JP3746493B2 - 比率差動継電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力系統に故障が発生したとき変圧器を電力系統から遮断する比率差動継電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の比率差動継電装置が適用される電力系統を示す系統図であり、図において、1は変圧器、2は変圧器1の一次側に設置された遮断器、3は変圧器1の二次側に設置された遮断器、4は変圧器1の一次電流I1 (高圧側電流)を計測する変流器(以下、CTという)、5は変圧器1の二次電流I2 (低圧側電流)を計測する変流器(以下、CTという)、6は電力系統に内部故障が発生したとき変圧器1を電力系統から遮断する比率差動継電装置である。
【0003】
また、図13は例えば特許文献1に示された従来の比率差動継電装置を示す構成図であり、図において、11はCT4により計測された一次電流I1 とCT5により計測された二次電流I2 を比較し、電流値が大きい方の電流を抑制電流Irとして導出する抑制電流導出器、12はCT4により計測された一次電流I1 とCT5により計測された二次電流I2 のベクトル差を差動電流Idとして導出する差動電流導出器、13は抑制電流Irに対する差動電流Idの比率が所定値以上であるときトリップ信号を出力する比率差動器である。
【0004】
また、14は差動電流導出器12により導出された差動電流Idに含まれている基本波成分Id0を抽出するフィルタ、15は差動電流導出器12により導出された差動電流Idに含まれている第2高調波成分Id2を抽出するフィルタ、16は差動電流Idが所定値以上であって、基本波成分Id0に対する第2高調波成分Id2の比率が所定値以下のとき電力系統がインラッシュ状態にないと判定し、非ロック信号を出力するインラッシュ判定器、17は比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、インラッシュ判定器16から非ロック信号が出力されると、変圧器1を電力系統から遮断する論理積回路である。
【0005】
次に動作について説明する。
最初に、比率差動継電装置6の一般的な機能は、図12に示すように、電力系統において外部事故F0が発生しても、変圧器1を電力系統から遮断しないが、電力系統において内部事故FIが発生した場合には、変圧器1を保護するため変圧器1を電力系統から遮断するものである。
【0006】
具体的には、まず、抑制電流導出器11は、CT4により計測された一次電流I1 とCT5により計測された二次電流I2 を比較し、電流値が大きい方の電流を抑制電流Irとして導出する。
また、差動電流導出器12は、CT4により計測された一次電流I1 とCT5により計測された二次電流I2 のベクトル差を差動電流Idとして導出する。
【0007】
そして、比率差動器13は、一般的に、抑制電流Irに対する差動電流Idの比率が所定値以上であるとき、電力系統において内部事故FIが発生した可能性が高いので、以下の条件を具備する場合には、トリップ信号を出力する。
Id > KF1 ×Ir+KM
ただし、KF1 ,KMは所定の定数
一方、フィルタ14,15は、それぞれ差動電流導出器12により導出された差動電流Idに含まれている基本波成分Id0,第2高調波成分Id2を抽出する。
【0008】
そして、インラッシュ判定器16は、電力系統がインラッシュ状態にある場合には(一般に、遮断器3が開状態のとき、遮断器2を開状態から閉状態にするとインラッシュ状態になる)、インラッシュ電流が変圧器1に流入するため、電力系統において内部事故FIが発生した場合と近似した現象が発生する関係上、比率差動器13がトリップ信号を出力する場合があるが、この場合、電力系統に内部事故FIが発生しているわけではないので、変圧器1が電力系統から遮断されないようにする必要があることに鑑み、電力系統がインラッシュ状態にあるか否かを判定する。
【0009】
即ち、インラッシュ判定器16は、電力系統がインラッシュ状態にない場合に限り、比率差動器13が出力するトリップ信号を有効にすべく、差動電流Idが所定値以上であって、基本波成分Id0に対する第2高調波成分Id2の比率が所定値以下のとき電力系統がインラッシュ状態にないと判定し、非ロック信号を出力する。
Id2 < KF2 ×Id0
ただし、KF2 は所定の定数
ここで、基本波成分Id0に対する第2高調波成分Id2の比率を判定するのは、一般に、インラッシュ電流は、事故電流に比べて第2高調波成分Id2を多く含んでいるからである。
【0010】
そして、論理積回路17は、比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、インラッシュ判定器16から非ロック信号が出力されると、電力系統に内部事故FIが発生したものと判断して、変圧器1を電力系統から遮断し、一連の処理が終了する。
なお、図14は、無負荷時(インラッシュ状態時、内部故障時を含む)、負荷時(健全時及び外部故障発生時、内部故障発生時を含む)における各構成要素の出力を示す表図であるが、この例では、電力系統において内部事故FI(第2高調波成分Id2の含有量が少ない内部事故)が発生した場合に限り、論理積回路17が変圧器1を電力系統から遮断していることを示している。
【0011】
【特許文献1】
特開昭53−111451号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の比率差動継電装置は以上のように構成されているので、電力系統において第2高調波成分Id2の含有率が少ない内部故障FIが発生したときは、変圧器1を電力系統から遮断することができるが、対地容量が大きい電力系統においては、内部故障時でも事故電流に多くの第2高調波成分Id2を含むため、第2高調波成分Id2の割合が所定のレベルまで減衰するまではインラッシュ判定器16から非ロック信号が出力されず、速やかに変圧器1を電力系統から遮断することができないなどの課題があった。
【0013】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、対地容量が大きい電力系統においても、内部故障が発生したら直ちに変圧器を電力系統から遮断することができる比率差動継電装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る比率差動継電装置は、減衰率判定手段により直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱していると判定されたとき、比率差動手段からトリップ信号が出力されると変圧器を電力系統から遮断するようにしたものである。
【0015】
この発明に係る比率差動継電装置は、差動電流に含まれている直流成分の減衰率がインラッシュ電流に含まれている直流成分の最小の減衰率より小さいとき、その差動電流に含まれている直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱しているものと判定するようにしたものである。
【0016】
この発明に係る比率差動継電装置は、差動電流に含まれている直流成分の減衰率がインラッシュ電流に含まれている直流成分の最大の減衰率より大きいとき、その差動電流に含まれている直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱しているものと判定するようにしたものである。
【0017】
この発明に係る比率差動継電装置は、電流導出手段により導出された差動電流に含まれている基本波成分に対する直流成分の含有率が所定値以上である場合には、変圧器を電力系統から遮断しないようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による比率差動継電装置が適用される電力系統を示す系統図であり、図において、1は変圧器、2は変圧器1の一次側に設置された遮断器、3は変圧器1の二次側に設置された遮断器、4は変圧器1の一次電流I1 (高圧側電流)を計測する変流器(以下、CTという)、5は変圧器1の二次電流I2 (低圧側電流)を計測する変流器(以下、CTという)、20は電力系統に内部故障が発生したとき変圧器1を電力系統から遮断する比率差動継電装置である。
【0019】
また、図2はこの発明の実施の形態1による比率差動継電装置を示す構成図であり、図において、11はCT4により計測された一次電流I1 とCT5により計測された二次電流I2 を比較し、電流値が大きい方の電流を抑制電流Irとして導出する抑制電流導出器(電流導出手段)、12はCT4により計測された一次電流I1 とCT5により計測された二次電流I2 のベクトル差を差動電流Idとして導出する差動電流導出器(電流導出手段)、13は抑制電流Irに対する差動電流Idの比率が所定値以上であるときトリップ信号を出力する比率差動器(比率差動手段)である。
【0020】
32は差動電流導出器12により導出された差動電流Idに含まれている直流成分IDCを導出する直流導出器(減衰率判定手段)、33は直流導出器32により導出された直流成分IDCの減衰率△IDC/△tが設定値KH以上であるとき、その旨を示す検出信号を出力する高変化率検出器(減衰率判定手段)、34は直流導出器32により導出された直流成分IDCの減衰率△IDC/△tが設定値KL以下であるとき、その旨を示す検出信号を出力する低変化率検出器(減衰率判定手段)、35は高変化率検出器33又は低変化率検出器34の何れかから検出信号が出力されると非ロック信号を出力する論理和回路(減衰率判定手段)、36は比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、論理和回路35から非ロック信号が出力されると、変圧器1を電力系統から遮断する論理積回路(制御手段)である。
【0021】
次に動作について説明する。
最初に、比率差動継電装置20の一般的な機能は、図1に示すように、電力系統において外部事故F0が発生しても、変圧器1を電力系統から遮断しないが、電力系統において内部事故FIが発生した場合には、変圧器1を保護するため変圧器1を電力系統から遮断するものである。
【0022】
具体的には、まず、抑制電流導出器11は、CT4により計測された一次電流I1 とCT5により計測された二次電流I2 を比較し、電流値が大きい方の電流を抑制電流Irとして導出する。
また、差動電流導出器12は、CT4により計測された一次電流I1 とCT5により計測された二次電流I2 のベクトル差を差動電流Idとして導出する。
【0023】
そして、比率差動器13は、一般的に、抑制電流Irに対する差動電流Idの比率が所定値以上であるとき、電力系統において内部事故FIが発生した可能性が高いので、以下の条件を具備する場合には、トリップ信号を出力する。
Id > KF1 ×Ir+KM
ただし、KF1 ,KMは所定の定数
直流導出器32は、差動電流導出器12が差動電流Idを導出すると、その差動電流Idに含まれている直流成分IDCを導出する。
【0024】
そして、高変化率検出器33は、直流導出器32が直流成分IDCを導出すると、下記に示すように、直流成分IDCの減衰率△IDC/△tが設定値KH以上であるか否かを判定し、直流成分IDCの減衰率△IDC/△tが設定値KH以上である場合には、その旨を示す検出信号を出力する(図3参照)。
Figure 0003746493
ただし、IDCは現在の直流成分
IDC−90°は電気角で90°前の直流成分
△tは電気角で90°に相当する時間
【0025】
このように、直流成分IDCの減衰率△IDC/△tが設定値KH以上であるか否かを判定するのは、故障電流に含まれている直流成分IDCの減衰率は、図3に示すように、インラッシュ電流に含まれている直流成分IDCの減衰率より大きいので、減衰率を比較すれば、電力系統に故障が発生したのか、電力系統がインラッシュ状態にあるのかを判定できるからである。
なお、設定値KHは、インラッシュ電流に含まれている直流成分IDCの最大の減衰率、即ち、直流成分IDCの減衰率が最も大きい場合を考慮して設定された値である(時定数換算で、0.2秒程度の時間)。
【0026】
Figure 0003746493
ただし、IDCは現在の直流成分
IDC−90°は電気角で90°前の直流成分
△tは電気角で90°に相当する時間
【0027】
このように、直流成分IDCの減衰率△IDC/△tが設定値KL以下であるか否かを判定するのは、故障電流に直流成分IDCを含んでいない場合があり、このような場合には、低変化率検出器34により検出される直流成分IDCの減衰率△IDC/△tは概ね零となるので、インラッシュ電流に含まれている直流成分IDCの減衰率より小さくなり、減衰率を比較すれば、電力系統に故障が発生したのか、電力系統がインラッシュ状態にあるのかを判定できるからである。なお、設定値KLは、インラッシュ電流に含まれている直流成分IDCの最小の減衰率、即ち、直流成分IDCの減衰率が最も小さい場合を考慮して設定された値である(時定数換算で、30秒程度の時間)。
【0028】
そして、論理和回路35は、高変化率検出器33又は低変化率検出器34の何れかから検出信号が出力されると、電力系統に故障が発生したものと判断し、非ロック信号を出力する。
そして、論理積回路36は、比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、論理和回路35から非ロック信号が出力されると、電力系統に内部事故FIが発生したものと判断して、変圧器1を電力系統から遮断し、一連の処理が終了する。
【0029】
なお、図5は、無負荷時(インラッシュ状態時、内部故障時を含む)、負荷時(健全時及び外部故障発生時、内部故障発生時を含む)における各構成要素の出力を示す表図であるが、この例では、第2高調波成分Id2の含有量が少ない内部故障時に限らず、第2高調波成分Id2の含有量が多い内部故障時及び直流成分を有する内部故障時においても、論理積回路36が変圧器1を電力系統から遮断していることを示している。
【0030】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、直流成分IDCの減衰率が所定範囲を逸脱していると判定されたとき、トリップ信号が出力されると変圧器1を電力系統から遮断するようにしたので、第2高調波成分Id2が多く含まれる内部故障FI(直流成分IDCを含まない内部故障FI)が発生したら直ちに変圧器1を電力系統から遮断することができるとともに、直流成分IDCが含まれる内部故障FIが発生しても直ちに変圧器1を電力系統から遮断することができる効果を奏する。
【0031】
因みに、図4において、topCHH1は高変化率検出器33の動作時間であり(概ね、15msec程度の時間であり(50サイクルベースで0.75サイクル))、treCHH1は高変化率検出器33の復帰時間であり(概ね、25msec程度の時間である(50サイクルベースで1.25サイクル))。
また、topCHL1は低変化率検出器34の動作時間であり(概ね、15msec程度の時間であり(50サイクルベースで0.75サイクル))、treCHL1は低変化率検出器34の復帰時間である(概ね、15msec程度の時間である(50サイクルベースで0.75サイクル))。
なお、高変化率検出器33の復帰時間treCHH1を長く設定し、低変化率検出器34の動作時間topCHL1を短く設定すると、一度故障が発生すると、論理和回路35の非ロック信号を連続出力とすることができる。
【0032】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による比率差動継電装置を示す構成図であり、図において、図2のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
37は直流導出器32により導出された直流成分IDCの減衰率△IDC/△tが設定値KH以下であるとき、その旨を示す検出信号を出力する高変化率検出器(減衰率判定手段)、38は直流導出器32により導出された直流成分IDCの減衰率△IDC/△tが設定値KL以上であるとき、その旨を示す検出信号を出力する低変化率検出器(減衰率判定手段)、39は高変化率検出器37及び低変化率検出器38の双方から検出信号が出力されるとロック信号を出力する論理積回路(減衰率判定手段)、40は比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、論理積回路39からロック信号が出力されないとき、変圧器1を電力系統から遮断するインヒビット回路(制御手段)である。
【0033】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1では、高変化率検出器33又は低変化率検出器34の何れかから検出信号が出力されると非ロック信号を出力するとともに(直流成分IDCの減衰率が図3の斜線部分にあるとき、非ロック信号を出力する)、制御手段を論理積回路36を用いて構成したものについて示したが、図6に示すように、高変化率検出器37及び低変化率検出器38の双方から検出信号が出力されるとロック信号を出力するとともに(直流成分IDCの減衰率が図7の斜線部分にあるとき、ロック信号を出力する)、制御手段をインヒビット回路40を用いて構成しても、上記実施の形態1と同様の原理で、内部故障時(第2高調波成分Id2の含有量が少ない内部故障時に限らず、第2高調波成分Id2の含有量が多い内部故障時及び直流成分IDCが含まれる内部故障時を含む)に変圧器1を電力系統から遮断することができ、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0034】
なお、図9は、無負荷時(インラッシュ状態時、内部故障時を含む)、負荷時(健全時及び外部故障発生時、内部故障発生時を含む)における各構成要素の出力を示す表図であるが、この例では、第2高調波成分Id2の含有量が少ない内部故障時に限らず、第2高調波成分Id2の含有量が多い内部故障時及び直流成分を有する内部故障時においても、インヒビット回路40が変圧器1を電力系統から遮断していることを示している。
【0035】
因みに、図8において、topCHH2は高変化率検出器37の動作時間であり(概ね、15msec程度の時間であり(50サイクルベースで0.75サイクル))、treCHH2は高変化率検出器37の復帰時間であり(概ね、25msec程度の時間である(50サイクルベースで1.25サイクル))。
また、topCHL2は低変化率検出器38の動作時間であり(概ね、15msec程度の時間であり(50サイクルベースで0.75サイクル))、treCHL2は低変化率検出器37の復帰時間である(概ね、15msec程度の時間である(50サイクルベースで0.75サイクル))。
【0036】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3による比率差動継電装置を示す構成図であり、図において、図6のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
41は差動電流導出器12により導出された差動電流Idに含まれている基本波成分Id0を抽出するフィルタ(含有率判定手段)、42はフィルタ41により抽出された基本波成分Id0に対する直流成分IDCの含有率が所定値KG以上であるとき、その旨を示す検出信号を出力する含有率検出器(含有率判定手段)、43は高変化率検出器37,低変化率検出器38及び含有率検出器42のすべてから検出信号が出力されるとロック信号を出力する論理積回路(減衰率判定手段、含有率判定手段)、44は比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、論理積回路43からロック信号が出力されないとき、変圧器1を電力系統から遮断するインヒビット回路(制御手段)である。
【0037】
次に動作について説明する。
フィルタ41,含有率検出器42,論理積回路43及びインヒビット回路44以外は、上記実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
まず、上記実施の形態2と同様に、差動電流導出器12が差動電流Idを導出すると、フィルタ41は、その差動電流Idに含まれている基本波成分Id0を抽出する。
【0038】
そして、含有率検出器42は、フィルタ41が基本波成分Id0を抽出すると、基本波成分Id0に対する直流成分IDCの含有率が所定値KG以上であるか否かを判定し、その基本波成分Id0に対する直流成分IDCの含有率が所定値KG以上であるときは、その旨を示す検出信号を出力する。
ここで、基本波成分Id0に対する直流成分IDCの含有率が所定値KG以上であるか否かを判定するのは、第2高調波成分Id2が多く含まれる内部故障FI(直流成分IDCを含まない内部故障FI)が発生した場合に、確実に変圧器1を電力系統から遮断する必要があるからである。
【0039】
そして、論理積回路43は、高変化率検出器37,低変化率検出器38及び含有率検出器42のすべてから検出信号が出力されると、電力系統に故障が発生していないものと判断し、ロック信号を出力する。
そして、インヒビット回路44は、比率差動器13からトリップ信号が出力され、かつ、論理積回路43からロック信号が出力されないとき、電力系統に内部事故FIが発生したものと判断して、変圧器1を電力系統から遮断し、一連の処理が終了する。
【0040】
なお、図11は、無負荷時(インラッシュ状態時、内部故障時を含む)、負荷時(健全時及び外部故障発生時、内部故障発生時を含む)における各構成要素の出力を示す表図であるが、この例では、第2高調波成分Id2の含有量が少ない内部故障時に限らず、第2高調波成分Id2の含有量が多い内部故障時及び直流成分を有する内部故障時においても、インヒビット回路44が変圧器1を電力系統から遮断していることを示している。
【0041】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、差動電流Idに含まれている基本波成分Id0に対する直流成分IDCの含有率が所定値以下であることを条件に、変圧器1を電力系統から遮断するようにしたので、上記実施の形態1および実施の形態2よりも、第2高調波成分Id2が多く含まれる内部故障FI(直流成分IDCを含まない内部故障FI)が発生した場合に、確実に変圧器1を電力系統から遮断することができる効果を奏する。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、減衰率判定手段により直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱していると判定されたとき、比率差動手段からトリップ信号が出力されると変圧器を電力系統から遮断するように構成したので、対地容量が大きい電力系統においても、内部故障が発生したら直ちに変圧器を電力系統から遮断することができるとともに、直流成分が含まれる内部故障が発生しても直ちに変圧器を電力系統から遮断することができる効果がある。
【0043】
この発明によれば、差動電流に含まれている直流成分の減衰率がインラッシュ電流に含まれている直流成分の最小の減衰率より小さいとき、その差動電流に含まれている直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱しているものと判定するように構成したので、電力系統に事故が発生しているのか、電力系統がインラッシュ状態にあるのかを確実に判定することができる効果がある。
【0044】
この発明によれば、差動電流に含まれている直流成分の減衰率がインラッシュ電流に含まれている直流成分の最大の減衰率より大きいとき、その差動電流に含まれている直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱しているものと判定するように構成したので、電力系統に事故が発生しているのか、電力系統がインラッシュ状態にあるのかを確実に判定することができる効果がある。
【0045】
この発明によれば、電流導出手段により導出された差動電流に含まれている基本波成分に対する直流成分の含有率が所定値以下であることを条件に、変圧器を電力系統から遮断するように構成したので、第2高調波成分が多く含まれる内部故障(直流成分を含まない内部故障)が発生した場合に、確実に変圧器を電力系統から遮断することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による比率差動継電装置が適用される電力系統を示す系統図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による比率差動継電装置を示す構成図である。
【図3】 差動電流に含まれている直流成分の減衰率を説明する波形図である。
【図4】 各種信号の波形を示す波形図である。
【図5】 無負荷時及び負荷時における各構成要素の出力を示す表図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による比率差動継電装置を示す構成図である。
【図7】 差動電流に含まれている直流成分の減衰率を説明する波形図である。
【図8】 各種信号の波形を示す波形図である。
【図9】 無負荷時及び負荷時における各構成要素の出力を示す表図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による比率差動継電装置を示す構成図である。
【図11】 無負荷時及び負荷時における各構成要素の出力を示す表図である。
【図12】 従来の比率差動継電装置が適用される電力系統を示す系統図である。
【図13】 従来の比率差動継電装置を示す構成図である。
【図14】 無負荷時及び負荷時における各構成要素の出力を示す表図である。
【符号の説明】
1 変圧器、2,3 遮断器、4,5 変流器、11 抑制電流導出器(電流導出手段)、12 差動電流導出器(電流導出手段)、13 比率差動器(比率差動手段)、20 比率差動継電装置、32 直流導出器(減衰率判定手段)、33 高変化率検出器(減衰率判定手段)、34 低変化率検出器(減衰率判定手段)、35 論理和回路(減衰率判定手段)、36 論理積回路(制御手段)、37 高変化率検出器(減衰率判定手段)、38 低変化率検出器(減衰率判定手段)、39 論理積回路(減衰率判定手段)、40 インヒビット回路(制御手段)、41 フィルタ(含有率判定手段)、42 含有率検出器(含有率判定手段)、43 論理積回路(減衰率判定手段、含有率判定手段)、44 インヒビット回路(制御手段)。

Claims (4)

  1. 変圧器の一次電流及び二次電流から抑制電流及び差動電流を導出する電流導出手段と、上記電流導出手段により導出された抑制電流と差動電流が所定の関係を満たすときトリップ信号を出力する比率差動手段と、上記電流導出手段により導出された差動電流に含まれている直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱しているか否かを判定する減衰率判定手段と、上記減衰率判定手段により直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱していると判定されたとき、上記比率差動手段からトリップ信号が出力されると上記変圧器を電力系統から遮断する制御手段とを備えた比率差動継電装置。
  2. 減衰率判定手段は、差動電流に含まれている直流成分の減衰率がインラッシュ電流に含まれている直流成分の最小の減衰率より小さいとき、その差動電流に含まれている直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱しているものと判定することを特徴とする請求項1記載の比率差動継電装置。
  3. 減衰率判定手段は、差動電流に含まれている直流成分の減衰率がインラッシュ電流に含まれている直流成分の最大の減衰率より大きいとき、その差動電流に含まれている直流成分の減衰率が所定範囲を逸脱しているものと判定することを特徴とする請求項1記載の比率差動継電装置。
  4. 電流導出手段により導出された差動電流に含まれている基本波成分に対する直流成分の含有率が所定値以上であるか否かを判定する含有率判定手段を設け、制御手段は、含有率判定手段により基本波成分に対する直流成分の含有率が所定値以上であると判定された場合には、変圧器を電力系統から遮断しないことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の比率差動継電装置。
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