JP3717640B2 - 電子楽器における文字データ入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器にて作成した楽音にネーミングする際に使用する文字データ入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、シンセサイザ等の電子楽器では、演奏内容に応じて奏者が独自の楽音を作成してメモリに記憶させ、記憶した楽音を演奏中に適宜再生させる機能を有するものが多く使用されている。これにより、ライブやコンサート等において、予め作成した楽音を所望のタイミングで出力させることができる。また、楽音を作成した場合には、作成されたものに対してネーミングする必要があるので、このような電子楽器には文字データ入力装置が搭載されている。これは、例えばワープロで作成した文書データにファイル名を付加する操作とほぼ同様であり、図4に示すように、アルファベット(大文字、小文字)、アラビア数字、ハイフン、句読点等の記号を使用することができる。
【0003】
従来における文字データ入力装置では、スライダー等の連続可変コントローラのつまみを調整することにより、連続的にディスプレイ表示が切り替わるようになっており、一般的な方法としては「ABC・・abc・・123・・!″#$・・・」とう順序で変化する。ここで、スライダーのつまみの移動幅には制約があるので、この移動間隔に文字全体を割り当てると、つまみを少し移動させただけで表示される文字、記号が大きく変化してしまう。従って、微調整が困難であるから、通常は、アップボタン、ダウンボタンを備え、これらのボタンは1回押す毎に文字が1つアップ、またはダウンするので、この機能を利用して微調整を行っている。
【0004】
ところが、このような従来における文字データ入力装置においては、移動量が大きいスライド式のつまみと、1ステップづつの切り換えに使用するアップボタン、ダウンボタンのみによりディスプレイ表示される文字を変化させているので、文字データの入力が面倒である。例えば、文字「D」を入力した後、数字「5」を入力する際には、「D」を入力した後1ステップづつ表示文字を変化させる操作では面倒であるので、スライダーを調整してある程度移動させる必要があるが、実際には、つまみの操作で数字「5」の近傍に調整することは細かい作業であり、煩わしいという欠点がある。そして、通常、入力するネーミングに使用する文字数は10〜15程度であるので、このような操作を繰り返しながら文字データを入力することは非常に面倒である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来における文字データ入力装置においては、スライド式のつまみ、及び1ステップづつ変化するアップボタン、及びダウンボタンを使用しているので、入力操作を思うように行うことができず、ネーミングするための文字入力に多くの労力を要してしまうという問題が発生していた。
【0006】
この発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、所定の楽音に対して付加する文字データを容易に選択して入力することのできる文字データ入力装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、電子鍵盤楽器にて作成した楽音にネーミングする際に使用する文字データ入力装置において、当該電子楽器に複数搭載される既存の連続可変コントローラを文字データ入力モードに変更するモード変更手段と、全体の文字データを記憶すると共に、当該文字データを複数の群に分割して前記各連続可変コントローラに割り当てる文字データ記憶手段と、割り当てられた文字データ群の中から、連続可変コントローラ操作により指定された文字を選択する文字データ選択手段と、前記選択された文字データを表示する文字データ表示手段と、表示された文字データを記憶して保存する入力文字保存手段と、を有することが特徴である。
【0008】
上述の如く構成された本発明によれば、まず、モード変更手段により文字データ入力モードに設定し、その後、各連続可変コントローラを調整することにより、表示手段に表示される文字データが順次切り換えられる。例えば、文字データのうち「大文字」が割り当てられた連続可変コントローラ(スライダー)を調整すると、表示手段にて「A、B、C、・・・」という具合に順次変化しながら表示される。そして、所望の文字が表示された所で停止させればこの文字を選択することができる。同様に、「小文字」、「記号」、「数字」については、それぞれが割り当てられたスライダーを調整することにより選択して表示させることができ、これを繰り返すことにより、簡単な操作で文字データを入力してネーミングすることができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る文字データ入力装置が適用される電子鍵盤楽器の構成を示す説明図であり、図示のように、この電子鍵盤楽器の鍵盤1の後方にはディスプレイ2が配置されている。また、このディスプレイ2の側部近傍には、4個のスライダー3a〜3dが設置されており、各スライダー3a〜3dには、それぞれ「ピッチ」、「ビブラート」、「レベル」、「カットオフ」が割り当てられている。また、ディスプレイ2の側部にはモード切換スイッチ5が設置されている。
【0010】
図2は、本発明の一実施形態に係る文字データ入力装置のハードウェア構成図であり、図示のように、スライダー3a〜3dの出力は、モード切換スイッチ5を介して文字データ記憶部6に接続され、スライダー3aに対して「大文字」、スライダー3bに対して「小文字」、スライダー3cに対し定「数字」及びスライダー3dに対して「記号」がそれぞれ割り当てられている。また、文字データ記憶部6の出力側は文字選択部7に接続され、該文字選択部7には入力部8、ディスプレイ2、及び入力文字記憶部9がそれぞれ接続されている。
【0011】
文字選択部7は、スライダー3a〜3dにより指定された文字を文字データ記憶部6から読み出し、入力部8によりカーソルが設定されるカラムに文字データを書き込んでネーミングする文字を作成し、ディスプレイ2に表示するものである。また、最終的に作成された入力文字を、入力文字記憶部9に格納する。
【0012】
次に、上記の如く構成された本実施形態の動作を図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。例えば、演奏者が独自の楽音を作成し、この楽音にネーミングする場合には、まず、図1に示すモード切換スイッチ5を操作することにより、4個のスライダー3a〜3dを文字データ入力モードに切り換える。これにより、図2に示したように、スライダー3aに対して「大文字」、スライダー3bに対して「小文字」、スライダー3cに対して「数字」及びスライダー3dに対して「記号」がそれぞれ割り当てられられることになる。
【0013】
ディスプレイ2には、初期設定されている文字が書き込まれており(ステップST1)、この文字を書き換える場合には(ステップST2でNO)、入力部8の操作によりディスプレイ上のカーソルを所望の書き込み位置に移動させ(ステップST3)、入力したい文字が割り当てられているスライダー3(3a〜3d)を操作する(ステップST4〜ST7)。例えば、「#」、「!」等の記号を入力したい場合にはスライダー3dを操作することにより(ステップST4でYES)、スライダー値を記号に変換して(ステップST8)選択された文字(記号)をディスプレイ2に表示する(ステップST12)。
【0014】
また、数字を入力したい場合には(ステップST4でNO)、スライダー3cを操作することにより(ステップST5でYES)、スライダー値を数字に変換して(ステップST9)選択された文字(数字)をディスプレイ2上に表示する(ステップST12)。同様に、大文字を入力したい場合には(ステップST5でNO)、スライダー3aを操作することにより(ステップST6でYES)、スライダー値をアルファベットの大文字に変換して(ステップST10)選択された文字(大文字)を表示する(ステップST12)。
【0015】
更に、アルファベットの小文字を入力したい場合には(ステップST6でNO)スライダー3bを操作することにより(ステップST7でYES)、スライダー値を小文字に変換して(ステップST11)選択された文字(小文字)を表示する(ステップST12)。こうして、4つのスライダー操作を実行することにより所望の文字を入力し、ネーミングを行うことができ、全ての文字を入力してネーミングの作業が終了すると(ステップST2でYES)、文字入力を終了する。
【0016】
このようにして、本実施形態においては、ネーミングに使用する文字を「大文字」、「小文字」、「数字」、「記号」にそれぞれ分割し、分割した4つの文字群を4つのスライダー3a〜3dに割り当て、各スライダー3a〜3dを操作することにより、所望の文字を選択するようにしている。そして、図4に示したように、大文字及び小文字はそれぞれ26種類、数字は10種類、記号は34種類であるので、スライダー3a〜3dの移動量に対する文字表示の変化の割合が小さくなり、容易に所望の文字を選択することができるので操作性が著しく向上する。更に、アップ、ダウン用のスイッチを併用することにより、1ステップづつ変化させることもできるようになり、より一層操作性を向上させることができるようになる。
【0017】
なお、上記した実施形態では、文字全体を「大文字」、「小文字」、「数字」、「記号」の4つに分類し、これらを4個のスライダー3a〜3dに割り当てる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、2分割、3分割でも良いし、また、5分割以上としても良い。文字群の分割数は使用者の文字使用頻度等により適宜設定し得るものである。また、この実施形態では、連続可変コントローラとしてスライダーを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、回転式のつまみ等、連続的に出力レベルを調整可能なものであればこれらに文字データを割り当てることにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の文字データ入力装置によれば、ピッチやビブラート等の設定に使用させる複数のスライダー(連続可変コントローラ)に、大文字、小文字、数字、記号等の文字群を割り当て、このスライダーを調整することにより、所望の文字を選択してネーミングを行っている。従って、従来のように、一つのスライドダーに全ての文字が割り当てられる方式とは異なり、入力したい文字を簡単な操作で容易に表示させることができ、文字データ入力の作業を著しく軽減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の文字データ入力装置が適用される電子鍵盤楽器の構成を示す説明図。
【図2】本発明に係る文字データ入力装置の、一実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図3】本実施形態の動作手順を示すフローチャート。
【図4】具体的な文字データを示す説明図。
【符号の説明】
1 鍵盤
2 ディスプレイ
3(3a〜3d) スライダー(連続可変コントローラ)
5 モード切換スイッチ(モード変更手段)
6 文字データ記憶部
7 文字選択部
8 入力部
9 入力文字記憶部

Claims (1)

  1. 電子鍵盤楽器にて作成した楽音にネーミングする際に使用する文字データ入力装置において、
    当該電子楽器に複数搭載される既存の連続可変コントローラを文字データ入力モードに変更するモード変更手段と、
    全体の文字データを記憶すると共に、当該文字データを複数の群に分割して前記各連続可変コントローラに割り当てる文字データ記憶手段と、
    割り当てられた文字データ群の中から、連続可変コントローラ操作により指定された文字を選択する文字データ選択手段と、
    前記選択された文字データを表示する文字データ表示手段と、
    表示された文字データを記憶して保存する入力文字保存手段と、
    を有することを特徴とする電子楽器における文字データ入力装置。
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