JP3717495B2 - 植物栽培装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イチゴやレタス等の野菜類やコスモス、ラン等の花卉類などの植物を栽培するための植物栽培装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、観覧車型の植物栽培装置として、例えば、特許文献1〜3に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の植物栽培装置は、水平な回転軸の周りに放射状に設けられた複数の輻と、前記各輻の先端に固定された環状支持枠と、前記環状支持枠にほぼ等間隔で水平に軸着された複数個の栽培槽と、前記各栽培槽のうち上部に位置するものの中に直接培養液を順次供給する供給パイプと、栽培槽の底部に設けられ、栽培槽内部の培養液を排出する流出口とを備えた構成としたものである。この構成により、上部に位置する栽培槽の中に、供給パイプから培養液を供給し、培養液の重量により、上部の栽培槽を順次下方に回動させる。一方、栽培槽内の培養液は、流出口から自然流出し、次第に栽培槽の重量が軽減する。そのため、上部の栽培槽は、回転軸の周りを順次回転する。すなわち、水車と同様の原理により環状支持枠及び各栽培槽が回転するように構成したものである。
【0004】
特許文献2に記載の植物栽培装置は、基台によりほぼ水平に支持された回転軸と、前記回転軸の両端に、前記回転軸と垂直な方向に放射状に設けられた複数の輻と、前記輻に回動自在に支持され前記回転軸の周囲に前記回転軸と平行に配設された吊持部材と、前記回転軸を一定の回転数で駆動する駆動装置とを備えた構成としたものである。この構成により、吊持部材に栽培槽を吊り下げて、駆動装置により回転軸を回転駆動させ、培養槽に植えられた植物に、満遍なく太陽光を照射するようにしたものである。
【0005】
特許文献3に記載の植物栽培装置は、軸体と、軸体の両端を回転自在に保持する支持脚と、軸体上に対向設置された円板と、円板の周囲に放射状に溶着された多数のアームと、アームの先端に設けられた係止部材と、係止部材を介して対向する2つのアームに水平に吊持された苗床とを備えた構成としたものである。この構成により、円板を回転させることにより、苗床がゴンドラのように回転し、狭いスペースで効率のよい植物栽培を行うことを可能としたものである。
【0006】
【特許文献1】
特公平2−14010号公報
【特許文献2】
特開平2−257812号公報
【特許文献3】
特開昭52−628号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の植物栽培装置は、いずれも、架台に軸支された回転軸の両端に放射状に輻を設け、輻の先端において栽培槽を回動自在に支持するような構成としている。しかしながら、このような構成とした場合、各栽培槽の荷重は、すべて架台の回転軸を軸支する軸受け部分にかかることになる。一方、栽培槽は植物を栽培するための土壤が充填されているため、栽培槽の重量はかなりの重さとなる。従って、植物の生産量を増やそうとして栽培槽を大きくした場合には、回転軸の軸受け部分には大きな荷重が加わることとなる。一方、栽培槽の重量を支えるために回転軸を太くすると、回転軸の重量が大きくなり、その重量が軸受けに加わることとなる。
【0008】
このように、回転軸の軸受け部分に大きな荷重が加わると、軸受けと回転軸との摩擦が大きくなって、回転軸をスムーズに回すことができなくなる。そのため、栽培槽の大きさが制限されることになる。
【0009】
特に、イチゴやレタスのハウス栽培などに適用しようとした場合、栽培槽の長さは約30〜50mの長さとなる。このように長い栽培槽を回転軸と架台で支持することは困難である。従って、従来の植物栽培装置を使用する場合には、栽培槽を数m程度に短くして、ビニルハウス内に植物栽培装置を数多く縦列に並べておく必要がある。従って、設備が大がかりとなるとともに、土地利用効率も低くなる。
【0010】
また、従来の植物栽培装置では、栽培槽を小型化すると、栽培槽内の保水量が小さくなり、栽培槽内の培地が乾燥しやすくなる。培地が乾燥すると、栽培植物に対する水分ストレスが大きくなり、植物の生育に悪影響が生じる。従って、品質の良い植物の生産を行おうとした場合、栽培槽内の培地の量を少なくすることは困難である。そのため、栽培槽の重量が重くなり、栽培槽の脱着作業に要する労力が大きい。
【0011】
そこで、本発明の目的は、栽培槽を回転させて植物を栽培する観覧車型の植物栽培装置において、植物の植え付け株数を増やすべく栽培槽を大きくしても、栽培槽をスムーズに回転させることが可能であり、かつ、イチゴやレタス等のハウス栽培のように大規模な植物の栽培においても適用可能な植物栽培装置を提供することにある。
【0012】
また、他の目的は、栽培槽が小型・軽量であり、栽培槽の脱着作業に要する労力の小さい観覧車型の植物栽培装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の植物栽培装置の第1の構成は、間隔をあけて平行に配置された円板状又は円環状の2以上のシャフト支持材、及び、前記シャフト支持材の中心線と平行となるように前記各シャフト支持材の間に架設された2以上のシャフト、を具備している籠型の回転体と、前記シャフトに回動自在に懸吊された栽培槽と、を備えた植物栽培装置において、前記回転体の前記各シャフト支持材を下方から回転自在に支承する支承体を備えていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、回転体は支承体の上で自在に回転できる。そして、回転体を回転させることにり、回転体の各シャフトに懸吊された栽培槽は鉛直面内で円周上を回転する。
【0015】
回転体は、各シャフト支持材において、支承体により下方から支承されているので、それぞれのシャフト支持材から支承体に加わる重量は分散される。そのため、支承体を複数の箇所で軸受けにより支持するように構成すれば、1つの軸受けに加わる重量を分散させることができる。従って、回転体の重量が大きい場合においても回転体をスムーズに回転させることができる。
【0016】
また、回転体の回転軸は必要ないため、その分だけ回転体の重量は軽減される。そのため、支承体を支持する1つの軸受けに加わる重量を更に小さくすることができる。
【0017】
また、回転体は下方から複数の箇所で支承されているために、回転体自体の強度はさほど必要とされない。従って、鉄パイプやアルミパイプなどを組み合わせて回転体を構成することも可能となる。また、実際のハウス栽培で用いる場合のように、回転体の長さが30〜50m程度となり重量が大きくなっても回転体を支持することができる。
【0018】
ここで、各シャフト支持材の間の間隔は、特に特定するものではなく、本発明の植物栽培装置を設置する場所の広さ、栽培槽荷重に対するシャフトの剛性によって適度な間隔に設定される。「平行に配置」とは、各シャフト支持材の回転面同士が平行となるように配置されていることをいい、シャフト支持材の回転に支障のない限りは、ほぼ平行とみなされるような場合も含まれる。
【0019】
「2以上のシャフト支持材」とは、2以上であればシャフト支持材の数を特に限定するものではない。しかし、同一の栽培地面積における植物の収穫量を増加させるためには、栽培槽同士、又は植えられた植物同士、若しくは植えられた植物と栽培槽同士が接触するおそれがない限り、シャフトの数はできる限り多くすることが好ましい。「シャフト支持材の中心線と平行に配設」とは、必ずしも完全な平行でなくても、栽培槽の回転に支障のない限りにおいて、ほぼ平行と見なされるような場合も含まれる。
【0020】
「支承体」とは、回転体を回転自在に支持する支持体をいう。例えば、シャフト支持材の下部に平行に並べて配設された2又は3以上の回転ローラや、シャフト支持材の下部を支持する円弧状のレール内に多数のベアリングを敷きつめた軸受けなどを使用することができる。また、「支承体」は、各シャフト支持材のそれぞれについて設けられており、各シャフト支持材は、それぞれが支承体によって支承されている。
【0021】
「栽培槽」とは、中空の容器状又は袋状の栽培容器内に植物を栽培するための培養媒体が充填されたものをいう。中空の容器としては、鉢状のもの、横長のプラスチック製容器、横長の不透水性袋体、横長の保水性袋体等が使用される。培養媒体としては液体肥料の水溶液、土、ピートモス、又はこれらに高吸水性ポリマーを混合したもの等が使用される。「回動自在に懸吊」とは、栽培槽が回動が自由となるように垂れ下げた状態で吊されていることをいい、例えば、栽培槽にフック、吊り下げリング、吊り下げ紐等をとりつけて当該フックや吊り下げリング等により植物培養槽をシャフトに吊り下げたような状態をいう。
【0022】
本発明の植物栽培装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記支承体は、前記シャフト支持材の直径よりも狭い間隔で配置された一対の回転ローラであり、前記各シャフト支持材を支承する前記一対の回転ローラうちの一方又は両方を、同一の回転速度で回転駆動する駆動手段を備えていることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、各シャフト支持材は一対の回転ローラによって支承されるため、安定してスムーズに回転することができる。また、各シャフト支持材を支承する回転ローラの一方又は両方は、駆動手段によって同一の回転速度で回転駆動されるので、総てのシャフト支持材を同一の回転速度で回転駆動することができる。従って、回転体のシャフトに余分な捩れの力が加わることがないので、回転体の歪みが防止される。
【0024】
また、支承体は、シャフト支持材の外側に配置されているので、支承体を支持する軸受けの数や軸受けの位置は自由に調整することができる。そのため、支承体を支持する軸受けの数を増やせば、各軸受けに加わる重量は分散されて小さくなる。そして、これにより支承体をスムーズに回転させることができ、回転体をスムーズに回転させることができる。
【0025】
ここで、「回転ローラ」としては、円柱状のローラ、滑車状のもの等が使用される。駆動手段としては、通常用いられるモータ等を使用することができる。また、各回転ローラを同一軸で連結し、その軸をモータ等で回転駆動する構成や、各シャフト支持材を支承する回転ローラを1本の棒状の円柱体とし、当該棒状の円柱体をモータ等で回転駆動する構成を採ることができる。
【0026】
本発明の植物栽培装置の第3の構成は、前記第1又は第2の構成において、前記栽培槽は、前記シャフトに前記栽培槽を脱着自在な状態で吊り下げて止める吊着部を備えていることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、吊着部によって栽培槽をシャフトから取り外したり取り付けたりすることが可能であるため、植物の成長過程に応じて栽培槽を最適な環境に移動させることができる。従って、例えば、最初に栽培槽を育苗場所に設置して植物株を一定の大きさまで成長させた後に、成長した植物株が植えられた栽培槽を育苗場所から移動してシャフトに吊り下げることで、植物の成長に合わせて容易に植物株の移動が可能となる。
【0028】
ここで、「吊着部」としては、フック、吊り下げ紐、クリップ等が使用されるが、脱着の容易性を考慮すると、フックやクリップを使用することが好ましい。
【0029】
本発明の植物栽培装置の第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成において、前記各栽培槽を貫通して、前記各シャフトのそれぞれに沿って設けられたドリップ灌水管を備えていることを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、灌水ポンプからドリップ灌水管を通して栽培槽内に植えられた植物に点滴灌水により必要最小限の灌水を行うことができるため、無駄な灌水がされることがなく、灌水に使用する使用水量を低減できる。また、吸水ポンプにより自動給水することができるため、植物の栽培管理の労力が低減される。
【0031】
ここで、「点滴灌水が可能なドリップ灌水管」とは、一般に広く使用されている農業用点滴灌水チューブのようにオンラインタイプのドリップ灌水管(灌水管自体に点滴灌水をする開口を形成したもの)や、又は灌水管にポットドリッパ若しくはボタンドリッパを取り付けたもののようなインラインタイプのドリップ灌水管(灌水管に枝管を設け、灌水管から離れた位置で点滴灌水を行うもの)を使用することができる。具体的には、農業用点滴灌水チューブとしては、住化農業資材株式会社製の「ストリームライン60」(商品名)、ネタフィム社製の「ドリップライン2000」(商品名)、「流滴」(商品名)、「ストリームライン80」(商品名)、「スーパータイフーン100」(商品名)、「ラム17」(商品名)、「ユニラム17」(商品名)、ブラストロ社製の「エデンA」(商品名)、「カティーフ」(商品名)、「ダガンB」(商品名)、「ハイドロドリップ」(商品名)、チャピン社製の「ダブルウォールドリップ」(商品名)、「チャピン」(商品名)、「T−テープ」(商品名)、クイーン・ギル・インターナショナル社製の「らく点ドリップテープ」(商品名)等、ポットドリッパとしては、ネタフィム社製の「ポットドリッパ」(商品名)、ボタンドリッパとしては、ネタフィム社製の「PCJミニボタンドリッパ」(商品名)等を使用することができる。
【0032】
本発明の植物栽培装置の第5の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成において、前記シャフトは、開溝端が狭まった樋状又は多数の開口を有する管状に形成されており、前記シャフトの樋内又は管内に収容されたドリップ灌水管を備えていることを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、各栽培槽には、シャフトの樋内又は管内に収容されたドリップ灌水管によって点滴灌水がされる。ドリップ灌水管はシャフトの管内又は樋内に収容されているので、栽培槽をシャフトに脱着する際に、邪魔にならない。従って、栽培槽の脱着作業が容易となる。また、ドリップ灌水管はシャフトで支持されると同時に保護される。そのため、この脱着作業中に、誤ってドリップ灌水管を損傷することを防止できる。
【0034】
また、各栽培槽は、苗の植え付けや培地の交換等の作業のために、比較的頻繁にシャフトに脱着する必要がある。一方、上記構成によれば、ドリップ灌水管を各栽培槽の中に通す必要がなく、予めドリップ灌水管をシャフトの中に通しておけば、シャフトに栽培槽を吊り下げるだけで設置が完了する。故に、シャフトに対して栽培槽の脱着を容易に行うことが可能となり、作業性が向上する。
【0035】
本発明の植物栽培装置の第6の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成において、前記回転体の下方に設けられた灌水を溜める灌水樋を備え、前記灌水樋は、前記栽培槽が前記回転体の下部に位置するときには、前記栽培槽の底部が前記灌水樋に溜められた水に浸かる高さに配置されていることを特徴とする。
【0036】
この構成によれば、栽培槽が回転体の下部に位置する場合に、栽培槽の底部が灌水樋に溜められた水に浸かり、栽培槽に灌水が行われる。一方、回転体が回転し、栽培槽が上昇すると、栽培槽の底部は離水し、余分な水分は灌水樋内に滴下して水切りがされる。更に回転体が回転し、栽培槽が回転体の上部に位置するようになったときには、既に栽培槽内の余分な灌水の水切りは終わっているため、栽培槽から水が滴下してその下方にある栽培槽に植えられた植物の葉や果実を汚すことはなくなる。
【0037】
本発明の植物栽培装置の第7の構成は、前記第1乃至6の何れか一の構成において、前記栽培槽は、植物を植えるための開口部が設けられた袋状の包容材により形成されており、前記包容材の内面底部に敷かれた保水性を有する保水材と、前記栽培槽に充填された、粉体状又は粒体状若しくは繊維状の高吸水性ポリマーを含有する培地と、を備えたことを特徴とする。
【0038】
この構成によれば、栽培槽内の培地に与えられた水は、まず、高吸水性ポリマーに吸水され又は培地の間隙に滞留することによって保水される。また、その一部は、培地を通過して保水材に達し、保水材に保水される。従って、栽培槽の保水容量が大きいため、必要な灌水量も少なくてすむこととなる。
【0039】
また、通常の土壤を使用する場合に比べ保水力が大きいために、植物の栽培に必要とされる培地は少量でよく、栽培槽を小型化・軽量化することが可能となる。
【0040】
栽培槽を小型化・軽量化することで、単位圃場面積あたりの栽培槽の数を増やし、単位圃場面積あたりの植物の生産量を増やすことができる。
【0041】
すなわち、従来の土の場合、植物の生育のために必要な水分を保水するための土の重量が大きかったため、栽培槽をシャフトに懸吊した場合にシャフトに大きな重力が加わり、強度的な点から、回転体を大きくすることが困難であった。
【0042】
しかしながら、培地に高吸水性ポリマーを含有させることで、従来の土の1/2〜1/5倍の重量の培地で同一の保水量を確保することができることとなる。そのため、栽培槽の重量を約1/2〜1/5倍(一般に、袋体の重量は培地に比べ軽量であるから。)とすることができる。従って、その分だけシャフトに加わる重力が減少するため、回転体を大きくしたり、回転体に吊す栽培槽の数を増やすことができる。その結果、単位圃場面積あたりの栽培槽の数を増やし、単位圃場面積あたりの植物の生産量を増やすことができる。
【0043】
また、栽培槽を小型化・軽量化することで、シャフトに対する栽培槽の脱着作業が容易となり、農作業の労力が軽減される。
【0044】
一方、培地内の水分が減少すると、毛管現象によって保水材から培地に水分が供給される。また、高吸水性ポリマーに保水された水は、高吸水性ポリマーの親水基に拘束され、通常の自由水と比べて蒸発しにくいため、灌水量を減らすことが可能となる。また、高吸水性ポリマーが自由水として水分を保持し、植物の根に供給するために、植物の根は常に一定の湿潤環境下におかれる。そのため、培地内の水環境は安定し、栽培植物にかかる水分ストレスが減少する。従って、植物の発育がよく、高品質の植物を生産することができる。
【0045】
ここで、「保水材」としては、織布、不織布、綿、パルプ、パルプとポリエステルの混合物等を用いることができる。特に、不織布等の素材としては、親水性ポリエステルを使用することが好ましい。水分を保持する能力に優れるとともに一定の弾性を有するため、培地の重量が加わっても充分な保水空間を維持することができ、保水性を維持することができるからである。
【0046】
「高吸水性ポリマー」の種類については、特に限定するものではないが、例えば、メビオール株式会社製の「スカイジェル」(商品名)、昭和電工株式会社製の「ノニオレックスNA−010」(商品名)、株式会社興人製の「サーモゲル」(商品名)等を使用することができる。
【0047】
培地は高吸水性ポリマーを含有するものであれば、特に限定するものではないが、培地の通気性を確保するために、ピートモス等の短繊維材やパーライト等の多孔性培地を混合することが好ましい。培地中に空気を保持する空間が多く作られることとなり、植えられた植物の根に空気が供給され、根腐れが生じにくくなるからである。また、この場合、高吸水性ポリマーの吸水率(高吸水性ポリマーの質量に対する吸水される水の質量の比)が100〜200重量%の場合、乾燥ピートモス1000cm3に対しての高吸水性ポリマー0.5〜1gを混合することが好ましい。実験的に、植物の生育に最適の保水量及び孔隙率が得られることが確かめられているからである。
【0048】
尚、培地及びその周辺の空気の温度を調節するために、袋体の内部に加温媒体又は冷却媒体が流れる温度調節管やヒートパイプを配設するように構成してもよい。このように構成することにより、栽培する植物の周囲の温度を一定に調節することが可能となり、植物に対する温度変化ストレスを調節することが可能となる。
【0049】
例えば、植物栽培装置において熱帯植物のランなどを栽培する場合には、温度調節管に温湯を流すことによって、気温が低いときでもランの栽培を可能とすることができる。
【0050】
また、本発明においては栽培槽を透水性を有する包容材によって構成することができる。
【0051】
これにより、保水材に吸水しきれない余分な水は、保水材の下部の包容材を通って排水される。また、包容材の外側からは適度の空気が袋体内部に供給される。従って、栽培槽の内部が完全に水で満たされることがなく、逆に、水が次々に排水されて培地内の水分が過度に減少することもなく、常に適度の水分と適度の空気が保持された状態となる。
【0052】
本発明の植物栽培装置の第8の構成は、前記第7の構成において、前記包容材は、透根性を有していることを特徴とする。
【0053】
このように包容材に透根性をもたせた場合、栽培する植物の根が成長すると、根端は包容材を突き抜けて空中に突出する。空中に突出した根端は、乾燥した環境におかれるため、成長を停止する。そして、成長を停止した根端の基部付近から多数の二次根が補償的に形成される。これにより、植物の根は親根や二次根に多数の分岐を有する形状に成長し、根巻き(ルーピング)を生じることがない。そのため、植物の根張りがよくなり、植物の成長が促進される。また、親根先端部や二次根先端からは多数の毛根が発生する。そのため、植物の養水分の吸収がよく、植物が活性化され成長が促進される。
【0054】
ここで、「透根性」とは、植物の細根がスムーズに通り抜けることができる性質をいい、細根が通り抜けることのできる細孔が多数形成されていることを意味する。具体的には、一般的に、細根の太さは直径0.5〜1.0mm程度なので、包容材が透根性を有するためには、例えば、直径約0.3〜2.0mm程度の穴が多数あいたシート又はネットであれば透根性を有することになる。
【0055】
本発明の植物栽培装置の第9の構成は、前記第7又は8の構成において、前記シャフトに対し、二以上の前記栽培槽が、隣接し合うもの同士が互いに接触しあった状態で吊り下げられていることを特徴とする。
【0056】
通常、栽培槽を吊下支持部材に単独で吊り下げて、栽培槽内で植物を栽培した場合、植物の成長に従って、植物の茎、葉等の地上部分の重量が大きくなる。そのため、栽培槽内部の培地の重量に対する植物の地上部分の重量の比率が大きくなると、吊下支持部材に対する植物の地上部分の重量の偏りによって、栽培槽が傾く。
【0057】
しかし、二以上の前記栽培槽を隣接し合うもの同士が互いに接触しあった状態で吊り下げることで、各栽培槽が安定し、栽培植物の地上部分の重量が大きくなっても栽培槽が傾くことが防止される。
【0058】
また、包容材が透根性を有している場合には、接触し合った栽培槽の間で、植物の根が隣の栽培槽内まで伸長する。従って、各栽培槽の植物の根系の体積が広がる。これにより、各植物の養水分の吸収が更に良好となる。また、各植物は培地の含水量の変化の影響もより受けにくくなる。
【0059】
本発明の植物栽培装置の第10の構成は、前記第9の構成において、隣接し合う前記各栽培槽の間に保持されたドリップ灌水管を備えていることを特徴とする。
【0060】
この構成により、ドリップ灌水管を設置する場合には、栽培槽を吊下支持部材に吊り下げた後に、ドリップ灌水管を栽培槽に挟み込むだけでよい。従って、ドリップ灌水管の設置が容易であり、設置作業の作業性が向上する。
【0061】
本発明の植物栽培装置の第11の構成は、前記第9又は10の構成において、隣接し合う前記各栽培槽の間の空間に保持された温度調節材を備えていることを特徴とする。
【0062】
この構成により、温度調節材を設置する場合には、栽培槽を吊下支持部材に吊り下げた後に、温度調節材を栽培槽に挟み込むだけでよい。従って、温度調節材の設置が容易であり、設置作業の作業性が向上する。
【0063】
また、冬季において気温が下がった場合においても、温度調節材を加熱することにより培地及び植物周辺の大気の温度調節をすることができる。また、夏期においても、極度に気温が上昇した場合でも、温度調節材を冷却することで、培地及び植物周辺の大気の温度調節をすることができる。これにより、植物に対する温度ストレスを緩和させることが可能となる。
【0064】
ここで、温度調節材としては、温湯管や通水管のような温度調節管のほか、ヒートパイプ(真空状態にしたパイプの中に、適量の作動液(水、ナトリウム等)とその還流を促進するグルーブを装備した熱伝導素子)、熱伝導性テープ等を使用することができる。
【0065】
本発明の植物栽培装置の第12の構成は、前記第7乃至11の何れか一の構成において、前記シャフトに吊り下げられ、前記各栽培槽を下面から持ち上げた状態で支持する支持体を備えていることを特徴とする。
【0066】
吊下支持部材のない場合、少量の培地を用いて栽培槽で植物を栽培した場合、灌水が栽培槽の下部に溜まって、その重みで栽培槽が縦長に変形する場合がある。縦長に変形した栽培槽では、植物の苗が植え付けられた培地の表面は、水平ではなく、傾斜した状態となる。一方、植物は、その習性上、鉛直上方に向かって成長する。従って、栽培槽において育成された植物は、根元付近の茎が曲がったものとなる。ネギや白菜、レタス等の野菜は、このように根元の曲がった形状のものは、市場価格が低い。
【0067】
しかしながら、支持体によって各栽培槽を下面から持ち上げた状態で支持することにより、栽培槽内の培地の表面を平坦に維持することができる。そのため、培地に植え付けられた植物は、平地に植えられた状態と同様の状態で生育する。従って、栽培される植物がいびつな形状となることが防止され、栽培植物の商品価値が低下することを防止することができる。
【0068】
ここで、支持体としては、可撓性、通気性、透水性、透根性を有する部材を使用するのが好ましい。支持体が可撓性を有することで、栽培槽の形状や大きさに適合して支持体が変形する。支持体が通気性を有することで、支持体と包容材を通して、培地に空気が供給され、培地内の空気の欠乏が防止される。支持体が透水性を有することで、仮に培地に過剰な灌水が供給された場合でも、圃場容水量を超える水は重力水として、包容材と支持体を通って下部に排水される。従って、培地が水分過剰な状態となることが防止され、植物の根腐れが発生したり、植物に大きな水分ストレスが加わることが防止される。更に、支持体が透根性を有することで、包容材を通して張り出した植物の根の根端は、支持体を突き抜けて空気中に曝され、成長が停止する。そのため、根巻きが防止され、二次根形成及び毛根形成が促進され、植物の生育が良好となる。
【0069】
このような支持体の材料としては、例えば、金網、プラスチック製の網等を使用することができる。
【0070】
本発明の植物栽培装置の第13の構成は、前記第1又は2の構成において、前記栽培槽は、上部が開放された箱状に形成された育苗箱により構成されており、前記栽培槽に充填された、粉体状又は粒体状若しくは繊維状の高吸水性ポリマーを含有する培地を備えていることを特徴とする。
【0071】
この構成により、培地の保水性を確保することができる。また同時に、通常の土壤を使用する場合に比べ保水力が大きいために、少量の培地があれば植物の栽培が可能であり、栽培槽の軽量化を図ることが可能となる。また、育苗箱の培地に苗を植え付ける作業や、苗を植え替える作業を、立ったままの姿勢で行うことができ、作業性が向上するとともに、作業者の労働負担が軽減される。
【0072】
ここで、「育苗箱」とは、水稲の育苗箱やイチゴの育苗箱のように、植物の苗の植え付けが可能なトレイ状若しくは箱状の容器をいう。また、育苗箱はシャフトから脱着可能な構成とすることが好ましい。脱着自在とすることで、例えば、播種時には発芽条件に適した別の場所に育苗箱を設置して植物を発芽させ、植物の発芽後には、植物栽培装置のシャフトに懸吊して苗を育てるというように、苗の植え替えが不要となり、育苗作業が容易になるからである。
【0073】
本発明の植物栽培装置の第14の構成は、前記第4、5、又は10の構成において、前記各ドリップ灌水管が接続され、前記シャフト支持材とともに弁体又は弁箱が回転する回転多方弁と、灌水供給ポンプの吐出口と前記回転多方弁とに接続された給水主管と、を有し、前記回転多方弁は、前記各ドリップ灌水管のうち、前記ドリップ灌水管の鉛直移動範囲の中間位置よりも低い所定の高さ以下の位置にあるものと前記給水主管とを連通するものであることを特徴とする。
【0074】
この構成によれば、栽培槽内の植物に対して過剰な灌水がされた場合、過剰な灌水は栽培槽の下部より滲みだして滴下する。一方、回転多方弁は、各ドリップ灌水管のうち、ドリップ灌水管の鉛直移動範囲の中間位置よりも低い所定の高さ以下の位置にあるものと給水主管とを連通するため、回転体が回転してドリップ灌水管が所定の高さ以下に位置するようになったときにのみ、ドリップ灌水管から栽培槽内の植物に対して灌水が行われる。従って、上記高さよりも上にある栽培槽には灌水がされないために過剰な灌水がされるおそれはなく、上部にある栽培槽から過剰な灌水が滴下するということもなくなる。故に、下部の栽培槽の植物に当たって、栽培植物の葉や果実を汚すことを防止することができる。
【0075】
ここで、「回転多方弁」とは、回転する弁体と弁箱の滑り面を利用して、流路の開閉動作をする滑り弁をいう。弁の構成については、弁箱が固定されており弁体が回転体の回転に伴って回転する構成や、弁体が固定されており弁箱が回転体の回転に伴って回転する構成がとられる。
【0076】
本発明の回転多方弁の第1の構成は、断面形状が円形の弁室が内部に形成されており、当該弁室の側壁に間隔をおいて円形の流出口が複数形成されている弁箱と、前記弁室内に装填され、各々が同一半径を有する複数のボール弁体と、前記弁室内に前記弁箱に対し回転自在に設けられ、その回転角により前記流出口を閉塞する位置又は前記流出口を開放する位置に前記ボール弁体を誘導する弁体誘導ガイドと、を備えていることを特徴とする。
【0077】
この構成により、弁室に流入した水は、弁体誘導ガイドによりボール弁体が誘導されることによって開放された流出口に流出する。従って、複数の流出口のうち、所定の回転角にある流出口のみに対して通水することが可能となる。そして、弁箱を回転させれば、ボール弁体が閉塞又は開放する流出口が入れ替わる。従って、弁箱を回転させることにより、通水させる流出口を切り換えることが可能となる。
【0078】
本発明の回転多方弁の第2の構成は、前記第1の構成において、前記弁体ガイドは、前記弁室の中心軸と同軸で中心角が90度以上の円弧状であって、前記ボール弁体が前記流出口を閉塞した状態で当該ボール弁体の球面から前記弁室の中心軸までの距離とほぼ等しい半径を有する円弧状に形成された弁体拘束ガイドと、前記弁体拘束ガイドの両端間で、前記弁体拘束ガイドの円弧両端を結ぶ仮想円よりも内側に前記ボール弁体を誘導する溝状に形成された弁体誘導ガイドと、を備えていることを特徴とする。
【0079】
この構成により、弁体拘束ガイド部分に位置する流出口には、弁体拘束ガイドによってボール弁体が拘束され、流出口は閉塞される。一方、それ以外の部分は、弁体誘導ガイドによってボール弁体は弁体拘束ガイドの円弧両端を結ぶ仮想円よりも内側に誘導されるため、流出口は開放される。従って、弁室に流入した水は、この開放された流出口のみに通水する。従って、所定の回転角内にある流出口のみに対して通水させることができる。
【0080】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0081】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る植物栽培装置の右側面図であり、図2は本発明の実施の形態1に係る植物栽培装置の正面図であり、図3は図2のA−A線矢視断面図である。
【0082】
図1乃至図3において、植物栽培装置1は、所定の間隔で平行に配置された円環状の3つのシャフト支持材2,3,4と、各シャフト支持材2,3,4を連結しシャフト支持材2,3,4の中心線と平行に配設された12本のシャフト5とを具備し、シャフト5がシャフト支持材2,3,4の中心線を中心とする円周上に配置されている籠型の回転体6を備え、回転体6の各シャフト支持材2,3,4を下方から回転自在に支承する支承体7,8と、シャフト5に回動自在に懸吊された栽培槽9とを備えている。
【0083】
シャフト支持材2は、最外周をなす半径0.5〜1mの円環状に形成された鉄パイプで構成された外輪2a、当該外輪2aと同軸に設けられた円環状に形成された鉄パイプで構成された内輪2b、及び内輪と外輪を連結する支持棒2c,2dから構成される。この内輪2bと外輪2aとは、それぞれ同一平面上に配設されている。また、内輪2bの半径は、外輪2aの半径よりも0.1〜0.2mだけ短く構成されている。支持棒2cと支持棒2dとは、シャフト支持材2の中心点において十字に直交している。尚、シャフト支持材3,4もシャフト支持材2と同様の構成とされているため、説明は省略する。
【0084】
シャフト5は、鉄パイプで構成されており、シャフト支持材2,3,4の内輪同士を連結している。シャフト5のそれぞれは、シャフト支持材2,3,4の中心軸に平行に配設されており、各シャフト支持材2,3,4の内輪の円周上に等間隔で配設されている。
【0085】
支承体7,8は、中心線が平行となるようにシャフト支持材2,3,4の直径(外輪の直径)2Rよりも狭い間隔Lで水平に配置された一対の回転ローラにより構成されている。シャフト支持材2,3,4を支承する支承体7は、1本の円柱形の棒状体で構成されている。支承体7は、その両端を支持体7a,7bにより回転自在に地面上に支持されており、また、支承体7の撓みを防止するために、支承体7の中間は、一定の間隔をおいて支持体7c,7d,7eにより支持されている。また、支承体7がシャフト支持材2,3,4と当接する部分には、シャフト支持材2,3,4のずれを防止するためのストッパ7f,7g,7hが設けられている。尚、支承体8の構成も、以上のような支承体7の構成と同様であるため、説明は省略する。尚、支承体7の一端部にはモータ10が設けられており、支承体7はモータ10によって回転駆動される。
【0086】
このように、回転体6は支承体7,8により下方から回転自在に支承されているため、複数の箇所(各シャフト支持材の下部)で回転体を支持することができる。従って、実際のハウス栽培で用いる場合のように回転体6の長さが30〜50m程度となり重量が大きくなっても回転体6を歪めることなく支持することが可能となる。また、このように大きな回転体6であっても、回転体6は下方から複数の箇所で支承されているために、回転体自体の剛性はさほど必要とされず、鉄パイプやアルミパイプなどを組み合わせて回転体6を構成することもできる。また、支承体7,8は、それぞれ5つの支持体(7a,7b,7c等)により支持されているため、1つの支承体に加わる重量は、全重量の1/10となる。従って、各支持体の軸受けに加わる重量が小さいため、支承体7,8はスムーズに回転できる。そのため、回転体6は、それぞれのシャフト支持材2,3,4が下方から支承されているため、回転体6の重量が大きい場合においても回転体6をスムーズに回転させることができる。更に、シャフト支持材6が真円ではなく歪んだ円形状であっても、回転体6をスムーズに回転させることができる。
【0087】
各栽培槽9は、シャフト5に沿った横長の袋体9aにより形成されており、当該袋体9aの内部には、高吸水性ポリマー、ピートモス、及びパーライトを混合した培地9cが充填されている。この袋体9aの上部には針金が通されており、その針金は、吊着部である複数のフック11によってシャフト5に脱着自在な状態で吊り下げられている。すなわち、フック11によって、各栽培槽9はシャフト5に吊り下げられている。そして、栽培槽9の袋体9aには一定間隔で左右交互に孔が設けられており、その孔に植物9bが植えられている。尚、孔を左右交互に設けたのは、植物9bの葉を左右交互に出させることによって、隣接する植物9bの葉同士が接触しないようにし、植物の植栽密度を高くするためである。
【0088】
また、各栽培槽9を貫通して、各シャフト5のそれぞれに沿って点滴灌水が可能な農業用点滴灌水チューブ12が設けられている。このそれぞれの農業用点滴灌水チューブ12は、シャフト支持材2の部分において、接続管13により回転多方弁14の吐出口側に接続されている。また、農業用点滴灌水チューブ12と接続管13との間には、両者を回転自在に接続するためにより戻し13aが設けられている。さらに、回転多方弁14の給水口側は給水主管16に接続されており、給水主管16のもう一方の端部は、農業用点滴灌水チューブ12に水を供給する灌水供給ポンプ17に接続されている。
【0089】
図4は回転多方弁の要部断面図である。
図4において、回転多方弁14の弁箱14aは、回転軸14bによって、支持棒2a,2bの交差部分(回転体6の回転中心)に接続されており、回転体6の回転によって回転多方弁14の弁箱14aも回転する。一方、回転多方弁14の弁体14cは給水主管16に接続され固定されている。弁箱14aは中空円筒状の形状を有し、弁室14dは断面が円形の筒形に形成されている。弁室14dの曲面側壁には12個の吐出口14eが設けられており、この吐出口14eには接続管13が接続される。弁室14dの一平面側壁には円形の給水口14fが設けられており、この給水口14fに弁体14cの弁軸14gが挿入されている。弁軸14gは中空円筒状に形成されており、内部に通水路14hが貫通されている。また、弁軸14gと接続した弁室14d内の弁体14cは半円柱形状を有しており、弁室14dの上部に位置する8つの吐出口14eを閉塞し、残りの4つの吐出口14eが通水路14hと連通する構造とされている。すなわち、弁体14cを固定して弁箱14aを回転させると、弁体14cにより閉塞される吐出口14eは順次切り替わる。このように、回転多方弁14は、各農業用点滴灌水チューブ12のうち、農業用点滴灌水チューブ12の鉛直移動範囲の中間位置よりも低い所定の高さ以下の位置にあるものと給水主管16とを連通するように動作する。
【0090】
尚、本実施の形態では回転多方弁14は弁箱14aを回転させ弁体14cを固定させた構成としたが、逆に弁体が回転し弁箱が固定された回転多方弁を使用してもよい。
【0091】
図5は図1の栽培槽の断面図である。
図5において、シャフト5、栽培槽9、袋体9a、植物9b、培地9c、フック11、農業用点滴灌水チューブ12は図1と同様である。袋体9aは、通気性を有するポリエステルシートにより構成されており、その上部には針金18が通されている。この針金18がフック11によってシャフト5に懸吊された構成とされており、栽培槽9は脱着・回動自在にシャフト5に取り付けられた状態とされている。また、袋体9aは通気性を有するため、培地9cには、袋体9aを通して空気が供給される。また、過剰な灌水は袋体9aの外部に排出される。さらに、袋体9aの内部の底には親水性のポリエステルの不織布からなる保水シート9dが布かれている。これにより、農業用点滴灌水チューブ12から供給される水のうち、余分な水分は保水シート9dに吸収され保水される。
【0092】
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る植物栽培装置において、以下その動作を説明する。
【0093】
まず、栽培槽9に植物9bを植える。この場合、植物の苗を、苗床等の他の場所で成長させ、植物が一定の大きさまで成長した後に植物栽培装置1で栽培する必要がある場合には、栽培槽9から農業用点滴灌水チューブ12を抜き取り、栽培槽9をシャフト5から取り外して、他の場所に設置し、栽培槽9内に植物の苗を植えて成長させ、その後、再び当該栽培槽9をシャフト5に取り付けて、農業用点滴灌水チューブ12を栽培槽9に差し込み、植物栽培装置1で栽培することも可能である。これにより、植物の苗を植え替える労力が省かれる。
【0094】
また、栽培槽9をシャフト5に懸吊したままの状態で、栽培槽9の培地9cに植物9bの苗を植えることもできる。この場合、回転体6を回転させ、栽培槽9を、植栽作業にちょうどよい高さに位置させた後に、植物9bを植えることができる。従って、植栽作業を行う作業者の身長に合わせて栽培槽9の高さを自由に調整できるため、作業者は植栽作業を楽に行えるようになる。同様に、植物の苗から果実を収穫する場合においても、作業者の好みに合わせて、栽培槽9を適度な高さに調整できる。
【0095】
すなわち、栽培槽9の高さを自由に変化させることができるため、作業の種類(植物の植え付け、収穫等)や作業者の身長等とは無関係に、作業者は最適な作業位置で農作業を行うことが可能となる。さらには、作業者が歩行障害を有する者であっても、車椅子での農作業が可能となる。
【0096】
このようにして、栽培槽9に植物を植えた後は、回転体6をモータ10で一定の回転速度(例えば、1時間に1回転)で回転させ、植物9bを栽培する。このとき、灌水供給ポンプ17により、農業用点滴灌水チューブ12に灌水を供給し、植物9bに対して灌水を行う。農業用点滴灌水チューブ12は、回転多方弁14により、回転体6の下部に位置する4本の農業用点滴灌水チューブ12のみが給水主管16に連通されるため、この4本の灌水管にのみ、灌水供給ポンプ17から灌水が供給される。
【0097】
栽培槽9に供給された灌水は、その一部が培地9cに吸水され、一部が保水シート9dに吸水される。また、過剰な灌水は、袋体9aを通過して排出され、栽培槽9の下方に滴下する。
【0098】
ここで、灌水は、回転体6の下部に位置する4つの栽培槽9にのみ行われるため、当該4つの栽培槽9からは過剰な灌水が下方に滴下するが、残りの上部8つの栽培槽9には灌水が行われないため、栽培槽9から過剰な灌水が滴下することはない。従って、滴下した水により植物9bの葉や果実が汚れたり損傷を負ったりすることが防止される。
【0099】
更に、回転体6は、モータ10により一定速度で回転するため、総ての栽培槽9の日照条件が均一となり、総ての栽培槽9の植物9bが良好な日照条件とされる。
【0100】
また、栽培槽9は立体的に配置されるため、空間的に密な状態で植物を栽培することが可能であり、平地栽培の場合に比べて、同一面積で多量の植物の栽培が可能となる。
【0101】
すなわち、栽培槽9をシャフト支持材2,3,4の中心線を中心とする円周上に配置することで、平坦地で植物を栽培する場合に比べ、同一の栽培地面積でより多数の株数の植物を栽培することができる。
【0102】
例えば、通常、イチゴの栽培条は通路を含めて1条あたり60cm程度の幅を必要とする。しかし、本実施形態の植物栽培装置1をイチゴ栽培に適用する場合、栽培槽9はシャフト支持材2,3,4の中心線を中心とする円周上に配置されるので、条間隔を同一とした場合には、理論上、同一の栽培地面積の平坦地でイチゴを栽培する場合の3.14倍のイチゴ株を栽培することが可能となる。更に、通路部分が不要となるため、実際には、同一の栽培地面積の平坦地でイチゴを栽培する場合の4.5倍のイチゴ株を栽培することが可能となる。
【0103】
図6は本発明の実施の形態1の植物栽培装置をハウス内の電照栽培に使用した例を示す模式図である。
【0104】
図6において、2台の植物栽培装置1が、ビニルハウス19の内部の通路20を挟んで、左右に並べて設置されている。また、通路20の真上には、電照灯21が設置されている。
【0105】
このように、電照栽培において植物栽培装置1を使用する場合には、回転体6から所定の距離だけ離した位置に、電照灯21を一列だけ設置すればよい。
【0106】
従来の電照栽培においては、圃場に植えられた栽培植物に対してできるだけ均一に光を照射して、各場所の植物の成長を均一にする必要があることから、ビニルハウス内に電照灯を複数列設置する必要があった。
【0107】
しかし、本実施形態の植物栽培装置1を使用する場合には、植物の栽培時に、回転体6を一定速度で回転させ、又は一定時間おきに回転させる。これにより、各栽培槽9は、電照灯21との距離が周期的に変化するようになり、時間的に平均すると、各栽培槽9に対して均一に光を照射することができる。従って、電照灯21を複数列に設置する必要がなく、一列だけ設置すればよいこととなり、設備費の低減となる。また、各栽培槽9の日照条件又は電照条件が均一となることから、光量不足等の理由により各栽培槽9に植えられた植物の生育に差異が生じることがなくなる。
【0108】
更に、栽培槽9が回転することにより、栽培槽9に植えられた植物の周囲の空気が動く。そのため、植物の光合成が増進され、植物の生育が促進されるという作用もある。
【0109】
また、従来の電照栽培では、電照灯から最も離れた栽培槽の植物に対して、充分な光が供給されるように、電照灯の光量を大きめに設定する必要があった。
【0110】
しかし、本実施形態の植物栽培装置1を使用する場合には、各栽培槽9の電照灯21からの距離は、時間平均をとれば均一となる。そのため、従来の電照栽培と比べ、栽培に必要な電照灯の光量も低くすることができ、電気を節約することができる。
【0111】
また、本実施形態の植物栽培装置1を使用することによって、ビニルハウス19内の空間を有効に活用することができる。そのため、小面積の農地で植物の多収穫栽培を行うことが可能となる。
【0112】
また、図6のように、回転体6を平行に2本並べ、各回転体6により植物を栽培すれば、各回転体6の中間地点に1列の電照灯21を設置して植物の照明を行えばよい。すなわち、植物栽培装置1一つに対して1列の電照灯は必要なく、二つの植物栽培装置1に対して1列の電照灯21を設置すればすむ。従って、設備の簡略化と設備費の低減、及び電照21に必要とされるエネルギーの節約が可能となる。
【0113】
(実施の形態2)
本実施の形態においては、ドリップ灌水管として、灌水管にボタンドリッパを取り付けたものを使用し、各栽培槽に温度調節管を設けたことを特徴とするものである。
【0114】
図7は本発明の実施の形態2に係る植物栽培装置の側面図であり、図8は図7のボタンドリッパによる灌水構造を表す拡大図であり、図9は栽培槽の断面図である。
【0115】
図7乃至図9において、植物栽培装置1、シャフト支持材2,3,4、シャフト5、回転体6、支承体7,8、栽培槽9、袋体9a、植物9b、培地9c、保水シート9d、モータ10、フック11、接続管13、より戻し13a、回転多方弁14、給水主管16、灌水供給ポンプ17、及び針金18については、実施の形態1と同様であるため、同符号を付して説明は省略する。なお、本実施の形態の回転体6も、図2と同様に、外輪と内輪を有しており、各内輪は、平行に配設された16本のシャフト5により接続された籠型構造を有している。また、本実施の形態においては、モータ10は支承体7のちょうど中央付近に配設されている。これは、支承体7に加わる捩れの力をなるべく小さくするためである。
【0116】
本実施の形態においては、各栽培槽9には、温度調節管22が貫通されている。温度調節管22の一端にはより戻し23aを介して供給側接続管23が接続されている。供給側接続管23は、回転分岐体24を介して温冷媒体供給管25に接続されている。そして、温冷媒体供給管25には、温冷媒体供給ポンプ26により、加温媒体又は冷却媒体である温湯又は冷水が供給される。温冷媒体供給管25から供給される温湯又は冷水の流れは、回転分岐体24において、8本の供給側接続管23に分かれ、それぞれの栽培槽9に貫通された温度調節管22に流れ込む。当該8本の供給側接続管23は、回転多方弁14が配設された側の端部において、残りの8本の温度調節管22に接続されている。また、この残りの8本の温度調節管22の逆側端部は、より戻し23aを介して排出側接続管23bに接続され、排出側接続管23bは回転分岐体24b、回転分岐体24bは温冷媒体排出管25bにそれぞれ接続されている。従って、温湯又は冷水の流れは、8本の供給側接続管23を通って回転多方弁14が配設された側の端部において折り返し、残りの8本の温度調節管22を通って排出側接続管23b、回転分岐体24b及び温冷媒体排出管25bを通って排出される。そして、各栽培槽9の温度が調節される。回転分岐体24は、円筒形の吸水部が温冷媒体供給管25に固定されており、吸水部に回転自在に取り付けられた円筒形の回転部の側面に8個の開口部が形成され、その各開口部に接続管23が接続されている。また、回転分岐体24bは、円筒形の排水部が温冷媒体排出管25bに固定されており、排水部に回転自在に取り付けられた円筒形の回転部の側面に8個の開口部が形成され、その各開口部に排出側接続管23bが接続されている。従って、回転体6が回転するのに伴って、回転分岐体24の回転部が回転し、接続管23が捩れるのが防止されている。なお、回転分岐体24bは回転分岐体24に同軸に設けられており、温冷媒体排出管25bは回転分岐体24及び温冷媒体供給管25の中を通して、外部に接続された構成とされている。
【0117】
このように、温度調節管22を備えたことにより、栽培する植物9bの周囲の温度を一定に調節することが可能となり、植物9bに対する温度変化ストレスを調節することが可能となる。従って、例えば、植物栽培装置1において熱帯植物のランなどを栽培する場合には、温度調節管22に温湯を流すことによって、気温が低いときでもランの栽培を可能とすることができる。
【0118】
一方、本実施の形態においては、円周上に配列されたシャフト5の1本おきに、8本の灌水管27がシャフト5と平行に配設されている。この灌水管27には、一定の間隔でボタンドリッパ27aが取り付けられている。このボタンドリッパ27aは、灌水管27内に一定の水圧がかかると、僅かずつ水を吐出するものである。ボタンドリッパ27aは、2つの吐出口を有しており、その吐出口それぞれに点滴チューブ27bが接続されている。そして、各点滴チューブ27bの先端には、スティック27cが接続されている。各スティック27cは、1つは、灌水管27が配設されているシャフト5に懸吊された栽培槽9に挿入され、他の1つは、それに隣接する栽培槽9に挿入されている。従って、1本の灌水管27により、2つの栽培槽9の灌水が行われている。
【0119】
このように、ボタンドリッパ27aを使用することにより、1本の灌水管27により複数の栽培槽9の灌水が可能となるため、灌水管27の本数を減らすことができる。従って、回転体6の構成が簡略化され、容易に製作することができ、メンテナンスも簡単となる。さらに、栽培槽9への灌水は、点滴チューブ27bの先端のスティック27cを栽培槽9内の培地9cに差し込むだけでよいため、栽培槽9をシャフト5に脱着することが容易となる。
【0120】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3に係る植物栽培装置の側面図であり、図11は図10の植物栽培装置のB−B線矢視断面図である。
【0121】
図10及び図11の植物栽培装置1’において、シャフト支持材2,3,4、外輪2a、内輪2b、支持棒2c,2d、シャフト5、回転体6、支承体7,8、栽培槽9、袋体9a、植物9b、モータ10、フック11、灌水供給ポンプ17は、総て図1乃至図3と同様であるため説明は省略する。
【0122】
本実施の形態における植物栽培装置1’は、回転体6の下部に設けられた灌水樋30を有することを特徴とする。この灌水樋30は、栽培槽9が回転体6の下部に位置するときには、栽培槽9の底部が灌水樋30に溜められた水31に浸かる位置に配置されている。
【0123】
これにより、回転体6が回転して、栽培槽9が回転体の下部に位置するようになった場合にのみ灌水が行われる。従って、回転体6の上部の栽培槽9には灌水が行われないため、栽培槽9から過剰な灌水が滴下することはない。従って、滴下した水により植物9bの葉や果実が汚れたり損傷を負ったりすることが防止される。
【0124】
また、構造が極めて単純であり、ビニルハウス内で容易に組み立てることができる。
【0125】
(実施の形態4)
図12は本発明の実施の形態4の植物栽培装置の斜視図である。
図12において、本実施の形態に係る植物栽培装置1”も、図1と同様に、シャフト支持材2,3を有し、各シャフト支持材2,3は、外輪2a,3a及び内輪2b,3bを有している。尚、図12にはシャフト支持材は2個示されているが、シャフト支持材の数は2個以上であれば何個でもよい。また、シャフト支持材2,3の外輪2a,3a及び内輪2b,3bは、それぞれ各々のシャフト支持材の中心で直角に十字交差する支持棒2c,2d及び支持棒3c,3dにより支持されており、これも図1と同様である。その他、シャフト5、回転体6、支承体7,8、支持体7a,7c,8a,8c、ストッパ7f,7g,8f,8g、モータ10、給水主管16、及び灌水供給ポンプ17も図1と同様であるため、同一の符号を付して説明は省略する。
【0126】
本実施の形態においては、シャフト5は4本で構成されている。また、シャフト5の各々には、複数個の育苗箱31が回転自在・脱着自在に懸吊されている。この育苗箱31は、平らな立方体形状のトレイ31aにより形成されており、トレイ31aの内部には、高吸水性ポリマー、ピートモス、及びパーライトを含む培地31bが充填されている。この培地31bに植物の苗が植えられる。
【0127】
また、各シャフト5のそれぞれに平行に灌水管32が配設されており、各灌水管の一端は、回転多方弁33を介して給水主管16に接続されている。回転多方弁16は、弁体33aが給水主管16に固定されており、弁体33aに回転自在に嵌合する円筒状の弁箱33bの側面に各灌水管32が接続されている。そして、回転多方弁33は、4本の灌水管32のうち、灌水管32の鉛直移動範囲の中間位置よりも低い所定の高さ以下の位置にあるものと給水主管16とを連通するように構成されている。すなわち、回転体6の下部に位置する灌水管32のみに灌水が供給されるように構成されている。
【0128】
また、各灌水管32には複数個のボタンドリッパ27aが取り付けられており、各ボタンドリッパ27aは2個の吐出口を有し、その各々に点滴チューブ27bが接続されている。各点滴チューブ27bの先端部にはスティック27cが接続され、スティック27cの先端は培地31bに差し込まれている。尚、ボタンドリッパ27a、点滴チューブ27b、スティック27cについては、実施の形態2で説明したものと同様である。これによって、各育苗箱31の培地31bに、水が点滴灌水され、植物に水が供給される。
【0129】
このように、本実施の形態においては、育苗箱31を回転体6に脱着自在に取り付けることによって、育苗箱31の移動が自在であるため、植物の育成段階に応じて植物栽培装置1”に育苗箱31を取り付けて植物を栽培することができる。このため、最初から育苗箱に播種しておけば、植物栽培装置1”に移す際も植物の植え替えは不要であり、農作業の労力が低減される。また、苗の管理作業も、自由な高さで行うことができるため、作業者が無理な姿勢で作業を行わなくてもよいため、農作業の労力が低減される。
【0130】
(実施の形態5)
図13は本発明の実施の形態5に係る植物栽培装置の斜視図、図14は本発明の実施の形態5に係る植物栽培装置の栽培槽を取り外した状態における側面図である。
【0131】
図13及び図14において、実施の形態5に係る植物栽培装置40は、3つのシャフト支持材41a,41b,41c、8本のシャフト42a〜42h、複数の栽培槽43、6つの支承体44a,44a’,44b,44b’,44c,44c’、従動プーリ46a,46b,46c、駆動プーリ47a,47b,47c、駆動ベルト48a,48b,48c、駆動軸49、駆動軸受50a,50b,50c、駆動モータ51、ドリップ灌水管52(図15参照)、接続管53a〜53h、回転多方弁54、及び給水主管55を備えている。
【0132】
各シャフト支持材41a,41b,41cは、円環状に形成されており、それぞれが一定の間隔をおいて並行に配置されている。そして、各シャフト支持材41a,41b,41cは、8本のシャフト42a〜42hにより連結されている。シャフト42a〜42hは、各シャフト支持材41a,41b,41cの共通の中心線に平行となるように、各シャフト支持材41a,41b,41cに架設されている。このシャフト支持材41a,41b,41c及びシャフト42a〜42hによって、籠型の回転体45が構成される。
【0133】
それぞれのシャフト42a〜42hには、複数の栽培槽43がフック56によって回転自在に掛架されている。ここで、2つの栽培槽43,43を1組として、シャフト42a〜42hの同じ位置にぶら下げられている。
【0134】
各シャフト支持材41a、41b、41cは、それぞれ、支承体44a,44a’、支承体44b,44b’、支承体44c,44c’により下方から回転自在に支承されている。各支承体44a,44a’,44b,44b’,44c,44c’は、回転自在なローラにより構成されている。また、支承体44a,44a’、支承体44b,44b’、支承体44c,44c’の間隔Lは、それぞれ、シャフト支持材41a、41b、41cの直径2Rよりも狭い間隔とされている。
【0135】
また、支承体44a,44b,44cと同軸に従動プーリ46a,46b,46cが設けられている。また、従動プーリ46a,46b,46cに相対して駆動プーリ47a,47b,47cが設けられている。そして、従動プーリ46a,46b,46cと駆動プーリ47a,47b,47cとの間には、駆動ベルト48a,48b,48cが掛架されている。この駆動ベルト48a,48b,48cにより、駆動プーリ47a,47b,47cの回転動力は従動プーリ46a,46b,46cに伝達される。そして、従動プーリ46a,46b,46cと同軸に設けられた支承体44a,44b,44cが回転駆動され、それに伴い各シャフト支持材41a,41b,41cが回転駆動される。
【0136】
各駆動プーリ47a,47b,47cは、共通の駆動軸49に軸支されている。駆動軸49は円柱状の金属棒により構成され、各駆動プーリ47a,47b,47cの中心を貫通して設けられている。また、駆動軸49の撓みを防止するために、適当な間隔をおいて、駆動軸49を支承する駆動軸受50a,50b,50cが設けられている。
【0137】
駆動軸49の一端には駆動モータ51の回転軸が接続されている。この駆動モータにより、駆動軸49は回転駆動される。これに伴い、駆動プーリ47a,47b,47cは、同一の回転速度で回転駆動される。
【0138】
図15は栽培槽が吊り下げられたシャフトの断面図である。
図15において、シャフト42(以下、シャフト42a〜42hを総称してシャフト42という)は、断面が三日月状の樋状に形成されている。この樋の溝部58内に、ドリップ灌水管52が挿入されている。尚、ドリップ灌水管52の太さは、溝部58の溝開口幅よりも広く形成されている。従って、ドリップ灌水管52は、溝部58の溝開口部に引っかかって、溝部58内から外れ出ることはない。
【0139】
尚、シャフト42には、アルミニウム合金が用いられている。軽量であり、かつ、複雑な形状であっても加工が容易だからである。
【0140】
シャフト42には、2つの栽培槽43,43が互いに接触した状態で、フック56,56によって引っかけられた状態で吊り下げられている。このように、2つの栽培槽43,43を互いに接触した状態で吊り下げることにより、栽培槽43,43の安定性が増し、植物が成長して左右の植物の重量にアンバランスが生じた場合でも、栽培槽43,43は傾きにくい。
【0141】
栽培槽43は、ポリエステル織布を縦長の袋状とした包容体60により形成されている。この包容体60は、透水性・透根性を有するポリエステル織布を用いて構成されている。本実施形態においては、包容体60のサイズは、縦60cm×横10cmとされ、内容量は約1.5リットルである。
【0142】
包容体60の底部には、ポリエステル不織布のシートからなる保水材62が敷かれている。本実施形態においては、保水材62のサイズは、幅10cm×長さ60cm×厚さ5mmとされている。
【0143】
また、包容体60の内部には、培地61が充填されている。この培地61は、ピートモス、パーライトを主成分とし、約0.5〜1.0容量%の高吸水性ポリマーが混合されている。本実施形態においては、栽培槽43一つあたり、約1リットルの培地61が充填されている。
【0144】
包容体60の上部には、開口部63が形成されている。この開口部63を通して、栽培植物が培地61に植栽される。包容体60の上部には、吊下支持部材64が通されている。この吊下支持部材64にフック56を引っかけて、栽培槽43はシャフト42に吊り下げられている。
【0145】
尚、吊下支持部材64には、8番線の針金が使用されている。安価であり、加工が容易だからである。
【0146】
2つの栽培槽43,43の間には、温度調節管であるヒートパイプ65が保持されている。ヒートパイプ65は、一端からヒータ(図示せず)により加熱され、栽培槽60内の培地61を加温する。このように、2つの栽培槽43,43を互いに接触した状態で吊り下げることにより、ヒートパイプ65を栽培槽43内に通さなくても、両栽培槽43,43の間に挟み込むだけで保持することが可能である。また、2つの栽培槽43,43を加温するためのヒートパイプ65は1本あれば充分であり(すなわち、各栽培槽ごとに2本のヒートパイプは必要なく)、経済的である。
【0147】
図16(a)は図14におけるA−A線矢視断面図、図16(b)は図16(a)におけるC−C線矢視断面図、図17(a)は図14におけるB−B線矢視断面図、図17(b)は図17(a)におけるD−D線矢視断面図である。
【0148】
図16(a)に示すように、給水主管55から送水される灌水は、回転多方弁54により、各接続管53a〜53hのうちの特定のものに送水される。また、図16(b)に示すように、接続管53a〜53hは、それぞれのシャフト42a〜42h内に通されたドリップ灌水管52に接続されている。
【0149】
シャフト支持材41(以下、シャフト支持材41a〜41cを総称してシャフト支持材41という。)は、断面形状が矩形状の外輪57aの内側中央部分に円環板状の突起部57bが突出形成されており、全体の断面形状がT字型に構成されている。各シャフト42a〜42hは、この円環板状の突起部57bに貫通されシャフト支持材41に固定されている。
【0150】
図18は本発明の実施の形態5に係る回転多方弁の斜視図、図19は本発明の実施の形態5に係る回転多方弁の分解図である。
【0151】
本実施の形態に係る回転多方弁54は、円筒形状の弁室70aが内部に形成されている弁箱70を有する。弁室70aの側壁には、弁室70aの中心線に対して対称な位置に、円形の流出口70bが8つ形成されている。また、弁箱70の外部側壁には、接続管53a〜53hが接続される管状の接続部70cが8つ突出形成されている。この各接続部70c内の管口は、それぞれの流出口70bに連通している。
【0152】
弁室70a内には、シリコンゴムにより形成された球状のボール弁体71が8個ほど装填されている。各ボール弁体71は同一の半径を有する。また、各ボール弁体71の半径は、流出口71の半径よりは大きくなるように構成されている。
【0153】
また、弁室70a内には、弁箱70に対して回転自在に、弁体ガイド72が設けられている。この弁体ガイド72は、円弧壁状に形成された弁体拘束ガイド72a、弁体拘束ガイド72aの両端を連結して「く」の字状に曲折形成された弁体誘導ガイド72b,72c、片面に弁体拘束ガイド72aと弁体誘導ガイド72b,72cとが突出形成された環板状の支持板72d、弁体拘束ガイド72a及び弁体誘導ガイド72bの内側に連結され中央に円形の開口部72fが形成された環板状の中央板72e、及び弁体誘導ガイド72bの部分に導水するための導水部72gからなる。
【0154】
弁体拘束ガイド72aは、中心角が約300度の円弧壁状に形成されている。この円弧壁の半径は、ボール弁体71が流出口70bを閉塞した状態において、当該ボール弁体71の球面から弁室70aの中心軸までの距離よりも僅かに短い長さとされている。
【0155】
弁体誘導ガイド72bは、弁体拘束ガイド72aの円弧両端を結ぶ仮想円よりも内側に「く」の字状に折れ曲がっている。また、弁体誘導ガイド72bは、弁体誘導ガイド72bの外側に、弁体誘導ガイド72bと平行な「く」の字状に形成されている。そして、両弁体誘導ガイド72b,72cの幅は、ボール弁体71の直径よりも僅かに大きい幅とされている。
【0156】
中央板72eの中央部には、支持板74を介して流入管73が接続されている。この流入管73の中心軸は、中央板72eの中心軸と同軸である。
【0157】
そして、これらのボール弁体71、弁体ガイド72、及び支持板74を装填した状態で、弁室71aは弁蓋75により封止されている。弁蓋75の中央部には、流入管73が貫通する開口部75aが形成されている。そして、弁蓋75は、ナット76及び螺子77により弁箱70に固定されている。
【0158】
以上のように構成された本実施形態に係る植物栽培装置について、以下その動作を説明する。
【0159】
まず、栽培槽43に植物を植栽し、図13のように、シャフト42に栽培槽43を吊す。この状態で、駆動モータ51を起動し、回転体45を回転させる。これにより、実施の形態1と同様に植物の栽培ができる。
【0160】
灌水は、給水主管55に対して、ポンプ(図示せず)により送水することにより行う。給水主管51に送水された水は、回転多方弁54を介して、回転体45の下部の一部のドリップ灌水管52に送水され、栽培槽に対して点滴灌水が行われる。
【0161】
このとき、図15からわかるように、ドリップ灌水管からの灌水は、2つの栽培槽43,43の接触部付近に滴下する。従って、それぞれの栽培槽43,43は、ほぼ均等に灌水がされる。
【0162】
また、必要に応じて、ヒートパイプ65をヒータで加熱して、栽培槽43の温度調節を行う。
【0163】
このように、本実施の形態の植物栽培装置によれば、ドリップ灌水管はあらかじめシャフトの溝内に納められているため、栽培槽43をシャフトに掛けるだけで栽培槽43の装着ができる。従って、栽培槽43の脱着が極めて容易であり、作業性に優れている。
【0164】
また、植物の収穫が終了した栽培槽を取り外して、新しい苗が植えられた栽培槽をシャフトに掛ければ、継続して植物の栽培を行うことができる。従って、植物の生産効率が向上する。更に、栽培槽は小型・軽量であるため持ち運びや脱着が容易である。従って、農作業の作業性に優れている。また、培地は保水力・保肥力に優れているため、品質の良い植物の生産が可能である。
【0165】
次に、回転多方弁54の動作について説明する。図20〜図22は実施の形態5に係る回転多方弁の動作を説明する図である。
【0166】
図20の状態においては、流出口70b−2、及び流出口70b−2と流出口70b−1の間の流出口以外の流出口70bは、ボール弁体71により閉塞された状態にある。そして、ちょうど弁体拘束ガイド72aの切れ目部分にある流出口70b−2、及び流出口70b−2と流出口70b−1の間の流出口は開放され、流出口70b−2は通水可能な状態となっている。
【0167】
そして、弁箱70が矢印Eの方向に回転し、図21の状態まで到達すると、流出口70b−2が、弁体誘導ガイド72b,72cの間の溝の下部に達し、ボール弁体71−2の下部は、流出口70b−2に落ち込んで流出口70b−2を閉塞する。これにより、流出口70b−2は通水不可となり、流出口70b−2と流出口70b−1の間の流出口のみが通水可能な状態となる。
【0168】
そして、このとき、ボール弁体71−2は、流出口70b−2に嵌り込むため、ボール弁体71−2は弁体拘束ガイド72aと弁室70aの側壁との間の溝を通過することが可能となる。従って、弁箱70の回転に追随して、流出口70b−2を閉塞した状態でボール弁体71−2も回転する。
【0169】
更に、弁箱70が矢印Eの方向に回転し、図22の状態まで到達すると、出水口70b−1を閉塞していたボール弁体71−1は、弁体誘導ガイド72b,72cの間の溝に落ち込み、ボール弁体71−1が重力により弁体誘導ガイド72b,72cの間の溝を落下する。これにより、出水口70b−1が開放され、出水口70b−1も通水可能となる。
【0170】
以下同様にして、弁箱70の回転に従って、通水可能な流出口70bが切り替わる。
【0171】
このように、ちょうど弁体拘束ガイド72aの切れ目部分に位置する流出口70bのみに送水されるため、一部のドリップ灌水管52のみに対して灌水を行うことが可能となる。
【0172】
尚、さらに細かく灌水時間の調節を行いたい場合には、接触スイッチを用いて、給水主管55に給水するポンプをオン・オフ制御することによって、給水を調節することもできる。すならち、接続管53a〜53hと接触したときにオンとなる接触スイッチを、回転体45の下部の、弁体拘束ガイド72aの切れ目部分に相当する位置に取り付ける。そして、この接触スイッチが接続管53a〜53hの何れか一つに接触してオン状態となったときに、ポンプを起動させて灌水を行う。これにより、さらに細かい灌水管理を自動的に行うことが可能となる。
【0173】
また、本実施形態において、栽培槽を空中に吊り下げた状態で植物の栽培を行うこととした。しかし、図23に示すように、水の重さで栽培槽が縦長に変形する場合がある。このように、栽培槽が縦長に変形すると、栽培槽に植栽された植物の根元付近が曲がって成長することがある。特に、ネギのような茎野菜や白菜、レタスのような葉野菜を植物栽培装置で栽培する場合、根元付近が曲がることで、生産される植物の商品価値が低下する場合がある。
【0174】
そこで、このような場合、図24に示すように、シャフト42に支持体80を吊り下げて、各支持体80により各栽培槽43を下面から持ち上げた状態で支持する構成としてもよい。
【0175】
支持体80としては、プラスチック製の網のような、透水性・透根性を有し、ある程度の強度と弾性を有する部材を使用することが好ましい。
【0176】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る植物栽培装置の植物栽培装置の第1の構成によれば、回転体の重量が大きくなっても支承体は回転体を支持することができ、回転体をスムーズに回転することができる。そのため、植物の栽培規模に応じて栽培槽の大きさを自由に調整することができる。
【0177】
また、各栽培槽に植えられた植物の生育に差異が生じることがなくなる。更に、植物の光合成の増進により植物の生育を促進することができる。
【0178】
また、電照栽培においては、電照灯を複数設置する必要がなくなる。また、電照灯の光量も低くすることができる。また、設備の簡略化と設備費の低減及び電照に必要とされるエネルギーの節約が可能となる。
【0179】
また、栽培槽をシャフト支持材の中心線を中心とする円周上に配置することで、同一の栽培地面積で、平坦地で植物を栽培する場合よりも多数の植物株を栽培することができる。従って、植物の収穫量を増加させることができる。
【0180】
また、回転体により栽培槽の高さを自由に変化させることができる。そのため、作業の種類、作業者の身長等と無関係に、作業者は最適な作業位置で農作業を行うことが可能となる。その結果、農作業における作業者の疲労を緩和することができる。さらに、車椅子での農作業が可能となるため、障害者にも配慮した植物栽培装置を提供することができる。
【0181】
また、本発明に係る植物栽培装置の第2の構成によれば、各シャフト支持材は安定してスムーズに回転することができ、支承体の構成も簡単であるため故障も少なくなる。
また、一軸で連結された回転ローラをモータ等で回転駆動することにより、総てのシャフト支持材を同一の回転速度で回転駆動することができる。そのため、回転体のシャフトに余分な捩れの力が加わることがない。従って、回転体の歪みが防止することができる。
【0182】
また、回転体のシャフトに余分な捩れの力が加わることがないため、回転体のシャフト支持材とシャフトとの結合を溶接などにより強固なものとする必要がない。従って、ねじ止めや連結パイプなどを用いた接着剤による連結等によって簡単な構成とすることが可能となる。特に、シャフト支持材とシャフトとの結合をねじ止めや連結パイプによる連結とすることで、ビニルハウス内等において回転体の設置や除去が容易となる。
【0183】
更に、回転体のシャフトとして塩化ビニルパイプのように僅かに可撓性を有するような安価な軽量部材を使用することも可能となり、回転体のシャフトの材料の選択の幅が広がる。特に、塩化ビニルパイプのような軽量部材で回転体を構成すれば、回転体の製造が容易であり、かつ回転体の重量を軽量化できるため、支承体に対して大きな強度が要求されることがない。更に、軽量であるために、回転体の設置や除去も容易に行うことができる。
【0184】
また、本発明に係る植物栽培装置の第3の構成によれば、植物の成育過程に応じて、植物の栽培環境を変える必要がある場合でも、植物を栽培槽ごと移動させることによって植物の植え替え作業が必要なくなり、植物栽培に要する労力が低減される。
【0185】
また、本発明に係る植物栽培装置の第4の構成によれば、無駄な灌水がされることがなく、灌水に使用する使用水量を低減できるため、水資源を有効活用することが可能となる。また、栽培槽内に植えられた植物の生育調整が容易となる。更に、吸水ポンプにより自動給水することにより、植物の栽培管理の労力を省力化することが可能な植物栽培装置を提供することができる。
【0186】
また、本発明に係る植物栽培装置の第5の構成によれば、ドリップ灌水管がシャフトの内部に納められているため、栽培槽を脱着するのが容易となる。従って、農作業の作業性に優れる。
【0187】
また、本発明に係る植物栽培装置の第6の構成によれば、栽培槽から滴下する過剰な灌水が、下部の栽培槽の植物に当たって、栽培植物の葉や果実を汚すことを防止することができるため、栽培植物が汚れず、栽培植物を洗浄する必要がなくなる。また、滴下する水滴によって栽培植物に損傷ができ、商品価値が低下することが防止される。
【0188】
また、本発明に係る植物栽培装置の第7の構成によれば、栽培槽を軽量化することが可能となり、シャフトに加わる重力が減少するため、回転体を大きくして植物の多収穫栽培を行うことが可能となる。また、灌水量を減らすことができるため、水資源を節約することができ、灌水設備も小規模なものですみ、植物栽培に要する灌水費を節約することもできる。さらに、植物に加わる灌水ストレスが減少するために、植物の生育が促進され、植物の多収穫及び早期栽培が可能となる。
【0189】
また、袋体の内部が常に適度の水分と適度の空気が保持された状態となるため、植物の生育に適した環境が維持され、より多収穫な植物栽培が可能となる。また、保水シートの保水効果によって、培地内の水環境はより安定したものとなり、必要な灌水量も少なくてすみ、灌水費を節約することができる。また、植物の乾燥ストレスをより減少させることができるため、植物の生育が促進され、より多収穫な植物栽培を行うことが可能となる。
【0190】
また、本発明に係る植物栽培装置の第8の構成によれば、包容材に透根性を持たせることで、植物の根系の養水分の吸収効率が向上する。また、根巻きが防止される。従って、生産される植物の品質が向上する。
【0191】
また、本発明に係る植物栽培装置の第9の構成によれば、植物の成長度合いに偏りが生じ、栽培槽にかかる重量にアンバランスが生じたときにも、栽培槽が傾斜することを防止できる。
【0192】
また、本発明に係る植物栽培装置の第10の構成によれば、ドリップ灌水管の脱着が容易であり、栽培槽の脱着の作業性が向上する。
【0193】
また、本発明に係る植物栽培装置の第11の構成によれば、温度調節材の脱着作業が容易となる。
【0194】
また、本発明に係る植物栽培装置の第12の構成によれば、根野菜や葉野菜を栽培するときでも、栽培される野菜の根元が曲がることを防止できる。そのため、生産される野菜の商品価値の低下を防止できる。
【0195】
また、本発明に係る植物栽培装置の第13の構成によれば、灌水量を減らすことができるため、水資源を節約することができ、灌水設備も小規模なものですみ、植物栽培に要する灌水費を節約することもできる。育苗箱の培地に苗を植え付ける作業や、苗を植え替える作業を、立ったままの姿勢で行うことができ、作業性が向上するとともに、作業者の労働負担が軽減される。
【0196】
また、本発明に係る植物栽培装置の第14の構成によれば、栽培槽から滴下する過剰な灌水が、下部の栽培槽の植物に当たって、栽培植物の葉や果実を汚すことを防止することができるため、栽培植物が汚れず、栽培植物を洗浄する必要がなくなる。また、滴下する水滴によって栽培植物に損傷ができ、商品価値が低下することが防止される。
【0197】
また、本発明に係る回転多方弁によれば、所定の回転角度内に位置する流出口に通水させることが可能な回転弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る植物栽培装置の右側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る植物栽培装置の正面図である。
【図3】 図2のA−A線矢視断面図である。
【図4】 回転多方弁の要部断面図である。
【図5】 図1の栽培槽の断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態1の植物栽培装置をハウス内の電照栽培に使用した例を示す模式図である。
【図7】 本発明の実施の形態2に係る植物栽培装置の側面図である。
【図8】 図7のボタンドリッパによる灌水構造を表す拡大図である。
【図9】 図7の栽培槽の断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態3に係る植物栽培装置の側面図である。
【図11】 図10の植物栽培装置のB−B線矢視断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態4の植物栽培装置の斜視図である。
【図13】 本発明の実施の形態5に係る植物栽培装置の斜視図である。
【図14】 本発明の実施の形態5に係る植物栽培装置の栽培槽を取り外した状態における側面図である。
【図15】 栽培槽が吊り下げられたシャフトの断面図である。
【図16】 (a)図14におけるA−A線矢視断面図である。
(b)図16(a)におけるC−C線矢視断面図である。
【図17】 (a)図14におけるB−B線矢視断面図である。
(b)図17(a)におけるD−D線矢視断面図である。
【図18】 本発明の実施の形態5に係る回転多方弁の斜視図である。
【図19】 本発明の実施の形態5に係る回転多方弁の分解図である。
【図20】 実施の形態5に係る回転多方弁の動作を説明する図である。
【図21】 実施の形態5に係る回転多方弁の動作を説明する図である。
【図22】 実施の形態5に係る回転多方弁の動作を説明する図である。
【図23】 水の重さで栽培槽が縦長に変形したことにより栽培植物の根元付近が曲がって成長した例を示す図である。
【図24】 栽培槽の下に支持体を挿入した例を示す図である。
【符号の説明】
1,1’ 植物栽培装置
2,3,4 シャフト支持材
2a 外輪
2b 内輪
2c,2d 支持棒
5 シャフト
6 回転体
7,8 支承体
7a,7b,7c,7d,7e 支持体
7f,7g,7h ストッパ
9 栽培槽
9a 袋体
9b 植物
9c 培地
9d 保水シート
10 モータ
11 フック
12 農業用点滴灌水チューブ
13 接続管
13a より戻し
14 回転多方弁
14a 弁箱
14b 回転軸
14c 弁体
14d 弁室
14e 吐出口
14f 給水口
14g 弁軸
14h 通水路
16 給水主管
17 灌水供給ポンプ
18 針金
19 ビニルハウス
20 通路
21 電照灯
22 温度調節管
23 接続管
23a より戻し
24 回転分岐体
25 温冷媒体供給管
26 温冷媒体供給ポンプ
27 灌水管
27a ボタンドリッパ
27b 点滴チューブ
27c スティック
30 灌水樋
31 育苗箱
31a トレイ
31b 培地
32 灌水管
33 回転多方弁
33a 弁体
33b 弁箱
34 ボタンドリッパ
40 植物栽培装置
41a,41b,41c シャフト支持材
42,42a〜42h シャフト
43 栽培槽
44a,44b,44c,44a’,44b’,44c’ 支承体
45 回転体
46a,46b,46c 従動プーリ
47a,47b,47c 駆動プーリ
48a,48b,48c 駆動ベルト
49 駆動軸
50a,50b,50c 駆動軸受
51 駆動モータ
52 ドリップ灌水管
53a〜53h 接続管
54 回転多方弁
55 給水主管
56 フック
57a 外輪
57b 突起部
58 溝部
60 包容体
61 培地
62 保水材
63 開口部
64 吊下支持部材
65 ヒートパイプ
70 弁箱
70a 弁室
70b 流出口
70c 接続部
71 ボール弁体
72 弁体ガイド
72a 弁体拘束ガイド
72b,72c 弁体誘導ガイド
72d 支持板
72e 中央板
72f 開口部
72g 導水部
73 流入管
74 支持板
75 弁蓋
75a 開口部
76 ナット
77 螺子
80 支持体

Claims (12)

  1. 間隔をあけて平行に配置された円板状又は円環状の2以上のシャフト支持材、及び、前記シャフト支持材の中心線と平行となるように前記各シャフト支持材の間に架設され鉛直面内で円周上を回転する2以上のシャフト、を具備している籠型の回転体と、
    前記シャフトに回動自在に懸吊され鉛直面内で円周上を回転する栽培槽と、
    を備えた植物栽培装置において、
    前記回転体の前記各シャフト支持材を下方から回転自在に支承する支承体と
    記各栽培槽を貫通して、前記各シャフトのそれぞれに沿って設けられ鉛直面内で円周上を回転する複数のドリップ灌水管と
    前記各ドリップ灌水管に水を供給する給水主管と、
    記各ドリップ灌水管が接続され、前記給水主管に連通して、前記ドリップ灌水管から栽培槽内の植物に対して灌水を行うように通水させる回転多方弁と
    有し
    記回転多方弁は、断面形状が円形の弁室が内部に形成されており、当該弁室の側壁に間隔をおいて円形の流出口が複数形成されている弁箱と、
    前記弁室内に装填され、各々が同一半径を有する複数のボール弁体と、
    前記弁室内に前記弁箱に対し回転自在に設けられ、その回転角により前記流出口を閉塞する位置又は前記流出口を開放する位置に前記ボール弁体を誘導する弁体ガイドと、
    を備え
    前記弁体ガイドは、
    前記弁室の中心軸と同軸で中心角が90度以上の円弧状であって、前記ボール弁体が前記流出口を閉塞した状態で当該ボール弁体の球面から前記弁室の中心軸までの距離とほぼ等しい半径を有する円弧状に形成された弁体拘束ガイドと、
    前記弁体拘束ガイドの両端間で、前記弁体拘束ガイドの円弧両端を結ぶ仮想円よりも内側に前記ボール弁体を誘導する溝状に形成された弁体誘導ガイドと、
    を備え、
    前記ドリップ灌水管が鉛直面内で円周上を回転することにより前記回転多方弁の前記弁箱が回転し、前記ドリップ灌水管が鉛直移動範囲の中間位置よりも低い所定の高さ以下に位置するときに、前記回転多方弁は、前記流出口を開放する位置に前記ボール弁体を誘導して前記給水主管に連通し、前記ドリップ灌水管から栽培槽内の植物に対して灌水を行うように通水させることを特徴とする植物栽培装置。
  2. 間隔をあけて平行に配置された円板状又は円環状の2以上のシャフト支持材、及び、前記シャフト支持材の中心線と平行となるように前記各シャフト支持材の間に架設され鉛直面内で円周上を回転する2以上のシャフト、を具備している籠型の回転体と、
    前記シャフトに回動自在に懸吊され鉛直面内で円周上を回転する栽培槽と、
    を備えた植物栽培装置において、
    前記回転体の前記各シャフト支持材を下方から回転自在に支承する支承体と
    記シャフトは開溝端が狭まった樋状又は多数の開口を有する管状に形成され前記シャフトの樋内又は管内に収容された、鉛直面内で円周上を回転する複数のドリップ灌水管と
    前記各ドリップ灌水管に水を供給する給水主管と、
    記各ドリップ灌水管が接続され、前記給水主管に連通して、前記ドリップ灌水管から栽培槽内の植物に対して灌水を行うように通水させる回転多方弁と
    有し
    記回転多方弁は、断面形状が円形の弁室が内部に形成されており、当該弁室の側壁に間隔をおいて円形の流出口が複数形成されている弁箱と、
    前記弁室内に装填され、各々が同一半径を有する複数のボール弁体と、
    前記弁室内に前記弁箱に対し回転自在に設けられ、その回転角により前記流出口を閉塞する位置又は前記流出口を開放する位置に前記ボール弁体を誘導する弁体ガイドと、
    を備え
    前記弁体ガイドは、
    前記弁室の中心軸と同軸で中心角が90度以上の円弧状であって、前記ボール弁体が前記流出口を閉塞した状態で当該ボール弁体の球面から前記弁室の中心軸までの距離とほぼ等しい半径を有する円弧状に形成された弁体拘束ガイドと、
    前記弁体拘束ガイドの両端間で、前記弁体拘束ガイドの円弧両端を結ぶ仮想円よりも内側に前記ボール弁体を誘導する溝状に形成された弁体誘導ガイドと、
    を備え、
    前記ドリップ灌水管が鉛直面内で円周上を回転することにより前記回転多方弁の前記弁箱が回転し、前記ドリップ灌水管が鉛直移動範囲の中間位置よりも低い所定の高さ以下に位置するときに、前記回転多方弁は、前記流出口を開放する位置に前記ボール弁体を誘導して前記給水主管に連通し、前記ドリップ灌水管から栽培槽内の植物に対して灌水を行うように通水させることを特徴とする植物栽培装置。
  3. 前記支承体は、前記シャフト支持材の直径よりも狭い間隔で配置された一対の回転ローラであり、
    前記各シャフト支持材を支承する前記一対の回転ローラうちの一方又は両方を、同一の回転速度で回転駆動する駆動手段を備えていること
    を特徴とする請求項1または2記載の植物栽培装置。
  4. 前記栽培槽は、前記シャフトに前記栽培槽を脱着自在な状態で吊り下げて止める吊着部を備えていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載の植物栽培装置。
  5. 前記回転体の下方に設けられた灌水を溜める灌水樋を備え、
    前記灌水樋は、前記栽培槽が前記回転体の下部に位置するときには、前記栽培槽の底部が前記灌水樋に溜められた水に浸かる高さに配置されていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載の植物栽培装置。
  6. 前記栽培槽は、植物を植えるための開口部が設けられた袋状の包容材により形成されており、
    前記包容材の内面底部に敷かれた保水性を有する保水材と、
    前記栽培槽に充填された、粉体状又は粒体状若しくは繊維状の高吸水性ポリマーを含有する培地と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載の植物栽培装置。
  7. 前記包容材は、透根性を有していることを特徴とする請求項に記載の植物栽培装置。
  8. 前記シャフトに対し、二以上の前記栽培槽が、隣接し合うもの同士が互いに接触しあった状態で吊り下げられていること
    を特徴とする請求項又はに記載の植物栽培装置。
  9. 隣接し合う前記各栽培槽の間に保持されたドリップ灌水管を備えていること
    を特徴とする請求項に記載の植物栽培装置。
  10. 隣接し合う前記各栽培槽の間の空間に保持された温度調節材を備えていること
    を特徴とする請求項又はに記載の植物栽培装置。
  11. 前記シャフトに吊り下げられ、前記各栽培槽を下面から持ち上げた状態で支持する支持体を備えていることを特徴とする請求項乃至10の何れか一に記載の植物栽培装置。
  12. 前記栽培槽は、上部が開放された箱状に形成された育苗箱により構成されており、
    前記栽培槽に充填された、粉体状又は粒体状若しくは繊維状の高吸水性ポリマーを含有する培地
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載の植物栽培装置。
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