JP3714594B2 - アクリル系繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、割繊性に優れており、立毛布帛に加工する場合に工程通過性及び作業性がよく、得られた立毛布帛はソフトな風合いを発現するアクリル系繊維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系繊維はその風合い及び発色性の良さから、衣料や寝装分野などで幅広く用いられている。また、ハイパイルやボア分野では、より獣毛に近づけるために、アクリル系繊維の断面形状を様々に変更するなどして特徴を引き出している。これらの分野では毛捌き性や繊維の腰の強さ、ソフト性などが要求され、数種類の異なる断面からなる繊維を組み合わせることにより、ボアやハイパイルでの特徴を引き出している。
【0003】
代表的なアクリル系繊維の断面形状としては、扁平型やY字型などが上述したような特徴を引き出すために有効とされているが、特にY字型断面のアクリル系繊維では、繊維の先端部分が割れることによってよりソフトな風合いを発現し、且つ繊維の根元部分ではY字型の断面形状を維持させることにより、繊維の腰を強くする特徴を備えている。
【0004】
例えば、特開平10−251915号公報に開示されているアクリル系繊維では、図4に示すように、単繊維20の断面形状は、矩形状の3つの構成枝21が接合角180°で放射状に接合された略Y字状の断面形状をなしている。更に前記構成枝21の接合部分には、その接合長さcが構成枝の幅dに対して30〜95%となるように開口K1又は空孔K2が形成されている。そのため、繊維は縦方向に割繊しやすく、ソフトな風合が付与される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されたアクリル系繊維は、前記接合部分に開口K1又は空孔K2を形成することにより、ボアやハイパイルポリッシャーの加工以前にすでに繊維自身が割れてしまい、例えば紡績時に毛羽が発生するなどの問題が生じる可能性がある。また、前記開口K1又は空孔K2を形成することで、それら開口K1又は空孔K2内に水分が残留し乾燥しにくく、繊維を紡糸する際の乾燥工程に長時間を有するなどの問題が生じ、生産性も低下するといった問題もある。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、繊維の製造工程においては、同繊維の中心から径方向に分岐し長さ方向に連続する複数の扁平状構成枝が互いに接合している状態を維持し、且つ立毛製品に加工する際に機械的な力が加わると、繊維が先端部分で容易に割繊し得るアクリル系繊維と、同アクリル系繊維を効率良く工業的に安定して製造できる方法とを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本件請求項1に係る発明は、アクリロニトリル系重合体からなり、単繊維は、繊維の中心から径方向に分岐し長さ方向に連続する複数の扁平状構成枝を備えてなるアクリル系繊維であって、引っ張り試験装置を使用して、試長20mmの単繊維を23℃、50%RHの環境下で、変形速度100%/minで引っ張り破断させたとき、単繊維の破断側面の中心部に長さ200μm以上の繊維軸方向に沿った1以上の、繊維の破断した端部から連続する亀裂部が生じることを特徴としている。
【0008】
なお、本発明において、23℃、50%RHの環境下で、試長20mmの単繊維の一端を固定し他端を変形速度100%/minで引っ張る条件は、JIS L 1015の引っ張り破断試験法に準じている。また、前記亀裂部とは、繊維の破断した端部から連続する切れ込みの終端までの部分であり、本発明では前記亀裂部が1以上形成され、すくなくとも一の亀裂部ではその長さが200μm以上である。
【0009】
本発明者らによる鋭意検討の結果、繊維を上述した所定の条件下で引っ張り破断させたときの単繊維の破断側面の中心部に長さ200μm以上の繊維軸方向に延びる1以上の亀裂部が生じるという特性は、単繊維の表層部だけでなく同単繊維の内部まで均一に配向がなされた構造になっているときの特性であることを見出した。つまり、繊維の中心から径方向に分岐し長さ方向に連続する複数の扁平状構成枝を備えたアクリル系繊維において、繊維内部まで均一に配向しており、繊維表層部の配向と繊維内部の配向とが均一になっている場合には、その引っ張り破断試験を行なったときに、繊維軸方向に沿って複数に裂けるようにして破断し、その破断側面には200μm以上の繊維軸方向に延びる少なくとも1本の亀裂部が形成される。
【0010】
一方、表層部は配向しているが繊維内部は粗構造となっているアクリル系繊維は、同じく引っ張り破断試験を行なったときに、表層部では多少長い亀裂部が生じることがあっても、引っ張り破断面の中心部における繊維軸方向に延びる亀裂部が小さくなる。
【0011】
前記亀裂部の基部から先端部までの長さが200μm以上になっているときには、繊維の表面層だけでなく繊維内部まで均一に配向がなされた構造になっていることが確認された。これに対して、表層部は配向しているが繊維内部は粗な構造になっているアクリル系繊維は、その引っ張り破断試験を行なったとき、単繊維の引っ張り破断面の少なくとも中心部では繊維軸方向に延びる短い亀裂部しか生じることがない。
【0012】
引っ張り破断した破断側面の中心部に形成された亀裂部の長さが200μmより小さいアクリル系繊維は、上述したように繊維内部での配向が不十分であるため、パイル布帛の製造工程においてポリッシャー加工を施す際に場合に十分に割繊されず、ソフト性に欠けるものになるなど、パイルなどの建寝装素材に必要な風合いを満足し得ないものになる。
【0013】
これに対し、本発明のように引っ張り破断した破断側面から中心部に到る亀裂部の繊維軸方向の長さが200μm以上となるアクリル系繊維は、パイル布帛の製造工程においてポリッシャー加工を施す際に、繊維の先端部分が十分な長さに割繊されてソフト性に優れ、且つ繊維の根元部分では割繊されることなく、十分な腰を維持できるものとなる。なお、割繊性が高すぎるとソフト性は向上するものの、腰の強さがなくなり必要な風合いを備えることができないため、前記亀裂部の長さが200〜1000μmとなるアクリル系繊維であることが好ましい。
【0014】
また、この破断側面の状態は、前記試料の外側面をSEM用試料台に接着してAuを約10nmの厚さにスパッタリングした後、PHILIPS社製XL20走査型電子顕微鏡を使用して、加速電圧7.00kV、作動距離31mmの条件で観察し、亀裂部の長さを測定することにより得られる。
【0015】
(アクリロニトリル系重合体)
本発明におけるアクリロニトリル系重合体とは、アクリロニトリルを含有する単独重合体又は共重合体、或いはこれら重合体や共重合体を混合した混合重合体である。前記共重合体とはアクリロニトリルと共重合し得る単量体との共重合生成物であり、アクリロニトリルと共重合される単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等の酸類及びそれらの塩類、マレイン酸イミド、フェニルマレイミド、(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等、或いはスチレンスルホン酸ソーダ、アリルスルホン酸ソーダ、β−スチレンスルホン酸ソーダ、メタアリルスルホン酸ソーダ等のスルホン基を含む重合性不飽和単量体、2−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン等のピリジン基を含む重合性不飽和単量体等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0016】
上記アクリロニトリル系重合体にはアクリロニトリル単位が50〜95重量%含有されていることが望ましい。前記アクリロニトリル単位の含有量が90〜95重量%の場合には、衣料や寝装としての用途に適した風合い及び強伸度特性に優れたものとなる。また、難燃用繊維等の各種機能をもたせた特殊用途に使用する場合には、それら機能を発現させるための機能性モノマーを多量に共重合する必要があるため、アクリロニトリル単位の含有量は50〜90重量%とすることが望ましい。
【0017】
また、単量体の混合物を共重合する場合に、その方法としては、例えば水溶液におけるレドックス重合、不均一系における懸濁重合、或いは分散剤を使用した乳化重合など、適宜、重合方法を選択でき、重合方法の相違によって本発明が制約されるものではない。
【0018】
(単繊維の形状)
本発明のアクリル系繊維では、単繊維は、繊維の中心から径方向に分岐し長さ方向に連続する複数の扁平状構成枝を備えている。すなわち、同単繊維の断面形状は、中心から放射状に分岐した形状となり、例えば、略Y字状や十字状などが挙げられる。各扁平状構成枝のなす角度は均一であってもよく、略Y字状の場合には3つの扁平状構成枝が互いに120°の角度で分岐している。或いは、各扁平状構成枝のなす角度を異ならせることもできる。更に、各扁平状構成枝の断面形状(径方向の長さ及び幅)は複数の構成枝で一律にすることもでき、或いはそれぞれ異ならせることにより様々な付加的な風合いを付与することができる。
【0019】
このように、繊維の中心から径方向に分岐し長さ方向に連続する複数の扁平状構成枝を備えた単繊維は、立毛製品等に加工した場合に、ソフト性を有すると共に、腰の強さをも満足させるものとなる。特に、繊維の先端部分を割繊させたときにも繊維の根元部分で十分な腰の強さを持たせるためには、3つ又は4つの前記扁平状構成枝を備えた、断面形状が略Y字状又は十字状の繊維形状とすることが望ましい。前記扁平状構成枝の数を増やすと、紡糸口金のノズルを製作する上での問題や、繊維中心の分岐部分に水分が残存して乾燥能力が低下したり、紡糸の安定性が低下するなどの繊維製造上での問題が生じることもある。かかる問題が生じないためには、単繊維は3つの扁平状構成枝からなる断面が略Y字状の形状とすることが最も好ましいといえる。
【0020】
本件請求項2に係る発明は、ヤング率が5800N/mm2 以上であることを特徴としている。
前記ヤング率が5800N/mm2 より低くなると、パイル布帛にした場合に布帛の反発性が不十分となり腰の弱い製品となる。パイル布帛の風合いを考慮し、腰の強さとソフト性とを兼ね備えた風合いとするためには、前記ヤング率が7000〜12000N/mm2 であることがより好ましい。
【0021】
本件請求項3に係る発明は、前記単繊維の中心から扁平状構成枝の先端までの長さaと同構成枝の幅bとの比a/bが2.0〜10.0であることを特徴としている。
前記単繊維の中心から扁平状構成枝の先端までの長さaと同構成枝の幅bとの比a/bが2.0より小さい場合には、十分な腰が得られない。また、前記比a/bが10.0より大きい場合には腰が強くなりすぎて風合いが堅くなり、たとえ繊維の先端部分が割繊していても、十分なソフト感を与えることができない。
【0022】
なお、前記単繊維の中心から扁平状構成枝の先端までの長さaと同構成枝の幅bとを測定する方法としては、例えば、内径1mmの塩化ビニル樹脂製のチューブ内に測定用のアクリル系繊維を通した後、これをナイフで輪切りにして試料を準備する。続いて同試料をアクリル系繊維の断面を上にしてSEM試料台に接着し、更にAuを約10nmの厚さにスパッタリングしてから、PHILIPS社製XL20走査型電子顕微鏡により測定することができる。
【0023】
上述したような本発明のアクリル系繊維を製造するために、本件請求項4に係る発明は、アクリロニトリル単位を50重量%以上、95重量%未満含有するアクリロニトリル系重合体を、有機溶剤に溶解して紡糸原液を調製すること、前記紡糸原液を、中心から複数の放射状に分岐した開口形状をもつ紡糸孔から、有機溶剤の濃度が20〜60重量%である有機溶剤水溶液からなる第1凝固浴中に吐出して凝固糸を形成すること、前記凝固糸を前記第1凝固浴中から、紡糸原液の吐出線速度の0.6〜2.0倍の引き取り速度で引き取ること、次いで、前記凝固糸を、有機溶剤の濃度が20〜60重量%である有機溶剤水溶液からなる第2凝固浴中において、1.1〜2.0倍に延伸すること、更に、3倍以上の湿熱延伸を行なうこと、を含んでなることを特徴としている。
【0024】
上記の工程による本発明のアクリロニトリル系合成繊維の製造方法において、紡糸原液に使用する有機溶剤としては、例えばジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。特に、有機溶剤としてジメチルアセトアミドを使用した紡糸原液では、溶剤の加水分解による性状の悪化が少なく、良好な紡糸性を有するものになるため好ましい。
【0025】
本発明のアクリル系繊維の製造方法においては、得られるアクリロル系繊維の配向性を高めるために、紡糸原液を紡糸口金から第1凝固浴中に吐出させて凝固糸にするときの第1凝固浴として、有機溶剤の濃度が20〜60重量%である有機溶剤水溶液を使用し、且つ、前記第1凝固浴からの引取速度を前記紡糸原液の吐出線速度の0.6〜2.0倍とし、更に、前記第1凝固浴から引き取った凝固糸を、有機溶剤の濃度が20〜60重量%である有機溶剤水溶液からなる第2凝固浴中において1.1〜2.0倍で延伸を施すことが必要である。
【0026】
前記第1凝固浴での引き取り速度が吐出線速度の0.6倍よりも小さい場合、前記繊維の中心から扁平状構成枝の先端までの長さaと、同構成枝の幅bとの比a/bが小さくなり、繊維の先端部分での割繊性に欠けるものとなる。また、前記第1凝固浴での引き取り速度が吐出線速度の2.0倍よりも大きい場合には、前記繊維の中心から扁平状構成枝の先端までの長さaと、同構成枝の幅bとの比a/bが大きくなり、製品にしたときの腰が損なわれるだけでなく、製造時の紡糸性にも悪影響を与える。製品の風合い及び紡糸性を考慮した場合、前記繊維の中心から扁平状構成枝の先端までの長さa/同構成枝の幅bの比は0.8〜1.8であることがより好ましい。
【0027】
前記第1凝固浴から引き出された凝固液(有機溶剤水溶液)を含んだままの膨潤状態にある凝固糸を空気中で延伸することも可能であるが、この凝固糸を上述したように第2凝固浴中で延伸することにより、凝固糸の凝固を促進させることができると共に、この延伸工程での温度制御も容易である。また、トータルの延伸倍率を向上させることができ、均質に凝固した繊維の配向が高まり、繊維の先端部での割繊性向上に大きく寄与する。
【0028】
また、第2凝固浴中での延伸倍率は1.1〜2.0倍であり、同延伸倍率を1.1倍よりも低くすると、均一に配向した繊維が得られなくなる。一方、第2凝固浴中での延伸倍率を2.0倍よりも高くすると、単繊維切れが発生し易くなり紡糸安定性が低下し、しかも、その後の湿熱延伸工程での延伸性も悪化する。この第2凝固浴中での延伸倍率は、紡糸性及び得られた繊維の品質を考慮して、1.2〜1.6倍に設定することがより好ましい。
【0029】
更に、第2凝固浴中で延伸した後の湿熱延伸は、繊維の配向を更に高めるためのものである。前記第2凝固浴中での延伸を終えた膨潤状態にある繊維は、水洗に付しながら延伸することも可能であるが、高生産性の観点から熱水中での湿熱延伸を行なうのことが好ましい。なお、この湿熱延伸工程での延伸倍率を3倍よりも低くすると、繊維の配向を十分に高めることができない。
【0030】
上述のように、第2凝固浴中での延伸とそれに続く湿熱延伸とを行なった後に、更に公知の方法によって乾燥すれば、目的とするアクリロニトリル系合成繊維が得られるものである。
【0031】
更に本発明の製造方法によれば、中心から放射状に分岐して開口する各分岐開口の先端までの長さAと分岐開口幅Bとの比A/Bを2.0〜10.0に設定した前記紡糸孔から前記紡糸原液を吐出することを特徴としている。
前記紡糸孔の中心から各分岐開口の先端までの長さAと分岐開口幅Bとの比A/Bが2.0より小さい場合には、この口金で製造した繊維は十分な腰が得られない。また、前記紡糸孔の中心から分岐開口先端までの長さAと分岐開口幅Bとの比A/Bが10.0より大きい場合には腰が強くなりすぎて、風合いが硬くなり、繊維の先端部が割繊している場合にも十分なソフト性を付与できない。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のアクリル系繊維について図面を参照して説明する。
本発明のアクリル系繊維は、単繊維が、繊維の中心から径方向に分岐し長さ方向に連続する複数の扁平状構成枝を備えた形状となっている。具体的には、前記単繊維の断面形状は、例えば略Y字状や十字状である。また、各扁平状構成枝の断面形状は前記繊維の中心から同構成枝の先端までの長さや幅が一律であってもよく、或いは互いに異ならせることにより様々な風合いを付加できる。また、各扁平状構成枝のなす角度は均一であってもよく、例えば、略Y字状の場合には3つの扁平状構成枝が互いに120°の角度で径方向に分岐している。或いは互いに異なる角度で分岐させることもできる。
【0033】
かかるアクリル系繊維は所定の条件、すなわち、テンシロンUTM−IIなどの引っ張り試験装置を使用して、試長20mmの単繊維を23℃、50%RHの環境下で、変形速度100%/minで引っ張り破断させたときに、単繊維1の破断側面には図1に示すように、繊維中心部に繊維軸方向に亀裂部2が生じ、同亀裂部2の切れ込み終端部2aから破断先端部2bまでの長さLは200μm以上である。
一方、通常のアクリル系繊維では、試長20mmの単繊維を同様に引っ張り破断させたときに、図2に示すように、単繊維1′の破断側面に亀裂部2′が確認できるものの、図1と比べても明らかなように、同亀裂部2′の切れ込み終端2a′から破断先端部2b′までの長さLは極めて短い。
【0034】
このように本発明のアクリル系繊維は、単繊維1を引っ張り破断させたときに、その破断側面において扁平状構成枝の断面中心部に繊維軸方向に亀裂部2の発生しており、且つ、同亀裂部3の長さが200μm以上であることが重要である。この200μm以上の長さをもつ亀裂部2の発生は、単繊維1の表面層だけでなく同単繊維1の内部まで均一に配向がなされた構造になっているときの特性である。このように、繊維内部まで均一に配向しているアクリル系繊維は、パイル布帛に加工した場合に、繊維の先端部分では十分に割繊してソフト性を付与でき、且つ繊維の基部では割繊することなく、十分な腰を維持でき、得られたパイル布帛は優れた風合いを備えたものとなる。
【0035】
以下、本発明について具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。
(実施例1)
アクリロニトリル92重量%と酢酸ビニル8重量%とからなる単量体組成物を、過硫酸アンモニウム−亜硫酸水素ナトリウムによる水系懸濁重合にて重合し、平均分子量130,000のアクリロニトリル系重合体を得た。この重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、前記アクリロニトリル系重合体の濃度が24重量%である紡糸原液を調製した。
【0036】
次いで、この紡糸原液を孔数が6000個の紡糸口金から第1凝固浴中に吐出して凝固糸を形成した。前記紡糸口金としては、紡糸孔10の開口形状が、図3に示すように中心から3つの分岐開口11が放射状に分岐した略Y字状であり、且つ孔中心から前記分岐開口11の端部までの長さAと分岐開口幅Bとの比A/Bが、120/40μm(3.0)であるものを採用した。また、前記第1凝固浴は、温度が40℃、濃度が30重量%のジメチルアセトアミド水溶液からなり、同第1凝固浴中から前記凝固糸を、紡糸原液の吐出線速度の1.6倍の引き取り速度で引き取った。
【0037】
その後、温度40℃、濃度30重量%のジメチルアセトアミド水溶液からなる第2凝固浴中にて1.5倍の延伸を施した。続いて水洗と同時に2.7倍の延伸を施し、更に熱水中で1.9倍の延伸を行なった後、オイリングし、温度150℃の熱ロールで乾燥した。得られたアクリル系繊維をケン縮、熱処理し、切断して単繊維太さ6.6dtexのY字型断面を有する原綿を得た。
【0038】
得られた単繊維のヤング率を測定したところ、6370N/mm2 であり、原綿の光沢や風合も良好であった。
更に、単繊維の断面を観察し、繊維中心から扁平状構成枝の先端までの長さa及び同構成枝の幅bを測定したところ、前記長さa/幅bの比が5.0であった。なお、前記単繊維の断面は、内径1mmの塩化ビニル樹脂製のチューブ内に測定用のアクリル系繊維を通して、これをナイフで輪切りにした試料を、断面を上にしてSEM試料台に接着し、更にAuを約10nmの厚さにスパッタリングしてから、PHILIPS社製XL20走査型電子顕微鏡により、加速電圧7.00kV、作動距離31mmの条件で測定した。
【0039】
また、前記アクリル系繊維を引っ張り破断させて、その破断側面を観察したところ、同破断側面には繊維の中心部に、繊維軸方向に延びる長さ200μmの亀裂部の発生が確認された。なお、前記単繊維は、テンシロンUTM−11を使用して、23℃、50%RHの環境下で、試長20mm、変形速度100%/minで破断させた。また、その破断側面の観察は、試料側面をSEM試料台に接着し、Auを約10nmの厚さにスパッタリングしてから、PHILIPS社製XL20走査型電子顕微鏡により、加速電圧7.00kV、作動距離31mmの条件で行った。
【0040】
また、この実施例1のアクリル系繊維は、上述した亀裂部の長さが200μmであり、繊維はその表層部だけでなく、内部まで十分に配向がなされている。係るアクリル系繊維を用いてパイル布帛に加工したところ、繊維の先端部分では十分に割繊されているが、繊維の根元部分では割繊されず、ソフト性と十分な腰との双方を兼ね備えた優れた風合いを呈するものである。
【0041】
(実施例2)
第2凝固浴中での延伸比を1.8倍にする以外は、実施例1と同様にして、単繊維太さ6.6dtexのY字状断面を有する原綿を得た。得られた単繊維のヤング率は6900N/mm2 であり、原綿の光沢や風合いも良好であった。
更に、実施例1と同様に、単繊維の断面、及び単繊維の引っ張り破断側面を観察したところ、繊維中心から扁平状構成枝の先端までの長さaと同構成枝の幅bとの比a/bが4.0となっており、引っ張り破断側面には繊維中心部に、繊維軸方向に延びる長さ250μmの亀裂部の発生が確認された。
また、この実施例2のアクリル系繊維をパイル布帛に加工したところ、実施例1と同様に、繊維の先端部分では十分に割繊されてソフト性が付与されると共に、繊維の根元部分では割繊されず十分な腰を維持したものであった。
【0042】
(比較例1)
実施例1と同一の紡糸原液を、実施例1と同一の紡糸口金を用いて、実施例1と同一の第1凝固浴中に吐出して凝固糸を形成した。この凝固糸を紡糸原液の吐出線速度の1.6倍の引き取り速度で引き取った後、第2凝固浴での延伸を施すことなく、水洗と同時に2.7倍の延伸を施し、続いて熱水中で1.9倍の湿熱延伸を行った。その後は実施例1と同様に、オイリングして温度150℃の熱ロールで乾燥した。得られたアクリル系繊維をケン縮、熱処理し、切断して単繊維太さ6.6dtexのY字型断面を有する原綿を得た。
【0043】
得られた単繊維のヤング率は5400N/mm2 と低く、反発性に欠けたものであった。
更に、実施例1と同様に、単繊維の断面、及び単繊維の引っ張り破断側面を観察したところ、繊維中心から扁平状構成枝の先端までの長さaと同構成枝の幅bの比a/bが6.0となっていた。また、引っ張り破断側面には繊維中心部に、繊維軸方向に延びる亀裂部の発生は確認されたものの、同亀裂部の長さは150μmと短かった。
この比較例のアクリル系繊維を用いてパイル布帛に加工したところ、繊維の先端部分は割繊されておらずソフト性に欠けるものであった。これは、前記亀裂部の長さが150μmであることから、繊維が内部まで十分に配向されていないためである。また、ヤング率も5400N/mm2 と低いため、パイル布帛は反発性が不十分で腰の弱い製品となった。
【0044】
以上、説明したように、本発明のアクリル系繊維は、繊維の内部構造を均質化することにより、後の布帛の製造工程でポリッシャーや起毛加工等の機械的な力が加わった場合に、短繊維の先端部分での割繊性に優れ、且つ繊維の根元部分ではその腰を十分に維持することができ、ソフト性と腰とに優れた繊維である。また、本発明のアクリル系繊維の製造方法によれば、繊維の製造工程において割繊することがなく、上述した優れたアクリル系繊維を容易、且つ安定して高効率に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクリル系繊維を引っ張り破断した破断側面の状態を、走査型電子顕微鏡によって観察した模型図である。
【図2】従来のアクリル系繊維を引っ張り破断した破断側面の状態を、走査型電子顕微鏡によって観察した模型図である。
【図3】本発明のアクリル系繊維の製造方法において用いられる紡糸口金の紡糸孔の開口形状を示す正面図である。
【図4】特開平10−251915号公報に開示されている従来のアクリル系繊維の断面形状を示す概略図である。
【符号の説明】
1 単繊維
2 亀裂部
2a 亀裂部の切れ込み終端部
2b 亀裂部の破断先端部
10 紡糸孔
11 扁平部
Claims (4)
- アクリロニトリル系重合体からなり、単繊維は、繊維の中心から径方向に分岐し長さ方向に連続する複数の扁平状構成枝を備えてなるアクリル系繊維であって、
引っ張り試験装置を使用して、試長20mmの単繊維を23℃、50%RHの環境下で、変形速度100%/minで引っ張り破断させたとき、単繊維の破断側面の中心部に長さ200μm以上の繊維軸方向に沿った1以上の、繊維の破断した端部から連続する亀裂部が生じることを特徴とするアクリル系繊維。 - ヤング率が5800N/mm2 以上であることを特徴とする請求項1に記載のアクリル系繊維。
- 前記単繊維の中心から扁平状構成枝の先端までの長さaと同構成枝の幅bとの比a/bが2.0〜10.0であることを特徴とする請求項1記載のアクリル系繊維。
- アクリロニトリル単位を50重量%以上、95重量%未満含有するアクリロニトリル系重合体を、有機溶剤に溶解して紡糸原液を調製すること、
前記紡糸原液を、中心から放射状に分岐して開口する各分岐開口の先端までの長さAと分岐開口幅Bとの比A/Bを2.0〜10.0に設定した紡糸孔から、有機溶剤の濃度が20〜60重量%である有機溶剤水溶液からなる第1凝固浴中に吐出して凝固糸を形成すること、
前記凝固糸を前記第1凝固浴中から、紡糸原液の吐出線速度の0.6〜2.0倍の引き取り速度で引き取ること、
次いで、前記凝固糸を、有機溶剤の濃度が20〜60重量%である有機溶剤水溶液からなる第2凝固浴中において、1.1〜2.0倍に延伸すること、更に、3倍以上の湿熱延伸を行なうこと、
を含んでなることを特徴とするアクリル系繊維の製造方法。
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