JP4542211B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの走査光により画像形成装置の像担持体上に静電潜像を形成する光走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像情報に対して画像処理を施して走査光であるレーザ光走査記録を行う光走査装置を搭載して高画質表現を可能にした画像形成装置であるデジタル複写機やレーザプリンタ等が商品化されている。
【0003】
このような画像形成装置におけるレーザ光走査記録のための光走査装置には、レーザ光源から画像情報に基づいて変調された光像が順次発光され、そのレーザ光を像担持体上に結像させるための各種光学部材が互いに所定の位置関係を保った状態で支持されている。
【0004】
一方、デジタル複写機は、オフィス環境下において、設置スペースを最小限に抑えるために、小型化されている。
【0005】
その中で、レーザ走査記録を行う光走査装置は、装置内部の他の記録機構との位置関係において、限られた空間内に配置されることとなり、時には記録機構との配置関係において、レーザ光の走査光路をミラーで折り返しながら変調されたレーザ光を像担持体表面に向かって結像させることがある。
【0006】
例えば、特開昭63−301074号公報にあるように、3枚のミラーでレーザ光光路を折り返すことにより、光路長を限られた空間内で確保し光走査装置の大きさ(長さ)を小型化している。
【0007】
また、特開平7−128603号公報のように、複数の光走査装置及び感光体を並列配置したデジタルカラー複写機があり、並列配置した光走査装置間の距離を最小限に抑えるために、光走査装置を縦型に配置しているものもあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光走査装置のレーザ光を偏向させるためのポリゴンミラー及びポリゴンミラーの駆動モータからなる偏向装置においては、ポリゴンミラーを高速回転させているために、この駆動モータの回動軸に大きな負荷がかかり、駆動モータの寿命さらには回動軸のがたつきによる記録画像への影響が考えられるため、特開平7−128603号公報のもののように、光走査装置を縦型、すなわち、偏向装置を光走査装置本体の垂直面に駆動モータの回動軸が水平になるように配置させたものでは、駆動モータへの負荷が非常に大きくなり上記のような不都合が顕著に現れるという問題があった。
【0009】
このため、特開昭63−301074号公報のもののように偏向装置の駆動モータの回動軸を垂直に支持し、光源からのレーザ光光路を折り返すよう構成された光走査装置を、複数並列に配置したものにおいては、光走査装置の大きさ(長さ)が大きくなり、光走査装置間の間隔が大きくなり画像形成装置を小型に抑えることができないという問題があった。
【0010】
特に、最近の光走査装置及び感光体を並設したタンデム方式の画像形成装置においては、画像形成装置の設置占有面積を最小限に抑えるために、感光体の直径が30〜40mmといった小型の電子写真プロセスによる画像形成部を並設したものがあるが、光走査装置の大きさを小型に抑えることができないと、感光体の大きさが小型化されても、画像形成装置自身の大きさを小型化することができなかった。
【0011】
本発明は、第1及び第2支持面の表側に偏向装置及び光学部材を配設し、この第1及び第2支持面に沿った偏向装置から光学部材への走査光の光路を形成し、第1及び第2支持面により形成される空間内部にシリンダミラーを配置することで光走査装置の小型化を図り、この光走査装置を用いる画像形成装置の小型化を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の光源からの走査光により像担持体上に静電潜像を形成する光走査装置において、上記光源からの走査光を像担持体に導く複数の光学部材と、該光学部材を支持する複数の支持面により多面体に形成された支持体とからなり、該支持体の第1支持面の表側に走査光を主走査方向へ変更するための偏向装置が支持されるとともに、この第1支持面に隣接する第2支持面に光学部材が支持され、上記第1支持面と第2支持面により形成される内部空間に上記像担持体上に走査光を導くためのシリンダミラーが配置されている。
【0013】
したがって、第1及び第2支持面に沿った偏向装置から光学部材への走査光の光路が形成され、像担持体へ走査光を導くシリンダミラーが第1及び第2支持面により形成される内部空間に配置されているので、光走査装置の小型化を図ることが可能となる。
【0014】
また、本発明のシリンダミラーは位置調整可能に配置されている。
【0015】
したがって、シリンダミラーの位置を調整することにより、各部材間の取り付け位置誤差を解消することができ、像担持体上に正常な状態で走査光を照射することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の光走査装置であるレーザ走査装置の実施形態1を図1とともに説明する。
【0017】
このレーザ走査装置は、例えば、デジタルカラー複写機に用いられる場合、図示しないスキャナユニットにて読み取られメモリに記憶された画像データ、あるいは、レーザプリンタに用いられる場合、外部の端末装置から転送されてきた画像データに応じてレーザ光を出射する半導体レーザ光源と、この半導体レーザ光源から出射された変調レーザ光を平行なレーザ光線とするコリメータレンズと、レーザ光を所定の方向へ等角速度偏向するポリンゴンミラー11aとポリンゴンミラー11aを回転駆動する駆動モータ11bとからなる偏向装置11と、偏向装置11で等角速度偏向されたレーザ光を図示しない電子写真プロセス部を構成する像担持体である感光体ドラムを等速度で走査し静電潜像を形成するように補正する光学部材である第1fθレンズ12と、第1fθレンズ12を通過したレーザ光をさらに補正する第2fθレンズ13と、偏向装置11で偏向反射され第1fθレンズ12を通過したレーザ光を第2fθレンズ13に導くための反射ミラー14と、第2fθレンズ13からのレーザ光を反射して感光体ドラム上に導く反射ミラー群の内の第1反射ミラー15と、第1反射ミラー15により反射されたレーザ光を感光体ドラム上に導くシリンダミラー16と、これら部材を支持する支持体である本体フレーム20とから構成している。
【0018】
上記本体フレーム20は、略直方体(多面体)形状をなしており、その水平上面(第1支持面)21と、この水平上面21と隣接する鉛直側面(第2支持面)22と、水平下面23を有している。
【0019】
上記水平上面21に半導体レーザ光源及び偏向装置11を支持している。この偏向装置11の駆動モータはその回動軸が垂直方向になるように水平上面21に支持するとともに、第1fθレンズ12を支持している。上記鉛直側面22に第2fθレンズ13を支持している。
【0020】
そして、水平上面21と鉛直側面22との稜部分24に半導体レーザ光源から出射され偏向装置11で等角速度偏向されたレーザ光を進路を曲げて第2fθレンズ13に導くよう反射ミラー14を支持している。
【0021】
また、鉛直側面22と水平下面23との稜部分に第1反射ミラー15を配置し、第2fθレンズ13を通ってこの第1反射ミラー15で反射されたレーザ光は鉛直側面22の開口部22aを通って水平上面21,鉛直側面22,水平下面23により包囲形成された内部空間20aにシリンダミラー15を位置調整可能に配置し、このシリンダミラー15によりレーザ光を反射して本体フレーム10の下方に支持されている感光体ドラム上に到達するようになっている。
【0022】
したがって、半導体レーザ光源1から出射されたレーザ光の光路は図中一点鎖線に示した光路となる。
【0023】
このように、レーザ走査装置の本体フレーム20の中で最も歪みが少なく強度的にも強い部分である稜部分24に偏向装置11と,第1fθレンズ12と第2fθレンズ13とを結ぶ反射ミラー14を支持するとともに、各部材を本体フレーム20に一体的に配置しているので、本体フレーム20の歪みが原因となる反射ミラー14の位置精度の低下及び各部材間の位置精度の低下によるレーザ光のずれを発生させることなく、正確にレーザ光を導くことができる。
【0024】
そして、水平上面21に半導体レーザ光源,偏向装置11,第1fθレンズ12を支持させ、鉛直側面22に第2fθレンズ13を支持させることにより、夫々の部材を一体的に配置しているので、各部材間の位置精度を向上させることができ、感光体ドラム表面に画像データに基づいて正確な静電潜像を形成することができる。
【0025】
しかも、本体フレーム20の各面の表面側に各部材を支持させ、レーザ光の光路を形成し、本体フレーム20の内部空間20aにシリンダミラー16を配置しているので、本体フレーム20の空間を有効に利用することができ、最小限のレーザ走査装置の大きさで、レーザ光の必要な光路長を確実に得ることができ、レーザ走査装置の小型化を図ることができる。
【0026】
また、偏向装置11の駆動モータ11bはその回動軸が垂直になるように水平上面21に支持されているので、回動軸に対して横向きの負荷が加わることがなく、ポリンゴンミラー11aの回転中心が偏心することなく、正確にレーザ光を等角速度偏向することができる。
【0027】
図3は、上記実施形態1のレーザ走査装置を適用したタンデム方式のデジタルカラー複写機1の構成を示す概略断面図であり、複写機本体1の上面には、原稿台111及び操作パネルが設けられ、複写機本体1の内部に画像読取部110及び画像形成部210が設けられた構成である。
【0028】
この原稿台111の上面には、該原稿台111に対して開閉可能な状態で支持され、原稿台111の面に対して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RADF:Recirculating Automatic Document Feeder)112が装着されている。
【0029】
さらに、RADF112は、まず、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像読取部110に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台111の所定位置において画像読取部110に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向かって搬送するようになっている。
【0030】
そして、RADF112は、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後に、この原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。
【0031】
以上の原稿の搬送及び表裏反転の動作は、複写機全体の動作に関連して制御されるものである。
【0032】
画像読取部110は、RADF112により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置されている。画像読取部110は該原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCDラインセンサ116とを有している。
【0033】
この原稿走査体は、第1走査ユニット113と第2走査ユニット114とから構成されている。
【0034】
第1走査ユニット113は原稿画像表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で往復移動するものである。
【0035】
第2走査ユニット114は、第1走査ユニット113の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2及び第3ミラーとを有し、第1走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
【0036】
光学レンズ115は、第2走査ユニット114の第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるものである。
【0037】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤),G(緑),B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報は、さらに、図示しない画像処理部に転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0038】
次に、画像形成部210の構成、及び、画像形成部210に係わる各部の構成について説明する。
【0039】
画像形成部210の下方には、用紙トレイ内に積載収容されている用紙(転写材)Pを1枚ずつ分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構211が設けられている。そして、1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部210の手前に配置された一対のレジストローラ212によりタイミングが制御されて画像形成部210に搬送される。さらに、片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部210の画像形成にタイミングを合わせて画像形成部210に再供給搬送される。
【0040】
画像形成部210の下方には、転写搬送ベルト機構213が配置されている。
この転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215,230とテンションローラ231に張架された転写搬送ベルト(転写ベルト)216に用紙Pを静電吸着させて搬送する構成となっている。
【0041】
さらに、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側には、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置217が配置されている。この定着装置217の一対の定着ローラ間におけるニップ部を通過した用紙Pは、搬送方向切換ゲート218を経て、排出ローラ219により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0042】
搬送方向切換ゲート218は、定着後の用紙Pの搬送経路を、複写機本体1外へ用紙Pを排出する経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。
【0043】
搬送方向切換ゲート218により再び画像形成部210に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して表裏反転された後、画像形成部210へと再度供給される。
【0044】
また、画像形成部210における転写搬送ベルト216の上方には、転写搬送ベルト216に近接して、第1画像形成ステーションPa,第2画像形成ステーションPb,第3画像形成ステーションPc及び第4画像形成ステーションPdが、用紙搬送経路上流側から順に並設されている。
【0045】
転写搬送ベルト216は駆動ローラ214によって、図1において矢印Zで示す方向に摩擦駆動され、前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙Pを静電吸着により担持し、用紙Pを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
【0046】
各画像形成ステーションPa〜Pdは、実質的に同一の構成を有している。各画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdは、図1に示す矢印F方向に回転駆動される感光体ドラム222a,222b,222c及び222dを夫々備えている。
【0047】
各感光体ドラム222a〜222dの周辺には、感光体ドラム222a〜222dを夫々一様に帯電する帯電器223a,223b,223c,223dと、感光体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像を夫々現像する現像装置224a,224b,224c,224dと、現像された感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写する転写手段である転写ローラ225a,225b,225c,225dと、感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去するクリーニング装置226a,226b,226c,226dとが、感光体ドラム222a〜222dの回転方向に沿って順次配置されている。
【0048】
また、各感光体ドラム222a〜222dの上方には、レーザビームスキャナユニット(LSU)227a,227b,227c,227dが夫々設けられている。LSU227a〜227dは、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)、半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)240と、ポリゴンミラー240により偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241やミラー242,243などから構成されている。
【0049】
LSU227aにはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、LSU227bにはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、LSU227cにはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、LSU227dにはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号が夫々入力される。
【0050】
これにより、色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。そして、現像装置227aには黒色のトナーが、現像装置227bにはシアン色のトナーが、現像装置227cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置227dにはイエロー色のトナーが夫々収容されており、感光体ドラム222a〜222d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、画像形成部210にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0051】
また、第1画像形成ステーションPaと給紙機構211との間には用紙吸着用帯電ローラ228が設けられており、この用紙吸着用帯電ローラ228は転写搬送ベルト216の表面を帯電させ、給紙機構211から供給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上に確実に静電吸着により担持された状態で第1画像形成ステーションPaから第4画像形成ステーションPdの間でずれることなく搬送させる。
【0052】
一方、第4画像形成ステーションPdと定着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には除電器229が設けられている。この除電器229には転写搬送ベルト216に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト216から分離するための交流電流が印加されている。
【0053】
上記構成のデジタルカラー複写機においては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分がセンサ(図示せず)にて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ212により一旦停止される。
【0054】
そして、用紙Pは各画像形成ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき、転写搬送ベルト216には前述したように用紙吸着用帯電ローラ228により所定の帯電が施されているので、用紙Pは各画像形成ステーションPa〜Pdを通過する間、安定した状態で搬送供給される。
【0055】
各画像形成ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像が夫々形成され、転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合わされる。第4画像形成ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pはその先端部分から順次除電器229により転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれる。
【0056】
最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ220上へと排出される。
【0057】
上記のタンデム方式のデジタルカラー複写機においては、各色の画像形成ステーションPa〜Pdで記録再現されたトナー像の用紙Pへの転写時の重ね合わせ(レジストレーション)位置を正確に位置合わせ行わなければ、各色のトナーにより形成された画像のドットが色ずれとなってカラー画像の画質の低下の原因となるため、各画像形成ステーションPa〜Pdにおいて形成されるトナー像(画像)が正確に重なり合うように、画像副走査方向におけるトナー像(画像)の先端と後端、及び、画像主走査方向における画像の先端と後端が同じ位置となるように各種補正を行いながら色ずれが極力発生することのないようにしている。
【0058】
各画像形成ステーションPa〜Pdにおいて記録される画像の副走査方向における先端と後端の一致は、各色の画像形成ステーションPa〜Pdを通過する用紙のタイミングに合わせて画像の副走査方向における先端が一致するように主走査による画像の書き込みを開始するように制御している。
【0059】
なお、副走査方向における画像の後端は同じプロセス速度で動作する各色の画像形成ステーションPa〜Pdにおいて、同じ所定の回転数で回転する偏光装置11により画像の走査書き込みが行われるので、全て同じ転写位置となる。
【0060】
図4は、各色の画像形成ステーションPa〜PdにおけるLSU227の光学特性を示すために、各像高での主走査位置ずれを測定した結果をまとめた特性図であり、この光学特性は、基本的には同じ光学部品を同じように組み込んだLSU227であるから、略同等の光学特性が得られるもの、各種光学部品のバラツキあるいはユニットの組み立てバラツキ等により、デジタルカラー複写機に取り付けられた状態における画像の主走査記録特性が多少ずれた(似通った)状態となってしまう。図4からも解るように、特性カーブの形状は略同等で微妙に前後のバラツキが生じている。
【0061】
なお、特性図の縦軸は、主走査方向における理想位置からのずれ量を表し、横軸は、光軸センターを基準として感光体ドラム表面でのフロント側へのずれをマイナス(−)、リア側へのずれをプラス(+)とした距離を表している。
【0062】
この複数のLSUにおけるバラツキのある状態からは、主走査方向における画像の記録開始点(主走査方向における画像の先端)を調整する。
【0063】
ここで行われる調整の方法としては、主走査方向における画像の記録開始点を制御するために、LSU内に設けられたビーム検出センサからのビーム検出信号に基づいて画像の書き込みを開始するタイミングを各色の画像形成ステーションにおいて前後させる(ビーム検出信号からタイマ、あるいはカウンタを計数して所定の値に達すると画像データによる変調記録を開始する)ことにより達成する。
【0064】
この制御により各色の画像形成ステーションPa〜Pdにおける画像の記録開始点(主走査方向における画像の先端)がそろえられた状態を表した特性図が図5である(特性図上では、マイナス115mmの位置で各色の書き込み位置が揃うように調整している。)。
【0065】
次に、主走査方向における画像の記録終了点(主走査方向における画像の後端)を調整する。これは、主走査方向における光学的倍率のバラツキ等により発生するずれであり、主走査方向における画像の記録終了点が主走査方向にずれて(前後して)しまうといった問題である。
【0066】
ここで行われる調整の方法としては、主走査方向における画像の倍率(伸び縮み)を制御するために、主走査方向への画像のドット単位の記録を行うための画像書込クロックを調整して、主走査方向における画像の先端から後端までの画像の長さ(幅)が、各色の画像形成ステーションPa〜Pd全てにおいて同じとなるように考慮している。
【0067】
画像書込クロックの調整方法としては、VCO(電圧制御発振器)を画像書込クロック発振回路に用いて、このVCOに供給される電圧を可変することにより調整を行う。
【0068】
この制御により、各色の画像形成ステーションにおける画像の記録開始点、及び画像終了点(主走査方向における画像の先端と後端)が揃えられた状態を表した特性図が図6である(特性図上では、マイナス115mmとプラス115mmの位置で、各色の書き込み位置が揃うように調整している。)。
【0069】
ここまでの調整により、各色の画像形成ステーションPa〜Pdにおいて記録される主走査方向における画像の記録開始点(画像の先端)と記録終了点が一致することとなる。
【0070】
しかし、主走査記録される過程の光学系部材(反射ミラー、fθレンズなど)のバラツキ等が完全に補正されていないために、主走査方向における画像の開始点と終了点の間に記録される画像が重なり合わないこととなる(図6:4個のLSUの中の1個がずれている状態を表す。)。
【0071】
そこで、ずれの発生しているLSUについては、図1に示すシリンダーミラー16の位置調整をおこなうことにより、図7に示されるようにすべての画像形成ステーションPa〜Pdにおける主走査記録のポイントが一致するように調整し、色ずれの防止を行う。
【0072】
シリンダーミラー16の位置調整機構としては、図示していないが、主走査方向に伸びるシリンダーミラー16の一端を支持支点として、他端側を図1の矢印方向(シリンダーミラー16により形成されるレーザ入射光と折り返し光により形成される角度の等角二等分線方向)に移動させて微調整を行う。
【0073】
なお、調整範囲を広げるために、主走査方向に伸びるシリンダーミラー16の両端を調整できるようにすることも可能である。
【0074】
また、今回の説明では、図1の矢印方向(シリンダーミラー16により形成されるレーザ入射光と折り返し光により形成される角度の等角二等分線方向)にシリンダーミラー16を移動させて微調整を行う用にしているが、シリンダーミラー16の調整ににより生じる走査線の曲がり(ボウ)の発生を考慮して図1の矢印方向(シリンダーミラー16により形成されるレーザ入射光と折り返し光により形成される角度の等角二等分線方向)に対して略垂直方向にも微調整できる調整機構を追加してもよい。
【0075】
このシリンダーミラー16の調整の原理を簡単に表したものが図8の説明図であり、主走査記録時の感光体ドラム表面における像高が主走査方向(フロントFからリアR)にわたって略同等となるように、シリンダーミラー16の位置(θ)を微妙に調整するものである。
【0076】
以上の調整により、複数ある画像形成ステーションPa〜PdにおけるLSUの主走査方向における画像記録ポイントのずれを抑え、各画像形成ステーションPa〜Pdにおいて記録再現される各色の画像を位置制度よく重ね合わせることが可能となり、忠実な色が再現されたカラー画像として提供することができる。
【0077】
次に、本発明の光走査装置であるレーザ走査装置の実施形態2を図9とともに説明する。
【0078】
この実施形態2においては、水平上面に21に半導体レーザ光源及び偏向装置11を支持している。上記鉛直側面22に第1fθレンズ12及び第2fθレンズ13を支持している。
【0079】
したがって、実施形態2におけるレーザ走査装置の水平方向の大きさを実施形態1のレーザ走査装置のものに比べ、小型にすることができ、このレーザ走査装置をタンデム方式の画像形成装置に用いることにより、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0080】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、光源からの走査光により像担持体上に静電潜像を形成する光走査装置において、上記光源からの走査光を像担持体に導く複数の光学部材と、該光学部材を支持する複数の支持面により多面体に形成された支持体とからなり、該支持体の第1支持面の表側に走査光を主走査方向へ変更するための偏向装置が支持されるとともに、この第1支持面に隣接する第2支持面に光学部材が支持され、上記第1支持面と第2支持面により形成される内部空間に上記像担持体上に走査光を導くためのシリンダミラーが配置されているので、第1及び第2支持面に沿った偏向装置から光学部材への走査光の光路が形成され、像担持体へ走査光を導くシリンダミラーが第1及び第2支持面により形成される内部空間に配置されているので、光走査装置の小型化を図ることできる。
【0081】
そして、例えば、複数個の像担持体及び光走査装置を並設するタンデム方式の画像形成装置に本発明の光走査装置を適用することにより、複数個の像担持体を備えた画像形成装置においても、その装置の大きさを小型にすることができる。
【0082】
また、本発明のシリンダミラーは位置調整可能に配置されている。
【0083】
したがって、シリンダミラーの位置を調整することにより、各部材間の取り付け位置誤差を簡単な構成で確実に解消することができ、像担持体上に正常な状態で走査光を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ走査装置の実施形態1を示す断面図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】本発明のレーザ走査装置の実施形態1を適用したタンデム方式のデジタルカラー複写機を示す概略断面図である。
【図4】タンデム方式のデジタルカラー複写機の各画像形成ステーションのレーザ走査装置における光学特性を表す特性図である。
【図5】タンデム方式のデジタルカラー複写機の各画像形成ステーションのレーザ走査装置において画像の記録開始点(主走査方向における画像の先端)を揃えた状態における光学特性を表す特性図である。
【図6】タンデム方式のデジタルカラー複写機の各画像形成ステーションのレーザ走査装置において画像の記録開始点及び終了点(主走査方向における画像の先端及び後端)を揃えた状態における光学特性を表す特性図である。
【図7】図3のデジタルカラー複写機の各画像形成ステーションのレーザ走査装置においてシリンダーミラーの位置調整を行った状態における光学特性を表す特性図である。
【図8】本発明のレーザ走査装置のシリンダミラーの調整原理を示す模式図である。
【図9】本発明のレーザ走査装置の実施形態2を示す断面図である。
【符号の説明】
11 偏向装置
11a ポリンゴンミラー
11b 駆動モータ
12 第1fθレンズ
13 第2fθレンズ
14 反射ミラー
15 第1反射ミラー
16 シリンダーミラー
20 本体フレーム
20a 内部空間
21 水平上面
22 鉛直側面
23 水平下面
Claims (3)
- 光源から出射した光を偏向する偏向装置と、上記偏向装置に偏向された光を像担持体に導くシリンダミラーとを有する光走査装置において、
内部空間を有する多面体形状であって、外面に、水平面と、水平面の端部から鉛直方向に延びる鉛直側面とが形成されており、上記偏向装置を支持する支持体を含み、
上記偏向装置は上記水平面上に配置され、上記シリンダミラーは上記内部空間に配置され、
上記偏向装置から上記シリンダミラーに至る光路には、上記光の進行方向の上流側から、第2ミラー、第1fθレンズ、第2fθレンズおよび第1ミラーがこの順序で設置されており、
第1fθレンズおよび第2fθレンズは上記鉛直側面に取り付けられ、
上記偏向装置から第2ミラーに至る光の進行方向は水平方向であり、第2ミラーから第1ミラーに至る光の進行方向は鉛直方向であり、第2ミラーと第1ミラーとの間隔は偏向装置と第2ミラーとの間隔よりも長くなっていることを特徴とする光走査装置。 - 上記シリンダミラーは、上記内部空間において位置調整可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
- 請求項1または2に記載の光走査装置が複数個併設されていることを特徴とするタンデム方式の画像形成装置。
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