JPS61119707A - 耐久性、発色性に優れたアクリル系繊維及びその製法 - Google Patents

耐久性、発色性に優れたアクリル系繊維及びその製法

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JPS61119707A
JPS61119707A JP59237455A JP23745584A JPS61119707A JP S61119707 A JPS61119707 A JP S61119707A JP 59237455 A JP59237455 A JP 59237455A JP 23745584 A JP23745584 A JP 23745584A JP S61119707 A JPS61119707 A JP S61119707A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アクリロニトリル重合体又はアクリロニトリ
ル共重合体から構成されてなる耐久性、発色性に優れた
アクリル繊維及びその製法に関するものである。
〔従来の技術〕
アクリル繊維の特徴は、製造法が極めて多種多様なこと
である。これは、原料になる重合体が、単一成分のみな
らず、アクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸ソーダ
、スチレン、スルホン酸ソーダ、アクリル酸メチル、酢
酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の共重合成分
を含むことや、ポリマーを溶解する溶剤が、ロダン塩水
溶液、塩化亜鉛水溶液、硝酸等の無機溶剤、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル→ボ
キシド等の有機溶剤のように多種存在すること、さらに
、湿式紡糸法においては、凝固剤の種類が水系、非水系
の両者に亘シ多種存在するととによる。
通常の湿式紡糸法においては、工業的な理由、たとえば
、可紡性や生産性等を考慮して、凝固浴中で、紡糸用ド
ープが速やかに凝固して繊細化する条件になるように凝
固浴の組成が設定されるのが一般的である。しかしなが
ら、このような組成の凝固浴を使用して繊維を得た場合
、凝固浴の凝固力が強く、繊維の表面に01μm〜数μ
程度の厚さの緻密で堅いスキン層が形成され、内部には
ボイドが形成される。とのようなスキン層は、染色時の
染料の拡散障害になるばか)でなく、繊維の柔軟性等の
物性の低下の原因に々ると考えられる。
また、ボイドの存在も、失透現象、発色性の低下、柔軟
性の欠如等の物性上の欠点になることが多い。
このスキン層やボイドも、延伸熱処理等の後処理によっ
て見掛は上消失する。
一方、アクリル系繊維は、カチオン染料によって染色さ
れ、優れた耐久性や鮮やかな発色性を生かし、カーテン
、カーペット々どのインテリア分野、毛布などの寝装分
野、ニット、ジャージイーなどの衣料分野で広く用いら
れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
最近の消費者ニーズの多様化にともない、アクリル系繊
維において、より耐久性のある繊維、より深みのある良
好な発色性を有する繊維が要求されるに至っている。
本発明者らは、このような現状に鑑み、鉄量検討を重ね
た結果、凝固過程で発生する、スキン層やボイドを本質
的に消失させ、連続性のあるフィブリルを形成させるこ
とによって、優れた耐久性、発色性を不するアクリル繊
維を得ることに成功した。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明は、アクリロニトリル重合体又はアクリロ
ニトリル共重合体から構成されてなる繊維であって、繊
維の表面が幅0.01〜05μm、長さ0.05〜10
μmの粒子状及び/又はミクロフィブリル状構造物と、
該粒子状及び/又はミクロフィブリル状構造物が集合し
て形成された幅0.1〜10邑長さ50μm以」二のフ
ィブ靜族構造物で構成されるアクリル繊維を提供するも
のであって、この表面構造を持つ繊維は優れた耐久性、
深みのある発色性を有する。
との繊維は、アクリロニトリル重合体又−:アクリロニ
) IJル共重合体とその溶剤から調製されたドープを
使用して、湿式法を利用して繊維を成形する場合におい
て、ドープをスキン層形成不能濃度範囲内に設定された
溶剤と凝固剤から成る凝固浴に紡出し、ついでスキン層
形成不能濃度範囲内に設定された溶剤と凝固剤から成る
延伸浴中で延伸することを特徴とする製法によって得る
ことができる。
本発明の繊維は、アクリロニ) IJル重合体又はアク
リロニトリル共重合体から構成されてなる繊維であって
、アクリロニトリル共重合体は重指分率で50%以上の
アクリロニトリルを含有するものであり、好適には85
%以上含有するものである。共重合可能な単量体として
は、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及び
そのエステル類、アクリルアミド及びN置換アミド類、
塩化ビニル等のビニルハライド類、酢酸ビニル等のビニ
ルエステル類、イタコン酸、マレインe 等(7) ヒ
ニルジカルボン酸及びそのエステル類、塩化ビニリデン
等のビニリデンハライド類、ビニルピリジン及びそのN
置換体類、ビニルピロリドン、スチレン、アリルスルホ
ン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のス
ルボン酸化合物及びその塩類が挙げられ、これらの2種
以上を共重合に用いることもできる。
本発明の繊維は、繊維の表面が幅0.01〜05μm、
長さ0.05〜10μmの繊維軸方向に配列した粒子状
及び/又はミクロフィブリル状構造物から構成されてい
るのが特徴である。従来のアクリル系繊維においては、
表面には、このような粒子状/又はミクロフィブリル状
の構造物は存在せず、繊維軸に比較的平行な筋が観察さ
れるのみである。
従来の繊維に見られる筋は、延伸あるいは熱処理工程に
おいて発生するアクリル系繊維の体積収縮による皺によ
るもの、あるいは乾式紡糸繊維においては溶媒の蒸発跡
が延伸によって筋状化したものと解釈される。本発明の
粒子状及び/又はミクロフィブリル状構造物は、凝固時
に起こるミクロ相分離によって発生したゲル粒子が延伸
工程で繊維軸方向に引き伸されて形成された本発明に固
有の構造的特徴である。従来のアクリル系繊維において
は、凝固が、スキン層形成不能濃度範囲より低い、スキ
ン層形成濃度の凝固浴で行なわれるため、凝固時に緻密
で堅いスキン層が繊維表面に形成される。このスキン層
は、染色時の染料の拡散障害になり、また繊維の風合い
を堅いものにする等、物性を低下させる原因となること
が多い。本発明の繊維においては、このよう々スキン層
は存在せず、代りに粒子状及び/又はミクロフィブリル
が存在している。しかして、この存在によって極めて優
れた発色性が生じ、染着速度も速く、オた柔軟な風合を
示す繊維が得られることか最大の特徴の一つである。ま
た、驚くべきことに、後述する紡糸方法を採用した場合
、凝固、延伸によって従来の繊維については、凝固、延
伸時に存在する100〜2000A程団のボイドが全く
存在せず、本質的に透明な繊維が得られることが判明し
た。
この繊維は、染色することによって、極めて深みのある
良好な発色性を示す。好適な繊維は、繊維表面が幅0.
05〜0.3 μm 、長さ0.5〜10μmの粒子状
及び/又はミクロフィブリル状構造物で形成されておシ
、長軸が繊維軸方向に配列している。
この粒子状及び/又はミクロフィブリル状構造物の存在
は、市販の走査型電子顕微鏡、例えば、日本電子■製J
SM−35CF走査型電子顕微鏡によって、加速電圧5
〜1.5 KV、倍率3000〜30000倍の観察条
件で確認することができる。第1図に本発明の繊維の典
型例、第2図に従来の繊維の典型例の走査型電顕写真を
示す。
さらに本発明の繊維はその表面が該粒子状及び/又はミ
クロフィブリル状構造物が集合して形成された幅01〜
10μm1長さ50μm以上のフィブリル状構造物で構
成されることが構造の特徴の一つである。フィブリル状
構造物は、その長軸が殆んど繊維軸方向に平行に配列し
ている。好適なものは、幅01〜10μmのフィブリル
状構造物が、繊維軸方向へ、長さ100μm以上連続し
ているのが特徴である。従来のアクリル系繊維において
は、このようなフィブリル状構造物の存在は確認でき々
いが、前述した、体積収縮による皺、あるいは溶媒の蒸
発跡によって形成されたと思われる、本発明のフィブリ
ル状構造物に類似した筋が存在するのが特徴である。し
かしながら、この筋の繊維軸方向への連続性は一般的に
、50μm以下で、通常1〜30μm程度が殆んどであ
る。本発明のアクリル系繊維は、このフィブリル状構造
物が存在するため、強靭で、きわめて優れた耐久性を示
し、耐岸耗性、耐フィブリル性、圧縮回復率が良好で、
フライの発生が少ないことが特徴である。このフィブリ
ル状構造物の存在も、前述の、走査型電子顕微鏡によっ
て確認することができる。
本発明の繊維は、アクリロニ) IJル重合体又はアク
リロニトリル共重合体とその溶剤から調製されたドープ
を使用して、湿式法を採用することによって得ることが
できる。ドープをスキン層形成不能製団範囲内に設定さ
れた溶剤と凝固剤から成る凝固浴に紡出し、ついでスキ
ン層形成不能濃度範囲で凝固可能濃度以下に設定された
溶剤と凝固剤から成る延伸浴で延伸することによって糊
られる。
とこで、スキン層形成不能濃度範囲は走査型電子顕微鏡
によって決定することができる。繍4維形成に使用され
るドープを、スライドグラス上に数μm〜1順程度の厚
さに塗布し、これを溶剤と凝固剤から調製された凝固浴
に浸漬する。凝固浴の温度は繊維形成に使用される温(
9)に設定する。凝固浴は、溶剤の凝固浴中に占める重
量百分率が1%間隔になるように濃度を変化させたもの
を必要な数用意する。凝固完了後、水洗し、メタノール
で洗浄後、風乾してフィルム状物を得る。このフィルム
の表面を走査型電子顕微鏡、たとえば、日本電子@製走
査電子顕微鋳JSM−35CFを使用し、加速電圧5〜
15KV、倍率10000倍で観察する。
観察に際しては、50〜500Aの厚さのAuを表面に
コーティングする。この観察によって、スキン層が形成
される場合は、10000倍の倍率において、フィルム
の表面は平滑で多少の起伏、付着物が観察されるのみで
ある。スキン層が形成不能製団範囲に入ると、表面に0
.05μm〜数十μmの孔や、0.05μm〜0.5μ
m8度の粒状物が観察されるようになる。この方法によ
って、スキン層形成不能濃度範囲の下限濃度を決定する
ことができる。
上限濃度はドープの凝固不能濃度として決定することが
できる。
本発明の湿式紡糸法において使用される凝固浴は、アク
リロニトリル重合体又はアクリロニトリル共重合体を溶
解さることが可能な溶剤と凝固剤から構成されてなる。
従来、溶剤としては、無機系溶剤として、ロダン塩、臭
化リチウム、塩化亜鉛、過塩素酸アルミニウム等の無機
塩類の濃厚水溶液、硝酸、硫酸、過塩素酸等の無機酸濃
厚水溶液、有機溶剤として、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等のアミド系化合物、ニトリル系化
合物、ジメチルスルホキシド等のスルホン及びスルホキ
シド系化合物、チオシアネート系化合物、ニトロ系化合
物、アミン系化合物、リン化合物、カーボネート系化合
物やこれらの混合物が使用されている。また、凝固剤と
しては、水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸
、エチレングリコール、四環(IJ[、キシレン、ベン
ゼン等が知られている。工業的に利用される凝固浴の組
成としては、上述の溶剤と水の組合せが一般的であり、
回収等の生産性面から、凝固浴中の溶剤とドープ中の溶
剤としては通常同一のものが使用される。
通常の場合、これらの凝固浴中に占める溶剤の濃度は、
スキン層が形成される濃度範囲が使用される。これは、
工業的な生産性を考慮した場合に、紡糸の安定性や操業
性に優れた条件が選択されるからである。また、スキン
層形成不能濃度範囲では、凝固浴内で凝固した繊維が蛇
行し、得られる繊維が白濁し、透明感を消失すること、
凝固に長時間を有すること等の欠点があったからである
本発明の繊維は、このよう々問題を解決するために、ス
キン層形成不能濃度範囲に設定された凝固浴でNf:固
させた後、さらにスキン層形成不能濃度範囲に設定され
た延伸浴で延伸されて得ることができる。
スキン層形成不能濃度範囲は、凝固浴に使用するアクリ
ロニトリル重合体又は共重合体の溶剤の種類によって異
なるが、凝固剤が水の場合は、硝酸では38〜50重量
%、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシドでは65〜90重量%、ロダン塩、
塩化亜鉛では20〜40重量%の範囲が好んで使用され
るが、温度や第三成分の添加によっても多少適正濃度が
変化するため、正確な決定は、前述した走査型電子顕微
鏡を利用することによって行うべきである。
本発明の繊維は、凝固浴から巻き上げられた後、さらに
、スキン層形成不能濃度範囲に設定された延伸浴中で延
伸される。通常、延伸倍率は、2〜20倍の範囲内に設
定される。好適には5倍以上が利用される。延伸は室温
で行なってもよいが、延伸性を高めるために温度を上昇
させる場合もある。まだ、多段延伸を行なう場合もある
。この延伸によって、本発明の繊維には、ボイドのない
、よく配列されたミクロフィブリル及びフィブリルが形
成される。延伸が好適でない場合、繊維内にボイドが発
生し、ミクロフィブリル及びフィブリルの配列が不完全
になり、物性の低下をきたす。
本発明の方法で製造された繊維に対しては、通常の水洗
処理を行ない、残存溶剤の量を繊維重量に対して0.1
%未満に除去する。さらに、物性、たとえば、強度を増
加させまために、熱水中又は水蒸気中で再延伸する場合
もある。さらに、水分を除去するために、無緊張又は緊
張下で乾燥する。
次いで、安定性を増すために熱処理を行なう。熱処理の
方法としては、加圧水蒸気中、熱風中、熱水中、熱板上
などの加熱雰囲気下を利用する。
このよう表水洗、再延伸、乾燥、熱処理によって、本発
明の繊維の特性である耐久性や発色性が低下することは
力い。
〔発明の効果〕
以上の如く、本発明の繊維は、耐久性、発色性に優れて
おシ、カーペット、カーテンなどのインテリア分野、毛
布などの寝装分野、ニット、ジャ−シイ−などの衣料分
野の用途拡大に有効である。
カーペットにした場合、耐久性にすぐれており、圧縮回
復率が良好で、従来品の1.5〜2倍に々る。
また、耐フィブリル性が良好であるだめ、紡績時に発生
する粉(フライ)が少ガく、従来の1イ0程度になシ、
操業性がよくなる等の利点がある。
本発明の繊維の耐久性は、JIS、L1069に示され
ている繊維の引張試験方法の引掛強伸度を測定すること
によって、破断時の強伸度の積(LSg/d x I、
 E % )によって示すことができ、本発明の繊維は
従来品の1,5〜3倍の強伸度積をもつ。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
実施例1゜ アクリロニトリル91.5%、アクリル酸ノチル8%、
メタリルスルホン酸ソ7ダ0.5%の共重合体を、0℃
で、67チ硝酸水溶液に溶解し、16重量%の紡糸原液
を調製した。
ついで、この原液を孔径0.2調、孔数100のノズル
を使用して、凝固浴中へ押出した。この時、凝固浴は4
2重1%硝酸水溶液で構成され、温度は5°Cであった
。引きつづき、硝酸濃度42%、浴温度70℃の延伸浴
で10倍に延伸した。延伸を完了した繊維は、水洗後1
30℃の熱風中で十分乾燥し、120℃の水蒸気中で熱
弛緩処理を行った。
得られた繊維を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維
の表面に幅0.1〜0.2μm1長さ05〜3μmのミ
クロフィブリル状構造物が繊維軸方向に配列しているの
が認められた。まだ、このミクロフィブリル状構造物が
集合して、幅05〜5μm、繊維軸方向への長さが少な
くとも100μm、長いものは350μm以上のフィブ
リル状構造物が形成されているのが観察された。この繊
維の引掛強伸度積は284で、従来品の131に比較し
て、高い値を示した。
また、水洗後の繊維を取り出して、メタノールで洗浄し
、風乾した繊維を、メタクリレート樹脂に包埋し、約0
.1μmの繊維軸に垂直な超薄切片を作製し、真空蒸着
装置中でカーボン蒸着後、包埋樹脂をクロロホルムで溶
解した後、透過型電子顕 、微鏡で、加速電圧100K
Vで観、察したところ、倍率50000倍で200A以
上の大きさのボイドは全く存在しなかった。
この繊維を利用して、カットパイルのカット長10闘の
カーペットを作製して、圧縮回復率を測定した。測定は
0.2 kg/cr/lの荷重を1万回付与した後の高
さ減少率を計測することによシ行った。
その結果、本発明の繊維の高さ減少率は、もとの゛高さ
に対して14チと、従来の繊維の28%に比較して極め
て小さいものであった。
また、本発明の繊維をカチオン染料で浴比1:50.1
00’Cで60分間染色した結果、肉眼判定で5級と従
来の繊維の3級(ルート標準糸を3級対称サンプルにし
た)に比較して、極めて良好な深みのある発色性を示し
た。
実施例2゜ アクリロニトリル91.5%、アクリル酸メチル8チ、
メタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体を、25
℃で市販の95容量係ジメチルアセトアミド溶液に溶解
し、20重量%の紡糸原液を調製した。
ついで、この原液を孔径0.2 mm、孔数100のノ
ズルを使用して、凝固浴中へ押出した。この時、凝固浴
は75重量%ジメチルアセトアミド水溶液で構成され、
温度は25℃であった。引き続き、75重量%ジメチル
アセトアミド水溶液から構成された、浴温度60℃の延
伸浴で、10倍に延伸した。延伸を完了した繊維は、水
洗後130℃の熱風中で十分乾燥し、120℃の水蒸気
中で熱弛緩処理を行った。
得られた繊維を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維
の表面に幅0.1〜0.2μm1長さ0.5〜3μmの
ミクロフィブリル状構造物が繊維軸方向に配列している
のが観察された。また、このミクロフィブリル状構造物
が集合して、幅0,5〜5μ扉、繊維軸方向への長さが
少なくとも100μm以上、長いものは300μmはあ
るフィブリル状構造物が観察された。
また、実施例1と同様の方法で、水洗後の繊維を取り出
して、透過型電子顕微鏡で観察したところ、200A以
上の大きさのボイドは、全く存在しなかった。この繊維
の引掛強伸度積は261であった。
実施例3゜ アクリロニトリル91.5%、アクリル酸メチル8%、
メタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体を、25
℃で、市販の95容量チのジメチルホルムアミド溶液に
溶解し、16重量%の紡糸原液を調製した。
ついで、この原液な孔径0.2 m、孔数100のノズ
ルを使用して、凝固浴中へ押出した。この時、凝固浴は
75重量%ジメチルホルムアミド水溶液で構成され、温
度は25℃であった。引き続き、77重量%ジメチルホ
ルムアミド水溶液から構成された、浴温度60°Cの延
伸浴で10倍に延伸した。延伸を完了した繊維は、水洗
後130″Cの熱風中で十分乾燥し、120℃の水蒸気
中で熱弛緩処理を行った。
得られた繊維を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維
の表面に繊維軸方向に配列しだ幅0.1〜0.2μm1
長さ05〜3μmのミクロフィブリル状構造物と直径が
01〜02μmの粒子状物が存在しているのが観察され
た。また、このミクロフィブリル状構造物が集合して、
幅O15〜5μm、繊維軸方向への長さが70μm〜1
50μmはあるフィブリル状構造物が観察された。この
繊維の引掛強伸度積は234であった。またカーペット
に使用した時の高さ減少率は16q6であった。
実施例4 アクリロニトリル915%、アクリル酸メチル8チ、メ
タリルスルホン酸ソーダ05%の共も【合体を、25℃
で、市販の95容量係ジメチルスル9!−ホキシト溶液
に溶解し、16重量%の紡糸原液を調製した。
ついで、この原液を、孔径0.2 m、孔数100のノ
ズルを使用して凝固浴へ押し出した。この時、凝固浴は
、75重量%ジメチルスルー!p=屯キシド水溶液で構
成され、温度は25℃であった。引き続き、75重量%
ジメチルスルテポキシド水溶液から構成された、浴温度
65℃の延伸浴で10倍に延伸した。延伸を完了した繊
維を、水洗後130℃の熱風中で十分乾燥し、120℃
の水蒸気中で熱弛緩処理を行なった。
得られた繊維を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維
の表面に、繊維軸方向に配列した幅0.1〜0.2μm
、長さ05〜3μmのミクロフィブリル状構造物と直径
が0.1〜0.2μmの粒子状物が存在しているのが観
察された。また、このミクロフィブリル状構造物が集合
して、幅0.5〜5μm、繊維軸方向への長さが少なく
とも50μm以上はあるフィブリル状構造物が観察され
た。この繊維の引掛強伸度積は226であった。
実施例5、 アクリロニトリル91.5%、アクリル酸メチル8チ、
メタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体を、0℃
で、50チのチオシアン酸ソーダ水溶液に溶解し、12
重量%の紡糸原液を調製した。
ついで、この原液を、孔径0.2鰭、孔数100のノズ
ルを使用して凝固浴へ押し出した。この時、凝固浴は3
5重量%のチオシアン酸ソーダ水溶液で構成され、温度
は3℃であった。引き続き、35重量%チオシアン酸ソ
ーダ水溶液から構成された、浴温1i60℃の延伸浴で
10倍に延伸した。
延伸を完了した繊維を、水洗後130℃の熱風中で十分
乾燥し、120℃の水蒸気中で熱弛緩処理を行なった。
得られた繊維を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維
表面に、繊維軸方向に配列した幅0.1〜0.2μm1
長さ0.5〜3μmのミクロフィブリル状構造物が形成
されているのが観察された。まだ、このミクロフィブリ
ル状構造物が集合して、幅0.5〜5μm1繊維軸方向
への長さが少なくとも60μm以上はあるフィブリル状
構造物が観察された。この繊維の引掛強伸度積は234
であった。
比較例1゜ アクリロニトリル91.5%、アクリル酸メチル8q6
、メタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体を、0
℃で、50チのチオシアン酸ソーダ水溶液に溶解し、1
6重量%の紡糸原液を調製した。
ついで、この原液を、孔径0.2rrrm、孔数100
のノズルを使用して凝固浴へ押し出した。この時凝固浴
は、35重量%の硝酸水溶液で構成され、温間は2℃で
あった。引き続いて、35重量%の硝酸水溶液から構成
された60℃の延伸浴で10倍に延伸した。延伸を完了
した繊維を、水洗後130℃の熱風中で十分乾燥し、1
20℃の水蒸気中で熱弛緩処理を行なった。この繊維の
引掛強伸度積は123であった。実施例1と同様に水洗
後の繊維を透過mM、子顕微鏡で観察したところ、20
0〜2oooXのボイドが、断面全体に観察され、表面
には0.5μm程度のボイドのないスキン層が観察され
た。
得られた繊維を走査型電子顕微鏡で観察したところ、ミ
クロフィブリル状構造物や粒子状物は全く観察されず、
表面に繊維軸方向にほぼ平行に、5〜10μmの筋が観
察された。
この繊維をカチオン染料で染色すると発色性が悪く、肉
眼判定で2級であった。
また、この繊維を利用して、カットパイルのカーペット
を作製して、実施例1と同様の高さ減少率を計測したと
ころ、35チと極めて悪い結果であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られた、本発明の繊維を走査型
電子顕微鏡で観察した場合の表面構造である。(a)は
加速電圧5 KVで、3000倍の倍率で観察した時の
フィブリル状構造で、スケールは1011mを示す。(
b)は加速電圧1’5KV で、10000倍の倍率で
観察した時のミクロフィブリル状構造で、スケールは1
μmを示す。 第2図は、比較例1で得られた従来の繊維を第1図と同
様の条件で観察した場合の表面構造を示す。第1図の場
合と同様に、(a)は加速電圧5 KVで、3000倍
の倍率の場合であシ、(blは加速電圧15 KVで、
10000倍の倍率の場合である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、アクリロニトリル重合体又はアクリロニトリル共重
    合体から構成されてなる繊維であって、繊維の表面が幅
    0.01〜0.5μm、長さ0.05〜10μmの粒子
    状及び/又はミクロフィブリル状構造物と、該粒子状及
    び/又はミクロフィブリル状構造物が集合して形成され
    た幅0.1〜10μm、長さ50μm以上のフィブリル
    状構造物で構成されるアクリル系繊維。 2、アクリロニトリル重合体又はアクリロニトリル共重
    合体とその溶剤から調製されたドープを使用して、湿式
    法によって繊維を成形する方法において、ドープをスキ
    ン層形成不能濃度範囲に設定された溶剤と凝固剤から成
    る凝固浴に紡出し、ついで、スキン層形成不能濃度範囲
    に設定された溶剤と凝固剤から成る延伸浴で延伸するこ
    とを特徴とするアクリル系繊維の製法。
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