JP3864309B2 - 風力発電システムおよび方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロペラ(風車)によって風力エネルギーを取り込み、この風力エネルギーを発電機によって電気エネルギーに変換する風力発電システムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の風力発電システムの構成を図9に示す。この従来の風力発電システムは、図9に示すように、風力を取り込むためのプロペラ1と、プロペラ1の回転数を変速して伝達するためのギア/カップリング2と、発電機3と、電力変換装置4と、電力制御装置95と、速度センサ8とから構成され、負荷6に対して発電した電力を供給している。
【0003】
次に、この従来の風力発電システムの動作について説明する。プロペラ1が回転することによって得られた風力エネルギーは、ギア/カップリング2によって回転数の変速が行われた後に発電機3に伝達される。発電機3は、この風力エネルギーを電気的エネルギーに変換する。発電機3によって得られた電気エネルギーは、電力変換装置4によって制御された後に負荷6に伝えられる。電力制御装置95は速度センサ8からプロペラ1の軸速度の情報を取り入れ電力変換装置4の制御を行う。
【0004】
このような風力発電システムでは、得られる電力は風速によって影響を受けることになる。そして、風速は一定ではなく常に変動している。そのため、このような風力発電システムでは、発電効率を高めるために、風速に応じて求まる最適な軸速度で発電機3を運転する必要がある。具体的には、発電機3の運動回転数が風速に応じて変化しない速度一定制御、あるいは風速に応じて発電機3の運転回数を変化させることによってエネルギー利用度すなわち発電効率を高める軸速度可変制御が電力制御装置95によって行われる。
【0005】
そして、このような軸速度一定制御、軸速度可変制御を行うには、軸の速度を検出する必要があり、従来の風力発電システムでは軸速度を検出するためにエンコーダ等の速度センサ8が用いられていた。例えば、プロペラの軸速度検出にエンコーダを使用している風力発電システムが特開2002−84797号公報等に記載されている。
【0006】
しかし、プロペラの軸速度の検出にエンコーダ等の速度センサ8を設けている従来の風力発電システムでは、速度センサ8から電力制御装置95まで配線を設ける必要がある。そのため、速度センサ8から電力制御装置95までの距離が長くなると配線自体も長くなり、断線等による信頼性の劣化が問題となる場合があった。さらに、プロペラが回転している間は速度センサも常に回転することになるため、速度センサ自体の寿命が信頼性の劣化を招いてしまうという問題もあった。さらに、速度センサを設けることによってコストの増加を招くという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の風力発電システムでは、効率的な発電を行うためには、プロペラの軸速度を検出するために速度センサが必要となるため、信頼性の劣化、コストの増加を招いてしまうという問題点があった。
【0008】
本発明の目的は、プロペラの軸速度を検出するための速度センサを使用せずに発電機からの速度情報をセンサレスで得ることにより高信頼性、回路の簡略化、コストの低減を図ることができる風力発電システムおよび方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の風力発電システムは、風力を取り込むための風車と、風車によって取り込まれた風力エネルギーを電気エネルギーに変換するための発電機とを備えた風力発電システムにおいて、
前記発電機の電流値を検出し、該電流値から発電機の回転速度を推定して速度推定値として出力する速度推定器と、
前記発電機の電力値を算出する電力演算器と、
前記速度推定器により算出された速度推定値および前記電力演算器により算出された前記発電機の電力値より風車の出力を演算し、演算した該風車の出力と前記速度推定値より風速を推定し、推定された風速に基づいて前記発電機の効率が最大となるような速度指令を算出し、算出された該速度指令と前記速度推定値との偏差がゼロとなるようなトルク指令を算出し、算出されたトルク指令に基づいて電流指令を生成して出力する上位指令器と、
前記上位指令器により生成された電流指令から電圧指令を算出して前記発電機の制御を行う制御手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の風力発電システムは、前記上位指令器が、γ軸もしくはδ軸あるいはその両方の軸の電圧指令に対して、前記発電機の運転周波数よりも高い周波数を有する高周波成分の電圧を重量して前記発電機に印加する手段を有し、
前記速度推定器は、発電機の電流値を検出し、検出された電流から前記高周波成分の電流を検出し、検出した高周波成分の電流から前記発電機の回転子の位置を推定し、該回転子の推定位置の時間変化量から発電機の速度推定値を算出するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の風力発電システムは、前記上位指令器を、
前記速度推定器によって検出された速度推定値と、前記電力演算器によって算出された発電機電力から発電機トルクを算出する風車出力演算部と、
前記風車出力演算部によって算出された発電機トルクと前記速度推定値から風速を算出する風力速度推定器と、
前記風力速度推定器により算出された風速から発電機速度指令を算出する最大効率運転制御器と、
前記最大効率運転制御器により算出された発電機速度指令と前記速度推定値の偏差が零となるような比例−積分制御を行い、その出力をトルク指令として出力する発電機速度制御器と、
前記発電機速度制御器により出力されたトルク指令に基づいて、前記発電機を制御するためのγ軸電流指令とδ軸電流指令を出力する電流指令演算部とを備えるようにしてもよい。
【0012】
本発明は、γ軸電圧指令またはδ軸電圧指令に発電機の運転周波数よりも高い周波数成分を有する高周波成分の電圧を印加し、その際に発電機に流れる電流に含まれる高周波成分から発電機の速度推定値を算出し、この速度推定値と発電機電力を用いて風速を算出し、この風速に応じて発電機を制御することにより効率的な発電を行うようにしたものである。従って、発電機の回転速度を検出するための速度センサや風速を検出するための風速センサ等を必要とすることなく、発電効率の高い発電機の制御を行うことができ、低コスト化および高信頼性を実現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
まず、本発明における発電機効率を最大とするための風速と発電機の軸速度の関係について説明する。一般的に風車の出力Pturは下記の式(1)のように表すことが出来る。
【0015】
【数1】
Figure 0003864309
【0016】
上記式(1)で風車定数Ksysは風車の羽の面積と空気密度によって決まる定数であり制御時急に可変できるパラメータではない。また風の速度Vwindは制御できないパラメータである。風速Vwindと発電機の軸速度Wgenの速度比λは発電機と風車のギア比、風車の半径によって決まる定数Kc用いて下記の式(2)に示すように表することができる。
【0017】
【数2】
Figure 0003864309
【0018】
動力係数Cpはλによって図1に示したように変化するパラメータである。したがって、発電中にλを制御して最大効率速度比λopを維持するように制御すれば動力係数Cpは最大値Cpmaxになるので、システムの最大効率運転が可能である。λopは風車の設計によって決まる定数である。最大効率運転を維持するためには発電機の速度指令W* genを下記の式(3)より求めて出力する。
【0019】
【数3】
Figure 0003864309
【0020】
上記の式(3)でλopとKcは風車の設計値の一部なので把握できるが、風速Vwindは未知の値である。したがって、最大効率運転のためにはVwindの瞬時値が必要になる。
【0021】
発電機電力Pgenは、発電機速度Wgenと発電機トルクTgenを用いて下記の式(4)に示すように表することができる。
【0022】
【数4】
Figure 0003864309
【0023】
風車システムの損失分Plossは電気損失と機械損失で構成されている。電気損失は、発電機の等価抵抗と発電機を制御しているインバータの電力半導体のスイチイング周波数によって決まる電気損失定数K1に発電機電力Pgenを掛けてを求められる。機械損失は機械摩擦定数Bsysに発電機速度の2乗のW2 genを掛けてを求める。風車システムの損失分Plossは電気損失に機械損失を足して下記の式(5)に示すように求められる。
【0024】
【数5】
Figure 0003864309
【0025】
風車の出力Pturは求めた発電機電力Pgenに出力の損失分Plossを足して下記の式(6)に示すように求められる。
【0026】
【数6】
Figure 0003864309
【0027】
求めた風車の出力Pturと発電機の速度より風速Vwindは風車データから決められる。本発明では発電機の速度として、発電機速度推定値ω_hatを用いて風速を求める。例えば図2に示したように発電機の速度推定値ω_hatがWr(A)で風車の出力がPtur(A)の場合には風速VwindはVw1となる。また、発電機速度推定値ω_hatがWr(B)で風車の出力がPtur(B)の場合には風速VwindはVw2となる。
【0028】
次に、上記で述べた軸速度推定方法に関しての原理について説明する。ここでは、発電機として永久磁石型同期発電機を用いた場合について説明する。永久磁石型同期発電機では、永久磁石を回転子とすると、回転子の磁極上に設定したd−q軸に、回転子上に想定したγ−δ軸が一致するような制御が行われる。
【0029】
このような永久磁石型同期発電機では、インピーダンス偏差を利用して磁束位置推定が可能となる。図3のように実際の磁束軸をd軸とし、制御磁束軸をγ軸とする。q軸はd軸から(π/2)進んだ位相の軸、δ軸はγ軸から(π/2)進んだ位相の軸である。γ軸に高周波電圧を重量し、γ軸を挟んで45度の所に高周波インピーダンス推定軸(γh−δh軸)を置く。γh軸とδh軸上で推定されるインピーダンスを比較して、もし、γ軸と実際の磁束軸(d軸)が一致していれば、等しくなるが、一致していなければ、図4に示すように、インピーダンス偏差が生じることとなる。
【0030】
Δθeはγ軸とd軸の誤差角、ihγ、ihδをγh−δh座標系に変換された一時電流とする。│ihγ|hfと|ihδ|hfはγh−δh座標系に変換された一時電流ihγ、ihδから制御軸上に重量する高周波信号と同じ周波数成分の振幅値を後述する方法で抽出したものである。γ軸に高周波電圧を重量した場合、γh、δhそれぞれの軸に現れる電圧値は等しいので、インピーダンス偏差の大きさは、下記の式(7)に示すように、|ihγ|hfと|ihδ|hfの偏差に反比例する。
【0031】
【数7】
Figure 0003864309
【0032】
このように高周波インピーダンスの関係を用いてインピーダンス偏差が常に0になるようにγ軸を調整すれば、d軸に一致させることができる。
【0033】
高周波インピーダンス偏差の指標として高周波成分電流を用いるため、γ軸を基準として45度の所に位置するγh−δh軸上において、一次電流を座標変換して得られるIhγ、Ihδからγ軸に重畳した高周波電圧と同じ周波数成分を抽出しなければならない。通常バンドパスフィルタ(BPF)のみが用いられるが、バンド幅が存在するため必要な成分以外の高周波成分等も抽出する可能性がある。そこで、効率よく重畳周波数成分を抽出し、その振幅値|Ihγ|hfと|Ihδ|hfを求める方法を示す。重畳高周波hfの成分を含むIhγを下記の式(8)のように仮定する。
【0034】
【数8】
Figure 0003864309
【0035】
この式(8)には重畳高周波hfの他にノイズを含めた高周波信号が混在する。そこで、下記の式(9)、(10)のようにIhγに重畳周波数のサイン(sine)、コサイン(cosine)成分を乗算し、下記の式(11)のようにローパスフィルタ(LPF)を通すことによってIhγからa、bを抽出することができる。
【0036】
【数9】
Figure 0003864309
【0037】
【数10】
Figure 0003864309
【0038】
【数11】
Figure 0003864309
【0039】
上記の式(11)のLPFのカットオフ周波数は、Ihγの直流分に重畳高周波hfの周波数成分が掛かるため、重畳高周波hf以下に設定しなければならない。動特性を上げるため、あらかじめBPFで重畳高周波hf成分以外を除去しておけば、LPFのカットオフ周波数をさらに上げることができる。また、最終的に必要なのはa、bから求まる値の大小関係なので、係数を省略すると、このa、bは下記の式(12)のように表すことができる。
【0040】
【数12】
Figure 0003864309
【0041】
そして、重畳周波成分の振幅成分は、この式(12)で表されたa、bより下記の式(13)のように求められる。
【0042】
【数13】
Figure 0003864309
【0043】
また、|Ihδ|hfについても同様に求めることができる。
【0044】
前述のように、|Ihγ|hf、|Ihδ|hfの偏差が0となるように、γ軸を調整することで、γ軸をd軸に一致させることができる。
【0045】
次に、本発明の一実施形態の風力発電システムについて説明する。本発明の一実施形態の風力発電システムの構成を図5に示す。図5において、図9中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略するものとする。
【0046】
本実施形態の風力発電システムは、図9に示した従来の風力発電システムに対して、電力制御装置95が電力制御装置5に置き換えられ、発電機3に流れる電流値を検出して、その電流値に基づいて軸速度を推定する速度検出器7が設けられている。
【0047】
次に、図5中の電力制御装置5および速度検出器7の構成を図6のブロック図に示す。
【0048】
電力制御装置5は、図6に示されるように、上位指令器101と、P−I制御器(d)102と、P−I制御器(q)103と、ベクトル演算器104と、座標変換器110と、BPF111、112と、電力演算器119と、高周波成分発生器118とから構成されている。また、速度検出器7は、図6に示されるように、電流検出器107、108と、座標変換器109と、推定器113とから構成されている。
【0049】
電力演算器119は、γ軸電圧指令vγ*、δ軸電圧指令vδ*および、γ軸電流帰還値iγ_fb、δ軸電流帰還値iδ_fbを用いて、下記の式により発電機3の電力値Pgenを算出する。
gen=3/2(Vγ*・iγ_fb+Vδ*・iδ_fb)
上位指令器101は、速度検出器7の推定器113により算出された速度推定値ω_hatおよび電力演算器119により算出された発電機3の電力値Pgenから電流指令iγ*、iδ*を生成して出力する。
【0050】
P−I制御器(d)102は、γ軸電流指令iγ*とγ軸電流帰還値iγ_fbが一致するように比例積分演算を行い、γ軸電圧指令vγ*'を出力する。このγ軸電圧指令vγ*'に、高周波成分発生器118からの高周波成分の電圧指令v_injが加算されて、新たなγ軸電圧指令vγ*が生成される。
【0051】
P−I制御器(q)103は、δ軸電流指令iδ*とδ軸電流帰還値iδ_fbが一致するように比例積分演算を行い、δ軸電圧指令vδ*を出力する。
【0052】
高周波成分v_injは、高周波成分発生器118において、高周波成分の周波数値hfを積分した位相θhfと高周波成分の電圧振幅値vampから、v_inj=vamp・sin(θhf)で与えられる。
【0053】
ベクトル演算器104は、γ軸電圧指令値vγ*と、高周波成分の重畳されたδ軸電圧指令値vδ*および位相推定値θ_hatから三相電圧指令v_ref_u、v_ref_v、v_ref_wを作成し電力変換装置4に出力する。
【0054】
電力変換装置4は、ベクトル演算器104からの三相電圧指令v_ref_u、v_ref_v、v_ref_wに基づき、三相交流電圧を同期発電機3に出力する。同期発電機3に流れる電流は、U相およびV相に取り付けられた電流検出器107、108によって検出され、座標変換器109に入力される。ここでは、U相とV相に取り付けたが、座標変換時に考慮すれば、電流検出器は任意の二相に取り付けてよく、また三相全部に取り付けても良い。座標変換器109は、三相交流を二相交流に変換してiαとiβとして出力する。
【0055】
座標変換器110は、二相交流iαとiβを、位相θ_hatでγ−δ座標系に変換して、iγ_xおよびiδ_xとして出力する。
【0056】
バンドパスフィルタ111、112はカットオフ周波数がhfのフィルタであり、前述の加算した高周波成分による電流を抽出し、この成分を元の電流値から差し引くことで、高周波成分を除去し、それぞれ、電流帰還値iγ_fbとiδ_fbとして出力している。ここでは、加算した高周波成分を除去出来れば良いので、他の公知のノッチフィルタで構成しても良い。
【0057】
尚、P−I制御器102、103、ベクトル演算器104、電力変換装置4は、上位指令器101により生成された電流指令iγ*、iδ*から電圧指令vγ*、vδ*を算出して発電機3の制御を行う制御手段として機能する。
【0058】
推定器113では印加した高周波成分を含む二相交流iα、iβから発電機3の回転速度推定値ω_hatおよび位相推定値θ_hatを演算している。この推定器113の構成を図7のブロック図に示す。
【0059】
推定器113は、図7に示されるように、座標変換器114と、インダクタンス偏差演算部115と、P−I制御器116と、速度推定値演算器117とから構成されている。
【0060】
座標変換器114では、二相交流iα、iβをγ−δ軸から(π/4)遅れた座標系γh−δh座標系に変換し、ihγ、ihδを演算している。インダクタンス偏差演算部115は、上述した式(13)に基づき、│ihγ│hfを演算し、同様に│ihδ│hfを演算し、両者の偏差を出力している。
【0061】
P−I制御器116は、比例−積分演算により、インダクタンス偏差演算部115により算出された偏差が零となるように、すなわち指令器の磁束軸γ軸と実際の磁束軸d軸が一致するように、指令器の位相θ_hatを調整しており、このθ_hatが位相推定値となるう。
【0062】
速度推定値演算器117は、位相推定値θ_hatを微分することにより速度推定値ω_hatを求めている。速度推定値演算器117におけるローパスフィルタ(LPF)は、微分によりばらつきが激しくなるのを平均化することで安定にするために設けている。このようにして速度推定値ω_hatを求めることで、発電機の効率が最大となるように運転できる風力発電システムが実現できる。
【0063】
次に、図6中の上位指令器101の構成を図8に示す。上位指令器101は、図8に示されるように、風車出力演算部201と、風力速度推定器202と、最大効率運転制御器203と、発電機速度制御器204と、電流指令演算器206とを備えている。
【0064】
この上位指令器101では、上述の式(4)において、発電機速度Wgenを速度検出器7の出力である速度推定値ω_hatに置き換え、発電機トルクTgenを後述の発電機のトルク指令と置き換えて発電機電力Pgenを求める。そして、この発電機電力Pgenに損失分を加えたPturと速度推定値ω_hatおよび発電機トルクTgenおよび図2に示したグラフから、風速Vwindを求める。そして、この風速Vwindに基づいて発電機速度指令Wgen *を算出し、速度推定値ω_hatと発電機速度指令Wgen *が一致するように発電機を制御することにより効率的な発電が行われるようにする。
【0065】
風車出力演算部201は、速度検出器7によって検出された速度推定値ω_hatと、電力演算器19によって算出された発電機電力Pgenから発電機トルクTgenを算出する。風力速度推定器202は、風車出力演算部201によって算出された発電機トルクTgenと速度検出器7によって検出された速度推定値ω_hatから風速Vwindを算出する。最大効率運転制御器203は、上述した式(3)を用いて、風力速度推定器202により算出された風速Vwindから発電機速度指令Wgen *を算出する。
【0066】
発電機速度制御器204および電流指令演算器206は、最大効率運転制御器203により算出された発電機速度指令Wgen *に基づいて発電機3を運転するために発電機3に与える電流指令iγ*、iδ*を演算するためのブロックである。
【0067】
発電機速度制御器204は、最大効率運転制御器203により算出された発電機速度指令Wgen *と発電機速度推定値ω_hatの偏差が零となるような比例−積分制御を行い、その出力をトルク指令として出力している。電流指令演算部206は、発電機速度制御器204により出力されたトルク指令に応じて、実際の発電機3が効率よく運転できる条件のγ軸電流指令iγ*とδ軸電流指令iδ*を出力する。このトルク指令から電流指令を求める方法は、別途公知の技術を用いれば良いので、ここでは説明を省略する。
【0068】
このようにして、上位指令器101では、風力発電システムの発電効率が最大となるように、風速の推定速度に基づいて発電機の軸速度指令を出力するとともに、この軸速度指令に従って運転するように発電機へ出力を供給し、発電機の軸速度指令に発電機の推定軸速度が追従するように速度制御する機能を有する風力発電システムが実現できる。
【0069】
本実施形態の風力発電システムでは、γ軸電圧指令vγ*に、発電機3の運転周波数よりも高い周波数成分を有する高周波成分hfの電圧を印加し、その際に発電機3に流れる電流に含まれる高周波成分から推定軸速度ω_hatを算出し、この推定軸速度ω_hatと発電機電力Pgenを用いて風速Vwindを算出し、この風速Vwindに応じて発電機3を制御することにより効率的な発電を行うようにしたものである。
【0070】
従って、軸速度を検出するための速度センサや風速を検出するための風速センサ等を必要とすることなく、発電効率の高い発電機の制御を行うことができ、低コスト化および高信頼性を実現することができる。
【0071】
本実施形態では、発電機3として永久磁石型同期発電機を用いた場合の構成について説明を行ったが、本発明はこのような場合に限定されるものではなく、発電機3として同期発電機以外に誘導電動機やIPM(Interior Permanent Magnet)モータ等の交流電動機を発電機として使用した場合にも同様に適用することができるものである。
【0072】
また、本実施形態では、γ軸電圧指令vγ*に高周波成分hfを重畳して、発電機の回転子の位置を推定するようにしていたが、δ軸電圧指令vδ*に高周波成分hfを重畳しても同様にして発電機の回転子の位置を推定することができる。さらに、γ軸電圧指令vγ*、δ軸電圧指令vδ*の両方に高周波成分hfを重畳しても同様にして発電機の回転子の位置を推定することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の風力発電システムおよび方法によれば、プロペラの軸速度を検出するための速度センサや風速を検出するための風速センサ等を必要とすることなく、発電機の効率的な制御を行うことができ、低コスト化および高信頼性を実現できるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力係数Cpと速度比λの関係を示す図である。
【図2】発電機の速度と風車の出力関係を示す図である。
【図3】座標系を説明するための図である。
【図4】d軸とq軸のインピーダンス偏差を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態の風力発電システムの構成を示すブロック図である。
【図6】図5中の電力制御装置5および速度検出器7の構成を示すブロック図である。
【図7】図6中の推定器113の構成を示すブロック図である。
【図8】図6中の上位指令器101の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の風力発電システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 プロペラ
2 ギア/カップリング
3 発電機
4 電力変換装置
5 電力制御回路
6 負荷
7 速度検出器
8 速度センサ
101 上位指令器
102 P−I制御器(d)
103 P−I制御器(q)
104 ベクトル演算器
105 電力変換器
106 同期発電機
107、108 電流検出器
109 座標変換器
110 座標変換器
111、112 バンドパスフィルタ
113 推定器
114 座標変換器
115 インダクタンス偏差演算部
116 P−I制御器(th)
117 速度推定値演算器
118 高周波成分発生器
119 電力演算器
201 風車出力演算部
202 風力速度推定器
203 最大効率運転制御器
204 発電機速度制御器
206 電流指令演算器

Claims (5)

  1. 風力を取り込むための風車と、風車によって取り込まれた風力エネルギーを電気エネルギーに変換するための発電機とを備え、速度センサを使用することなく前記発電機の制御を行う風力発電システムにおいて、
    前記発電機の電流値を検出し、該電流値から発電機の回転速度を推定して速度推定値として出力する速度推定器と、
    前記発電機の電力値を算出する電力演算器と、
    前記速度推定器により算出された速度推定値および前記電力演算器により算出された前記発電機の電力値より風車の出力を演算し、演算した該風車の出力と前記速度推定値より風速を推定し、推定された風速に基づいて前記発電機の効率が最大となるような速度指令を算出し、算出された該速度指令と前記速度推定値との偏差がゼロとなるようなトルク指令を算出し、算出されたトルク指令に基づいて電流指令を生成して出力する上位指令器と、
    前記上位指令器により生成された電流指令から電圧指令を算出して前記発電機の制御を行う制御手段と、
    を備えていることを特徴とする風力発電システム。
  2. 前記上位指令器は、γ軸もしくはδ軸あるいはその両方の軸の電圧指令に対して、前記発電機の運転周波数よりも高い周波数を有する高周波成分の電圧を重量して前記発電機に印加する手段を有し、
    前記速度推定器は、発電機の電流値を検出し、検出された電流から前記高周波成分の電流を検出し、検出した高周波成分の電流から前記発電機の回転子の位置を推定し、該回転子の推定位置の時間変化量から発電機の速度推定値を算出する、
    請求項1記載の風力発電システム。
  3. 前記上位指令器は、
    前記速度推定器によって検出された速度推定値と、前記電力演算器によって算出された発電機電力から発電機トルクを算出する風車出力演算部と、
    前記風車出力演算部によって算出された発電機トルクと前記速度推定値から風速を算出する風力速度推定器と、
    前記風力速度推定器により算出された風速から発電機速度指令を算出する最大効率運転制御器と、
    前記最大効率運転制御器により算出された発電機速度指令と前記速度推定値の偏差が零となるような比例−積分制御を行い、その出力をトルク指令として出力する発電機速度制御器と、
    前記発電機速度制御器により出力されたトルク指令に基づいて、前記発電機を制御するためのγ軸電流指令とδ軸電流指令を出力する電流指令演算部と
    を備えている請求項1または2記載の風力発電システム。
  4. 風車によって風力を取り込み、速度センサを使用することなく発電機を制御することにより取り込んだ風力エネルギーを電気的エネルギーに変換する風力発電方法において、
    前記発電機の電流値を検出し、該電流値から発電機の回転速度を推定して速度推定値とするステップと、
    前記発電機の電力値を算出するステップと、
    算出された前記速度推定値および算出された前記発電機の電力値より風車の出力を演算するステップと、
    演算した該風車の出力と前記速度推定値より風速を推定するステップと、
    推定された風速に基づいて前記発電機の効率が最大となるような速度指令を算出するステップと、
    算出された該速度指令と前記速度推定値との偏差がゼロとなるようなトルク指令を算出し、算出されたトルク指令に基づいて電流指令を生成するステップと、
    生成された前記電流指令から電圧指令を算出して前記発電機の制御を行うステップと、
    を備えていることを特徴とする風力発電方法。
  5. 発電機の回転速度を推定して速度推定値とするステップが、
    γ軸もしくはδ軸あるいはその両方の軸の電圧指令に対して、前記発電機の運転周波数よりも高い周波数を有する高周波成分の電圧を重量して前記発電機に印加するステップと、
    発電機の電流値を検出し、検出された電流から前記高周波成分の電流を検出し、検出した高周波成分の電流から前記発電機の回転子の位置を推定するステップと、
    該回転子の推定位置の時間変化量から発電機の速度推定値を算出するステップと、
    から構成される請求項4記載の風力発電方法。
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