JP5921150B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成時にステアリングローラを外部から強制的に傾動させてベルト部材の寄り移動を制御する画像形成装置、詳しくは非画像形成時にベルト部材の寄り移動を停止した状態でステアリングローラの駆動の原点位置を設定する制御に関する。
トナー像を像担持体に形成して直接又は中間転写体を介して記録材に転写し、トナー像を転写された記録材を、定着装置の加熱ニップで加熱加圧して、画像を記録材に定着させる画像形成装置が広く用いられている。画像形成装置には、中間転写ベルト、記録材搬送ベルト、転写ベルト、定着ベルトと言った無端状のベルト部材が搭載され、ステアリング方式を用いて寄り制御されている。ステアリング方式では、ベルト部材の内側面を支持して回転する1本又は2本のステアリングローラが、ステアリングローラの回転軸線方向に発生するベルト部材の寄り移動を相殺するように、傾動量をリアルタイムに制御される(特許文献1)。
特許文献2には、ステアリングローラの端部を揺動可能に支持するレバーを偏心カムで昇降させて、ステアリングローラを傾動させるステアリング装置が示されている。ここでは、偏心カムの昇降ストロークの中心に、ステアリングローラの傾動の原点位置を機械的に合せている。
特許文献3には、ステアリングローラがベルト部材の回転に駆動されて傾動する自動調芯(セルフアライメント)状態で、ベルト部材の寄り移動を相殺するように寄り制御が自律的に実行されるベルト搬送装置が示されている。
特開2000−34031号公報 特開平11−292338号公報 特開2010−281963号公報
図2を参照して、特許文献2に示されるステアリング装置の課題を説明する。ステアリング装置(3)では、偏心カム(103)の駆動可能範囲の中心(Q0)へステアリングローラ(35)を位置決めても、通常は、ベルト部材(10)を回転させると、部材の機械的な取り付け精度に起因して、ベルト部材に寄り移動が発生してしまう。このため、ベルト部材(10)に寄り移動が発生しない制御上の原点位置は、ステアリング装置の偏心カム(103)による駆動可能範囲の中心(Q0)からずれた位置(Q1)となる。
つまり、偏心カムの駆動可能範囲の中心(Q0)からの制御量に対して、ベルト部材(10)を寄り移動させる方向(偏心カム103を回転させる方向)によって発生するベルト部材(10)の寄り移動の速度は非対称となってしまう。これにより、ベルト部材(10)に十分な寄り移動の速度がでなかったり(図6(b)の手前側制御範囲)、ステアリングローラ(35)とベルト部材(10)に滑りが発生する非線形領域で制御が行われたりする(図6(b)の奥側制御範囲)可能性がある。
あるいは、ベルト部材(10)の初期の寄り移動を収束させた制御上の原点位置(Q1)からのカム(103)の同一の回動量に対して、偏心カム103を回転させる方向が異なると、発生するベルト部材(10)の寄り移動の速度の絶対値が違ってくる。その結果、同一の寄り移動の速度の絶対値を前提としたPID制御等の精度が損なわれる。
特許文献3に示されるステアリング装置では、ステアリングローラが自律的に傾動してベルト部材に寄り移動が発生しない傾動量が自動設定される。しかし、外側からステアリングローラを駆動していないため、記録材の搬送やトナー像の形成/転写に伴って想定外の外乱が発生すると、ステアリングローラの傾動状態が不安定になる可能性がある。
本発明は、ステアリング装置の機械的な原点位置でベルト部材の寄り移動が無くなるようにステアリング装置とステアリングローラの連結を調整して、画像形成時にベルト部材を安定して精密に寄り制御できる画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、無端状のベルト部材と、傾動して前記ベルト部材を寄り制御するステアリングローラと、前記ステアリングローラを外部から駆動して傾動させることにより前記ベルト部材を強制的に寄り制御することが可能なステアリング装置と、前記ステアリングローラを傾動自在に支持して、前記ステアリングローラが前記ベルト部材の回転に駆動されて自律的に傾動することが可能な自動調芯装置と、前記ステアリングローラを前記ステアリング装置による駆動から切り離して前記自動調芯装置による傾動自在な状態に切り替えることが可能な切り替え装置と、前記切り替え装置を制御して、前記自動調芯装置による前記ベルト部材の自律的な寄り制御から前記ステアリング装置による前記ベルト部材の強制的な寄り制御へ移行させる制御手段とを備えるものである。
本発明の画像形成装置では、ステアリングローラに自動調芯状態を設定してベルト部材の寄り移動を自律的に解消させた状態で、ステアリング装置にステアリングローラを連結して、ステアリング装置による強制的な寄り制御へ移行させる。
したがって、機械的な原点位置で待機させたステアリング装置にベルト部材の寄り移動が無くなった状態のステアリングローラを連結できる。これにより、ステアリング装置の機械的な原点位置でのベルト部材の寄り移動を解消でき、その後は、ステアリング装置によって、ベルト部材を安定して精密に寄り制御できる。
画像形成装置の構成の説明図である。 実施例1のステアリング装置の構成の説明図である。 ベルトエッジセンサの説明図である。 ステアリングローラの傾きとベルト寄り速度の関係の説明図である。 自動調芯ローラによる寄り制御の説明図である。 ステアリングローラの傾動量と寄り補正速度の関係の説明図である。 自動調芯ローラとステアリング制御の切り替え機構の説明図である。 実施例1のホームポジション設定制御のフローチャートである。 実施例4における画像形成装置の構成の説明図である。 中間転写ベルトの走行方向の傾きの説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、ステアリングローラを自動調芯状態からステアリング装置による寄り制御へ移行させて画像形成を実行する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、中間転写ベルトに限らず、記録材搬送ベルト、転写ベルト、定着ベルト等、画像形成装置に搭載されるベルト搬送機構で実施できる。画像形成装置は、タンデム型/1ドラム型、中間転写型/記録材搬送型、帯電方式、静電像形成方式、現像方式、転写方式、定着方式の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト10に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部22、23、24、25を配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部22では、感光ドラム30にイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト10に転写される。画像形成部23では、画像形成部22と同様な手順でマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト10上のイエロートナー像に重ねて転写される。画像形成部24、25では、画像形成部22と同様な手順でシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト10に順次重ねて転写される。
二次転写ローラ37は、対向ローラ36に内側面を支持された中間転写ベルト10に当接して二次転写部T2を形成する。記録材カセット51から引き出された記録材Pは、分離ローラ52で1枚ずつに分離して、レジストローラ53へ送り出される。レジストローラ53は、中間転写ベルト10のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ記録材Pを送り出す。
中間転写ベルト10に担持された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ一括二次転写される。トナー像と重ねて記録材Pが二次転写部T2を挟持搬送される過程で、二次転写ローラ37に電圧が印加されることにより、フルカラートナー像が中間転写ベルト10から記録材Pへ二次転写される。転写されずに中間転写ベルト10に残った転写残トナーは、ベルトクリーニング装置39によって回収される。
四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、中間転写ベルト10から曲率分離して定着装置50へ送り込まれる。定着装置50は、記録材Pを加熱加圧してトナーを融解して表面に画像を定着させる。その後、記録材Pが機体外へ排出される。
画像形成部22、23、24、25は、それぞれの現像装置で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、イエローの画像形成部22についてトナー像の形成プロセスを説明し、他の画像形成部23、24、25に関する重複した説明を省略する。
画像形成部22は、感光ドラム30の周囲に、コロナ帯電器26、露光装置29、現像装置28、転写ローラ33、ドラムクリーニング装置27を配置している。感光ドラム30は、帯電極性が負極性の感光層を表面に形成され、所定のプロセススピードで矢印R1方向に回転する。コロナ帯電器26は、コロナ放電に伴う荷電粒子を照射して感光ドラム30の表面を、負極性の暗部電位VDに帯電させる。露光装置29は、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム30の表面に画像の静電像を書き込む。
現像装置28は、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を帯電させて、現像スリーブ28sに担持させて感光ドラム30との対向部へ搬送する。直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブ28sに印加することで、負極性に帯電した非磁性トナーが相対的に正極性になった感光ドラム30の露光部分へ移転して静電像が反転現像される。
転写ローラ33は、中間転写ベルト10の内側面を押圧して、感光ドラム30と中間転写ベルト10の間に転写部T1を形成する。転写ローラ33に正極性の電圧を印加することで、感光ドラム30に担持されたトナー像が中間転写ベルト10へ転写される。ドラムクリーニング装置27は、感光ドラム30にクリーニングブレードを摺擦させて、中間転写ベルト10への転写を逃れて感光ドラム30に残った転写残トナーを回収する。
<ベルト駆動機構>
ベルト駆動機構2は、従動ローラ31、32、転写ローラ33、駆動ローラ34、ステアリングローラ35、対向ローラ36に対して中間転写ベルト10が張架されて回転可能である。従動ローラ31、32は、感光ドラム30の転写面を支持して感光ドラム30と中間転写ベルト10の接触状態を一定に保つ。駆動ローラ34は、回転駆動されて中間転写ベルト10を回転させる。ステアリングローラ35は、中間転写ベルト10のテンションローラを兼ねている。ステアリングローラ35は、水平方向へ移動可能に取り付けられ、中間転写ベルト10の内側から外側へ向かって加圧されて、中間転写ベルト10に一定の張力を付与している。
ベルト駆動機構2を採用した画像形成装置1では、数多くの機能の向上を図ることが可能になった反面、運転時の中間転写ベルト10に無端ベルト機構特有の現象である寄り移動や蛇行が発生する。中間転写ベルト10の寄り移動や蛇行は、ベルト駆動機構2を始め、中間転写ベルト10自身の機械的精度、中間転写ベルト10の特性変化、記録材Pが中間転写ベルト10に接触することによって生じる衝撃、振動、ねじり力等が原因となっている。
このため、画像形成装置1では、ステアリング装置3を設けて、中間転写ベルト10の寄り移動や蛇行を抑制している。ステアリング装置3は、中間転写ベルト10に寄り移動や蛇行が生じた場合、中間転写ベルト10の寄り位置を検出し、検出された寄り位置に応じてステアリングローラ35の傾動量を制御することにより、中間転写ベルト10の寄り移動や蛇行を修正する。ステアリングローラ35は、矢印R35方向の傾動量を任意に変更することによって、中間転写ベルト10の寄り制御を行うことができる。
<ステアリング装置>
図2は実施例1のステアリング装置の構成の説明図である。図3はベルトエッジセンサの説明図である。図4はステアリングローラの傾きとベルト寄り速度の関係の説明図である。図2は図1のステアリングローラ近傍を拡大した図である。
図2に示すように、ステアリング装置3は、ステアリングローラ35を外部から駆動して強制的に傾動させることにより、無端状のベルト部材の一例である中間転写ベルト10を寄り制御することが可能である。駆動機構の一例であるステアリングアーム105、106は、ステアリングローラ35の端部をステアリングローラ35の傾動方向に駆動する。
手前側のステアリングアーム105は、アーム支持部材101にスライドレール(不図示)を介して固定されており、ステアリングアーム105はアーム支持部材101に対してX方向へのスライドが可能である。ステアリングアーム105には長穴105aが備えられている。長穴105aを通されたステアリングローラ35の端部35aは、バネ42によって、ステアリングアーム105を介して+X方向に付勢されている。
奥側のステアリングアーム106にもステアリングアーム105と同様の機構が設けられ、ステアリングアーム105、106によりステアリングローラ35が+X方向に付勢されることで、中間転写ベルト10にテンションが与えられている。なお、実施例1ではステアリングローラ35の両端部がバネ42によって外側へ付勢されて中間転写ベルト10に一定のテンションを付与しているが、ステアリング機能とテンション付与機能とは分離させて、別構成としてもかまわない。
手前側の側板121には、アーム支持部材101がアーム軸104を中心に回動可能に支持されている。アーム支持部材101上には、アーム軸104に対してステアリングローラ35とは反対側の回動端部に、偏心カム103に駆動されるフォロワー102が取り付けられている。フォロワー102に当接するように偏心カム103が設けられ、偏心カム103は、ステアリングモータ41によって回転可能に構成されている。
軸受ホルダ107とステアリングアーム105の間には、軸受ホルダ107をステアリングアーム105に対して着脱可能な圧接部材109が配置されている。圧接部材109を作動させて軸受ホルダ107をステアリングアーム105に固定すると、ステアリングモータ41によってステアリングローラ35を傾動させてベルト寄りを補正する制御が可能となる。ステアリングアーム105とステアリングローラ35の端部35aの接触部分にはベアリング110が備えられ、両部材間の摩擦を低減させている。
制御部4は、中間転写ベルト10の寄り位置を、ベルトエッジセンサ38によって検知する。制御部4は、ベルトエッジセンサ38の出力値が一定になるように、偏心カム103の回動量を制御して、中間転写ベルト10に任意の寄り補正速度を発生させて、中間転写ベルト10を安定して回転させる。
図3に示すように、ベルトエッジセンサ38は、回動軸386を中心にして回動可能なアクチュエータ381がねじりバネ385によって付勢されて中間転写ベルト10のベルトエッジ10aに摺動部382を当接させている。光学式距離センサ383は、アクチュエータ381の下面の反射鏡までの距離を検知する。中間転写ベルト10のベルトエッジ10aの出入りに応答してアクチュエータ381が回転して光学式距離センサ383の出力を変化させる。
図4に示すように、ステアリングローラ35の傾動方向に応じて、中間転写ベルト10の寄り方向が変化する。図4の(a)に示すように、従動ローラ32と、ステアリングローラ35と対向ローラ36が平行に配設されている場合、中間転写ベルト10はステアリングローラ35の回転軸線方向に移動しない。
図2に示すように、ステアリングモータ41が偏心カム103を回動させてフォロワー102を押し下げると、アーム支持部材101がアーム軸104を中心にして矢印+θ方向に回動して、ステアリングローラ35が矢印−φ方向に回動する。その結果、ステアリングローラ35の奥側よりも手前側が高くなるようにステアリングローラ35が傾動して、中間転写ベルト10は、回転に伴って+Y方向に移動する。
図4の(c)に示すように、ステアリングローラ35が奥側の端部35aを上げるように傾くと、矢印R2方向に移動している中間転写ベルト10は+Y方向に寄り移動する。
図2に示すように、ステアリングモータ41が偏心カム103を回動させてフォロワー102を押し上げると、アーム支持部材101がアーム軸104を中心にして−θ方向に回動して、ステアリングローラ35が+φ方向に回動する。その結果、ステアリングローラ35の手前側よりも奥側が高くなるようにステアリングローラ35が傾動して、中間転写ベルト10は、回転に伴って−Y方向に移動する。
図4の(b)に示すように、ステアリングローラ35が手前側の端部35aを下げるように傾くと、矢印R2方向に移動している中間転写ベルト10は−Y方向に寄り移動する。
ところで、このような原理に基づいた中間転写ベルト10の寄り補正方法は、ステアリングローラ35をステアリングモータ41によって外部から強制的に傾動させる以外にも実現可能である。ベルト駆動機構2では、圧接部材109を解除すると、ステアリングローラ35が中間転写ベルト10の回転に駆動されて傾動し、いわゆる自動調芯ローラとして機能して中間転写ベルト10を自律的に寄り補正する。
<自動調芯ローラ>
図5は自動調芯ローラによる寄り制御の説明図である。図5は自動調芯ローラとして動作しているステアリングローラ35を図2のX方向側から見た時の様子を模式的に示している。
図2に示すように、ステアリングローラ35は、中間転写ベルト10を支持して回転し、中間転写ベルト10の回転に駆動されて自律的に傾動する自動調芯状態を設定可能に配置されている。圧接部材109を解除して軸受ホルダ107をステアリングアーム105から切り離すと、軸受ホルダ107に支持されたステアリングローラ35が回動自在になって、自動調芯ローラとしての寄り制御が開始される。
ステアリングローラ35の両端部は、軸受ホルダ107によって回転自在に支持されている。軸受ホルダ107の長手方向の中央にホルダ軸111が備えられている。ホルダ軸111は、上述したステアリングローラ35へのテンション付与を妨げないために、X方向へ入れ子式に伸縮して軸受ホルダ107を水平方向に移動可能に構成されている。
ホルダ軸111は、側板121、122の間に固定された梁123に対して回動自在であるため、圧接部材109を解除した状態で、軸受ホルダ107は、ホルダ軸111を中心とした回動が可能となっている。軸受ホルダ107がホルダ軸111を中心にして自在に回動することで、ステアリングローラ35は、中間転写ベルト10の寄り移動を相殺するように自律的に傾動する。
図5に示すように、中間転写ベルト10の中心がホルダ軸111に対して+Y方向にずれている場合を考える。このとき、中間転写ベルト10とステアリングローラ35との間には摩擦力が発生しており、ステアリングローラ35全体の摩擦力の合力は中間転写ベルト10の中心で力Fとして発生している。
ここで、力Fが発生している中間転写ベルト10の中心と、ステアリングローラ35の回転中心であるホルダ軸111との間の距離がLであったとすると、ステアリングローラ35は、中間転写ベルト10からM=F×Lのモーメントを受ける。そして、M=F×Lのモーメントを受けたステアリングローラ35はM方向に傾動して、図4の(b)に示すように、中間転写ベルト10に−Y方向の寄り移動を発生させる。
つまり、中間転写ベルト10の中心がホルダ軸111に対してずれている効果により、中間転写ベルト10がR2方向に駆動されている時、ステアリングローラ35はM方向に傾く。その結果、ステアリングローラ35の傾きと中間転写ベルト10の寄り補正の原理に基づいて、中間転写ベルト10は−Y方向に移動する。
同様に、中間転写ベルト10の中心がホルダ軸111に対して−Y方向にずれた時には、中間転写ベルト10を+Y方向に移動させるようにステアリングローラ35が−M方向に傾く。
このような自動調芯ローラの効果により、中間転写ベルト10の中心のY座標がホルダ軸111のY座標と略一致するように中間転写ベルト10が回転し続ける。この状態において、ステアリングローラ35は、寄り速度が発生しない姿勢となっている。
<ホームポジション設定>
図6はステアリングローラの傾動量と寄り補正速度の関係の説明図である。図6中、(a)はホームポジションで寄り速度が発生していない場合、(b)はホームポジションで寄り速度が発生している場合である。
図2に示すように、中間転写ベルト10の寄り移動や蛇行による印刷時の各色の色ずれは、特に±Y方向で発生する。そして、各色の色ずれは、中間転写ベルト10が図1に示す各色の画像形成部22〜25間を移動する時に、Y方向に寄り移動することが原因である。そして、外乱による中間転写ベルト10の寄り移動の速度が大きい場合や、寄り移動を相殺するためにステアリングローラ35が発生させる中間転写ベルト10の寄り移動の速度が速いと、各色の色ずれが大きくなる。
ステアリング装置3では、ステアリングローラ35の傾動の基準(ホームポジション)を設定し、ホームポジションからの傾動量を制御する必要がある。そして、ホームポジションでは、ステアリングローラ35において中間転写ベルト10に回転軸線方向の寄り速度が発生しないように、ステアリングローラ35の傾動量を決定することが好ましい。ステアリングローラ35のホームポジションが適切に設定されないと、ホームポジションでも中間転写ベルト10に寄り移動が発生して、ステアリング制御の性能が低下するからである。
図2を参照して図4の(a)に示すように、ステアリングローラ35の傾きがホームポジションにあるときに寄り速度が発生しないとする。また、ホームポジションからの角度である傾動量αをステアリングローラ35に設定したときに、ステアリングローラ35の回転軸線方向に中間転写ベルト10が移動する寄り補正速度pが発生するとする。このとき、傾動量αと寄り補正速度pの関係は図6の(a)のようにα=0を挟んで左右が対称な関係になる。
図6の(a)に示すように、制御部4は、中間転写ベルト10に発生している寄り速度や蛇行を打ち消すような寄り補正速度pをステアリングローラ35で発生させる。これにより、中間転写ベルト10に作用する様々な外力によって生じる中間転写ベルト10の寄り速度や蛇行を抑制する。
しかし、図4の(a)に示すように、ステアリングローラ35の傾きが基準位置にあるときに寄り速度が発生しないとは限らない。
図6の(b)に示すように、ステアリングローラ35のホームポジションで寄り速度が発生していると、α=0を挟んで左右が非対称な関係になる。ホームポジションから外れた傾動量を設定しないと寄り速度が相殺されず、発生している寄り速度と発生させる寄り補正速度pの関係が崩れてしまう。
このため、ステアリングモータ41によってステアリングローラ35を傾動させる寄り制御を開始する際には、寄り補正速度を正確に決定するために、寄り速度がゼロとなるステアリングローラ35の姿勢をホームポジションに設定する必要がある。ステアリングローラ35のホームポジションの設定が適切に実行されないと、ステアリング制御の制御品質が低下する可能性がある。
また、初期状態でステアリングローラ35をホームポジションに設定したときに寄り速度がゼロであったとしても、ベルト駆動機構の機械的精度やベルト特性は状況に応じて変化して寄り速度が発生する場合がある。それらの状況に応じてステアリングローラ35のホームポジションを設定し直すこともできない。
そこで、以下の実施例では、非画像形成時にステアリングローラ35を自動調芯ローラとして作動させて寄り速度がゼロとなるステアリングローラ35の姿勢を作り出す。そして、ステアリング装置3を所定の原点位置で待機させてステアリングローラ35を連結することによって、寄り速度がゼロとなるホームポジションを設定している。ベルト駆動機構の機械的精度やベルト特性に応じてステアリングローラのホームポジションを設定するようにして、ステアリングローラ35によるベルト寄り補正の制御性能を向上させている。
<実施例1>
図7は自動調芯ローラとステアリング制御の切り替え機構の説明図である。図8は実施例1のホームポジション設定制御のフローチャートである。図7は、図2におけるステアリングローラ35の中心軸を通るYZ平面の断面の様子を示す。
図2に示すように、ステアリング装置3は、ステアリングローラ35を外部から駆動して傾動させることにより中間転写ベルト10を強制的に寄り制御することが可能である。自動調芯装置の一例である軸受ホルダ107は、ステアリングローラ35を傾動自在に支持して、ステアリングローラ35が中間転写ベルト10の回転に駆動されて自律的に傾動する自動調芯状態を実現可能である。
切り替え装置の一例である圧接部材109は、ステアリングローラ35をステアリング装置3による駆動から切り離して軸受ホルダ107による傾動自在な状態に切り替えることが可能である。移動部材の一例であるステアリングアーム105、106は、ステアリングローラ35の端部をステアリングローラ35の傾動方向に移動させる。連結手段の一例である圧接部材109は、ステアリングローラ35の端部をステアリングアーム105、106に対して連結と解除が可能に連結する。圧接部材109を解除することによりステアリングローラ35が傾動自在になる。
制御手段の一例である制御部4は、圧接部材109を制御して、軸受ホルダ107による中間転写ベルト10の自律的な寄り制御からステアリング装置3による中間転写ベルト10の強制的な寄り制御へ移行させる。設定モードの一例である原点調整では、ステアリング装置3をステアリングローラ35の傾動に係る駆動範囲の中心位置に待機させて、自動調芯による中間転写ベルト10の自律的な寄り制御中のステアリングローラ35をステアリング装置3による駆動に接続することを実行可能である。
制御部4は、非画像形成時に自動調芯状態のステアリングローラ35による中間転写ベルト10の自律的な寄り制御を実行させ、画像形成時にステアリング装置3による中間転写ベルト10の強制的な寄り制御を実行させる。制御部4は、中間転写ベルト10の自律的な寄り制御の状態で中間転写ベルト10を回転開始させ、中間転写ベルト10が所定の回転速度へ達した後に、ステアリング装置3による中間転写ベルト10の強制的な寄り制御を開始させる。
ステアリング装置3とステアリングローラ35とは圧接部材109によって連結と解除を切り替えることができる。圧接部材109を解除すると、ステアリングローラ35の端部35aは、長穴105aに沿って移動自在になり、ステアリングローラ35が自動調芯ローラとして機能する。圧接部材109を連結すると、ステアリングローラ35の端部35aは、長穴105a上の一点に固定され、ステアリングローラ35は、ステアリング装置3によって駆動を受けて傾動する。
図7に示すように、軸受ホルダ107とステアリングアーム105の間には圧接部材109が配置されている。圧接部材109は、固定部109aと可動部109bとからなるクラッチ機構であり、固定部109aがステアリングアーム105の内側面に固定されている。可動部109bは、固定部109aに組み込まれたソレノイドによって接離方向に相対移動が可能であり、可動部109bは、軸受ホルダ107に対して任意に圧接させ、離間させることができる。
図7の(a)に示すように、可動部109bが軸受ホルダ107から離間した状態では、ステアリングローラ35は、軸受ホルダ107と共に自由に回動することができる。
図7の(b)に示すように、可動部109bが軸受ホルダ107に圧接した状態では、軸受ホルダ107がステアリングアーム105に固定され、ステアリングローラ35の姿勢はステアリングアーム105の位置によって決定される。
実施例1では、図7の(a)に示すように、可動部109bを軸受ホルダ107から離間させて、ステアリングローラ35を自動調芯ローラとして機能させる。このとき、上述したように、ステアリングローラ35は、寄り補正速度が発生しない姿勢となっている。この状態のまま、圧接部材109を動作させて、図7の(b)に示すようにステアリングアーム105に軸受ホルダ107を固定することで、自動調芯ローラとして機能しているステアリングローラ35の姿勢を寄り制御のホームポジションとして取り込む。
図2を参照して図8に示すように、制御部4は、圧接部材109を解除して、ステアリングアーム105と軸受ホルダ107を離間させた後に(S1)、ベルト駆動機構2を起動して中間転写ベルト10を回転開始させる(S2)。
これにより、ステアリングローラ35は自動調芯ローラとして動作開始し、ステアリングローラ35は、中間転写ベルト10から受ける力によって回動して、自律的に中間転写ベルト10を寄り制御する。
制御部4は、ベルトエッジセンサ38の出力を取り込んで、中間転写ベルト10に寄り移動や蛇行がなく、安定して回転していることを判断する(S3)。
制御部4は、ベルトエッジセンサ38の出力が安定したら(S3のYes)、圧接部材109を作動させて、ステアリングアーム105に軸受ホルダ107を固定する(S4)。
以上のような工程により、ステアリングローラ35のホームポジション設定が完了する。以上の動作によって、ステアリングローラ35における寄り補正速度が発生しない姿勢をステアリングローラ35の傾動のホームポジションとして設定することが可能となる。
ステアリング装置3は、ステアリングローラ35の傾動量を強制的に変更するため、ステアリングローラ35のホームポジションの設定が重要である。そのため、実施例1では、ステアリングローラ35を自動調芯ローラとして作動させてホームポジションを検知する。しかし、ホームポジションの設定後は、ステアリングローラ35による強制的な寄り移動制御を行うことで、画像形成時の各色の色ずれを低減させることが可能となる。
すなわち、画像形成時にも、ステアリングローラ35を自動調芯ローラとして動作させることは可能である。しかし、画像形成時にステアリングローラ35を自動調芯ローラとして作動させた場合、寄り移動が発生すると直ちにステアリングローラが傾動するため、きめ細かい制御はできず、結果的に大きな各色の色ずれが発生する可能性がある。二次転写部T2へ記録材が進入した際に大きな外乱が発生すると、過剰応答が発生してステアリングローラ35が一時的に振動状態になることもある。
これに対して、ステアリング装置3は、ステアリングローラ35の傾動量を強制的に決定するので、ステアリングの応答速度と応答ゲインを最適化でき、応答時期をずらすこともできる。ステアリング装置3は、外乱によって発生した中間転写ベルト10のY方向の位置ずれを時間差を設けて緩やかに修正することも可能である。ステアリング装置3は、画像形成部22、23、24、25をトナー像が通過しているときに一時的に傾動量を固定することも可能であり、画像の転写に影響が及ばない状態で寄り補正速度を大きくして画像への影響を軽減することも可能である。ステアリング装置3は、トナー像の転写や記録材の給送に伴って発生する外乱を予測して、先回り的に中間転写ベルト10の寄り移動を抑制することも、積分制御を行うことも可能である。
実施例1では、ステアリングローラ35が自動調芯ローラとして動作すると、ステアリングローラ35が回動して中間転写ベルト10の中心がホルダ軸111と一致する位置を自動的に探し出す。中間転写ベルト10の中心がホルダ軸111と一致した時には、中間転写ベルト10から受ける力によってステアリングローラ35は寄り補正速度が発生しない姿勢を保つ。そして、その姿勢をステアリングローラ35のホームポジションとして設定し、そこを基準にして傾動量を制御することで、ベルト寄り補正の制御性能が向上する。
実施例1では、ベルト駆動機構2の機械的精度や中間転写ベルト10の特性に応じてステアリングローラ35のホームポジションが最適化されるので、ステアリングローラ35によるベルト寄り補正の制御性能が向上する。
実施例1では、ステアリングローラ35が適切な姿勢である時に信号が出力されるように偏心カム103の駆動可能範囲の中心を決定するフォトセンサを設置することが、フォトセンサの性能および取り付け精度にかかわらず容易である。
実施例1では、機械的構成で偏心カム103の駆動可能範囲の中心を検知する場合でも、部品の組み立て精度等にかかわらず、ステアリングローラ35の適切な姿勢からのずれが生じない。
実施例1では、ベルト駆動機構2の機械的精度やベルト特性は状況に応じて変化するが、それらの状況に応じたステアリングローラ35のホームポジションに設定し直すことができる。
なお、実施例1では、軸受ホルダ107をステアリングアーム105に固定する方法として、機械的に圧接する圧接部材109を採用した。しかし、これに限定されるのではなく、エアシリンダ、電磁クラッチ、ネジ締結のように、固定と離間を選択できる構造であれば置き換えて実施できる。
<実施例2>
実施例1では、ステアリングローラ35を自動調芯ローラとして動作させて、ステアリング装置3におけるステアリングローラ35のホームポジション設定を行っている。これに対して、実施例2では、ホームポジション設定に限らず、制御部4は、非画像形成時に自動調芯状態のステアリングローラ35による中間転写ベルト10の自律的な寄り制御を実行させる。そして、画像形成時にステアリング装置3による中間転写ベルト10の強制的な寄り制御を実行させる。
実施例2では、実施例1と同一の機構を使用して、非画像形成時は、常に圧接部材109を解除してステアリングローラ35を自動調芯ローラとして動作させる。画像形成ジョブが入力されて画像形成部22、23、24、25で1枚目の画像が形成される直前に圧接部材109を連結し、最後の画像が記録材に転写し終わると圧接部材109を解除する。そして、圧接部材109を解除している間、ステアリング装置3は、駆動可能範囲の中心(偏心カム103をカム曲線の±0の中心位置に回動した状態)で待機させている。
<実施例3>
実施例3では、ステアリングローラ35のホームポジションを設定するタイミングについて言及する。実施例3では、制御部4は、自動調芯状態のステアリングローラ35による中間転写ベルト10の自律的な寄り制御の状態で中間転写ベルト10を回転開始させる。そして、中間転写ベルト10が所定の回転速度へ達した後に、ステアリング装置3による中間転写ベルト10の強制的な寄り制御を開始させる。
画像形成装置1の電源を入れた時、まず、中間転写ベルト10のクリーニングや光学センサ(不図示)による色ずれ量の検出等の初期動作が実施される。ステアリングローラ35のホームポジションの設定は、これらの初期動作と並行して実施できる。
ステアリングローラ35をステアリング装置3に固定して中間転写ベルト10の回転を開始させる場合、初期動作を実施する前にステアリングローラ35のホームポジション設定を実施する必要がある。これは、ホームポジションが設定されないと、中間転写ベルト10が寄り切ってしまったり、中間転写ベルト10の走行が不安定になって初期動作に影響を及ぼしたりする可能性があるからである。
これに対し、上述したように、ステアリングローラ35を自動調芯ローラとして中間転写ベルト10の回転を開始させる場合、自動調芯ローラとしての効果で速度立ち上がりの過渡状態でも中間転写ベルト10が寄り切ることがない。このため、中間転写ベルト10のクリーニング等の初期動作と並行してホームポジション設定ができ、画像形成装置1の起動ロスタイムが少なくて済む。
また、画像形成装置1内の昇温等が原因となって、ベルト駆動機構2の機械的精度やベルト特性が変化することがある。このような場合にも、画像形成ジョブの中断時等に、一時的にステアリング装置3からステアリングローラ35を切り離してホームポジションを設定し直すことができる。
<実施例4>
図9は実施例4における画像形成装置の構成の説明図である。図10は中間転写ベルトの走行方向の傾きの説明図である。実施例1では、1本のステアリングローラを用いるベルト搬送機構が示されたが、実施例4では、2本のステアリングローラを用いるベルト搬送機構が示される。
相互に離れた2本のステアリングローラを用いるベルト搬送機構の場合、2本のステアリングローラを、同時に、いずれも自動調芯ローラとして動作させることで、中間転写ベルト10の応力を解除する効果が得られる。
図9に示すように、第一ステアリング装置の一例であるステアリング装置3は、第一ステアリングローラの一例であるステアリングローラ35を強制的に傾動させて中間転写ベルト10を寄り制御する。第二ステアリング装置の一例であるステアリング装置7は、第二ステアリングローラの一例であるステアリングローラ45を強制的に傾動させて中間転写ベルト10を寄り制御する。
第一自動調芯装置及び第二自動調芯装置は、ステアリング装置3、7にそれぞれ組み込まれた軸受ホルダ(107:図2)で構成され、ステアリングローラ35及びステアリングローラ45をそれぞれ傾動自在に支持する。第一切り替え装置及び第二切り替え装置は、ステアリング装置3、7にそれぞれ組み込まれた圧接部材(109:図2)で構成され、ステアリングローラ35及びステアリングローラ45をステアリング装置3、7による駆動から分離可能である。
制御手段の一例である制御部4は、中間転写ベルト10を回転させてステアリングローラ35、45に自動調芯状態を設定した状態でステアリング装置3、7にそれぞれステアリングローラ35、45を連結する。これにより、中間転写ベルト10は、自動調芯状態のステアリングローラ35、45による自律的な寄り制御から、ステアリング装置3、7による強制的な寄り制御へ移行する。
実施例4の画像形成装置6は、図1に示す画像形成装置1の駆動ローラ34と従動ローラ31の間に、ステアリング装置3と同一構成のステアリング装置7が配置されている。また、従動ローラ31と転写ローラ33との間に、ステアリング装置7によって制御される中間転写ベルト10の寄り量を検出するために、ベルトエッジセンサ38と同一構成のベルトエッジセンサ48が配置されている。また、中間転写ベルト10に対しての張力は、ステアリング装置3のステアリングローラ35で与えているため、ステアリング装置7にはバネ42に相当する付勢部材が取り付けられていない。しかし、これ以外は、実施例1と同一に画像形成装置6が構成され、ステアリング装置3、7は実施例1と同一に制御される。したがって、図9中、図1と共通する構成には共通の符号を付して重複する説明を省略する。
ステアリング装置7は、ステアリングローラ35と同様の機能を有するステアリングローラ45を傾動させて中間転写ベルト10を寄り制御する。ベルトエッジセンサ48は、図3に示すベルトエッジセンサ38と同様の機能を有する。ステアリングローラ45は、不図示の軸受ホルダ(107:図2)によって、自動調芯状態を設定可能に支持されている。
制御部4は、ベルトエッジセンサ48によって検出されたベルト寄り量に基づいて、ステアリングモータ41を作動させて、偏心カム103の回動角度を制御して、ステアリングアーム105の傾き角度を変化させる。これにより、ステアリングアーム105の傾き角度に応じた傾動量がステアリングローラ45に設定される。
制御部4は、圧接部材109を作動させて軸受ホルダ(107)をステアリングアーム105に固定することで、ステアリングローラ45をステアリング装置7に連結してステアリング制御可能にする。制御部4は、圧接部材109を解除することで、ステアリングローラ45に自動調芯状態を設定する。
図10に示すように、制御部4は、2ヶ所のステアリングローラ35、45による中間転写ベルト10の寄り制御を同時に行う。図9を参照して図8に示すように、制御部4は、実施例1と同様な手順を用いて、ステアリングローラ35、45のホームポジションを設定する。
制御部4は、図2に示すように、ステアリングローラ35をステアリングアーム105から離間されるように圧接部材109を動作させる。これと同様の機能がステアリングローラ45にも備えられており、制御部4は、ステアリングローラ45をステアリングアーム105から離間させる(S1)。
制御部4は、ステアリングローラ35、45をステアリング装置3、7から切り離して中間転写ベルト10を回転開始させると、ステアリングローラ35、45が共に自動調芯ローラとして動作する(S2)。自動調芯ローラとしての効果により、ステアリングローラ35、45の回転軸線方向において、中間転写ベルト10の中心がステアリングローラ35、45の回動中心に略一致するように中間転写ベルト10が回転し続ける。この状態において、ステアリングローラ35、45は、自動的にそれぞれ寄り速度が発生しない傾動量となっている。
制御部4は、中間転写ベルト10に寄り速度や蛇行が発生していないことを、ベルトエッジセンサ38、48の値によって判断する(S3)。
制御部4は、圧接部材109を動作させて、ステアリングローラ35、45の姿勢を固定し、この姿勢をステアリングローラ35、45のステアリング制御のホームポジションと設定する(S4)。これにより、ステアリングローラ35、45において、寄り速度が発生しない姿勢をそれぞれのステアリング制御のホームポジションとして設定することが可能となる。
制御部4は、画像形成を開始させる。その後は、ステアリングローラ35はベルトエッジセンサ38の検出結果を元に、ステアリングローラ45はベルトエッジセンサ48の検出結果を元に、それぞれの位置で中間転写ベルト10の寄り方向の位置を制御する。
図6の(b)に示すように、ステアリングローラ35、45のホームポジションを単純に偏心カム103のストロークの中心位置に設定した場合、ステアリングローラ35、45をホームポジションに設定しても中間転写ベルト10に寄り速度が発生する。
中間転写ベルト10に寄り速度が発生しないように、ステアリングローラ35、45のホームポジションを設定するためには、ベルトエッジセンサ38、48の目標値を事前に設定しておく必要がある。この時、目標値の設定が適切でないと、中間転写ベルト10に寄り方向に無理にねじれてしまうような力が働き、制御が安定しなくなる可能性がある。図10に示すように、ステアリングローラ35に発生する寄り移動と、ステアリングローラ45に発生する逆方向の寄り移動とによって、中間転写ベルト10にせん断方向の力が作用して波うちを生じる可能性がある。
それに対して、実施例4の構成では、ステアリングローラ35、45のホームポジションを設定する際に、寄り切ることなく安定して中間転写ベルト10が回転できる位置を探し出す。ステアリングローラ35に発生する寄り移動と、ステアリングローラ45に発生する逆方向の寄り移動とをそれぞれ解消させる。
実施例4では、ステアリングローラ35、45のホームポジションを設定している時のベルトエッジセンサ38、48の検出結果を目標値に反映させるので、制御が不安定になることなく、中間転写ベルト10の寄り補正を行うことができる。
実施例4では、ステアリングローラ35、45が共に自動調芯ローラとして動作する状態で中間転写ベルト10を回転させるので、ステアリングローラ35、45のそれぞれにおいて寄り速度が発生しない姿勢を同時に探し出すことができる。この時、ベルトエッジセンサ38、48の適切な目標値も同時に探し出すので、ステアリングローラ35・45のアライメントによるベルト寄り補正の制御性能が向上する。
1 画像形成装置、2 ベルト駆動機構、3、7 ステアリング装置
4 制御部、10 中間転写ベルト、34 ベルト駆動ローラ
35、45 ステアリングローラ、38、48 ベルトエッジセンサ
40 ベルト駆動モータ、41 ステアリングモータ、42 バネ
101 アーム支持板、102 フォロワー、103 偏心カム
104 アーム軸、105、106 ステアリングアーム、107 軸受ホルダ
109 圧接部材、110 ベアリング、111 ホルダ軸

Claims (7)

  1. 無端状のベルト部材と、
    傾動して前記ベルト部材を寄り制御するステアリングローラと、
    前記ステアリングローラを外部から駆動して傾動させることにより前記ベルト部材を強制的に寄り制御することが可能なステアリング装置と、
    前記ステアリングローラを傾動自在に支持して、前記ステアリングローラが前記ベルト部材の回転に駆動されて自律的に傾動することが可能な自動調芯装置と、
    前記ステアリングローラを前記ステアリング装置による駆動から切り離して前記自動調芯装置による傾動自在な状態に切り替えることが可能な切り替え装置と、
    前記切り替え装置を制御して、前記自動調芯装置による前記ベルト部材の自律的な寄り制御から前記ステアリング装置による前記ベルト部材の強制的な寄り制御へ移行させる制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、非画像形成時に前記自動調芯装置による前記ベルト部材の自律的な寄り制御を実行させ、画像形成時に前記ステアリング装置による前記ベルト部材の強制的な寄り制御を実行させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記自動調芯装置による前記ベルト部材の自律的な寄り制御の状態で前記ベルト部材を回転開始させ、前記ベルト部材が所定の回転速度へ達した後に、前記ステアリング装置による前記ベルト部材の強制的な寄り制御を開始させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記ステアリング装置を前記ステアリングローラの傾動に係る駆動範囲の中心位置に待機させて、前記自動調芯装置による前記ベルト部材の自律的な寄り制御中の前記ステアリングローラを前記ステアリング装置による駆動に接続する設定モードを実行可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記ステアリング装置は、前記ステアリングローラの端部を前記ステアリングローラの傾動方向に移動させる移動部材を有し、
    前記切り替え装置は、前記ステアリングローラの端部を前記移動部材に対して連結と解除が可能に連結する連結手段を有し、
    前記連結手段を解除することにより前記ステアリングローラが傾動自在になることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 無端状のベルト部材と、
    相互に離れた位置で傾動して前記ベルト部材をそれぞれ寄り制御する第一ステアリングローラ及び第二ステアリングローラと、
    前記第一ステアリングローラ及び前記第二ステアリングローラをそれぞれ外部から駆動して傾動させることにより前記ベルト部材を強制的に寄り制御することが可能な第一ステアリング装置及び第二ステアリング装置と、
    前記第一ステアリングローラ及び前記第二ステアリングローラをそれぞれ傾動自在に支持して、前記第一ステアリングローラ及び前記第二ステアリングローラが前記ベルト部材の回転に駆動されて自律的に傾動することが可能な第一自動調芯装置及び第二自動調芯装置と、
    前記第一ステアリングローラ及び前記第二ステアリングローラをそれぞれ前記第一ステアリング装置及び前記第二ステアリング装置による駆動から切り離して前記自動調芯装置による傾動自在な状態に切り替えることが可能な第一切り替え装置及び第二切り替え装置と、
    前記第一切り替え装置及び前記第二切り替え装置を制御して、前記第一自動調芯装置及び前記第二自動調芯装置による前記ベルト部材の自律的な寄り制御から前記第一ステアリング装置及び前記第二ステアリング装置による前記ベルト部材の強制的な寄り制御へ移行させる制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 無端状のベルト部材と、
    傾動して前記ベルト部材を寄り制御するステアリングローラと、
    前記ステアリングローラの端部を前記ステアリングローラの傾動方向に移動させる移動部材を有し、前記ステアリングローラを前記移動部材により駆動して傾動させることにより前記ベルト部材を強制的に寄り制御することが可能なステアリング装置と、
    前記ステアリングローラを傾動自在に支持して、前記ステアリングローラが前記ベルト部材の回転に駆動されて自律的に傾動することが可能な自動調芯装置と、
    前記ステアリングローラの端部を前記移動部材に対して連結と解除が可能に連結する連結手段と、を備え、
    前記連結手段を解除することにより、前記ステアリングローラを前記ステアリング装置による駆動から切り離して前記自動調芯装置による傾動自在な状態に切り替えることが可能な画像形成装置。
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