JP3583650B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、並列配置された各記録部の感光体上にそれぞれ異なる色材で画像を形成すると共に、この各記録部の感光体上に形成された画像を順次重ね合わせて1つのカラー画像として記録再現する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このようなカラー画像形成装置において時、従来から各記録部における周期的な駆動ムラが問題となっており、この周期的な駆動ムラが各記録部においてそれぞれ発生することにより、各色の色材で記録された画像を順次重ね合わせてカラー画像として再現する際に、色ズレが発生して忠実なカラー画像として再現できないといった問題を抱えていた。
【0003】
図17に示す従来のカラー画優形成装置においては、各記録部における感光体ドラム322a〜322d上に形成された画像が各転写部Aにおいて転写される場合に、周期的に発生する駆動ムラの条件が同一となるように、感光体ドラム322への画像書き込み位置から転写位置までの距離(時間)と駆動機構の駆動変動周期の関係をN倍の関係となるように配置することが考えられている(特公平7−31446号公報、特公平8−14731号公報など参照)。
【0004】
これにより並列配置された記録部の転写部Aにおける画像の転写工程においては、転写材上に対して常時同等の駆動ムラ周期でもって各色の色材で形成された画像が順次重ね合わされることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無数の構成部品からなる画像形成装置においは、各部品毎の部品精度に細かなばらつきがあったり、またこれらの部品を組み立てていく際の組立精度などにより画像形成装置毎にばらつきが発生する。
また、並列配置された各転写部A−A間の距離関係を周期的な駆動変動に合わせて配置しなければならず、この周期的な駆動変動に合わせて各転写部A−A間の距離を確定していると、画像形成装置自身の大きさが大きくなるという問題も抱えていた。
【0006】
本発明は、前記の問題点を解消するためなされたものであって、並列配置された各記録部(感光体ドラムを含む)における周期的な駆動変動に対応して1つのカラー画像として忠実に再現すると共に、装置自身の大きさもコンパクトに抑えて、オフィス環境での設置面積を極力抑えることのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0007】
さらに並列配置された各記録部の転写部Aにおける周期的な駆動変動が各記録部において略同等となるように、感光体ドラムの露光位置から転写部までの距離と、各記録部の転写部間の距離、さらに感光体ドラムの回転停止位置を周期的な駆動ムラとの関係で略同等となるように、通常の画像形成モード画面と感光体ドラムの位置調整モード画面を有し、位置調整モード画面から位置調整データを入力する事により各記録部における感光体ドラムの回転停止位置を調整することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、次の構成を有する。
本発明の第1の要旨は、複数の像担持体と、前記像担持体に画像を形成する画像形成手段と、前記複数の像担持体のうち一つの像担持体を基準像担持体とし、該基準像担持体以外の少なくとも一つの調整像担持体の回転停止位置を検出する検出手段と、前記調整像担持体を、該基準像担持体に対し独立して回転駆動可能とする駆動手段と、前記基準像担持体に対して、前記調整像担持体の相対的な位置関係を示す値であって、該調整像担持体の1周をn分割(n>1)する位置調整データを入力する位置調整データ入力手段と、前記位置調整データと、前記検出手段の検出信号とに基づいて、前記駆動手段の回転制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記駆動手段を該基準像担持体に対する前記調整像担持体の前記相対的な位置関係を1番目からn番目まで切り換えながら、該基準像担持体と該調整像担持体によりn回、特定パターンを画像形成させるように前記駆動手段を制御する位置調整モードを有する画像形成装置にある。
【0009】
本発明の第2の要旨は、画像形成に用いる画像形成モード表示画面と前記像担持体の位置調整データを入力する位置調整モード表示画面とを切えて表示可能とする表示手段を有することを特徴とする要旨1記載の画像形成装置にある。
【0010】
本発明の第3の要旨は、前記位置調整データ入力手段は、前記基準像担持体以外の調整像担持体毎に位置調整データを入力可能とすることを特徴とする要旨1記載の画像形成装置にある。
【0011】
本発明の第4の要旨は、前記表示手段は、位置調整データ入力手段により入力された調整像担持体毎の位置調整データを表示可能とすることを特徴とする要旨2記載の画像形成装置にある。
【0012】
本発明の第1の要旨によれば、複数の像担持体毎に駆動手段を連結し、検出手段を基準に各像担持体の回転停止位置を位置調整データ入力手段への像担持体の位置調整データを入力することにより設定でき、その入力された位置調整データに応じて制御手段が各駆動手段を各々所望の位置で像担持体を停止させるように制御することとなる。
【0013】
よって、複数像担持体の各々の振れ、駆動ムラに対応して像担持体の各々の回転停止位置を設定するため、従来技術のように並列配置された各像担持体間の距離関係を周期的な駆動変動に合わせて配置する必要がないので、複数の像担持体の画像を1つのカラー画像として忠実に再現すると共に、画像形成装置自身の大きさもコンパクトに抑える事ができる。
【0014】
また、各部品毎の部品精度に細かなばらつきがあったり、部品を組み立てていく際の組立精度などにより画像形成装置毎にばらつきが発生するが、各感光体ドラムの振れまたは駆動ムラの位相を部品精度及び組立精度に関わりなく位置調整データのキー入力という簡単な調整手段により解決でき、従来のような特別な工具、技術を必要とせずに容易に誰にでも調整できることとなった。
これにより、常に安定した画像の重ね合わせが行われ、色ズレのないカラー画像として忠実に記録再現できる画像形成装置を提供することが可能となった。
【0015】
本発明の第2の要旨によれば、複数像担持体の停止位置を各々の像担持体毎に調整入力できる位置調整モード表示画面と通常の画像形成に用いる画像形成モード表示画面を切り換えて表示できるので、使用頻度の少ない位置調整モード表示画面を常に表示することがなくなり、画像形成装置を使用する使用者にとって使用頻度の多い画像形成モード表示画面の操作手順を従来通り明確に表示することができる。
【0016】
従って、本画像形成装置は、各像担持体間での回転停止位置がずれることにより生じる画像のぶれを位置調整可能とする機能をもちながら、通常の複写等を行う操作者にとってはその位置調整モード表示画面を意識することなく使用できるので、分かりやすい表示画面をもった画像形成装置を提供できる。
【0017】
また、操作者は複写結果から画像のぶれを認識した時に位置調整モード表示画面に切り換えて、像担持体の位置調整データを入力するという簡単な操作により画像ぶれを調整可能とできるので、カラ−複写の使用頻度の高まりと画像の高品質化を望む傾向のなかで、専門的な知識や特別な工具、技術を必要とせずに簡単な操作によりメンテナンスが可能とできる。
【0018】
本発明の第3の要旨によれば、複写結果から画像のぶれを生じる色に対応する像担持体毎に調整でき、自由度の高い調整か可能となる。
【0019】
本発明の第4の要旨によれば、入力した位置調整データを位置調整モード表示画面に表示することで、各感光体ドラムの停止位置を確認しながら容易に画像のズレを調整出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を、図1〜図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置であるデジタルカラー複写機1の構成を示す正面断面の略図である。複写機本体1の上面には、原稿台111及び図示しない操作パネルが設けられ、複写機本体1の内部に画像読み取り部110および画像形成部210が設けられた構成である。原稿台111の上面には該原稿台111に対して開閉可能な状態で支持され、原稿台111面に対して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder)112が装着されている。
【0021】
両面自動原稿送り装置112は、まず、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向かって搬送するようになっている。そして、両面自動原稿送り装置112は、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。
以上の原稿の搬送および表裏反転の動作は、複写機1全体の動作に関連して制御されるものである。
【0022】
前記画像読み取り部110は、両面自動原稿送り装置112により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置されている。
画像読み取り部110は、該原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体113、114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCDラインセンサ116とを有している。
【0023】
前記原稿走査体113、114は、第1の走査ユニット113と第2の走査ユニット114とから構成されている。第1の走査ユニット114は原稿画像表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。第2の走査ユニット114は、第1の走査ユニット113の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
【0024】
光学レンズ115は、第2の走査ユニットの第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるものである。
【0025】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)、の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報、さらに、図示しない画像処理部に転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0026】
次に、画像形成部210の構成、および画像形成部210に係わる各部の構成について説明する。
画像形成部210の下方には、用紙トレイTR内に積載収容されている用紙(例えば、紙、OHP用紙などの記録媒体)Pを1枚ずつ分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構211が設けられている。そして1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部210の手前に配置された一対のレジストローラ212によりタイミングが制御されて画像形成部210に搬送される。さらに、片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部210の画像形成にタイミングを合わせて画像形成部210に再供給搬送される。
【0027】
画像形成部210の下方には、転写搬送ベルト機構213が配置されている。転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト216に用紙Pを静電吸着させて搬送する構成となっている。そして、転写搬送ベルト216の回転軌道下側に近接して、転写搬送ベルト216上に形成されたテストパターンを検出するパターン画像検出ユニット300が設けられている。
【0028】
さらに、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側に駆動ローラ214に近接して、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置217が配置されている。この定着装置217の一対の定着ロ−ラ間におけるニップ部を通過した用紙Pは、搬送方向切り換えゲート218を経て、排出ローラ219により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0029】
切り換えゲート218は、定着後の用紙Pの搬送経路を、複写機本体1へ用紙Pを排出する経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。切り換えゲート218により再び画像形成部210に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して表裏反転された後、画像形成部210へと再度供給される。
【0030】
また、画像形成部210における転写搬送ベルト216の上方には、転写搬送ベルト216に近接して、第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPc、および第4の画像形成ステーションPdが、用紙搬送経路上流側から順に設けている。
【0031】
転写搬送ベルト216は、駆動ローラ214によって、図1において矢印Zで示す方向に摩擦駆動され、前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙Pを把持し、用紙Pを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
各画像ステーションPa〜Pdは、実質的に同一の構成を有している。各画像ステーションPa,Pb,Pc,Pdは、図1に示す矢印F方向に回転駆動される感光体ドラム222a,222b,222c、および222d(感光体ドラム222と略記する場合がある)をそれぞれ含んでいる。
【0032】
各感光体ドラム222a〜222dの周辺には、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電する帯電器223a,223b,223c,223dと、感光体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像をそれぞれ現像する現像装置224a,224b,224c,224dと、現像された感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写する転写用放電器225a,225b,225c,225dと、感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去するクリーニング装置226a,226b,226e,226dとが感光体ドラム222a〜222dの回転方向に沿ってそれぞれ順次配置されている。
【0033】
また、各感光体ドラム222a〜222dの上方には、レーザービームスキャナユニット227a,227b,227c,227dがそれぞれ設けられている。各レーザービームスキャナユニット227a〜227dは、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)、半導体レーザ素子からのレーザービームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)240と、ポリゴンミラー240により偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241やミラー242,243などから構成されている。
【0034】
レーザービームスキャナ227aにはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227bにはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227cにはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、レーザービームスキャナ227dにはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
【0035】
これにより色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。そして、現像装置227aには黒色のトナーが、現像装置227bにはシアン色のトナーが、現像装置227cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置227dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されており、感光体ドラム222a〜222d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、画像形成部210にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0036】
また、第1の画像形成ステーションPaと給紙機構211との間には用紙吸着用(ブラシ)帯電器228が設けられており、この吸着用帯電器228は転写搬送ベルト216の表面を帯電させ、給紙機構211から供給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上に確実に吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送させる。
【0037】
一方、第4の画像ステーションPdと定着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には除電器(図示せず)が設けられている。この除電器には搬送ベルト216に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト216から分離するための交流電流が印加されている。
【0038】
上記構成のデジタルカラー複写機においては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分がセンサー(図示せず)にて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ212により一旦停止される。
そして、用紙Pは各画像ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送ベルト216には前述したように吸着用帯電器228により所定の帯電が施されているので、用紙Pは、各画像ステーションPa〜Pdを通過する間、安定して搬送供給される。
【0039】
各画像ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像が、それぞれ形成され、転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合わされる。第4の画像ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、除電用放電器により転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれる。最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ220上へと排出される。なお、上述の説明ではレーザービームスキャナユニット227a〜227dによって、レーザービームを走査して露光することにより、感光体への光書き込みを行なう。
【0040】
尚、レーザービームスキャナユニットの代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いても良い。LEDヘッドはレーザービームスキャナーユニットに比べ、サイズも小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用いることができる。
【0041】
次に、本実施形態の特徴部分である各感光体ドラムの回転位相制御について説明する。本実施形態のデジタルカラー複写機では、図2に示すように、前述した図17に示す従来構成の画像形成装置とは異なり、各画像形成ステーションPa〜Pdの4つの感光体ドラム222a〜222dが、感光体ドラムの回転駆動ムラ(位相が合っていれば各感光体ドラムで共通)の位相が所定分ずつずれた状態で回転駆動される。具体的には、各感光体ドラムは同時に回転を開始し、同時に回転を停止する構成であるので、その停止位置(回転開始位置)をずらして停止する。
【0042】
図2においては、図17と同様に、各感光体ドラムにおける位相のずれを感光体ドラムのシャフトに取り付けられる駆動ギヤの鍵型の穴(又は凸部)haを基準に示す。
いま、ブラックの感光体ドラム222aを基準とすると、その隣のシアンの感光体ドラム222bの位相は、約60度進んでいる。同様に、マゼンタの感光体ドラム222cの位相は120度、イエローの感光体ドラム222dの位相は180度進んでいる。
【0043】
このように、各感光体ドラムにおける駆動ムラの位相をずらすことで、位相をずらせた分、各画像形成ステーションPa〜Pdに対応した転写部A−A間の距離を、感光体ドラムの周囲長より縮めても、各感光体ドラム間の駆動ムラを転写部Aを通過する転写材に対して同一とできる。
【0044】
上記のように、隣接する感光体ドラム間で駆動ムラの周期を60度進めることで、感光体ドラムの直径をdとすると、転写部A−A間の距離に相当するLは、L=感光体ドラムの周長πd×((360−60)度/360度)
となる。
【0045】
尚、ここでは説明の便宜上、各感光体ドラムにおける位相のずれ分を基に転写部A−A間の距離を設定するように説明したが、実際は、転写部A−A間の距離Lを決定し、それを基に、各感光体ドラムの位相のずれ分を設定すればよい。例えば、ドラム径40mmの感光体ドラムを用いて、転写部A−A間の距離Lを105mmとした場合は、上記のように隣接する感光体ドラム間で停止位置が上記のように、各駆動ムラが約60度ずつ位相がずれるように設定する。
【0046】
ここで、図3を用いて、各感光体ドラム毎の画像が駆動ムラによる色ずれなく重ね合わされる様子を説明する。
いま、図3に示すような状態で4つの感光体ドラムが回転しているとする。ブラックの感光体ドラム222aの「G」の位置(明示のため駆動ムラの基準をラインaで示す)に(1)のタイミングで書き込まれた画像は、(4)のタイミング(感光体ドラム222aの180°回転に要する時間経過後)で転写搬送ベルト216上に転写され、(9)のタイミングでシアンの感光体ドラム222bの画像と重ね合わされる。ここで、シアンの感光体ドラム222bには、既に(6)のタイミングでレーザビームにより画像が形成されている。図3(a)に(1)〜(6)のタイミングにおけるシアンの感光体ドラム222bのラインaの位置を示す。図より明らかなように(9)のタイミングにおけるラインaは、(4)のタイミングにおけるブラックの感光体ドラム222aと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像の駆動ムラは同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。
【0047】
同様に、マゼンタの感光体ドラム222cに形成された画像とは、(14)のタイミングで重ね合わされる。ここで、マゼンタの感光体ドラム222cには、既に(11)のタイミングで画像が形成されている。図3(b)に(1)〜(11)のタイミングにおけるマゼンタの感光体ドラム222cのラインaの位置を示す。図より明らかなように、(11)のタイミングにおけるラインaは、(1)(6)のタイミングにおけるブラック、シアンの感光体ドラムと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像は、駆動ムラが同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。
【0048】
同様に、イエローの感光体ドラム222dに形成された画像とは、(19)のタイミングで重ね合わされる。従って、イエローの感光体ドラム222dには、既に(16)のタイミングで画像が形成されている。図3(c)に(1)〜(16)のタイミングにおけるイエローの感光体ドラム222dのラインaの位置を示す。図より明らかなように、(16)のタイミングにおけるラインaは、(1)(6)(11)のタイミングにおけるブラック、シアンの感光体ドラムと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像は、駆動ムラが同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。このような4つの感光体ドラム222a〜dの回転駆動は、各感光体ドラム222の駆動ムラを特定できる基準マークQを基に、図4に示す制御部CONより制御されている。
【0049】
以下、図4及び図5を基に、感光体ドラムの回転駆動制御について説明する。前述したように本実施形態のデジタルカラー複写機における感光体ドラム222a〜dに回転駆動力を伝達する駆動ギアG1〜G4の穴には、鍵型の印(凸部)haをつけているので、図4に示すようにここではこの鍵型の凸部に合わせて矩形の基準マークQを設けて、これを光学センサS1〜S4でそれぞれ読み取るようにしている。もちろん何らこれに限定されるものではない。
【0050】
各センサSl〜S4は、各々の転写部Aより同じ位置に取り付けられている。そのセンサ出力は、制御部CONに送られ、これを基に制御部CONが、各感光体ドラムをそれぞれ独立して回転駆動する各モータMを制御するようになっている。
【0051】
制御部CONは、各センサS1〜S4からの検出結果を基に、各感光体ドラム222をそれぞれ停止位置に確実に停止させ、コピー開始時には、同時に回転を開始させる。
【0052】
図5に、感光体ドラム222を停止させる時の各センサS1〜S4の出力のタイミングチャートを示す。下流側に位置する感光体ドラム222dのセンサS4から順に、基準マークQを検出してONし、最も上流側に位置する感光体ドラム222aのセンサSlが最後にONする。
この最後のセンサSlがONしてから、図4に示す基準マークQが転写部Aに到達する時間(ここでは、約90度回転する時間)を余裕時間く余裕角)とし、余裕時間経過後、感光体ドラム222aを停止する。
そして、基準の感光体ドラム222a以外の感光体ドラム222b〜dにおいては、各々のセンサS2〜4の検出結果とセンサSlの検出結果より、補正量を検出し、補正量を余裕時間に加算した後その時間が経過した時点で停止させる。
【0053】
例えば、シアンの感光体ドラム222bについて考えると、感光体ドラム222bと基準となる感光体ドラム222aとは、60度のずれがある。そこで、センサSlがONしたタイミングとセンサS2がONしたタイミングとから、感光体ドラム222bの補正量を計算する。ここでもし、間隔が61度分であり1度進んでいる場合は、1度戻す必要があるので、補正量を−1とし、これを余裕時間の90度分に加算し、余裕時間を89度分として、センサSlがONした後、89度分の余裕時間経過後、停止させる。
【0054】
もし、上記の余裕時間が設定されていなかったとすると、補正量がプラスの場合はその分感光体ドラム222bをさらに回転させて停止させればよいが、マイナスの場合は、既に停止位置を過ぎてしまっているので、正しい位置に停止させるには、さらにもう一回転させる必要があり、そうなると、転写搬送ベルト216表面や感光体ドラム表面を接触により傷つけることとなるが、上記構成により、損傷等を抑制しながら、短時間で理想的な画像の記録が行える状態で停止させることができ、引き続き行われる画像の記録もスムーズに行える。
【0055】
また、上記各感光体ドラムを個別駆動するモータとしては、ステッピングモータが最も適している。
すなわちパルスモータは、通電し励磁することによりホールディングトルクを発生し一定個所で回転せずにロックさせることが容易にでき、画像形成を行わない感光体ドラムの外力による回転移動を阻止することができ、また、パルスモータは設定された駆動パルス信号に応じて高精度の回転がオープンループででき、設定された回転位置に位置決めも容易にできるからである。
従って、使用しない感光体ドラムは確実にロックすることができ、画像形成に使用した感光体ドラムは使用しなかった感光体ドラムとの回転位相が所定の位相状態になる様に精度よく容易に位置決めができる。
また、パルスモータを使用することで全ての感光体ドラムが動作時に感光体ドラムの回転位相が所定の状態のまま高精度な回転動作をオープンループで実現できる。
【0056】
さらに、いくら精度よく転写部A−A間の寸法を設定したとしても、感光体ドラムの取り付け位置がずれたりして、その寸法にわずか100μmの誤差があると、600dpi(1ドットの径:43μm程度)といった高密度記録の画像形成装置では、大きな色ずれとして現れてしまう。そこで、感光体ドラムの駆動ムラとは関係なく、各感光体ドラムの停止位置を調整できる手段も別途設けている方が望ましい。同じく、上述したセンサSl〜4の取り付け位置にも誤差が生じ易いので、このような誤差を補正できる構成であることが望ましい。
【0057】
具体的には、前述の余裕時間(余裕角)を、各感光体ドラム毎に調整できる構成であればよい。つまり、上記の説明では、4つの感光体ドラムとも余裕時間を90度分としていたが、センサの取り付け誤差、及び転写部間の寸法誤差に応じて、各々予め補正しておき、その補正した余裕時間に対して、新たに停止時の補正量を加算(減算)すればよい。
【0058】
以上が、各感光体ドラムにおける回転駆動ムラの位相が所定分ずつずれた状態で回転駆動された回転を停止する際に、その停止位置を所定量ずらして停止させる駆動制御方法に関する説明である。
【0059】
次に、各感光体ドラム222の回転駆動ムラを把握し、その回転駆動ムラの程度に応じて停止位置を初期調整、設定する方法について説明する。
【0060】
<ドラム位置調整データ入力画面>
図6には、操作者が感光体ドラム222の回転駆動ムラの調整を行うために使用し、ドラム位置を設定入力する表示画面DPの一例を示している。図6ではタッチパネル式の液晶表示画面(LCD)を用いた表示例を示しており、通常の複写を行う場合に使用する画像形成用の表示画面(図示しない)から画面切り換え操作によりドラム位置を設定入力する表示画面DPを表示しているものである。
【0061】
図6おいて、表示画面DPの略中央に向かって上から下に配置された表示は、符号301は画像確認用サンプルの印字モードの設定値、302はブラックトナー用の感光体ドラムに対するシアントナー用の感光体ドラムの停止位置カウンタの設定値、303はブラックドラムに対するマゼンタトナー用の感光体ドラムの停止位置カウンタの設定値、304はブラックドラムに対するイエロートナー用の感光体ドラムの停止位置カウンタの設定値を表示している。
尚、以下においてブラックトナー用の感光体ドラムを「ブラックドラム」、シアントナー用の感光体ドラムを「シアンドラム」、マゼンタトナー用の感光体ドラムを「マゼンタドラム」、イエロートナー用の感光体ドラムを「イエロードラム」と略記する場合がある。
【0062】
前記停止位置カウンタ値302〜304は、各感光体ドラムの1周を所定の角度ずつ分割した時の各角度に対して付されたカウント値である。
例えば、感光体ドラム1周(360°)を12分割した場合には、0°に対応する番号を[1]、30°に対応する番号を[2]、以下同様に設定し、330°に対応する番号を[12]と設定する。
【0063】
表示画面DPの向かって左側に配置された表示画面領域305は、前記モード番号301及び設定値302〜304で選択した設定値等を表示するものであり、矢印キー306の押圧によってモード番号301及び設定値表示302〜304に順次切り替わる。
【0064】
前記表示画面領域305内には、モード番号301を表示する表示部305a、設定データまたは入力データを表示する表示部305b、設定データの入力範囲を表示する表示部305cが設けられている。
【0065】
また、表示画面DPの向かって右側部分に上下に配置された矢印キー306の押圧により前記モード番号301及び設定値表示302〜304が順次白黒反転して切り替わり、表示画面305の表示と連動する。
そして、矢印キー306又はその手前側(下側)に設けた[OK]キー307の入力操作により、設定した値が図示しない記憶媒体に読み出し、変更可能に保存される。
【0066】
また、表示画面DPの操作手前側に設けた[EXECUTE]キー308を押すことで、モード番号301の設定項目に表示された印字モードで、後述する画像確認用のサンプル印字動作を実行する。
【0067】
操作者が感光体ドラム222の回転駆動ムラの調整を終了した後は、表示画面DPの向かって右上部に配置された「CLOSE」キーの押圧により、通常の複写を行う画像形成用の表示画面(図示しない)に切り換わることとなる。
【0068】
<ドラム位置調整データ入力画面操作手順>
次に、図7〜9に示すドラム位置設定入力のフローチャートにより、図6のドラム位置設定入力表示画面DPによるドラム位置設定のシミュレーションを説明する。
【0069】
STEP1では、図示しない通常の画像形成モードで画像形成条件設定のために操作されるテンキー等のキー入力手段の組み合わせ等、または、特定のキー入力により通常モードからテストモードに切り替わる。
【0070】
STEP2では、図6に示す表示画面DPに前記モード切り換えによって切り換え、感光体ドラム位置設定入力に備える。
【0071】
STEP3では、図示しない設定入力画面解除キーの入力の有無を判定し、入力有りの場合はSTEP7へ進んで感光体ドラム位置設定のシミュレーションを終了し、該解除キーの入力が無ければSTEP4に進む。
【0072】
STEP4では、図6の[EXECUTE]キー308の入力の有無を判定し、入力無しの場合はSTEP5へ進み、入力があった場合にはSTEP6に進んで各感光体ドラムのテスト印字モードに入る。
【0073】
STEP5では、図6の[OK]キー307又は矢印キー306の入力の有無を判定し、前記キー入力により条件設定がなされた場合にはSTEP9へ進み、キー入力が無い場合にはSTEP3に戻る。
【0074】
STEP6では、図6のモード番号301の設定が“1”または“2”の時には各感光体ドラムの回転位相関係を確認、設定するためにSTEP10(図8)へ進み、それ以外の場合には設定されている回転停止位置にて感光体ドラムのテスト印字を行うためにSTEP19(図9(b))に進む。
【0075】
STEP7では、テストモード終了処理を行い、STEP8に進み、テストモードから通常モードに表示画面を切り替える。
【0076】
図9(a)に示すSTEP9は、後述するテスト印字工程(STEP10〜STEP18)に基づいて操作者が認識した修正角度を設定記憶する工程である。すなわち、図6の表示画面領域305の表示が設定値表示302〜304ならば、図示しないテンキー等の入力手段より入力された設定データ(図6、表示部305b)を図示しないメモリ(記憶媒体)に記憶し、STEP3(図7)に戻る。
【0077】
図8に示すSTEP10〜STEP18は、ブラックドラムを基準としてシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの回転位相のズレの状態を把握するために行うテスト印字工程である。
【0078】
STEP10では、図6の[EXECUTE]キー308を白黒反転表示し、テスト印字実行中で有ることを表示し、STEP11へ進む。
【0079】
STEP11では、各感光体ドラムと同調して回転する駆動ギアG1〜G4に設けられた基準マークQの位置を図4のセンサSl〜S4に合わせて制御部CONの制御の下で停止させ、続いて各感光体ドラムの位置関係における回転駆動ムラの調節を行うためにSTEP12へ進む。
【0080】
STEP12では、各感光体ドラム位置における駆動ムラ(各ドラム間の回転方向の位相ズレ)を確認するための後述する特定パターンをテスト印字し(詳細は後述)、STEP13へ進む。
【0081】
STEP13では、図示しない設定解除キーの入力の有無を判定し、設定解除キーの入力が有った場合にはテストモードを終了するためにSTEP7へ戻り、設定解除キーの入力が無ければテスト印字を実行するためにSTEP14に進む。
【0082】
STEP14では、図6の設定値301が”1”の場合であり、かつ、ブラックドラム回転停止位置(基準マークQを基準とする)に対してシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの停止位置を30°ずつずらしながらの計12枚のテスト印字が終了した時にはSTEP18へ進み、それ以外の場合にはSTEP15に進む。
【0083】
STEP15では、図6の設定値301が”2”の場合であって、かつ、ブラックドラム位置に対しシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの回転停止位置を90°ずつずらしながら、計4枚のテスト印字が終了した時にはSTEP18へ進み、それ以外の場合にはSTEP16に進む。
【0084】
STEP16では、図6の設定値301に合わせて、ブラックドラム位置に対しシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの回転停止位置を[30×(n−1)枚]°、または[90×(n−1)枚]°ずつずらして(詳細は後述)、再度テスト印字を行うためにSTEP17へ進む。
【0085】
STEP17では、前記STEP16で設定変更した各色感光体ドラムの回転停止位置において、各ドラム間の回転方向の位相ズレを確認するために、再度後述する特定パターンを印字(詳細は後述)する。終了後は、前記STEP13へ戻る。
【0086】
STEP18では、図6の設定値301の設定においてテスト印字が所定枚数終了したことにより、前記STEP10において白黒反転表示した図6の[EXECUTE]キー308を元に戻し、テスト印字実行終了で有ることを表示し、前記STEP3(図7)へ戻る。
【0087】
前記STEP10〜STEP17により出力された結果に基づいて、操作者はシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの回転位相のズレ量を図6の[OK]キー307又は矢印キー306の操作によりそれぞれ設定する。そのキー入力された設定データは、前記STEP9(図9)にて図示しないメモリに格納されることとなる。
【0088】
図9(b)に示すSTEP19〜STEP22では、前記STEP9にてメモリに格納されたブラックドラムを基準としたシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの回転停止状態において確認的なテスト印字を行う。
【0089】
STEP19では、前記STEP10と同様に[EXECUTE]キー308を白黒反転表示し、テスト印字実行中で有ることを表示し、STEP20へ進む。
【0090】
STEP20では、シアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの回転停止位置角度を、図6の設定値表示302〜304に入力設定された位置関係に合わせて、再度、位相ズレを確認するためにSTEP21へ進む。
【0091】
STEP21では、ブラックドラムに対するシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの回転停止位置を確認するために後述する特定パターンを印字(詳細は後述)を行う。印字終了後、STEP22へ進む。
【0092】
STEP22では、前記STEP19において白黒反転した[EXECUTE]キー308の白黒反転表示を元に戻し、テスト印字実行終了で有ることを表示し、前記STEP3(図7)へ戻る。
【0093】
以上のドラム位置設定のシミュレーション操作を繰り返すことにより、各色感光体ドラム間での回転停止位置の調整(色ズレの調整)を行うことが出来る。
【0094】
上記シミュレーションでは、STEP14からSTEP16に示すように30度間隔、及び/又は、90度間隔で一括して基準ドラム以外の全ドラムのテスト画像を出力できるので、各角度毎にその都度、各ドラムの位置関係、設定するドラム等を入力してテスト画像を出力する煩わしさと調整を行う者の入力ミス等を回避できることとなり、調整作業の効率化とともに誰にでも簡単にドラム回転停止位置の調整を可能としている。
【0095】
本実施形態では、上記2種類の角度で説明したが、その設定角度とその設定角度の種類を限定するものではない。例えば設定角度を大きくした場合(分割数少)、テスト画像を少なく出力できるので各ドラム1周のうちもっとも周期的な駆動ムラの減少する調整値の回転位置周辺をすばやく調べることができる。また逆に設定角度を小さくした場合(分割数大)、少ない分割数でテスト画像を出力した時に較べて精度よく調べることができる。よって、例えば初めに設定角度を大きくし、より精度を求めたい場合に設定角度を小さくしてテスト画像を出力する等の組み合わせにって、様々な調整が可能となる。
【0096】
<ドラム位相確認用パターン>
次に、前記した特定パターンのテスト印字について詳細を説明する。
本実施形態でのテスト印字は、各感光体ドラムの駆動ムラによる各感光体上に生成される画像間の画素の合成ずれを操作者が容易に視認できるよう、テストプリントを出力する。
このテストプリントの好適な例として、カラー画像を合成した際、イエロー、シアン、マゼンタの3色の感光体ドラムで生成するそれぞれの画像と、基準となるブラックの感光体ドラムで生成する画像との合成ムラを容易に判別する場合について説明する。尚、このテストプリントは、画像形成装置の内部または外部に設けられたメモリに記憶しているパターンデータを出力させるようにしてもよいし、内部または外部のパターンデータを生成する回路やソフトウェアから出力させるようにしてもよい。
【0097】
本発明によりテストプリントのサンプル例として、図10(a)、(b)は、理想的な感光体ドラムの回転ムラが無い良好な状態のサンプルの説明図である。この良好な場合は、各色の概略帯状パターンが副走査方向にほぼ直線状に現れる。
これに対し、図11(a)、(b)は基準であるブラックドラムに対して比較対照するシアンとイエローの感光体ドラムに回転ムラが発生している良好でない状態のを示す説明図である。この場合は、シアンとイエローの帯状パターンが副走査方向に波打って現れる。
【0098】
図10(a)、図11(a)においてテスト用紙上には、主走査方向にイエロー、シアン、マゼンタのドラム位相確認用パターン印字領域S1を設けてあり、そのドラム位相確認用パターン印字領域S1内の各印字領域において、イエローの印字サンプルであるイエローの帯状パターンPyl、シアン印字サンプルであるシアンの帯状パターンPcl、マゼンタ印字サンプルであるマゼンタの帯状パターンPm1が印字されている。
【0099】
各印字領域における各色印字サンプルは、各色とブラックに対するドラム回転ムラが、いずれの色も後述するドラム位相確認用パターン生成方法で生成される。
このドラム位相確認用パターン生成方法は、例えばイエローのパターンの場合、イエローで形成された斜線パターンと、ブラックで形成された格子パターンの合成パターンからなる
【0100】
図12を用いてドラム位相確認用パターンを画素レベルで説明する。
まず、図12(a)は、イエローで形成された斜線パターンYPである。この斜線パターンYPは、副走査方向に4画素の幅で、主走査方向に16画素毎に副走査方向に1画素ずつずらして出力される。
【0101】
次に、図12(b)は、ブラックで形成された格子パターンBPである。この格子パターンBPは、副走査方向に8画素毎に4画素幅の直線を出力し、主走査方向に16画素毎に4画素幅の直線を出力するパターンである。この格子パターンBPにより、(4×12)画素の白画素窓WWが生成される。
【0102】
そして、図12(a)のイエローで形成された斜線パターンYPと、図1(b)のブラックで形成された格子パターンBPを合成すると、図12(c)に示すようになり、以下において詳細に合成過程を説明する。
【0103】
<ドラム位相確認用パターンで合成ムラが現れる原理>
上述の図10に示すブラックの画像とイエローの画像が同期している場合における両パターンYP、BPの合成画像の状態を説明する。
ここでブラック格子パターンBPにより生成された(4×12)画素の白画素窓WWをW(1,1),W(1,2)〜W(3,3)としたとき、主走査方向1列目のW(1,1),W(1,2),W(1,3)の白画素窓においては、副走査方向にイエロー斜線パターンがブラック格子パターンと完全に重なっているので、イエローの画像が見えない。
【0104】
そして、主走査方向2列目のW(2,1),W(2,2),W(2,3)の白画素窓においては、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと1画素だけずれるので、1画素幅のイエローの画素が見える。
【0105】
同様に、主走査方向3列目のW(3,1),W(3,2),W(3,3)の白画素窓においては、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと2画素だけずれるので、2画素幅のイエローの画素が見える。
【0106】
図12(c)には示していないが、主走査方向4列目の白画素窓WWにおいては副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラックパターンBPと3画素だけずれるので、3画素幅のイエローの画素が見える。
【0107】
主走査方向5列目の白画素窓WWにおいては、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと4画素ずれるので、白画素窓WWは全てイエローの画素になる。
【0108】
主走査方向6列目の白画素窓WWにおいては、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと5画素ずれるが、副走査方向に最も下流側のイエロー斜線パターンYPの1画素がブラック格子パターンBPと重なり、白画素窓WWには3画素幅のイエローの画素が見える。
【0109】
主走査方向7列目の白画素窓WWにおいては、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと6画素ずれ、副走査方向に最も下流側のイエロー斜線パターンYPの2画素がブラック格子パターンBPと重なり、白画素窓WWには2画素幅のイエローの画素が見える。
【0110】
主走査方向8列目の白画素窓WWにおいては、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと7画素ずれ、副走査方向に最も下流側のイエロー斜線パターンYPの3画素がブラック格子パターンBPと重なり、白画素窓WWには1画素幅のイエローの画素が見える。
【0111】
主走査方向9列目の白画素窓WWにおいては、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと8画素ずれ、主走査方向1列目の白画素窓と同様に副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと完全に重なっているので、イエローの画素が見えなくなる。
【0112】
以降主走査方向10列目の白画素窓WWは2列目と同様、主走査方向11列目の白画素窓はWW3列目と同様となり、8列周期で同じパターンでイエローの画素が見える。
【0113】
そしてテストプリントをみたとき、テストプリント上ではこの白画素窓WW内に見えるイエローの画素の個数分だけイエローの色が濃く見える。すると、図10のような副走査方向にイエローの直線状の帯状パターンPylが生成される。このように、テスト用紙に転写されたブラックの感光体ドラム上で生成された画像と、イエローの感光体ドラム上に生成された画像が理想的に同期してテスト用紙上で合成されていく限り、イエローの帯状パターンPylは直線状をなす。
【0114】
次に、上述のブラックの画像とイエローの画像が同期していない場合におけるパターンの合成画像の状態を説明する。このパターンでは一般的に、合成されるべき画素にずれが生じるとそのずれの生じ方に応じて、イエローの帯状パターンPylが直線状から形状を変える。この現象は、主走査方向の白画素窓WWの各列におけるイエロー画素の見え方により生じる。
【0115】
主走査方向の白画素窓WWの第1列でみた場合、ブラックの感光体ドラム上で生成された画像が副走査方向に伸び縮みしていない部分とイエローの感光体ドラム上に生成された画像が伸び縮みしていない部分とが合成された部分は、白画素窓WWでは、副走査方向にイエロー斜線パターンがブラック格子パターンと完全に重なる。しかし、伸び縮みしていない部分同士の合成された部分以外は、上記のブラックとイエローの画像の長さの差の分、画素のずれが生じ、白画素窓WWに、副走査方向にイエローの画素がずれた分だけ見えることとなる。
【0116】
同様に、主走査方向の第2列においても、同じ現象が生じ、副走査方向にみて、ブラックの感光体ドラム上で生成された画像が伸び縮みしていない部分とイエローの感光体ドラム上に生成された画像が伸び縮みしていない部分とが合成された部分の白画素窓WWでは、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと1画素だけずれるので、1画素幅のイエローの画素が見える。
そして、伸び縮みしていない部分同士の合成された部分以外は、主走査方向の第1列と同様、白画素窓WWに、副走査方向にイエローのずれた分の画素だけ見える部分と、副走査方向にイエロー斜線パターンYPがブラック格子パターンBPと完全に重なる部分が生じる。
【0117】
3列目以降も同様である。それぞれの主走査方向の列におけるこの副走査方向の画素のずれ方は、ブラックの画像と、イエローの画像の副走査方向の長さの変化のしかたに追従するものとなる。
その為、テストプリントのサンプル上では、イエローの帯状パターンPylがこの副走査方向の画素のずれ分に比例して、主走査方向に変化する。その為、ブラックの画像とイエローの画像の長さの変化のしかたが周期的であれば、イエローの帯状パターンPylも周期的な波形状になるし、急峻な変化があれば、イエローの帯状パターンPylの変化量も急峻になる。
【0118】
次に、ブラックの画像と、イエローの画像の副走査方向の長さの変化しかたについて説明する。この長さの変化しかたが同期しなくなる原因は、上述の周期的に発生する駆動ムラによるものであるが、この駆動ムラの生じる原因として、感光体ドラムの偏芯や駆動系の駆動ムラ、部品精度や取り付け精度など様々な要因が考えられる。いずれにしても、ブラックとイエローの感光体ドラムの回転駆動に関する部品を同一のものを使う限りは、感光体ドラムや駆動部品の傾向的な偏芯や円筒性の特性によるものであり、周期的な駆動ムラが生じる。
【0119】
そこで、その最も発生しやすい周期的な駆動ムラの原因の代表的な一例として、感光体ドラムが偏芯している例での駆動ムラによる画素のずれを、本発明の実施形態のパターンがどの程度表現できるかを具体的な数値を上げて説明する。
この実施形態例では、特に、ブラックとイエローの感光体ドラムがともに、図13の如く偏芯している例をとりあげる。
【0120】
偏芯が原因である場合、感光体ドラム上にレーザー露光装置で生成される潜像は同タイミングで形成されていくが、偏芯により等角速度で回転する感光体ドラムの周面の移動量が一様にならず、感光体1周の周期で変動する。その為、画像が感光体ドラム1周する周期で副走査方向に延び縮みが生じる現像が生じる。
【0121】
まず半径がR[mm]、偏芯量がa[mm]の単一の感光体ドラムが、等角速度で回転する場合の、偏芯による周面の移動量を求めてみる。
偏芯方向に対する角度をα[rad]とし、感光体ドラムの本来の中心O1からの角度をθ[rad]とした場合、
Rsinα=rsinθ
Rcosα=rcosθ−a
であるから、半径r[mm]は角度θの関数で表され、下記の式(1)となる。
【0122】
【数1】
Figure 0003583650
【0123】
今、角度θ[rad]において半径r(θ)[mm]は、微小角dθ[rad]からなる微小弧の長さdL[mm]に対し、
dL=r(θ)・dθ
の関係にあるから、角度θ[rad]における弧の長さL(θ)[mm]は、下記式(2)により表され、これが偏芯の周面の移動量である。
【0124】
【数2】
Figure 0003583650
【0125】
次にこの式を近似式にしてみる。
ここで副走査方向にn画素分の弧の長さをLn[mm]とし、1画素に相当する角度θp[rad]を微小角としたとき、次の近似式(3)で表される。
【0126】
【数3】
Figure 0003583650
【0127】
また、任意の角度θ[rad]に対する弧の長さL(θ)[mm]については、角度θがn画素で構成されているものとして次の近似式(4)で表される。
【0128】
【数4】
Figure 0003583650
【0129】
尚、この画像形成装置の副走査方向の解像度をA[dpi]としたとき、1画素の副走査方向の長さpy[mm]は、py=25.4/A[mm]である。
【0130】
また、この画像形成装置の感光体ドラムの半径をR[mm]とすると、感光体ドラム1周あたりの副走査方向の画素数は、N=2πR/py[pixel]になり、1画素に相当する角度θp[rad]は、
θp=2π/N=py/R=25.4/AR[rad]
である。
【0131】
ここで図14を参照しながら、ブラックの感光体ドラムをDk、イエローの感光体ドラムをDyとした時、画素のずれ量を算出してみる。両感光体ドラムの半径をR[mm]、偏芯量をa[mm]とする。
ブラックの感光体ドラムの中心Okと偏芯した中心Oとを結ぶ線分と、イエローの感光体ドラムの中心Oyと偏芯した中心Oとを結ぶ線分のなす角度を位相角β[rad]とする。
ここで、偏芯した中心Oとレーザー露光装置L1のブラック感光体ドラムDk照射点とを結ぶ線分上に、ブラックの感光体ドラムDkの中心Okがある状態を初期状態として、ブラック感光体ドラムDkとイエロー感光体ドラムDyは時計周りに等角速度で回転するものとする。
【0132】
図13の状態は、ブラックの感光体ドラムDkとイエローの感光体ドラムDyが時計周りに角度θ[rad]回転した状態を示す。
このときブラックの感光体ドラムDkがレーザー露光を受けた弧の長さLk(θ)[mm]は、式(5)となり、
【0133】
【数5】
Figure 0003583650
【0134】
イエローの感光体ドラムDyがレーザー露光を受けた弧の長さLy(θ)[mm]は、式(6)となる。
【0135】
【数6】
Figure 0003583650
【0136】
しかし、両感光体ドラムの副走査方向の画素数は同じである。
つまり、角度θ[rad]において、ブラックの感光体ドラムDkの弧の長さLk(θ)[mm]とイエローの感光体ドラムDyの弧の長さLy(θ)[mm]との差△L(θ)[mm]分だけ、ブラックの感光体ドラムDkの画素に対し、イエローの感光体ドラムDyの画素がずれることを意味する。
この画素数を△Np(θ)[pixel]とした時、下記式(7)にて表せる。
【0137】
【数7】
Figure 0003583650
【0138】
ここで具体的に、副走査方向の解像度をA=600[dpi]、感光体ドラムの半径R=20[mm]、偏芯量をa=0.1[mm]、位相角β=30[deg]=π/6[rad]としたとき、1画素の副走査方向の長さpy=0.0423[mm]、1画素に相当するの角度θp=0.002117[rad]であるから、上式からずれる画素数△Np(θ)[pixel]は図15に示すように求まる。
つまり、上記の条件で本実施形態のテストパターンを用いた場合、図15に示すように約195[degree]、副走査方向に約1600[画素目]に相当する場所において、(−2.4)画素のずれが発生することがわかる。
主走査方向1列目の白画素窓の副走査方向に1600/8=200[個目]周辺では2.4画素分、イエローの画素が見えることを示している。
【0139】
また、図15に示す感光体ドラムの進む角度θ[deg]に対し、ずれる画素数△Np(θ)[pixel]が、感光体ドラム1周を周期として滑らかに変化することもわかる。
主走査方向に1列ずれるごとに、1画素づつ副走査方向にずれているので、白画素窓WW内にみえるイエロー画素は、主走査方向に1列毎に1画素づつ増えていく。そして、5画素のずれが生じたら、3画素に減る。
【0140】
例えば、主走査方向の第1列において、副走査方向に白画素窓WW内にイエロー画素が1画素みえる部分では、主走査方向の第2列において、白画素窓WW内にイエロー画素が2画素みえる。同様に主走査方向の第3列では3画素みえ、第4列では4画素、第5列では3画素、第6列では2画素、第6列では1画素、第7列ではみえない、第8列では1画素みえ、第9列では2画素みえる。以降同様である。
【0141】
上記の条件におけるテストパターンの主走査方向の各列に対する結果は、主走査方向の各列において、上記画素のずれ量の周期変動に伴って、副走査方向に白画素窓WW内にイエロー画素がみえる個数は図16のようになる。
ここで白画素窓にイエロー画素が3画素以上見える数を丸で囲って示している。
【0142】
以降、1列ずれるに従って、ずれ方は一つずつずれていく。そして上述の如くこの白画素窓WW内に見えるイエローの画素の個数分イエローの色が濃く見えることから、テストプリント上ではイエローの帯状パターンPylが波打つように現れる。
【0143】
位相角βが180[degree]を最大として、さらに大きくなれば、それに従い上記のイエローの帯状パターンPylはさらに大きく波打つ。また、180[degree]を超えると、それに従い上記のイエローの帯状パターンPylの波打ちは小さくなる。当然、360[degree]であれば、イエローの帯状パターンPylが波打たない。
【0144】
以上ブラック感光体ドラムとイエロー感光体ドラム間の偏芯によるテストプリントの変化について述べたが、基本的にこのプリントパターンは、副走査方向の微妙な画像のずれを主走査方向への画像の変化として表すことができるので、例えば、感光体ドラムの駆動ギアの偏芯によるものであれば、その駆動ギアの1周の周期の帯としてパターンが現れる。
【0145】
また、感光体ドラム自体の円筒性や駆動ギアの偏芯や円筒度などによる合成画像のずれに限らず、感光体ベルトのようなものであっても、そのベルトを支えるローラなどの偏芯や円筒性による合成画像のずれも容易に視認できる。当然、基準となる感光体ドラムやベルトなどはなんでもよく、比較対照となる感光体ドラムやベルトも基準となるドラムやベルト以外であれば、どれでもよい。
【0146】
位相確認用パターンも、上記のようなパターンに限らない。上記のブラックの格子パターンBPに相当する第1パターンとして、副走査方向に基準色の画素をn画素(n>0)と基準色以外の画素をm画素(m>0)周期的に出力するパターンと、上記のイエローの斜線パターンYPに相当する第2パターンとして、副走査方向に比較対称色の画素をn画素と比較対称色以外の画素をm画素周期的に出力し、第2パターンは主走査方向へp画素(p>0)毎に副走査方向にq画素(|q|>0)ずつずらし、上記第1パターンと上記第2パターンを合成したパターンであればよい。また、上記のイエローの斜線パターンYPに相当する第2パターンが、副走査方向に比較対称色の画素をm画素と比較対称色以外の画素をn画素出力するものであってもよい。
【0147】
例えば、基準色をシアンとして、比較対称色をマゼンタとし、第1パターンとして、副走査方向にイエローの画素を10画素とブラックの画素を20画素出力するパターンと、第2パターンとして、副走査方向にマゼンタの画素を20画素とイエローの画素を10画素出力し、第2パターンは主走査方向へ20画素毎に副走査方向に2画素ずつずらし、上記第1パターンと上記第2パターンを合成したパターンとする。この時、上記の白画素窓WWに相当するのが第1パターンのイエローの10画素であり、これと第2パターンのマゼンタ20画素またはイエロー10画素が合成された赤の画素がこの第1パターンのイエロー10画素からブラックを背景に見える。その為、テストプリントには副走査方向にのびるイエローの帯状パターンが生成され、この帯状パターンの形状で判定できる。
【0148】
以上説明したように本実施形態で示したプリントパターンによれば、副走査方向の微妙な画像のずれを主走査方向への画像の変化として表すことができるので、例えば、図11(a)のテスト印字結果が、12枚のテストサンプル中で2枚目のものであると過程した場合、マゼンタの帯状パターンPmlだけが波打たない状態であるので、2枚目サンプルの位相角がマゼンダドラムの停止位置カウンタ値として適正値であることが操作者に視覚的に認識できる。よって、ブラックドラムに対するマゼンダドラムの停止位置カウンタの設定値303に設定する値を"2"と入力し、図示しないメモリにSTEP9(図9)で記憶される。
【0149】
一方、シアンとイエローに関しては、図11(a)のサンプルと同一工程にて出力した11枚のうち、シアンとイエローの帯状パターンPcl、Pylが波打たない状態のサンプルプリントを見つけて、それぞれシアンとイエローの停止位置カウンタの設定値304、302にそれぞれ適正な値を入力し、保存することで各感光体ドラムの副走査方向の微妙な画像のずれを防止する位置に設定できる。
【0150】
そして、制御部CONの制御の下で、センサS1〜S4を基準としてメモリに記憶された設定値302〜304に回転停止位置を設定(STEP20)した各感光体ドラムを用いてテスト印字(STEP21)した場合には、図10に示すようなテストパターン印字結果を得ることとなる。
【0151】
以上説明した本実施形態によれば、さまざまな要因により生じる各感光体ドラムの副走査方向の微妙な画像のずれを、主走査方向への画像の変化量として表現できるので、視覚的にずれを把握すると同時にそのずれ量を適切に把握、調整が可能となり、例えば新たな画像形成装置を使用開始する場合や、メンテナンス後のずれ調整時において、従来のように特別な工具、技術を必要とせず簡単に調整できようになった。
【0152】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の第1の要旨によれば、複数の像担持体毎に駆動手段を連結し、検出手段を基準に各像担持体の回転停止位置を位置調整データ入力手段への像担持体の位置調整データを入力することにより設定でき、その入力された位置調整データに応じて制御手段が各駆動手段を各々所望の位置で像担持体を停止させるように制御することとなる。
【0153】
よって、複数像担持体の各々の振れ、駆動ムラに対応して像担持体の各々の回転停止位置を設定するため、従来技術のように並列配置された各像担持体間の距離関係を周期的な駆動変動に合わせて配置する必要がないので、複数の像担持体の画像を1つのカラー画像として忠実に再現すると共に、画像形成装置自身の大きさもコンパクトに抑える事ができる。
【0154】
また、各部品毎の部品精度に細かなばらつきがあったり、部品を組み立てていく際の組立精度などにより画像形成装置毎にばらつきが発生するが、各感光体ドラムの振れまたは駆動ムラの位相を部品精度及び組立精度に関わりなく位置調整データのキー入力という簡単な調整手段により解決でき、従来のような特別な工具、技術を必要とせずに容易に誰にでも調整できることとなった。
これにより、常に安定した画像の重ね合わせが行われ、色ズレのないカラー画像として忠実に記録再現できる画像形成装置を提供することが可能となった。
【0155】
本発明の第2の要旨によれば、複数像担持体の停止位置を各々の像担持体毎に調整入力できる位置調整モード表示画面と通常の画像形成に用いる画像形成モード表示画面を例えば表示切換手段等により切り換えて表示できるので、使用頻度の少ない位置調整モード表示画面を常に表示することがなくなり、画像形成装置を使用する使用者にとって使用頻度の多い画像形成モード表示画面の操作手順を従来通り明確に表示することができる。
【0156】
従って、本画像形成装置は、各像担持体間での回転停止位置がずれることにより生じる画像のぶれを位置調整可能とする機能をもちながら、通常の複写等を行う操作者にとってはその位置調整モード表示画面を意識することなく使用できるので、分かりやすい表示画面をもった画像形成装置を提供できる。
【0157】
また、操作者は複写結果から画像のぶれを認識した時に位置調整モード表示画面に切り換えて、像担持体の位置調整データを入力するという簡単な操作により画像ぶれを調整可能とできるので、カラ−複写の使用頻度の高まりと画像の高品質化を望む傾向のなかで、専門的な知識や特別な工具、技術を必要とせずに簡単な操作によりメンテナンスが可能とできる。
【0158】
本発明の第3の要旨によれば、複写結果から画像のぶれを生じる色に対応する像担持体毎に調整でき、自由度の高い調整か可能となる。
【0159】
本発明の第4の要旨によれば、入力した位置調整データを位置調整モード表示画面に表示することで、各感光体ドラムの停止位置を確認しながら容易に画像のズレを調整出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の側断面で示す作用的説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る複数の並列配置された感光体ドラムの位相合わせ状態の作用的説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複数の感光体ドラムにおける画像の重なり状態を説明する作用的説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複数配置された感光体ドラムの位相制御の説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る複数の感光体ドラムのずれ角度を検出しつつ感光体ドラムを停止させるタイムチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置設定入力表示画面の説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置設定入力表示画面の操作手順の一部を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置設定入力表示画面の操作手順の一部を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置設定入力表示画面の操作手順の一部を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの位置確認用パターンの印字例の説明図(a)とその一部拡大図(b)である。
【図11】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの位置確認用パターンの印字例の説明図(a)とその一部拡大図(b)である。
【図12】図10(b)の一部拡大図の作用的説明図である。
【図13】感光体ドラムの偏芯の説明図である。
【図14】感光体ドラムの偏芯と色ズレの原理説明図である。
【図15】本発明の実施形態に係るテストパターンの副走査方向の画素のずれを、画素数と角度の関係にて示す説明図である。
【図16】本発明の実施形態に係るテストパターンの主走査方向の画像のずれ量を2次元的に示す説明図である。
【図17】従来の複数の並列配置された感光体ドラムの位相合わせ状態の作用的説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
216 転写ベルト
222a〜222d 感光体ドラム
M モータ
Q 基準マーク
CON 制御部
G1〜G4 駆動ギア
S1〜S4 センサ
DP 表示画面
S1 パターン印字領域
Pml マゼンタ帯状パターン
Pcl シアン帯状パターン
Pyl イエロー帯状パターン
YP 傾斜パターン
BP 格子パターン
WW 白画素窓

Claims (4)

  1. 複数の像担持体と、
    前記像担持体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記複数の像担持体のうち一つの像担持体を基準像担持体とし、該基準像担持体以外の少なくとも一つの調整像担持体の回転停止位置を検出する検出手段と、
    前記調整像担持体を、該基準像担持体に対し独立して回転駆動可能とする駆動手段と、
    前記基準像担持体に対して、前記調整像担持体の相対的な位置関係を示す値であって、該調整像担持体の1周をn分割(n>1)する位置調整データを入力する位置調整データ入力手段と、
    前記位置調整データと、前記検出手段の検出信号とに基づいて、前記駆動手段の回転制御を行う制御手段とを備え、
    前記制御手段は、該基準像担持体に対する前記調整像担持体の前記相対的な位置関係を1番目からn番目まで切り換えながら、該基準像担持体と該調整像担持体によりn回、特定パターンを画像形成させるように前記駆動手段を制御する位置調整モードを有する画像形成装置。
  2. 画像形成に用いる画像形成モード表示画面と前記像担持体の位置調整データを入力する位置調整モード表示画面とを切えて表示可能とする表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記位置調整データ入力手段は、前記基準像担持体以外の調整像担持体毎に位置調整データを入力可能とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記表示手段は、位置調整データ入力手段により入力された調整像担持体毎の位置調整データを表示可能とすることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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