられた混合信号
ε
を結果としてもたらす。式(1’)の第1項は、
Figure 0003720357
周波数
Figure 0003720357
であり、有用な位置情報を含んでいない。しかしながら、第2項は、望ましい位置情報を含み、
Figure 0003720357
と共に直流(dc)(及び0)に近づく。
Figure 0003720357
通常の動作状態及び注入された信号周波数の場合は
Figure 0003720357
であるから、第1項は、低域濾波によって容易に除去することができる。残りのヘテロダイン・プロセスが実行されかつ濾波された信号は、本質的に線形位置誤差
εf
の形式である。即ち、
Figure 0003720357
と共に、
Figure 0003720357
である。
【0027】
回転子位置誤差信号
εf
は、位置及び速度観測装置43の実施のブロック線図である図7に示すように、Luenberger型の位置/速度観測装置への修正誤差入力として用いることができる。位置推定
Figure 0003720357
は、電動機負荷機械系に対するモデル95(オプショナル)から供給され、そしてこの位置推定
Figure 0003720357
は、関数
Figure 0003720357
、及び
Figure 0003720357
を計算し、乗算回路103及び104でこれらの関数に電流信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
をそれぞれ乗じ、かつ加算接合手段98において式(1)を得るために減算を実行するヘテロダイン・プロセス97への経路96に供給される。加算接合手段98の出力からの信号
ε
は、(例えば、注入される信号周波数
ωi
の2倍より実質的に低いが、回転子の予測される最高の速さ
ωr
より高い遮断周波数を有している)低域フィルタ100を通過させられる。低域フィルタ100の出力信号
εf
は、機械系モデル95に出力信号を供給する線形観測装置制御装置101に渡される。
【0028】
(信号積分を伴う)利得K1、K2及びK3を備えている線形観測装置制御装置101は、推定された回転子位置
Figure 0003720357
を実際の位置に収束させる、即ち
Figure 0003720357
である。推定された回転子位置
Figure 0003720357
及び推定された速度
Figure 0003720357
の両方は、電動機負荷ダイナミックスの簡単なモデルである機械系モデル95と共に観測装置から得られる。観測装置推定ダイナミックスを改善するために、電動機によって発生された電磁トルク
Figure 0003720357
(または、オプションで、簡略化のために、命令されたトルク
Figure 0003720357
)は、(少なくとも推定された慣性モーメント
Figure 0003720357
、及び推定されたダイピング
Figure 0003720357
からなり、かつ1/pが積分を表す)推定された機械系モデル95を駆動するためにフィードフォワードとして用いられる。
【0029】
機械系モデル、命令フィードフォワード、及び全てのK1、K2及びK3利得の使用は、制御装置の必須の機能的特徴ではないが、それらの使用は、推定ダイナミックスを改善する。また観測装置制御装置101が低域フィルタとしても動作するので、適切な場合には低域フィルタ100も必要ではない。代替の制御装置が知られておりそれらを使用してもよい。
【0030】
図7の観測装置の実施例の重要な機能的特徴は、位置及び速度推定の精度が第1近似までインダクタンスの大きさに無関係であるということである。式(2)から分かるように、インダクタンス項を含む係数
Iil
は、閉ループ観測装置の利得の役割を果たす。これは、観測装置が収束する値に影響を及ぼさない。また、電圧または電流のゼロ・シーケンス成分、従って機械中性点接続は、必要ではないということにも注目する。
【0031】
図7に示すヘテロダイン・プロセスは、信号電圧の不平衡及び変動に対する感度を低減するために上述したように変更することができる。信号電圧が
Figure 0003720357
のように単に不平衡であれば、ヘテロダイン・プロセスにおける測定された信号電圧の振幅の含有は、不平衡に起因する推定誤差を低減することができる。図8に示す変更されたヘテロダイン・プロセスは、
Figure 0003720357
の形式である。
【0032】
また、電圧変動に対する感度は、図9に示すように信号振幅の二乗平均に関して周波数変更された信号を正規化することによって低減することもできる。即ち、
Figure 0003720357
ここに、
Figure 0003720357
である。
【0033】
また、
Figure 0003720357
であるから、ヘテロダイン・プロセスは、
Figure 0003720357
及び
sin/cos(ωit)
を含む2段階で実行することもできる。
【0034】
一般に、信号周波数成分の他に、また、固定子電流は、(PWMインバータに対して)基本駆動周波数の成分
Figure 0003720357
及び電力電子スイッチング周波数の高調波の成分
Figure 0003720357
を含む。即ち、
Figure 0003720357
であり、また、d軸に対しては、
Figure 0003720357
であり、ここに
ωc
は基本励起周波数、
ωh
は種々の高調波周波数を表している。
【0035】
式(1)のようにこれら全ての成分を周波数変更すると、以下のような結果をもたらす。
Figure 0003720357
一様な回転子を有する誘導機に本発明を適用する場合には、これらの式の中の
θr
及び
Figure 0003720357
は、
θc
及び
Figure 0003720357
によって置換され、かつ本明細書及び請求の範囲で用いるように、
θ
は、回転子の角位置
θr
または磁束ベクトルの角位置
θc
でありうることが理解される。もし
ωi>>ωc
であり、かつ
ωi<<ωh
であるならば、所望の位置可変項
Figure 0003720357
または
Figure 0003720357
は、それでも適切な濾波によって容易に抽出することができる。従って、付加的な固定子電流成分は、周波数変更する前または後のいずれかで濾波することによって除去することができる。一般に、基本成分は、信号成分より遥かに大きいから、所望のレベルに信号を増幅させるために周波数変更する前に濾波することが好ましい。
【0036】
図8は、図7の位置及び速度観測装置に類似するが不平衡電圧源に対して低減された感度を有するように変更された位置及び速度観測装置を示す。加算接合手段98で加え合わされる信号を形成するために、信号周波数電圧
Figure 0003720357
の包絡線
Figure 0003720357
は、乗算回路103で
Figure 0003720357
を乗ぜられ、信号周波数電圧
Figure 0003720357
の包絡線
Figure 0003720357
は、乗算回路104で
Figure 0003720357
を乗ぜられる。従って、もし直交信号電圧振幅の1つが他よりも大きくなれば、この乗算プロセスは、電流応答信号の大きさを補償することを援助する。図9は、包絡線電圧
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
のそれぞれを測定された信号周波数電圧の平均振幅
si0
で除算することによって弱い高周波電圧源を補償することを援助する類似した装置を示す。
【0037】
同様に、回転子位置ではなく磁束位置を追跡する場合には、追跡フィルタ443の実施例のブロック線図である図10に示すように、位置誤差信号
εf
は、追跡フィルタへの修正誤差入力として使用することができる。位置推定
Figure 0003720357
は、ヘテロダイン・プロセス97への経路96に供給される。ヘテロダイン・プロセス97は、関数
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を計算し、これらの関数に電流信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
をそれぞれ乗じ、かつ加算接合手段98で式(1’)を得るために減算を実行する。加算接合手段98の出力からの信号
ε
は、(例えば、注入される信号周波数
ωi
の2倍より実質的に低いが、磁束ベクトルの予想される最高の速度
ωc
より高い遮断周波数を有している)低域フィルタ100を通過させられる。低域フィルタ100からの出力信号
εf
は、磁束ベクトル速度推定をライン448に供給し、かつ積分回路を介して、磁束ベクトル位置推定をライン447に供給する線形制御装置101に渡される。(信号積分を伴う)利得K1及びK2を備えている線形制御装置101は、推定された磁束ベクトル位置
Figure 0003720357
を実際の位置に収束させる、即ち
Figure 0003720357
である。
【0038】
電動機巻線を駆動する電圧源の変動または不平衡は、電圧源インバータでさえも予期することができる。電圧信号変動及び/または不平衡の量は、多くの要因に依存する。変動の一つの源は、電動機動作点における変化による直流母線電圧における変化である。例えば、電動機が減速する場合、運動エネルギは、一般に母線キャパシタによって吸収され、母線電圧を上昇させる。母線電圧の変動を最小にするために、抵抗を通すエネルギの消失または交流電源に戻す変換が推奨される。
【0039】
スイッチング装置の立ち上がり及び立ち下がり時間及び(偶発的な母線シュートスルーまたは短絡回路を避けるために)装置の転流(整流)間の意図的に導入された遅延によるインバータ不動時間は、電圧信号変動及び不平衡の別の主要な原因である。不動作時間を最小にするかまたは補償するための方式の実現が好ましい。図10に示すヘテロダイン・プロセスは、信号電圧の不平衡及び変動に対する感度を低減するために、上述したように変更することもできる。
【0040】
一般的であるように、もし中性点接続がなされていなければ、
ias+ibs+ics=0
である。この場合、
ics
は、測定されないことが多く、もし必要ならば
ics=−ias−ibs
から計算される。
そして周波数変更は、
Figure 0003720357
に簡略化できる。
【0041】
中性点接続がなされていない、即ち
ias+ibs+ics=0
であると想定して、3相機械フレーム量を利用している均一な回転子誘導電動機に対するヘテロダイン復調方式の実施例を図11に示す。図11の追跡フィルタは、図10の追跡フィルタに類似し、かつ3相の高(信号)周波数命令信号を供給する信号命令発生装置を含む。低域フィルタ100及び観測装置制御装置101は、図10に示すものと同一である。ヘテロダイン・プロセス97’は、関数
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を計算し、これらの関数に電流信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
をそれぞれ乗じ、加算接合手段98’において減算を実行し、かつ式(10)の誤差信号
ε
を供給するために係数
Figure 0003720357
をかける。
【0042】
機械系モデル、命令フィードフォワード、及び全てのK1及びK2利得の利用は、制御装置の必須の機能的な特徴ではないが、それらの使用は、推定ダイナミックスを改善する。
【0043】
図7〜図11の位置及び速度観測装置において、機械系モデルを完全に排除することができるが、選択した特定の周波数変更のために閉ループ装置が必要である。
代わりに、単に
cos/sinωit
で固定子電流を周波数変更することができ、
Figure 0003720357
をもたらす。
低域濾波した後は、
εf=Ii1sin(2θr) (12)
である。
もし
Ii1
が既知であるかまたは正確に推定されるならば、
Figure 0003720357
である。
(例えば、EPROMの)ルックアップテーブルは、逆正弦(アークサイン)を決定するために用いることができる。このアプローチの主な欠点は、位置推定の精度が
Figure 0003720357
の精度に直接的に依存することである。しかしながら、より低い性能の駆動では、この精度で十分である。
【0044】
別の代替として、信号電流の大きさの二乗値を用いることができ、
Figure 0003720357
をもたらす。
高域濾波の後に
εf=2Ii0Ii1cos(2θr−2ωit) (14)
をもたらす。
次いで、位相検出器/コンパレータは、既知の信号
cos2ωit
に対する位相シフトを求めるために、それゆえに回転子位置を求めるために用いることができる。それぞれのゼロ交差のタイミングは、位相検出の一方法である。このようなアプローチの一つの主な欠点は、信号の雑音及び高調波に対するゼロ交差の高い感度である。
【0045】
本発明は、実質的に対称な回転子を有している通常の誘導電動機の磁束位置を追跡するために用いることができる。一般的な誘導電動機では、例えば、かご型導電性バーのような、対称3相回転子巻線は、回転子の歯の間の回転子の周辺の離間した位置で胴体を通って伸びている。等しい開口幅の部分的に開いた回転子スロットが全ての導電性バーの上に形成されている。これらのスロット開口の最小幅は、これらの開口を横切る負荷誘起された飽和効果を最小にするように選択するのが好ましい。(図4のライン51上の電流命令によって例示的に制御されるような)高磁束レベルにおける誘導機の動作は、固定子の歯、固定子のコア、回転子の歯、及び回転子のコアに飽和をもたらし得る。この飽和の角位置は、磁束ベクトル位置と一致する。この飽和は、磁化インダクタンスに、そしてまた固定子過渡インダクタンスにも空間的な変化をもたらす。信号周波数においては、磁化インダクタンスよりも、固定子過渡インダクタンスが固定子巻線から見た固定子インピーダンスを支配する。固定子過渡インダクタンスのこの変化は、磁束ベクトル位置に対応する磁気突極性として見られ、本発明によって追跡される。(高周波信号電流
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
に関連付けられて)回転子に誘導された高周波電流及び磁束成分は、表皮効果によって回転子表面に押しやられ、信号周波数において固定子巻線から見た固定子過渡インダクタンス(及び固定子インピーダンス)における空間的な変化は、回転子よりも固定子における飽和によりいっそう一致する。
【0046】
また、電動機31は、リニアモータでありうる。リニアモータの構造は、本質的には回転機械のものと同じであるがフラットに配置されている。例示的なリニアモータを図39に示す。電動機31は、(固定子に対応している)長い固定一次構造体301と、(回転子に対応している)短い可動二次構造体302とを有する。二次構造体302は、所望の構造(図示していない)によって線形運動に対して支持されうる。例えば、二次構造体302は、輪(ホイール)、ころ軸受(ローラーベアリング)、または空気軸受(エアベアリング)に取付けることができるし、かつ一次構造体301に対して所望の関係でトラック(軌道)(図示していない)に保持することができる。一次構造体301は、例えば積層した鋼で形成されたフレーム304と、規則的に離間されたスロットに複数の固定子または一次巻線305とを有する。長い一次構造体301は、いくつかの反復するセグメントを有しうるし、各セグメントは、フラットに配置された回転機械の単一の固定子に対応し、かつ各セグメントは、上述した手法と同じ手法で駆動周波数及び信号周波数の平衡した多相電力が供給される。
【0047】
二次構造体302は、線形運動に対してフレーム(図示していない)に取付けられた、例えば積層された鋼の胴体及びコア308を有し、規則的に離間されたスロットに複数の回転子または二次巻線310を有する。一次及び二次は、多相一次巻線と、一次巻線から見たインピーダンスとが飽和がないときに平衡するように設計されている。高磁束レベルでの動作による一次における飽和は、磁束位置の関数として一次巻線から見た一次過渡インダクタンス(及び高信号周波数で見た一次インピーダンス)における空間的な変化の形式の磁気突極性を生成する。
【0048】
また、その他の変形も明らかである。例えば、二次は、長い及び/又は固定要素でありうるし、一次は、短い及び/または移動要素でありうるし、二次は、両側に導体を設け、二次の両側に一次を設ける。従って、本発明の駆動装置は、回転電動機またはリニアモータのいずれでも用いうるということが理解されるであろう。本発明の理論及び実現は、回転機械に対してもリニア機械に対するのと同じである。
【0049】
本発明は、以下に説明するヘテロダイン復調技術と組合わされた平衡した多相高周波信号の注入を介して磁束ベクトル位置の信頼できかつ正確な推定を得るために飽和−誘導された突極性(即ち、固定子または一次インピーダンスの変化)を追跡する手段を提供する。
【0050】
上述した種類の特定の電動機設計への本発明の適用可能性は、生成することができかつ信頼して検出することができる飽和−誘導された突極性の量に依存する。突極性の量を増加する1つの手段は、固定子の歯における飽和のレベルが所望の動作範囲にわたり比較的高いように電動機を設計することである。
【0051】
また、本発明は、通常の機械から適切に改造された誘導機に対する回転子位置及び速度情報を得るためにも適用しうる。誘導機の電磁特性に関する最適注入信号周波数は、回転子かご(導体)及び積層の表皮効果によって主に支配される。誘導機の通常の安定状態等価回路を図12に示す。通常の動作状態の下では、基本励起に対する回転子の滑りは、極めて小さい。そこで、抵抗
r2/s
間の電圧が空隙電圧
Eg
を支配する。物理的な含意は、この空隙を横切る(そして電圧
Eg
を発生させる)磁束の大部分が回転子コアを貫通しかつ回転子電気回路をリンクして、有用な仕事を生成するということである。ほんの一部分が(電圧
jI2X2
を生成する)回転子漏洩磁束の形式で回転子表面に閉じ込められる。
【0052】
同じ通常動作速度の下での高周波励起(>>60Hz)に対して、回転子の滑りは、事実上単一(即ち、高い滑り周波数)であり、かつ誘導機は、主に無効である。次いで、固定子電流は、固定子及び回転子漏洩リアクタンスによって支配されかつ図13に示す近似等価回路が適切である。基本周波数による磁束とは異なり、回転子コアに高周波の磁束が殆ど存在しない。代わりに、殆ど全ての高周波空隙磁束は、回転子漏洩磁束のように回転子表面に閉じ込められ、それゆえに空隙電圧Eg及び回転子漏洩電圧
jI2X2
は、殆ど同じである。
【0053】
基本駆動励起に対応する低い滑り周波数において、(回転子の漏洩及び相互磁束の分離磁束通路を示す)14の左側及び(漏洩及び相互磁束を組合わせたときの合成磁束通路を示す)図14の右側に示すように相互磁束が支配的である。一般に、高めの周波数成分(即ち、高い滑り周波数)に対して、表皮効果は、固定子及び回転子漏洩インダクタンスを低減しかつ漏洩磁束を再分配する傾向がある。高めの周波数における導体表皮効果は、(相互及び漏洩磁束通路を示す)図15の左側及び(組合わされた磁束通路を示す)図15の右側に示すように、回転子電流、従って回転子漏洩磁束を回転子バーの頂部(磁束に対しては歯の頂部)に押しやる。相互及び回転子漏洩磁束は、高周波において殆ど等しい。その結果、磁束は、回転子コアを殆ど貫通しない。
【0054】
積層表皮効果は、本質的に、固定子スロット壁と固定子及び回転子の歯の表面とに沿って表皮厚さ層に漏洩磁束を閉じ込める。両効果の最も関連がある効果は、固定子漏洩インダクタンスに対する回転子漏洩インダクタンスの比を低減することである。有用な回転子位置情報は、固定子漏洩インダクタンスには含まれおらず、回転子漏洩インダクタンスだけに含まれるので、この比は、最大にすべきである。
これらの考察に基づき、注入された信号の周波数は、空隙を横切る高周波磁束の大部分が回転子漏洩磁束となるように導体表皮効果に対して十分に高いが、固定子漏洩に対する回転子漏洩の比がかなり大きいように十分に低くしなければならない。最小信号周波数は、十分な導体表皮効果を生成するために、本発明を利用するときの最大基本駆動周波数に滑り周波数に対応する付加的な量を加えたものよりも大きくすべきである。一般に、表皮効果は、表皮厚さが媒体の厚みよりも小さくなったときにだけ重要になる。
【0055】
精密な回転子スロット/バーの形状に依存して、回転子導体の表皮効果は、100Hzの滑り周波数(例えば、高い始動トルクに対する二重かご回転子において)よりも遥かに低い周波数で重大になりうる。コア鋼に対する一般的な動作点を仮定すれば、積層の表皮効果は、積層の厚みに依存して、400〜1.5kHzを超えるとかなり重要になることが期待されうる。10〜20kHzでは、積層表皮効果が大きいので、注入された信号周波数の初期上限と考えられうる。
【0056】
表皮効果の別の結果は、実効固定子及び回転子抵抗を増加することである。しかしながら、100kW以下の機械の一般的な固定子導体ゲージに対して、固定子巻線の表皮効果は、重大な問題にならない。
注入された信号は、追加の専用回路を介してまたは基本駆動周波数電力を既に生成している電力電子インバータを介して生成することができる。電力電子インバータは、費用(及び、一般的には信頼性)の考慮に基づく好ましい発生器である。近年のハードスイッチ式電力電子インバータは、小乃至中の大きさの駆動(<50kW)に対して20kHzのスイッチング周波数に近づいておりかつ超えることもある。20kHzまたはそれ以上のスイッチング周波数は、音響雑音を低減しかつ高電流調整帯域幅を得るために望ましい。例えば、共振直流リンク・コンバータのようなソフトスイッチ式インバータは、等価電流調整帯域幅に対してかなり高いスイッチング周波数で動作できるしかつ動作しなければならない。
【0057】
表皮効果の考察に基づけば、本質的に機械の端子に印加されるインバータスイッチングに関連付けられた高調波電圧の周波数は、所望の信号周波数として用いるには一般にあまりにも高過ぎる。更に、スイッチング周波数高調波は、要求されるような平衡した多相セットではなく、かつ負荷または機械動作点依存になる傾向がある。しかしながら、図5に示す上述したような方法で、10kHz乃至20kHzのスイッチングを用いる場合には、低い高調波ひずみを有する多相1乃至2kHz信号は、基本励起の他に容易に合成することができる。好ましくは、インバータスイッチング周波数は、信号周波数の少なくとも5乃至10倍にすべきである。更に、信号周波数は、駆動装置が動作される最大基本周波数の少なくとも5乃至10倍にすべきである。
【0058】
より大きな駆動装置(>100kW)では、1〜2kHzのインバータスイッチング周波数が一般的である。もし装置を60Hz以上の周波数まで動作させるならば、インバータを介する十分に高い信号周波数の合成は可能ではない。このような場合には、インバータスイッチングよりも十分に高い周波数、例えば、5〜10kHzの信号を生成するために追加の専用回路が望ましい。代わりに、もし(位置決めではなく)トルク制御だけが最終的に要求されるならば、図1に示すような閉ループ磁束観測装置に基づく直接磁界配向制御装置を実現することができる。このような制御装置は、低い基本周波数(例えば、<5Hz)における位置情報のみを必要とする。従って、信号生成は、これらの低い基本周波数においてのみ必要になる。それゆえに、50〜250Hzの信号周波数は、十分に高くかつインバータによって生成することができる。
【0059】
100kW以下の一般的な誘導機は、アルミニウムを鋳造したかご型回転子胴体を含む。鋳造を容易にしかつある場合には極めて高速の動作の下で導体かごの機械的強度を維持するために、そしてスロット・リップル効果を低減するために、回転子スロットは、一般的に、薄い「ブリッジ」によって完全に閉じられる。ブリッジは、定格動作状態の下で飽和するように設計されている。しかしながら、軽負荷の下では、ブリッジは、飽和せず、機械の動作範囲にわたり回転子漏洩インダクタンスにおけるかなりの変化を結果としてもたらす。基本磁界が(滑り周波数で)回転子に関して回転すると、ブリッジは、飽和状態と不飽和状態との間で繰返し変化する。信号周波数において固定子巻線から見たときに、滑り周波数の2倍で別のインダクタンス変化が現れる。このインダクタンス変化は、推定される回転子位置の精度に影響を及ぼしうる。もしこの変化が所望の回転子突極性による変化に対して大きいならば、観測装置は、回転子位置ではなく基本磁界を追跡するようになる。この効果を回避するために、負荷誘導された飽和によるインダクタンスにおける変化は、所望の導入された変化に対して最小にすべきである。
【0060】
回転子スロット・ブリッジ飽和は、等価スロット開口を介してモデル化できることが知られている。従って、負荷誘導された飽和を最小にする一つの方法は、全てのスロットを、最も飽和した動作状態に等しい最小幅に開くことである。次いで、所望の変化は、図16の断面図に示す電動機によって示されるように、一定のスロットを更に開くことによって導入されうる。電動機110は、固定子の歯114間に対称3相固定子巻線112が巻かれた固定子コア111を有する固定子100を有する。かご型回転子117は、通常の軸受(図示していない)により固定子内での回転のための回転子を取付けるシャフト119に取付けられた実質的に円筒形の回転子胴体118を有する。かご型導電性バーのような対称3相回転子巻線120は、回転子の周縁の回りの離間された位置において胴体を通って拡張する。部分的に開いた回転子スロット121は、導電性バー120の上に形成される。これらの最小幅のスロットの幅は、負荷誘導された飽和効果を最小にするように選択される。固定子巻線から見た回転子漏洩インダクタンスの変化は、部分的に開いたスロット121より幅が広い他の導電性バー120の上にスロット122を設けることによって得られる。図16に示す種類の4極かご型誘導電動機に対して、最も幅が広いスロット122は、回転子の周縁の回りで互いに90°(機械的角度)で中心決めされる導電性バーの上に形成される。回転子のq軸125は、最も幅が広いスロットを有する一群の導電性バーの中心を通って拡張するのに対し、q軸125に対して45°(機械的角度)の角度を成す、回転子のd軸126は、最小幅のスロットを有する一群の導電性バーの中心を通って拡張するものと考えられうる。4極電動機について図16に示されるように、最大幅のスロットを有する導電性バーの他の群は、軸128、129及び130で示した、軸125に関して90°単位の角位置で中心決めされる。1つの機械極ピッチ上の高周波励起信号に対する簡略化された磁束通路を図17に示す。励起に対する回転子位置は、低い回転子漏洩インダクタンス位置に対応する。
【0061】
最小幅のスロット開口の使用でも、減結合(decoupling)は、例えば、負荷成分の効果を推定しかつ式(2)の誤差信号
ε
からその推定を減算することによって、飽和による成分を更に低減するために、ある一定の場合には必要でありうる。
固定子及び回転子の両方における主磁束通路(即ち、歯及びコア)の飽和は、ある一定の状態の下で、変化を低減するために減結合を用いなければならないような十分な大きさの望ましくない変化も生成しうる。代替的に、低減された磁束レベルにおける動作は、主磁束飽和による望ましくない変化を低減する。
回転子漏洩インダクタンスにおける変化は、不平衡な回転子回路を結果としてもたらし、磁束及びトルク脈動に導きうる。しかしながら、この不平衡は、定格滑り状態下で基本駆動電力によって生成された低周波数回転子電流に対してそれ程重要ではない。なぜならば、回転子インピーダンスは、回転子抵抗によって基本駆動周波数において支配的であり、平衡を保ったままだからである。しかしながら、必要ならば、磁界配向制御装置に組み込まれた適切な命令フィードフォワードまたは状態フィードバックを介してこのような脈動を排除することが可能である。更に、回転子スロットまたは歯は、信号周波数では不平衡であるが基本(滑り)周波数では平衡である回転子インピーダンスを生成するように設計することができる。
【0062】
本発明の利点は、回転子漏洩インダクタンスが通常の機械動作に対してそれ程重大な影響を及ぼさないことである点に再度注目されたい。従って、機械構造に対して必要とされる変更は、機械性能には殆ど影響を及ぼさない。
注入された信号周波数における電力に関連付けられた高周波電流及び磁束は、固定子及び回転子巻線、及びコアに付加的な損失を生成する。従って、位置情報を供給するように構成された誘導機は、些少の定格出力の低下を必要とする。低雑音設計の高品質検出回路により、信号注入に関連付けられた電力損失を最小にすることができるので、電動機の定格出力の低下は、もしあったとしても、殆ど必要とされない。
【0063】
パルス幅変調(PWN)インバータによる多相信号電圧の合成は、インバータによって生成することができる基本成分の最大振幅を低減する。基本成分を増加させるための、パルスドロッピング、及び最終的にはPWNから6段スイッチング方式への変換の常套手段は、信号成分の同時合成をさせない。従って、直流母線電圧を上昇させない限り、電動機の弱磁界動作が低速で必要でありうる。この電圧定格出力の低下を最小にするために、検出回路は、信号電圧(及び電流)振幅が可能な限り小さいように設計すべきである。
電流調整されたインバータの電流調整器は、本発明によって故意に導入された高周波信号電流を除去しようとする。これらの電流の減衰を避けるために、信号周波数は、調整器の帯域幅を十分に超えるように選択するか、または信号周波数における測定された信号成分は、調整器にフィードバックする前に、適切な信号処理(例えば、ノッチフィルタまたは低域フィルタ)によって除去すべきである。
【0064】
また、本発明は、必要な空間的変化を供給するために多くの既存誘導機械の変更によっても実施することができる。そのようにするためには、回転子を機械の固定子から取り出し、回転子漏洩インダクタンスの所望の空間的変化を達成すべく回転子スロットを開くために所望の幅のスリッティング・ソーを利用して簡単な機械加工プロセスを実行する。スロットの幅は、図16の回転子空間変化パターン、または後述するようなその他の回転子スロットパターンを供給するように切り開くことができる。回転子スロットを導電性バーの上で所望の幅に切り開いた後、回転子を機械の固定子に再設置しうる。閉じた回転子スロットを伴う回転子を有する既存の誘導電動機は、固定子巻線から見た回転子漏洩インダクタンスの空間的変化を供給するために本発明に従って容易に変更される。
【0065】
負荷誘導された飽和を避けるために必要な最小スロット幅は、機械の大きさと共に大きくなることが知られている。これは、スロットを有する例示的導電性バーを示す図18及び図19に関して説明されうる。フリンジング効果を無視すれば、スロット開口間の磁気抵抗(リラクタンス)は、次式によって与えられる。
Figure 0003720357
ここに、Lは、機械のスタック長である。回転子スロットを取り巻く積層を通るMMF降下がスロット開口間の降下に比べて無視できるものとすれば、(滑り周波数における)基本成分スロット漏洩磁束は、
Figure 0003720357
ここに、
irb1
及び
Bsl1
は、それぞれ回転子バー電流及び漏洩磁束の基本成分である。従って、所与の最大回転子バー電流に対する飽和を回避する所与の最大所望スロット漏洩磁束密度に対して、必要なスロット開口幅は、
Figure 0003720357
である。
必要なスロット開口幅は、(第1近似まで)スロット寸法に無関係であるということ、そして電流負荷が機械の大きさと共に増大するので、スロット開口も機械の大きさと共に増大しなければならないということに注目する。
【0066】
以上の分析及び実験の結果は、通常の230/460V、3相、4極、5Hp、Nema B誘導電動機の場合、(定格負荷で)スロット開口付近の飽和を避けるために必要な最小スロット開口幅は、6ミル(0.15mm)程度であることを示唆している。
通常の機械加工技術で約6ミル(0.15mm)より狭いスロット開口を得ることは困難である。6ミル以下のカットを有するスリッティング・ソーは、一般的ではなく、特別な注意を必要とする。代替の技術として、もし望むならば、例えばレーザ及びワイヤカットを用いうる。
最大スロット開口幅は、検出できるように十分な回転子漏洩インダクタンス変化を生成するように十分に広くすべきであるが、しかし磁化インダクタンスを大きく変更(減少)する程には大きくすべきではない。もし最大スロット開口幅が(最小幅に比べて)あまりにも広すぎれば、基本から見た磁化インダクタンスにかなりの変化が発生しうる。このような変化は、望ましくない磁束及び磁気抵抗トルクの脈動を発生しうる。磁化インダクタンスの変化を完全に排除するためには、後述するような回転子の再設計が好ましい。
【0067】
誘導電動機に対する既存の標準かご型回転子の変化の他に、本発明に従って回転子の漏洩インダクタンスの適切な空間的変化に対して特に設計された回転子を利用しうる。このような空間的変化を得る1つの手法は、スロット寸法の適切な調整である。回転子漏洩インダクタンスの1成分であるスロット漏洩インダクタンス
Lslot
は、スロット磁気抵抗に逆比例する。図18及び図19に示すスロット幅b及びスロット深さaに関連して、スロット漏洩インダクタンスは、次式により近似的に与えられる。
Figure 0003720357
ここに、
Kl
は、巻回比、巻線分布、スロット数、等に依存する係数である。
スロット深さa及びスロット幅bの両方は、幅広の幅b、浅い深さaを示す図20に示すように、幅だけの調整と比較して得ることができる空間的変化の量を増大するために、変化させることができる。最小幅bは、ダイスまたは製造上の制約、及び/または負荷誘導された飽和効果によって決定される。
スペーサは、回転子胴体の鋳造中に開スロット内に溶融アルミニウムを含ませるために通常必要である。代替的に、溶融アルミニウムが流れてスロット開口を完全に充填できるようにし、(広いスロットについて)図21及び(狭いスロットについて)図22及び図23に示すように、誘導された高周波誘導回転子電流、即ち漏洩磁束を、回転子表面に押しやることができる。従って、(例えば、図18及び図19のスロットと)同じスロット寸法にであって、図22及び図23のスロットを有する電動機の高周波成分から見た回転子スロット漏洩インダクタンスは、実効スロット開口深さaの低減により、変化されうる。しかしながら、滑り周波数における回転子電流の基本成分から見たインダクタンスは、図18及び図22に示すように、スロット全体にわたるより均一な分布により、比較的不変である。導電性バーの断面が僅かに増大しているだけなので、低周波数回転子抵抗も比較的不変であるか、またはスロット面積を変更することによって不変にすることができる。その結果、トルク発生の原因である基本駆動周波数成分は、ほぼ対称的な回転子インピーダンス及び磁化インダクタンスを見るし、高周波信号励起は、回転子角位置の関数として回転子インピーダンスにおける適切な変化を見る。
【0068】
回転子漏洩が高周波回転子インピーダンスを一般に支配するが、漏洩変化と共に、または漏洩変化の代わりに、適切なスロット/バー設計によって実効高周波回転子抵抗を変化させることもできる。従って、本発明によれば、高周波信号励起から見た固定子巻線の実効インピーダンスの変化は、回転子の回転位置の関数として実効回転子インピーダンスの空間的変化によって得られる。所望の高周波インピーダンス変化を生成することができるスロット形状は、上述したような可変開口を有する単純な卵形の形状に限定されるものではない。所望の回転子インピーダンス変化を生成することができる多くの異なる回転子/スロット・バー形状が存在することは、当業者に理解されるであろう。
更にまた、回転子インピーダンスにおける変化は、回転子エンド・リング(端巻線)領域の変化または設計変更を介しても達成されうる。
電動機巻線を駆動する電圧源の変動または不平衡は、電圧源インバータによっても予測することができる。電圧信号変動及び/または不平衡の量は、多くの要因に依存する。変動の一つの源は、電動機動作点における変化による直流母線電圧の変化である。例えば、電動機が減速するときに、運動エネルギは、母線キャパシタによって一般に吸収され、母線電圧を上昇させる。抵抗を通すエネルギの消失または交流電源に戻す変換が母線変動を最小にするために推奨される。
(偶発的な母線シュートスルーまたは短絡回路をさけるために)スイッチング装置の立ち上がり及び立ち下がり時間及び装置の転流の間に意図的に導入された遅延によるインバータ不動作時間は、電圧信号変動及び不平衡の別の主要な原因である。不動作時間を最小にするかまたは補償する方式の実現が好ましい。
【0069】
上述したように、本発明は、回転子位置を決定するために回転子位置の関数として固定子巻線における高い信号周波数から見た実効インピーダンスにおける変化を利用することができる。このようなインピーダンス変化は、実効回転子抵抗或いは回転子漏洩インダクタンス、またはそれらの両方を含む。回転子抵抗における変化は、例えば、異なるバーまたはエンド・リングの断面積及び形状またはジオメトリを利用することによって達成することができる。
更に、漏洩インダクタンスは、信号周波数が増大すると減少し、同時に、実効回転子抵抗は、増大する。この現象は、表皮効果によるものであり、それらの量は、
Figure 0003720357
でおおよそ変化する。従って、極めて高い信号周波数(例えば、>>20kHz)において、回転子抵抗の変化は、正味の回転子インピーダンスの変化の重要な、或いは支配的な成分でありうる。図21及び図23のスロット設計の組合せを有する回転子は、回転子漏洩インダクタンス及び高周波回転子抵抗の両方の変化を有する。高周波漏洩インダクタンス及び抵抗は、図23のスロット設計に対するよりも図21のスロット設計に対して低い。導体が回転子表面までスロット全体を充填するので、両方の設計の回転子漏洩インダクタンスは、図19及び図20の対応するスロット設計よりも低くなる。しかしながら、回転子抵抗は、同様であるべきである。従って、回転子抵抗の変化は、図19及び図20の設計に対するよりも、図21〜図23の設計に対する総合インピーダンスの変化のより重要な成分である。
もし実効回転子抵抗が回転子インピーダンスの重要な成分であれば、固定子電流は、位相シフトされる。即ち、
iqsi=Ii0sin(ωit+ψ)+Ii1sin(2θr−ωit+ψ) (18)
idsi=Ii0cos(ωit+ψ)+Ii1cos(2θr−ωit+ψ) (19)
である。この位相シフト
ψ
は、ヘテロダイン・プロセスを通して浸透し、
Figure 0003720357
を発生し、濾波した後は
Figure 0003720357
になる。観測装置は、
εf
をゼロに駆動しようとするから、位相シフトは、位置推定に存在する:
Figure 0003720357
ある温度依存性を除いて、この位相シフトは、固定された信号周波数において一定である。従って、位相シフトは、初期回転子位置の較正中に容易に補償することができる。
【0070】
回転子位置と共にインピーダンスにおける空間的変化を有している例示的な誘導電動機の更なる実施例を図24に示す。この機械は、標準4極固定子と、シャフト142に回転のために取り付けられた円筒形回転子胴体141を有している回転子140とを有する。複数のかご型導電性バー143は、回転子の周縁の回りの離間された位置で回転子胴体を通って伸びている。スロット144は、機械軸の1つ、例えばq軸に沿って導電性バー143の上に形成され、他の軸(d軸)に中心を有する導電性バー143は、それらを横切って形成されたブリッジ145を有する、即ち、これらのバーの上のスロットは、閉じられている。導電性バー143上に形成されたスロット144は、機械の4つの直交軸のまわりに中心を有する。この構成によれば、負荷が加わったときには、ブリッジ145は、一般に飽和する傾向があり、その場合には増分回転子漏洩は、開スロットの増分回転子漏洩に等しく、かつd軸とq軸との間のインダクタンス変化が低減されるということに注目する。ブリッジが飽和しない、より軽い負荷の下では、回転子漏洩インダクタンスにおけるかなりの変化が、回転子の回転位置の変化により発生する。
【0071】
図25は、更なる別の電動機の実施例を示し、固定子111内の回転のために取付けられた回転子150は、シャフト152に取付けられた回転子胴体151と、回転子の周縁の回りに離間された位置で回転子胴体151を通って伸びる複数の導電性バー154とを有する。しかしながら、導電性バー154は、回転子の表面から均一に離間されていない。それよりも、機械軸の1つ、例えば、q軸に中心を有する導電性バー154は、回転子の表面により近く、かつそれらの上に比較的浅いスロット155を有し、一方、d軸に中心を有する導電性バー154は、回転子表面から更に離間されかつそれらの上に比較的深いスロット156を有する。浅いスロット155を有する導電性バー154は、4極機械の4つの直交軸のまわりに中心を有し、一方、それらの上に深いスロット156を有する導電性バーは、浅いスロットを有するバーの間に配置される。4極機械の場合には、このパターンは、180電気度、即ち90機械度おきに繰り返される。その結果、固定子巻線から見た高い信号周波数における漏洩インダクタンスは、回転子の回転位置の関数として変化する。
【0072】
図25の機械の2極バージョンを図26に示す。これは図25の機械に類似するが、回転子150’の周縁にわたり二度繰返す空間的変化を有する回転子スロット155’及び156’有する。4極機械の場合には、回転子スロット幅/深さの変化の最大及び最小は、互いに90°の角度(変化の周期が90機械度)をなすべきであることに注目する。2極機械の場合には、図26に示すように変化の周期は、180機械度である。全ての機械について言えることは、要求される変化は、「1極ピッチ」、即ち、機械の1つの極が広がっている距離に等しい周期を有する。定義すれば、1極ピッチは、180「電気度」に対応する。電気度は、束(フラックス)及びmmf波形、即ち機械内の電磁界を示す。従って、添付図面に含まれる回転子位置/速度推定及び実際の量は、電気度(またはラジアン)で表される。
【0073】
本発明の復調方法は、回転子インピーダンスの空間的変化が、好ましくは純粋な正弦波状、即ち
sin2θr
または
cos2θr
の形で変化する周期関数であると想定している。もし変化が別の高調波(例えば三角波状の変化)を含んでいれば、補償または写像(マッピング)のある形式が復調に含まれていない限り、位置/速度推定における誤差が導入される。しかしながら、全ての通常の機械の固定子巻線は、基本空間的成分を強調しかつより高い空間的高調波を減衰するように設計されている。従って、たとえスロット幅または深さにおける「方形波」的変化でさえも(例えば、スロット開口が2つの幅だけの間で変化する)、固定子巻線から見た合成回転子インピーダンスの変化は、ほぼ正弦波状であり、いろいろなことが要求されない応用に対しては最も適していると言える。これは本発明の特に魅力的な属性である。何故ならば、このことは追跡するために十分な振幅の空間的変化を得るために、もしあったとしても機械性能を犠牲にすることがほとんどないことを暗に示しているからである。従来の速度推定方法は、回転子スロット周波数における誘導された電圧または電流のリップルのような、個々の回転子スロットの効果を追跡しようとしていた。しかし、固定子及び回転子巻線は、普通、トルクのリップル(コギングトルク)及び関連損失を最小にすべくこれらのスロッティング効果を最小にするように設計されている。従って、一般に、スロット・リップル効果は、特に広い動作範囲にわたり、信頼して追跡するにはあまりにも小さすぎる。設計変更によってリップルを強調すると、機械性能が犠牲になる。簡単に言えば、固定子巻線は、単一のスロットにわたってではなく、機械極ピッチにわたり発生するインダクタンス変化及び電磁効果を検出するように本質的に設計されている。
従って、本発明では、180電気度の周期を有する回転子インピーダンスのいずれかの周期的な空間的変化(例えば、
sin/cos2θr
+高調波、三角波、等)を利用することができる。
【0074】
本発明は、かご型誘導電動機に関して上述されたが、回転子に磁気突極性を有するその他の種類の交流電気機械にも適用できることが理解されるであろう。
固有の回転子磁気突極性を有する4極インセット取り付け型永久磁石同期機械を図27に示す。この例示的電動機は、対称3相固定子巻線112を有する4極固定子111と、シャフト162での回転のために取付けられた回転子胴体161を有し、回転子胴体161の周縁に取付けられた4個の永久磁石164を有する回転子160とを有する。永久磁石インセット164の間は、回転子胴体の隆起領域(raised areas)165である。例えば、4極機械に対する回転子の周縁の周りに伸びている4つの永久磁石164及び4つの隆起領域165により、隆起領域165は、回転子q軸に沿って配向されうるし、かつ永久磁石インセット164は、d軸に中心決めされうる。この種類の回転子によって供給される固有の回転子磁気突極性により、固定子巻線から見た実効インピーダンスは、回転子の回転位置と共に変化する。
【0075】
永久磁石機械の変形を図28に示す。この機械では、シャフト172で回転する回転子胴体171を有する回転子170は、d軸に中心決めされ位置で回転子胴体171に内蔵されたかまたは埋め込まれた4個の永久磁石174を有する。この回転子構造も、回転子の回転による固定子巻線から見た実効インピーダンスにおける変化を同様にもたらす。
固有の回転子磁気突極性を有する4極同期磁気抵抗機械を図29に示す。この機械は、固定子111が対称3相固定子巻線112を有し、シャフト182上で回転する回転子胴体181を備えている磁気抵抗回転子180を有して、例示的に示されている。回転子胴体181は、機械の軸の1つ、例えば、q軸に沿って位置合わせされた強磁性材料の湾曲した積層184と、これらの積層184が埋め込まれかつ保持される非強磁性材料185とにより形成される。励起信号の高周波における実効インピーダンスは、回転子180の回転位置の関数として変化し、回転子位置を決定するために利用することができる。
上述した機械のそれぞれによる回転子位置の検出は、機械31について説明した方法と同じ方法で、好ましくは上述したように、混合された信号を周波数変更しかつ低域濾波することによって実行されうる。濾波され周波数変更された信号は、誘導機の場合と同じ形式であり、かつもし望むならばLuenberger型速度観測装置を駆動するために用いることができる。飽和は、固定子電流に調整された励起周波数と、主磁束に調整された回転子周波数との両方に付加的な変化を導入しうる。誘導機とは異なり、主磁束は、回転子上にロックされ、それゆえに主磁束通路の飽和によって生成された付加的な空間的変化は、電動機突極性に対して固定される。従って、(磁束位置ではなく回転子位置を追跡することが望ましい場合の)誘導機駆動における1つの潜在的に大きい誤差の源は、同期及び磁気抵抗機械駆動において一般に小さい。これらの誤差がもし大きければ、それらを減少させるために誘導機駆動で用いたデカップラを使用することもできる。回転子電流による飽和(誘導機における負荷効果)は、このような突極機械には存在しないが、固定子電流は、固定子漏洩インダクタンスにおける変化を生成することができる。しかしながら、この変化は、これらの機械に共通な大きい回転子突極性に対してそれ程大きいものではない。
【0076】
図30は、高周波信号がインバータ77の外部の出力供給ライン34、35及び36に注入される本発明の実施例を示す。この実施例では、インバータ77は、命令信号
Figure 0003720357

Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を受け取り、インバータに基本周波数においてのみ出力供給ライン34、35及び36に出力電力を供給させる。(位相シフタを有する単一の発生器でありうる)標準設計の高周波信号発生器190及び191は、高周波低電力正弦信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
をそれぞれ供給する。信号発生器190及び191の出力は、低電力回路及び高電力回路を分離する変圧器192に供給される。出力ライン193、194及び195は、変圧器192の二次(巻線)と出力供給ライン34、35及び36との間に接続される。ライン193〜95に接続されたキャパシタ197は、高周波カップリングを供給すると同時に低周波数が信号発生器190及び191に戻るのを阻止する。インバータ77とライン193〜195の接続との間のライン34、35及び36に接続されたインダクタ198は、(電動機漏洩インダクタンスに対して)インバータの方向を見ている信号発生器190及び191からの高周波信号に対して高インピーダンスを供給する。従って、インダクタ198は、高周波信号電流がインバータ77に戻るように流れることを阻止する。
上述した電動機駆動装置は、通常のハードウェア構成要素及び回路設計を利用して実現されうる。例示的回路実施例を以下に説明するが、これらは説明のためだけであり、かつ本発明は、本発明の主な機能を実行するあらゆる実施を利用しうるということが理解される。
【0077】
インバータ75として利用されうる例示的な3相インバータ・トポロジを図31に示す。図31のインバータは、エネルギ蓄積及び濾波用キャパシタ205がその間に接続される直流母線203及び204に直流電圧を供給すべく電源ライン202からの(一般には3相の)商用電力を整流するためにダイオード201で形成されたダイオード・ブリッジを利用する。ライン203及び204の直流電圧は、(例えば)ブリッジ構造に接続された絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)スイッチング装置207で構成された3相インバータによってライン34、35及び36の3相出力電圧に変換される。装置207のスイッチングは、通常の方法で装置のゲートに供給されたスイッチング信号によって制御される。
【0078】
図31のインバータのスイッチ207にスイッチング信号を供給する例示的装置を図32に示す。図32の装置は、例えば、図5及び図7、8、9、10または11の処理を利用して、図1、2または3の駆動装置のデジタル信号プロセッサをベースとする実施例を供給するために用いられうる。図32の装置は、デジタル信号プロセッサ(DSP)210、例えばMotorola製のDSP56001を含む。DSP210は、データバス及び制御ライン211によって通常の方法で、電流感知回路213から電流信号を受信するアナログ/デジタル変換器212と、電圧感知回路216から電圧信号を受信するアナログ/デジタル変換器215とに接続され、それにより、電流信号
ias
及び
ibs
、及び電圧信号
νab
及び
νbc
を示すデータをDSP210に供給する。DSP210は、PWMインバータゲート信号発生器220に制御及びデータ信号を供給し、PWMインバータゲート信号発生器220は、ゲート駆動装置222へのライン221に出力信号を供給し、ゲート駆動装置222は、スイッチング装置207のゲートへのライン224に必要なスイッチング信号を供給する。付加的なデジタル/アナログ変換器227とデジタル入出力インタフェース及び通信ポート228は、通常の方法でDSP210と連通する。DSP210は、図1〜図4の実施例のいずれか、またはその他のいずれかの電動機制御実施例において信号処理を実行するために、または回転子位置及び/又は速度情報を単に供給するために、通常かつ周知の方法でプログラムされうる。
【0079】
図32の完全なデジタルの実施例の代わりとして、本発明の位置及び速度観測装置43は、図33に示すようなハイブリッド・デジタル/アナログ観測装置によって実現することができる。図33の例示的実施例は、ヘテロダイン・プロセス、線形状態フィードバック制御装置、トルク命令フィードフォワード、及び信号命令生成を含む。この実施例で用いられうる例示的集積回路は、図中の装置の括弧内に示されている。電流
Figure 0003720357
で表わされる、フィルタ及び座標変換回路46からのアナログ信号は、乗除デジタル/アナログ変換器(DAC)231へのライン230に供給される。DAC231のデジタル入力は、EPROM234の余弦表から供給される。同様に、信号
Figure 0003720357
を表す、回路46からのアナログ信号は、マイナス正弦表でプログラムされたEPROM238からそのデジタル入力を受け取る乗除DAC236へのライン235に供給される。アナログトルク命令フィードフォワード信号は、磁界配向制御装置からのライン240に供給され、推定または命令されたトルク量でありうる。EPROM234及び238は、加算回路242によって駆動される。加算回路242は、水晶発振器244によって駆動されているカウンタ243、及び電圧−周波数変換器247によって駆動されているカウンタ246から入力を受け取る。電圧−周波数変換器247は、推定速度
ωr
を表すライン249の信号によって駆動される。DAC231及び236の出力は、(図7〜図9の加算接合手段98及び低域フィルタの両方の役割を果す)加算及びフィルタ増幅器251で加算されて誤差信号
εf
を供給する。この誤差信号
εf
は、推定速度信号
ωr
を供給するためにライン240の命令信号が加算されるような区分252を通過させられる。区分252は、図7〜図9の観測装置制御装置101及び機械系モデル95のアナログ実施例を供給するために積分器及び加算増幅器を組み込む。変換器247及びカウンタ246は、
ωr
のデジタル積分器として事実上動作する。ライン254のカウンタ246の出力は、位置推定
θr
に対応するデータである。カウンタ243の出力は、加算回路242に供給される以外に、正弦表でプログラムされたEPROM256、及び余弦表でプログラムされたEPROM257にも供給される。EPROM256の出力は、
Figure 0003720357
を表すアナログ出力信号を供給するDAC258に供給され、EPROM257の出力は、そのアナログ出力が信号
Figure 0003720357
であるDAC260に供給される。
【0080】
図34に示すように、追跡フィルタ443もハイブリッド・デジタル/アナログ回路で実現することができる。図34の実施例は、図33の実施例に類似しており、図10に示す追跡フィルタに対するヘテロダイン・プロセス、線形状態フィードバック制御装置、及び信号命令生成を含む。DAC231及び236の出力は、誤差信号
−εf
を供給するために(低域フィルタ100として動作する)低域フィルタ部分252を通過させる誤差信号
ε
を供給すべく加算及びフィルタ増幅器251において加算される。次いで、濾波された誤差信号は、推定速度信号
Figure 0003720357
を供給するために線形制御装置101を組み込んでいる部分253を通過する。変換器247及びカウンタ246は、
Figure 0003720357
のデジタル積分器として事実上動作する。ライン254のカウンタ246の出力は、磁束ベクトル角位置推定
Figure 0003720357
に対応するデータである。カウンタ243の出力は、加算回路242に供給される他に、正弦表でプログラムされたEPROM256及び余弦表でプログラムされたEPROM257にも供給される。EPROM256の出力は、DAC258に供給され、DAC258は、
Figure 0003720357
を表すアナログ出力信号を供給し、EPROM257の出力は、DAC260に供給され、DAC260は、信号
Figure 0003720357
であるアナログ出力を供給する。
【0081】
フィルタ及び座標変換回路46は、標準的な方法で実現することができる。一次高域及び低域濾波を介して、固定子感知、3〜2相の変換、及び信号及び基本電流成分を供給する例示的回路を図35に示す。図35の回路によって実現される座標変換に対する式は、公知である。中性点接続がなされていない、即ち
ias+ibs+ics=0
の場合、3相電源に対して、
Figure 0003720357
である。
位相a固定子電流は、例えば、センサ39として動作する、ホール効果電流センサによって感知され、センサは、
Figure 0003720357
に等しく定義された
ias
を表す出力信号をライン266上に供給し、かつこの信号は、信号
Figure 0003720357
を供給するために低域出力フィルタ回路267を通過させられ、信号
Figure 0003720357
を供給するために高域フィルタ268を通過させられる。同様に、位相b固定子電流は、ホール効果電流センサ39によって検出され、センサは、
ibs
を表す出力信号をライン271上に供給し、かつこの信号は、ライン273に信号
Figure 0003720357
を供給するために信号
ias
と適切に加算される加算増幅器272を通過させられる。ライン273上の信号は、信号
Figure 0003720357
を供給するために低域フィルタ274に供給され、かつ信号
Figure 0003720357
を供給するために高域フィルタ275に供給される。信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
は、インバータスイッチング周波数の高調波を含むが、これらは、低振幅でありかつ観測装置内で濾波して除去することができる。
【0082】
電圧
Figure 0003720357

Figure 0003720357

Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を供給するために同様な回路を使用することができる。全ての計算及び変換は、毎相Y接続ライン-中間点間ベースに基づく。従って、本発明で用いられる全ての変換は、電動機がΔ接続であるかY接続であるかに無関係である。ライン34、35及び36間で測定された電圧は、ライン間電圧
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
(及び、従って
Figure 0003720357
)であり、ここに
Figure 0003720357
、等である。2相量への変換は、単に、
Figure 0003720357
である。
【0083】
パルス幅変調(PWM)電圧源インバータに供給されるべき電圧基準を生成するために利用することができる例示的アナログ回路を図36に示す。図36の回路は、図示した入力信号を受け取りかつ出力信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を供給する電流調整器280を含む。これらの信号及び注入された周波数信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
は、信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を生成する信号注入回路281に供給される。これらの出力信号は、電圧基準
Figure 0003720357

Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を生成する2相−3相変換回路282に供給される。ゼロシーケンス成分がない、即ち、
Figure 0003720357
ならば、
Figure 0003720357
、そして
Figure 0003720357
である。
図36において生成された基準電圧は、Y(Y接続)等価装置に対する位相電圧である。インバータは、これらの位相電圧基準に基づき、例えば、電動機がΔ接続であるかY接続であるかに無関係に、ライン間電圧、
Figure 0003720357
を生成する。電流調整器280は、実現することが容易でありかつ多くの応用に対して適切な性能を有する静止フレーム比例及び積分線形制御装置である。もし極めて高い性能が必要であれば、同期フレーム比例及び積分制御装置のようなより高性能の電流調整器を利用することができる。
2相量の印加された信号電圧
νqsi=Vsicosωit
νdsi=−Vsisin(ωit)
により、3相(機械フレーム)量の実際に印加された信号電圧は、
νasi=Vsicosωit
νbsi=Vsicos(ωit−2π/3)
νcsi=Vsicos(ωit+2π/3)
である。
【0084】
(前述したように、漏洩リアクタンスが端子インピーダンスを支配するものと想定して)結果として得られる3相固定子信号電流は、
iasi=Ii0sinωit+Ii1sin(2θr−ωit)
ibsi=Ii0sin(ωit−2π/3)+Ii1sin(2θr−ωit−2π/3)
icsi=Ii0sin(ωit+2π/3)+Ii1sin(2θr−ωit+2π/3)
である。
Figure 0003720357
の形式の3相量に周波数変更すると、所望の誤差項
Figure 0003720357
が得られる。上述したように、もし一般に行われているように、中性点接続がなされていなければ、
ias+ibs+ics=0
である。この場合、
ics
は測定されないことが多く、もし必要ならば
ics=−ias−ibs
から計算される。そこで、ヘテロダインは、
Figure 0003720357
のように簡略化することができる。周波数変更は、数学的に座標変換と等価であり、所望の参照フレームで動作するかまたは発生させることができる。一般には、概念的な理由から2相d−q参照フレームが望ましい。
【0085】
3相機械フレーム量を利用し、かつ中性点変換を用いない、即ち
ias+ibs+ics=0
であると想定した、ヘテロダイン復調方式の実施を図37に示す。図37の位置及び速度観測装置は、図11の装置に類似し、かつ3相高(信号)周波数命令信号を供給する信号命令発生器を含む。低域フィルタ100、観測装置制御装置101、及び機械系モデル95は、図7のものと同じである。ヘテロダイン・プロセス97’は、関数
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
を計算し、これらの関数に電流信号
Figure 0003720357
及び
Figure 0003720357
をそれぞれ乗じ、加算接合手段98’で加算を実行し、式(31)の誤差信号
ε
を供給するために係数
Figure 0003720357
を乗じる。
【0086】
便宜のために、以下に本明細書及び図面に使用されている述語及び略語のリストを掲げておく。
BPF 帯域フィルタ
HPF 高域フィルタ
LPF 低域フィルタ
PWM パルス幅変調された(インバータ)
VSI 電圧源インバータ
^ 推定量を意味する添記号
* 命令または参照量を意味する添記号
c 同期フレーム量を意味する添文字
s 静止フレーム量を意味する添文字
a 回転子スロット開口深さ寸法
b 回転子スロット開口幅寸法
sll 回転子基本電流成分に起因する回転子スロット開口側に沿う平均磁束密度推定正味回転子及び負荷粘性ダンピング
i0 周波数変更した信号
ε
内の望ましくない成分の振幅、即ち、信号周波数においてもし漏洩インダクタンスがインピーダンスを支配していれば、
i1≒(Vsi/ωi)[(Lls+Llr)/{(Lls+Llr)2−ΔLlr 2}]
i1 所望の位置情報を含むヘテロダインされた信号
ε
内の成分の振幅、即ち、信号周波数においてもし漏洩インダクタンスがインピーダンスを支配していれば、
i1≒(Vsi/ωi)[ΔLlr/{(Lls+Llr)2−ΔLlr 2}]
ias,ibs,ics 測定された3相固定子電流
va,vb,vc 測定された3相固定子電圧
rbl 個々の固定子バー/スロット電流の基本成分(滑り周波数の)
rbi 個々の固定子バー/スロット電流の信号周波数成分
s* qbs 静止フレーム内の命令された固定子電流ベクトル、即ち、
s* qds=[is* qs,is* ds
s qds 静止フレーム内の測定された/実際の固定子電流ベクトル、即ち、
s qds=〔is qs,is ds〕であって、基本及び信号周波数成分を含む
s qdsl 2相静止フレーム座標内の測定された固定子電流ベクトルの基本(駆動)周波数成分、即ち、is qdsl=〔is qsl,is dsl
s qdsh 2相静止フレーム座標内の測定された固定子電流ベクトルの高調波周波数成分、即ち、is qdsh=〔is qsh,is dsh
s qdsi 2相静止フレーム座標内の測定された固定子電流ベクトルの信号周波数成分、即ち、is qdsi=〔is qsi,is dsi
推定された正味の回転子及び負荷慣性
1,K2,K3 それぞれ、観測装置制御装置の微分、比例、及び積分状態フィードバック利得
L 電動機積層スタック長(m)
ΔLlr 回転子巻線から見た回転子漏洩インダクタンスの大きさ
lr 固定子巻線から見た平均回転子漏洩インダクタンス
lri 信号周波数
ωi
において固定子巻線から見た平均回転子漏洩インダクタンス
ls 固定子漏洩インダクタンス
mmf 起磁力
p 時間に対する微分演算子
r 固定子巻線から見た回転子抵抗
ri 信号周波数
ωi
において固定子巻線から見た回転子抵抗
sl スロット開口を横切る磁気抵抗(≒b/(μ0aL))
t 時間
Tc 電磁トルク
s qds 2相静止フレーム座標内の測定された/実際の固定子電圧ベクトル、即ち、vs qds=〔vs qs,vs ds〕であって、基本及び信号周波数成分を含む
s qdsl 2相静止フレーム座標内の測定された固定子電圧ベクトルの基本(駆動)周波数成分、即ち、vs qdsl=〔vs qsl,vs dsl
s qdsi 2相静止フレーム座標内の測定された固定子電圧ベクトルの信号周波数成分、即ち、vs qdsi=〔vs qsi,vs dsi
s dsi 測定された信号周波数d軸電圧の振幅、即ち、
s dsi=vs dsisin(ωit)
s qsi 測定された信号周波数q軸電圧の振幅、即ち、
s qsi=Vs qsicos(ωit)
s qdsi 2相静止フレーム座標内の測定された信号周波数電圧の振幅を含むベクトル、即ち、vs qdsi=〔vs qsi,vs dsi
* si 命令された信号周波数電圧の振幅、即ち、
s* qsi=v* sicos(ω*t)
si0 測定された信号周波数電圧の平均振幅、即ち、vsi0=(vs dsi+vs qsi)/2
i0 周波数変更した信号
ε
内の望ましくない成分の振幅、即ち、信号周波数において、もし漏洩インダクタンスがインピーダンスを支配していれば、
Figure 0003720357
i1 所望の位置情報を含む周波数変更した信号
ε
内の成分の振幅、即ち、信号周波数において、もし漏洩インダクタンスがインピーダンスを支配していれば、
Figure 0003720357
ΔσLs 誘導電動機の固定子巻線から見た固定子過渡インダクタンス変化の振幅、即ち、
ΔσLs=(σLqs-σLds)/2 (33)
但し、σLqs及びσLdsはそれぞれ、固定子q軸及びd軸に沿って見た固定子過渡インダクタンス
σLs 誘導電動機の固定子巻線から見た平均固定子過渡インダクタンス、即ち、
iσLs=(σLqs+σLds)/2 (34)
ε 周波数変更後に得られた誤差信号
εf 周波数変更及び低域濾波の得られた誤差信号
λr 磁界配向のための回転子磁束の大きさ
μ 透磁率(H/m)
μ0 自由空間及び空気の透磁率(=4π10-7H/m)
σ 導電率(S/m)
θs 誘導電動機滑り角(電気的ラジアンまたは度)
θr 回転子位置(電気的ラジアンまたは度)
θc 磁束ベクトル角位置(電気的ラジアンまたは度)
θrf 回転子磁束角(電気的ラジアンまたは度)
ωc 基本励起周波数及び/または磁束ベクトル角速度(ラジアン/秒)
ωh 高調波の周波数、例えばインバータスイッチング周波数(ラジアン/秒)
ωi 信号周波数(ラジアン/秒)
ωr 回転子角速度(電気的ラジアン/秒)
ω 回転子角加速度(電気的ラジアン/秒2)
【0087】
本発明を、リニア誘導電動機、同期電動機、及び磁気抵抗電動機を含むリニアモータにも適用できることは明白である。一般に、リニア変換器は回転変換器に比して高価であり且つ信頼性が低い。従って、リニア機械における位置推定にセンサが特に要望されている。回転機械に関する本発明の理論及び実施はリニア機械に関しても同一である。但し、回転量は線形並進に関する量に置換しなければならない。例えば、
θr→xπ/τp

τp
は極のピッチ、xはリニア位置)、J→M(質量)等である。
リニア機械の場合には、空間的に変化する要素は、静止要素または運動要素の何れであってもよい。従って、本発明の電動機駆動装置をこれらの機械に使用することができるが、駆動電力は静止要素または移動要素の何れにも供給することができる。
【0088】
本発明による、突極性を有するリニアモータの例を図38に示す。この電動機は長い静止一次構造体301(固定子に対応)と、短い可動二次構造体302(回転子に対応)とを有している。二次構造体302は、何等かの所望構造(図示してない)によって線形運動するように支持することができる。例えば、二次構造体302を輪、ローラ軸受、または空気軸受上に取付け、一次構造体301に対して所望の関係にトラック(図示してない)内に保持することができる。一次構造体301は、例えば積層された鋼で形成されたフレーム304と、規則的に離間したスロット内の複数の固定子即ち一次巻線305とを有している。一次構造体301の構造は、本質的には図24−29の機械の何れかの固定子の構造であるが、平坦にされている。長い一次構造体301は、幾つかの反復するセグメントを有することができ、各セグメントは回転機械の単一の平坦にされた固定子に対応し、また各セグメントには上述した手法と同一の手法で駆動周波数及び信号周波数の平衡多相電力が供給される。
【0089】
二次構造体302は、キャリッジフレーム309上に支持されている積層された金属の胴体308を有し、複数の規則的に離間したスロット310が胴体内に切られている。二次巻線を構成する導電性バー312がスロット310の背後の二次胴体308内に取付けられており、これらは図24〜図26のかご型回転子の導電性バー(二次巻線)に対応し、かご型回転子に類似の手法で互いに接続されている。スロット310の幅は規則的なパターンで変化していて、一次から見た二次漏洩インダクタンスに空間的変化を発生するようになっている。リニアモータには、例えば回転子に関して上述した構造の何れかを使用するのような、他の何等かの適当な手法で空間的な変化を組み入れることができる。本発明は、二次の構造が本質的には図27〜図29の機械の何れかの回転子であるが、平坦にされている他の型のリニア交流機械(例えば、独特の磁気突極性を二次に含む同期磁気抵抗及び若干の永久磁石同期機械)にも適用可能である。他の変形も明白である。例えば、二次を長い要素とし、一次を短い要素とし、回転子の両側に導体を設け、そして固定子の両側に一次を設ける等である。以上説明したように、本発明の駆動装置は回転機械及びリニア機械の何れにも使用することができる。何れの場合も、電動機は互いに運動可能な一次及び二次を有し、二次は一次に磁気的に結合されていて、一次から見たインピーダンスを一次及び二次の相対位置の関数として変化させる。電力は、基本駆動周波数とより高い信号周波数で一次に供給され、信号周波数における一次の応答を測定することによって一次と二次との相対位置を決定することができる。
本発明が以上に説明した特定の実施例に限定されるものではなく、全ての変更された形状が請求の範囲内に包含されるものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、回転子磁束観測装置及び位置及び速度観測装置に基づく直接磁界配向制御装置を使用する本発明による例示的なトルク制御式交流機械駆動装置の回路図である。
【図2】図2は、本発明による観測装置をベースとする直接または間接磁界配向制御装置及び位置及び速度観測装置を使用する本発明による交流機械駆動運動制御装置の回路図である。
【図3】図3は、本発明による間接磁界配向制御装置及び位置及び速度観測装置を使用する本発明によるトルク制御式交流機械駆動装置の回路図である。
【図4】図4は、本発明による例示的なトルク制御式交流機械駆動装置の回路図である。
【図5】図5は、低周波駆動成分及び高周波信号成分を供給するためにパルス幅変調式電圧源インバータを有する本発明において利用されうるインバータ装置の回路図である。
【図6】図6は、図5のインバータ装置に類似するが、電流調整された電圧源インバータを利用している電流注入を有するインバータ装置の簡略化した回路図である。
【図7】図7は、本発明による閉ループ位置及び速度観測装置の回路図である。
【図8】図8は、不平衡電圧源に対して低減された感度を有する本発明による閉ループ位置及び速度観測装置の回路図である。
【図9】図9は、不平衡電圧源及び弱い高周波電圧源の両方に対して低減された感度を有する本発明による閉ループ位置及び速度観測装置の回路図である。
【図10】図10は、本発明による追跡フィルタの回路図である。
【図11】図11は、3相量を利用している追跡フィルタの回路図である。
【図12】図12は、定常状態における従来の誘導機の等価回路である。
【図13】図13は、高周波励起信号から見た図12の実効等価回路である。
【図14】図14は、基本駆動周波数における磁束に対する簡略化された磁束通路を示している誘導機回転子及び固定子の一部を示す簡略図である。
【図15】図15は、1スロットピッチわたる高周波励起信号の周波数における磁束に対する簡略化された磁束通路を示している誘導機回転子及び固定子の一部を示す簡略図である。
【図16】図16は、回転子スロット開口の幅の変化によって生成された空間的に可変な回転子漏洩インダクタンスを組み込む本発明による4極かご型誘導電動機を示す図である。
【図17】図17は、低回転子漏洩インダクタンス位置に対応している励起に対する回転子位置を有する、1機械極ピッチにわたる高周波注入信号励起に対する瞬時磁束通路を示している図16に示す種類の誘導機の簡略化された部分図である。
【図18】図18は、回転子スロット開口寸法及び深い回転子スロットに対する対応電流及び漏洩磁束成分を示している誘導機回転子の一部を示す説明図である。
【図19】図19は、回転子スロット開口寸法及び深い回転子スロットに対する対応電流及び漏洩磁束成分を示している誘導機回転子の一部を示す説明図である。
【図20】図20は、深さが浅いスロットに対する回転子電流及び漏洩磁束を示している誘導機の一部を示す説明図である。
【図21】図21は、図20のものに類似するが、低漏洩磁束を供給するために充填されたスロットを有する誘導機回転子の一部を示す説明図である。
【図22】図22は、充填された深い回転子スロットに対する、基本周波数及び注入された信号周波数における電流及び漏洩磁束をそれぞれ示している誘導機回転子の一部を示す図である。
【図23】図23は、充填された深い回転子スロットに対する、基本周波数及び注入された信号周波数における電流及び漏洩磁束をそれぞれ示している誘導機回転子の一部を示す図である。
【図24】図24は、選択された回転子スロットを開くと同時に他の回転子スロットを閉じたままにすることによって生成された空間的に可変な回転子漏洩インダクタンスを有している4極かご型誘導電動機の簡略化した図である。
【図25】図25は、回転子導体バーの深さ及び回転子の周縁の回りのスロットの深さにおける変化によって生成された空間的に可変な回転子漏洩インダクタンスを有している4極かご型誘導電動機の簡略図である。
【図26】図26は、回転子バーの深さ及びスロットの深さにおける変化によって生成された空間的に可変な回転子漏洩インダクタンスを有する2極かご型誘導電動機の簡略図である。
【図27】図27は、固有の回転子磁気突極性を有している4極インセット取り付け型永久磁石同期機械の簡略図である。
【図28】図28は、固有の回転子磁気突極性を有する4極埋め込み型永久磁石同期機械の簡略図である。
【図29】図29は、固有の回転子磁気突極性を有する4極同期磁気抵抗機械の簡略図である。
【図30】図30は、インバータの外部の低電力信号注入を用いている本発明の実施例の回路図である。
【図31】図31は、本発明の交流機械駆動装置に利用されうる例示的な3相インバータの回路図である。
【図32】図32は、本発明の交流機械駆動装置に利用されうるデジタル信号プロセッサ実施例のブロック線図である。
【図33】図33は、位置追跡のための本発明による位置及び速度観測装置の例示的ハイブリッド・デジタル/アナログ実施例の回路図である。
【図34】図34は、磁束ベクトル追跡のための図33のものに類似するハイブリッド・デジタル/アナログ実施例の回路図である。
【図35】図35は、固定子電流感知、3相−2相変換、及び一次高域フィルタリング及び低域フィルタリングによる信号電流成分と基本電流成分との分離を供給する、本発明の交流機械駆動装置に対する例示的フィルタ及び座標変換回路の回路図である。
【図36】図36は、パルス幅、パルス密度、または空間ベクトル変調型電圧源インバータに対する電圧基準を生成する例示的アナログ回路の回路図である。
【図37】図37は、3相量を利用している閉ループ位置及び速度観測装置の回路図である。
【図38】図38は、本発明を組み込んだリニアモータの簡略化した斜視図である。
【図39】図39は、均一のスロットを有する単側リニア誘導電動機の簡略図である。

Claims (21)

  1. 複数の固定子巻線を有する固定子と回転子とを含み、上記回転子は上記固定子内で回転するように取付けられ、上記固定子巻線から見たインピーダンスを上記回転子の回転位置の関数として変化させる手段を含む型の交流誘導電動機を駆動する電動機駆動装置において、
    (a)上記固定子巻線に接続され、上記電動機の基本駆動周波数の交流駆動電力を上記固定子巻線に供給し、かつ最大駆動周波数の少なくとも5乃至10倍である信号周波数の電力をも上記固定子巻線に供給する駆動手段と、
    (b)上記信号周波数の電力に対する上記固定子巻線の応答を測定し、上記電動機の動作中の時間の関数としての上記応答の変化を求め、それにより上記回転子の角位置または速度、または両者を求めることができる手段と
    を備えていることを特徴とする電動機駆動装置。
  2. 複数の固定子巻線を有する固定子と、上記固定子内で回転するように取付けられた回転子とを含み、上記回転子は、上記固定子巻線から見たインピーダンスが上記回転子の回転位置の関数として変化しないように一様である、型の誘導電動機を起動する電動機駆動装置において、
    (a)上記固定子巻線に接続可能であって、上記電動機の基本駆動周波数の、そして上記固定子内に磁気飽和を発生させるのに十分なレベルの交流駆動電力を上記固定子巻線に供給し、かつ最大駆動周波数の少なくとも5乃至10倍である信号周波数の電力をも上記固定子巻線に供給する駆動手段と、
    (b)上記信号周波数の電力に対する上記固定子巻線の応答を測定し、上記電動機の動作中の時間の関数としての上記応答の変化を決定し、それにより磁束ベクトルの角位置または速度、または両者を決定できるようにする手段と
    を備えていることを特徴とする電動機駆動装置。
  3. 上記駆動手段は、ブリッジ構成で接続された複数のスイッチング装置を有するインバータと、上記スイッチング装置のスイッチングを制御して交流電力を上記固定子巻線に供給させる制御手段とを含み、上記制御手段は、上記インバータのスイッチング装置のスイッチングを高いスイッチング周波数においてパルス幅変調方式で制御して、上記基本駆動周波数の成分及び上記高い信号周波数の成分を含むパルス幅変調された出力電力を供給する請求項1または2に記載の電動機駆動装置。
  4. 上記信号周波数の電力に対する上記固定子の応答を測定する手段は、高い信号周波数の関数である信号と、上記固定子巻線からの応答とを混合して上記回転子または磁束ベクトルの回転位置を表す信号を発生するヘテロダイン復調器を含む請求項1または2に記載の電動機駆動装置。
  5. 上記誘導電動機は3本の入力ラインを有する3相電動機であり、上記測定手段は上記電動機への入力ライン内の電流を検出する手段と、上記検出された電流を等価q軸電流信号
    Figure 0003720357
    及び等価d軸電流信号
    Figure 0003720357
    とに変換する手段と、上記電流信号に対して所定のヘテロダイン・プロセスを実行して、
    Figure 0003720357
    に従う関数である混合された信号
    ε
    を発生させる手段とを含み、
    上記所定のヘテロダイン・プロセスは、
    Figure 0003720357
    を上記回転子の位置または磁束の位置の現存推定とし、
    ωi
    を信号周波数として、上記推定された回転子の位置
    Figure 0003720357
    及び上記信号周波数
    ωi
    に基づき、推定された回転子の位置及び信号周波数の直交正弦関数
    Figure 0003720357
    及び
    Figure 0003720357
    を求め、上記等価q軸電流信号
    Figure 0003720357
    及び上記等価d軸電流信号
    Figure 0003720357
    を得られた直交正弦関数
    Figure 0003720357
    及び
    Figure 0003720357
    にそれぞれ乗じて、
    Figure 0003720357
    及び
    Figure 0003720357
    を求め、
    Figure 0003720357
    から
    Figure 0003720357
    を減算する段階を具備し、
    上記電動機駆動装置は、上記信号
    ε
    を濾波して、
    il
    を電流振幅とし、
    θ
    を実際の回転子の位置または磁束の位置として、式
    Figure 0003720357
    に従う関数である濾波された信号
    εf
    を発生する低域フィルタを含む請求項1または2に記載の電動機駆動装置。
  6. 上記測定手段は、上記濾波された信号
    εf
    を受ける観測装置制御装置と、上記電動機の機械系モデルをも含み、上記観測装置制御装置は、上記信号
    εf
    の選択的に重み付けされかつ調整されたバージョンを上記機械系モデルに供給し、上記機械系モデルは、トルク入力信号をも受け取って回転子の速度
    Figure 0003720357
    及び回転子の位置
    Figure 0003720357
    の推定である出力信号を発生し、上記位置の推定
    Figure 0003720357
    は、上記ヘテロダイン・プロセスにおける推定位置としてフィードバックされる請求項5に記載の電動機駆動装置。
  7. 上記測定手段は、上記濾波された信号
    εf
    を受ける追跡フィルタ制御装置をも含み、上記制御装置は、上記信号
    εf
    の選択的に重み付けされかつ調整されたバージョンを発生し、上記バージョンは、磁束ベクトルの速度
    Figure 0003720357
    及び位置
    Figure 0003720357
    の推定である出力信号を発生させるために使用され、上記位置の推定
    Figure 0003720357
    は、上記ヘテロダイン・プロセスにおける推定位置としてフィードバックされて上記信号
    εf
    をゼロに向けて駆動する請求項5に記載の電動機駆動装置。
  8. 上記駆動手段は、電流調整されたインバータを含み、上記測定手段は、上記回転子の回転位置を表す信号を発生し、上記電動機駆動装置は、上記インバータによって供給される電力を制御して上記電動機の速度及びトルクを制御する制御装置手段を含み、上記制御装置手段は、上記電動機の所望の速度及びトルクを表す入力信号と、上記測定手段から上記回転子の回転位置を表す信号とを受けて所望の出力電流を表す出力信号を上記電流制御されたインバータへ供給する請求項1に記載の電動機駆動装置。
  9. 上記駆動手段は、上記固定子巻線に接続されていて基本周波数の交流駆動電力を上記固定子巻線への電源ラインに供給するインバータと、上記電源ラインに結合されていて上記信号周波数の電力を上記固定子巻線へ供給する信号発生器とを備えている請求項1または2に記載の電動機駆動装置。
  10. 上記電動機は、3相電動機であり、上記駆動手段は、上記駆動周波数及び上記信号周波数の平衡した電力を上記3相固定子巻線へ供給する請求項1または2に記載の電動機駆動装置。
  11. 上記電動機は、多相交流電動機であり、上記駆動手段は、上記固定子巻線に接続可能な出力電源ラインを有し、交流駆動電力を受けるように上記出力電源ラインに接続されている電動機へ基本駆動周波数の多相交流駆動電力を供給し、かつ最大駆動周波数の少なくとも5乃至10倍である信号周波数の平衡した多相電力をも上記出力電源ラインへ供給し、上記応答を測定する手段は、
    上記出力電源ラインに接続され、上記駆動手段によって供給される電力に対する上記電動機の応答を感知して上記応答を表す出力信号を発生するセンサと、
    上記センサからの信号を受けるように接続され、上記高い信号周波数の関数である信号と、上記センサからの応答信号とを混合して上記回転子の回転位置を表す信号を発生するヘテロダイン復調器を含む請求項1に記載の電動機駆動装置。
  12. 上記電動機は、多相交流電動機であり、上記駆動手段は、上記固定子巻線に接続可能な出力電源ラインを有し、交流駆動電力を受けるように上記出力電源ラインに接続されている交流誘導電動機へ基本駆動周波数の、そして上記固定子内に磁気飽和を発生させるのに十分なレベルの多相交流駆動電力を供給し、かつ最大駆動周波数の少なくとも5乃至10倍である信号周波数の平衡した多相電力をも上記出力電源ラインへ供給し、上記応答を測定する手段は、
    上記出力電源ラインに接続され、上記駆動手段によって供給される電力に対する上記電動機の応答を感知して上記応答を表す出力信号を発生するセンサと、
    上記センサからの信号を受けるように接続され、上記高い信号周波数の関数である信号と、上記センサからの応答信号とを混合して磁束ベクトルの回転位置を表す信号を発生するヘテロダイン復調器を含む請求項2に記載の電動機駆動装置。
  13. 上記センサからの信号を受けて等価q軸及びd軸電流信号を発生する変換回路手段をも備え、上記ヘテロダイン復調器は、上記高い信号周波数の信号と、上記変換回路手段からの上記q軸及びd軸信号とを混合して上記回転子または磁束ベクトルの回転位置を表す信号を発生する請求項11または12に記載の電動機駆動装置。
  14. 交流電動機の回転位置を決定する方法において、
    (a)複数の固定子巻線を有する固定子と、上記固定子内で回転するように取付けられている回転子とを含み、上記回転子は上記固定子巻線から見たインピーダンスが上記回転子の回転位置の周期関数として変化するように構成されている多相電動機を準備する段階と、
    (b)上記電動機の基本駆動周波数の平衡した交流駆動電力を上記固定子巻線に供給する段階と、
    (c)最大駆動周波数の少なくとも5乃至10倍である信号周波数の平衡した交流駆動電力を上記固定子巻線に供給する段階と、
    (d)上記信号周波数電力に対する上記固定子巻線の応答を測定し、上記電動機の動作中の時間の関数としての上記応答の変化を決定し、それによって上記電動機の動作中の上記応答の変化から、時間または上記回転子の速度、または両者の関数として上記回転子の角位置を決定できる段階と
    を備えていることを特徴とする方法。
  15. 交流誘導電動機の磁束ベクトルの回転位置を決定する方法において、
    (a)複数の固定子巻線を有する固定子と、上記固定子内で回転するように取付けられた回転子とを含み、上記回転子は、上記固定子巻線から見たインピーダンスが上記回転子の回転位置の関数として変化しないように一様である多相電動機を準備する段階と、
    (b)上記電動機の基本駆動周波数の、そして上記固定子内に磁気飽和を発生させるのに十分なレベルの平衡した交流駆動電力を上記固定子巻線に供給する段階と、
    (c)最大駆動周波数の少なくとも5乃至10倍である信号周波数の平衡した交流駆動電力を上記固定子巻線に供給する段階と、
    (d)上記信号周波数電力に対する上記固定子巻線の応答を測定し、上記電動機の動作中の時間の関数としての上記応答の変化を決定し、それによって上記電動機の動作中の上記応答の変化から、時間または上記磁束ベクトルの速度、または両者の関数として上記磁束ベクトルの角位置を決定できる段階と
    を備えていることを特徴とする方法。
  16. 上記固定子巻線の応答を測定する段階は、上記高い信号周波数の関数である信号と、上記固定子巻線からの電流とを混合し、上記混合された信号を低域濾波して上記回転子の回転位置を表す信号を発生する段階を含む請求項14または15に記載の方法。
  17. 上記誘導電動機は、3本の入力ラインを有する3相電動機であり、上記応答を測定する段階は、上記電動機への入力ライン内の電流を検出する段階と、上記検出された電流を等価q軸電流信号
    Figure 0003720357
    及びd軸電流信号
    Figure 0003720357
    とに変換する段階と、上記電流信号に対して所定のヘテロダイン・プロセスを実行し、
    Figure 0003720357
    を上記回転子の位置または磁束の位置の現存推定とし、
    ωi
    を信号周波数として、式
    Figure 0003720357
    に従う関数である混合された信号
    ε
    を発生させる段階とを含み、
    上記所定のヘテロダイン・プロセスを実行する段階は、
    Figure 0003720357
    を上記回転子の位置または磁束の位置の現存推定とし、
    ωi
    を信号周波数として、上記推定された回転子の位置
    Figure 0003720357
    及び上記信号周波数
    ωi
    に基づき、推定された回転子の位置及び信号周波数の直交正弦関数
    Figure 0003720357
    及び
    Figure 0003720357
    を求め、上記等価q軸電流信号
    Figure 0003720357
    及び上記等価d軸電流信号
    Figure 0003720357
    を得られた直交正弦関数
    Figure 0003720357
    及び
    Figure 0003720357
    にそれぞれ乗じて、
    Figure 0003720357
    及び
    Figure 0003720357
    を求め、
    Figure 0003720357
    から
    Figure 0003720357
    を減算する段階を具備し、
    上記方法は、上記信号
    ε
    を濾波して、
    il
    を電流振幅とし、
    θ
    を実際の回転子の位置または磁束の位置として、式
    Figure 0003720357
    に従う関数である濾波された信号
    εf
    を発生する低域通過濾波段階と
    を含む請求項14または15に記載の方法。
  18. 上記信号
    εf
    の選択的に重み付けされかつ調整されたバージョンを上記電動機の機械系モデルへ供給し、上記機械系モデルへはトルク入力信号をも供給して回転子の速度
    Figure 0003720357
    及び位置
    Figure 0003720357
    の推定である出力信号を発生させ、上記位置の推定
    Figure 0003720357
    を上記ヘテロダイン・プロセスにおける推定位置としてフィードバックする段階を含む請求項17に記載の方法。
  19. 上記信号
    εf
    の選択的に重み付けされかつ調整されたバージョンを発生し、上記バージョンを使用して磁束ベクトルの速度
    Figure 0003720357
    及び位置
    Figure 0003720357
    の推定である出力信号を発生させるために使用され、上記位置の推定
    Figure 0003720357
    を上記ヘテロダイン・プロセスにおける推定位置としてフィードバックする請求項17に記載の方法。
  20. 電動機駆動装置において、
    (a)一次及び二次を含み、上記一次及び上記二次は互いに他方に対して線形に運動可能であり、上記二次は上記一次に磁気的に結合されていて上記一次から見たインピーダンスが上記一次と上記二次の相対位置の関数として変化するように構成されているリニアモータと、
    (b)上記一次に接続され、上記電動機の基本駆動周波数の交流駆動電力を上記一次に供給し、かつ最大駆動周波数の少なくとも5乃至10倍である信号周波数の電力をも上記一次に供給する駆動手段と、
    (c)上記信号周波数の電力に対する上記一次の応答を測定し、上記電動機の動作中の時間の関数としての上記応答の変化を決定し、それによって上記一次及び上記二次の相対的な線形位置を決定できるようにする手段と
    を備えていることを特徴とする電動機駆動装置。
  21. 上記信号周波数における上記二次の漏洩インダクタンスが上記二次と上記一次の相対位置の関数として変化するように構成されており、それによって上記一次から見たインピーダンスが上記相対位置と共に変化する請求項20に記載の電動機駆動装置。
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