JP3719899B2 - 化粧笠木の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧笠木の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建物のパラペットの外観デザインを向上させるため、笠木の外側に化粧笠木を取り付ける場合が多く、笠木とホルダとを介して化粧笠木が取り付けられる。
【0003】
例えば、特開平9−41600号公報には、図3に示す化粧笠木及びホルダーが開示されている。これは、パラペット56の上部にホルダー57を固定し、このホルダー57の外壁側に笠木58の係合端部59及び化粧材60の係止端部67を設けて、笠木58を取付け、さらにこの笠木58の上端部とホルダー57の係止端部67との間に、化粧材60を係着するものである。
【0004】
また、特開平8−109721号公報には図4に示すように、建物の立上がり躯体61の上部に第1ホルダ62を取付けてこれに笠木63を弾性係着し、立上がり躯体61の外壁側に支持具64を取付け、この支持具64に第2ホルダー65を取付け、これに外装笠木66を弾性係着した外装笠木装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上記ホルダー57は、笠木58の係合端部59と化粧材60の係止端部67とが一体成形されていることから、異なる幅のパラペットに対処するためには、サイズの異なるホルダー57を何種類も用意しておく必要がある。また、化粧材60を装着しない構造に備えて、笠木58のみを装着するホルダーと、さらに化粧材60を装着可能な上記ホルダー57との2種類のホルダーを用意する必要がある。
【0006】
また、上記支持具64を用い、これに第2ホルダー65を取付けて外装笠木66を係着する装置は、立上がり躯体61の外側壁面に支持具64を固定する構造であるため、パラペットの壁面を破損し、また施工における足場の確保する必要があるなど、取付けがしづらく施工性に欠けるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、取付け作業が容易に行えて施工性に優れ、また経済性にも優れた化粧笠木の取付構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の技術的課題を解決するために、本発明に係る化粧笠木の取付構造は、図1に示すように、建物躯体のパラペット1の頂部に固定される固定部、及びこの固定部の両端部からパラペットの両側壁面の外側に垂下する係止片12,13が設けられた笠木ホルダ2と、この笠木ホルダとともにパラペット頂部の長手方向に併設され、パラペット頂部の外側寄に配置される固定部を有し、この固定部の端部から垂下し、上記笠木ホルダ2の係止片12,13の長さより長い係止片33が形成された断面略L形の第一受金具4と、上記笠木ホルダ及び第一受金具の上部に取付けられる長尺状の笠木3と、上記第一受金具の係止片の端部に一端部を係止する一方、上記笠木の上端部に他端部を固定した第二受金具5と、この第二受金具の前部に被着される長尺状の化粧笠木6と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る化粧笠木の取付構造は、図1に示すように、上記第一受金具4の係止片の途中に凹状の係止溝部を設け、上記笠木3の両端部を上記笠木ホルダの各係止片に弾性係着するとともに、この笠木3の外側の端部を上記係止溝部に係着したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る化粧笠木の取付構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、上記化粧笠木の取付構造を示したものである。この取付構造は、建物躯体のパラペット1の頂部に笠木ホルダ2、及びこの笠木ホルダ2からパラペット1の長手方向に化粧笠木用の第一受金具4を並べて固定し、これらの上部に笠木3を係着し、さらに笠木3の上端部と第一受金具4の下端部との間に化粧笠木用の第二受金具5を取付け、これに化粧笠木6を被着したものである。上記笠木ホルダ2、笠木3、第一受金具4、第二受金具5及び化粧笠木6の材料は、何れもアルミニウム等の軽金属からなるが、ステンレス等の金属を用いれば強度を高めることができる。
【0011】
上記笠木ホルダ2は、パラペット1の頂部に固定される固定部11を有し、この固定部11の両端部からパラペット1の両側壁面の外側に斜めに垂下する係止片12,13が形成され、固定部11の中央部及び左右の部位の3箇所に、高さがパラペット1の内側に向けて順に低くなるT状の突条14,15,16が、パラペット1の長手向に形成されている。また、固定部11の中央から左右に寄った部位には、止着具の挿通用の長孔17が左右に長く形成されている。
【0012】
笠木3は、笠木ホルダ2に支持される天板部21を有する長尺材であり、この天板部21の外側の端部には雨水の止水のための凸条部22が設けられ、天板部21の両端部からは係止板部23,24が垂下し、これら係止板部23,24の下端部近傍の内面側には係止部25,26が横向きに突設されている。
【0013】
第一受金具4は、パラペット1の頂部外寄りに固定される固定部31を有し、この固定部31の外側端部からパラペット1の外壁面と所定の間隔を隔てて垂下する係止片33が形成された、断面L形の部材である。上記固定部31の上部にはT状の突条32がパラペット1の長手向に設けられ、上記係止片33の途中には内側に凹状に窪んだ係止溝部34が形成されている。また第一受金具4の固定部31には、止着具の挿通用の長孔35が左右に長く形成されている。
【0014】
この第一受金具4におけるT状の突条32は、上記笠木ホルダ2のT状の突条14とは同一形状の構造とし、また第一受金具4の係止片33に設けられた係止溝部34は、笠木ホルダ2の係止片13と同様に、笠木3の係止部25を係着する構造としている。したがって、第一受金具4は、笠木ホルダ2を略2分割した外側部分に準じた形態とし、笠木3を支持係着して笠木ホルダ2の機能の一部を兼ね備えるものとしている。
【0015】
第二受金具5は、断面半円状の曲片部41を有し、この曲片部41の凹面側中央部には、横向きの突出板42の端部に上下向きに当接板43が設けられた、支持部44が形成されている。この曲片部41の上縁部外面には、中央に孔46が設けられた溝部45が設けられ、上縁部内面には少し内寄りの部位に下方に突出するストッパ片47が形成されている。曲片部41の上縁部及び下縁部の端面48,49はそれぞれ垂直に形成され、曲片部41の下縁部近傍の内面には高さの異なる突条によって係止溝部50が形成されている。
【0016】
化粧笠木6は、断面半円状の曲板部51を有する長尺材であり、曲板部51の上端部には下方に屈曲形成した係止板部52が、また曲板部51の下端部には上方に屈曲形成した係止板部53がそれぞれ形成されている。
【0017】
上記化粧笠木の取付構造の施工は、先ずパラペット1の頂部に適宜の間隔をおいて笠木ホルダ2を配置し、固定部11の長孔17にアンカーボルト18等の止着具を挿通して、パラペット1の頂部に固定する。そして、これら笠木ホルダ2の間に、第一受金具4を固定する。この第一受金具4は、係止片33をパラペット1の頂部から所定の間隔をおいて垂下させ、止着具を用いて固定部31をパラペット1の頂部に固定する。
【0018】
この状態で、笠木ホルダ2と第一受金具4とは、パラペット1の頂部に一部が同等の形態で併設されることになり、これに笠木3を被嵌する。笠木3の係止部25,26をそれぞれ笠木ホルダ2の係止片12,13の端部に弾性係着させるとともに、笠木3の係止部25を第一受金具4の係止溝部34の上部に弾性係着させる。この状態で、笠木ホルダ2の突条14,15,16及び第一受金具4の突条32は、笠木3の天板部21に当接してこれを支持する。
【0019】
次に、第二受金具5を笠木3と第一受金具4との間に取付ける。このとき、第二受金具5の下縁部の係止溝部50を第一受金具4の係止片33の先端部に係止させ、一方第二受金具5の上縁部を、笠木3の凸条部22の上面に載置し、ストッパ片47で位置決めした状態で溝部45の孔46にビス55を挿通して笠木3に固定する。この際、第二受金具5の当接板43が、第一受金具4の係止溝部34に係止される笠木3の係止板部23を第二受金具5の弾性力によって押圧し、併せて、支持部44は第一受金具4の曲片部41を支えて曲片部41の変形を防止する。
【0020】
次いで、化粧笠木6の弾性変形を利用し、化粧笠木6の係止板部52,53をそれぞれ、第二受金具5の上縁部及び下縁部の端面48,49に係着させる。そして化粧笠木6によって、笠木3及びパラペット1頂部の外部に面した部分が覆われる。
【0021】
従って上記実施の形態によれば、パラペット1頂部に化粧笠木6を取付ける形態として、笠木3を取付けるための笠木ホルダ2には何ら手を加えず、新たに第一受金具4を笠木ホルダ2の隣に併設するという構造を採用している。このため、パラペット1の幅寸法が相違している場合でも、一の種類の第一受金具4を用意するのみで対応できるので、効率がよく経済的である。また、既存の笠木ホルダ2及び笠木3はそのまま使用でき、これに第一受金具4及び第二受金具5を加える構造であるため、単に部品の追加で化粧笠木の取付けが行えるので、既存の笠木取付け構造の部品がそのまま流用できる点でも、経済効果に寄与し、既存の笠木ホルダ2及び笠木3のみの笠木取付け構造との両立も可能でありこの点でも好都合である。
【0022】
また、上記実施の形態に係る化粧笠木の施工では、第一受金具4をパラペット1の頂部に固定する構造であるから、作業負担の大きい第一受金具4及び笠木ホルダ2の固定作業がパラペット1の頂部に対してのみで行えるので、作業が容易であり施工性に優れる。加えて、第一受金具4をパラペットの頂部に固定し、その上部に設けた突条32により笠木ホルダと同様に笠木を支持させて、笠木ホルダ2の機能を兼ね備える構造としたから、笠木ホルダ2を補強し、笠木及び化粧笠木を強固かつ確実に嵌合係着することができ、さらに、各種の笠木についても比較的容易に係着が可能であり、用途の幅が広い。
【0023】
また、上記実施の形態では、第一受金具4の係止片33の長さを笠木ホルダ2の係止片12,13の2〜3倍の長さとしているが、この第一受金具4の係止片33の長さは必要に応じて変えることができ、このため、第一受金具4に間接的に取付けられる化粧笠木6の上下幅を幅広に形成することができ、建物の外観デザイン及び意匠性を向上させることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る化粧笠木の取付構造によれば、笠木ホルダとともにパラペット頂部の長手方向に併設され、固定部の端部から垂下する係止片が形成された第一受金具と、これらの上部に取付けられる笠木と、第一受金具の係止片の端部に一端部を係止する一方、笠木の上端部に他端部を固定した第二受金具と、この第二受金具の前部に被着される長尺状の化粧笠木と、を有するものとしたから、パラペットの幅寸法にかかわりなく一の種類の第一受金具のみで対応できるので、効率がよく経済的であり、また第一受金具をパラペットの頂部に固定する構造であるから、取付け作業が容易であり施工性に優れるという効果を奏する。
【0025】
本発明に係る化粧笠木の取付構造によれば、笠木ホルダに係止片を設ける一方、第一受金具に凹状の係止溝部を設け、笠木の両端部を笠木ホルダの各係止片に弾性係着するとともに、笠木の外側の端部を係止溝部に係着するものとしたから、笠木ホルダを補足補強することができ、笠木の支持係着も安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る化粧笠木の取付構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る化粧笠木の取付構造の側面を示す図である。
【図3】従来例に係る化粧笠木及びホルダーを示す図である。
【図4】従来例に係る外装笠木装置を示す図である。
【符号の説明】
1 パラペット
2 笠木ホルダ
3 笠木
4 第一受金具
5 第二受金具
6 化粧笠木
Claims (2)
- 建物躯体のパラペットの頂部に固定される固定部、及びこの固定部の両端部からパラペットの両側壁面の外側に垂下する係止片が設けられた笠木ホルダと、
この笠木ホルダとともにパラペット頂部の長手方向に併設され、パラペット頂部の外側寄に配置される固定部を有し、この固定部の端部から垂下し、上記笠木ホルダの係止片の長さより長い係止片が形成された断面略L形の第一受金具と、
上記笠木ホルダ及び第一受金具の上部に取付けられる長尺状の笠木と、
上記第一受金具の係止片の端部に一端部を係止する一方、上記笠木の上端部に他端部を固定した第二受金具と、
この第二受金具の前部に被着される長尺状の化粧笠木と、を有することを特徴とする化粧笠木の取付構造。 - 上記第一受金具の係止片の途中に凹状の係止溝部を設け、
上記笠木の両端部を上記笠木ホルダの各係止片に弾性係着するとともに、この笠木の外側の端部を上記係止溝部に係着したことを特徴とする請求項1に記載の化粧笠木の取付構造。
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