JP3716385B2 - Pcmキャリアーリレー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力系統の送電線を保護するPCMキャリアーリレー(電流作動リレー)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、例えば特公平1−24013号公報に示された、差動保護を行う従来のPCMキャリアーリレーの構成を示すブロック図である。(ただし、この公報では、3端子保護の場合を説明しているが、ここでは簡単のため、2端子保護で記述する)。図において、40は系統の送電線、1a、1bは送電線40の両端A、Bにそれぞれ設置された電流変成器(以下、CTと称す)、2はCT1a、1bによって得た電流ia、ibのベクトル和の絶対値|ia+ib|を差動電流Idとして算出する差動電流計算回路、3は電流ia、ibのスカラー和|ia|+|ib|を抑制電流Irとして算出する抑制電流計算回路、4は差動電流計算回路2で算出した|ia+ib|の、ある一定期間前から現在までの間の最小値をとって差動電流Idとして置き換えるId算出回路、5は次に2つの動作式で表される判定を行う動作判定回路である。
Id>R1・Ir+K1 ・・・(1)
Id>R2・Ir+K2 ・・・(2)
ただし、R1、R2、K1、K2は定数である。
以上の2〜5により、端子A、Bの内部の故障を識別して検出する電流差動リレー要素30を構成している。
【0003】
次に動作について説明する。
図10は、動作判定回路5の動作領域を示す説明図であり、(1)式および(2)式を満足する領域Cが動作域であることを示す。
両端のCT1a、1bが飽和の生じない、しかも誤差がなく、リレーも誤差のない理想的な場合、外部故障では、各端子A、Bの電流ia、ibのベクトル和は零になり差動電流Idは発生しない。一方、内部故障では、電流ia、ibのベクトル和であるIdとスカラー和であるIrは同じ量になるので、図10の動作領域内になり動作する。これで内外部故障が識別される。
【0004】
図11は、外部故障時のCTの飽和の影響を説明するための電流図である。片方のCT1aのみが飽和して、他方のCT1bは飽和していない場合を示す。破線で表した電流Iaの斜線部分は、CT1aが未飽和であることを示す。またCT1aの飽和の程度を見やすくするために、両CT1a、1bの極性を逆にして重ね合わせている。Id、Irはベクトル和(瞬時値の和の絶対値)およびスカラー和(それぞれの絶対値の和)で演算時の遅れを加味している。
【0005】
図11に示したように、CTが飽和すると外部故障でもIdが発生するが、故障が発生した時、スタート時点では未飽和であるので、従来技術でのCT飽和対策として、電流ia、ibのベクトル和の、一定期間前から現在までの間の最小値をとり、これを差動電流Idとして用いることにより、CT飽和に起因するIdの増加を抑えて対処している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のPCMキャリーリレーは、以上のように構成されていて、外部故障電流でCTの一方だけ飽和する場合や、両CTがアンバランスに飽和する場合、CTの飽和によって生じる差動電流に対して、一定期間前から現在までの間の最小値を使うことで対処している。この場合、差動電流Idが増加している期間は抑制電流Irが減少するので、最小値をとる上記一定期間をある程度長くする(例えば数サイクル間)必要がある。そして、この期間を長くすると、判定のために用いる差動電流Idの最小値の増加が遅れるので、動作検出期間が遅くなるという問題があった。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、外部故障でCTの飽和が発生しても正しく外部故障の判定ができ、また、内部故障に対して判定動作遅れの小さいPCMキャリアーリレーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るPCMキャリアーリレーは、送電線の各端電流から差動電流および抑制電流を演算する回路と、差動電流が抑制電流との関係において所定値よりも大きいときに内部故障であると判定する動作判定回路とを備えて送電線の内部故障を検出するPCMキャリアーリレーにおいて、抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路と、差動電流が抑制電流との関係において別の所定値よりも小さいときに外部故障であると判定する外部故障判定回路と、故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により動作判定回路の動作領域設定を変更する回路と、上記抑制電流の変化が設定値より小さいことを検出するIr一定検出回路と、このIr一定検出回路の出力により上記外部故障判定回路の出力をロックして上記動作判定回路の動作領域設定を元に復帰させる回路とを備えたを備えたものである。
【0009】
請求項2に係るPCMキャリアーリレーは、送電線の各端電流から差動電流および抑制電流を演算する回路と、差動電流が抑制電流との関係において所定値よりも大きいときに内部故障であると判定する動作判定回路とを備えて送電線の内部故障を検出するPCMキャリアーリレーにおいて、抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路と、差動電流が抑制電流との関係において別の所定値よりも小さいときに外部故障であると判定する外部故障判定回路と、故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により動作判定回路の動作領域設定を変更する回路と、上記差動電流の変化が設定値より小さいことを検出するId一定検出回路と、このId一定検出回路の出力により上記外部故障判定回路の出力をロックして上記動作判定回路の動作領域設定を元に復帰させる回路とを備えたものである。
【0010】
請求項3に係るPCMキャリアーリレーは、請求項1または2記載のものにおいて、上記動作判定回路の動作領域設定を変更する回路は、上記故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により上記差動電流の値を変えて上記動作判定回路に入力することで、上記動作領域設定を変更するものである。
【0011】
請求項4に係るPCMキャリアーリレーは、請求項1または2記載のものにおいて、上記動作判定回路の動作領域設定を変更する回路は、上記故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により上記抑制電流の値を変えて上記動作判定回路に入力することで、上記動作領域設定を変更するものである。
【0012】
請求項5に係るPCMキャリアーリレーは、送電線の各端電流から差動電流および抑制電流を演算する回路と、上記差動電流が抑制電流との関係において所定値よりも大きいときに内部故障であると判定する動作判定回路とを備えて上記送電線の内部故障を検出するPCMキャリアーリレーにおいて、上記抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路と、上記差動電流が抑制電流との関係において別の所定値よりも小さいときに外部故障であると判定する外部故障判定回路と、上記故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により上記動作判定回路の動作領域設定を変更する回路と、上記差動電流が設定値より大きい期間の時間幅を測定する時間幅測定回路と、この時間幅測定回路によって測定された時間幅から上記動作判定回路の動作領域設定の変更量を制御する回路とを備えたものである。
【0013】
請求項に係るPCMキャリアーリレーは、請求項1から請求項のいずれかに記載のものにおいて、抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路に代えて、送電線の各端電流のいずれかの変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路を備えたものである。
【0014】
請求項に係るPCMキャリアーリレーは、請求項1から請求項のいずれかに記載のものにおいて、抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路に代えて、送電線の電圧の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1、図2により説明する。
図1は、実施の形態1におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図、図2は、その動作領域の説明図である。図1において、40は系統の送電線、1a、1bは送電線40の両端A、Bにそれぞれ設置されたCT、2はCT1a、1bによって得た電流ia、ibのベクトル和の絶対値|ia+ib|を差動電流Idとして演算する差動電流計算回路、3は電流ia、ibのスカラー和|ia|+|ib|を抑制電流Irとして演算する抑制電流計算回路である。
【0016】
6は抑制電流計算回路3で算出した抑制電流Irを入力してその変化がある設定値mより大きい場合に故障が発生した判定して出力する故障発生検出回路であり、故障期間中出力できるように図示しない復帰タイマーを有している。7は作動電流Idおよび抑制電流Irを入力とする外部故障判定回路であり、差動電流Idが抑制電流Irとの関係において所定値、すなわち(3)式の右辺の値より小さいとき、外部故障であると判定する。
Id<R3・Ir+K3 ・・・(3)
つまり、(3)式を満足するとき外部故障であると判定する。ただし、R3、K3は定数である。
【0017】
8は故障発生検出回路6と外部故障判定回路7の両出力のANDをとるAND回路、9は動作タイマーt1、復帰タイマーt2からなるタイマー回路、10はタイマー回路9の出力があるとき、次に述べる動作判定回路11の定数K2をK4に置き換えることによりその動作領域設定を制御するK2制御回路、11は内部故障を判定する動作判定回路であり、差動電流Idが抑制電流Irとの関係において、外部故障判定回路7で用いたのとは別の所定値、すなわち(1)式の右辺および(4)式の右辺の値より大きいとき、内部故障であると判定する。
Id>R1・Ir+K1 ・・・(1)
Id>R2・Ir+K2(またはK4) ・・・(4)
つまり、(1)式と(4)式の両方を満足するとき内部故障であると判定する。ただし、R1、R2、K1、K2、K4は定数であり、動作判定回路11はK2制御回路10の出力を受けて(4)式中のK2をK4に変える機能を備えている。
【0018】
次に、動作について説明する。
送電線40の両端A、BのCT1a、1bからそれぞれ伝送し、互いに時刻同期した電流iaとibを差動電流計算回路2および抑制電流計算回路3に入力し、それぞれ差動電流Idおよび抑制電流Irを算出する。故障発生検出回路6へは抑制電流Irを入力し、ある一定時間でのその変化が設定値mより大きいとき、AND回路8へ出力する。
【0019】
一方、外部故障判定回路7へは差動電流Idと抑制電流Irを入力し、(3)式を満足しているときは、AND回路8へ出力する。AND回路8では、故障発生検出回路6と外部故障判定回路7の両方から信号が入力されたときにタイマー回路9へ出力し、タイマー回路9からK2制御回路10へ出力する。K2制御回路10では、タイマー回路9から信号が入力されたとき、動作判定回路11の中のK2の値をK4に置き換える。
【0020】
また、差動電流計算回路2と抑制電流計算回路3から差動電流Idと抑制電流Irの値を動作判定回路11へ送る。動作判定回路11では、(1)式と(4)式の両方を満足しているとき、内部故障と判定するのであるが、K2制御回路10の出力がないときは(4)式でK2を用い、K2制御回路10の出力があるときは(4)式でK4を用いて判定する。
【0021】
以上のようにして、電流変化から故障発生を検出する故障発生検出回路6で、抑制電流Irの変化を用いているので送電線40の一端側が非電源で、他端側の電流しか変化しない場合でも故障発生を検出することができる。
【0022】
図2は、外部故障判定回路7と動作判定回路11の動作領域を示す説明図である。Dは外部故障判定回路7の動作領域であり、外部故障電流や負荷電流のときは、CTが飽和していない間は差動電流Idが小さいのでこの領域にくる。そして、外部故障判定回路7と故障発生検出回路6の出力とANDをとることで外部故障時に限定できる。
【0023】
CTが飽和する場合でも、最初の数msは飽和しない期間がある。その期間をタイマー回路9の動作タイマーt1で外部故障とし、またCTが飽和して差動電流Idが大きくなり、外部故障判定回路7の動作領域外になっても出力信号が継続できるように復帰タイマーt2を付加する。すなわち、タイマー回路9で、CTが飽和するしないにかかわらず外部故障と識別できる。そして、動作判定回路11の動作領域を、外部故障でCTが飽和しても動作しない領域にまで縮小すれば、CTの飽和による誤動作を防止することができる。この実施の形態では、図2のように(4)式で設定されていたK2をK4に変更して、動作領域を図示のEからFに縮小している。
【0024】
以上の方法で、例えばR2≦1、K4<0としておけば、外部故障から内部故障への故障が進展した場合も、Fで示す縮小された動作領域に依然として内部故障(Id=Ir)の領域が含まれるので、内部故障への進展のときも動作させることができる。
【0025】
実施の形態2.
実施の形態1ではK2の値を変更して動作領域を縮小したが、差動電流Id、抑制電流Irを制御することでも同様に、CTの飽和時に外部故障で動作するのを防止することができる。
図3は、この発明の実施の形態2におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。図において、12はタイマー回路9からの信号を受けて、差動電流Idと抑制電流Irの変更比率を決めるId・Ir制御量設定回路、13、14はId・Ir制御量設定回路12からの信号をもとにそれぞれ差動電流Idと抑制電流Irの値を変更するId制御回路とIr制御回路であり、差動電流計算回路2と抑制電流計算回路3で計算した差動電流Idと抑制電流Irをここで変更して動作判定回路11へ送る。動作判定回路では、(1)式および(2)式を満足するとき、内部故障と判定する。
Id>R1・Ir+K1 ・・・(1)
Id>R2・Ir+K2 ・・・(2)
その他は実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。
【0026】
図の6〜9により外部故障検出したときに、例えば差動電流Idを1/2に、抑制電流を2倍にすることで、CTの飽和による影響を少なくできる。なお、このとき差動電流Idと抑制電球Irの両方を同時に変更してもよいし、いずれか一方のみ変更するようにしてもよい。
上記の方法は、Id−Ir動作領域の変更で、R1、R2などを同時に大きくすることと同じ意味を持つ。例えば、差動電流Idだけの変更でR1、R2、K1、K2を同時に変更したのと同じになり、変更がより簡単になる。
【0027】
実施の形態3.
実施の形態1および2では、外部故障検出時に動作領域を縮小したが、この縮小が故障継続中行われるので、外部故障から内部故障へ進展した場合は、領域縮小による応答遅れなどで動作時間遅れが生じる。この実施の形態は、その問題を解消するために、CTが飽和していないと判断できたときには、速やかに動作領域を元に復帰させるようにしている。
【0028】
図4は、この発明の実施の形態3におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。図において、15は抑制電流Irが入力されて、その変化がある設定値nよりも小さいときにこれを検出するIr一定検出回路、16は動作タイマーt3、復帰タイマーt4からなるタイマー回路、17はタイマー回路9の出力とタイマー回路16の出力のNOT信号とのANDをとるAND回路であり、その出力をK2制御回路10へ送る。その他は、実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。
【0029】
図11に示したように、CTが飽和した場合は抑制電流Irが脈動していて、その変化量△Irは常に変化している。しかし、CTが不飽和の場合は、故障発生時に抑制電流Irが大きく変化するが、故障継続中は変化が少なく、Ir一定検出回路15でCTの不飽和を検出できる。これをタイマー回路16の動作タイマーt3で、脈動が故障発生時のみか、その後も脈動しているのかを識別する。脈動している場合は、動作タイマーt3で吸収できる。すなわち、CTが不飽和のときはタイマー回路16で、タイマー回路9の出力をロックするものである。復帰タイマーt4は、復帰タイマーt2との協調用につけてロックを完全にするためのものである。
【0030】
このように、CTの飽和時にIr一定検出回路15でCTの不飽和を検出し、動作領域を元に復帰させる。このため、外部故障から内部故障へ故障が進展したときでも、動作領域が元に状態に戻っているので、内部故障の判定動作遅れを回避できる。
【0031】
実施の形態4.
実施の形態3では、CTの不飽和を検出するために、抑制電流Irの一定検出を利用したが、差動電流Idを用いても同様の効果が得られる。
図5は、この発明の実施の形態4におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。図において、18は差動電流が入力されて、その変化がある設定値nよりも小さいときにこれを検出するId一定検出回路、19は動作タイマーt5と復帰タイマーt6からなるタイマー回路、17はタイマー回路9の出力と、タイマー回路19の出力のNOT信号とのANDをとるAND回路であり、その出力をK2制御回路10へ送る。その他は実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。
【0032】
図11に示したように、CTが飽和した場合は差動電流Idが脈動しているので、タイマー回路19の動作タイマーt5でこの脈動を吸収することにより、実施の形態3と同様の効果が得られる。さらに、図11から分かるように、差動電流Idの方が抑制電流Irよりも脈動の程度が大きいので、実施の形態3よりも確実な判定ができる。
【0033】
実施の形態5.
実施の形態1では、K4として予めある値を決めておき、タイマー回路9からの外部故障検出を示す信号でK2をK4に変更したが、CTの飽和度が前もって不明である場合、K4としてかなり余裕をみて設定しておく必要がある。この実施の形態では、差動電流Idがあるレベルを超えて発生する時間を測定して、その時間からCTの飽和度を予測し、K4の値を自動的に設定する回路を備えている。
【0034】
図6は、この発明の実施の形態5におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。図において、20は差動電流Idがある設定値K6よりも大きい期間の時間幅を測定するId検出時間幅測定回路、21はId検出時間幅測定回路20で測定した時間幅からCTの飽和度を予測してK4の値を設定するK4制御回路である。CTの飽和度が大きいときは上記時間幅が大きくなるので、そのときはK4の値をより大きく(マイナス値をより小さく)、そして時間幅が小さいときはK4の値をK2のそれよりも僅かだけ大きく(マイナス値を僅かだけ小さく)するというようにして、自動的に設定する。
【0035】
以上により、CTの飽和度に応じてK4の値を変えて設定できるので、K4のマイナス値を必要以上に小さくせずに済み、外部故障から内部故障へ進展したときの時間遅れを縮減できる。
【0036】
実施の形態6.
実施の形態1〜5では、故障発生検出として抑制電流Irの急変から検出する故障発生検出回路6を使っているが、これに代えて、送電線両端に設置したCTの電流ia、ibの急変検出を使ってもよい。
図7は、この発明の実施の形態6におけるPCMキャリアーリレーの故障発生検出回路を示すブロック図である。図において、22、23は送電線各端のCTからの電流ia、ibの変化がそれぞれ設定値m1、m2よりも大きいときに出力する電流急変検出回路、24は電流急変検出回路22、23からの信号のORをとるOR回路であり、その出力を故障発生検出信号とする。22〜24で故障発生検出回路を構成する。その他は実施の形態1〜5のいずれかの場合と同様であるので説明を省略する。
【0037】
通常のリレーでは、電流急変検出回路22、23が、他の用途で故障検出回路として既に存在する場合が多いので、その信号を使うことで、実施の形態1〜5で示した故障発生検出回路6を用意する場合に比べて簡単、安価となる。
【0038】
実施の形態7.
実施の形態6では、故障発生検出に電流急変を利用したが、電圧急変を利用してもよい。
図8は、この発明の実施の形態7におけるPCMキャリアーリレーの故障発生検出回路を示すブロック図である。図において、25は送電線40の電圧からリレー入力電圧へ変換する電圧変成器(PT)、26は故障発生検出回路として、PTからの電圧vaの変化を検出する電圧急変検出回路であり、電圧vaの変化が設定値m3よりも大きいときに出力し、これを故障発生検出信号とする。その他は実施の形態1〜5のいずれかの場合と同様であるので説明を省略する。
【0039】
実施の形態6では、送電線の一端側が非電源である場合には電流変化を期待できないことがあるため、図7で示したように両電流急変回路22、23の出力のORをとる必要があったが、この実施の形態では電圧を使うので、非電源端での故障検出が確実にできる。すなわち、電源端では図7の電流急変検出回路22または23、そして非電源端では電圧急変検出回路26という故障発生検出の組み合わせができ、故障発生検出の信頼性を上げることができる。
【0040】
なお、上記では電力系統として2端子の場合で説明したが、3端子以上の場合であっても、それら端子全てのベトクル和とスカラー和を演算して、上記と同様の構成とすることにより同様の効果を奏する。
また、上記で示した実施の形態を組み合わせて用いることもできる。例えば実施の形態2と実施の形態3を組み合わせて、Ir一定検出回路15の出力により、Id・Ir制御回路の設定を元に復帰させるようにすることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に係るPCMキャリアーリレーによれば、差動電流が小さいときに外部故障であると判定する外部故障判定回路と、内部故障を判定する動作判定回路の動作領域を、外部故障判定回路の出力により変更する回路を備えているので、外部故障時において、CTの飽和に起因する誤動作を回避することができる。また、抑制電流の変化が小さいときにこれを検出するIr一定検出回路と、このIr一定検出回路の出力により動作判定回路の動作領域設定を元に復帰させる回路とを備えているので、外部故障から内部故障へ進展したときに、内部故障の判定動作遅れを防止できる。
また、請求項2に係るPCMキャリアーリレーによれば、差動電流の変化が小さいときにこれを検出するId一定検出回路と、このId一定検出回路の出力により動作判定回路の動作領域設定を元に復帰させる回路を備えているので、同様の効果を奏する。
【0042】
請求項に係るPCMキャリアーリレーによれば、外部故障判定回路の出力により差動電流の値を変えて動作判定回路に入力することで、上記動作判定回路の動作領域設定を変更するため、外部故障時に、CTの飽和のために生じる誤動作を回避することができる。
また、請求項に係るPCMキャリアーリレーによれば、外部故障判定回路の出力により抑制電流の値を変えて動作判定回路に入力することで、上記動作判定回路の動作領域設定を変更するため、同様の効果を奏する。
【0043】
請求項に係るPCMキャリアーリレーによれば、差動電流が大きい時間幅を測定する時間幅測定回路と、測定された時間幅から、動作判定回路の動作領域設定の変更量を制御する回路を備えているので、外部故障判定があったときに、CTの飽和度に応じた動作領域の変更をすることにより、動作領域を必要以上に縮小せずに済み、内部故障への進展時の動作時間遅れを縮減できる。
【0044】
請求項に係るPCMキャリアーリレーによれば、送電線の各端電流のいずれかの変化が大きいときに故障発生検出するので、各端電流の変化を検出する回路が他の用途で準備されている場合、それを共用することができ、簡単、安価になる。
【0045】
請求項に係るPCMキャリアーリレーによれば、送電線の電圧変化が大きいときに故障発生検出するので、非電源である送電線端部において、故障を確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。
【図2】 図1のPCMキャリアーリレーの動作領域を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態3におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態4におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態5におけるPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態6におけるPCMキャリアーリレーの故障発生検出回路を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態7におけるPCMキャリアーリレーの故障発生検出回路を示すブロック図である。
【図9】 従来のPCMキャリアーリレーを示すブロック図である。
【図10】 図9のPCMキャリアーリレーの動作領域を示す説明図である。
【図11】 外部故障時のCTの飽和の影響を示す電流図である。
【符号の説明】
2 差動電流計算回路、3 抑制電流計算回路、6 故障発生検出回路、
7 外部故障判定回路、10 K2制御回路、11 動作判定回路、
12 Id・Ir制御量設定回路、13 Id制御回路、14 Ir制御回路、
15 Ir一定検出回路、17 AND回路、18 Id一定検出回路、
20 Id検出時間幅測定回路、21 K4制御回路、
22,23 電流急変検出回路、24 OR回路、26 電圧急変回路。

Claims (7)

  1. 送電線の各端電流から差動電流および抑制電流を演算する回路と、上記差動電流が抑制電流との関係において所定値よりも大きいときに内部故障であると判定する動作判定回路とを備えて上記送電線の内部故障を検出するPCMキャリアーリレーにおいて、上記抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路と、上記差動電流が抑制電流との関係において別の所定値よりも小さいときに外部故障であると判定する外部故障判定回路と、上記故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により上記動作判定回路の動作領域設定を変更する回路と、上記抑制電流の変化が設定値より小さいことを検出するIr一定検出回路と、このIr一定検出回路の出力により上記外部故障判定回路の出力をロックして上記動作判定回路の動作領域設定を元に復帰させる回路とを備えたことを特徴とするPCMキャリアーリレー。
  2. 送電線の各端電流から差動電流および抑制電流を演算する回路と、上記差動電流が抑制電流との関係において所定値よりも大きいときに内部故障であると判定する動作判定回路とを備えて上記送電線の内部故障を検出するPCMキャリアーリレーにおいて、上記抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路と、上記差動電流が抑制電流との関係において別の所定値よりも小さいときに外部故障であると判定する外部故障判定回路と、上記故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により上記動作判定回路の動作領域設定を変更する回路と、上記差動電流の変化が設定値より小さいことを検出するId一定検出回路と、このId一定検出回路の出力により上記外部故障判定回路の出力をロックして上記動作判定回路の動作領域設定を元に復帰させる回路とを備えたことを特徴とするPCMキャリアーリレー。
  3. 上記動作判定回路の動作領域設定を変更する回路は、上記故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により上記差動電流の値を変えて上記動作判定回路に入力することで、上記動作領域設定を変更することを特徴とする請求項1または2記載のPCMキャリアーリレー。
  4. 上記動作判定回路の動作領域設定を変更する回路は、上記故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により上記抑制電流の値を変えて上記動作判定回路に入力することで、上記動作領域設定を変更することを特徴とする請求項1または2記載のPCMキャリアーリレー。
  5. 送電線の各端電流から差動電流および抑制電流を演算する回路と、上記差動電流が抑制電流との関係において所定値よりも大きいときに内部故障であると判定する動作判定回路とを備えて上記送電線の内部故障を検出するPCMキャリアーリレーにおいて、上記抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路と、上記差動電流が抑制電流との関係において別の所定値よりも小さいときに外部故障であると判定する外部故障判定回路と、上記故障発生検出回路および外部故障判定回路の出力により上記動作判定回路の動作領域設定を変更する回路と、上記差動電流が設定値より大きい期間の時間幅を測定する時間幅測定回路と、この時間幅測定回路によって測定された時間幅から上記動作判定回路の動作領域設定の変更量を制御する回路とを備えたことを特徴とするPCMキャリアーリレー。
  6. 請求項1から請求項のいずれかに記載のPCMキャリアーリレーにおいて、抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路に代えて、送電線の各端電流のいずれかの変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路を備えたことを特徴とするPCMキャリアーリレー。
  7. 請求項1から請求項のいずれかに記載のPCMキャリアーリレーにおいて、抑制電流の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路に代えて、送電線の電圧の変化が設定値より大きいときに故障が発生したと判定する故障発生検出回路を備えたことを特徴とするPCMキャリアーリレー。
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