JP2005051860A - 保護継電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保護対象の電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段101と、保護対象に設置された変流器CT回路の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段102と、変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段103と、前記電流小検出手段の出力を入力し、この入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段107と、これら地絡事故検出手段、動作時遅延手段および電流変化分検出手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電力系統に設置される変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の変流器(以下、CTと略記する)の零相回路断線検出方法は、例えば下記の特許文献1で示すように、電力系統の電気量から1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、母線に接続される送電線や母線連絡回路等に設置されるCT残留回路またはCT3次巻線回路の電流が予め定める設定電流値以下であることを検出する電流小検出手段と、前記CT回路の各相電流の変化分が予め定める設定電流変化分以上であることを検出する電流変化分検出手段とを設け、これら地絡事故検出手段、電流小検出手段及び電流変化分検出手段の出力が全て成立したとき、零相回路に断線事故が生じたものと判定している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−103654号公報(第7頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の保護継電装置のCT零相回路断線検出方式は、1線地絡事故時にCT残留回路またはCT3次巻線回路に流れる電流量に着目した不良検出方式であるが、消弧リアクトル系統における外部事故時に消弧に成功した場合や、ケーブル線路の存在する系統のように短時間でCT零相回路に流れる電流が極めて小さくなった場合には、実際にはCT残留回路またはCT3次巻線回路が断線していないにも拘らず、1線地絡事故検出要素および電流変化分検出要素が併せて動作したことを考慮して、CT残留回路またはCT3次巻線回路が断線したものと誤検出する可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、以上述べた事情に鑑みなされたもので、消弧リアクトル系統やケーブル線路の存在する系統に設置された場合であっても、事故様相に応じてCT残留回路またはCT3次巻線回路が断線したものと誤検出することのない保護継電装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る保護継電装置の発明は、保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、保護対象に設置された変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、前記電流小検出手段の出力を入力し、この入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段と、これら地絡事故検出手段、動作時遅延手段および電流変化分検出手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変流器回路不良検出手段と、を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る保護継電装置の発明は、保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、保護対象に設置された変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、保護対象から電気量を入力し内部地絡事故時に動作する内部地絡事故検出手段と、これら地絡事故検出手段、電流小検出手段、電流変化分検出手段および内部地絡事故検出手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変流器回路不良検出手段と、を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る保護継電装置の発明は、保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、保護対象から電気量を入力し内部地絡事故時に動作する内部地絡事故検出手段と、保護対象に設置された変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、この電流小検出手段の出力を入力しこの入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段と、これら地絡事故検出手段、内部地絡事故検出手段、電流変化分検出手段、動作時遅延手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変流器回路不良検出手段と、を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る保護継電装置の発明は、保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、保護対象から電気量を入力し内部地絡事故時に動作する内部地絡事故検出手段と、保護対象に設置された変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、前記電流小検出手段の出力を入力しこの入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段と、これら地絡事故検出手段、動作時遅延手段および電流変化分検出手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変流器回路不良検出手段と、前記変流器回路不良検出手段の出力に基づく保護機能または警報の出力を前記内部地絡事故検出手段の動作を条件に制御する警報制御出力手段と、を設けたことを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項5に係る保護継電装置の発明は、保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、保護対象から電気量を入力し内部地絡事故時に動作する内部地絡事故検出手段と、自回線に設置した変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、他回線に設置した変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、この電流小検出手段の出力を入力し、この入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段と、前記地絡事故検出手段、自回線の電流変化分検出手段および動作時遅延手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変成器回路不良検出手段と、前記他回線の変成器回路不良検出手段が一旦不良を検出した場合、それ以降の自回線の変流器不良検出回路をロックする手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図を通じて同一要素には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る保護継電装置の概念図である。108は送電線や母線の各相に設置した電圧変成器(以下、VTという)およびCTから出力される各相の電圧、電流およびCT残留回路またはCT3次巻線回路に流れる零相電流を導入し、継電器で処理しやすい大きさの各相の電圧・電流および零相電流に変換して出力するアナログ入力部である。
【0012】
101は前記アナログ入力部108から出力される電気量を用いて1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段、102は前記アナログ入力部108から出力される各相電流の変化分がそれぞれ予め定めた設定値以上となったことを検出する電流変化分検出手段である。なお、ここで電流変化分検出手段とは電流変化巾継電器、電流変化率継電器、あるいは過電流継電器等を包含する継電器の意味で用いている。
103は前記アナログ入力部108から出力される零相電流が予め定めた設定値以下になったことを検出する電流小検出手段であり、その一例を図2に示す。
【0013】
図2において、電流小検出手段103は、CT残留回路またはCT3次巻線回路に断線が生じた場合、当該CT残留回路またはCT3次巻線回路に零相電流が流れないことに着目して構成されたものであり、零相電流I0が予め定めた設定値K以下(I0<K )の場合動作して、出力信号103eを出力するように構成されている。そして、この電流小検出手段103の出力段に動作時遅延手段(いわゆるオンディレータイマ)107を付加することにより、出力信号103eが予め定めた設定時間未満の場合信号を出力せず、出力信号103eが設定時間以上継続している場合に限って、出力信号107eを出力するものである。なおこの場合の設定時間は、消弧リアクトル系統での外部事故で消弧成功した場合、あるいはケーブル線路を有する電力系統において一時的にCT零相回路に流れる電流が電流小検出感度以下に減少する時間を考慮してその時間よりも若干長めに設定されている。
【0014】
再び図1において、104は変流器回路不良検出手段(以下の説明および図面上では、CT回路不良検出手段と標記する)であり、電流小検出手段103が動作したとき、他の動作原理の前記地絡事故検出手段101および電流変化分検出手段102が共に動作した場合、地絡事故発生時にCT残留回路またはCT3次巻線回路に零相電流が流れていないことをもって、CTおよびその関連構成部分を含むCT回路に断線等が生じて異常状態になっているものと判定し、CT不良検出信号としての信号104eを出力する。なお、これら電流変化分検出手段102、電流小検出手段103およびCT回路不良検出手段104は各CTに対して設けられている。
【0015】
105は、前記地絡事故検出手段とは異なる例えば母線短絡保護リレーとか地絡方向リレー等のような保護リレー演算手段であって、保護対象である母線または送電線に事故が発生すると動作し、事故検出信号としての出力信号105eを出力する。
【0016】
106はこの保護リレー演算手段105からの事故検出信号とCT回路不良検出手段104からのCT不良検出信号とを入力して、遮断器引き外し信号または警報信号を出力する出力制御手段である。具体的には、保護リレー演算手段105の事故検出信号105eとCT回路不良検出手段104の出力信号104eとが共に「1」のときはCT回路不良である旨の警報信号を、保護リレー演算手段105の出力信号105eが「1」で、CT回路不良検出手段104の出力信号104eが「0」の場合、CT回路は正常であることから遮断器引き外し信号および正常動作である旨の警報信号を出力する。
【0017】
図3は、上記図1の概念構成図中の発明の主要部を示すブロック図であり、102、103、107は既に説明した内容と変わるところがないので、説明を省略し地絡事故検出手段101についてのみ説明する。
【0018】
地絡事故検出手段101は3相交流の各相(図中の数字1,2,3)ごとに、地絡過電圧リレー(64G)の動作と、短絡不足電圧リレー(27S)の不動作との条件が所定時限以上継続した場合、1線地絡事故が発生したものとして動作するように構成されている。
【0019】
なお、図中、OR1、OR2はオア回路、TDDは復帰時遅延手段、NOTは否定回路、AND1はアンド回路、TDEは動作時遅延手段、MVはワンショット回路(単安定マルチバイブレータ)であり、これらはそれぞれ周知なので説明は省略する。
【0020】
次に、図1ないし図3を参照して本実施形態の作用について説明する。
図示しない保護対象の保護区間に1線地絡事故が発生した場合、地絡事故検出手段101および電流変化分検出手段102は共に動作し、それぞれ出力信号101e、102eを出力する。さらに、保護リレー演算手段105も動作して出力信号105eを出力する。
【0021】
このとき、CT残留回路またはCT3次巻線回路が正常状態すなわち断線が生じていない状態であればCT残留回路またはCT3次巻線回路には予定値以上の零相電流が流れるので、電流小検出手段103は動作せず、出力信号103eは生じない。したがって、CT残留回路またはCT3次巻線回路が正常状態では、動作時遅延手段107の出力信号107eは生じない。
【0022】
この結果、CT回路不良検出手段104は3つの入力信号のアンド条件が成立しないのでCT回路不良とは判定せず(不動作)、出力信号104eを出力しない。出力制御手段106は、CT回路不良検出手段104の不動作、保護リレー演算手段105の動作により、該当する遮断器に対して引き外し指令および正常動作である旨の警報信号106e1を出力する。
【0023】
一方、保護対象に地絡事故が発生し、地絡事故検出手段101および電流変化分検出手段102が共に動作したときに、設定値以上の零相電流が流れない場合は、電流小検出手段103も動作するので、CT回路不良検出手段104の3つの入力信号のアンド条件が成立して出力信号104eを生じる。
【0024】
この場合、出力制御手段106は前記保護リレー演算手段105が動作していたとしても、CT回路の断線により保護リレー演算手段が誤った演算を行った可能性があるため、CT回路不良検出手段104の出力信号104eによって遮断器引き外し指令106e1をロックし、代わりに警報信号106e2を出力する。
【0025】
以上のように本実施の形態によれば、地絡事故時に流れるはずの零相電流の有無を利用してCT残留回路またはCT3次巻線回路の断線を検出し、さらに電流小検出手段に対し予め定めた設定時間により一定時間不良成立させない動作時遅延手段を追加するようにしたので、消弧リアクトル系統での外部事故で消弧成功した場合、あるいは非電源ケーブル系統からキャパシタンス分の電流が流れたために、CT零相回路に流れる電流が短時間だけ電流小検出感度以下に減少した場合等において、CT回路の残留回路またはCT3次巻線回路が断線していないにも拘らず、残留回路またはCT3次巻線回路が断線したものと誤判定する可能性を解消することができる。
【0026】
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施の形態に係る保護継電装置の概念構成図である。
この第2の実施形態による保護継電装置の特徴とするところは、前述の第1の実施の形態における電流小検出手段103の後段に設けた動作時遅延手段107を取外し、その代わりに地絡事故検出手段101に保護範囲内部地絡事故検出手段(以下、内部地絡事故検出手段という)109を付加する構成としたことにある。
【0027】
図5は、上記図4の概念構成図に対応する本実施形態の特徴部を示すブロック図である。図5において、地絡事故検出手段101の第1アンド回路AND1と動作時遅延手段TDEの間に第2アンド回路AND2を設け、一方の入力端子に第1アンド回路AND1の出力信号を、また他方の入力端子に内部地絡事故検出手段109の出力信号109eを入力するように構成したものである。
【0028】
このように構成した結果、外部事故発生時に非電源ケーブル系統からキャパシタンス分の電流によって一時的に零相電流が設定値以下になったとしても、内部地絡事故検出手段109の事故判別機能によってCT回路の断線を誤判定することを防ぐことができる。
【0029】
(第3の実施の形態)
図6は本実施の形態による保護継電装置の概念構成図である。本実施の形態は、図6からあきらかなように、前述の第1の形態と第2の形態を複合したもので、電流小検出手段103の出力段に対して動作時遅延手段107を付加し、さらに地絡事故検出手段101に対して内部地絡事故検出手段109を付加するように構成したものである。この特徴部の具体的構成は、図7のブロック図に示すとおりである。
【0030】
本実施の形態はこのように電流小検出手段103の出力段に動作時遅延手段107を付加すると共に、地絡事故検出手段101に保護範囲内部地絡事故検出手段109を付加するように構成したので、外部事故時時に消弧リアクトル系統での外部事故で消弧成功した場合、あるいは短時間でCT零相回路に流れる電流が電流小検出感度以下に減少した場合でも、CT残留回路またはCT3次巻線回路が断線していなければ残留回路またはCT3次巻線回路が断線したものと誤認する可能性を解消することができる。
【0031】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態による保護継電装置は、図8の概念構成図で示すように、第1の実施の形態に対して内部地絡事故検出手段109およびこの内部地絡事故検出手段109によって制御される警報制御手段110を付加するように構成したことを特徴とするものである。
【0032】
すなわち、本実施の形態は前記出力制御手段106から出力された引き外しロック信号、警報信号106eを新たに設けた警報制御手段110に入力し、この入力された信号を内部地絡事故検出手段109の出力信号によって制御するようにしたものである。特徴部の具体的な回路を図9のブロック図に示す。
【0033】
図9において、出力制御手段106の出力信号106e2を警報制御手段110に入力し、この入力信号106e2をそのまま警報信号として出力する一方、この出力信号106e2を内部事故判定手段109の出力信号109eと共にアンド回路111に入力してその出力111eを重故障として装置ロックに用いる。また、前記警報信号106e2と内部事故判定手段109の出力論理をNOT回路112で反転した信号とをアンド回路113に入力し、その出力信号113eを軽故障として装置ロックしない構成とする。
【0034】
以上述べたように、本実施の形態によれば1地絡故障発生時、CT残留回路またはCT3次巻線回路の零相電流が設定値以下になった場合、保護範囲内部地絡事故検出手段109の出力信号によって、保護範囲外事故時には軽故障として警報を出力するだけにとどめて保護機能はロックせず、保護範囲内事故時には警報だけでなく、重故障として保護機能のロックを行うことにより、外部事故の影響での断線検出の過剰な検出による保護機能のロックが解消できる。
【0035】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態による保護継電装置は、図10の概念構成図で示すように、複数のCT出力を導入する母線保護継電装置や変圧器保護継電装置等の保護継電装置に適用したものである。
【0036】
例えば母線保護継電装置の場合、当該保護母線に接続した任意の送電線に設置されるCT残留回路またはCT3次巻線回路で、一旦断線を検出した場合、その検出時点以降に他の送電線にて断線検出したとしても、不良検出をしないように構成したことを特徴とするものである。
【0037】
図10の概念構成図において、母線連絡回路のCT(母線CT)の2次回路に対して第1の実施の形態と同様に、電流変化分検出手段102、電流小検出手段103および動作時遅延手段107を設け、電流変化分検出手段102および動作時遅延手段107の出力信号102eおよび107eを地絡事故検出手段101の出力101eと共に、CT回路不良検出手段104に入力するように構成する。
【0038】
一方、送電線に設置された複数のCT(送電線1〜nCT)それぞれの2次回路に対して、母線連絡回路の場合と同様の2次負担を接続しているが、唯一異なるのは、電流変化分検出手段102に追い駆け事故を判定する追い駆け事故判定手段120を組み合せ、他回線の電流変化分検出手段102´が動作した場合、自回線の電流変化分検出手段102をロックし、追い駆け事故による誤検出を防ぐように構成したことであり、その他は図8と同じである。なお、CT回路不良検出手段104は各CT毎に設けている。
【0039】
図11は、本実施形態のブロック図あり、図9のブロック図に対して、他回線の電流変化分検出手段102´、信号保持手段121、否定回路122、アンド回路123を付加し、このアンド回路123で自回線の電流変化分検出手段102の出力信号と、否定回路122の出力信号122eの一致検出を行い、1線地絡事故検出手段101の出力信号101eを前記信号保持手段121にリセット信号としたものであり、その他は図9と同じである。
【0040】
本実施の形態によれば、他回線の電流変化分検出手段102´で電流変化分を検出した場合、セット信号を信号保持手段121に出力することによって自回線の電流変化分検出手段102の出力をロックし、1線地絡事故検出手段101の出力信号101eによって信号保持手段121をリセットする。
【0041】
以下、本実施形態の作用を説明する。
非電源ケーブル系統からキャパシタンス分の電流が流れる回線に短時間内に追い駆け事故が発生したとする。この場合各回線毎に設けた1線地絡事故検出手段101と、電流変化分検出手段102と、電流小検出手段103の検出タイミングがそれぞれ重なり、追い駆け事故によるCT回路不良検出手段104が誤検出する可能性が考えられる。
【0042】
しかしながら、本実施の形態では、他の回線の電流変化分検出手段102´が動作した場合は、自回線の電流変化分検出手段102の出力をロックし、追い駆け事故によるCT残留回路またはCT3次巻線回路の断線の誤検出を防ぐことができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明によれば保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流の大きさが設定値以下の状態が予定時間以上継続したという条件と、変流器2次回路の相電流が予定の値よりも大きいという条件と、1線地絡事故が発生したという条件とを満たした場合、変流器回路不良と判定するようにしたので、CT残留回路またはCT3次巻線回路の断線をより正確に判定することが可能となる。
【0044】
また、第2の発明によれば、保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流の大きさが設定値以下という条件と、変流器2次回路の相電流が予定の値よりも大きいという条件と、1線地絡事故が発生したという条件と、保護対象の内部事故が検出されたという条件とを満たした場合、変流器回路不良と判定するようにしたので、CT残留回路またはCT3次巻線回路の断線をより正確に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る保護継電装置を示す概念図。
【図2】本発明の各実施形態で採用した電流小検出手段の詳細図。
【図3】図1の概念構成図中、発明の主要部を抜き出して示すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る保護継電装置を示す概念図。
【図5】図4の概念構成図中、発明の主要部を抜き出して示すブロック図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る保護継電装置を示す概念図。
【図7】図6の概念構成図中、発明の主要部を抜き出して示すブロック図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る保護継電装置を示す概念図。
【図9】図8の概念構成図中、発明の主要部を抜き出して示すブロック図。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る保護継電装置を示す概念図。
【図11】図10の概念構成図中、発明の主要部を抜き出して示すブロック図。
【符号の説明】
101…1線地絡事故検出手段、102、102´…電流変化分検出手段、103…電流小検出手段、104…CT回路不良検出手段、105…保護リレー演算手段、106…出力制御手段、107…動作時遅延手段、108…アナログ入力部、109…内部事故判定手段、110…警報制御手段、111,113…AND回路、120…追い駆け事故判定手段、121…信号保持手段、122…否定回路、123…アンド回路。
Claims (5)
- 保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、
保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、
保護対象に設置された変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、
保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、
前記電流小検出手段の出力を入力し、この入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段と、
これら地絡事故検出手段、動作時遅延手段および電流変化分検出手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変流器回路不良検出手段と、を設けたことを特徴とする保護継電装置。 - 保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、
保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、
保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、
保護対象に設置された変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、
保護対象から電気量を入力し内部地絡事故時に動作する内部地絡事故検出手段と、
これら地絡事故検出手段、電流小検出手段、電流変化分検出手段および内部地絡事故検出手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変流器回路不良検出手段と、を設けたことを特徴とする保護継電装置。 - 保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、
保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、
保護対象から電気量を入力し内部地絡事故時に動作する内部地絡事故検出手段と、
保護対象に設置された変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、
保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、
この電流小検出手段の出力を入力しこの入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段と、
これら地絡事故検出手段、内部地絡事故検出手段、電流変化分検出手段、動作時遅延手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変流器回路不良検出手段と、を設けたことを特徴とする保護継電装置。 - 保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、
保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、
保護対象から電気量を入力し内部地絡事故時に動作する内部地絡事故検出手段と、
保護対象に設置された変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、
保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、
前記電流小検出手段の出力を入力しこの入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段と、
これら地絡事故検出手段、動作時遅延手段および電流変化分検出手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変流器回路不良検出手段と、
前記変流器回路不良検出手段の出力に基づく保護機能または警報の出力を前記内部地絡事故検出手段の動作を条件に制御する警報制御出力手段と、を設けたことを特徴とする保護継電装置。 - 保護対象に設置された変流器回路の断線を検出するようにした保護継電装置において、
保護対象である電力系統から電気量を入力し1線地絡事故を検出する地絡事故検出手段と、
保護対象から電気量を入力し内部地絡事故時に動作する内部地絡事故検出手段と、
自回線に設置した変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、
他回線に設置した変流器の各相電流の変化分が予め定めた設定値以上であることを検出する電流変化分検出手段と、
保護対象に設置された変流器の残留回路または3次巻線回路に流れる零相電流が予め定めた設定値以下であることを検出する電流小検出手段と、
この電流小検出手段の出力を入力し、この入力信号が予め定めた設定時間以上継続したとき出力を生じる動作時遅延手段と、
前記地絡事故検出手段、自回線の電流変化分検出手段および動作時遅延手段の全ての出力が成立したときに変流器回路の不良と判定する変成器回路不良検出手段と、
前記他回線の変成器回路不良検出手段が一旦不良を検出した場合、それ以降の自回線の変流器不良検出回路をロックする手段と、を備えたことを特徴とする保護継電装置。
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KR101822785B1 (ko) * | 2017-02-01 | 2018-03-08 | 엘에스산전 주식회사 | 모터 보호 계전기 |
CN108539716A (zh) * | 2018-03-20 | 2018-09-14 | 许继集团有限公司 | 一种基于暂态量的保护启动方法和装置 |
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2003
- 2003-07-30 JP JP2003203948A patent/JP2005051860A/ja active Pending
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CN108539716A (zh) * | 2018-03-20 | 2018-09-14 | 许继集团有限公司 | 一种基于暂态量的保护启动方法和装置 |
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