JP3880941B2 - ディジタル保護継電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の事故を検出するディジタル保護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のディジタル保護継電装置は、例えば、特許文献1で開示されているようにアナログ変換回路の異常検出を行なう場合、A/D変換回路から出力されるサンプリングデータのレベルが所定範囲内であるか否かを監視するか、またはアナログ変換回路に点検用の基準アナログ信号を入力し、レベル演算後のデータ値が所定の範囲内であるか否かを監視し、また、出力回路の監視を行う場合には、出力回路から保護継電装置が不動作状態であるときの出力信号を演算処理回路に折り返すことで実施していた。
【0003】
なお、従来のディジタル保護継電装置は、短時間に複雑な演算処理を実施する必要がある場合には、それ相応の演算処理能力の高い演算処理回路を必要といていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−178192号公報(第5−7頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術は、アナログ変換回路より出力される出力信号が電源電圧相当(出力オープン)または零相当(出力短絡)といったような「1」、「0」的な故障に対してのみ故障検出が可能であり、アナログ変換回路の回路利得が多少変化するような故障が発生した場合、故障検出することができなかった。
また、アナログ変換回路の点検を実施する場合には、専用の点検回路が必要であり、コストアップおよび、部品点数増加により故障率が増加する問題があった。
【0006】
さらに、出力回路から保護継電装置が不動作状態であるときの出力信号をおり返して監視するため、保護継電装置の誤動作に対する出力回路の故障検出は可能であるが、誤不動作に対する出力回路の故障を検出することはできなかった。
【0007】
さらに、短時間に複雑な演算処理を実施する必要がある場合など、演算処理内容に応じ、それ相応の処理能力の高い演算処理回路を必要とするため高価であった。
【0008】
さらにまた、同一シリーズで種類の異なるディジタル保護継電装置に対して、演算処理内容に応じ、演算処理能力の異なる演算処理回路を使いわけるため共通化が困難であった。
【0009】
本発明の第1の目的は、専用の点検回路を必要とせず、低コストでアナログ変換回路の回路利得が多少変化するような故障に対しても、確実に検出可能なディジタル保護継電装置を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、強制的に短時間のリレー動作信号を出力することで、リレー動作状態における出力回路の監視を実施することができ、リレー誤不動作に対する出力回路故障を検出可能なディジタル保護継電装置を提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、短時間に複雑な演算処理を実施する必要がある場合などの処理内容が高い演算処理を必要とする場合にも比較的安価な演算処理回路にてディジタル保護継電装置としての性能を満足することができ、同一シリーズで種類の異なるディジタル保護継電装置の演算処理回路を共通化する手段を有するディジタル保護継電装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係わるディジタル保護継電装置の発明は、入力変成器から入力した交流信号を所定レベルに変換するアナログ変換回路と、このアナログ変換回路から出力されるアナログ信号を所定の間隔でサンプリングしディジタル信号に変換するA/D変換回路と、このA/D変換回路から出力されるディジタル信号を入力とし所定の演算処理を行う演算処理回路と、この演算処理回路の処理結果を受けて接点出力を外部に出力するリレー出力回路とを備えたディジタル保護継電装置において、所定の演算処理を分割して行うために前記演算処理回路を複数個設けるとともに、各演算処理回路の演算結果データを送受信するインターフェース回路を備え、各演算処理回路で求めた演算結果データを前記インターフェース回路を介して任意の演算処理回路に収集して加算することで所望のデータを算出し、この算出結果に基づいて動作判定を行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に係わるディジタル保護継電装置の発明は、入力変成器から入力した交流信号を所定レベルに変換するアナログ変換回路と、このアナログ変換回路から出力されるアナログ信号を所定の間隔でサンプリングしディジタル信号に変換するA/D変換回路と、このA/D変換回路から出力されるディジタル信号を入力とし所定の演算処理を行う演算処理回路と、この演算処理回路の処理結果を受けて接点出力を外部に出力するリレー出力回路とを備えたディジタル保護継電装置において、所定の演算処理を分割して行うために前記演算処理回路を複数個設けるとともに、当該複数の演算処理回路の出力に基づいてそれぞれ動作する前記リレー出力回路を複数設け、前記各演算処理回路の演算結果データを相互に送受信するインターフェース回路を設け、前記各演算処理回路で行った動作判定結果をそれぞれのリレー出力回路に出力し、各リレー出力回路の出力接点を組み合せて最終出力回路を構成したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図を通じて共通部分には同一符号をつけて重複した説明は省略する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は本発明によるディジタル保護継電装置の第1の実施の形態を示す構成図である。
図1において、入力変成器1は図示しない電力系統に接続される1次側と2次側とを絶縁して入力電気量である電流、電圧に比例した交流信号を出力する。この入力変成器1から出力された交流信号はアナログ変換回路2に入力され、ここで後述する電源回路8から供給される直流バイアス信号と加算されたのち、所定のアナログ信号に変換されて出力される。
【0019】
そしてこのアナログ信号はA/D変換回路3に入力されて所定の時間間隔でサンプリングされ、ディジタル信号に変換される。このディジタル信号は演算処理回路4に取り込まれて所定のリレー演算処理プログラムにより演算処理され、その演算処理結果をリレー出力回路5に出力する。リレー出力回路5は、演算処理回路4のリレー演算処理結果を受けて応動し出力接点6の開閉状態により外部の最終出力回路7に出力される。
【0020】
電源回路8は、電源から入力を受けてディジタル保護継電装置内部の電源電圧として安定化された電圧を各回路に供給すると共に、所定レベルの直流バイアス電圧を前述のアナログ変換回路2に供給する。
【0021】
設定スイッチ9は、継電器としての動作レベルなどを外部より設定可能とするスイッチであり、複数のスイッチ状態を読み込む場合は、スイッチ選択信号を受けて、選択されたスイッチの状態信号を出力する。
【0022】
ところで、前述の演算処理回路4は、電力系統から入力される交流電流、電圧に基づいて本来のリレー演算処理をするだけでなく、A/D変換回路3から出力されるディジタル信号のデータ値より、継電器の動作判定の監視およびアナログ変換回路2の監視を実施する。
【0023】
次に、監視方法について説明する。
先ず一つの監視方法は、アナログ変換回路2より出力されるアナログ信号より入力交流信号を抽出し、この交流信号のレベルを整定値と比較し、動作の判定を実施する。
【0024】
2つ目の監視方法は、アナログ変換回路2より出力されるアナログ信号より直流信号を抽出し、この直流信号のレベルが所定の範囲から外れた場合にアナログ変換回路2の故障と判断する。故障と判断するレベル範囲は、アナログ変換回路2にて加算される直流バイアス信号をA/D変換回路3を介して出力されるディジタル変換データの理論値を基準とし、これに対し回路誤差等のマージンを考慮して設定される。この時、回路誤差等を小さくすることにより、アナログ変換回路2の故障検出精度を向上させることができる。
【0025】
以下、2つ目の監視方法について詳しく説明する。A/D変換回路3より出力されるディジタルデータを演算処理回路4に取り込み、この取り込んだディジタルデータのうち互いに180°×N(ただし、N:整数)の位相角離れた2つのディジタルデータ同士を加算し、直流信号を演算し抽出する。この直流信号のレベルが所定の範囲外となった場合にアナログ変換回路2の故障と判断する。この故障と判断するレベル範囲は、アナログ変換回路2にて加算される直流バイアス信号をA/D変換回路3を介し出力されるディジタル変換データの理論値を基準とし、これに対し回路誤差等のマージンを考慮して設定される。
【0026】
例えば、アナログ変換回路2より出力されるアナログ信号をD1、D2、D3・・・Dnのように30°間隔でサンプリングした場合、180°の位相角離れたデータDn(最新のサンプリングデータ)とDn−6(最新データに対し、位相差180°離れた旧サンプリングデータ)とをサンプリング周期毎に加算し、その加算結果データを1/2倍し、判定基準データと比較する。
【0027】
判定基準データは、例えば直流バイアス信号をA/D変換回路3を介し出力されるディジタル変換データの理論値が100H、回路誤差マージンを10%とした場合、100H±10%となり、前述加算結果データの1/2倍したものが基準値の範囲外であればアナログ回路2の故障と判断する。ここで、Hは16進数(hexadecimal number)を意味し、100Hは10進数の256に対応する。
【0028】
なお、加算値の高調波に対する誤差の影響を考慮してデータ加算を2回実施するようにしてもよい。すなわち、A/D変換回路3より出力されるサンプリングデータのうち、180°の位相差をもつ2つのサンプリングデータ同士の加算を複数回(m回)実施することで、高調波に対する誤差を小さくすることが可能となる。
【0029】
例えば、前述のようにアナログ変換回路2より出力されるアナログ信号を30°でサンプリングした場合、180°の位相差をもつデータDn(最新のサンプリングデータ)とDn−6(最新データよりも位相差180°前にサンプリングされたデータ)、およびDn−1(最新データDnよりも位相差30°前にサンプリングされたデータ)とDn−7(Dn−1データよりも位相差180°前にサンプリングされたデータ)とをサンプリング周期毎に順次加算し、その加算結果データを1/4倍して判定基準データと比較する。
【0030】
判定基準データは、例えば直流バイアス信号をA/D変換回路3を介し出力されるディジタル変換データの理論値が100H、回路誤差マージンを10%とした場合、100H±10%となり、前述した加算結果データの1/4倍したものが判定基準範囲外であればアナログ回路2の故障と判断する。
【0031】
以上述べたように、本実施の形態によれば、電力系統から入力される交流電流、電圧に基づいて本来のリレー演算処理をするだけでなく、A/D変換回路3から出力されるディジタル信号のデータ値より、継電器の動作判定の監視およびアナログ変換回路2の監視を実施することができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
図2は本発明によるディジタル保護継電装置の第2の実施の形態を示す構成図である。
図2において、入力電流および電圧が入力変成器1、アナログ変換回路2、A/D変換回路3を経て、所定のディジタル信号に変換され、後段の演算処理回路に取り込まれて、所定のリレー演算処理に用いられる点は前述した図1と同様であるが、演算処理回路以降の機能が異なる。
【0033】
すなわち、この第2の実施の形態はディジタル保護継電装置の誤不動作に対するリレー出力回路の故障検出を可能とするもので、あらかじめ定めた周期毎に演算処理回路からリレー出力回路を強制的に動作状態にする監視信号を後述する極めて短かい時間だけ出力し、その時監視信号に対応するリレー出力回路からの折り返し信号を読み込み、この監視信号と折り返し信号との一致検出を行なうことにより、リレー出力回路が正常か故障かを判断するように構成したものである。
【0034】
以下、図2において詳細に説明する。本実施の形態のディジタル保護継電装置は、前記A/D変換回路3から出力されたディジタル信号を、複数の演算処理回路4a−1および4a−2にそれぞれ取り込まれるように構成されている。そして演算処理回路4a−1および4a−2の後段にはそれぞれ演算処理回路4a−1および4a−2の処理結果を受けて応動するリレー出力回路5a−1および5a−2を設けている。
【0035】
これらリレー出力回路5a−1および5a−2は外部に出力接点6−1、6−2を出すと共に、リレー励磁出力状態信号を演算処理回路4a−1、4a−2へ折り返し出力する。
【0036】
ところで、前記演算処理回路4a−1および4a−2は、あらかじめ定められた周期毎にそれぞれ前記リレー出力回路5a−1および5a−2に対して強制的にリレー動作信号(以下、リレー動作信号を監視信号と称する)を短時間だけ出力し、かつその時監視信号に基づいてリレー出力回路5a−1および5a−2から折り返し出力されるリレー励磁出力状態信号(以下、リレー励磁出力状態信号を折り返し信号と称する)を読み込み、監視信号と折り返し信号との一致検出を行なうように構成されている。
【0037】
演算処理回路4a−1および4a−2は、一致検出により監視信号と折り返し信号とが一致している場合はリレー出力回路は正常、一致していない場合はリレー出力回路の異常(故障)と判断する。
【0038】
なお、演算処理回路4a−1および4a−2から出力される監視信号の出力時間は、リレー出力回路5a−1および5a−2の動作時間すなわち演算処理回路4a−1および4a−2からの出力を受けてから出力接点6−1および6−2が動作に至るまでの励磁時間に比べて極めて短い時間に設定するものとする。例えば、一般的な補助リレーの場合、動作時間は5〜10msであるので、監視信号の出力時間は10μs程度とする。
【0039】
このように、リレー出力回路5a−1および5a−2の動作時間と監視信号の出力時間とに十分な時間差を持るようにしたので、監視信号が出力されているとき、出力接点6−1および6−2が動作してディジタル保護継電装置を誤動作させるようなことはない。
【0040】
なお、本実施の形態は、ディジタル保護継電装置の信頼度向上のために演算処理回路およびリレー出力回路を2重化しているが、この2重化自体は本質的なことではないので、必ずしも2重化する必要はない。
【0041】
以上述べたように、本実施の形態は演算処理回路からリレー出力回路の動作時間に比べて極めて短い時間だけ強制的にリレーを動作させる監視信号を出力するとともに、リレー出力回路から折り返し信号を入力し、監視信号および折り返し信号の一致検出を行なうことで、リレー出力回路が正常か故障かの判定を行なうことができる。
【0042】
(第3の実施の形態)
図3は本発明によるディジタル保護継電装置の第3の実施の形態の構成図である。
本実施の形態は、第2の実施の形態の一部を変更したものであり、図3で示すように出力回路監視同期信号発生回路10を新たに設け、この出力回路監視同期信号発生回路10の出力端子t1、t2から所定周期で系統保護に支障をきたさない程度の極めて短い時間だけ「1」、「0」のロジック信号を交互に出力し、監視動作を行なわせるようにしたものである。
【0043】
すなわち、演算処理回路4b−1および4b−2は図2の場合のように自律的に予定の周期毎に監視信号を出力するのではなく、出力回路監視同期信号発生回路10から出力されたロジック信号「1」、「0」に基づいて、交互に短時間のみ監視信号を出力させ、この監視信号によりリレー出力回路5a−1および5a−2の監視を行なうように構成したものである。その他の構成は図2の実施の形態の場合と同じなので説明を省略する。
【0044】
この第3の実施の形態は、前記出力回路監視同期信号回路10の出力端子t1から出力されるロジック信号が「1」の場合、演算処理回路4b−1よりリレー出力回路5a−1に対し、強制的にリレーを動作させる監視信号を出力するとともに折り返し信号を読み込んで、監視信号および折り返し信号の一致検出を行ない、リレー出力回路5a−1の正常または故障の判定(すなわち診断)を行なう。
【0045】
また、出力回路監視同期信号回路10の出力端子t2から出力されるロジック信号が「0」の場合、演算処理回路4b−2からリレー出力回路5a−2に対し、強制的にリレーを動作させる監視信号を出力して、前述のように折り返し信号を読み込んで、監視信号および折り返し信号の一致検出を行ないリレー出力回路5a−2の正常または故障の判定を行なう。
【0046】
なお、以上の説明では前記出力回路監視同期信号回路10の出力端子t1、t2から監視用ロジック信号「1」と「0」を交互に出力するようにしたが、これらロジック信号に基づいて発生する監視信号はリレー出力回路の動作時間よりも極めて短い時間しか出力されないように設定してあるので、監視用ロジック信号「1」と「0」とが例え同時に出力されたとしても、リレー出力回路の接点6−1および6−2が閉じることはなく、監視信号が出力されているときにディジタル保護継電装置が誤動作するようなことはない。
【0047】
以上述べたように、本実施の形態では、監視ロジック信号を出力するタイミングを共通の出力回路監視同期信号回路10により行なっているので、第2の実施の形態に比べ、2個の演算処理回路間で同期をとるための回路等は必要としない利点を有する。
【0048】
(第4の実施の形態)
図4は本発明によるディジタル保護継電装置の第4の実施形態を示す構成図である。
この第4の実施の形態の場合も、入力電流および電圧が、入力変成器1、アナログ変換回路2、A/D変換回路3を経て、所定のディジタル信号に変換され、2個の演算処理回路4c−1および演算処理回路4c−2にそれぞれ取り込まれて、所定の演算処理に使用される点までは前述の第3の実施の形態と同様であるが、異なるのは2個の演算処理回路4c−1および4c−2で分割処理するように構成した点である。
【0049】
すなわち、図4において演算処理回路4c−2の演算によって求められた演算結果データDbは、所定周期にてインターフェース回路11を介して演算処理回路4c−1に収集される。
【0050】
演算処理回路4c−1は、自回路で演算によって求めた演算結果データDaと、インターフェース回路11を介して収集した演算結果データDbとを使用して所定の演算処理を実施する。
【0051】
例えば、電流、電圧それぞれ2要素の入力に対し、それぞれの要素について、電力演算を実施し、各要素毎の電力演算結果を加算することで3相電力を求める2電力計法演算を用いる電力継電器の場合、演算処理回路4c−1にて1つの電力演算結果データDaを算出し、演算処理回路4c−2にてもう1つの電力演算結果データDbを算出し、この演算処理回路4c−2で演算された電力演算結果データDbをインターフェース回路11を介して演算処理回路4c−1へ送信する。そして演算処理回路4c−1自体で電力演算した電力演算結果データDaと電力演算結果データDbとを加算することにより3相電力を算出し、この算出した3相電力データに対して動作判定を行ない、動作と判定した場合、リレー出力回路5に対し動作指令を出力する。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、複数の演算処理回路で分割処理するように構成したディジタル保護継電装置に対しても各リレー出力回路の監視を行なうことができる。
【0053】
(第5の実施の形態)
図5は本発明によるディジタル保護継電装置の第5の実施の形態を示す構成図である。
この第5の実施の形態の場合も、入力電流および電圧が入力変成器1、アナログ変換回路2、A/D変換回路3を経て、所定のディジタル信号に変換され、2個の演算処理回路4d−1および演算処理回路4d−2にそれぞれ取り込まれて、所定の演算処理を実施する点までは前述の第4の実施の形態と同様であるが、それぞれの演算処理回路4d−1および4d−2で分割処理した結果をインターフェースを介して相互に送受信するようにした点で第4の実施の形態とは異なる。
【0054】
すなわち、演算処理回路4d−1および演算処理回路4d−2は自回路でそれぞれ求めた演算結果データDaおよびDbを、所定周期にてインターフェース回路11を介して他の演算処理回路4d−2、演算処理回路4d−1へデータ送信する。演算処理回路4d−1では、自回路の演算結果データDaと所定周期にてインターフェースを介して得た演算結果データDbとを加算し、一方演算処理回路4d−2では、自回路の演算結果データDbと所定周期にてインターフェースを介して得た演算結果データDaとを加算する。
【0055】
例えば、電流・電圧それぞれ2要素の入力に対し、それぞれの要素について、電力演算を実施し、各要素毎の電力演算結果を加算することで3相電力を求めるような2電力計法演算を用いる電力継電器の場合、演算処理回路4d−1にて1つの電力演算Daを行わせ、演算処理回路4d−2にてもう1つの電力演算Dbを行わせ、演算処理回路4d−1にて演算された電力演算結果データDaをインターフェース回路11を介して演算処理回路4d−2へ送信し、一方演算処理回路4d−2で演算された電力演算結果データDbをインターフェース回路11を介して演算処理回路4d−1へ送信し、演算処理回路4d−1にて電力演算した電力演算結果データDaとインターフェース回路11を介して受信した電力電算結果データDbとを加算することで3相電力を算出し、算出した3相電力データに対し動作判定を行ない、動作判定した場合、リレー出力回路5−1に対して出力する。リレー出力回路5−1は、演算処理回路4d−1の演算処理結果を受けて外部に出力接点6−1を出す。
【0056】
また、演算処理回路4d−2にて電力演算した電力演算結果データDbとインターフェース回路11を介して受信した電力演算結果データDaを加算することで3相電力を算出し、この算出した3相電力データに対し動作判定を行ない、動作と判定した場合、リレー出力回路5−2に対して出力する。リレー出力回路5−2は、演算処理回路4d−2の演算処理結果を受けて外部に出力接点6−2を出す。最終出力回路7は、出力接点6−1と出力接点6−2とを直列に接続してアンド条件とすることで誤動作に対して信頼度を向上させている。
【0057】
(第6の実施の形態)
図6は本発明によるディジタル保護継電装置の第6の実施の形態を示す構成図である。
この第6の実施の形態の場合も、入力電流および電圧が入力変成器1、アナログ変換回路2、A/D変換回路3を経て、所定のディジタル信号に変換され、2個の演算処理回路4d−1および演算処理回路4d−2にそれぞれ取り込まれて、所定の演算処理に使用される点までは前述の第5の実施の形態と同様であるが、リレー出力回路の出力接点6−1および6−2を最終出力回路7で並列接続するように構成した点で第5の実施の形態とは異なる。
【0058】
この処理分割され各演算処理回路4d−1、4d−2にてそれぞれ演算された演算結果データDa、Dbは、所定周期にてインターフェース回路11を介し、それぞれ他の演算処理回路4d−1、4d−2へ送信される。そして各演算処理回路4d−1、4d−2で加算処理する。
【0059】
リレー出力回路5−1は演算処理回路4d−1の演算処理結果を受けて出力接点6−1を出し、またリレー出力回路5−2は算処理回路4d−2の演算処理結果を受けて出力接点6−2を出す。そして、最終出力回路7で出力接点6−1と出力接点6−2とを並列に接続し、オア条件とすることで誤不動作に対して信頼度を向上させることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上述べたように、第1の発明によれば、アナログ変換回路で入力交流信号に所定の直流バイアス信号を加算するよう構成し、演算処理回路でこの直流バイアス信号を抽出し、抽出した直流信号のレベルが所定の範囲内であるかを監視することで、アナログ変換回路の回路利得が多少変化するような故障に対しても、確実に故障検出を可能としたディジタル保護継電装置を提供することができる。
【0061】
また、第2の発明よれば、所定の周期にて強制的にリレー動作信号を短時間出力することで、リレー動作状態における出力回路の監視を実施することができ、リレー誤不動作に対する出力回路の故障を検出可能としたディジタル保護継電装置を提供することができる。
【0062】
さらに、第3の発明によれば、複数の演算処理装置を分割処理させることにより,短時間に複雑な演算処理を実施する必要がある場合などの処理内容が高い演算処理を必要とする場合にも比較的安価な演算処理回路にてディジタル保護継電装置としての性能を満足することができ、同一シリーズで種類の異なるディジタル保護継電装置の演算処理回路の共通化を可能としたディジタル保護継電装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディジタル保護継電装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明によるディジタル保護継電装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図3】本発明によるディジタル保護継電装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図4】本発明によるディジタル保護継電装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明によるディジタル保護継電装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図6】本発明によるディジタル保護継電装置の第6の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
1…入力変成器、2…アナログ変換回路、3…A/D変換回路、4、4a−1、4a−2、4b−1、4b−2、4c−1、4c−2、4d−1、4d−2…演算処理回路、5、5−1、5−2、5a−1、5a−2…リレー出力回路、6、6−1、6−2…出力接点、7…最終出力回路、8…電源回路、9…設定スイッチ、10…インターフェース回路、11…出力回路監視同期信号発生回路。
Claims (2)
- 入力変成器から入力した交流信号を所定レベルに変換するアナログ変換回路と、このアナログ変換回路から出力されるアナログ信号を所定の間隔でサンプリングしディジタル信号に変換するA/D変換回路と、このA/D変換回路から出力されるディジタル信号を入力とし所定の演算処理を行う演算処理回路と、この演算処理回路の処理結果を受けて接点出力を外部に出力するリレー出力回路とを備えたディジタル保護継電装置において、
所定の演算処理を分割して行うために前記演算処理回路を複数個設けるとともに、各演算処理回路の演算結果データを送受信するインターフェース回路を備え、各演算処理回路で求めた演算結果データを前記インターフェース回路を介して任意の演算処理回路に収集して加算することで所望のデータを算出し、この算出結果に基づいて動作判定を行うことを特徴とするディジタル保護継電装置。 - 入力変成器から入力した交流信号を所定レベルに変換するアナログ変換回路と、このアナログ変換回路から出力されるアナログ信号を所定の間隔でサンプリングしディジタル信号に変換するA/D変換回路と、このA/D変換回路から出力されるディジタル信号を入力とし所定の演算処理を行う演算処理回路と、この演算処理回路の処理結果を受けて接点出力を外部に出力するリレー出力回路とを備えたディジタル保護継電装置において、
所定の演算処理を分割して行うために前記演算処理回路を複数個設けるとともに、当該複数の演算処理回路の出力に基づいてそれぞれ動作する前記リレー出力回路を複数設け、前記各演算処理回路の演算結果データを相互に送受信するインターフェース回路を設け、前記各演算処理回路で行った動作判定結果をそれぞれのリレー出力回路に出力し、各リレー出力回路の出力接点を組み合せて最終出力回路を構成したことを特徴とするディジタル保護継電装置。
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