JP3716612B2 - ベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無端ベルトの蛇行をロールの傾き動作によって修正する蛇行修正機構を有するベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置のなかには、無端ベルトからなる中間転写ベルトを用いて多色(カラー)画像を形成するカラー画像形成装置がある。このカラー画像形成装置は、中間転写ベルト(無端ベルト)上に、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した画像形成ユニットを個別に備えている。
【0003】
一般に、上記無端ベルトからなる中間転写ベルトを用いた場合、ベルトの駆動に伴って、中間転写ベルトがその幅方向(ラテラル方向)に移動する、いわゆるベルトの蛇行(ベルトウォーク)が発生する。この蛇行現象は、中間転写ベルト上に各色の画像を重ね転写する際に、各色の画像の位置ずれ、ひいては色ずれ等の原因となるため、これを修正する必要がある。
ベルトの蛇行修正方式としては、これまで幾つかの技術が提案されているが、その代表的な技術の一つに、中間転写ベルトを支持するロールを傾き動作させて蛇行を修正する方式がある。この蛇行修正方式では、ロールの傾け加減によって中間転写ベルトの寄り量が変化するため、所望の位置に中間転写ベルトを移動させるためには、ロールの傾き量を正確にコントロールする必要がある。
【0004】
図10は従来における蛇行修正機構の一例を説明するもので、図中(a)はその平面図、(b)はそのA−A断面図である。
図10において、中間転写ベルト81はステアリングロール82に所定のラップ角度をもって巻き付けられている。ステアリングロール82の出力軸82aは、揺動アーム83の一端に回動自在に嵌合されている。揺動アーム83は、その中間位置にて支軸84により揺動自在に支持されている。
【0005】
また、揺動アーム83の他端には偏心カム85が圧接状態に保持されている。この偏心カム85は、ステアリングモータ86の出力軸86a上に軸着されている。また、ステアリングモータ86の駆動軸86aにはスリット板87が軸着されている。スリット板87の近傍には、発光素子と受光素子を対向配置したフォトインタラプタ88が設けられ、そのフォトインタラプタ88の光軸を遮る状態でスリット板87が配置されている。
【0006】
上記構成においては、中間転写ベルト81の走行中に図示せぬ検出センサによってベルトの蛇行が検出され、その検出結果に基づいてステアリングモータ86の駆動状態が制御される。すなわち、中間転写ベルト81がその幅方向において正規の位置で走行しているときは、図11(a)に示すようにステアリングロール82がほぼ水平状態に保持される。
【0007】
これに対して、図示せぬ検出センサにより中間転写ベルト81の蛇行が検出されると、その蛇行方向に応じてステアリングモータ86が回転駆動する。
例えば、図11(b)に示す矢印方向にベルトの蛇行(ウォーク)が発生した場合は、ステアリングモータ86の回転駆動に連動して、その駆動軸86a上の偏心カム85が回転する。そうすると、偏心カム85の偏心量に応じて揺動アーム83が支軸84を中心に揺動し、これによってステアリングロール82の一端側(出力軸82a)が上がる方向でステアリングロール82が傾き動作する。
これにより、ステアリングロール82に巻き付けられた中間転写ベルト81は、その蛇行方向と反対方向に戻されるため、結果としてベルトの蛇行が修正される。
【0008】
一方、図11(c)に示す矢印方向にベルトの蛇行(ウォーク)が発生した場合は、先程と逆方向にステアリングモータ86が回転駆動することで、ステアリングロール82の一端側(82a)が下がる方向でステアリングロール82が傾き動作する。これにより、ステアリングロール82に巻き付けられた中間転写ベルト81は、上記同様にその蛇行方向と反対方向に戻されるため、結果としてベルトの蛇行が修正される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来においては、ステアリングロール82の傾き角度を所望値に合わせるため、実際にステアリングロール82を傾き動作させるにあたって、その基準となる位置を以下のように設定している。
すなわち、ステアリングモータ86を一方向に回転させつつ、スリット板87のスリット部分87a(図10参照)がフォトインタラプタ88の光軸を通過したタイミングを、フォトインタラプタ88からのオン/オフ信号によって検知し、その検知タイミングにおける偏心カム85の回転角度等を基準にステアリングロール82の傾き動作を制御している。
【0010】
しかしながら、基準位置の設定用としてフォトインタラプタ88などの光学センサ、あるいはマイクロスイッチ等を用いた場合は、そのセンサ出力信号を処理するための電気系統が必要になるうえ、センサ自体のコストも高いため、▲1▼構成が複雑になる、▲2▼信頼性に欠ける、▲3▼装置コストの上昇を招く、などの問題があった。
【0011】
また、ステアリングモータ86の駆動軸86aに対して、偏心カム85及びスリット板87を取り付ける場合、両者の回転方向の相対位置を精度良く合わせるのが難しく、さらにスリット板87とフォトインタラプタ88の取付公差も誤差要因に累積されるため、それらの累積誤差によって、画像形成装置毎に基準位置がばらついてしまう。
そうすると、制御系で認識しているステアリングロール82の傾き量と、実際の傾き量との間にずれが生じ、中間転写ベルト81の蛇行を適切に修正できなくなる。特に、前述した各色毎に画像形成ユニットを備えたカラー画像形成装置では、中間転写ベルト81の蛇行が適切に修正されないと色ずれや色むらなどが発生し、出力画質が著しく低下してしまう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、無端ベルトと、この無端ベルトを所定の張力をもって支持する所定数のロールとを有し、前記所定数のロールのうちのいずれかを駆動ロールとし、この駆動ロールの回転によって前記無端ベルトを走行させるベルト駆動装置において、前記無端ベルトの蛇行を修正するための駆動源と、前記駆動源の駆動力をもって動作する中間駆動体と、前記所定数のロールとともに前記無端ベルトを支持するとともに、前記中間駆動体の動作に連動して傾き動作する蛇行修正ロールと、前記中間駆動体を位置決めする突き当て機構と、前記中間駆動体を前記突き当て機構により位置決めした状態から所定量動作させた位置を前記中間駆動体の動作基準位置として設定する基準位置設定手段とからなる蛇行修正機構を備えた構成を採用している。
【0013】
このベルト駆動装置においては、駆動源の駆動力をもって中間駆動体を動作させると、これに連動して蛇行修正ロールが傾き動作する。このとき、蛇行修正ロールの傾き動作(傾き量及び傾き角度)を適宜制御することにより、無端ベルトの蛇行を修正することが可能となる。一方、中間駆動体の動作基準位置は、その中間駆動体の動作範囲を突き当て機構により規制した状態、又はその規制状態から駆動源を所定量だけ駆動した状態で設定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明が適用される画像形成装置の構成例を示す概略図である。
図1においては、無端ベルトからなる中間転写ベルト1が、駆動ロール2、ステアリングロール3、二次転写ロール4及び従動ロール5,6,7により、所定の張力をもって支持されている。また、中間転写ベルト1上には、その走行方向(図の矢印方向)に従って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した画像形成ユニット8,9,10,11が順に配設されている。
【0015】
各々の画像形成ユニット8,9,10,11は、それぞれ図示せぬ装置本体フレームに回転可能に支持された感光体ドラム8a,9a,10a,11aと、各々の感光体ドラム8a,9a,10a,11aの表面をレーザビーム等で露光走査する画像書込み部8b,9b,10b,11bを有している。また、各々の感光体ドラム8a,9a,10a,11aの周囲には、そのドラム回転方向(図の時計廻り方向)に従って、帯電器8c,9c,10c,11c、現像器8d,9d,10d,11d、一次転写ロール8e,9e,10e,11e及びクリーナー8f,9f,10f,11fが順に配設されている。
【0016】
さらに中間転写ベルト1の走行経路上には、ベルトホームセンサ12とベルトエッジセンサ13とが配置されている。このうち、ベルトホームセンサ12は、中間転写ベルト1のエッジ近傍に設けられたマーク等を検知するもので、ベルト走行方向においてイエロー(Y)の画像形成ユニット8の上流側に配置されている。ベルトエッジセンサ13は、中間転写ベルト1のエッジ部分の位置変動を検出するもので、ベルト走行方向においてブラック(K)の画像形成ユニット11の下流側(ステアリングロール3の手前)に配置されている。
【0017】
ここで、画像形成対象となる用紙14は図示せぬ給紙カセットに収容され、その給紙カセットの用紙繰出側に設けられたピックアップロール15により一枚ずつ繰り出される。繰り出された用紙14は、所定数のロール対16により図中破線で示す経路を辿って搬送され、二次転写ロール4の圧接位置へと送られる。
【0018】
上記構成からなる画像形成装置においては、駆動ロール2の回転によって中間転写ベルト1が図中矢印方向に走行する。そして、実際の画像形成動作では、中間転写ベルト1の走行中において、ベルトホームセンサ12からの検知信号を基準に各々の画像形成ユニット8,9,10,11で画像の書き込みが開始される。これに伴い、中間転写ベルト1上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色画像が順に重ね転写(一次転写)され、これによって一つのカラー画像が形成される。その後、カラー画像は中間転写ベルト1の走行とともに二次転写ロール4へと送り込まれ、そこで中間転写ベルト1上のカラー画像が用紙14に一括転写(二次転写)される。カラー画像が転写された用紙14は、用紙搬送系17によって定着器18に送られ、そこで画像の定着処理(加熱、加圧等)がなされたのち、図示せぬトレイに排出される。
【0019】
こうした一連の画像形成動作において、中間転写ベルト1の位置がその幅方向(ラテラル方向)に蛇行してずれると、各々の画像形成ユニット8,9,10,11によって中間転写ベルト1上に転写される画像の位置に相対的なずれが生じ、これが出力画像(カラー画像)の色ずれや色むらとなって現れる。
そこで、中間転写ベルト1の蛇行を修正すべく、ステアリングロール3を傾き動作させる構成が組み込まれている。
【0020】
図2は中間転写ベルト1の蛇行修正のための制御構成を示す概略図である。
図2において、ステアリング制御部19は、蛇行修正のための駆動源となるステアリングモータ20を制御するもので、そのためのモータ制御信号をステアリングモータ20に与える。ステアリングモータ20としては、その回転角度を高精度に制御可能なステッピングモータ等が用いられる。また、ステアリング制御部19には、前述したベルトホームセンサ12とベルトエッジセンサ13とが接続されており、ベルトホームセンサ12からはベルトホーム信号が、ベルトエッジセンサ13からはベルトエッジ信号がそれぞれ入力されようになっている。
【0021】
ベルトエッジセンサ13は、中間転写ベルト1の蛇行状態(蛇行量、蛇行方向)として、その蛇行により生じるベルトエッジの位置変動を検出するもので、本実施形態では図3に示すようにLED(Light Emitting Diode)13aと光量センサ13bによって構成されている。このベルトエッジセンサ13においては、LED13aから出射された光が光量センサ13bに入射されると、その入射光量に応じたセンサ出力が上記ベルトエッジ信号としてステアリング制御部19に与えられる。このとき、ベルトエッジセンサ13の出力レベルは、中間転写ベルト1の蛇行方向(ベルト幅方向)におけるベルトエッジの位置によって変化するため、そのセンサ出力レベルを基にステアリング制御部19では中間転写ベルト1の蛇行量及び蛇行方向を認識することが可能となる。
【0022】
図4は本発明に係る蛇行修正機構の一実施形態を説明するもので、図中(a)はその平面図、(b)はそのB−B断面図である。
図4において、中間転写ベルト1はステアリングロール3に所定のラップ角度をもって巻き付けられている。ステアリングロール3は本発明における蛇行修正ロールに相当するもので、その回転軸3aは揺動アーム21の一端に回転自在に嵌合されている。揺動アーム21は、その中間位置にて支軸22により揺動自在に支持されている。
【0023】
また、揺動アーム21の他端には円形の偏心カム23が圧接状態に保持されている。これら揺動アーム21及び偏心カム23は、本発明における中間駆動体に相当するもので、両者の圧接状態は、揺動アーム21の一端に作用する中間転写ベルト1の張力、あるいは図示せぬバネの力を利用して保持されている。
【0024】
一方、蛇行修正のための駆動源となるステアリングモータ20の出力軸20aには、スリップクラッチ24を介して駆動軸25が同軸状に連結されている。そして、その駆動軸25に前述の偏心カム23が軸着されている。ここで、スリップクラッチ24は、ステアリングモータ20を駆動した際に、その駆動力(回転力)を出力軸20aから駆動軸25へと伝達するとともに、所定の負荷トルクが発生した場合に、両者間での駆動力伝達を断つもので、本発明におけるクラッチ機構に相当するものである。
【0025】
さらに、偏心カム23の側面には、その直径方向に沿って位置決め部材26がネジ等を用いて取り付けられている。この位置決め部材26は偏心カム23と一体に動作するもので、スリップクラッチ24を介して伝達された駆動力により駆動軸25が回転した際には、その駆動軸25を中心に周回移動する。
【0026】
これに対して偏心カム23の近傍には、突き当て部材27が配設されている。この突き当て部材27は、例えば図示せぬ装置本体フレームにネジ等を用いて支持され、その支持状態において位置決め部材26の周回移動経路に進出して配置されている。そして、これら位置決め部材26と突き当て部材27により、本発明における突き当て機構が構成されている。
【0027】
上記構成からなる画像形成装置においては、中間転写ベルト1の走行中に、そのベルトエッジの位置変動がベルトエッジセンサ13により検出される。このとき、ベルトエッジセンサ13からの検出出力に基づいて中間転写ベルト1の蛇行がステアリング制御部19で認識されると、その蛇行方向と蛇行量に応じたモータ制御信号がステアリングモータ20に与えられる。
【0028】
そうすると、ステアリング制御部19から与えられたモータ制御信号によりステアリングモータ20が回転駆動し、その駆動力がスリップクラッチ24を介して出力軸20aから駆動軸25へと伝達される。これにより、駆動軸25と一体に偏心カム23が回転するため、その偏心カム23の偏心量に応じて揺動アーム21が支軸22を中心に揺動し、これに連動してステアリングロール3の一端側(回転軸3a)が中間転写ベルト1の張力印加方向と略直交する方向(上・下方向)に移動する。
【0029】
その際、ステアリングロール3は、ステアリングモータ20の回転方向及び回転量に応じて傾き動作する。これにより中間転写ベルト1は、ステアリングロール3の傾き動作によってその蛇行方向と反対方向に戻される。したがって、ベルトエッジセンサ13からの検出出力を基にステアリング制御部19がステアリングモータ20の駆動状態(回転量及び回転角度)を適宜制御することにより、中間転写ベルト1の蛇行を修正することが可能となる。
【0030】
また、こうした中間転写ベルト1の蛇行修正動作に先立ち、中間駆動体の一構成要素である偏心カム23の動作基準位置は以下のような手順で設定される。
すなわち、図5に示すように、先ず、ステアリング制御部19から与えられるモータ制御信号に従ってステアリングモータ20が所定の方向に回転駆動を開始する(ステップS1)。これにより、ステアリングモータ20の駆動力がスリップクラッチ24を介して駆動軸25に伝達され、かつその駆動軸25と一体に偏心カム23が回転動作する。このとき、ステアリングモータ20の回転方向は、偏心カム23が図4(b)の時計廻り(図の矢印方向)に回転するように制御される。
【0031】
次いで、偏心カム23に付随する位置決め部材26が周回移動し得る最大量(例えば360°の回転角)をもってステアリングモータ20を回転駆動したら、その時点でステアリングモータ20の駆動を停止する(ステップS2)。このとき、回転動作前の偏心カム23がいずれの角度で停止していたとしても、ステアリングモータ20が回転している間に位置決め部材26が突き当て部材27に突き当たる。この突き当て状態では、偏心カム23の回転動作範囲が規制されるとともに、出力軸20aから出力軸25への駆動力伝達がスリップクラッチ24により断たれる。したがって、位置決め部材26が突き当て部材27に突き当たった状態で、更にステアリングモータ20が駆動しても、両者の突き当て状態はステアリングモータ20の駆動が停止するまで維持される。
【0032】
そこで、ステアリング制御部19では、ステアリングモータ20の駆動が完全に停止した後に、再びモータ制御信号を出力し、今度は先程と反対方向に一定量だけステアリングモータ20を回転駆動させる。これにより、偏心カム23は図4(b)の反時計廻り(図の矢印と反対方向)に一定の角度だけ回転動作して停止し、この状態で偏心カム23の動作基準位置がステアリング制御部19にて設定される(ステップS3)。
【0033】
このように本実施形態においては、中間駆動体の構成要素となる偏心カム23に位置決め部材26を取り付けるとともに、この位置決め部材27を突き当て部材27に突き当てることによって、偏心カム23の動作基準位置を設定する構成を採用しているため、従来のように光学センサ等を使用しなくても、中間駆動体の動作基準位置を高精度に設定することが可能となる。
【0034】
また、従来においては偏心カムとスリット板の回転方向の相対位置を精度良く合わせるのが困難となっていたが、本実施形態の場合は、回転方向における部品相互の位置合わせが不要となるうえに、偏心カム23に対する位置決め部材26の位置出しを容易に行えるため、画像形成装置毎の基準位置のばらつきを大幅に低減することもできる。これにより、ステアリング制御部19等の制御系で認識しているステアリングロール3の傾き量と、実際の傾き量とが一致するようになるため、中間転写ベルト1の蛇行を、より適切に修正することが可能となる。
【0035】
さらに、偏心カム23の動作基準位置を設定するための構成としては、ステアリングモータ20の出力軸20aに図示せぬカップリング部材等を介して駆動軸25を直結させ、ステアリングモータ20の駆動によって位置決め部材26を突き当て部材27に突き当てた際に生じる負荷トルクでステアリングモータ20を脱調させることでも同様に設定可能であるが、上記実施形態のようにスリップクラッチ24を介して軸同士を連結した方が、ステアリングモータ20や他の構成部品にかかる負荷を軽減できることから、より好適なものとなる。
【0036】
なお、上記実施形態においては、位置決め部材26を突き当て部材27に突き当てた状態(偏心カム23の回転動作範囲を規制した状態)から、ステアリングモータ20を一定量だけ回転させた状態で、偏心カム23の動作基準位置を設定するようにしたが、ステアリングロール3の傾き動作を制御するうえでは、位置決め部材26を突き当て部材27に突き当てた状態で偏心カム23の動作基準位置に設定してもかまわない。ただし、その場合は、動作基準位置に配置された偏心カム23の回転方向が、突き当て部材27によって一方向のみに制限されるため、ステアリングロール3の傾き動作を制御するには、位置決め部材26との突き当て位置から突き当て部材27を退避させる手段を付設するか、位置決め部材26が突き当て部材27から離れる方向でステアリングモータ10を所定量だけ回転させる必要がある。
【0037】
また、中間転写ベルト1の蛇行状態(蛇行量、蛇行方向等)を検出するセンサとしても、例えば図6に示すように、中間転写ベルト1のエッジ部分にバネ28の力で接触する接触子29を設けるとともに、この接触子29を支軸30で揺動自在に支持し、中間転写ベルト1が蛇行した際の接触子29の変位を変位センサ31で測定する接触型のセンサを採用することも可能である。
【0038】
さらに本発明に係る蛇行修正機構のメカ構成としては、上記実施形態のように偏心カム23の回転動作とこれに伴う揺動アーム21の揺動動作に連動してステアリングロール3を傾き動作させる構成以外にも、種々の変形が可能である。
以下に、蛇行修正機構の具体的な変形例について説明する。
【0039】
図7は蛇行修正機構の第1変形例を説明する側面図である。
図7において、ステアリングロール3の回転軸3aは、揺動アーム32の一端に回転自在に嵌合されている。揺動アーム32は、その中間位置にて支軸33により揺動自在に支持されている。また、揺動アーム32の他端にはナット部材34が連結されている。ナット部材34はボールネジ35に噛合し、そのボールネジ35の回転方向に応じて図中矢印方向に移動可能に支持されている。そしてこの第1変形例においては、揺動アーム32、ナット部材34及びボールネジ35によって中間駆動体が構成されている。
【0040】
図8は上記揺動アーム32とナット部材34の連結構造を説明する図であり、図中(a)はその正面図、(b)はそのC−C断面図である。
図示のようにナット部材34には係合ピン34aが設けられている。これに対して、揺動アーム32の他端には長孔32aが設けられ、この長孔32aにナット部材34の係合ピン34aが係合されている。また、係合ピン34aの先端部には抜け止め用のリング部材36が装着されている。
【0041】
一方、ボールネジ35の一端には、図7に示すようにスリップクラッチ37を介してステアリングモータ38の出力軸38aが同軸状に連結されている。また、ボールネジ35の他端には突き当て部材39が設けられている。
【0042】
上記構成からなる蛇行修正機構において、ステアリングモータ38が駆動すると、その駆動力がスリップクラッチ37を介して出力軸38aからボールネジ35へと伝達される。これにより、ボールネジ35が回転するとともに、その回転方向に応じてナット部材34が移動する。そうすると、ナット部材34の移動方向に応じて揺動アーム32が支軸33を中心に揺動し、これに連動してステアリングロール3が傾き動作する。したがって、先述の実施形態と同様にステアリングモータ38の駆動状態(回転量及び回転角度)を適宜制御することにより、中間転写ベルト1の蛇行を修正することが可能となる。
【0043】
また、中間駆動体の動作基準位置を設定する場合は、ナット部材37が突き当て部材39に近づく方向でステアリングモータ38を回転駆動する。このときのモータ駆動量は、ナット部材34がボールネジ35に沿って移動し得る最大量に設定される。これにより、ナット部材34は、ステアリングモータ38が回転している間に突き当て部材39に突き当たるため、先述の実施形態と同様に光学センサ等を用いることなく、中間駆動体の動作基準位置を高精度に設定することが可能となる。
【0044】
図9は蛇行修正機構の第2変形例を説明する側面図である。
図9において、ステアリングロール3の回転軸3aは、揺動アーム40の一端に回転自在に嵌合されている。揺動アーム40は、その中間位置にて支軸41により揺動自在に支持されている。また、揺動アーム40の他端には、例えばカムフォロアからなる突き当て部材42が取り付けられている。この突き当て部材42は、中間転写ベルト1の張力や図示せぬバネの力などを利用して板カム43の外周面に圧接状態に保持されている。
【0045】
板カム43は、図示せぬステアリングモータの駆動力を受けて回転駆動する駆動軸44に軸着されている。また、板カム43の外周形状は、その回転中心となる駆動軸44からカム外周までの距離が徐々に変化するように設定されており、しかもその駆動軸44からの距離が最大と最小になる境目部分には段付部43aが一体に形成されている。そしてこの第2変形例では、揺動アーム40及び板カム43によって中間駆動体が構成されている。
【0046】
上記構成からなる蛇行修正機構において、図示せぬステアリングモータが駆動すると、その駆動力を受けて駆動軸44と一緒に板カム43が回転動作し、その回転方向に応じて突き当て部材42の位置が上方又は下方に移動する。これにより、揺動アーム40は支軸41を中心に揺動し、これに連動してステアリングロール3が傾き動作する。したがって、図示せぬステアリングモータの駆動状態(回転量及び回転角度)を適宜制御することにより、中間転写ベルト1の蛇行を修正することが可能となる。
【0047】
また、中間駆動体の動作基準位置を設定する場合は、板カム43が図の矢印方向に回転する方向で、図示せぬステアリングモータを回転駆動する。このときのモータ駆動量は、板カム43が回転動作し得る最大量(回転角で360°)に設定される。これにより、板カム43の段付部43aは、ステアリングモータが回転している間に突き当て部材42に突き当たるため、先述の実施形態と同様に光学センサ等を用いることなく、中間駆動体の動作基準位置を高精度に設定することが可能となる。
【0048】
なお、上記実施形態においては、無端ベルトからなる中間転写ベルト1を備えた画像形成装置への適用例について説明したが、本発明に係るベルト駆動装置は、無端ベルトからなる感光体ベルト又は用紙搬送ベルトを備えた画像形成装置にも同様に適用することが可能であり、さらに画像形成装置以外にも、無端ベルトを駆動ロールによって走行させるベルト駆動装置全般に広く適用することが可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るベルト駆動装置によれば、無端ベルトの蛇行を修正する蛇行修正機構において、従来のように光学センサ等を使用しなくても、中間駆動体の動作範囲を規制する突き当て機構を用いて中間駆動体の動作基準位置を高精度に設定することが可能となる。これにより、光学センサ等はもちろん、そのセンサ出力信号を処理する電気系統が不要となるため、装置構成の簡素化が図られるとともに、信頼性に優れた低コストのベルト駆動装置を提供することが可能となる。また、中間駆動体の動作基準位置を設定するためのメカ構成として、回転方向における部品相互の位置合わせが不要となるため、装置毎の基準位置のばらつきを低減することも可能となる。
【0050】
さらに、本発明に係るベルト駆動装置を備えた画像形成装置によれば、無端ベルトからなる中間転写ベルト、感光体ベルト又は用紙搬送ベルトの蛇行を、より適切に修正することが可能となるため、中間転写ベルト等の蛇行に起因する色ずれや色むらを防止して、高品位な出力画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される画像形成装置の構成例を示す概略図である。
【図2】 蛇行修正のための制御構成を示す概略図である。
【図3】 ベルトエッジセンサの具体的な構成を示す図である。
【図4】 本発明に係る蛇行修正機構の一実施形態を説明する図である。
【図5】 中間駆動体の動作基準位置の設定手順を示すフローチャートである。
【図6】 ベルトエッジセンサの他の構成を示す図である。
【図7】 蛇行修正機構の第1変形例を説明する側面図である。
【図8】 蛇行修正機構の第1変形例の部分的な構造説明図である。
【図9】 蛇行修正機構の第2変形例を説明する側面図である。
【図10】 従来における蛇行修正機構の一例を説明する図である。
【図11】 ロールの傾き動作による蛇行修正の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1…中間転写ベルト、2…駆動ロール、3…ステアリングロール、13…ベルトエッジセンサ、19…ステアリング制御部、20,38…ステアリングモータ、21,32,40…揺動アーム、23…偏心カム、24,37…スリップクラッチ、25…駆動軸、26…位置決め部材、27,39,42…突き当て部材、34…ナット部材、35…ボールネジ、43…板カム、43a…段付部
Claims (3)
- 無端ベルトと、この無端ベルトを所定の張力をもって支持する所定数のロールとを有し、前記所定数のロールのうちのいずれかを駆動ロールとし、この駆動ロールの回転によって前記無端ベルトを走行させるベルト駆動装置において、
前記無端ベルトの蛇行を修正するための駆動源と、前記駆動源の駆動力をもって動作する中間駆動体と、前記所定数のロールとともに前記無端ベルトを支持するとともに、前記中間駆動体の動作に連動して傾き動作する蛇行修正ロールと、前記中間駆動体を位置決めする突き当て機構と、前記中間駆動体を前記突き当て機構により位置決めした状態から所定量動作させた位置を前記中間駆動体の動作基準位置として設定する基準位置設定手段とからなる蛇行修正機構を備える
ことを特徴とするベルト駆動装置。 - 前記蛇行修正機構は、前記駆動源の駆動力を前記中間駆動体に伝達するとともに、前記中間駆動体の動作範囲が前記突き当て機構により規制された状態で、前記駆動源から前記中間駆動体への駆動力伝達を断つクラッチ機構を具備する
ことを特徴とする請求項1記載のベルト駆動装置。 - 請求項1又は2記載のベルト駆動装置を備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
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JP10075498A JP3716612B2 (ja) | 1998-04-13 | 1998-04-13 | ベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置 |
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-
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