JP3716566B2 - 溶銑の予備精錬方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶銑の予備精錬、とりわけ高炉鋳床おける脱珪処理を有利に行うための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高炉鋳床における脱珪処理は、特開昭63−176408号公報、実公昭62−32992 号公報などに開示されているように、溶銑を枝樋から一旦傾注樋に受けて該傾注樋からトピードカーに装入する過程において、脱珪剤を枝樋または傾注樋で投入して行うが、脱珪量の増大に伴ってスラグフォーミングが顕著になってトピードカーでの受銑量が減少するため、スラグフォーミング防止剤を脱珪剤とは別に、人力または投入機によりトピードカー内へ投入すること(特開平5−287347号公報参照)が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スラグフォーミング防止剤を人力または投入機でトピードカー内へ投入する手法では、スラグフォーミングを防止する効果に乏しく、その結果発生するスラグフォーミングによって、トピードカーでの受銑量が低下し、また脱珪剤量が不足するため、製鋼段階でのSi濃度が上昇することが問題となる。
【0004】
また、スラグフォーミング防止剤を、脱珪剤と混合して傾注樋に打ち込む方法も提案されているが、傾注樋は脱珪反応が進行するところであるため、スラグフォーミング防止剤が有効に作用しない。
【0005】
そこで、本発明は、前記問題点を解決した、脱珪処理におけるスラグフォーミング防止剤の有利な投入手法について提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、前記問題点を解決するための手段を鋭意検討したところ、スラグフォーミングが発生する受銑中期以降におけるスラグフォーミング防止剤の投入を工夫することが有効であることを知見し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、高炉の出銑を、枝樋から一旦傾注樋に注いで該傾注樋からトピードカーに受銑して脱珪処理する際、傾注樋およびトピードカーにおける溶銑の落下流に、脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤からなる混合物を添加するに当たり、受銑の中期から脱珪剤中にスラグフォーミング防止剤の混合を始め、その混合量を末期にかけて増量していくと共に、傾注樋とトピードへの添加量の振り分け比率も末期にかけてトピードへの添加量を増量するように調整することを特徴とする溶銑の予備精錬方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の方法について、図1を参照して詳しく説明する。
すなわち、高炉からの溶銑1を、枝樋2から一旦傾注樋3に受けたのち、傾注樋3からトピードカー4に装入する過程において、その受銑初期には、脱珪剤5を少なくとも傾注樋3における枝樋2からの溶銑落下流1aに傾注樋用ランス6を介して投入し、脱珪処理を行う。なお、必要に応じて脱珪剤5を、さらにトピードカー4における傾注樋3からの溶銑落下流1bに直打ちランス7を介して投入することも可能である。
【0010】
その後、受銑中期に到った段階では、溶銑落下流1aおよび溶銑落下流1bに、脱珪剤5およびスラグフォーミング防止剤8を混合して投入することが、肝要である。具体的には、脱珪剤5を貯蔵したストレージホッパー9から所定量の脱珪剤5を切り出すとともに、スラグフォーミング防止剤8を貯蔵したストレージホッパー10から所定量のスラグフォーミング防止剤8を切り出して混合ホッパー11で混合し、この混合ホッパー11から傾注樋用ランス6および直打ちランス7に脱珪剤5およびスラグフォーミング防止剤8を送って、各ランスから例えば空気を搬送ガスとして、各落下流に投射する。
【0011】
以上に述べた工程によれば、本発明では、少なくとも受銑中期以降において、脱珪剤5にスラグフォーミング防止剤8を混合して投入を行うが、これは受銑初期では、溶銑中のSi濃度が高くて未反応の脱珪剤が少なくなって、COガスの発生量も少なくスラグフォーミングの発生が極く僅かであるため、スラグフォーミングが問題にならないからであり、勿論受銑初期の段階においてスラグフォーミング防止剤8を投入することも可能であるが、コストの点から、スラグフォーミング防止剤8の投入は、少なくとも受銑中期以降において行うこととした。すなわち、受銑中期以降では、溶銑とスラグの界面にて、下記(1)式で表される反応が活発になるため、スラグフォーミングが顕著になる。
従って、受銑中期以降において、スラグフォーミング防止剤の投入が必須になる。
【0012】
【数1】
【0013】
また、従来は溶銑中に別々に投入していた脱珪剤とフォーミング防止剤とを同時に投入することによって、脱珪剤およびフォーミング防止剤の投入作業を、特に人力で投入していた場合に比較して軽便にするとともに、それらの投入効果を高めるために、溶銑落下流1aおよび溶銑落下流1bの双方に投入することとした。
【0014】
ここで、ストレージホッパー9および10からの各切り出し量を制御して、混合ホッパー11における、脱珪剤5およびスラグフォーミング防止剤8の混合比率を、トピードカー4での受銑量に応じて調整することが好ましい。すなわち、受銑の中期から末期にかけては、上記(1)式に従う反応が活発になり、その脱珪の進行度によってスラグフォーミングも発生しやすいため、脱珪剤とスラグフォーミング防止剤の混合比率を変更することが有利であり、適正な量のスラグフォーミング防止剤の追加投入を行うことによって、スラグフォーミングを回避する。
【0015】
なお、脱珪剤とスラグフォーミング防止剤の混合比率ならびに投入位置は、トピードカーでの受銑量(Ri)に応じて調整すればよい。具体的には、表1に示すように、受銑完了時の受銑量(Ri)を 100%とした場合、受銑の中期からスラグフォーミング剤の混合を始め、末期にかけて増量すると共に、傾注樋(1a)とトピード(1b)との振り分け比率を変えることにより、スラグフォーミングの発生を効果的に防止することが求められる。
【0016】
【表1】
【0017】
さらに、混合ホッパー11から傾注樋用ランス6および直打ちランス7への脱珪剤5およびスラグフォーミング防止剤8の供給量を制御して、両ランス間での投入量比を調整することが好ましい。この場合も、前記と同様の理由により、該投入量比をトピードカーでの受銑量に応じて調整すればよい。
【0018】
また、脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤の投入は、圧縮空気を搬送ガスとして行うことが、推奨される。すなわち、圧縮して加圧された空気で搬送して、溶銑中に脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤を打ち込むことによって、いわゆるブラスティング効果(投射による打ち込み深さ)が向上し、とりわけスラグフォーミング防止効果を高めることができる。ここに、搬送ガスとしては、ブラスティング効果を高めるには少なくとも 5.0kg/cm2程度に加圧した空気が必要であり、一方、加圧の上限は 9.0kg/cm2程度である。なお、空気の加圧は、高ければ高いほど良いが、あまり高いと傾注樋の内張り耐火物の損傷が大きくなり、脱珪処理の継続を阻害する恐れがある。好ましい空気加圧は、 7.0〜 8.0kg/cm2程度の圧力とする。
【0019】
なお、脱珪剤としては、FeOの他 Fe2O3 などを使用することができ、製鉄所においては、圧延工場等で発生するミルスケールや製鋼工場の集塵ダスト又は焼結工場で得られる焼結ダスト等も使用できる。また、スラグフォーミング防止剤としては、アルミニウム滓、石炭粉およびコークス粉などを使用できる。
【0020】
【実施例】
図1に示した、高炉鋳床の脱珪処理において、表2に示す各条件に従ってスラグフォーミング防止剤の投入を行った。ここで、脱珪剤にはFeO、具体的には焼結ダスト、集塵ダストおよびミルスケールを用い、一方スラグフォーミング防止剤にはアルミニウム滓およびコークス粉を使用した。各操業における、脱珪効率およびスラグフォーミング防止効果、そしてコストについて調査した結果を、表2に併記する。なお、表2において、脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤を混合して投入し、かつその混合比率を調整する場合(発明例2、比較例3および4)は、表3に示す混合比率とした。
【0021】
なお、脱珪効率は、投入した脱珪剤中の酸素のうち、脱珪反応に消費された酸素の割合で評価し、スラグフォーミング防止効果は、フォーミング防止剤投入後のトピードフリーボード値の変化にて評価した。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
表2から、本発明に従って傾注樋およびトピードカーにおける溶銑の落下流に、脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤を混合して投入した場合は、脱珪効率が高く、しかもおよびスラグフォーミング防止効果にも優れることがわかる。とりわけ、脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤の混合比率を調整した発明例2は、スラグフォーミング防止剤を有利に利用でき、コストの面でも優れる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、スラグフォーミング防止剤を適切な時期に適切な工程において投入するため、投入したスラグフォーミング防止剤を無駄なく有効に作用させることができ、低コストの下に優れたスラグフォーミング防止効果を得られる。特に、脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤の混合比率を変えながら、さらには傾注樋およびトピードカーでの投入量比を変えながら、投入することによって、脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤の無駄な使用を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉鋳床の脱珪処理を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 溶銑
2 枝樋
3 傾注樋
4 トピードカー
5 脱珪剤
6 傾注樋用ランス
7 直打ちランス
8 スラグフォーミング防止剤
Claims (1)
- 高炉の出銑を、枝樋から一旦傾注樋に注いで該傾注樋からトピードカーに受銑して脱珪処理する際、傾注樋およびトピードカーにおける溶銑の落下流に、脱珪剤およびスラグフォーミング防止剤からなる混合物を添加するに当たり、受銑の中期から脱珪剤中にスラグフォーミング防止剤の混合を始め、その混合量を末期にかけて増量していくと共に、傾注樋とトピードへの添加量の振り分け比率も末期にかけてトピードへの添加量を増量するように調整することを特徴とする溶銑の予備精錬方法。
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JP23480397A JP3716566B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 溶銑の予備精錬方法 |
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JPH1171608A JPH1171608A (ja) | 1999-03-16 |
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- 1997-08-29 JP JP23480397A patent/JP3716566B2/ja not_active Expired - Fee Related
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