JPH10504616A - アクリロニトリルフィラメントの製法 - Google Patents
アクリロニトリルフィラメントの製法Info
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- JPH10504616A JPH10504616A JP8508097A JP50809796A JPH10504616A JP H10504616 A JPH10504616 A JP H10504616A JP 8508097 A JP8508097 A JP 8508097A JP 50809796 A JP50809796 A JP 50809796A JP H10504616 A JPH10504616 A JP H10504616A
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- D01F6/00—Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
- D01F6/02—Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
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Abstract
(57)【要約】
アクリル繊維を作る方法において、ポリマーの組成および紡糸浴の組成の制御が、改善された製品の性質をもたらす。
Description
【発明の詳細な説明】
アクリロニトリルフィラメントの製法
本発明の背景
本発明は、アクリロニトリルポリマーフィラメントを作るための湿式紡糸法に
関する。
アクリロニトリルポリマーフィラメントの製造のための湿式紡糸法は、周知で
ある。例えば米国特許3,008,188および3,402,235が参照され
、しかしてそれらの開示は参照によりここに組み込まれる。かかる方法において
、アクリロニトリルポリマー溶液は、一般に水および溶媒からなる凝固剤浴中に
沈められた紡糸口金を通じて押し出される。ポリマー溶液の押し出された流れ中
の溶媒は該浴中に移行し、そしてフィラメント形態の該ポリマーの固化がもたら
されることになる。該ポリマーは、一般に、依然該凝固浴中にある間に延伸され
て(引っ張られて)、ポリマー用溶媒と浴液の交換から生じる空洞(ボイド)を
少なくとも部分的に崩壊させる。通常、凝固中、凝固されつつあるフィラメント
中への凝固浴液の内方拡散並びに凝固浴中へのポリマー用溶媒の対応する外方移
動が生じる。たいていの従来の商業的方法における溶媒と浴液は、生じるフ
ィラメントがそれらの長さ方向に沿って空洞または穴(これは光学位相顕微鏡で
明瞭に見られ得る。)を含有するように交換される。これらの空洞または未充填
空間を含有するフィラメントは、ある最終用途にとって必要な物理的性質を所有
しない。例えば、かかるフィラメントは、空洞を含有しないフィラメントと比べ
て、艶を失った外観、低い靭性および低い耐摩耗性を示す。
フィラメントにおいて本来的に形成されたこの物理的弱さを解消するために、
該フィラメントの加工中積極的な後処理工程が通常取られる。該フィラメントの
靭性は、延伸してポリマー分子を分子的に配向しかつ空洞を少なくとも部分的に
崩壊させることにより大いに向上される。これらの空洞を一層完全に崩壊させる
ために、該フィラメントは張力下でやや高い温度にて乾燥され得、それにより一
層密なフィラメント構造が形成される。該フィラメントの靭性は、かかる後処理
により一般に満足なものとなる。しかしながら、靭性は主としてフィラメントの
長さ方向の性質であり、そして満足する靭性のみでは、性質の最適なバランスを
有するフィラメントの取得に対する完全な解答にならない。多くの最終用途にお
いて、耐摩耗性並びに曲げ
時の耐破断性(曲げ寿命)が高度に重要である。かかる性質は、長さ方向の性質
と区別されるので横方向の性質とみなされ得る。張力下の乾燥は空洞のないフィ
ラメントを形成させる錯覚を与えるけれども、それらの空洞は単に崩壊されるに
すぎない。崩壊された空洞はフィラメントの長さ方向の性質を有意な程度に減じ
ないけれども、横応力はフィラメントが裂けたりまたは破断したりする原因とな
ることが分かった。即ち、単に崩壊されている空洞を有するフィラメントは、横
方向に弱い。
光学位相顕微鏡下で目視可能である空洞の有り得る存在に加えて、電子鏡検法
は、顕微鏡下でも見えない孔または隙間空間(それらのほとんどは、互いに連通
している。)のネットワークを示す網状構造がフィラメント中に存在することを
示した。新たに紡糸されたフィラメント即ち構造の顕著な変化をもたらすいかな
る後処理にも付されることなく凝固されたフィラメント中の孔は、電子顕微鏡下
で容易に観察され得る。該フィラメントからなるポリマーは、一体的に接合され
た紐の格子細工の形態を取るように思える。該ポリマーの格子は、それらの隙間
がサイズおよび形状において通常幾分不規則であるけれども、細くて極めて小さ
い網細工の模様に類似する模様を有する。通
常の湿式紡糸技法により製造されたフィラメント中に存在する微孔は、それらが
凝固浴を去る時、多少球状である。これらの空間を横切る距離は、通常約250
A.ないし3000A.またはそれより大である。水性凝固浴を用いる通常の湿
式紡糸技法により製造されたフィラメント中の微孔の発生頻度は電子顕微鏡下で
決定され得、そして通常ポリマー1グラム当たり35〜90×1014である。
当該技術により、フィラメントをアニーリング操作に付すことによりフィラメ
ントの性質が実質的に改善され得るということが見出されている。アニーリング
は、アクリロニトリルポリマーフィラメントを閉鎖室中に置き、それらを湿り水
蒸気の存在下で高い温度および圧力に付し次いで該室を排気することにより達成
され得る。この処理サイクルは、必要とされる回数繰り返される。このアニーリ
ング操作は費用がかかりかつ手間がかかる、ということが認められよう。しかし
ながら、慣用的に湿式紡糸されたアクリルフィラメントの後処理におけるアニー
リング工程を省くと、裂けたりまたはフィブリル化する傾向を有するフィラメン
トがもたらされることになり、従って該フィラメントは低い耐摩耗性を有する。
本発明の前には、商業的方法にとって望ましくない有機溶媒系を用いる方法以
外の有機の非塩(nonsalt)を基剤とした溶媒を用いる方法は、高圧水蒸気アニ
ーリング工程なしでは許容され得る性質を有する製品を得ることを可能にしなか
った。
許容され得る性質を得るために回分的アニーリングを必要としないフィラメン
トを提供することの可能な改善された湿式紡糸法は、実質的な技術的改善を成す
、ということが当業者により認められよう。
本発明の要約
本発明は、アクリロニトリルポリマーフィラメントを湿式紡糸する方法を提供
する。一層特定的には、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)またはジメ
チルホルムアミド(DMF)好ましくはDMAc中の、1グラム当たり少なくと
も30マイクロ当量の強酸基を含有するアクリロニトリルポリマーの溶液が、水
/N,N−ジメチルアセトアミドまたは水/ジメチルホルムアミドの凝固浴中に
押し出される。ポリマーの組成と凝固浴の組成は、少なくとも0.60の計算R
ho値(後で定義される通り)をもたらすよう関係付けされる。これにより、回
分的アニーリングなしで商用的に有用であるようにされ得るフィ
ラメントもしくは所望するなら優れた性質を与えるために慣用的にアニーリング
され得るフィラメントがもたらされることになる。
本発明は、好ましい具体的態様の次の記載から理解されよう。
好ましい具体的態様の記載
本発明に従って紡糸されるポリマーは、0重量%ないし15重量%の中性コモ
ノマー即ち強酸基を含有しないビニルアセテートまたはメチルメタクリレートの
ようなコモノマーと共重合され得るアクリロニトリルのポリマーであり得る。該
ポリマーは、30〜250マイクロ当量/gの強酸基(サルフェート基またはス
ルホネート基)を含有し得、しかして該強酸基は、レドックスカップリング重合
法(redox couple polymerization proces
s)によりもしくは酸性コモノマー(例えばナトリウムパラ−スルホフェニルメ
タアリルエーテル(SPME)、ナトリウムメチルスルホネートまたはナトリウ
ムスチレンスルホネート)との共重合によりもしくは両者により与えられ得る。
該ポリマー中の強酸基の数が増加するにつれて、所要Rho値(後で論じられる
。)を提供することの可能な凝固浴濃度(後で論じられる。)の範囲
は広がる。該ポリマーは、0重量%ないし3重量%の水を含有し得るN,N−ジ
メチルアセトアミド(DMAc)またはジメチルホルムアミド(DMF)もしく
はそれらの混合物中に溶解される。この溶液は、20重量%ないし26重量%の
ポリマーを含有する。
該溶液は、紡糸口金(慣用の設計のものであり得る。)を通じて凝固浴中に押
し出される。該凝固浴は10℃ないし32℃の温度に維持され、そしてDMAc
またはDMF(好ましくは、DMAc)もしくはそれらの混合物および水から本
質的に成る。所要Rho値をもたらす溶媒対水のモル比は、凝固浴からポリマー
溶液中への水の拡散の速度およびポリマーの相(phrase)分離の速度に関連づけ
られると信じられる。水対溶媒のモル比が拡散の速度を制御しそしてポリマーの
強酸基のレベルがポリマーの相分離の速度を制御する、と信じられる。約(±0
.2)2/1の水/溶媒のモル比が、最適であると思える。この比率において、
水は溶媒と会合され、そしてその系は、凝固しつつある繊維中への最も遅い拡散
速度をもたらすはずである単一相凝固剤として挙動する。
Rho値は、次式:
Rho=2.44R−1.36
〔ここで、R=r1+r2−(r1×r2)であり、しかしてr1は水の拡散速度で
ありかつe[(2-W/S)/2](ここで、W/Sは凝固浴中の水対溶媒のモル比である
。)に等しく、そして
r2はe[(サルフェート 基およびスルホネート基の、1グラム当たりのマイクロ当量数-95)/95]に等しい
ポリマーの相分離速度である。〕
により計算される。
ポリマーの組成と凝固浴中の水対溶媒の比率は、繊維密度が少なくとも0.6
0好ましくは少なくとも0.8最も好ましくは1.0またはそれ以上になるよう
に相関させられる。一層高いRho値は、非常に高いレベルの強酸基を含有する
コポリマーが高価である故におよび/または低いW/S比を有する凝固浴におい
てフィラメントが一緒に粘着する(結合する)傾向がある故に、実用的に劣り得
る。
特定されたRho値は、DMAcまたはDMFのドープおよび凝固浴溶媒の系
を用いる従来の湿式紡糸法について計算される値よりも有意に高い。湿式紡糸技
術における当業者は、本方法がより高い強酸基レベルを有するコポリマーおよび
/または凝固浴中のより低い水対溶媒の比率の使用(それらの組合わせ
は、一層高い計算Rho値に移る。)により主として特徴づけられると認識しよ
う。かかる高いRho値は、紡糸されたままの(as-spun)繊維の高い密度(繊
維マトリックス中の低減された容積の空洞)と相関すると信じられるが、しかし
出願人はこの理論により縛られることを意図しておらず、何故なら該理論を確認
するための繊維密度測定技術は好都合には実施され得ないからである。
所要Rho値をもたらすためにポリマーおよび凝固浴の組成を選択することに
加えて、或る他のプロセス制限が観察される。
本ポリマーは、0重量%ないし15重量%のビニルアセテートを含有しかつ1
グラム当たり総計30〜250マイクロ当量のサルフェート基および/またはス
ルホネート基を有するアクリロニトリルポリマーであり得る。これらの強酸基は
、好都合には、アクリロニトリルレドックスカップリング重合によりもしくは酸
性コモノマーの共重合により与えられ得る。
本ポリマーは、0重量%ないし3重量%の水を含有するDMAcまたはDMF
である溶媒中の20重量%ないし26重量%の溶液として押し出される。
本凝固浴は、所要Rho値をもたらすためにコポリマーの強
酸基含有率と相関させられた比率のDMAcまたはDMFおよび水から本質的に
成る。該浴は、10℃〜32℃の温度に維持される。
紡糸口金を出た際のフィラメントにより接触される最初の延伸ロールの組の速
度を該紡糸口金を通過するポリマー溶液の速度で割ったものである噴流延伸(je
t stretch)は、0.2と1.0の間好ましくは0.4ないし0.6に制御され
る。一層低い噴流延伸においては加工の困難性に遭遇し、そして一層高い噴流延
伸においては空洞サイズが増大する傾向にある。
2×と8×の間の湿潤延伸(wet slrech)は、フィラメントを第2のより高速
のロールの組中に供給しそしてこれらの湿潤フィラメントを延伸することにより
与えられる。一層低い湿潤延伸においては低い繊維強度がもたらされることにな
り、そして一層高い延伸は紡糸浴中で生じた空洞を開放する傾向にある。3〜6
×の湿潤延伸が好ましい。
上記に記載された方法により製造された繊維は、一般に、最終使用に先立って
“インライン緩和”または回分的アニーリングにより処理される。
インライン緩和は、フィラメントを熱水浴(通常、88℃な
いし沸点)中に供給しそしてフィラメントをより遅い速度にて引き取って該浴中
で起こる収縮を補償することにより達成される。緩和されたフィラメントは慣用
の加熱ロールまたは加熱空気により乾燥され、そして回分的アニーリング過程の
必要なしでそのままもしくはステープルに変換された後使用に適合する。このこ
とは、慣用的に製造されたフィラメントは回分的アニーリングを必要とするので
、本発明の主要な利点である。
所望するなら、本発明の方法により製造されたフィラメントは慣用の回分的ア
ニーリング過程に付され得、しかしてこの場合、回分的アニーリングされた従来
法のフィラメントの性質よりも優れた性質を得ることが可能である。
本発明は、次の例により更に例示される。
例1
比較の目的のために与えられるこの例は、従来の商業的方法を用いるアクリル
繊維製品の製造並びに生じた製品の性質を示す。
99.9重量%のDMAcおよび0.1重量%の水から成る溶媒中のコポリマ
ーの25重量%溶液を調製する。該コポリマーは、7.4重量%のビニルアセテ
ートおよび92.6重量%
のアクリロニトリルを含有する。該コポリマーは、1グラム当たり34マイクロ
当量の、レドックスカップリング反応からの強酸基を含有する。
該溶液を、109リットル/時の速度にて、40,000個の0.076ミリ
メートルの直径の毛管開口を有する紡糸口金を通じて、52重量%のDMAc、
48重量%の水の混合物95リットルを含有しかつ38℃に維持される凝固剤浴
中に押し出す。
形成された繊維を、0.47の噴流延伸比を与えるべく5.64メートル/分
の速度にて作動する第1のロールの組に通すことにより該凝固浴から引き取り、
そして98℃における水を介して、6×の湿潤延伸を与えるべく33.8メート
ル/分の速度にて作動する第2のロールの組中に通す。
これらの繊維を、35PSIG(3.43バール)水蒸気に20分間曝すこと
により回分法にてアニーリングする。仕上げの水乳濁液を98℃にてこの繊維束
に通して循環させ、そしてこれらの繊維を、90PSIG(7.22バール)水
蒸気により加熱された熱ロール上を通過させることにより乾燥する。
製造された繊維は、フィラメント当たり5デニール(5.5
デシテックス)である。この例において用いられたコポリマーは34マイクロ当
量/gの強酸基を含有し、そして凝固浴のW/S比は4.47である。かくして
、Rhoは、0.26であると計算される。
製造された繊維は慣用の5dpf商用繊維の典型であり、そして平織りの椅子
張りおよびセーター用布における用途にとって許容され得る性質を有する。
例2
この例は、本発明の方法によるアクリル繊維の製造並びに得られた製品の性質
を例示する。
99.25重量%のDMAcおよび0.75重量%の水から成る溶媒中のコポ
リマーの25重量%溶液を調製する。該コポリマーは、6.3重量%のビニルア
セテート、1g当たり48マイクロ当量の、ポリマー末端基とSPMEコモノマ
ーの結合物としての強酸基、および93.4重量%のアクリロニトリルを含有す
る。該溶液を、109リットル/時の速度にて、40,000個の5ミル(0.
076ミリメートル)の毛管開口を有する紡糸口金を通じて、71重量%のDM
Ac、29重量%の水の混合物95リットルを含有しかつ30℃に維持され
る凝固剤浴中に押し出す。形成された繊維を、0.57の噴流延伸比を与えるべ
く5.64メートル/分の速度にて作動する第1のロールの組に通すことにより
該凝固浴から引き取り、そして98℃の水を介して、4.3×の湿潤延伸を与え
るべく24.2メートル/分の速度にて作動する第2のロールの組中に通す。
この繊維に、第2のロールの組から98℃の水浴を介して65ft/min(
19.8メートル/分)の速度にて作動する第3のロールの組中に通すことによ
りインライン緩和を与える。回分法のアニーリングは与えない。仕上げを例1に
おいてのように適用し、そして90PSIG(7.22バール)水蒸気で加熱さ
れたロールを通過させることにより繊維を乾燥する。生じた繊維製品は、フィラ
メント当たり5デニール(5.5デシテックス)である。用いられたポリマーは
1グラム当たり48マイクロ当量の強酸基濃度を有し、そして凝固浴のW/S比
は1.97である。かくして、Rhoは、1.09であると計算される。ウィゼ
ンベック試験(ASTM D3597)において、この例により製造された繊維
から作られたステープル糸から作られた布は、例1に従って製造された繊維から
のステ
ープルスパンから作られた布の2倍を越える回数のサイクルに耐える。
例3
この例は、本発明の方法により製造されかつ回分法のアニーリングに付された
製品を従来の浴法のアニーリングされた製品と比較する。
99.25重量%のDMAcおよび0.75重量%の水から成る溶媒中のコポ
リマーの25重量%溶液を調製する。該コポリマーは、6.3重量%のビニルア
セテートおよび93.7重量%のアクリロニトリルを含有し、しかも48マイク
ロ当量/gの、レドックスカップリング重合からの強酸末端基を有する。該溶液
を、93リットル/時の速度にて、60,000個の2.5ミル(0.063ミ
リメートル)の毛管開口を有する紡糸口金を通じて、69%のDMAc、31%
の水の混合物95リットルを含有しかつ30℃に維持される凝固剤浴中に押し出
す。
これらの繊維を0.48の噴流延伸比でもって凝固浴から引き取り、そして4
.77の湿潤延伸を与える。仕上げを以前の例においてように適用し、そしてこ
れらの繊維を乾燥する。
これらの繊維を、40PSIG(3.77バール)水蒸気に20分間曝すこと
により回分的にアニーリングする。
生じた繊維は、フィラメント当たり5デニール(5.5デシテックス)である
。用いられたポリマーは48マイクロ当量/gの強酸基を含有し、そして凝固浴
のW/S比は2.17である。かくして、Rhoは、0.998であると計算さ
れる。
従来の“対照”繊維を製造するために、コポリマードープが、99.9%のD
MAcおよび0.1%の水から成る溶媒中のコポリマーの25%溶液であること
以外は上記の処理操作を繰り返す。該コポリマーは、7.4重量%のビニルアセ
テート、34マイクロ当量の、レドックスカップリングアクリロニトリル重合系
からの強酸基、および92.6重量%のアクリロニトリルを含有する。この“対
照”法において、凝固浴は35℃に維持される52%のDMAcおよび48%の
水の混合物である。繊維を0.59の噴流延伸にて引き取り、そして5.66×
に湿潤延伸する。生じた製品はフィラメント当たり5デニール(5.5デシテッ
クス)であり、そして0.26の計算Rhoを有する。
本発明の方法により製造された製品並びに対照は両方共、商
業的に許容され得る製品である。しかしながら、ウィゼンベック試験において、
本発明に従って製造された繊維から作られたスパンステープル糸から作られた布
は、対照繊維糸から作られた比較布の2倍を越える回数のサイクルに耐える。
本発明は、特定の具体的態様に言及して記載および例示されている。添付の請
求の範囲の範囲内の他の具体的態様が、当業者に明らかであろう。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. アクリロニトリルポリマーの20重量%〜26重量%の溶液であって、溶 解ポリマーが0重量%〜15重量%の中性コモノマーを含有しかつ1グラム当た り総計30〜250マイクロ当量のサルフェート基および/またはスルホネート 基を有するアクリロニトリルポリマーであり、そして溶媒が0重量%〜3重量% の水を含有するN,N−ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミドもし くはそれらの混合物である該溶液を、10〜32℃の温度に維持された凝固浴で あって、式: Rho=2.44R−1.36 〔この式中Rはr1+r2−(r1×r2)に等しく、しかしてr1=e[(2-W/S)/2] (W/Sは、凝固浴中の水対溶媒のモル比である。)であり、そして r2=e[(サルフェート 基およびスルホネート基の、1ク゛ラム当たりのマイクロ当量数-95)/95]である 。〕 により定義されるRhoが0.6より大きくなるように選択されたモル比のN, N−ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド溶媒もしくはそれらの混 合物および水から本質的に 成る該凝固浴中に押し出し、そして0.2〜1の噴流延伸でもって該浴からフィ ラメントを引き取りそして該フィラメントに2×〜8×の湿潤延伸を与えること により、アクリロニトリルポリマーフィラメントを作る方法。 2. 噴流延伸が0.4〜0.6であり、そして湿潤延伸が3〜6である、請求 の範囲第1項の方法。 3. Rhoが少なくとも0.8である、請求の範囲第2項の方法。 4. 溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドである、請求の範囲第2項の方法。 5. アクリロニトリルポリマーが共重合化酸性コモノマーを含有する、請求の 範囲第4項の方法。 6. アクリロニトリルポリマーが共重合化中性コモノマーを含有する、請求の 範囲第4項の方法。 7. アクリロニトリルポリマーが共重合化中性コモノマーおよび共重合化酸性 コモノマーを含有する、請求の範囲第4項の方法。 8. 水対溶媒の比率が約2である、請求の範囲第4項の方法。 9. フィラメントをインライン緩和工程に付すことを更に含 む、請求の範囲第8項の方法。 10. Rhoが少なくとも0.8である、請求の範囲第7項の方法。
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