JP4921656B2 - 電力系統の事故検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、商用電源から電力を供給される系統と分散型電源から電力を供給される系統を連系した電力系統の事故を検出する装置、特にこの電力系統で発生した事故を瞬時に検出するようにした事故検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
商用電源の系統と分散型電源の系統とを連系した電力系統においては、3相の連系母線に、商用電源系統が受電用変圧器を介して接続されるとともに分散型電源系統が接続され、この連系母線に接続された負荷に商用電源系統と分散型電源系統との両方から給電するようにしている。また、連系母線の商用電源系統側と分散型電源系統側との間には分離遮断器が介装され、この分離遮断器は、いずれか一方の系統に事故が発生した時に遮断され商用電源系統と分散型電源系統とを分離する働きをする。
【0003】
このような電力系統において地絡や短絡のような事故が生じると、連系母線に流れる電流が過大となるので、連系母線の電流を監視することにより、電力系統の事故の発生を検出することができる。しかしながらこのように系統の電流を監視するだけでは事故の検出を誤ることがある。
【0004】
すなわち、連系母線には、事故が生じていなくても商用電源系統から負荷開閉や電圧変動などによる異常な波形のサージ電流が侵入する場合があり、これが、事故時の過大電流と誤って検出されることがある。このような誤検出を避けるために、従来は、事故と判定する検出レベルを常時の負荷電流のレベルより数倍も高く設定するようにしていたが、これでは、検出感度が低く、検出の信頼性に欠ける不都合がある。
【0005】
このような不都合を解消するための事故検出装置として、図7に示すような装置がすでに知られている(特開2000−152507号公報参照)。
【0006】
図7において、3相の連系母線7に、商用電源系統1が受電用変圧器2を介して接続されるとともに自家用の分散型電源3が接続され、また、連系母線7の商用電源系統1側と分散型電源3側との間に分離遮断器4が介装されており、さらに、この連系母線7の商用系統母線1側と分散型電源3側とにそれぞれ負荷6が接続されている。連系母線7のそれぞれの相間にその相間電圧を出力する計器用変圧器15が接続されるとともに、連系母線7のそれぞれの相にその相の電流を検出する計器用変流器5が介装されている。
14がこの電力系統の事故を検出する事故検出装置であり、計器用変圧器15の出力側および計器用変流器5の出力側に接続される。すなわち、事故検出装置14は、計器用変圧器15から出力されるU相とV相の間の電圧信号Vuv、V相とW相の間の電圧信号Vvw,W相とU相の間の電圧信号Vwuをそれぞれ受けるとともに、計器用変流器5から出力されるU相の電流信号Iu、V相の電流信号Iv、W相の電流信号Iwを受けている。
【0007】
図には、電圧信号Vuvと電流信号Iuだけが示されている。事故検出装置14の内部構成は、点線の枠内に示されている。この事故検出装置14の電圧変化分検出回路16は電圧信号Vuvを受け、連系母線7が正常時のときの電圧信号Vuv1から電圧変動のあった直後の電圧信号Vuv2を差し引いて電圧変化分を求める。レベル検出回路17は、電圧変化分検出回路16の出力信号を受け、その出力信号が所定のレベルを越えたときにHレベルの信号を出力する。
【0008】
一方、レベル検出回路9は、電流信号Iuを受け、この電流信号Iuが所定のレベルを越えたときにHレベルの信号を出力する。アンド回路18は、レベル検出回路17と9との双方よりHレベルの出力信号を受けたときにオア回路19にHレベルの出力信号Kuを出力する。
【0009】
この事故検出装置14において、アンド回路18までの構成は図では1相分しか示されていないが、同じ構成のものが3相分設けられており、残りの相の構成はそれぞれ電圧信号Vvwと電流信号Iv、電圧信号Vwuと電流信号Iwを受けている。オア回路19は、各相のアンド回路18の出力信号Ku,Kv,Kw を受け、どの相か1相からでもHレベルの出力信号を受けたとき報知回路10にHレベルの信号を出力するようになっている。報知回路10は、オア回路19からHレベルの信号を受けたときに電力系統に事故が発生したものと判断して報知信号を出力し、図示しない報知手段により事故を報知させるものであり、また、この報知信号に基づいて、連系母線7の商用電源系統1側と分散型電源3側とを分離遮断器7で遮断するなどして電力系統を保護する。
【0010】
図8は、電圧変化分の検出を説明するためのタイムチャートである。(A)のタイムチャートは相間電圧の波形を示し、(B)のタイムチャートは電圧変化分の波形を示す。波形11は正常な場合の例であり、波形12は時間t0 で負荷の短絡事故等が発生して電圧が急激に低下し零になった場合の例である。電圧変化分の波形は、波形11から波形12を差し引いた波形であり、波形13のよう
になる。
【0011】
図7における電圧変化分検出回路16は内部に記憶回路を備え、正常な時の電圧波形を予め記憶し、この記憶した連系母線7の正常時の相間電圧Vuv1を基準としてこれからその時の相間電圧Vuv2を差し引いて電圧変化分Vuv3を出力するようになっている。正常時は、基準の電圧Vuv1の波形とこれと比較するその時の電圧Vuv2の波形とがほぼ同じであるため電圧変化分Vuv3はほぼ零となるが、短絡等の事故発生時には、比較するその時の電圧Vuv2が事故発生時点から急激に低下するので、必ず電圧変化分Vuv3が増大するとともに、分離遮断器4を流れる電流Iuが増大するようになる。
【0012】
事故検出装置14は、前述のように連系母線7の電圧変化分および分離遮断器4、すなわち連系母線7を流れる電流がいずれも所定のレベル以上になったときに電力系統に事故が発生したものと判定して報知するので、電流だけで事故検出を行うようにした装置のように商用電源系統1から侵入するサージ電流等のノイズによって誤動作することがなくなり信頼性が高まる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このよう従来の装置においては、事故でなくても相間電圧が激しく変動した場合に電圧変化分が大きくなって事故検出装置が誤検出する可能性があった。
【0014】
また、相間電圧の瞬時値が小さくなる0°ないしは180°付近の位相で事故が発生した場合、事故発生時点付近では,電圧変化分検出回路16から得られる電圧変化分の値が小さくなるため、ノイズ侵入や系統の電圧変動等の影響を受け、正確な出力を得ることが困難となる。したがって、このように連系母線の電圧が小さくなる範囲で事故の判定を行うと誤って判定を行うことがあり、事故検出の信頼性が低下する不都合がある。
【0015】
この発明は、このような電力系統の電圧変動があった場合の誤検出や、電圧の瞬時値の小さい位相範囲での誤検出が生じない、事故検出の信頼性の高い電力系統の事故検出装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明によれば、商用電源系統と自家用の分散型電源とが分離遮断器の介装された連系母線を介して連系運用されている電力系統の事故を検出する装置であって、連系母線の電圧の正常時の値からの電圧変化分、および分離遮断器を流れる電流を検出しこれらの検出値がいずれも所定のレベル以上になったときに電力系統に事故が発生したものと判定する事故判定手段を有する電力系統の事故検出装置において前記連系母線の正常時の電圧を1サイクル分記憶する記憶回路を設け、前記記憶回路から取り出した正常時の電圧から連系母線の電圧を差し引くことによって電圧変化分を求めるとともに、前記電圧変化分と比較する基準レベルを前記記憶回路から取り出した正常時の電圧の値を基にして設定するようにする。
【0017】
また、前記連系母線の電圧のレベルを判定し、この電圧の瞬時値が所定レベル以下にあるときは前記事故判定手段の出力を禁止するようにするのがよい。
【0018】
また、3相の各相に事故判定手段を設けた際には、前記における連系母線電圧のレベル判定を3相の各相で行い所定レベル以下にある相の事故判定手段の出力を禁止するようにすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図に示す実施例について説明する。
【0020】
図1はこの発明の第1の実施例にかかる電力系統の事故検出装置の構成を示す回路図である。連系母線7に、商用電源系統1が受電用変圧器2を介して接続されるとともに自家用の分散型電源3が接続され、また、連系母線7の商用電源系統1側と分散型電源3側との間に分離遮断器4が介装され、さらに、この連系母線7の商用電源系統側1と分散型電源3側との両方に負荷6が接続されている。
【0021】
事故検出装置14を設け、この事故検出装置14に、連系母線7の電流を検出する計器用変流器5から出力される電流信号Iuと連系母線の電圧を検出する計器用変圧器15から出力される電圧信号Vuvとが与えられる構成は従来と同じである。
【0022】
事故検出装置14の内部構成を図2に示す。図2における電圧変化検出回路160は、従来装置における電圧変化分検出回路16と電圧レベル検出回路17とを組み合わせたものに対応する。その内部の構成を図3に示す。事故検出装置14におけるその他の構成は従来装置のそれと同じであるのでこれらについては説明を省略する。この実施例においても電圧変化検出回路160、電流レベル検出回路9およびアンド回路18は3相の各相に設けられるが、1相分しか示されていない。オア回路19には3相の出力が加わる。
【0023】
図3において、100は電圧変化分検出回路であり、その入力に連系母線7のUV相間の電圧Vuvが加わる。101は連系母線の正常時の相間電圧信号Vuv0を1サイクル分記憶する記憶回路である。演算回路105は、この相間電圧の正常電圧信号Vuv0を基準にして、この値からそのときの連系母線の相間電圧Vuvを差し引いて電圧変化分Vuvdを求める回路である。この演算回路105で求められた電圧変化分Vuvdは、整流回路107により整流して絶対値化されて、その絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|が事故発生検知用レベル検出回路108と電圧変化分用の波形成形回路209とに与えられる。
【0024】
正常電圧用の波形成形回路109には、記憶回路101に記憶された連系母線7の相間電圧の正常電圧信号Vuv0が整流回路106により整流されてなる絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|が入力される。
【0025】
正常電圧用の波形成形回路109および電圧変化分用の波形成形回路209は、いずれも、 Hレベルの保持指令信号が加わった時点でその時の入力信号の瞬時値をホールドするサンプルホールド機能と、保持指令信号がLレベルのときには、その出力信号を、入力信号には依存しないある一定値に強制的に設定する機能とを有するものである。正常電圧用の波形成形回路109では、保持指令信号がLレベルのとき、その出力信号Vaは強制的に高レベルの一定電圧に設定され、電圧変化分用の波形成形回路209では、保持指令信号がLレベルのとき、その出力信号Vbは強制的に零電圧レベルに設定される。
【0026】
事故発生検知用レベル検出回路108は、絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|が所定の設定レベルVrを超えるとHレベルの事故発生検知信号Vjを発生し、波形成形回路109および209へ与える。波形成形回路109および209は、事故発生検知用レベル検出回路108からHレベルの事故発生検知信号Vjが保持指令信号として与えられたとき、それぞれ、絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|および絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|のその時点での値VuvnおよびVuvdnを保持し、その値に基づく信号Vaおよび信号Vbを事故判定比較器110側に出力する。
【0027】
事故判定比較器110は、正常電圧用の波形成形回路109より与えられる信号Vaを抵抗R10,R11よりなる分圧回路で分圧して得られる基準信号Vsと電圧変化分用の波形成形回路209より与えられる信号Vbとを比較し、信号Vbが基準信号Vsより大きいときに事故と判定して、電圧による事故判定信号VeとしてHレベルの出力信号を発生する。
【0028】
なお、事故判定比較器110における信号Vaと基準信号Vsとは、 Vs=Va×R11/(R10+R11)なる関係にあるとともに、正常電圧用の波形成形回路109がHレベルの事故検知信号Vjを受けて保持動作している状態では、その出力信号Vaは、絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|の事故発生時点における瞬時値Vuvnをホールドした値となっている。したがって、事故判定の基準となる基準信号Vsの信号レベルVsnは、
Vsn=Vuvn×R11/(R10+R11)
なる関係により、連系母線の正常電圧Vuv0の事故発生時点における瞬時値Vuvnに依存して決められるものとなっている。
【0029】
また、図3では、事故判定比較器110における分圧回路を抵抗R10,R11よりなる1段の分圧回路とした構成が示されているが、信号Vaを例えば20%,30%,40%に分圧する多段の分圧回路を設ければ、電力系統の条件等に応じて基準信号Vsの値を任意に切替えることができる。
【0030】
このように構成された第1の実施例の動作を図4を用いて説明する。図4の(A)〜(F)は、それぞれ図3の回路における各点の信号の波形を示すものである。
【0031】
電圧変化分検出回路100の入力に図4の(A)に示すような系統電圧を検出した電圧信号Vuvが加わる。時点tnで事故が発生し、電圧信号Vuvが実線で示すように低下した場合、正常時の系統電圧を示す,図4の(A)における点線の波形で示されるような正常電圧信号Vuv0とそのときの電圧信号Vuvとの差を演算する演算回路105の出力には、図4の(B)に示すような電圧変化分信号Vuvdが発生する。この電圧変化分信号Vuvdを整流回路107で整流して絶対値化された電圧変化分信号が図4の(C)における実線の波形として示す|Vuvd|である。
【0032】
この絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|の立ち上がりが事故発生検知用レベル検出回路108で検出され、図4の(E)に示すようにHレベルの事故発生検知信号Vjが出力されて、保持指令信号として波形成形回路109および209に加えられる。なお、図4の(C)における水平方向の点線Vrは、事故発生検知用レベル検出回路108の判定電圧レベルVrを示すものであり、絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|がこの判定電圧レベルVrより大きいときに、事故発生検知信号Vjが図4の(E)に示すようにHレベルとなる。
【0033】
正常電圧用の波形成形回路109には、図4の(D)における実線の波形として示すような,整流回路106での整流により絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|が入力されているが、Hレベルの事故発生検知信号Vjが保持指令信号として加わえられた時点で正常電圧用の波形成形回路109は、絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|のそのときの瞬時値Vuvnをホールドし、この値に基づく信号Vaを、事故判定比較器110側に出力する。
【0034】
ここで、正常電圧用の波形成形回路109は、上述のように、保持指令信号がLレベルのときには、その出力信号Vaを入力信号には依存しない高レベルの一定電圧に強制的に設定するので、出力信号Vaの波形は図4の(D)における一点鎖線で示すような波形となる。
【0035】
電圧変化分用の波形成形回路209は、Hレベルの事故発生検知信号Vjが保持指令信号として加えられた時点で、絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|のそのときの瞬時値Vuvdnをホールドし、この値に基づく信号Vbを、事故判定比較器110側に出力する。ここで、電圧変化分用の波形成形回路209は、上述のように、保持指令信号がLレベルのときには、その出力信号Vbを入力信号には依存しない零電圧レベルに強制的に設定するので、出力信号Vbの波形は図4の(C)における一点鎖線で示すような波形となる。
【0036】
事故判定比較器110は、上記の信号Vaを分圧した信号を、基準信号Vsとして求め、この基準信号Vsの信号レベルVsnより信号Vbの信号レベルVuvdnが大きい場合、図4の(F)に示すように、電圧による事故判定信号VeとしてHレベルの出力信号を発生し、図2のアンド回路18に与える。ここで、基準信号Vsは信号Vaを分圧してなる信号であるから、この基準信号Vsは図4の(D)における二点鎖線で示すような波形となる。なお、図4の(C)における水平方向の点線Vsnは、基準信号Vsの信号レベルVsnを示すものである。
【0037】
上記のように、事故判定比較器110が、電圧による事故判定信号VeとしてHレベルの出力信号を発生したとき、系統の電流が過大となっていれば、電流レベル検出回路9がHレベルの電流による事故検知信号Ieを発生するのでアンド回路18からHレベルのU相の事故判定信号Kuが発生され、これによりオア回路19を介して報知回路10が作動され事故の発生を報知する。また、報知回路10に与えられる事故検出信号を分離遮断器4の遮断操作回路に与えて分離遮断器4を遮断し、商用電源系統1と分散型電源3とを分離する。
【0038】
このような第1の実施例においては、電圧によって事故の判定を行う事故判定比較器110の基準信号Vsとして、電圧変化分検出回路100の記憶回路101に記憶された連系母線の正常電圧Vuv0の事故発生時点における瞬時値Vuvnに基づいた電圧信号を加え、これと電圧変化分信号Vuvdの事故発生時点における瞬時値Vuvdnに基づいた電圧信号Vbとを比較するようにしているので、事故による電圧変化分の大きさが正常電圧の事故発生時点における瞬時値の大きさに依存するという関係に対応したものとなっており、連系母線の電圧変動があってもこれに影響されることがなくなるとともに事故の発生位相の影響を減じることもでき、事故の判定精度が高まる。
【0039】
上記のこの発明の第1の実施例においても、図6に示すように事故が連系母線の電圧の瞬時値が零に近い小さい値を示す0°または180°付近の位相で発生すると、電圧変化分検出回路100の出力信号も事故発生時点付近では小さい値を示すため、外部から侵入するノイズと区別することが困難となり、したがってこの付近では事故の誤検出が発生する可能性が多くなる。
【0040】
図5に示すこの発明の第2の実施例は、上記のように系統電圧の値が小さい範囲の位相で事故が発生したとき誤検出が生じないように改良したものである。
【0041】
図5の回路は、図3に示す電圧変化検出回路160に、下限レベル検出回路111とノット回路112およびアンド回路113を付加したもので、この点以外は図3の回路と同じである。
【0042】
電圧変化分検出回路100における記憶回路101に記憶された連系母線の正常電圧信号Vuv0が整流回路106により整流して絶対値化されて、その絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|が下限レベル検出回路111に入力され、この絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|が不感帯として設定した下限レベルVlより小さい値のときに、下限レベル検出回路111はHレベルの検出信号V111を発生する。ノット回路112はこの下限レベル検出回路111の出力信号V111を反転させた信号V112をアンド回路113の一方の入力端に与える。アンド回路113の他方の入力端には事故発生検知用レベル検出回路108から出力される事故発生検知信号Vjが与えられる。
【0043】
このように構成されているため、絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|が下限レベルVlより小さくなっている間は下限レベル検出回路111の出力V111がHレベルとなるため、アンド回路113の一方の入力端にはノット回路112により反転されたLレベルの信号V112が加わり、これによってレベル検出回路108から出力される事故発生検知信号Vjの信号レベルの状態に係わらず、アンド回路113の出力信号V113,すなわち,波形成形回路109および209に与えられる保持指令信号はLレベルとなり、波形成形回路109および209におけるそれぞれの保持動作が禁止される。
【0044】
なお、正常電圧用の波形成形回路109および電圧変化分用の波形成形回路209は、上述のように、いずれも、Hレベルの保持指令信号が加わった時点でその時の入力信号の瞬時値をホールドするサンプルホールド機能と、保持指令信号がLレベルのときには、その出力信号を、入力信号には依存しないある一定値に強制的に設定する機能とを有するものである。正常電圧用の波形成形回路109では、保持指令信号がLレベルのとき、その出力信号Vaは強制的に高レベルの一定電圧に設定され、電圧変化分用の波形成形回路209では、保持指令信号がLレベルのとき、その出力信号Vbは強制的に零電圧レベルに設定される。
【0045】
このため、連系母線の相間電圧の瞬時値が小さくなる0°ないしは180°付近の位相範囲では、上述のように、波形成形回路109および209のいずれも保持指令信号がLレベルの状態にあるため、事故判定比較器110においては、電圧変化分用の波形成形回路209から与えられる信号Vbが強制的に零電圧に設定されるとともに、正常電圧用の波形成形回路109から与えられる信号Vaは強制的に高レベルの一定電圧に設定されてこの信号Vaを分圧してなる基準信号Vsも、零電圧レベルの信号Vbに比べてはるかに高レベルの一定電圧に設定されるので、事故判定比較器110はその事故判定動作を禁止された状態となる。このため、連系母線の相間電圧の瞬時値が小さくなる位相範囲においてノイズ侵入や系統の電圧変動等の影響を受けた場合でも、誤って事故検出信号Veが出力されることはなくなり、事故検出の信頼性が向上する。
【0046】
また、図6の(A)〜(I)は、それぞれ図5の回路における各点の信号の波形を示すものである。絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|が図6の(D)における水平方向の点線Vlで示す不感帯レベルVlより小さい位相範囲にある間の時点tn1で短絡事故が発生したとすると、事故の発生した時点では、下限レベル検出回路111から図6の(F)に示すようにHレベルの信号V111が出力され、ノット回路112により反転された図6の(G)に示すようなLレベルの信号V112がアンド回路113に加わっているので、事故発生検知用レベル検出回路108からHレベルの事故発生検知信号Vjが出力されていても、アンド回路113の出力信号V113は、図6の(H)に示すようにLレベルとなっているため、Hレベルの保持指令信号が波形成形回路109および209に与えられることはない。したがって、上述のように、波形成形回路109および209はそれぞれの保持動作が禁止され、事故判定比較器110の事故判定動作が禁止されていることにより、絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|が不感帯レベルVlより小さい位相範囲では、短絡事故が発生しても検出信号Veが出力されることがないだけでなく、この位相範囲においてノイズ侵入や系統の電圧変動等の影響を受けた場合でも誤って事故検出信号Veが出力されることはない。
【0047】
なお、図6の(D)において、絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|は、時点t10から時点t20までの間および時点t11から時点t21までの間の区間で不感帯レベルVlを越える大きさとなっており、これに対応して、下限レベル検出回路111の出力信号V111は、図6の(F)に示すように上記の区間でLレベルとなるとともに、それ以外の区間,すなわち,180°位相の前後の時点t20から時点t11までの間などでHレベルとなる。
【0048】
事故が継続していれば、180°位相の時点を経過して、絶対値化された正常電圧|Vuv0|が図6の(D)に示すように不感帯レベルVlを超える位相の時点tn2となったところで、下限レベル検出回路111の出力信号V111が図6の(F)に示すようにLレベルとなり、ノット回路112を介してアンド回路113に加わる信号V112が図6の(G)に示すようにHレベルとなるので、アンド回路113の出力信号V113が事故発生検知用レベル検出回路108からの図6の(E)に示す事故発生検知信号Vjにそのまま追従する状態となり、Hレベルの事故発生検知信号Vjに対応して、アンド回路113の出力信号V113,すなわち,波形成形回路109および209に与えられる保持指令信号が図6の(H)に示すようにHレベルとなって波形成形回路109および209に保持動作を行わせる。
【0049】
波形成形回路109および209は、Hレベルの保持指令信号を受けて、それぞれ、絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|および絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|のその時点での値VuvnおよびVuvdnを保持し、その値に基づく信号Vaおよび信号Vbを事故判定比較器110側に出力する。
【0050】
事故判定比較器110は、正常電圧用の波形成形回路109より与えられる信号Vaを抵抗R10,R11よりなる分圧回路で分圧して得られる基準信号Vsと電圧変化分用の波形成形回路209より与えられる信号Vbとを比較し、信号Vbの信号レベルVuvdnが基準信号Vsの信号レベルVsnより大きい場合には、図6の(I)に示すように、Hレベルの事故検出信号Veを発生し、図2のアンド回路18へ出力される。電流レベル検出回路9からも事故検出信号Ieが出力されていればアンド回路18からオア回路19を介して報知回路10へ事故検知信号が与えられ、報知回路10が事故の発生を報知する。
【0051】
なお、図6の(C)における水平方向の点線Vrは、事故発生検知用レベル検出回路108の判定電圧レベルVrを示すものであり、絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|がこの判定電圧レベルVrより大きいときに、事故発生検知信号Vjが図6の(E)に示すようにHレベルとなる。また、図6の(C)における水平方向の点線Vsnは、事故判定比較器110における基準信号Vsの信号レベルVsnを示すものである。
【0052】
また、電圧変化分用の波形成形回路209の入力信号である絶対値化された電圧変化分信号|Vuvd|と出力信号Vbとの関係は、図6では図示していないが、図4の(C)と同様であり、また、正常電圧用の波形成形回路109の入力信号である絶対値化された正常電圧信号|Vuv0|と出力信号Vaおよび事故判定比較器110の基準信号Vsとの関係も、図6では図示していないが、図4の(D)と同様である。
【0053】
このように第2の実施例によれば、外部からのノイズの侵入しやすい系統電圧の低い範囲において事故判定手段の動作を禁止するようにしているので、低電圧の位相範囲における誤検出をなくすことができる。このことは3相の各相ごとに行うので、ある相が電圧の低い位相にあって事故の検出が禁止されていても、他の相は電圧の高い位相にあるのでこれらの相では事故の検出が禁止されることがない。このため、このように不感帯を設けても事故の検出が遅れることはなくなる。
【0054】
なお、上述の第1の実施例および第2の実施例においては、いずれも、事故判定比較器110の出力信号Veを強制的にLレベルにしておくための構成として、波形成形回路109および209に対する保持指令信号がLレベルのときに、波形成形回路109および209の各出力信号VaおよびVbをそれぞれ強制的に所定の電圧レベルに設定して事故判定比較器110における入力信号Vbに対して基準信号Vsの電圧レベルが充分に大きくなるようにする構成としているが、本発明は、上記のような構成に限定されるものではなく、事故判定比較器110の事故判定動作を禁止すべきときに、その出力電圧Veを強制的にLレベルにしておくことができればどのような構成であってもよい。
【0055】
【発明の効果】
この発明は前述のように、商用電源系統と自家用の分散型電源とが分離遮断器の介装された連系母線を介して連系運用されている電力系統の事故を検出する装置であって、連系母線の電圧の正常時の値からの電圧変化分、および分離遮断器を流れる電流を検出しこれの検出値がいずれも所定のレベル以上になったときに電力系統に事故が発生したものと判定する事故判定手段を有する電力系統の事故検出装置において、前記電圧変化分と比較する基準レベルを電圧変化の発生時点における正常時の電圧の値を基にして設定するようにすることによって、連系母線の電圧変動があってもこれに影響されることなく正確に事故の発生を判定する
ことができる。
【0056】
また、前記連系母線の電圧のレベルを判定し、この電圧が所定レベル以下にあるときは前記事故判定手段の出力を禁止するようにすることによって、連系母線の電圧の瞬時値の小さい位相範囲における誤検出をなくすことができる。
【0057】
さらに、3相の各相に事故判定手段を設けた際には、前記における連系母線電圧のレベル判定を3相の各相で行い所定レベル以下にある相の事故判定手段の出力を禁止するようにすることにより、ある相が電圧の低い位相にあって事故の検出が禁止されていても、他の相は電圧の高い位相にあるのでこれらの相では事故の検出が禁止されることがないため、不感帯を設けても事故の検出が遅れること
はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を実施する電力系統の構成図
【図2】 この発明による事故検出装置の構成を示す回路図
【図3】 この発明の第1の実施例にかかる事故検出装置における電圧による事故検出回路の構成を示す回路図
【図4】 この発明の第1の実施例の動作波形図
【図5】 この発明の第2の実施例にかかる電圧による事故検出装置の構成を示す回路図
【図6】 この発明の第2の実施例の動作波形図
【図7】 従来の電力系統の事故検出装置の構成を示す回路図
【図8】 従来装置の動作を説明するための波形図
【符号の説明】
1 商用系統
2 受電用変圧器
3 分散型電源
4 分離遮断器
5 計器用変流器
6 負荷
連系母線
8,14 事故検出装置
9 電流レベル検出回路
10 報知回路
15 計器用変圧器
160 電圧変化検出回路

Claims (3)

  1. 商用電源系統と自家用の分散型電源とが分離遮断器の介装された連系母線を介して連系運用されている電力系統の事故を検出する装置であって、連系母線の電圧の正常時の値からの電圧変化分、および分離遮断器を流れる電流を検出しこれらの検出値がいずれも所定のレベル以上になったときに電力系統に事故が発生したものと判定する事故判定手段を有する電力系統の事故検出装置において、
    前記連系母線の正常時の電圧を1サイクル分記憶する記憶回路を設け、前記記憶回路から取り出した正常時の電圧から連系母線の電圧を差し引くことによって電圧変化分を求めるとともに、前記電圧変化分と比較する基準レベルを前記記憶回路から取り出した正常時の電圧の値を基にして設定することを特徴とする電力系統の事故検出装置。
  2. 請求項1記載の電力系統の事故検出装置において、
    前記連系母線の電圧のレベルを判定し、この電圧の瞬時値が所定レベル以下にあるときは前記事故判定手段の動作を禁止することを特徴とする電力系統の事故検出装置。
  3. 請求項2に記載の電力系統の事故検出装置において、
    3相の各相に事故判定手段を設け、前記における連系母線電圧のレベル判定を3相の各相で行い所定レベル以下にある相の事故判定手段の出力を禁止することを特徴とする電力系統の事故検出装置。
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