JP4011323B2 - 画像形成装置のプロセスコントロール制御機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、最上流側の画像形成ステーション以外の残る他の画像形成ステーションに対し転写材搬送ベルトを退避させるように変換することによって単色画像形成を行うようにした画像形成装置において、現像剤パターンの濃度または線幅を補正するプロセスコントロール制御を簡便に効率よく行うことができるようにするプロセスコントロール制御機構の改良に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年より、カラータイプの画像形成装置のコンパクト化、および画像処理速度を向上させる上で、色相の数に対応する複数の感光体を用いて、用紙搬送行程は1度であるにもかかわらず、カラー画像形成およびモノクロ画像形成を可能とするタンデム方式を用いた画像形成装置が広く開発されている。
【0003】
ところで、このようなタンデム方式の画像形成装置では、プロセスコントロール制御機構によるプロセスコントロール制御が行われている。具体的には、キャリブレーション板に形成した基準となる現像剤パターンの濃度または線幅をセンサにより検出するキャリブレーションを実行するとともに、転写材搬送ベルト上に形成された現像剤パターンの濃度または線幅をセンサにより検出し、上記キャリブレーションの実行により検出された現像剤パターンの濃度または線幅に基づいて、メインチャージ量、現像剤濃度、転写出力、または露光光量などの画像形成条件の変更を行って、転写材搬送ベルト上において検出された現像剤パターンの濃度または線幅を補正するようにしている。そして、現像剤パターンの濃度または線幅を検出するセンサとしては、受・発光部を有するものが適用されている。
【0004】
その場合、プロセスコントロール制御機構の一例として、図9および図10に示すように、転写材搬送ベルトa表面に対し接離可能となるようにソレノイドbで進退移動するセンサcを設けるとともに、このセンサcの進退移動軌跡上(センサcと転写材搬送ベルトa表面との間)に出没自在となるようにソレノイドdで出没移動するキャリブレーション板eを設け、転写材搬送ベルトa上の現像剤パターンの濃度または線幅の検出を実行する際に、センサcをソレノイドbにより転写材搬送ベルトa表面と対向する対向位置(図9に示す位置)まで接近させる一方、キャリブレーションを実行する際に、ソレノイドbによりセンサcを離反させるとともに、ソレノイドdによりキャリブレーション板eをセンサcの進退移動軌跡上において対向する対向位置(図10に示す位置)に突出させることによって、各々の対向位置において現像剤パターン(転写材搬送ベルトa表面およびキャリブレーション板e)に対しそれぞれ等距離Lでセンサcを向き合わせるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したプロセスコントロール制御機構では、プロセスコントロール制御を行う際に、センサcおよびキャリブレーション板eをそれぞれ個々のソレノイドb,dによりそれぞれの対向位置まで移動させる必要があるため、プロセスコントロール制御機構自体が非常に煩雑なものとなる上、部品点数も多くなり、プロセスコントロール制御も非常に複雑化することになる。
【0006】
一方、タンデム方式を用いた画像形成装置においては、単色による画像形成時に、転写材の搬送方向上流側から下流側に亘って配された各画像形成ステーションのうちの最上流側に位置する画像形成ステーションのみを使用し、残る他の画像形成ステーションに対し転写材搬送ベルトを退避させるように変換することによって、最上流側の画像形成ステーションによる単色画像形成を行うようにしたものもある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述した転写材搬送ベルトの変換動作を利用し、プロセスコントロール制御を簡便な機構によって効率よく実行することができる画像形成装置のプロセスコントロール制御機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、帯電器、書き込み光学系、現像装置およびクリーニング装置をそれぞれ感光体の周囲に備えた複数の画像形成ステーションと、画像形成される転写材を搬送する転写材搬送ベルトとを具備し、単色による画像形成時に、転写材の搬送方向上流側から下流側に亘って配された各画像形成ステーションのうちの最上流側に位置する画像形成ステーションのみを使用し、残る他の画像形成ステーションに対し転写材搬送ベルトを退避させることによって、最上流側の画像形成ステーションによる単色画像形成を行うようにした画像形成装置において、基準となる現像剤パターンの濃度または線幅を検出するキャリブレーションを実行するとともに、転写材搬送ベルト上に形成された現像剤パターンの濃度または線幅を検出し、上記キャリブレーションの実行により検出された現像剤パターンの濃度または線幅に基づいて、転写材搬送ベルト上において検出された現像剤パターンの濃度または線幅を補正するプロセスコントロール制御が行われるようにしたプロセスコントロール制御機構を前提とする。さらに、上記転写材搬送ベルトを、最上流側に位置する画像形成ステーションのみを使用する単色画像形成時に単色画像形成位置に退避させる一方、すべての画像形成ステーションを使用する多色画像形成時に多色画像形成位置に復帰させるように変換可能に構成し、装置本体内において転写材搬送ベルトと共に変換動作される搬送ベルト保持ユニットに保持している。また、上記キャリブレーションの実行位置に、基準となる現像剤パターンの濃度または線幅が形成されたキャリブレーション板を設けるとともに、上記搬送ベルト保持ユニットに、上記キャリブレーション板上および転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの濃度または線幅を検出するセンサを取り付ける。そして、上記キャリブレーションを、上記搬送ベルト保持ユニットによる変換動作によって上記転写材搬送ベルトが単色画像形成位置に退避しているときに上記キャリブレーションの実行位置に移動するセンサにより実行する一方、上記転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの濃度または線幅の検出を、上記搬送ベルト保持ユニットによる変換動作によって上記転写材搬送ベルトが多色画像形成位置に復帰しているときに上記転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの検出位置に移動するセンサにより実行するようにしている。更に、上記転写材搬送ベルトの単色画像形成位置と多色画像形成位置との変換軌跡上に、センサの表面を清掃する清掃部材を配置している。
【0009】
この特定事項により、転写材搬送ベルトの変換動作を利用して、転写材搬送ベルトが単色画像形成位置に退避しているときにキャリブレーションの実行位置に移動するセンサによりキャリブレーションが実行され、一方、転写材搬送ベルトが多色画像形成位置に復帰しているときに転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの検出位置に移動するセンサにより転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの濃度または線幅の検出が実行されることになり、プロセスコントロール制御機構によるプロセスコントロール制御を行う際に、センサおよびキャリブレーション板をそれぞれ個々のソレノイドを用いて移動させる必要がない。このため、プロセスコントロール制御機構自体が非常に簡便なものとなり、部品点数も減少して、プロセスコントロール制御を簡単な構成で効率よく実行することが可能となる。
また、転写材搬送ベルトが装置本体内において転写材搬送ベルトと共に変換動作される搬送ベルト保持ユニットに保持されるとともに、センサが上記搬送ベルト保持ユニットに取り付けられているので、センサは、転写材搬送ベルトの変換動作に伴って、転写材搬送ベルトが単色画像形成位置に退避しているときにキャリブレーション実行位置(キャリブレーション板と対向する対向位置)に、転写材搬送ベルトが単色画像形成位置に復帰しているときに転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの検出実行位置(転写材搬送ベルト表面と対向する位置)に移動することになる。このため、センサを移動させるソレノイドなどのアクチュエータが不要となり、プロセスコントロール制御機構がより簡便なものとなる上、部品点数も減少し、プロセスコントロール制御をより簡単な構成で効率よく実行することが可能となる。
しかも、転写材搬送ベルトの単色画像形成位置と多色画像形成位置との変換軌跡上に、センサの表面を清掃する清掃部材が配置されているので、転写材搬送ベルトを単色画像形成位置と多色画像形成位置とに変換する都度、センサの表面が清掃部材によって清掃され、センサ表面へのごみなどの付着による誤検出を防止して、センサの信頼性を効果的に高めることが可能となる。
【0010】
特に、装置本体への電源投入時、待機時間が所定時間経過したとき、および画像形成された転写材の枚数が所定枚数を超過したときにプロセスコントロール制御を実行するようにしている場合には、キャリブレーションの実行により検出した現像剤パターンの濃度または線幅に基づいて、転写材搬送ベルト上の現像剤パターンの濃度または線幅を所望するタイミングで的確に補正することが可能となり、常時安定した画像形成を行えることになる。
【0011】
特に、プロセスコントロール制御機構を具体的に示すものとして、以下の構成が掲げられる。
【0012】
つまり、キャリブレーションを実行する際のセンサとキャリブレーション板との間の距離と、転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの濃度または線幅を検出する際のセンサと転写材搬送ベルトの表面との間の距離とを互いに等しくさせている。
【0013】
この特定事項により、固定式の単一のセンサによって、キャリブレーション板上の現像剤パターンの濃度または線幅と、転写材搬送ベルト上の現像剤パターンの濃度または線幅とが転写材搬送ベルトの変換動作に応じてそれぞれ等距離で検出され、プロセスコントロール制御機構によるプロセスコントロール制御をより精度よく行うことが可能となる。
【0015】
また、搬送ベルト保持ユニットに、転写材搬送ベルトが単色画像形成位置に変換された際に、装置本体との当接によってセンサ取付部側を多色画像形成位置の転写材搬送ベルトと略平行となるように中折れさせる少なくとも1箇所の中折れ部を設けている場合には、センサは、転写材搬送ベルトが単色画像形成位置および多色画像形成位置のいずれに変換されていても、転写材搬送ベルト表面およびキャリブレーション板に対し同じ条件で対向することになり、センサの検出精度を高めることが可能となる。
【0017】
さらに、転写材搬送ベルトを単色画像形成位置と多色画像形成位置とに変換する変換機構に、この転写材搬送ベルトを保持する搬送ベルト保持ユニットの下方に設けられたカムと、最上流側の画像形成ステーション近傍位置の搬送ベルト保持ユニットに設けられ、その最上流側の画像形成ステーションでの感光体の転写材搬送ベルトに対する転写領域の幅が多色画像形成時と単色現像時とでほぼ一致するように上記カムによって回転する回転支点とを設けている場合には、変換機構によって転写材搬送ベルト(搬送ベルト保持ユニット)を単色画像形成または多色画像形成位置に変換しても、最上流側の画像形成ステーションでの感光体の転写材搬送ベルトに対する転写領域の幅が多色画像形成時と単色画像形成時とでほぼ一致するように近接または接触し、多色画像形成時および単色画像形成時のいずれにおいても最上流側の画像形成ステーションでの感光体の転写性能を維持することが可能となる。しかも、変換機構がカムと回転支点とによって構成されていることにより、変換機構を非常に簡単な構造にすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
本実施形態では、本発明に係るプロセスコントロール制御機構を備えた画像形成装置としての電子写真式のデジタルカラー複写機について説明する。
【0020】
−デジタルカラー複写機1の全体構成の説明−
図1は本形態に係るデジタルカラー複写機1の内部構成の概略を前方から示す縦断正面図である。この図1のように、本デジタルカラー複写機1は、両面自動原稿送り部2と、画像を読み取る画像読取部3と、転写材としての記録媒体Pに対し画像形成を行う画像形成部4とを備えている。以下、各部について説明する。
【0021】
<両面自動原稿送り部2の説明>
両面自動原稿送り部2は、透明なガラス等で成る原稿台21上にこの原稿台21に対して開閉可能に支持され、原稿台21に対して所定の位置関係をもって装着されている。この両面自動原稿送り部2は、原稿をその一方の面(例えば表面)が原稿台21の所定位置において画像読取部3に対向するように搬送し、この一方の面の画像の読み取りが終了した後に原稿を一旦退避させて反転し、原稿をその他方の面(例えば裏面)が原稿台21の所定位置において画像読取部3に対向するように原稿台21に向かって搬送するようになされている。そして、両面自動原稿送り部2は、1枚の原稿について両面の画像の読み取りが終了すると、この原稿を排出してから、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。以上の原稿の搬送及び反転動作は、デジタルカラー複写機1全体の動作に関連して制御部(図示せず)により制御される。
【0022】
<画像読取部3の説明>
画像読取部3は、原稿台21上に載置された原稿の画像や両面自動原稿送り部2により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って画像データを作成する部分であって、デジタルカラー複写機1の上部、つまり原稿台21の下方に設けられている。この画像読取部3は、露光光源31、第1〜第3反射鏡32,33,34、結像レンズ35、光電変換素子36を備えている。この場合、露光光源31及び第1反射鏡32によって第1の走査ユニット37が構成されている一方、第2及び第3反射鏡33,34によって第2の走査ユニット38が構成されている。
【0023】
上記露光光源31は、両面自動原稿送り部2の原稿台21上に載置された原稿や両面自動原稿送り部2を搬送される原稿の画像面に対して光を照射するものである。各反射鏡32,33,34は、図1に破線で光路を示すように、原稿からの反射光像を一旦所定方向(図1では左方向)に偏向(反射)させた後、下方に偏向させ、その後、結像レンズ35に向かうように図中右方向に偏向させるようになっている。
【0024】
第1の走査ユニット37(露光光源31及び第1反射鏡32)は、原稿台21の下面に対し一定の速度を保ちながら所定の走査速度で平行に往復動(図1では左右動)するものである。第2の走査ユニット38(第2及び第3反射鏡33,34)は、原稿台21の下面に対し第1の走査ユニット37と一定の速度関係を保って平行に往復動(図1では左右動)するものである。
【0025】
結像レンズ35は、第2の走査ユニット38の第3反射鏡34により偏向された原稿からの反射光像を縮小し、この縮小された光像を光電変換素子36上の所定位置に結像させるものである。
【0026】
光電変換素子36は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。光電変換素子36は、白黒画像またはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することができる3ラインのカラーCCDである。この光電変換素子36(CCD)により電気信号に変換された原稿画像情報は、図示しない画像処理部に転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0027】
<画像形成部4の説明>
画像形成部4は、画像形成系41と転写紙搬送系42とを備えている。
【0028】
画像形成系41は、デジタルカラー複写機1の本体10の上部に設けられ、その下側に給紙機構43を備えている。給紙機構43は、本体10の下端部に装着した収容部としての給紙カセット12内に積載収容されている記録媒体Pを一枚ずつ分離して画像形成系41に供給するようになされている。この画像形成系41に供給される記録媒体Pは、カットシート状の通常用紙であり、画像形成系41の手前(図1では右側)に設けられたローラとしての上下一対のレジストローラ40,40によって、画像形成系41への供給タイミングが制御部によって制御されるようになっている。また、片面に画像が形成された記録媒体Pも、レジストローラ40,40によって、画像形成系41での画像形成にタイミングを合わせて再度画像形成系41に供給(搬送)される。
【0029】
画像形成系41の下方には、搬送ベルト保持ユニットとしての転写搬送ベルト機構44が設けられている。この転写搬送ベルト機構44は、デジタルカラー複写機1の本体10の略中央部に設けられている。転写搬送ベルト機構44は、その本体ケース44Kの一側(図1では左側)に回動自在に支持された駆動ローラ44aと、他側(図1では右側)に回動自在に支持された従動ローラ44bと、この両ローラ44a,44b間に張架され、図1中に示す矢印Z方向に駆動する転写材搬送ベルトとしての無端の転写搬送ベルト44cとを備え、この転写搬送ベルト44cの表面上に記録媒体Pを静電吸着させることによって、レジストローラ40,40から供給される記録媒体Pを他側(上流側)から一側(下流側)に搬送するようになされている。転写紙搬ベルト機構44の記録媒体P搬送方向下流側(図1では左側)には定着装置45が設けられ、この定着装置45によって、記録媒体Pに転写形成されたトナー像を記録媒体P上に定着させることが行われる。定着装置45は、定着部材としての熱ヒートローラ45aと、加圧ローラ45bとを上下に備え、転写紙搬ベルト機構44(転写搬送ベルト44c)上を搬送された記録媒体Pを熱ヒートローラ45aと加圧ローラ45bとの間のニップを介して通過させるようにしている。定着装置45の一側には切換ゲート46が設けられている。この切換ゲート46は、熱ヒートローラ45aと加圧ローラ45bとの間のニップを通過した定着後の記録媒体Pを、本体10の一側外壁に取り付けた排紙トレイ11に対し上下一対の排出ローラ11a,11aによって排出する排出経路と、転写搬送ベルト機構44の下方を通して画像形成系41に再供給する再供給経路とに選択的に切り換えるように構成されている。この再供給経路は、スイッチバック搬送機構47を備え、切換ゲート46により再供給経路側に搬送された記録媒体Pの表裏面をスイッチバック搬送機構47によって上下逆転させてから画像形成系41に向かって再供給するようになされている。
【0030】
また、転写搬送ベルト機構44の上方には、第1の画像形成ステーションS1、第2の画像形成ステーションS2、第3の画像形成ステーションS3および第4の画像形成ステーションS4がそれぞれ転写搬送ベルト44cに近接して記録媒体搬送経路上流側(図1では右側)から順に所定間隔置きに並設されている。この場合、転写搬送ベルト44c上の記録媒体Pは、第1の画像形成ステーションS1、第2の画像形成ステーションS2、第3の画像形成ステーションS3及び第4の画像形成ステーションS4に順次搬送されることになる。
【0031】
各画像形成ステーションS1〜S4は、実質的に同一構成となり、図1に示す矢印F方向にそれぞれ回転する感光体としての感光体ドラム5を具備している。この各感光体ドラム5の周囲には、各感光体ドラム5を帯電し、各感光体ドラム5の外周面上に静電潜像を形成する帯電器51と、感光体ドラム5の外周面上に形成された静電潜像を粉体としてのトナーにより可視像に現像する現像装置52と、感光体ドラム5の外周面上に現像されたトナー像(可視像)を記録媒体Pに転写する転写用放電器53と、感光体ドラム5の外周面上に残留するトナーを除去するクリーニング装置54とが感光体ドラム5の回転方向(矢印F方向)に沿って順次設けられている。
【0032】
また、各感光体ドラム5の上方には、書き込み光学系としてのレーザビームスキャナユニット55(以下、LSUと称する。)が設けられている。この各LSU55は、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)と、この半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー55a(偏向装置)と、このポリゴンミラー55aにより偏向されたレーザビームを感光体ドラム5の外周面上に結像させるためのfθレンズ55b及びミラー55c,55dとを備えている。
【0033】
第1の画像形成ステーションS1のLSU55にはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が入力され、第2の画像形成ステーションS2のLSU55にはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号が入力され、第3の画像形成ステーションS3のLSU55にはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が入力され、さらに、第4の画像形成ステーションS4のLSU55にはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が入力されるようになされている。これにより、色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム5の外周面上に形成される。
【0034】
第1の画像形成ステーションS1の現像装置52には黒色のトナーが収容され、第2の画像形成ステーションS2の現像装置52にはイエロー色のトナーが収容され、第3の画像形成ステーションS3の現像装置52にはマゼンタ色のトナーが収容され、さらに、第4の画像形成ステーションS4の現像装置52にはシアン色のトナーが収容されている。各感光体ドラム5の外周面上の静電潜像は、これら各色のトナーにより可視像に現像され、これにより、画像形成系41において色変換された原稿画像情報が各色のトナーによってトナー像として再現されるようになっている。
【0035】
第1の画像形成ステーションS1と給紙機構43との間には記録媒体吸着用帯電器56が設けられている。この記録媒体吸着用帯電器56は、転写搬送用ベルト44cの表面を帯電するものであり、給紙機構43から供給された記録媒体Pを転写搬送用ベルト44c上に確実に吸着させることによって、第1の画像形成ステーションS1から第4の画像形成ステーションS4までの間で記録媒体Pをズレさせずに搬送するようにしている。
【0036】
一方、第4の画像形成ステーションS4と定着装置45との間には、除電用放電器57が駆動ローラ41aのほぼ真上に位置して設けられている。この除電用放電器57には、転写搬送用ベルト44cに静電吸着されている記録媒体Pを転写搬送用ベルト44cから分離するための交流電流が印加されている。
【0037】
そして、本デジタルカラー複写機1に使用される記録媒体Pは、給紙カセット12から送り出されて給紙機構43の記録媒体搬送経路のガイド内に供給されると、その記録媒体Pの先端部分がセンサ(図示せず)により検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ40,40により一旦停止される。そして、記録媒体Pは、各画像形成ステーションS1〜S4とタイミングをとって、図1の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト44c上に受け渡される。このとき、転写搬送ベルト44cには記録媒体吸着用帯電器56による所定の帯電が施されているため、記録媒体Pは、各画像形成ステーションS1〜S4を通過する間、安定して搬送供給される。
【0038】
各画像形成ステーションS1〜S4においては、各色のトナー像がそれぞれ形成され、転写搬送ベルト44cにより静電吸着されて搬送される記録媒体Pの支持面上で各画像形成ステーションS1〜S4のトナー像が重ね合わされて画像が転写される。そして、第4の画像形成ステーションS4による画像の転写が完了すると、記録媒体Pは、その先端部分から順次陰電用放電器57により転写搬送ベルト44c上から剥離され、定着装置45へと導かれる。この定着装置45においてトナー画像が定着された記録媒体Pは、排出ローラ11aにより排出口(図示せず)を介して排出トレイ11上に排出される。
【0039】
そして、本発明の特徴部分として、上記デジタルカラー複写機1は、上述の如く第1〜第4の画像形成ステーションS1〜S4のすべての感光体ドラム5,…を転写搬送用ベルト44c上の記録媒体Pに対し順に接触させて画像を転写する多色画像形成と、第1の画像形成ステーションS1のみの感光体ドラム5を転写搬送用ベルト44c上の記録媒体Pに対し接触させて画像を転写する単色画像形成とが選択的に行えるようになっている。具体的には、デジタルカラー複写機1のスタートスイッチ(図示せず)をON操作した際に、単色画像形成(モノクロ画像形成)が要求されていると、図3に実線で示すように、最上流側の第1の画像形成ステーションS1の感光体ドラム5のみを使用し、残る第2〜第4の画像形成ステーションの各感光体ドラム5に対し転写搬送用ベルト44cを退避させることによって、第1の画像形成ステーションS1の感光体ドラム5のみによる単色画像形成を行えるようにしている。一方、デジタルカラー複写機1のスタートスイッチをON操作した際に、多色画像形成(フルカラー画像形成)が要求されていると、図2に実線で示すように、第1〜第4の画像形成ステーションS1〜S4のすべての感光体ドラム5,…を使用し、この各画像形成ステーションS1〜S4の各感光体ドラム5に対し転写搬送用ベルト44cを接触させることによって、第1〜第4の画像形成ステーションS1〜S4の各感光体ドラム5による多色画像形成を行えるようにしている。
【0040】
この転写搬送用ベルト44cは、これを保持する転写搬送ベルト機構44の本体ケース44Kに設けられた変換機構7によって、単色画像形成時に単色画像形成位置(図3に実線で示す位置)に、多色画像形成時に単色画像形成位置から多色画像形成位置(図2に実線で示す位置)にそれぞれ変換されるようになっている。上記変換機構7は、デジタルカラー複写機1の本体10に回動自在に支持され、かつ本体ケース44Kの他側(図では右側)の下面に対し摺接する変芯カム71と、この変芯カム71を回動させるアクチュエータなどの回動機構(図示せず)と、転写搬送ベルト機構44の本体ケース44K他側(図では右側)において転写搬送用ベルト44cを回動自在に支持する従動ローラ44bの回転軸(回転支点)72と、図4の(a)および(b)にも示すように、転写搬送ベルト機構44の本体ケース44Kの一側寄り(図では左側寄り)に設けられ、転写搬送用ベルト44cが単色画像形成位置に変換された際に、本体10のフレーム10aとの当接によって本体ケース44Kの一側端(センサ取付部側)を多色画像形成位置の転写搬送用ベルト44cと略平行となるように中折れさせる中折れ部73と、この中折れ部73を挟んで本体ケース44Kの一側と他側とに連携され、その一側端を他側に対して面一上に付勢する付勢スプリング74とを備えている。この場合、図4の(b)に示すように、付勢スプリング74は、本体10のフレーム10aとの当接によって本体ケース44Kの一側端を付勢力に抗して中折れさせるようになっている。
【0041】
また、上記デジタルカラー複写機1には、プロセスコントロール制御機構8が設けられている。このプロセスコントロール制御機構8では、基準となるトナーパターンの濃度または線幅を検出するキャリブレーションを実行するとともに、転写搬送用ベルト44c上に形成されたトナーパターンの濃度または線幅を検出し、上記キャリブレーションの実行により検出されたトナーパターンの濃度または線幅に基づいて、転写搬送用ベルト44c上において検出されたトナーパターンの濃度または線幅を補正するプロセスコントロール制御が行われるようになっている。そして、上記キャリブレーションは、上記転写搬送用ベルト44cが変換機構7によって上記転写搬送用ベルト44cが第1の画像形成ステーションS1の感光体ドラム5のみを使用する単色画像形成時に単色画像形成位置に退避しているときに実行される一方、上記転写搬送用ベルト44c上におけるトナーパターンの濃度または線幅の検出は、すべての画像形成ステーションS1〜S4の各感光体ドラム5を使用する多色画像形成時に多色画像形成位置(図2に実線で示す位置)に復帰しているときに実行されるようになっている。また、プロセスコントロール制御(キャリブレーションの実行を含む)は、デジタルカラー複写機1の本体10への電源投入時、待機時間が所定時間経過したとき、および画像形成された記録媒体Pの枚数が所定枚数を超過したときに行われるようになっている。この場合、転写搬送用ベルト44cは、すべての画像形成ステーションS1〜S4の各感光体ドラム5を使用する多色画像形成位置がホームポジションとされている。
【0042】
上記プロセスコントロール制御機構8は、本体10のフレーム10a上よりキャリブレーションの実行位置に突設され、基準となるトナーパターンの濃度または線幅が形成されたキャリブレーション板81と、本体ケース44Kの一側端に取り付けられ、上記キャリブレーション板81上および転写搬送用ベルト44c上におけるトナーパターンの濃度または線幅を検出するパターン検出センサ82(センサ)とを備えている。上記パターン検出センサ82は、図示しない発光部と受光部とを備え、発光部よりキャリブレーション板81上および転写搬送用ベルト44c上におけるトナーパターンに向けて発光した光の反射光を受光部で受光してトナーパターンの濃度または線幅を検出することが行われる。この場合、キャリブレーションを実行する際に単色画像形成位置に本体ケース44Kと共に変換されたパターン検出センサ82とキャリブレーション板81との間の距離L1(図3に表れる)と、転写搬送用ベルト上におけるトナーパターンの濃度または線幅を検出する際に多色画像形成位置に本体ケース44Kと共に変換されたパターン検出センサ82と転写搬送用ベルト44cの表面との間の距離L2(図2に表れる)とが互いに等しくなるように設定されている。
【0043】
また、上記キャリブレーション板81の上端には、パターン検出センサ82の表面を清掃する清掃部材としての清掃ブラシ83が設けられている。この清掃ブラシ83は、変換機構7により変換される転写搬送用ベルト44cの単色画像形成位置と多色画像形成位置との変換軌跡(図3に一点鎖線で示す)上に位置しており、転写搬送用ベルト44cが単色画像形成位置および多色画像形成位置に変換される都度、パターン検出センサ82の表面が擦摺されて清掃される。
【0044】
次に、プロセスコントロール制御機構8によるプロセスコントロール制御を図5〜図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
まず、図5のフローチャートのステップST1において、デジタルカラー複写機1の本体10への電源投入が行われると、ステップST2で、転写搬送用ベルト44cが多色画像形成位置つまりホームポジション(図2に実線で示す位置)に変換されているか否かを判定する。この判定は、変芯カム71の回転位置を検知する位置センサ(図示せず)などで行われる。
【0046】
そして、転写搬送用ベルト44cがホームポジションに変換されていないNOの場合には、ステップST3において、変芯カム71を逆回転(図では反時計回りの回転)して転写搬送用ベルト44cを単色画像形成位置(図3に実線で示す位置)からホームポジション(多色画像形成位置)まで復帰させる。
【0047】
一方、転写搬送用ベルト44cがホームポジションに変換されているYESの場合には、ステップST4において、プロセスコントロール制御を行う。
【0048】
このプロセスコントロール制御については、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
まず、図6のフローチャートのステップST40において、変芯カム71を正回転(図では時計回りの回転)して転写搬送用ベルト44cをホームポジション(多色画像形成位置)から単色画像形成位置まで変換させる。このとき、ステップST41において、ホームポジションから単色画像形成位置まで変換される転写搬送用ベルト44cの変換軌跡上で、パターン検出センサ82の表面を清掃ブラシ83により擦摺して清掃する。
【0050】
その後、ステップST42において、転写搬送用ベルト44cが単色画像形成位置に変換されるまで待機した後、ステップST43で、キャリブレーションを実行する。具体的には、パターン検出センサ82の発光部よりキャリブレーション板81上のトナーパターンに向けて発光した光の反射光を受光部で受光し、キャリブレーション板81上のトナーパターンの濃度または線幅(A)を検出する。
【0051】
それから、ステップST44において、変芯カム71を逆回転(図では反時計回りの回転)して転写搬送用ベルト44cを単色画像形成位置からホームポジションまで変換させる。このとき、ステップST45において、単色画像形成位置からホームポジションまで変換される転写搬送用ベルト44cの変換軌跡上で、パターン検出センサ82の表面を清掃ブラシ83により擦摺して清掃する。
【0052】
しかる後、ステップST46において、転写搬送用ベルト44cがホームポジションに変換されるまで待機した後、ステップST47で、転写搬送用ベルト44c上のトナーパターンの濃度または線幅(B)を検出する。具体的には、パターン検出センサ82の発光部より転写搬送用ベルト44c上のトナーパターンに向けて発光した光の反射光を受光部で受光し、転写搬送用ベルト44c上のトナーパターンの濃度または線幅(B)を検出する。
【0053】
その後、ステップST48において、キャリブレーションによるキャリブレーション板81上のトナーパターンの濃度または線幅(A)と転写搬送用ベルト44c上のトナーパターンの濃度または線幅(B)とが(A)≒(B)であるか否かを判定する。この場合、キャリブレーションによるキャリブレーション板81上のトナーパターンの濃度または線幅(A)と転写搬送用ベルト44c上のトナーパターンの濃度または線幅(B)との許容範囲は、2〜3%であるものとする。
【0054】
このステップST48の判定が(A)≒(B)とはならない許容値範囲外であるNOの場合には、キャリブレーションによるキャリブレーション板81上のトナーパターンの濃度または線幅に基づいて、転写搬送用ベルト4c上において検出されたトナーパターンの濃度または線幅を補正するプロセスコントロール制御、つまりキャリブレーション板81上のトナーパターンの濃度または線幅に基づいて、メインチャージ量、トナー濃度、転写出力、または露光光量などの画像形成条件の変更を行って転写搬送用ベルト44c上において検出されたトナーパターンの濃度または線幅を補正するプロセスコントロール制御を行う。一方、ステップST48の判定が(A)≒(B)となる許容値範囲内であるYESの場合には、転写搬送用ベルト4c上において検出されたトナーパターンの濃度または線幅を補正するプロセスコントロール制御を行わずに、図5のフローチャートのステップST5に進む。
【0055】
それから、このステップST5において、デジタルカラー複写機1のウォームアップ処理(初期化処理)を行った後、ステップST6で、プロセスコントロール制御およびウォームアップ処理を終えるまで待機した後、デジタルカラー複写機1を待機状態に移行させる。
【0056】
そして、図7および図8のフローチャートに示すように、デジタルカラー複写機1が待機状態に移行した後も、プロセスコントロール制御が行われる。
【0057】
まず、図7のフローチャートのステップST21において、デジタルカラー複写機1が待機状態に移行した後、画像形成が行われない時間つまり放置時間が設定時間(例えば30分)に達したか否かを判定し、放置時間が設定時間に達したYESの場合には、ステップST22において、上記ステップST4と同様にプロセスコントロール制御を行い、その後、待機状態に戻ることを繰り返す。
【0058】
また、図8のフローチャートのステップST31において、デジタルカラー複写機1が待機状態に移行した後、直前の画像形成による記録媒体Pの画像形成枚数が所定枚数(例えば50枚)に達したか否かを判定し、記録媒体Pの画像形成枚数が所定枚数に達したYESの場合には、ステップST32において、上記ステップST4と同様にプロセスコントロール制御を行い、その後、待機状態に戻ることを繰り返す。
【0059】
従って、本実施形態では、プロセスコントロール制御機構8は、本体10のフレーム10a上よりキャリブレーションの実行位置に突設されたキャリブレーション板81と、本体ケース44Kの一側端に取り付けられたパターン検出センサ82とを備えているので、パターン検出センサ82は、転写搬送用ベルト44cの変換動作に伴って、転写搬送用ベルト44cが単色画像形成位置に退避しているときにキャリブレーション実行位置(キャリブレーション板81と対向する対向位置)に、転写搬送用ベルト44cが単色画像形成位置に復帰しているときに転写搬送用ベルト44c上におけるトナーパターンの検出実行位置(転写搬送用ベルト44c表面と対向する位置)に移動することになる。このため、パターン検出センサ82を移動させるソレノイドなどのアクチュエータが不要となり、プロセスコントロール制御機構8が非常に簡便なものとなる上、部品点数も減少し、プロセスコントロール制御をより簡単な構成で効率よく実行することができることになる。
【0060】
また、デジタルカラー複写機1の本体10への電源投入時、待機時間が所定時間(例えば30分)経過したとき、および画像形成された記録媒体Pの枚数が所定枚数(例えば50枚)を超過したときにプロセスコントロール制御が実行されるので、キャリブレーションの実行により検出したトナーパターンの濃度または線幅に基づいて、転写搬送用ベルト44c上のトナーパターンの濃度または線幅を所望するタイミングで的確に補正することができ、常時安定した画像形成を行うことができる。
【0061】
しかも、キャリブレーションを実行する際のパターン検出センサ82とキャリブレーション板81との間の距離L1と、転写搬送用ベルト44c上におけるトナーパターンの濃度または線幅を検出する際のパターン検出センサ82と転写搬送用ベルト44cの表面との間の距離L2とが互いに等しくなっているので、固定式の単一のパターン検出センサ82によって、キャリブレーション板41上のトナーパターンの濃度または線幅と、転写搬送用ベルト44c上のトナーパターンの濃度または線幅とが転写搬送用ベルト44cの変換動作に応じてそれぞれ等距離で検出され、プロセスコントロール制御機構8によるプロセスコントロール制御をより精度よく行うことができる。
【0062】
そして、転写搬送用ベルト44cが単色画像形成位置に変換された際に、本体10のフレーム10aとの当接によって本体ケース44Kの一側端(センサ取付部側)を多色画像形成位置の転写搬送用ベルト44cと略平行となるように中折れさせる中折れ部73が設けられているので、パターン検出センサ82は、転写搬送用ベルト44cが単色画像形成位置および多色画像形成位置のいずれに変換されていても、転写搬送用ベルト44c表面およびキャリブレーション板81に対し同じ条件で対向することになり、パターン検出センサ82の検出精度を高めることができる。また、転写搬送ベルト44cの単色画像形成位置と多色画像形成位置との変換軌跡上に、パターン検出センサ82の表面を清掃する清掃ブラシ83が設けられているので、転写搬送用ベルト44cを単色画像形成位置と多色画像形成位置とに変換する都度、パターン検出センサ82の表面が清掃ブラシ83によって清掃され、パターン検出センサ82表面へのごみなどの付着による誤検出を防止して、パターン検出センサ82の信頼性を効果的に高めることができる。
【0063】
(他の実施形態)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含している。例えば、上記実施形態では、転写搬送ベルト44cの回転支点を転写搬送ベルト機構44の本体ケース44K他側において転写搬送用ベルト44cを回動自在に支持する従動ローラ44bの回転軸72としたが、第1の画像形成ステーション近傍位置下方に対応する本体ケースの他側に設けられ、その第1の画像形成ステーションでの感光体ドラムの転写搬送用ベルトに対する転写領域の接触幅(記録媒体の搬送方向の幅)が多色画像形成時と単色現像時とでほぼ一致するように変芯カムによって本体ケースを回転させる回転支点であってもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、本体ケース44Kの一側端側に、本体10のフレーム10aとの当接によって本体ケース44Kの一側端を多色画像形成位置の転写搬送用ベルト44cと略平行となるように中折れさせる単一の中折れ部73を設けたが、本体のフレームとの当接によって本体ケースの一側端を多色画像形成位置の転写搬送用ベルトと略平行となるように中折れさせる中折れ部が、複数箇所に設けられていてもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、以下のような効果が発揮される。先ず、転写材搬送ベルトの単色画像形成位置への変換時にキャリブレーションの実行位置に移動するセンサによりキャリブレーションを実行する一方、転写材搬送ベルトの多色画像形成位置への変換時に転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの検出位置に移動するセンサにより転写材搬送ベルト上での現像剤パターンの濃度または線幅の検出を実行することで、転写材搬送ベルトの変換動作を利用してプロセスコントロール制御を行え、プロセスコントロール制御機構自体を非常に簡便なものとし、部品点数も減少させて、プロセスコントロール制御を簡単な構成で効率よく実行することができる。しかも、転写材搬送ベルトと共に変換動作する搬送ベルト保持ユニットに転写材搬送ベルトおよびセンサを設けることで、センサを転写材搬送ベルトの変換動作に伴って移動させ、プロセスコントロール制御機構をより簡便なものにすると共に、部品点数も減少し、プロセスコントロール制御をより簡単な構成で効率よく実行することができる。更に、転写材搬送ベルトの変換軌跡上に清掃部材を配置することで、転写材搬送ベルトを変換する都度、センサの表面を清掃部材によって清掃でき、センサ表面へのごみなどの付着による誤検出を防止してセンサの信頼性を効果的に高めることができる。
【0066】
特に、装置本体への電源投入時、待機時間が所定時間経過したとき、および画像形成された転写材の枚数が所定枚数を超過したときにプロセスコントロール制御を実行することで、転写材搬送ベルト上の現像剤パターンの濃度または線幅を所望するタイミングで的確に補正することができ、常時安定した画像形成を行うことができる。
【0067】
また、キャリブレーション板および転写材搬送ベルト表面とセンサとの間の距離を互いに等しくさせることで、固定式の単一のセンサによるキャリブレーション板上および転写材搬送ベルト上の現像剤パターンの濃度または線幅を転写材搬送ベルトの変換動作に応じてそれぞれ等距離で検出し、プロセスコントロール制御機構によるプロセスコントロール制御をより精度よく行うことができる。
【0069】
また、転写材搬送ベルトの単色画像形成位置への変換時に、センサ取付部側を多色画像形成位置の転写材搬送ベルトと略平行となるように中折れさせる少なくとも1箇所の中折れ部を搬送ベルト保持ユニットに設けることで、転写材搬送ベルトのいずれの変換位置においても転写材搬送ベルト表面およびキャリブレーション板に対し同じ条件でセンサを対向させ、センサの検出精度を高めることができる。
【0071】
更に、転写材搬送ベルトを保持する搬送ベルト保持ユニット下方のカムと、このカムにより最上流側の画像形成ステーション近傍位置を支点にして回転する搬送ベルト保持ユニットの回転支点とで転写材搬送ベルトの変換機構を構成することで、変換機構を非常に簡単な構造にすることができる。しかも、最上流側の画像形成ステーションでの感光体の転写材搬送ベルトに対する転写領域の幅を多色画像形成時と単色画像形成時とでほぼ一致させるようにカムによって搬送ベルト保持ユニットを回転支点回りに回転させることで、多色画像形成時および単色画像形成時のいずれにおいても最上流側の画像形成ステーションでの感光体の転写性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラーレーザ複写機を正面から見た断面図である。
【図2】多色画像形成位置に変換した状態を示す転写搬送用ベルトの模式図である。
【図3】単色画像形成位置に変換した状態を示す転写搬送用ベルトの模式図である。
【図4】(a)は転写搬送用ベルトの多色画像形成位置での本体ケース一側端側の中折れ部の説明図である。
(b)は転写搬送用ベルトの単色画像形成位置での本体ケース一側端側の中折れ部の説明図である。
【図5】プロセスコントロール制御機構によるプロセスコントロール制御の全体の流れを示すフローチャート図である。
【図6】プロセスコントロール制御の流れを示すフローチャート図である。
【図7】放置時間に応じたプロセスコントロール制御への移行タイミングを示すフローチャート図である。
【図8】画像形成枚数に応じたプロセスコントロール制御への移行タイミングを示すフローチャート図である。
【図9】従来例に係わる転写材搬送ベルトの表面に対しセンサを対向させた状態を示す転写搬送用ベルト一側付近の模式図である。
【図10】同じくキャリブレーション板に対しセンサを対向させた状態を示す転写搬送用ベルト一側付近の模式図である。
【符号の説明】
44K 本体ケース(搬送ベルトユニット)
44c 転写搬送用ベルト(転写材搬送ベルト)
5 感光体ドラム(感光体)
51 帯電器
52 現像装置
54 クリーニング装置
55 レーザビームスキャナユニット(書き込み光学系)
7 変換機構
71 変芯カム(カム)
72 回転支点
8 プロセスコントロール制御機構
81 キャリブレーション板
82 パターン検出センサ(センサ)
83 中折れ部
S1〜S4 第1〜第4の画像形成ステーション
P 記録媒体(転写材)
Claims (5)
- 帯電器、書き込み光学系、現像装置およびクリーニング装置をそれぞれ感光体の周囲に備えた複数の画像形成ステーションと、画像形成される転写材を搬送する転写材搬送ベルトとを具備し、単色による画像形成時に、転写材の搬送方向上流側から下流側に亘って配された各画像形成ステーションのうちの最上流側に位置する画像形成ステーションのみを使用し、残る他の画像形成ステーションに対し転写材搬送ベルトを退避させることによって、最上流側の画像形成ステーションによる単色画像形成を行うようにした画像形成装置において、
基準となる現像剤パターンの濃度または線幅を検出するキャリブレーションを実行するとともに、転写材搬送ベルト上に形成された現像剤パターンの濃度または線幅を検出し、上記キャリブレーションの実行により検出された現像剤パターンの濃度または線幅に基づいて、転写材搬送ベルト上において検出された現像剤パターンの濃度または線幅を補正するプロセスコントロール制御が行われるようにしたプロセスコントロール制御機構であって、
上記転写材搬送ベルトは、最上流側に位置する画像形成ステーションのみを使用する単色画像形成時に単色画像形成位置に退避する一方、すべての画像形成ステーションを使用する多色画像形成時に多色画像形成位置に復帰するように変換可能に構成され、装置本体内において転写材搬送ベルトと共に変換動作される搬送ベルト保持ユニットに保持されており、
上記キャリブレーションの実行位置には、基準となる現像剤パターンの濃度または線幅が形成されたキャリブレーション板が設けられているとともに、上記搬送ベルト保持ユニットには、上記キャリブレーション板上および転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの濃度または線幅を検出するセンサが取り付けられていて、
上記キャリブレーションは、上記搬送ベルト保持ユニットによる変換動作によって上記転写材搬送ベルトが単色画像形成位置に退避しているときに上記キャリブレーションの実行位置に移動するセンサにより実行される一方、
上記転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの濃度または線幅の検出は、上記搬送ベルト保持ユニットによる変換動作によって上記転写材搬送ベルトが多色画像形成位置に復帰しているときに上記転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの検出位置に移動するセンサにより実行されるようになっており、
上記転写材搬送ベルトの単色画像形成位置と多色画像形成位置との変換軌跡上には、センサの表面を清掃する清掃部材が配置されていることを特徴とする画像形成装置のプロセスコントロール制御機構。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置のプロセスコントロール制御機構において、
プロセスコントロール制御は、装置本体への電源投入時、待機時間が所定時間経過したとき、および画像形成された転写材の枚数が所定枚数を超過したときに行われるようになっていることを特徴とする画像形成装置のプロセスコントロール制御機構。 - 上記請求項1または請求項2に記載の画像形成装置のプロセスコントロール制御機構において、
キャリブレーションを実行する際のセンサとキャリブレーション板との間の距離と、転写材搬送ベルト上における現像剤パターンの濃度または線幅を検出する際のセンサと転写材搬送ベルトの表面との間の距離とが互いに等しいことを特徴とする画像形成装置のプロセスコントロール制御機構。 - 上記請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の画像形成装置のプロセスコントロール制御機構において、
搬送ベルト保持ユニットは、転写材搬送ベルトが単色画像形成位置に変換された際に、装置本体との当接によってセンサ取付部側を多色画像形成位置の転写材搬送ベルトと略平行となるように中折れさせる少なくとも1箇所の中折れ部を備えていることを特徴とする画像形成装置のプロセスコントロール制御機構。 - 上記請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置のプロセスコントロール制御機構において、
転写材搬送ベルトを単色画像形成位置と多色画像形成位置とに変換する変換機構は、
この転写材搬送ベルトを保持する搬送ベルト保持ユニットの下方に設けられたカムと、
最上流側の画像形成ステーション近傍位置の搬送ベルト保持ユニットに設けられ、その最上流側の画像形成ステーションでの感光体の転写材搬送ベルトに対する転写領域の幅が多色画像形成時と単色現像時とでほぼ一致するように上記カムによって回転する回転支点と
を備えていることを特徴とする画像形成装置のプロセスコントロール制御機構。
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