JP2929987B2 - 弾性表面波装置の製造方法 - Google Patents
弾性表面波装置の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波装置及
びその製造方法に関するものである。
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波装置(SAWデバイス)の高
周波化にともない、その電極パターンは、近年、サブミ
クロンオーダの領域に進んできている。そのため、SA
Wデバイス電極の加工には、半導体ICの高集積化プロ
セスで使われているプラズマやイオンによるドライエッ
チング法が活用されている。特に、塩素系ガスを用いた
反応性イオンエッチング(RIE)法が最も多用されて
いる。
周波化にともない、その電極パターンは、近年、サブミ
クロンオーダの領域に進んできている。そのため、SA
Wデバイス電極の加工には、半導体ICの高集積化プロ
セスで使われているプラズマやイオンによるドライエッ
チング法が活用されている。特に、塩素系ガスを用いた
反応性イオンエッチング(RIE)法が最も多用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】SAWデバイス電極の
材料は、一般にAlを主構成元素として用いられるが、
Alは塩素系反応ガスでドライエッチング加工すると、
例えば、(J.Appl.Phys.52(1981)
p2994)に報告されているように、エッチング後に
「Al電極腐食」が発生する。従来、これを防止するめ
に、RIE加工直後に装置内をガス置換(パージ)を行
ったり、エッチング完了後の電極に対して、後処理とし
て酸素アッシングや水洗などを行うなどして対応してい
た。しかし、これらの方法では、Al電極の腐食防止効
果は乏しく、再現性の低い非効率的なプロセスとなって
いた。一方、特開昭60−244108号公報に開示さ
れている弾性表面波素子は、そのすだれ状電極の表面に
絶縁体化層を形成することにより、電極間短絡現象を防
ぎ、素子としての信頼性を高めることができると報告さ
れている。Al電極の腐食問題の対応としては、この特
許に記載されているような構造をSAWデバイス電極に
適応させることで、ある程度、その腐食防止を行えるこ
とが分かっている。しかし、その効果の信頼性は低く、
絶縁膜を単に電極表面に覆うだけの構造では、電極保護
層としての役割は不完全であるのが実状である。
材料は、一般にAlを主構成元素として用いられるが、
Alは塩素系反応ガスでドライエッチング加工すると、
例えば、(J.Appl.Phys.52(1981)
p2994)に報告されているように、エッチング後に
「Al電極腐食」が発生する。従来、これを防止するめ
に、RIE加工直後に装置内をガス置換(パージ)を行
ったり、エッチング完了後の電極に対して、後処理とし
て酸素アッシングや水洗などを行うなどして対応してい
た。しかし、これらの方法では、Al電極の腐食防止効
果は乏しく、再現性の低い非効率的なプロセスとなって
いた。一方、特開昭60−244108号公報に開示さ
れている弾性表面波素子は、そのすだれ状電極の表面に
絶縁体化層を形成することにより、電極間短絡現象を防
ぎ、素子としての信頼性を高めることができると報告さ
れている。Al電極の腐食問題の対応としては、この特
許に記載されているような構造をSAWデバイス電極に
適応させることで、ある程度、その腐食防止を行えるこ
とが分かっている。しかし、その効果の信頼性は低く、
絶縁膜を単に電極表面に覆うだけの構造では、電極保護
層としての役割は不完全であるのが実状である。
【0004】本発明は、上記従来例の欠点を解決するた
めのもので、その目的は、反応性ガスを用いたドライエ
ッチング時に生じるAl電極の腐食現象を効果的に防
ぎ、信頼性の高い、弾性表面波装置及びその製造方法を
提供することにある。
めのもので、その目的は、反応性ガスを用いたドライエ
ッチング時に生じるAl電極の腐食現象を効果的に防
ぎ、信頼性の高い、弾性表面波装置及びその製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による弾性表面波
装置は、図1に示すように、塩素系ガスを用いたドライ
エッチングで加工され、圧電基板上に配列されたAlを
主構成元素とする電極表面にC−AlN層が保護層とし
て形成されたことを特徴としている。このC−AlN保
護層の膜厚としては、5nm〜10nmであることが好
ましい。
装置は、図1に示すように、塩素系ガスを用いたドライ
エッチングで加工され、圧電基板上に配列されたAlを
主構成元素とする電極表面にC−AlN層が保護層とし
て形成されたことを特徴としている。このC−AlN保
護層の膜厚としては、5nm〜10nmであることが好
ましい。
【0006】C−AlN保護層の形成方法としては、ド
ライエッチング加工直後の電極表面を、その場の窒素/
炭素混合ガスによるプラズマ処理によることが望まし
い。ドライエッチング直後にその場で窒素/炭素混合ガ
スによるプラズマ処理を行わず、装置外に出してしまう
と、ドライエッチングの残留成分と空気中の水分とが反
応して塩化水素(HCl)が生成してしまうので、この
状態で窒素/炭素混合ガスによるプラズマ処理を行った
としても、Al電極腐食を防止することは困難であるか
らである。窒素/炭素混合ガスによるプラズマ処理時間
は、C−AlN保護層の膜厚が適切値から外れないよう
に設定する。なお、混合ガスとしてはN2/CO2 、N
2 /CH4 、N2 /CF4 等使用できる。
ライエッチング加工直後の電極表面を、その場の窒素/
炭素混合ガスによるプラズマ処理によることが望まし
い。ドライエッチング直後にその場で窒素/炭素混合ガ
スによるプラズマ処理を行わず、装置外に出してしまう
と、ドライエッチングの残留成分と空気中の水分とが反
応して塩化水素(HCl)が生成してしまうので、この
状態で窒素/炭素混合ガスによるプラズマ処理を行った
としても、Al電極腐食を防止することは困難であるか
らである。窒素/炭素混合ガスによるプラズマ処理時間
は、C−AlN保護層の膜厚が適切値から外れないよう
に設定する。なお、混合ガスとしてはN2/CO2 、N
2 /CH4 、N2 /CF4 等使用できる。
【0007】C−AlN保護層で被覆した電極構造を有
する本発明によれば、C−AlN層が保護層として働い
てくれるため、Al電極の腐食要因となっていたドライ
エッチング後に生成される塩素系残留元素の影響を受け
ずにすみ、腐食による電極の形状変化がなくなる。さら
に、エッチング工程以降の各作業で用いられる水溶液や
有機溶剤からの化学的・物理的ダメージの緩和、試料作
製後のSAWデバイス動作時における電極の酸化防止
等、C−AlN層は外界からのバリヤ層として、Al電
極を保護してくれるので、SAWデバイス特性(中心周
波数、Q値など)の変動も起こりにくくなる。このと
き、C−AlN表層に存在するカーボンの効果は、窒化
アルミニウム層の窪みなどで、少なからず点在するAl
面を覆うことによって、Al電極をより完全に近い状態
で外界の雰囲気(酸素など)から隔絶することである。
このことによって、更に保護層としての役割を確実なも
のとすることができる。
する本発明によれば、C−AlN層が保護層として働い
てくれるため、Al電極の腐食要因となっていたドライ
エッチング後に生成される塩素系残留元素の影響を受け
ずにすみ、腐食による電極の形状変化がなくなる。さら
に、エッチング工程以降の各作業で用いられる水溶液や
有機溶剤からの化学的・物理的ダメージの緩和、試料作
製後のSAWデバイス動作時における電極の酸化防止
等、C−AlN層は外界からのバリヤ層として、Al電
極を保護してくれるので、SAWデバイス特性(中心周
波数、Q値など)の変動も起こりにくくなる。このと
き、C−AlN表層に存在するカーボンの効果は、窒化
アルミニウム層の窪みなどで、少なからず点在するAl
面を覆うことによって、Al電極をより完全に近い状態
で外界の雰囲気(酸素など)から隔絶することである。
このことによって、更に保護層としての役割を確実なも
のとすることができる。
【0008】また、本発明の製造方法によれば、エッチ
ング室内で窒素/炭素混合ガスによるプラズマの処理を
行うことにより、Al電極の腐食要因となっていた塩素
系エッチングガスの残留元素(塩素系生成物など)、酸
素及び水分が除去されるので、ドライエッチング後のA
l電極への腐食効果はさらに低減させることが出来る。
ング室内で窒素/炭素混合ガスによるプラズマの処理を
行うことにより、Al電極の腐食要因となっていた塩素
系エッチングガスの残留元素(塩素系生成物など)、酸
素及び水分が除去されるので、ドライエッチング後のA
l電極への腐食効果はさらに低減させることが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0010】
(実施例1)エッチングの後処理の評価として、下記の
(1)から(7)の製造方法により作製した電極につい
て、それぞれ10サンプルを任意に取り出し、光学顕微
鏡及び電子顕微鏡(SEM)を用いてエッチング後の電
極部における腐食有無を時間を追って比較調査した。イ
オンビームスパッタ法で、64°回転Yカットニオブ酸
リチウム(LiNbO3 )基板上に成膜した、組成Al
−0.5wt%Cu、膜厚200nmの電極膜を1μm
のラインアンドスペースを持つ電極パターンに加工し、
1GHz帯のSAWフィルタを作製した。Al電極のエ
ッチング加工は、塩素(Cl2 )ガスを用いた反応性イ
オンビームエッチング(ECR−RIBE)装置によ
り、放電圧力0.25Pa、入射電力50Wの条件で行
った。
(1)から(7)の製造方法により作製した電極につい
て、それぞれ10サンプルを任意に取り出し、光学顕微
鏡及び電子顕微鏡(SEM)を用いてエッチング後の電
極部における腐食有無を時間を追って比較調査した。イ
オンビームスパッタ法で、64°回転Yカットニオブ酸
リチウム(LiNbO3 )基板上に成膜した、組成Al
−0.5wt%Cu、膜厚200nmの電極膜を1μm
のラインアンドスペースを持つ電極パターンに加工し、
1GHz帯のSAWフィルタを作製した。Al電極のエ
ッチング加工は、塩素(Cl2 )ガスを用いた反応性イ
オンビームエッチング(ECR−RIBE)装置によ
り、放電圧力0.25Pa、入射電力50Wの条件で行
った。
【0011】(1)後処理なし (2)エッチング装置内をガス置換によるパージ処理 (3)引き続きその場でアッシング処理:アッシング処
理は、電極加工と同一室内において、酸素プラズマ放電
を30分間行った。放電条件は、酸素分圧10Pa、入
射電力100Wである。
理は、電極加工と同一室内において、酸素プラズマ放電
を30分間行った。放電条件は、酸素分圧10Pa、入
射電力100Wである。
【0012】(4)エッチング装置から取り出した後、
サンプルをアッシング処理:アッシング処理は、電極加
工と同一の室内に戻して、酸素プラズマ放電を30分間
行った。放電条件は、酸素分圧10Pa、入射電力10
0Wである。
サンプルをアッシング処理:アッシング処理は、電極加
工と同一の室内に戻して、酸素プラズマ放電を30分間
行った。放電条件は、酸素分圧10Pa、入射電力10
0Wである。
【0013】(5)エッチング装置から取り出した後、
サンプルを水洗処理 (6)引き続きその場で窒素プラズマ処理:窒素プラズ
マ処理は、電極加工と同一室内において、窒素ラジカル
イオンビームを3分間照射した。放電条件は、放電圧力
0.07Pa、入射電力300Wである。このとき、電
極表面に形成されるAlN保護層の厚さは5nmであっ
た。
サンプルを水洗処理 (6)引き続きその場で窒素プラズマ処理:窒素プラズ
マ処理は、電極加工と同一室内において、窒素ラジカル
イオンビームを3分間照射した。放電条件は、放電圧力
0.07Pa、入射電力300Wである。このとき、電
極表面に形成されるAlN保護層の厚さは5nmであっ
た。
【0014】(7)エッチング装置から取り出した後、
サンプルを窒素プラズマ処理:窒素プラズマ処理は、電
極加工と同一の室内に戻し、窒素ラジカルイオンビーム
を20分間照射した。ここでの放電条件は、放電圧力
0.07Pa、入射電力300Wである。形成されたA
lN層の厚さは25nmであった。
サンプルを窒素プラズマ処理:窒素プラズマ処理は、電
極加工と同一の室内に戻し、窒素ラジカルイオンビーム
を20分間照射した。ここでの放電条件は、放電圧力
0.07Pa、入射電力300Wである。形成されたA
lN層の厚さは25nmであった。
【0015】(8)引き続きその場でN2 /CO2 プラ
ズマ処理:N2 /CO2 プラズマ処理は、電極加工と同
一室内において、N2 /CO2 ラジカルイオンビームを
5分間照射した。ここでの放電条件としては、使用ガス
N2 +30%CO2 、放電圧力0.07Pa、入射電力
300Wである。このとき、電極表面に形成されるC−
AlN保護層の厚さは5nmであった。
ズマ処理:N2 /CO2 プラズマ処理は、電極加工と同
一室内において、N2 /CO2 ラジカルイオンビームを
5分間照射した。ここでの放電条件としては、使用ガス
N2 +30%CO2 、放電圧力0.07Pa、入射電力
300Wである。このとき、電極表面に形成されるC−
AlN保護層の厚さは5nmであった。
【0016】(9)エッチング装置から取り出した後、
サンプルをN2 /CO2 プラズマ処理:N2 /CO2 プ
ラズマ処理は、電極加工と同一の室内に戻し、N2 /C
O2ラジカルイオンビームを40分間照射した。放電条
件は、使用ガスN2 +30%CO2 、放電圧力0.07
Pa、入射電力300Wである。形成されたC−AlN
層の厚さは30nmであった。
サンプルをN2 /CO2 プラズマ処理:N2 /CO2 プ
ラズマ処理は、電極加工と同一の室内に戻し、N2 /C
O2ラジカルイオンビームを40分間照射した。放電条
件は、使用ガスN2 +30%CO2 、放電圧力0.07
Pa、入射電力300Wである。形成されたC−AlN
層の厚さは30nmであった。
【0017】表1に(1)〜(9)について調べた、そ
れぞれの1日後、1週間後及び1ヶ月後における電極の
腐食有無のサンプル数を示す。ドライエッチングによる
加工後、N2 /CO2 プラズマ処理を行うことにより、
他の後処理に比べAl電極の腐食が充分抑えられている
ことが分かる。但し、N2 /CO2 プラズマはエッチン
グ直後のその場処理でなければ、その効果は現れず、電
極形成後、装置外に出すことなく電極保護層を設けなけ
れば効果がないことがわかる。
れぞれの1日後、1週間後及び1ヶ月後における電極の
腐食有無のサンプル数を示す。ドライエッチングによる
加工後、N2 /CO2 プラズマ処理を行うことにより、
他の後処理に比べAl電極の腐食が充分抑えられている
ことが分かる。但し、N2 /CO2 プラズマはエッチン
グ直後のその場処理でなければ、その効果は現れず、電
極形成後、装置外に出すことなく電極保護層を設けなけ
れば効果がないことがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】(実施例2)実施例1で最も効果のあった
(8)の結果は、C−AlN層の厚さが5nmのときの
データであった。そこでC−AlN保護膜の膜厚とAl
腐食の関係を調べるため、実施例1で効果が判明した
(8)のプロセスについて、N2 /CO2 プラズマ処理
の時間を変え、C−AlN層の膜厚が1nm〜30nm
のAl電極を作製し、実施例1と同様、それぞれ10サ
ンプルについて、外観検査によって腐食有無を調べた。
結果を表2に示す。表2よりC−AlN層の厚さは5n
m以上ないとAl電極の腐食は抑制できないことがわか
る。
(8)の結果は、C−AlN層の厚さが5nmのときの
データであった。そこでC−AlN保護膜の膜厚とAl
腐食の関係を調べるため、実施例1で効果が判明した
(8)のプロセスについて、N2 /CO2 プラズマ処理
の時間を変え、C−AlN層の膜厚が1nm〜30nm
のAl電極を作製し、実施例1と同様、それぞれ10サ
ンプルについて、外観検査によって腐食有無を調べた。
結果を表2に示す。表2よりC−AlN層の厚さは5n
m以上ないとAl電極の腐食は抑制できないことがわか
る。
【0020】
【表2】
【0021】(実施例3)実施例2でAl腐食に効果の
あった、C−AlN保護膜の膜厚が5nm以上電極を有
するSAWデバイスについて、SAW特性を測定した。
表3はC−AlN保護層の厚さとSAW特性に設計値か
らのずれが見られたサンプル数との関係を示す。表3に
示すようにC−AlN保護層の膜厚が大きい電極を有す
るSAWでは、SAWフィルタの中心周波数、帯域幅、
帯域外特性の設計値からのずれが大きい。C−AlN層
が厚いと保護層としての役割は充分果たすものの、SA
Wデバイス特性に対する影響(設計値からのズレ)が無
視できなくなるので、層の厚さは出来るだけ薄い方が良
い。実施例2と実施例3とから、C−AlN保護層の好
ましい厚さは5nm〜10nmであることがわかる。
あった、C−AlN保護膜の膜厚が5nm以上電極を有
するSAWデバイスについて、SAW特性を測定した。
表3はC−AlN保護層の厚さとSAW特性に設計値か
らのずれが見られたサンプル数との関係を示す。表3に
示すようにC−AlN保護層の膜厚が大きい電極を有す
るSAWでは、SAWフィルタの中心周波数、帯域幅、
帯域外特性の設計値からのずれが大きい。C−AlN層
が厚いと保護層としての役割は充分果たすものの、SA
Wデバイス特性に対する影響(設計値からのズレ)が無
視できなくなるので、層の厚さは出来るだけ薄い方が良
い。実施例2と実施例3とから、C−AlN保護層の好
ましい厚さは5nm〜10nmであることがわかる。
【0022】
【表3】
【0023】なお、以上述べた実施例においては、Al
系電極のドライエッチングには、塩素ガスを用いた例に
ついてのみ述べたが、エッチングガスとしては、四塩化
炭素(CCl4 )、三塩化ホウ素ガス(BCl3 )、塩
素ガスと三塩化ホウ素ガスの混合ガス等の塩素系ガスを
用いても同様の結果が得られた。またN2 /CO2 プラ
ズマ処理として、N2 /CO2 ラジカルイオンビームに
よる例について述べたが、平行平板型プラズマ放電等に
よるN2 /CO2 プラズマ処理でも同様の結果が得られ
た。
系電極のドライエッチングには、塩素ガスを用いた例に
ついてのみ述べたが、エッチングガスとしては、四塩化
炭素(CCl4 )、三塩化ホウ素ガス(BCl3 )、塩
素ガスと三塩化ホウ素ガスの混合ガス等の塩素系ガスを
用いても同様の結果が得られた。またN2 /CO2 プラ
ズマ処理として、N2 /CO2 ラジカルイオンビームに
よる例について述べたが、平行平板型プラズマ放電等に
よるN2 /CO2 プラズマ処理でも同様の結果が得られ
た。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ド
ライエッチング加工したAl電極表面を窒素/炭素混合
ガスによるプラズマ処理することによって、電極表層部
にC−AlN保護層を設け、さらにAl電極の腐食要因
となっていた残留元素をエッチング装置内から除去する
窒素/炭素混合ガスによるプラズマ処理を用いた電極製
造方法により、ドライエッチング後に生じていたAl電
極の腐食を再現性高く防止することができる。このこと
によって、製造歩留まりの高い塩素系ガスを用いたRI
Eが可能となり、微細電極加工プロセスの信頼性が向上
する。
ライエッチング加工したAl電極表面を窒素/炭素混合
ガスによるプラズマ処理することによって、電極表層部
にC−AlN保護層を設け、さらにAl電極の腐食要因
となっていた残留元素をエッチング装置内から除去する
窒素/炭素混合ガスによるプラズマ処理を用いた電極製
造方法により、ドライエッチング後に生じていたAl電
極の腐食を再現性高く防止することができる。このこと
によって、製造歩留まりの高い塩素系ガスを用いたRI
Eが可能となり、微細電極加工プロセスの信頼性が向上
する。
【図1】本発明を説明するための電極の断面図である。
1 基板 2 Al、もしくはAl合金電極 3 C−AlN保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−244108(JP,A) 特開 平2−234507(JP,A) 特開 平2−170429(JP,A) 特開 昭63−185804(JP,A) 特開 昭63−131572(JP,A) 特開 平4−45274(JP,A) 特開 平5−88204(JP,A) 特開 平5−102774(JP,A) 特公 昭55−2731(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03H 3/08 - 3/10 H01L 21/28 - 21/288 H01L 21/302 - 21/308
Claims (2)
- 【請求項1】 圧電基板上に配列されたAlを主構成元
素とする電極を持つ弾性表面波装置において、電極を塩
素系ガスを用いたドライエッチング法により形成した直
後、引き続き同一室内で少なくとも窒素と炭素を含む混
合ガスによるプラズマ処理を行い、電極表面にC−Al
N層を形成させることを特徴とする弾性表面波装置の製
造方法。 - 【請求項2】 前記ドライエッチング終了後ガス置換に
よるパージ処理を行った後で前記プラズマ処理を行うこ
とを特徴とする請求項1記載の弾性表面波装置の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8003635A JP2929987B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 弾性表面波装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8003635A JP2929987B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 弾性表面波装置の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09199967A JPH09199967A (ja) | 1997-07-31 |
JP2929987B2 true JP2929987B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=11562951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8003635A Expired - Fee Related JP2929987B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 弾性表面波装置の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2929987B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP3414371B2 (ja) | 2000-07-31 | 2003-06-09 | 株式会社村田製作所 | 弾性表面波装置及びその製造方法 |
TW513855B (en) * | 2001-01-15 | 2002-12-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Saw device and method for manufacturing the device |
-
1996
- 1996-01-12 JP JP8003635A patent/JP2929987B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09199967A (ja) | 1997-07-31 |
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