JP3719055B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中に内燃機関の自動停止と自動再始動とを実行することにより、燃料を節約しあるいは排気エミッションを低減させるための車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば交差点等で自動車が停車した場合、所定の停止条件下でエンジンを自動停止させ、その後、所定の再始動条件下、例えばアクセルペダルを踏み込んだときにエンジンを再始動させる自動停止再始動制御を行う車両の制御装置が提案されている。このような制御はエコラン制御と称され、燃料の節約及び排気エミッションの低減を図ることができるものとして期待されている。
【0003】
他方、車両の発進には大きなトルクが必要であるから、上述の自動停止再始動制御を行う車両においても、発進の際には変速機の変速比は最大(低速側)とされている必要がある。しかし、クラッチ係合時に既に低速ギヤが選択されていると、エンジンの出力トルクが増幅されて急激に駆動輪に伝わり、滑らかに発進できないと共に運転者等が不快感を感じるおそれがある。このような弊害を防止するため、従来、有段変速機を備えた車両において、エンジンの再始動の際に、有段変速機の高速側の所定の変速段が選択され、その状態からクラッチを係合するようにした装置が提案されている(特開平10−122008号公報)。この装置によれば、クラッチが係合する際に高速側の変速段が選択されており大きなトルクが駆動輪に伝わることはないため、クラッチの係合の際の運転者の不快感を軽減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来例の装置においては、クラッチの係合による発進が行われると、ただちに変速比を大(低速側)に変更して、発進のためのトルクを確保する必要がある。しかし、この従来例の装置では有段変速機を用いていることから、高速側から低速側への急激な変速操作によって運転者の不快感が生ずるおそれがある。この点、前記公報には、エンジンの点火遅角を調整したり、燃料噴射量を減量あるいはカットすることにより、エンジンの出力トルクを一時的に小さくするという対策が提案されているが、制御が複雑である上、点火遅角や燃料噴射量の調整によって変速の際の運転者の不快感を完全に相殺することは困難であって、これを効果的に解消できるものとはいい難い。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、エンジンの自動停止再始動制御を行う車両において、再始動の際の運転者の不快感を更に効果的に低減し、車両の円滑な発進を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の参考例は、内燃機関と、無段変速機と、前記内燃機関の出力の伝達を断続する断続手段とを備え、所定の停止条件が満たされると前記内燃機関を停止させ、所定の再始動条件が満たされると前記内燃機関を再始動させる車両の制御装置において、前記内燃機関を再始動させる際には、前記断続手段への接続操作出力時に、前記無段変速機の変速比を高速側に変更する制御出力を行うことを特徴とする車両の制御装置である。
【0007】
本発明の参考例では、所定の停止条件が満たされると内燃機関を停止させ、所定の再始動条件が満たされると内燃機関を再始動させる制御が行われるが、内燃機関を再始動させる際には、断続手段への接続操作出力時に、無段変速機の変速比を高速側に変更する制御出力が行われる。尚、ここにいう断続手段の「接続操作」とは、クラッチであれば完全に係合した状態とする操作の他、いわゆる半係合状態、すなわち駆動側部材と従動側部材とが摺動しつつも発進に必要なトルクを伝達していない状態とする操作を含む。しかして、本発明の参考例では、無段変速機を用いることにより、変速比を高速側から低速側に変更する制御を滑らかに行えるので、変速の際の運転者の不快感を効果的に解消できる上、エンジンの点火遅角や燃料噴射量の調整を行う必要も完全に解消できる。
【0008】
本発明は、内燃機関と、無段変速機と、前記内燃機関の出力の伝達を断続する断続手段とを備え、所定の停止条件が満たされると前記内燃機関を停止させ、所定の再始動条件が満たされると前記内燃機関を再始動させる車両の制御装置において、アクセルのオン操作の有無を検出するアクセルセンサを備え、前記アクセルのオン操作がないことを条件に、前記内燃機関を再始動させる際に、前記断続手段への接続操作出力時に、前記無段変速機の変速比を高速側に変更する制御出力を行うことを特徴とする車両の制御装置である。
【0009】
本発明では、所定の停止条件が満たされると内燃機関を停止させ、所定の再始動条件が満たされると内燃機関を再始動させる制御が行われるが、アクセルのオン操作がない場合には、内燃機関を再始動させる際に、断続手段への接続操作出力時に、無段変速機の変速比を高速側に変更する制御出力が行われる。すなわち、本発明では、大きな駆動輪トルクが必要な場合であるアクセルのオン操作が行われているときには、無段変速機の変速比を高速側に変更する制御が行われず、その他の場合にのみ内燃機関の再始動時の断続手段の接続の際に無段変速機の変速比を高速側に変更する制御が行われるので、アクセルのオン操作が行われている場合には直ちに発進を行うことができると共に、その他の場合には変速の際の運転者の不快感の解消等の本発明の参考例と同様の効果を得ることができる。なお、再始動の際にアクセルのオン操作が行われるのは運転者が急発進を望んでいる場合であると考えられるから、このような場合に断続手段の接続の際の振動があっても運転者の運転感覚上の不快感は些少である。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は、本発明の一実施例である車両の制御装置20の概略を示す構成図である。図示するように、車両の制御装置20は、内燃機関であるエンジン22と、エンジン22からの動力を断続する電磁クラッチ30と、電磁クラッチ30からの出力回転の向きを切り換える前後進切換機構32と、出力回転を変速して駆動輪36,38側に伝達するベルト駆動式無段変速機(Continuously Variable Transmission;以下、CVTという)33と、エンジン22を再始動可能な発電機としても動作するモータ40と、インバータ60を介してモータ40への電力の供給およびモータ40により発電された電力による充電が可能なバッテリ62と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット70とを備える。エンジン22からの動力は、CVT33により変速されて出力軸29に出力され、歯車を介して接続されたディファレンシャルギヤ34を通じ、駆動輪36,38に出力される。
【0011】
エンジン22はガソリンを燃料とする内燃機関であり、エンジン22の運転制御は、エンジン用電子制御ユニット(以下、EGECUという)23による図示しないスロットルバルブの開度の制御や図示しない燃料噴射弁の開弁時間の制御などによって行なわれている。
【0012】
CVT33は、エンジン22のクランク軸24に、供給される電力の大小に応じて駆動側部材と従動側部材との係合動作を行う電磁クラッチ30、ならびに前後進切換機構32を介して接続されている。
【0013】
CVT33の入力軸25及び出力軸29には、有効径が可変な可変プーリ10及び11が設けられており、これら可変プーリ10及び11の間には伝動ベルト12が巻き掛けられている。可変プーリ10及び11は、入力軸25及び出力軸29にそれぞれ固定された固定回転体13及び14と、入力軸25及び出力軸29に軸方向には移動可能でかつ回転方向には相対回転不能に設けられた可動回転体15及び16とを備えている。可動回転体15及び16は、これらにそれぞれ取り付けられた油圧アクチュエータ17,18の作動により軸方向に移動するように構成されており、これにより固定回転体13及び14と可動回転体15及び16との間に形成されたV溝幅が変動し、伝動ベルト12の掛り径が変更される。
【0014】
CVT33の入力軸25及び出力軸29には、これらの回転速度を検出するための回転センサ6及び8がそれぞれ設けられている。これら回転センサ6,8は、CVT用電子制御ユニット(以下CVTECUという)31に電気的に接続されており、CVTECU31は、回転センサ6,8の検出信号に基づいてCVT33の変速比を制御する。また、CVT33の変速比は、走行状態や車室内に設けられたシフトレバー84の操作状態に応じて変更されるように構成されている。
【0015】
CVT33の変速操作に用いられるオイルポンプ19は、エンジン22のクランクシャフト24に直結されており、このオイルポンプ19の吐出側は、図示しない油圧制御回路を介してCVT33の油圧アクチュエータ17,18等に接続されている。
【0016】
モータ40は同期電動発電機であり、後述する自動停止再始動制御の実行中にエンジン22を再始動する際にはスタータモータ(図示せず)の代わりに用いられ、またエンジン22を制動する際には電力を回生するものである。モータ40の出力軸である回転軸42には、減速機44が取り付けられており、この減速機44にはプーリ58が取り付けられている。減速機44は、図示するように、回転軸42に取り付けられたサンギヤ46と、リングギヤ48と、サンギヤ46の周囲を自転しながら公転する複数のピニオンギヤ50と、複数のピニオンギヤ50を連結するキャリア52とからなる遊星歯車機構を主部品として構成されている。リングギヤ48は、ブレーキ54によりケースに固定されるようになっていると共にワンウェイクラッチ56により回転軸42に接続されている。したがって、ブレーキ54を係合状態とすれば、回転軸42の回転は、遊星歯車機構のギヤ比をもって減速してプーリ58に伝達され、ブレーキ54を非係合状態とすれば、ワンウェイクラッチ56が係合して減速されずに伝達されるようになっている。他方、エンジン22のクランクシャフト24にはクラッチ26を介してプーリ28が取り付けられ、このプーリ28と上記プーリ58との間には歯付きベルト59が巻き掛けられており、モータ40によりエンジン22を再始動できると共に、逆にエンジン22の動力によりモータ40を発電機として動作させることができるようになっている。
【0017】
モータ40の運転は、インバータ60を介してモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)41により制御されている。モータECU41によるモータ40の運転制御は、バッテリ62に接続されたインバータ60が備えるスイッチング素子としての6個のトランジスタのオン時間の割合を順次制御してモータ40の三相コイルの各コイルに流れる電流を制御することによって行なわれる。なお、実施例ではモータ40を同期電動発電機としたから、モータ40を発電機として動作させることによりバッテリ62を充電できるようになっている。このモータ40を発電機として動作させる制御もモータECU41によりなされる。バッテリ62は、充放電可能な二次電池として構成されており、その蓄電状態や充放電はバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)63により制御されている。
【0018】
電子制御ユニット70は、CPU72を中心としたワンチップマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM74と、一時的にデータを記憶するRAM76と、EGECU23やCVTECU31,モータECU41,バッテリECU63と通信を行なう図示しない通信ポートと、入出力ポート(図示せず)とを備える。この電子制御ユニット70には、駆動輪36,38に取り付けられた駆動輪速センサ37,39からの駆動輪速VR,VL、アクセルペダルポジションセンサ81により検出されるアクセルペダル80の踏み込み量であるアクセルペダルポジションAP、シフトポジションセンサ85により検出されるシフトレバー84の操作位置すなわちP(停車)・D(走行)・R(後退)・N(中立)・4・3・2・L(ロー)の各ポジションを示す信号であるシフトポジションSP、ブレーキペダルセンサ83により検出されるフットブレーキペダル82の踏み込み量であるブレーキペダルポジションBP、サイドブレーキ位置センサ87により検出されるサイドブレーキレバー86のオンオフとしてのブレーキスイッチBSに加え、エコラン制御を行なわないときにオン操作され許容モードから禁止モードへの切換えに用いられるエコランカットスイッチ88からのエコランカット信号ECSWなどが、入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット70からはクラッチ26への駆動信号、減速機44への駆動信号や電磁クラッチ30への駆動信号に加え、運転席前面のパネルに取り付けられエコラン制御を行なっているときに点灯するエコランインジケータ89への駆動信号などが、出力ポートを介して出力されている。
【0019】
こうして構成された車両の制御装置20では、電子制御ユニット70により車両の状態に応じてエンジン22を自動停止したり自動再始動する自動停止再始動制御(以下「エコラン制御」という。)が行なわれている。エンジン22の自動停止の条件は、シフトレバー84がNポジションまたはPポジションのときには、「車両が停止状態」かつ「アクセルオフ」(アクセルペダル80が踏み込まれていない状態)であり、シフトレバー84がDポジションのときには、「車両が停止状態」かつ「アクセルオフ」(アクセルペダル80が踏み込まれていない状態)かつ「ブレーキオン」(ブレーキペダル82が踏み込まれている状態)である。なお、自動停止の条件としては、これらのほかに「CVT油温が所定範囲内」であることや「エンジン水温が所定値以上」であることを加えることも好適である。車両の停止状態は、駆動輪速センサ37,39により検出される駆動輪速VR,VLから演算される車速Vにより判定され、アクセルペダル80やブレーキペダル82の踏み込み状態は、アクセルペダルポジションセンサ81により検出されるアクセルペダルポジションAPやブレーキペダルセンサ83により検出されるブレーキペダルポジションBPに基づいて判定される。一方、エンジン22の自動再始動の条件は、こうした自動停止の条件が成立しなくなった状態である。
【0020】
エンジン22の自動停止処理は燃料噴射の停止及び点火プラグへの給電の停止によって行われ、エンジン22の再始動はこれらの再開とモータ40の駆動とによって行われる。こうしたエコラン制御は、例えば市街地走行しているときの交差点での信号待ち状態や踏切での列車の通過待ち状態のときに作動し、燃費の向上とエミッションの削減を図っている。また、このエコラン制御の実行中には、エンジン22がエコラン制御の実行によって自動停止されると、エコラン制御が実行中であることを示すエコラン制御実行フラグがセットされ、このエコラン制御実行フラグは以下の制御において後述のとおり参照される。
【0021】
以上のとおり構成された車両の制御装置20において行われる制御の例について説明する。
【0022】
図2は、実施例の電子制御ユニット70により実行される制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、図示しないイグニッションキーがオンとされたときから所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
【0023】
この制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、まず、各種信号の入力処理を実行する(ステップS100)。入力信号には、通信ポートを介して入力されるEGECU23、CVTECU31、モータECU41などの作動状態信号と、出入力ポートを介して入力される駆動輪速センサ37,39により検出される駆動輪速VR,VL、アクセルペダルポジションセンサ81からのアクセルペダルポジションAP、ブレーキペダル82からのブレーキペダルポジションBP、シフトポジションセンサ85からのシフトポジションSP、サイドブレーキ位置センサ87からのブレーキスイッチBSなどの検出信号がある。
【0024】
こうして入力信号処理を実行すると、次に、上述したエコラン制御実行フラグのセットの有無に基づき、エンジン22がエコラン制御の実行によって自動停止状態にあるか否かの判断を行う(ステップS102)。エコラン制御が実行されていない通常の走行時にはここで否定判定され、本ルーチンを終了する。エコラン制御の実行によって自動停止されている場合には肯定判定され、次にシフトレバー84がDポジションか否かが、シフトポジションセンサ85の検出値に基づいて判定される(ステップS104)。Dポジション以外の場合には、通常のエコラン制御を行うべく、エコラン復帰条件すなわち再始動条件が成立しているかが判定され(ステップS106)、成立している場合にはエンジン22に対し所定の始動処理を行い(ステップS108)、成立していない場合にはエンジン22の停止状態を継続して(ステップS110)、本ルーチンを終了する。
【0025】
他方、ステップS104でシフトレバー84がDポジションである場合には、次に、エコラン復帰条件すなわち再始動条件が成立しているかが判断され(ステップS112)、成立していない場合には、エンジン22の停止状態を継続して(ステップS110)、本ルーチンを終了する。
【0026】
ステップS112でエコラン復帰条件が成立している場合には、次に、アクセルペダル80がオンされているか否かがアクセルペダルポジションセンサ81の検出値に基づいて判定される(ステップS114)。ここで、アクセルペダル80がオンされていない通常の場合は、否定判定され、CVTECU31に対して、変速比を小(高速側)に変更すべく制御出力が行われる(ステップS116)。この制御出力に応じて、CVT33の変速比が高速側に操作される。次に、エンジン22に対し所定の始動処理を行い(ステップS118)、その後、電磁クラッチ30に対し、所定の係合出力を行って(ステップS120)、本ルーチンを終了する。なお、この場合におけるエンジン22の回転数NEの変化および電磁クラッチ30のトルク容量の変化は図3に示すとおりであり、エンジン22の回転数NEがセンサで検出可能な回転数NE1に達した時点t1で、電磁クラッチ30の係合動作が開始され、アクセルペダル80がオンされていない場合には、図中点線CT1で示すように、電磁クラッチ30はいわゆる半係合状態、すなわち電磁クラッチ30の駆動側部材と従動側部材とが摺動しつつも発進に必要なトルクを伝達していない状態を維持する。
【0027】
他方、ステップS114においてアクセルペダル80がオンされている場合は、ステップS116をスキップして、CVTECU31に対して制御出力を行うことなく、エンジン22に対し所定の始動処理を行い(ステップS118)、また電磁クラッチ30に対し所定の係合出力を行って(ステップS120)、本ルーチンを終了する。このときの電磁クラッチ30の動作は、図3において実線CT2で示すとおり制御され、完全係合状態に近づくと考えられる所定の時点t3から以後は緩やかな係合動作が行われ、時点t4で完全に係合した状態となる。
【0028】
このようにして電磁クラッチ30が係合したことを適宜の検出手段により検出すると、その後、CVT33の変速比を低速側に変更する制御出力が行われる。その結果、電磁クラッチ30が係合する際には既に高速側の変速比が選択されているため、電磁クラッチ30の係合の際に駆動輪36,38に伝達される出力トルクを小さくすることができ、係合の際の運転者の不快感を軽減することができる。なお、電磁クラッチ30が係合したことを検出する手段としては、例えばエンジン22の回転数NEを検出すべき適宜の回転センサ(図示せず)の検出値の変化に基づく回転数NEの一時的な低下の検出や、回転センサ6,8の検出値の変化に基づく車速の一時的な上昇の検出が考えられる。
【0029】
このように、本実施形態では、シフトレバー84がDポジションであってエンジン22がエコラン制御により停止されており、かつアクセルペダル80がオンされていない場合には、エコラン復帰条件が成立すると(ステップS112)、まず電磁クラッチ30への係合出力に先立って、CVT33の変速比を高速側に変更する制御出力が行われ(ステップS116)、電磁クラッチ30の係合後に、CVT33の変速比を低速側に変更する制御出力が行われる。すなわち、本実施形態では、無段変速機であるCVT33を用いることにより、変速比を高速側から低速側に変更する制御を滑らかに行えるので、変速の際の運転者の不快感を効果的に解消できる上、エンジン22の点火遅角や燃料噴射量の調整を行う必要も完全に解消できる。
【0030】
また、本実施形態では、アクセルペダルポジションセンサ81の検出値に基づいてアクセルペダル80がオンされているか否かを判定し(ステップS114)、オンされている場合には、CVT33の変速比を高速側に変更する制御出力を行わないで電磁クラッチ30への接続操作出力が行われる。すなわち本実施形態では、大きな駆動輪トルクが必要な場合であるアクセルペダル80のオン操作が行われているときには、CVT33の変速比を高速側に変更する制御が行われず、その他の場合にのみエンジン22の再始動時の電磁クラッチ30の係合の前後にCVT33の変速比を高速側および低速側に変更する制御が行われるので、アクセルペダル80のオン操作が行われている場合には直ちに発進を行うことができると共に、その他の場合には変速の際の運転者の不快感の解消等の上述した効果を得ることができる。なお、再始動の際にアクセルペダル80のオン操作が行われるのは運転者が急発進を望んでいる場合であると考えられるから、このような場合に電磁クラッチ30の接続の際の振動があっても運転者の運転感覚上の不快感は些少である。
【0031】
なお、本実施形態では、図3に示すとおり、エンジン22の再始動から、回転数NEが所定の低い回転数NE1に達するまでは電磁クラッチ30の係合動作を開始しない構成としたので、エンジン22の再始動を軽負荷で迅速に行うことができる。また、アクセルペダル80がオンされていない時には、電磁クラッチ30がいわゆる半係合状態、すなわち駆動側部材と従動側部材とが摺動しつつも発進に必要なトルクを伝達していない状態を維持する構成としたので、その後にアクセルペダル80がオンされた場合に電磁クラッチ30を直ちに係合させることができ、発進を迅速に行うことができる利点がある。
【0032】
また、本実施形態では、内燃機関の出力の伝達を断続する断続手段として電磁クラッチ30を採用したが、本発明における断続手段としては電気式オイルポンプを油圧源として利用した油圧式クラッチやトルクコンバータを用いてもよく、このような構成も本発明の範疇に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る車両の制御装置を示す構成図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る制御の一例を示すフロー図である。
【図3】 本発明の実施形態の変形例におけるエンジンの始動と電磁クラッチのトルク容量の関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
20 車両の制御装置、22 エンジン、23 エンジン用電子制御ユニット、27 出力側クラッチ、30 電磁クラッチ、31 CVT用電子制御ユニット、32 前後進切換機構、33 ベルト駆動式無断変速機、36,38 駆動輪、37,39 駆動輪速センサ、40 モータ、70 電子制御ユニット、80 アクセルペダル、81 アクセルペダルポジションセンサ。
Claims (1)
- 内燃機関と、無段変速機と、前記内燃機関の出力の伝達を断続する断続手段とを備え、所定の停止条件が満たされると前記内燃機関を停止させ、所定の再始動条件が満たされると前記内燃機関を再始動させる車両の制御装置において、
アクセルのオン操作の有無を検出するアクセルセンサを備え、
前記アクセルのオン操作がないことを条件に、前記内燃機関を再始動させる際に、前記断続手段への接続操作出力時に、前記無段変速機の変速比を高速側に変更する制御出力を行うことを特徴とする車両の制御装置。
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