JP2004264396A - 光走査装置用走査レンズ、光走査装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光軸(調整軸)Lを中心とする曲面56bを有するトロイダルレンズ(走査レンズ)56と、そのトロイダルレンズを収納し、曲面を受け面64aで受けてトロイダルレンズを設置する光学ハウジング64と、その光学ハウジングで支持して受け面を挟んで対称位置に備え、曲面で摺動してトロイダルレンズを光軸を中心として回動調整する送りねじ(調整部材)64A・64Bと、その送りねじを駆動する駆動モータ(駆動手段)65A・65Bとを備える。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンタやファクシミリ、またはそれらの複合機など、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング等を繰り返して像担持体上に画像を形成し、その画像を転写して、用紙・OHPフィルム・中間転写体等の記録媒体に画像を記録する画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などにおいて、像担持体上を光走査してそれに書込みを行う光走査装置に関する。ならびに、そのような光走査装置において、走査光を透過する光走査装置用走査レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばレーザプリンタで使用する光走査装置では、図8(A)に示すように記録媒体上の、実線で示す理想の走査位置に対して点線で示すごとくずれて走査線が傾いたり、また(B)に示すように点線で示すごとく曲って走査線が湾曲したりすることがある。ここで、主走査方向とは、光走査装置自体が記録媒体に書込みを行う方向であり、副走査方向とは、記録媒体が移動する方向であって、ここでは主走査方向と直交する方向となっている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−72732号公報
ところで、従来、光走査装置の中には、例えば特許文献1に記載されるように、レンズの製作誤差や、レンズを支持する光学ハウジングの製作誤差によって配置誤差を発生するが、その配置誤差により生ずるfθ特性の悪化を、レンズを回転調整することにより防止するものがある。
【0004】
これによれば、確かにfθ特性の悪化を防止することができるが、調整軸が一意に決まっておらず、回転と同時に光軸方向、主走査方向の位置も変化してしまう(後述する「発明の実施の形態」におけるx、y方向)。このため、他の特性が悪化してしまう可能性がある問題があった。
【0005】
また、図7(A)に示すように、レンズを回転調整することにより、図8(A)に示すような走査線の傾きを修正するものもある。
【0006】
図中符号1は、光学ハウジングである。光学ハウジング1の底部中央には、係合突起2を上向きに設ける。その係合突起2の先端面には係合溝2aを設け、その係合溝2aに突部3aをはめ込んで光学ハウジング1内に細長なトロイダルレンズ3を収納する。
【0007】
その細長なトロイダルレンズ3の一端は、光学ハウジング1に設けた固定突起4上に乗せる。他端は、送りねじ5上に乗せる。送りねじ5は、駆動モータ6の駆動軸先端に取り付けて光学ハウジング1にねじ付ける。駆動モータ6は、光学ハウジング1に取付ねじ7で固定する。光学ハウジング1内のトロイダルレンズ3は、複数の板ばね8で上から押さえる。板ばね8は、それぞれ光学ハウジング1にねじ止め固定するブラケット9で支持する。
【0008】
トロイダルレンズ3は、図6に示すように、光軸方向をX軸とし、それと直交する主走査対応方向をY軸とし、それらと直交する副走査対応方向をZ軸とする。そして、それらX軸、Y軸、Z軸まわりの回転方向をそれぞれα、β、γとする。
【0009】
そして、X軸方向は、不図示の板ばねで付勢してトロイダルレンズ3両端の突片3b・3cを各々光学ハウジング1の不図示の部分に当てて位置決めする。Y軸方向は、係合溝2aに突部3aをはめ込むことにより位置決めする。Z軸方向は、板ばね8により固定突起4および送りねじ5に押し付けることにより位置決めする。
【0010】
走査線の傾きを修正するときは、駆動モータ6を駆動して送りねじ5をねじ込み、固定突起4を支点としてトロイダルレンズ3をα方向に回動する。すると、図7(B)に示すように、光軸Lは理想の位置から動き、理想的な走査線の通過位置Mに対してトロイダルレンズ3のRの頂点を結んだ線Nは著しく異なる位置となる。これにより、Z方向、すなわち副走査対応方向の結像性能が悪化することとなる。トロイダルレンズ3のように副走査対応方向にパワーを持つレンズでは、回転調整によって傾きを調整できるようにZ方向の湾曲状態を変えることにより、図8(B)に示すような走査線の湾曲状態を変えられることが知られている。
【0011】
【特許文献2】特許第3111515号公報
特許文献1には、上述のトロイダルレンズ3に相当するシリンドリカルレンズの両端部をZ方向に固定し、中央部を移動させることにより、図8(B)に示すような走査線の湾曲を調整する方法が示されている。
【0012】
しかし、この例においても、走査線の湾曲を調整することで、レンズの光軸がねらいの位置から動いてしまうおそれがあることは容易に想像でき、同様に副走査方向の結像性能を悪化することとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上のとおり、従来の方法によれば、それぞれfθ特性の悪化、走査線の傾きや湾曲を矯正することはできるものの、不変であることが好ましい軸がずれて他の特性が悪化する問題があった。
【0014】
そこで、この発明の第1の目的は、他の特性が悪化することなく、走査線の傾きや湾曲を矯正し得る光走査装置用走査レンズを提供することにある。
【0015】
この発明の第2の目的は、光軸がずれて副走査方向の結像性能を低下することなしに、走査線の傾きや湾曲を矯正し得る光走査装置用走査レンズを提供することにある。
【0016】
この発明の第3の目的は、光軸がずれて副走査方向の結像性能を低下することなしに、走査線の傾きや湾曲を矯正し得る光走査装置を提供することにある。
【0017】
この発明の第4の目的は、きわめて簡易にかつ安価に走査線の曲がりを矯正し得る光走査装置を提供することにある。
【0018】
この発明の第5の目的は、第3および第4の目的を達成した光走査装置を備え、良好な画像を得る画像形成装置を提供することにある。
【0019】
この発明の第6の目的は、走査線の傾きや湾曲を矯正する手間をなくして良好な画像を得る画像形成装置を提供することにある。
【0020】
この発明の第7の目的は、複数の光走査系のずれをなくして画像品質を向上した画像形成装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、光走査装置用走査レンズにあって、特定の調整軸まわりに回転調整して使用され、調整軸を中心とする曲面を接触して他部材に設置し、その曲面で摺動して調整軸を中心として回転調整される、ことを特徴とする。
【0022】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1に記載の光走査装置用走査レンズにおいて、調整軸を光軸とし、副走査対応方向にパワーを持つ、ことを特徴とする。
【0023】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、光走査装置にあって、光軸を中心とする曲面を有する走査レンズと、その走査レンズを収納し、曲面を受け面で受けて走査レンズを設置する光学ハウジングと、その光学ハウジングで支持して走査レンズを光軸を中心として回動調整する調整部材とを備える、ことを特徴とする。
【0024】
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項3に記載の光走査装置において、調整部材を、受け面を挟んで対称位置に備える、ことを特徴とする。
【0025】
請求項5に係る発明は、上述した第5の目的を達成すべく、画像形成装置にあって、請求項3または4に記載の光走査装置を備える、ことを特徴とする。
【0026】
請求項6に係る発明は、上述した第6の目的も達成すべく、請求項5に記載の画像形成装置において、画像を検知する検知手段と、その検知手段の検知結果に基づき調整部材を駆動する駆動手段とを備える、ことを特徴とする。
【0027】
請求項7に係る発明は、上述した第7の目的も達成すべく、画像形成装置にあって、請求項1に記載の光走査装置用走査レンズを有する複数の光走査系を備える、ことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき詳述する。
図1には、この発明に係る画像形成装置の一例である電子写真式カラー複写機の概略構成を示す。
【0029】
図中符号Aは、複写機本体である。複写機本体A内には、記録媒体である用紙Sを搬送する搬送路Pを、図1中右下から左上へと斜めに設ける。
【0030】
搬送路P上には、その搬送路Pに沿って右下から左上へと、マゼンタ・シアン・イエロ・ブラックの4つの作像手段10M・10C・10Y・10Kを順に並べてタンデム型に備える。各作像手段10は、像担持体ユニット12M・12C・12Y・12Kと現像ユニット13M・13C・13Y・13Kとで構成し、各々複写機本体Aに対して着脱自在とする。それぞれの像担持体ユニット12M・12C・12Y・12Kには、それぞれドラム状の像担持体14M・14C・14Y・14Kを備える。
【0031】
そのような作像手段10M・10C・10Y・10K上には、それら作像手段に沿って、光走査装置16を斜めに設ける。
【0032】
他方、作像手段10M・10C・10Y・10Kの下には、搬送路Pを挟んで、無端ベルト状の記録媒体担持体18を張り渡す。記録媒体担持体18は、図示例では、4つの支持ローラ19に掛け回し、像担持体14M・14C・14Y・14Kに接触して一部を搬送路Pに沿って設け、不図示の駆動装置により図中反時計まわりに走行可能とする。
【0033】
記録媒体担持体18の内側には、各像担持体14M・14C・14Y・14Kごとに対応して、それぞれ転写ローラ20M・20C・20Y・20Kと転写ブラシ21M・21C・21Y・21Kを配置する。
【0034】
搬送路Pに沿って、そのような記録媒体担持体18の上流位置にはレジストローラ対(レジスト部材)33を、下流位置には定着ユニット24を設ける。定着ユニット24は、無端ベルトである定着ベルト25に加圧ローラ26を押し当て、出口に排出ローラ対27を備えて構成する。
【0035】
定着ユニット24の下流位置には、搬送路Pから続く排出搬送路P3を形成し、その先に、複写機本体A上の排出スタック部30へと用紙Sを排出する排出ローラ対31を設ける。
【0036】
一方、記録媒体担持体18の下には、給紙カセット34を上下2段に備える。給紙カセット34には、各々サイズの異なる用紙Sを積載して収納する。
【0037】
給紙カセット34の図中右側には、前述した搬送路Pのレジストローラ対33へと導く供給搬送路P1を設ける。
【0038】
その供給搬送路P1には、上流から順に、給紙カセット34から用紙を蹴り出すピックアップローラ35と、用紙Sを1枚ずつ分離して給紙するフィードローラ36・バックローラ37と、用紙Sを挟持しつつ、それを搬送する複数の搬送ローラ対38とを設ける。
【0039】
また、複写機本体Aの図中右側には、手差し部43を設け、そこに開閉自在に手差しトレイ39を取り付ける。手差しトレイ39の図中左側には、上述した搬送路Pのレジストローラ対33へと導く手差し供給路P2を設ける。
【0040】
その手差し供給路P2には、上流から順に、手差しトレイ39上の用紙を蹴り出すピックアップ40と、用紙Sを1枚ずつ分離して給紙するフィードローラ41・バックローラ42とを設ける。
【0041】
レジストローラ対33の手前には、搬送ローラ対38によって搬送されてきた用紙Sの先端を検知するレジストセンサ44を備える。
【0042】
さて、いま、この複写機を用いて用紙Sにコピーをとるときは、不図示のスタートスイッチを押すと、それによりピックアップローラ35、フィードローラ36、およびバックローラ37を選択的に駆動し、1の給紙カセット34内の用紙Sを1枚ずつ分離して繰り出すとともに、供給搬送路P1に入れ、搬送ローラ対38で挟持して用紙Sを搬送し、レジストセンサ44で突き当てタイミングを計ってレジストローラ対33に突き当てて弛ませて止める。
【0043】
または、手差し部43のピックアップローラ40、フィードローラ41、およびバックローラ42を駆動し、手差しトレイ39上の用紙Sを1枚ずつ分離して繰り出すとともに、手差し給紙路P2に入れてレジストセンサ44で突き当てタイミングを計り、レジストローラ対33に突き当てて弛ませて止める。
【0044】
一方、各作像手段10M・10C・10Y・10Kでは、個々の像担持体14M・14C・14Y・14Kを回転して所望の像担持体上にそれぞれマゼンタ・シアン・イエロ・ブラックの単色トナー画像を形成する。同時に、不図示の駆動モータで支持ローラ19の1つを回転駆動して他の支持ローラ19を従動回転し、記録媒体担持体18を回転搬送する。
【0045】
そして、像担持体の画像にタイミングを合わせてレジストローラ対33を回転し、用紙Sを搬送路Pに入れて、作像手段10M・10C・10Y・10Kと記録媒体担持体18との間の転写位置に向けて順に送り込み、記録媒体担持体18を走行してその用紙Sを搬送する。その搬送とともに、所望の像担持体14M・14C・14Y・14K上の単色トナー画像を転写ブラシ21M・21C・21Y・21Kにより転写位置で転写し、該用紙S上に合成フルカラー画像、2色画像、モノクロ画像などを形成する。
【0046】
画像転写後の用紙Sは、定着ユニット24へと送り込み、転写画像を定着して後、排出搬送路P3へと導き、排出ローラ対31で排出して排出スタック部30上に頁順にスタックする。
【0047】
図2には、図1に示す電子写真式カラー複写機において、光走査装置16で、各像担持体14M・14C・14Y・14Kに書込みを行う状態を斜めから見て示す。図3には、正面方向から見て示す。図4には、そのY(イエロ)ステーションにおける書込み状態を斜めから見て示す。
【0048】
図中符号50は、図示例ではレーザダイオード(LD)を用いた光源である。光源50から発したレーザ光は、シリンドリカルレンズ51、ポリゴンモータ52で回転するポリゴンミラー53、樹脂製のfθレンズ54、第1折返しミラー55、トロイダルレンズ56、第2折返しミラー57、第3折返しミラー58、防塵ガラス59を経て、像担持体14上で結像する。
【0049】
第2折返しミラー57と第3折返しミラー58との間には、同期ミラー60を設ける。同期ミラー60で反射した端部光は、同期検知板61のフォトダイオード上で結像し、走査ラインの書込みタイミングを取る。
【0050】
なお、図2ないし図4においては、符号55ないし60の後に、M(マゼンタ)ステーションではMを、C(シアン)ステーションではCを、Y(イエロ)ステーションではYを、K(ブラック)ステーションではKを、それぞれ付して示す。
【0051】
図5には、走査レンズの1つであるトロイダルレンズ56の設置状態を、図6に示すX軸方向から見て示す。
【0052】
図5(A)に示すとおり、トロイダルレンズ56は、細長で、長さ方向中央にX軸方向に光軸Lを有し、副走査対応方向(Z軸方向)にパワーを持つ。そして、下面には下向きの突部56aをX軸方向に直線状に形成してその先端面に、光軸Lを中心とする曲面56bを設ける。また、長さ方向両端からは、各々Y軸方向に突片56c・56dを突出する。
【0053】
そのようなトロイダルレンズ56は、光学ハウジング64内に収納し、曲面56bを受け面64aで受けて、他部材である光学ハウジング64上に載置し、その曲面56bで摺動して、調整軸である光軸Lを中心としてα方向に回動自在に光学ハウジング64内に設置する。
【0054】
光学ハウジング64には、底部中央に、曲面56bに密着する曲率で湾曲する受け面64aを上向きに有し、その受け面64aを挟んでY軸方向において対称位置に、調整部材である送りねじ65A・65Bを備える。送りねじ65A・65Bは、各々駆動手段である駆動モータ66A・66Bの駆動軸に取り付け、光学ハウジング64にねじ込んでその光学ハウジング64で支持する。そして、送りねじ65A・65Bの先端を、各々細長なトロイダルレンズ56の両端に当てる。駆動モータ66A・66Bは、取付板67を介して取付ねじ68で光学ハウジング64の外側に取り付ける。
【0055】
光学ハウジング64内のトロイダルレンズ56は、複数の板ばね69で上から押さえる。板ばね69は、それぞれ光学ハウジング64にねじ止め固定するブラケット70で支持する。
【0056】
トロイダルレンズ56は、図6に示したと同様に、光軸方向をX軸とし、それと直交する主走査対応方向をY軸とし、それらと直交する副走査対応方向をZ軸とする。そして、それらX軸、Y軸、Z軸まわりの回転方向をそれぞれα、β、γとする。
【0057】
そして、X軸方向は、不図示の板ばねで付勢してトロイダルレンズ56両端の突片56c・56dを各々光学ハウジング64の不図示の部分に当てて位置決めする。Y軸方向およびZ軸方向は、曲面56bを受け面64aで受けて光学ハウジング64上に載置することにより位置決めする。
【0058】
そして、走査線の傾きや湾曲を修正するときは、例えば不図示のスイッチボタン等を走査して駆動モータ66A・66Bを選択的に作動し、送りねじ65A・65Bをねじ込んだりねじ戻したりして回動調整する。例えば図5(B)に示すように、一方の送りねじ65Aをねじ込み、他方の送りねじ65Bをねじ戻して、トロイダルレンズ56を曲面56bで摺動して受け面64aに沿って光軸Lを中心として回動調整し、図中仮想線で示す位置から実線で示す位置へと傾きを修正する。
【0059】
また、例えば図5(C)に示すように、両方の送りねじ65A・65Bをともにねじ込み、あるいは図5(D)に示すように、一方の送りねじ65Aのみをねじ込み、板ばね69で押さえた状態でトロイダルレンズ56を光軸Lを中心として回動調整して走査線の湾曲を修正する。
【0060】
なお、上述した例では、走査線の傾きや湾曲を修正するとき、不図示のスイッチボタン等を走査して駆動モータ66A・66Bを選択的に作動したが、画像を検知する検知手段を備え、その検知手段で、像担持体14や転写ベルト上に形成した画像パターンから走査線の傾きや湾曲を自動的に検知し、その検知手段の検知結果に基づきフィードバック制御して駆動モータ66A・66Bを作動し、送りねじ65A・65Bを駆動して走査線の傾きや湾曲をそれらの経時変化に合わせて自動修正するようにしてもよい。
【0061】
もちろん、駆動モータ66A・66Bを用いずに、送りねじ65A・65B等の調整部材を手動で回動調整するようにしてもよい。この調整は、走査線の傾きや湾曲が小さい場合には、光走査装置16を複写機本体Aに組み込む前に光走査装置16単独で行ってもよい。
【0062】
さて、上述した例では、トロイダルレンズ56をX軸方向およびZ軸方向に付勢するが、不安定とならないようにY軸方向にも付勢するようにしてもよい。
【0063】
また、トロイダルレンズ56の下面側にのみ曲面56bを形成したが、光軸Lを挟んで反対側の上面側にも、光軸Lを中心とする曲面を形成し、それを他部材の受け面に接触して設置し、曲面で摺動して受け面に沿ってトロイダルレンズ56を回動調整するようにしてもよい。
【0064】
なお、上述した例のように、光走査装置用走査レンズであるトロイダルレンズ56を有するマゼンタ・シアン・イエロ・ブラックの複数の光走査系を備える多色画像形成装置に適用すると、各色の光走査系で走査線の傾きや湾曲を小さくして各色間の色ずれをなくして画像品質を向上することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に記載の発明によれば、特定の調整軸まわりに回転調整して使用され、前記調整軸を中心とする曲面で摺動して調整軸を中心として回動調整されるので、調整軸がずれることなく、すなわち他の特性を低下することなしに、走査線の傾きや湾曲を修正し得る光走査装置用走査レンズを提供することができる。
【0066】
請求項2に記載の発明によれば、調整軸を光軸として副走査対応方向にパワーを持つので、光軸がずれることなく、副走査方向の結像性能を低下することなしに、走査線の傾きや湾曲を修正し得る光走査装置用走査レンズを提供することができる。
【0067】
請求項3に記載の発明によれば、調整部材で走査レンズを光軸を中心として回動調整するので、光軸がずれることなく、副走査方向の結像性能を低下することなしに、走査線の傾きや湾曲を修正し得る光走査装置を提供することができる。
【0068】
請求項4に記載の発明によれば、調整部材を、光学ハウジングの受け面を挟んで対称位置に備えるので、それらの調整部材をそれぞれ個別に調整するだけできわめて容易に、かつ安価に走査線の曲がりを矯正し得る光走査装置を提供することができる。
【0069】
請求項5に記載の発明によれば、請求項3および4に記載の発明の効果を達成し得る光走査装置を備え、良好な画像を得る画像形成装置を提供することができる。
【0070】
請求項6に記載の発明によれば、検知手段の検知結果に基づき駆動手段で調整部材を駆動するので、経時的に走査線の傾きや湾曲が変化しても、それを自動的に検知して走査レンズを回動調整し、自動的に矯正して走査線の傾きや湾曲を修正する手間をなくし、良好な画像を得る画像形成装置を提供することができる。
【0071】
請求項7に記載の発明によれば、複数の光走査系の走査レンズをそれぞれ個別に調整して走査線の傾きや湾曲を格別に調整するので、光走査系間のずれをなくして、例えば多色画像形成装置に用いた場合にも、各色間の色ずれをなくして画像品質を向上した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る画像形成装置の一例である電子写真式カラー複写機の全体概略構成図である。
【図2】図1に示す電子写真式カラー複写機において、光走査装置で、各像担持体に書込みを行う状態を斜めから見て示す斜視図である。
【図3】正面方向から見て示す構成図である。
【図4】そのY(イエロ)ステーションにおける書込み状態を斜めから見て示す斜視図である。
【図5】走査レンズの1つであるトロイダルレンズの設置状態を、図6に示すX軸方向から見て示す断面図であり、(A)は理想的な配置状態、(B)は走査線の傾きを調整した状態、(C)は湾曲を調整した状態、(D)は湾曲を調整した別の状態を示す。
【図6】本明細書で設定したトロイダルレンズの各軸の方向と、軸まわりの回転方向を示す斜視図である。
【図7】従来のトロイダルレンズの設置状態を、図6に示すX軸方向から見て示す断面図であり、(A)は理想的な配置状態、(B)は走査線の傾きを調整した状態を示す。
【図8】(A)は走査線の傾き、(B)は走査線の湾曲の説明図である。
【符号の説明】
14M、14C、14Y、14K 像担持体
16 光走査装置
56 トロイダルレンズ(走査レンズ)
56b 曲面
64 光学ハウジング(他部材)
64a 受け面
65A・65B 送りねじ(調整部材)
66A・66B 駆動モータ(駆動手段)
L 光軸
Claims (7)
- 特定の調整軸まわりに回転調整して使用され、前記調整軸を中心とする曲面を接触して他部材に設置し、その曲面で摺動して前記調整軸を中心として回転調整されることを特徴とする、光走査装置用走査レンズ。
- 前記調整軸を光軸とし、副走査対応方向にパワーを持つことを特徴とする、請求項1に記載の光走査装置用走査レンズ。
- 光軸を中心とする曲面を有する走査レンズと、その走査レンズを収納し、前記曲面を受け面で受けて前記走査レンズを設置する光学ハウジングと、その光学ハウジングで支持して前記走査レンズを前記光軸を中心として回動調整する調整部材とを備えることを特徴とする、光走査装置。
- 前記調整部材を、前記受け面を挟んで対称位置に備えることを特徴とする、請求項3に記載の光走査装置。
- 請求項3または4に記載の光走査装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
- 画像を検知する検知手段と、その検知手段の検知結果に基づき前記調整部材を駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
- 請求項1に記載の光走査装置用走査レンズを有する複数の光走査系を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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