JP3716431B2 - Sawデバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はSAWデバイスの製造方法に関する。具体的には、電極用などの金属薄膜が単結晶酸化物基板上に形成されたSAWデバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化物基板上にAl等の金属薄膜からなる電極を形成した電子デバイスの一つにSAWデバイスがある。これは、LiTaO3などの酸化物基板上にAl薄膜を蒸着したのち、Al薄膜をフォトリソグラフィ技術により所望の形状に加工してIDT(くし歯状)電極等を製作したものである。このようなSAWデバイスでAl薄膜を電極として用いる場合、その比抵抗は重要な特性の一つであって、SAWデバイスの挿入損失を考えるとできるだけ低いことが望ましい。
【0003】
真空蒸着法やマグネトロンスパッタ法などの成膜方法を用いて、従来から低比抵抗のAl薄膜を得るための検討がなされてきており、▲1▼成膜温度を低くしてAl薄膜を形成する、▲2▼成膜速度を速くしてAl薄膜を形成する、▲3▼高真空下でAl薄膜を形成するといった低抵抗化のための方法が一般的に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、SAWデバイスの大容量化及び高周波化などのために、Al電極の膜厚を薄くすることが要求される傾向にあり、これまで数1000ÅであったAl薄膜の膜厚が1000Å以下になっている。ところが、Al薄膜の膜厚を薄くすると、膜厚ばらつきが大きくなると共にAl薄膜にピンホール等の非接続部分が多くなり、また、膜厚とAl結晶粒の大きさが同程度となって結晶粒界の影響が無視できなくなり、ついには導電性がなくなって電極としての機能を果たさなくなる。このため、Al電極の膜厚を薄くしてゆくと、急激に比抵抗が増大するという問題があった。図1は36°回転YカットLiTaO3基板上に形成されたAl薄膜の膜厚dとその比抵抗ρとの関係を示す図であって、曲線ロは従来の方法により作製したAl薄膜の場合を表わしている。この曲線ロに示されているように、従来の方法によって作製されたAl薄膜では、その膜厚dが約400〜500Å以下になると比抵抗ρが指数関数的に増加してゆき、特に約350Å以下の膜厚になると比抵抗が5μΩcmを大きく超えてしまう。このような理由から従来の方法では、500Å以下の膜厚の低比抵抗薄膜を得ることができなかった。
【0005】
本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、酸化物基板上の金属薄膜の膜厚を薄くしていっても比抵抗の増加を小さく抑えることができるSAWデバイスの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のSAWデバイスの製造方法は、ラジカル反応を主としたフッ素系気体プラズマ処理により、単結晶酸化物基板表面を改質した後、前記単結晶酸化物基板表面に金属薄膜を成膜することを特徴としている。
【0007】
また、上記フッ素系気体プラズマ処理に用いられる気体種としては、CF4、C2F6等のフッ素系ガス、もしくは当該フッ素系ガスにH2、O2を添加したガス、あるいはそれらのガスをAr、N2などの不活性なガスで希釈したガスを用いるのが好ましい。
【0008】
【作用】
本発明のSAWデバイスの製造方法にあっては、単結晶酸化物基板の表面に金属薄膜を成膜する前に、ラジカル反応を主としたフッ素系気体プラズマ処理を施したところ、酸化物基板の表面が改質され、膜厚を薄くしても比抵抗の小さな金属薄膜を酸化物基板上に得ることができた。
【0009】
【実施例】
本発明はSAWデバイスにおいて酸化物基板の表面上に金属薄膜を作製するための方法であって、酸化物基板としては、水晶、LiTaO3、LiNbO3、Li2B4O7のような単結晶酸化物基板を用いることができる。これらの酸化物基板の表面にAl薄膜等の金属薄膜を成膜する前には、RIE(反応性イオンエッチング)装置等のリアクティブエッチング装置を用いて酸化物基板を表面改質する。この表面改質は、酸化物基板をRIE装置等の中にセットし、ラジカル反応を主としたフッ素系ガスを用いて気体プラズマ処理を施すことにより行なう。こうして表面改質された酸化物基板の表面に、真空蒸着法やスパッタ法等によりAI薄膜等の金属薄膜を成膜する。この金属薄膜からは、エッチング等を施すことによりSAWデバイスのIDT電極を得ることができる。
【0010】
次の表1はRIE装置を用いてフッ素系気体プラズマ処理を行なう場合の最も好適な条件を示す。
【0011】
【表1】
【0012】
表1に示されているように、プラズマ処理を行なうためのエッチングガスとしては、▲1▼CF4やC2F4などのフッ素系ガスを用いてもよく、▲2▼CF4やC2F4などのフッ素系ガスにH2、O2を添加した混合ガスを用いてもよく、▲3▼それらのガスをAr、N2などの不活性ガスで希釈したガスを用いてもよい。また、反応室内におけるこれらのガス圧(真空度)は10〜100Paとするのが好ましい。さらに、RIE装置の電極の電力密度は4〜160mW/cm2とするのが好ましい。
【0013】
なお、ここに示した酸化物基板の表面処理条件は最も好適な条件であって、このれ以外の条件で表面処理を行える可能性がある。また、金属薄膜の作製条件も上記方法に限るものでなく、例えば、さらに高速な薄膜形成のできるマグネトロンスパッタ法で成膜してもよい。
【0014】
このように酸化物基板の表面にラジカル反応を主としたフッ素系の気体プラズマ処理を施して基板表面を改質したのち、酸化物基板上に金属薄膜を成膜することにより、比抵抗の小さな金属薄膜を得ることができる。また、膜厚の変化に対する比抵抗の変化も小さくなり、金属薄膜の膜厚ばらつきがあっても比抵抗の安定した値を得ることができる。従って、この金属薄膜によってSAWデバイスのIDT電極等を形成することにより、挿入損失が小さく、高周波特性等にすぐれた大容量のSAWデバイスを得ることができる。また、特別な装置を必要とすることなく通常の真空蒸着装置によって金属薄膜を作製できる。
【0015】
〔具体的実施例〕
以下、本発明の具体的実施例を詳細に説明する。酸化物基板としては、弾性表面波デバイス用の圧電基板として一般的に多く用いられている36°回転YカットLiTaO3基板を用いた。まず、表面改質処理を行う前にLiTaO3基板を有機溶剤によって洗浄を行い、基板表面に付着している有機物を除去した。ついで、洗浄後のLiTaO3基板をRIE装置内にセットし、エッチングガスにCF4を用いてラジカル反応が主体となるような表面処理条件下でLiTaO3基板に表面処理を施し、LiTaO3基板の表面改質を行なった。このとき用いた表面処理条件の代表的な値等を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】
次に、このようにして表面改質されたLiTaO3基板の表面に真空蒸着法によってAl薄膜を作製した。表3はこのとき用いた標準的な成膜条件を示す。
【0018】
【表3】
【0019】
〔従来例〕
従来例として、同じく36°回転YカットLiTaO3基板を有機溶剤によって十分に洗浄した後、実施例のように表面改質処理を行なうことなく、実施例と同様な条件下(表3)でAl薄膜を作製した。
【0020】
〔測定結果〕
以上のようにしてLiTaO3基板上に形成された実施例のAl薄膜及び従来例のAl薄膜について、それぞれ膜厚dとその比抵抗ρを測定した。この測定結果を図1に示す。図1の曲線イは実施例のAl薄膜を示し、曲線ロは既に述べたように従来例のAl薄膜を示す。図1からわかるように、実施例のAl薄膜においては、200Å前後の膜厚dにおいても比抵抗ρにほとんど変化が見られず、300Åの膜厚dにおいても比抵抗ρが5μΩ・cm以下のAl薄膜を得ることができた。これに対して、従来例のAl薄膜においては、膜厚dが約400〜500Å以下になると比抵抗ρは指数関数的に増大し、実用に耐える比抵抗ρを有する膜厚dのAl薄膜を得ることはできなかった。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、ラジカル反応を主としたフッ素系気体プラズマ処理を施して単結晶酸化物基板の表面を改質することにより、膜厚を非常に薄くしても比抵抗が急激に増大することが無くなる。従って、低抵抗の金属薄膜を酸化物基板上に作製することができるようになった。
【0022】
また、特別な装置を必要とすることなく、通常の真空蒸着装置などを用いて酸化物基板表面に低比抵抗の金属薄膜を作製できる。
【0023】
さらに、低速成膜によっても低比抵抗膜を作製することができるので、膜厚制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により作製したAl薄膜と従来例の方法により作製したAl薄膜における各膜厚とその比抵抗との関係を示す図である。
Claims (2)
- ラジカル反応を主としたフッ素系気体プラズマ処理により、単結晶酸化物基板表面を改質した後、前記単結晶酸化物基板表面に金属薄膜を成膜することを特徴とするSAWデバイスの製造方法。
- 前記フッ素系気体プラズマ処理に用いられる気体種が、CF4、C2F6等のフッ素系ガス、もしくは当該フッ素系ガスにH2、O2を添加したガス、あるいはそれらのガスをAr、N2などの不活性なガスで希釈したガスであることを特徴とする請求項1に記載のSAWデバイスの製造方法。
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JP22207293A JP3716431B2 (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | Sawデバイスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22207293A JP3716431B2 (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | Sawデバイスの製造方法 |
Publications (2)
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JPH0754129A JPH0754129A (ja) | 1995-02-28 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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KR102109884B1 (ko) * | 2018-05-17 | 2020-05-12 | 삼성전기주식회사 | 체적 음향 공진기 및 이의 제조방법 |
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1993
- 1993-08-13 JP JP22207293A patent/JP3716431B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0754129A (ja) | 1995-02-28 |
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