JP3714258B2 - 車両用推奨操作量生成装置 - Google Patents

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  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転操作を支援するための推奨操作量を生成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の運転は、外界の状況を把握し、適切な判断を下し、実際の動作を行なうという一連の高度な情報処理を繰り返すプロセスであるという見方が可能である。近年の情報処理技術の発展により、計算機によってこれらの処理を部分的に模擬することが可能になってきた。そこで、計算機に上記に挙げた情報処理のプロセスの一部を人間に代わって代行させ、運転者の情報処理負荷を下げることで、より安全で快適な運転環境を実現できるような機器の研究開発が活発に行なわれている。例えば、自車両の前方を走行する車両を検出して、先行車との車間距離を自動的に維持して追従走行する装置などがこれに該当する。
しかしながら、人間にとってより情報処理負荷が高いと思われるのは、車線変更を含むような動作である。車線変更時には、前方車両だけでなく後側方の車両の存在も考慮する必要がある上、自車両の進行方向(縦方向)の運動と車線変更に伴う横方向の運動の両方を組み合わせて実施しなければならないためである。このような車線変更も含むような自動車の運転を支援する装置に関する従来技術としては、特開2001−52297号公報に記載された装置がある。この装置においては、周囲の情報をセンシングで取得できるという前提のもとに、自車両の希望する運転動作(例えば車線変更)を指定しておき、指定された希望運転動作が実施できるか否かを周囲状況をもとに判断し、希望動作が実施可能と判断された後で、運転動作指令信号を生成、出力する、という運転支援の方法等が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開2001−52297号公報に示された装置では、あらかじめ運転動作のモデルが決められており、動作モデルの切り替えを周囲情報をもとにした判断ロジックで実行するという構成になっている。言い換えると、判断してから切り替える、という二段階の処理から構成されていると言える。これには、以下に示すような問題点が存在する。
一つは、そのような制御則の切り替えに基づく構成は、二つ以上の目的を複合的に考慮しなければならない動作を実現するには不向きという点である。例えば、車線変更の場面では、追従のための制御と車線変更のための制御が分離されているので、車線変更が可能であるとの判断が成立しない限り追従制御の制御則を変更することができない。そのため、車間距離を一時的に縮めたり広げたりすることで、車線変更が可能な状況を自車両が積極的に作り出すという機能を持たせられないという問題点があった。もう一つの問題は、判断ロジックにある。判断ロジックは自車両と検出された他車両との現在の位置関係、および速度差から周囲車との間に安全な空間があるか否かを判断するという構成になっている。利用しているのはセンサから得られている判断時点での値だけであり、判断時点で希望動作(例えば車線変更)を実行した場合の結果予測に基づいて、判断を下している。問題は判断時点での動作の結果しか予測しておらず、未来の時点での結果を予測する構成となっていない点である。例えば、制御則の切り替えの問題点の例として車線変更のために一時的に車間距離を変更するという運転動作の例を挙げた。この場合の車間距離の変更は、車線変更という目的のために為される動作であり、車間距離の変更により車線変更が可能になることを予測した上で動作しなければならない。これには、未来の周囲車両群の状態を予測するという機能が必要不可欠であり、現時点での判断だけでは実現することは不可能である。
以上の問題点があるため、従来例で可能な運転者の支援は、希望動作が現時点で出来るか否かの提示に留まっており、希望動作ができない場面でその実現のためにどのような動作をすればいいか、といったより高度な運転支援のための情報を提示することができなかった。
【0004】
本発明は、上記のごとき従来技術の問題を解決するためになされたものであり、周囲車両の未来の挙動を予測した上で、自車両の未来の動作計画を生成し、それに基づいた推奨操作量を生成する車両用推奨操作量生成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明においては特許請求の範囲に記載するように構成している。すなわち、請求項1においては、自車両の周囲を走行する車両の位置を検出する周囲車両検出手段と、自車両の周囲の走行車線を検出する車線検出手段と、自車両の車速を検出する自車速検出手段と、上記三つの検出手段から得られる情報から、自車両とその周囲車両の車線ごとの位置と速度を算出する周囲地図生成手段と、自車両が行う行動の影響を受けて自車両と周囲に存在する他車両からなる車群に生じる予想される未来の挙動を、自車両の操作に応じて自車両の挙動を予測する自車モデルと、所定の位置関係を満たす車両の挙動に応じて他車両の挙動を予測する他車モデルとを、前記車群の車両配置に基づいて組み合わせることで記述した予測式として提示する周囲車両群挙動予測手段と、前記周囲車両群挙動予測手段で得られた他車両の未来の挙動に対して、車両進行方向の加減速運動および左右の車線への車線変更運動から構成される自車両の未来の操作の望ましさを評価する操作量評価手段と、前記周囲地図生成手段、前記周囲車両群挙動予測手段および前記操作量評価手段の結果に基づいて、自車両にとって望ましい操作量を生成する推奨操作量生成手段と、を備え、前記周囲車両群挙動予測手段で予測した複数の車両からなる車群に生じる未来の挙動に応じて、現在の推奨操作だけではなく、現在時刻から未来時刻までの一連の推奨操作を提示するように構成している。
【0006】
また、請求項2において、前記操作量評価手段は、自車両が未来にとる操作の望ましさを順序付け可能な数値で評価し、前記推奨操作量生成手段は、ある未来の時間区間における前記操作量評価手段の評価が最良となるような自車両の未来の操作である最適操作量を算出するように構成している。
【0007】
また、前記操作量評価手段は、自車両がある所定時間の後、もしくは所定距離走行の後にとるべき望ましい位置と速度との少なくとも一方を表す終端条件を指定する機能を備え、前記推奨操作量生成手段は、前記操作量評価手段が生成した前記終端条件を満たす範囲内で最適操作量を算出するように構成することも出来る
【0008】
また、請求項において、前記周囲車両群挙動予測手段は、他車両の挙動予測を、自車両を含む周囲車両との相互作用を考慮して行うように構成している。
【0009】
また、請求項においては、自車両の周囲を走行する車両の方向指示器または制動灯を認識する表示灯検出手段を備え、該表示灯検出手段からの情報に基づいて、前記周囲車両群挙動予測手段における他車両の動作の予測式に修正を加えるように構成している。
【0010】
また、請求項においては、外部からの信号を用いて自車両の位置を特定する手段と地図データベースからなる道路地図案内システムを備え、該道路地図案内システムからの情報に基づいて、前記周囲車両群挙動予測手段における他車両の動作の予測式を変更するように構成している。
【0011】
また、請求項において、前記操作量評価手段は複数の評価基準を持ち、道路状況に応じて異なる評価基準で操作量を評価するように構成している。
【0012】
また、請求項において、前記操作量評価手段は、運転者の操作によって評価基準を切り替えるように構成している。
【0013】
また、請求項においては、外部からの信号を用いて自車両の位置を特定する手段と地図データベースからなる道路地図案内システムを備え、前記操作量評価手段は、該道路地図案内システムからの情報に基づいて、評価基準を自動的に切り替えるように構成している。
【0014】
また、自車両がある所定時間の後、もしくは所定距離走行の後にとるべき望ましい位置と速度との少なくとも一方を表す終端条件を指定する終端条件指定手段を備え、該終端条件指定手段は、運転者の操作、あるいは道路地図案内システムからの情報に応じて、自動的に終端条件を生成するように構成することも出来る
【0015】
また、請求項において、前記推奨操作量生成手段は、推奨操作量の候補を、他車両の挙動予測方法と自車両の操作量の評価方法から変分原理に基づいて導かれる最適性の条件式を満たすように逐次更新していくことで最終的な推奨操作量を生成するものであって、操作量の更新ステップにおいて他車両の車線変更の予測を更新前の操作量に基づいて行ない、予測された車線変更の結果に基づいて他車両の挙動予測方法および自車両の操作量の評価方法を適宜切り替えるように構成している。
【0016】
また、請求項10においては、算出された自車両に対する操作量と、周囲車両群挙動の予測式とを用いて、自車両および周囲車両群の予測軌道を算出する処理手段を含むように構成している。
【0017】
また、請求項11において、前記推奨操作量生成手段は、ある所定の時間間隔が経過した場合に、新たな周囲地図を取り込み、新たな推奨操作量を算出、更新するように構成している。
【0018】
また、請求項12において、前記推奨操作量生成手段は、前記周囲車両検出手段の検出範囲内に新たな車両を検出した場合、または検出範囲内の車両のうちの少なくとも一台が検出されなくなった場合に、新たな推奨操作量を算出、更新するように構成している。
【0019】
また、請求項13において、前記推奨操作量生成手段は、前記予測軌道算出手段で算出された予測軌道と実際の車群の挙動との差異が所定の基準以上に大きくなった場合に新たな推奨操作量を算出、更新するように構成している。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、周囲車両の未来の挙動を予測した上で、自車両の未来の動作計画を生成することができるので、単純に現時点での希望操作実行の可否判断だけではなく、希望操作が未来のある時点で実行可能となることが期待できるような操作量を計画、提示することができる。例えば、現在の状況では車線変更できないが、今から3秒間加速すれば車線変更ができるようになる、といった動作計画の提示が可能になる。また、生成された推奨操作量に沿うように、アクセル、ブレーキ、ステアリングに補助力、補助トルクを加えることによって、運転者の運転動作をより積極的に支援することができる。さらには、推奨操作量をアクチュエータの指令値に変換し、アクチュエータを自動制御することによって、車両の進行方向の運動と車線変更に伴う横方向の運動が統合された高度な自動運転のシステムを構成することができる、等の効果が得られる。
【0021】
請求項2の発明によれば、数値的な評価に基づく最適な操作量を生成することができるので、高精度な推奨操作量を状況によらず柔軟に計画、提示することができる。
【0022】
また、動作計画の終端条件を明確に指定するように構成した場合は、より具体的な動作目的の要求に合致する推奨操作量を計画、提示することができる。例えば、終端条件として車線位置を指定すれば、必ず指定した車線位置へ到達するような推奨操作量が計画、提示されるようになる。
【0023】
請求項の発明によれば、車群の中での自車両の動作と複数台の他車両との相互作用を考慮した予測ができるので、より現実的で高精度な周囲車両の動作予測が可能になる他、未来の時点(例えば現在から5秒後など)におけるある特定の行動(例えば右車線への車線変更など)の結果が予測できるので、より適切な動作を計画、提示することができる。
【0024】
請求項の発明によれば、周囲を走行する車両の表示灯によって示される当該車両の行動の意図を挙動の予測に取り入れることで、高精度な予測を行なうことができるので、より適切な動作を計画、提示することができる。具体的には、方向指示器が点灯している車両の車線変更を予測の中に織り込むことや、制動灯が点灯している車両の減速を予見することなどによって、挙動予測の精度を上げることができる。
【0025】
請求項の発明によれば、地図データベースの持つ道路情報を活用することによって、特定の場所に存在する車両の行動の目的を限定することができるようになるので、予測の精度が上がり、より適切な動作を計画、提示することができる。例えば、合流車線上に存在する車両の車線変更を予測したり、登坂車線を走行する車両の車速の傾向を考慮して予測式を修正することができるようになる。
【0026】
請求項の発明によれば、複数の評価基準を切り替えて使うことができるので、より多様な場面や多様な運転者の要求に応えることができるようになる。例えば、加減速の少ない乗り心地を優先した動作計画や、周囲車両との適切な間隔の確保を優先した動作計画などを切り替えることができるようになる。
【0027】
請求項の発明によれば、直接運転者が希望する評価基準を選択することができるので、運転者の意向を忠実に反映した推奨操作量を計画、提示することができる。
【0028】
請求項の発明によれば、地図データベースの持つ道路情報を活用することによって、周囲車両検出手段だけでは検知不可能な情報を利用することができるようになるので、走行する道路環境により適した推奨操作量を計画、提示することができる。例えば、走行路が一般道であるか高速道路であるかに応じて評価基準の中の目標車速を自動的に変化させることで、走行する道路の法定速度を遵守した動作計画を行なうようにすることができる。
【0029】
また、終端条件を運転者の意向や道路情報を利用して自動的に設定することができるように構成した場合は、車線変更が必要な動作計画を必要に応じて素早く提示することができる。例えば、運転者が車線変更の意志を示したらすぐに目的となる車線位置を終端条件とする推奨操作量を提示することができる。また、道路地図案内システムに設定された誘導経路に沿って走行するために、分岐路の情報を地図データベースから読み込んで、誘導方向の分岐へ至る車線とは異なる車線位置を走行している場合に、自動的に誘導方向の分岐へ至る車線位置まで誘導するような推奨操作量を提示することもできる。
【0030】
請求項の発明によれば、推奨操作量の逐次探索において、他車両の車線変更の予測を自車両の操作量の候補に基づいて行なうので、車線変更の予測が簡略化され、少ない計算量で適切な操作量を得ることができるようになる。
【0031】
請求項10の発明によれば、生成された推奨操作量を自車両および他車両の予想軌道に明示的に変換することができるので、より運転者にわかりやすい情報として走行軌道を提示することができるようになる他、予想動作と現実の挙動との比較が可能になる。
【0032】
請求項11の発明によれば、推奨操作量を定期的に更新していくことで、時々刻々と変化する交通環境に合わせて、随時望ましい推奨操作量を計画、提示し続けることができる。
【0033】
請求項12の発明によれば、推奨操作量を生成した時点での前提が崩れた場合に、ただちに新しい推奨操作量の生成をやり直すことになるので、誤った前提に基づいた推奨操作量をすぐに修正して、提示し直すことができる。
【0034】
請求項13の発明によれば、動作予測が大きく外れた場面でただちに新しい推奨操作量の生成をやり直すことになるので、誤った予測に基づいた推奨操作量をすぐに修正して、提示し直すことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例を図1から図8までの図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の車両用推奨操作量生成装置の各要素を示す第1の実施例の配置図である。
図1において、前方レーダ1aは車両前面に取り付けられ、自車両前方に位置する他車両(複数または単数、以下同じ)の位置を測定する。画像センサ1bも車両前面の適当な位置に取り付けられ、前方レーダ1aの測定情報を補完するとともに、道路上に引かれた車線を検出する。後方レーダ1cは車両背面に取り付けられ、自車両後方に位置する他車両の位置を測定する。側方センサ1dは左右の車両側面に一個ずつ取り付けられ、前方レーダ1aと後方レーダ1cの死角となる車両側方に位置する他車両の位置を検出する。なお側方センサ1dとしてはレーダを用いることもできるが、超音波センサや画像センサを用いることができる。
【0036】
車速センサ2は、ロータリーエンコーダをホイールに取り付けることで実現できる。これはホイールの回転速度に応じた周期のパルス列を出力し、車速の計測値を得る。
演算部3は、マイクロコンピュータとその周辺部品から構成され、各レーダやセンサからの信号を内蔵メモリに記録されたプログラムに従って処理し、計算結果を表示装置4に送る。
【0037】
表示装置4は、液晶画面などの表示用ディスプレイおよびディスプレイに表示する画像を描画するためのマイクロコンピュータとその周辺部品から構成され、演算部3から送られてきた信号を内蔵メモリに記録された描画プログラムに従って処理し、画像をディスプレイに描画することで運転者に情報を提示する。
【0038】
図2は、本発明の機能ブロック図である。図2の周囲センサ1a、1c、1dは図1の前方レーダ1a、後方レーダ1c、側方センサ1dに相当し、車線検出器1bは画像センサ1bに相当し、車速センサ2は図1の車速センサ2に相当し、周囲地図生成手段3a、周囲車両群挙動予測手段3b、操作量評価手段3c、推奨操作量生成手段3d、予測軌道演算手段3eは演算部3とソフトウェアに相当し、表示装置4は図1の表示装置4に相当する。
【0039】
以下、図3に示すような道路状況における動作の例に基づいて、図2の各ブロックの具体的な構成内容を説明する。
図3では、片側二車線の道路を速度vで自車両Aが走行しており、その前方に先行車Bが速度vで走行し、後方に後方車Cが速度vが走行し、さらに右隣の車線に隣接車Dが速度vで走行している場合を示す。図3においては、進行方向に沿ってX軸をとり、X軸の原点0を自車両のフロントバンパーにとるものとする。また、左車線をレーン0、右車線をレーン1とインデックスをつけ、さらに、先行車B、C、Dの自車両に最も近い部分の位置をそれぞれx、x、xで表すものとする。
【0040】
周囲地図生成手段3aは、前方レーダ1a、後方レーダ1c、側方センサ1d、車線検出手段1bおよび車速センサ2の情報に基づいて、自車両と周囲車両の走行車線位置、周囲車両の相対位置、および各車両の車速を算出する。
例えば、各車の車線位置を記述する変数として変数yを導入し、左車線にいる車に対しては0を、右車線にいる車に対しては1を割り当てるものとすると、各車両は三つの変数、x(進行方向位置)、v(進行方向速度)、y(車線位置)で特徴づけられることになる。すなわち、周囲地図生成手段3aがすることは、各車のx、v、yを算出することである。なお、道路が曲線路となっている場合には、道路の中心線に沿って座標をとるものとする。
【0041】
このうち、各車両の車速は、自車速と、自車両と各車両の相対速度との和で算出可能である。自車両と各車両との相対速度はレーダとしてミリ波レーダを用いている場合には直接計測可能であり、相対速度が直接計測できないレーダの場合も微分フィルタを用いるなどして推定することが可能である。走行車線位置と相対位置の算出に関しては周囲地図生成に関する公知技術(例えば特開平9−142236号公報など)を利用できるので、ここでは説明しない。
【0042】
周囲車両群挙動予測手段3bは、自車両が未来にとる行動(未来行動)が車両群にどのような影響を与えるかをシミュレートするための基になる数学的関係式を提示する手段である。ここでいう未来行動とは、具体的には進行方向への加減速指令u(t)と、車線変更指令u(t)からなる時系列信号の対である。なお、ここではu(t)は下記(数1)式に示すように定義されるものとする。
【0043】
【数1】
Figure 0003714258
周囲車両群挙動予測手段3bにおける予測式は、周囲センサ1a、1c、1dで検出した車両と同じ数だけの車両モデルで構成される。ここでは、車両モデルを車両の進行方向に対する動作のモデルと車線変更のモデルの二つから構成されるものとして、予測式を構成している。以下、進行方向モデル、車線変更モデルの順に説明する。
車両の進行方向に対する動作のモデルとしては、下記(数2)式に示すように、車頭時間を一定に保つように動作するモデルを考えることができる。
【0044】
【数2】
Figure 0003714258
ここで、x、vは対象車両(自車両)の位置と速度、x、vは同一車線に存在する先行車の位置と速度、k、kは対象車両の運転特性を表すパラメータ、hは自車両の目標車頭時間である。なお、車頭時間とは自車両の先端(車頭)が先行車の先端位置に到達するまでの時間であり、先行車と自車両との車間距離(正確には車間距離+先行車の車長)を自車速で除算した値に相当する。
【0045】
上記(数2)式の第一式は位置の微分が速度であるという関係式をそのまま記述したものであり、第二式の右辺は加速度を指令する制御則となっている。
【0046】
先行車が存在しない場合には、各車がそれぞれ希望速度を持つと考え、希望速度を保つ制御則を持つ下記(数3)式に示すようなモデルを考える。
【0047】
【数3】
Figure 0003714258
ただし、vはその車両の希望車速である。
上記(数2)式、(数3)式は、下記(数4)式のようにまとめて記述することができる。
【0048】
【数4】
Figure 0003714258
ただし、x、A、Bの太字は、それぞれx、A、Bのベクトルを意味し、下記(数5)式で示される。以下に示す各数式においても、太字は上記と同様にベクトルを示すものとする。なお、文章中でベクトルを表す場合はx(vec)、A(vec)、B(vec)のように(vec)の添字を付して示す。つまりxの太字とx(vec)は同じものを示している。
【0049】
【数5】
Figure 0003714258
また、x(vec)pは下記(数6)式で定義する。
【0050】
【数6】
Figure 0003714258
これは、先行車が存在しない場合(自車両からは検出できない場合を含む)には、その車両の前に(数6)式下段のような状態量を持つ仮想車両が走行していると考えることと等価である。
以上の定式化においては、各車両が自車両の直前を走行する先行車を基準に制御則を決めている形式となっている。従って、車群全体としての挙動を考える場合には、どの車両がどの車両の先行車になっているかを記述する必要がある。
【0051】
ここで、再び図3の例を考える。ここでは、BがAの先行車になっており、AがCの先行車になっている。一方、B、Dに関しては先行車が検出されておらず、仮想先行車が存在するものとしてモデル化する。x(vec)の上側の添え字で各車両を区別すれば、図3の状況は下記(数7)式に示すように書くことができる。
【0052】
【数7】
Figure 0003714258
ただし、x(vec) は、下記(数8)式で定義される。
【0053】
【数8】
Figure 0003714258
ここで、各車両の状態ベクトルをまとめて、車群全体の状態ベクトルを下記(数9)式で定義すると、上記(数7)式は下記(数10)式のような行列とベクトルの積で表現することができる。
【0054】
【数9】
Figure 0003714258
【0055】
【数10】
Figure 0003714258
ただし、
【0056】
【数11】
Figure 0003714258
【0057】
【数12】
Figure 0003714258
である。
ただし、上記(数12)式において、Iの太字は二次の単位行列であり、0の太字は二次の零行列である。
上記E(vec)、E(vec)dは車両の位置関係を表現したものなので、実際の車両の位置関係が変化する毎に更新される。たとえば、図3の状況から自車両Aが車両Dの前に車線変更した場合には、E(vec)、E(vec)dは下記(数13)式のように更新される。
【0058】
【数13】
Figure 0003714258
これ以外の車両配置に関しても、車線位置と車線内での車両の前後関係がはっきりしていれば、E(vec)、E(vec)dは一意に書き下すことができる。
【0059】
ここで、周囲車両群挙動予測手段3bの目的は、自車両の挙動が他の車両にどのような影響を与えるかを予測することであった。そのため、自車両に対しては前記(数4)式のモデルをあてはめることは適当ではなく、下記(数14)式のように入力を陽に含む形でモデルを割り当てる必要がある。
【0060】
【数14】
Figure 0003714258
ここで、
【0061】
【数15】
Figure 0003714258
と定義し、前記(数4)式をAから順に並べてまとめると、下記(数16)式のように示される。
【0062】
【数16】
Figure 0003714258
上記(数16)式と(数10)式を合わせると、最終的に進行方向に対する予測式は、下記(数17)式のように書くことができる。
【0063】
【数17】
Figure 0003714258
(数17)式は、各車の特性を適当に定めてA(vec)、B(vec)、X(vec)dを定義してやれば、任意の加速度指令値の時系列パターンuに対して、X(vec)の時間発展を計算することができることを示している。uに対するX(vec)の時間発展とは、自車両の走行パターンに対する車群全体の挙動の様子を意味しており、すなわち(数17)式を使うことで自車両の未来の走行パターンに対する車群の進行方向の応答を予測できることを意味している。
【0064】
なお、以上では自車両と他車両との相互作用を考慮した構成(例えば請求項の構成)としているが、場面によっては自車両と他車両との相互作用を考慮しなくてもよい場合がある。例えば、図18のような場面を考える(道路地図案内システムから得られる前方の道路情報はここでの説明とは無関係なので無視する)。各車が前方のみを考慮している場合には、自車両Aの挙動は他の車両にいっさい影響を与えない。従って、この場合には周囲車両群挙動予測手段3bにおける演算式を自車両との相互作用を含まない形で下記(数18)式、(数19)式のように書くことができる。
【0065】
【数18】
Figure 0003714258
【0066】
【数19】
Figure 0003714258
ただし、この場合、
【0067】
【数20】
Figure 0003714258
【0068】
【数21】
Figure 0003714258
である。このような他車両との相互作用を考慮しない構成でも、レーン0内で、自車両Aがレーン1に車線変更するのに適切な位置まで自車両Aを誘導する軌道を生成する場合には、ほとんど同様な結果が得られる。車線変更後の軌道まで一度に生成する場合には、車線変更後に自車両の後方車両となるDとの相互作用を考慮する必要が出てくるが、自車両線後方を走行する車両を無視するという簡略化のためのルールを導入すれば、車線変更の前後で別々に軌道を生成することで運転支援のための動作を提示し続けることができる。このように、周囲車両群挙動予測手段において、必ずしも自車両と他車両との相互作用の記述は必要ではない場合があり、そのような構成(例えば請求項1に示した構成)でも従来例にはない効果を出すことができる。
【0069】
次に、各車の車線変更のモデルを考える。車線変更の理由は実際には様々であるが、車線変更の理由の一つとしては先行車の追い越しのための車線変更がある。そこで、ここでは追い越しのための車線変更をモデル化し、予測モデルとして組み込む方法について説明する。ここで説明するモデルは、車線変更の意志を判定する部分と、車線変更の実行をチェックする部分の二つから構成されるモデルである。
【0070】
再び図3の状況を考える。ただし、ここでは自車両Aも他の車両と同様、モデルに従って動作する車両として扱った上で説明する。例えば、車両Aがその速度よりも遅い先行車Bを捕捉して減速を始めたとする。車両Aは固有の希望速度v を持っており、v よりも遅く走り続ける先行車がいる場合には適当な時期に車線変更して追い越しをかけるという運転特性を持つと仮定する。そこで、車線変更の意志に関係する変数として、下記(数22)式を定義する。
【0071】
【数22】
Figure 0003714258
ただし、tは車両Aが減速を始めた時刻である。ここで定義したz(t)の値が或るしきい値z よりも大きくなった場合に、車両Aは追い越しをする意志を固めて車線変更が可能か否かのチェックを行なうものとする。
ただし、車両Aが表示灯検出手段を備えており、周囲車両の方向指示器の点灯状態に関する情報が入手できるのであれば、方向指示器が点灯している車両については車線変更の意志は明らかであるとして、z(t)をあらかじめしきい値zよりも大きな値に初期化することによって、予測の精度を高めることができる(例えば請求項の構成)。
【0072】
図3に示した状況の場合、移動先車線を走行している車両はDであるので、Dに対して車線変更が余裕を持って行なえるかどうかの指標を計算し、判断を行なう。車線変更の判断のために、下記(数23)式に示すような判定関数を導入する。
【0073】
【数23】
Figure 0003714258
ただし、dは加速度の次元を持つ適当な正の定数であり、Dが余裕をもって実行できる最大の減速度を意味する。また、関数sは下記(数24)式で定義される関数である。
【0074】
【数24】
Figure 0003714258
上記(数23)式に示した判定関数fLC(x(vec) ,x(vec) )が或るしきい値fよりも大きかったら、Aは余裕を持って車線変更ができると判断して、右車線に車線変更するものとする。
【0075】
上記(数23)式の意味は、以下の通りである。まず、相対速度が正、すなわち車両Aが車両Dよりも速い速度で走行している場合には、(数23)式は車両Aと車両Dの車間距離を車両Dの車速で割った値、すなわち車両Dから見た車両Aまでの車頭時間と一致する。すなわち、車頭時間がしきい値fよりも大きい場合に車線変更するということを意味している。次に相対速度が負、すなわち車両Dが車両Aよりも速い速度で走行している場合を考える。この場合、(数23)式の意味するところは、もしその時点で車両Aが右に車線変更した時に、車両Dが加速度dで減速して車両Aと同じ速度まで減速し終った時の車両Dから見た車両Aまでの車頭時間に相当する値である(厳密には分母がvのままなので一致しない)。相対速度が負の大きな値を持てば、それだけ(数23)式で示した判定関数fLC(x(vec) ,x(vec) )の値は小さくなるので、車線変更はしにくくなる。
なお、車両Dが車両Aよりも前方に位置する場合には、(数23)式は下記(数25)式に示すように変更される。
【0076】
【数25】
Figure 0003714258
前後両方に車両が存在する場合には、両方の車両についてfLCを計算し、値が小さい方を判定に用いる。
以上のような手順で各車について車線変更の判定を行ない、車線変更の条件を満たした車両については車線変更処理を行なう。車群全体としての挙動を記述するために、進行方向におけるモデルと同様に、各車の車線位置の情報をまとめたベクトルを下記(数26)式に示すように定義する。
【0077】
【数26】
Figure 0003714258
また、各車両に対して車線変更のロジック(数22)式、(数23)式を含み、出力として(数1)式のような車線変更の指令値を各車に対して出力するようなオートマトンを考えることができる。そのようなオートマトンを、H(X(vec),Y(vec))、i={B,C,D}と記述すると、Y(vec)の変化を記述するモデルとして、下記(数27)式が得られる。
【0078】
【数27】
Figure 0003714258
ただし、
【0079】
【数28】
Figure 0003714258
【0080】
【数29】
Figure 0003714258
であり、ΔtはY(vec)の更新周期である。また、(数29)式におけるfLC は車線変更が可能か否かの判断のしきい値である。また、Y(vec)の状態が変化すると車群の位置関係も変化するので、車群の中での各車の相互間系を記述している行列E(vec)、E(vec)dも新しい状態に合わせて変更する必要がある。さらに、車線変更した車両のオートマトンHの内部変数z(t)は0に初期化される。
【0081】
以上をまとめると、周囲車両群挙動予測手段3bは図4に示したようなブロック線図と図5に示したようなフローチャートで表現することができる。すなわち、自車両の加速度指令u(t)および車線変更の指令u(t)を定めると、周囲地図生成手段3aから得られるX(vec)、Y(vec)の初期値から、予測式(数17)式、(数27)式を積分することによって、u(t)、u(t)という行動をとった結果として予想される車群の挙動の予測値X(vec)(t)、Y(vec)(t)を得ることができる。
【0082】
このようにして得られた予想される車群挙動を評価するのが、操作量評価手段3cである。操作量評価手段3cは数学的には、二つの関数u(t)、u(t)に対する汎関数として、下記(数30)式に示すような一般的形式で書くことができる。
【0083】
【数30】
Figure 0003714258
ただし、tは現在時刻、tは終端時刻(予測を打ち切った時刻)、関数ψは予測を打ち切った時刻における車群の状態を評価する関数、関数Lは評価区間[t]中における車群の挙動を評価する関数、関数Mは同じく評価区間中における入力u(t)、u(t)を評価する関数である。これら三種類の関数の取り方を変えることで、様々な動作戦略を指定することができる。例えば、単純な戦略としては以下のようなものがある。
▲1▼なるべく一定速度v を保って走行したい。
【0084】
【数31】
Figure 0003714258
▲2▼時刻tまでに、右車線のなるべく前方まで進みたい。
【0085】
【数32】
Figure 0003714258
▲3▼なるべく加減速の少ない走行がしたい。
【0086】
【数33】
Figure 0003714258
▲4▼地点(x,y)に、なるべく早く到達したい。
【0087】
【数34】
Figure 0003714258
▲5▼なるべく同じ車線にいる他の車両から離れて走行を続けたい。
【0088】
【数35】
Figure 0003714258
【0089】
【数36】
Figure 0003714258
上記(数31)式〜(数36)式において、p、p、q、rは評価に対する重みを表す正の定数であり、εは零割りを防止するための小さな正の定数である。なお、▲4▼では他の評価関数と異なり終端時間tが陽に現われてくる他、終端時間における車両の位置(終端条件)が明確に指定されている。与える動作戦略によっては、このように終端条件や終端時間に関する扱いが若干変化することがあるが、以後の処理は基本的には同一である。
【0090】
また、上記の評価関数は混合して使用されることがある。後出の(数41)式のような評価関数がその例であり、この場合▲1▼、▲3▼、▲5▼が混合されて評価関数を構成している。評価関数の混合により、複数の要請をトレードオフをとる形で考慮することができる。
【0091】
また、重みパラメータq、rの値を調節することで、それぞれの要請に優先順位をつけることもできる。例えば、自車両の走行軌道が他車両に衝突したり接触したりしない、というのは生成される操作量に対する基本的な要請であるが、上記の評価関数▲1▼〜▲4▼には他車両との衝突や接触を考慮する基準が含まれていないので、単独で使用された場合には他車両と衝突するような操作量が生成されるおそれがある。従って、▲5▼のような他車両との衝突防止を考慮する評価関数と混合することによって、衝突防止という基本的要請を満たしつつ、他の要請を考慮した操作量を生成することができるようになる。
以上が、操作量評価手段3cの構成例である。
【0092】
次に、推奨操作量生成手段3dについて説明する。これまでの説明をまとめると、周囲地図生成手段3aにより、現在の周囲状況に関する情報X(vec)(t)、Y(vec)(t)を得て、適当な加減速指令u(t)、および車線変更指令u(t)のペアを与えれば、周囲車両群挙動予測手段3bの予測式を積分することによって、u(t)、u(t)を与えた場合の車群全体の挙動の予測ができる。予測された挙動は適当な動作戦略のもとに構成された操作量評価手段3cによって評価することが可能であり、選択した指令値のペアu(t)、u(t)が想定した動作戦略の実現にどの程度適しているかを評価できる。このような予測と評価をもとに、与えられた場面と動作戦略に適した指令値のペアを計算によって算出するのが、推奨操作量生成手段3dの役割である。
以下推奨操作量生成手段3dの一例を図6に示すフローチャートに沿って説明する。
【0093】
図6において、まず、ステップd−1では、検証する操作量を列挙する。例えば、以下の手順により候補となる操作量の集合を生成することができる。
(1)予測区間[t]をN等分して、操作量の(t−t)/N(vec)秒毎の値を求めることとする。すなわち、最適な操作量の時系列を求める問題を、下記(数37)式における2N個の値を求める問題とみなす。
【0094】
【数37】
Figure 0003714258
(2)操作量の取りうる値を量子化して、各時点で有限個の値の候補の中から操作量を選ぶこととする。このうち、uについては、前記(数1)式に示したように、もともと操作量が量子化(取りうる値は3通り)されているので、実際に量子化が施されるのはuだけである。そこで、uの取りうる値の範囲を、
min≦u≦umax
とし、uminとumaxの間をn等分することで量子化する。すなわち、下記(数38)式であるとする。
【0095】
【数38】
Figure 0003714258
このような離散化と量子化を施すことによって、取りうる操作量の候補を有限個(この場合は、(3n)通り)に落とすことができる。図7に離散化および量子化した操作量の例を示す。
【0096】
このような単純な量子化と離散化を使わない操作量の候補の生成方法も考えられる。例えば、あらかじめ頻繁に起こり得る車群構成の場面をいくつか想定し、望ましい指令値系列の時系列信号をいくつかに限定しておくのが一つの方法である。これは、最初の例で言えば、考えられる(3n)通りの候補の中から事前にいくつかの有望な操作量をピックアップし、ピックアップした操作量だけを調べることに相当する。
【0097】
また、操作量を最初から時系列信号で与えるのではなく、数式で表現された制御則の形で与えることもできる。その場合、加速度指令の制御則と車線変更のロジックの対{f(X(vec),Y(vec)) H(X(vec),Y vec))}を複数(例えばm対)用意する。ここでf(X(vec),Y(vec))は前記(数2)式の第二式のような加速度指令の制御則であり、H(X(vec),Y(vec))は例えば(数29)式のような車線変更のロジックを表現した式であり、iは用意した候補を区別するインデックスである(i=1,2,…,m)。この場合には、ステップd−3において周囲車両群挙動予測手段3bの(数17)式を積分する際に、u、uに時系列信号を陽に与えるのではなく、u=f(X(vec),Y(vec))、u=H(X(vec),Y(vec))と置いて閉ループ系を構成し、前記の予測式(数17)式、(数27)式を積分する。
【0098】
図6のステップd−2では、このようにして用意された指令値系列の中から適当な候補を選択し、ステップd−3において、選択した指令値系列を用いて周囲車両群挙動予測手段3bの予測式を積分し、予想される車群の挙動X(vec)、Y(vec)を求める。ステップd−4では、得られたX(vec)、Y(vec)および選択したu、uの系列を、あらかじめ用意された操作量評価手段3cに代入し、汎関数J[u,u]の値を求め、選択したu、uと対応づけて記録しておく。
【0099】
ステップd−5において、すべての候補操作量を計算したかどうかをチェックし、まだ計算していない操作量が残っていればステップd−2に戻る。もしすべての操作量を計算した場合には、ステップd−6へ進んで、汎関数J[u,u]の値が最小になった候補操作量を呼び出し、生成結果として出力する。候補操作量として数式モデルを用いた場合には、時系列信号に変換した上で出力する。
【0100】
なお、ここではすべての候補時系列を検証するアルゴリズムを示したが、最適性にこだわることなく、一定の基準を満たす候補が見つかった時点で探索を打ち切って、その基準を満たす候補を出力するという方法も考えられる。また、基準を満たす候補が複数見つかった場合には、複数の候補を出力してもよい。
【0101】
予測軌道演算処理手段3eは、推奨操作量生成手段3dで得られた推奨操作量を使って周囲車両群挙動予測手段3bの予測式を積分して、自車両と周囲車両の予想される軌道を計算する処理である。
【0102】
ここで計算された予測軌道は表示装置4へと送られ、運転者にわかりやすい形で提示される。例えば、現在の周囲地図の上に重ねるような形で、算出された軌道を線で表示したり、または車両群の動きをアニメーションにして画面上で再生するなどの方法が考えられる。あるいは、画像表示を使わずに音声で推奨する動作を指示する方法も考えられる。
【0103】
なお、以上の推奨操作量生成の手順は必ずしも一度だけ実行して終りという使い方に限定されるものではない。終端時間tが有限であるため、常に一定先までの予測に基づく推奨操作量を生成するためには、ある適当な時間間隔で推奨操作量を定期的に更新していく必要がある。また、実際には走行しているうちに新たな車両を検出したり、検出していた車両が検出範囲外に出てしまうといったことが起こる。そういう場合には予測の前提が崩れてしまうので、新たな予測に基づく推奨操作量の生成を行なう必要が出てくる。また、検出している車両の構成自体に変化がなくても、検出車両が予測と大きく異なる挙動をした場合は、予測した軌道は不適切なものになる可能性があるので、この場合もやはり予測のやり直しが必要になる。従って、例えば一番新しく予測した周囲車両群の挙動を、
【0104】
【数39】
Figure 0003714258
のように示せば、現在の実際の周囲車両群の状態をX(vec)(t)、Y(vec)(t)とし、下記(数40)式で定義される偏差e(ただし、k、kは適当な重み定数)が所定のしきい値よりも大きくなった時点で、推奨操作量生成の再計算を行なうといった基準を設けておく。
【0105】
【数40】
Figure 0003714258
まとめとして、全体としての処理の流れを図8のフローチャートに沿って説明するとともに、具体的な処理例を図3の状況に即して以下に示していく。
図8に示される一連の処理は所定の時間周期ごとに呼び出され実行される。
図8において、まず、ステップ1では、周囲センサ1a、1c、1d、車線検出器1b、車速センサ2の値を読み込む。
ステップ2では、周囲地図生成手段3aにおいて上記各センサの情報を処理して周囲地図を生成する。具体的には、進行方向の状態ベクトルX(vec)(t)、車線位置を示す状態ベクトルY(vec)(t)の現在値を算出することになる。図3のような例の場合は、X(vec)(t)、Y(vec)(t)は下記(数41)式に示すようになる。
【0106】
【数41】
Figure 0003714258
ステップ3では、前回予測軌道を生成した時刻からどれくらいの時間が経過しているかをチェックする。所定の時間を過ぎている場合にはステップ4に進み、そうでない場合には処理を終了する。また、新たな車両の検出、検出車両のロスト、および(数40)式で定義される偏差が所定の値以上に大きくなった場合には、所定の時間が経過していなくてもステップ4に進む。
【0107】
ステップ4では、周囲車両群挙動予測手段3bの初期化処理が行なわれる。具体的には、検出された車両の数(この場合は3台)だけ車両モデルを生成し、モデルに含まれるパラメータを適当にセットし、さらに状態変数の初期値を(数41)式のようにセットするという処理である。具体的な式形は前記(数17)式、(数27)式のように与えられる。
【0108】
ステップ5では、操作量評価手段3cで設定された内容を読み込む。具体的には、評価関数の形とパラメータであり、必要なら終端条件も読み込まれる。ここでは、例えば「なるべく加減速を少なくしつつ、速度を一定速度v に保つ」という動作戦略の基に、下記(数42)式のような評価関数が与えられたものとする。
【0109】
【数42】
Figure 0003714258
ただし、q、rは適当な正の定数である。
【0110】
ステップ6では、推奨操作量生成手段3dのアルゴリズムが起動され、(数41)式の評価関数が最小となるようなu、uが生成される。この結果、例えば図9の左図のような指令値の系列u、uが生成されたものとする。図9の意味するところは、最初の数秒間加速し、加速のピークを過ぎたあたりで右車線に車線変更し、車線変更した後は徐々に減速し、目標速度に近づける、といった動作方法が望ましいと推奨していることになる。
【0111】
ステップ7では、ステップ6で算出されたu、uを用いて、周囲車両群挙動予測手段3bにおける予測式(数17)式、(数27)式を積分し、推奨した操作を実際に用いた場合に予想される自車両と周囲車両のとる軌道X(vec)(t)、Y(vec)(t)を計算し、前回計算した予測軌道を更新する。
【0112】
ステップ8では予測軌道X(vec)(t)、Y(vec)(t)を表示装置4に転送し、表示装置4に適切な情報を提示させて、処理を終了する。
表示装置4では、例えば図9の右側の図に示したように、自車両の周囲地図と共に、計算された自車両の推奨予測軌道を画面に重ねて表示し、設定された動作戦略を実現するための運転操作の方法を提示する。
【0113】
以上が第1の実施例の説明である。最終的なアウトプットという点での従来技術との最大の違いは、現在の推奨操作だけではなく、現在時刻tから未来時刻tまでの一連の推奨操作を提示する部分にあり、それを可能にしているのが周囲車両群挙動予測手段3bによる挙動の予測と操作量評価手段3cによる予想結果の評価に基づく操作量の生成という構成にある。
【0114】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例を図10から図14までの図面に基づいて説明する。
【0115】
図10は、本発明の車両用推奨操作量生成装置の各要素を示す第2の実施例の配置図であり、図11は図10の機能ブロック図である。
【0116】
基本的な構成は第1の実施例と同じであるが、異なる点は、道路地図案内システム5が付け加えられていることである。道路地図案内システム5は衛星等からの信号を受信するアンテナと受信した信号を処理するマイクロコンピュータとその周辺装置、ソフトウェア、および地図情報を格納する地図情報データベースから構成され、車両の適当な箇所に取り付けられる。
【0117】
以下、図12に示すような道路状況における動作の例に基づいて、各ブロックの具体的な機能、構成法について説明する。
【0118】
周囲地図生成手段3aの動作は、基本的に第1の実施例の場合と同様であり、検出した周囲車両の進行方向、位置と速度と車線位置を算出する。ただし、本実施例の図12の場面では、道路地図案内システム5から取得した情報により、自車両Aの左側のレーンはインターチェンジのランプウェイにおける合流レーンであることが認識され、さらに自車両の前方xendで合流レーンが途切れているという情報も取得している。また、自車両Aの走行する車線をレーン(0)、右側車線をレーン(1)、合流レーンをレーン(−1)のようにレーンインデックスがつけられたとする。
【0119】
従って、この場合、周囲地図生成手段3aにより車群状態ベクトルは、下記(数43)式のように初期値設定される。
【0120】
【数43】
Figure 0003714258
次に、周囲車両挙動群予測手段3bについて考える。自車両Aおよび他の車両C、D、Eに関しては第1の実施例で示したモデルと同一のモデルを用いることができる。異なる扱いが必要なのは、前方が途切れているレーンを走行している車両Bであり、以下に車両Bのモデルの一例を示す。
【0121】
ここでは、車両Bは、本線の流れに乗るのに十分な速度であるv を目標車速とする車速制御〔例えば、前記(数3)式のような制御則によって実現される制御〕を行なうものと想定する。また、車線変更のロジック自体は第1の実施例で示した判断ロジック(数23)式を流用することができる。ただし、ここでは車両Bの車線変更の意志は明らかなので、車線変更の意志をチェックする変数zは計算しなくてもよい。また、走行レーンが前方で途切れているため、レーンの終端付近では上記の車速制御をそのまま実行することは不可能になる。そこで、レーンの終端付近では減速するように、車両Bの進行方向の動作モデルを下記(数44)式のように決める。
【0122】
【数44】
Figure 0003714258
ただし、εは適当な小さな正の定数である。
そこで、下記(数45)式、(数46)式、(数47)式のように定義すれば、
【0123】
【数45】
Figure 0003714258
【0124】
【数46】
Figure 0003714258
【0125】
【数47】
Figure 0003714258
周囲車両群挙動予測手段3bの予測式は、第1の実施例の(数17)式と同じく下記(数48)式のように書ける。
【0126】
【数48】
Figure 0003714258
車線変更のロジックも第1の実施例と同じく、下記(数49)式と書ける。
【0127】
【数49】
Figure 0003714258
ただし、
【0128】
【数50】
Figure 0003714258
であり、さらにH(X(vec),Y(vec))の内部変数zは最初から車線変更が可能なように十分大きな値に初期化されるものとする。
以上が、周囲車両群挙動予測手段3bの内容である。
【0129】
操作量評価手段3c、推奨操作量生成手段3d、予測軌道演算処理手段3eは第1の実施例とまったく同様にして構成することができるので、ここでは改めて説明しない。
【0130】
例えば、今、操作量評価手段3cとして、下記(数51)式、(数52)式に示す二つの評価関数が提供されていたとする。
【0131】
【数51】
Figure 0003714258
【0132】
【数52】
Figure 0003714258
上記(数51)式は、前記(数42)式と同様、他車両との衝突を避けつつ、自車両の車速をなるべく一定速に保つような動作戦略に相当する評価である。一方、(数52)式は自車両の加減速はなるべく抑えつつも、車両Bがなるべく早く本線車線〔レーン(0)〕に入れるように配慮した評価となっている。
【0133】
図12の場面で(数51)式の評価を用いた場合と、(数52)式の評価を用いた場合に生成される操作量の例を図13に示す。自車両を優先する評価(数51)式を用いた場合は、最初に加速し、車両Bを追い抜いた後に減速して車両Cとの車間距離を保つような操作量が得られた。一方、車両Bを優先する評価(数52)式を用いた場合は、最初に減速し、車両Bの車線変更を待ってゆっくり加速に転じるような操作量が得られた。なお、どちらの場合も、レーン(1)への車線変更は指令されていないので、uのプロットは省略してある。これは、レーン(1)に存在する車両D、車両Eに速度差があることが検出されており、周囲車両群挙動予測手段3bが車両Eの加速を予測した結果、車線変更が抑制されたものと考えられる。得られたu、uを用いて周囲車両群予測手段3bの予測式を積分すれば、各車の予測軌道が得られることも第1の実施例と同様である。また、表示装置4には、第1の実施例と同じように自車両の軌道だけを表示することもできるが、時刻tにおける車両群の予想地図を表示することもできる。図13の右側の図は予想地図を表示した場合の例となっている。
【0134】
さらに違った表示方法として、加速を指示している場合には自車両を表すマークの上に前向き矢印を、減速を指示している場合には後向き矢印を表示するような方法も考えられる。図14にそのような表示方法を用いた場合の表示例を示す。なお、本実施例では説明しなかったが、自車両Aが右に車線変更するような指令値が生成された場合には、加速しながら車線変更する場合には右斜め前を向く矢印を、減速しながら車線変更する場合には右斜め後を向く矢印を、一定速で車線変更する場合には真横を向く矢印を表示する、といった表示方法も考えられる。
【0135】
以上が第2の実施例の説明である。
第2の実施例においては、地図情報の利用により、合流レーンを特定することができるので、合流レーンにいる車両の挙動予測の精度を上げることができる(この場合、確実に車線変更してくること)。また、操作量評価手段3cの評価基準を変えることで、同じ場面においても、その時に設定されている評価基準を反映して、異なる推奨経路が提示できることも示した。さらに、相互作用を考慮した予測を用いた結果(この場合、車両Dと車両Eの挙動に関する予測)、不用意な車線変更が抑制されていることも効果として挙げられる。
【0136】
(第3の実施例)
本発明の第3の実施例を図15から図19までの図面に基づいて説明する。 図15は、本発明の車両用推奨操作量生成装置の各要素を示す第3の実施例の配置図であり、図16は図15の機能ブロック図である。
【0137】
図15において、車間距離レーダ1aから道路地図案内システム5までの構成は第2の実施例と共通である。これらに加えて、第3の実施例では生成された指令値を実行するため演算部3から直接制御されるアクチュエータ群が構成要素として陽に表れる。すなわち、スロットル6は演算部3から指令されたスロットルバルブ開度信号に応じてスロットルバルブを開閉し、エンジン7の出力を調整する。また、変速機8は演算部3からの信号を受けて、変速比を変化させる。また、ブレーキ9は演算部3からの信号を受けて、ソレノイドバルブを開閉し、必要な制動力を発生させる。また、ステアリングアクチュエータ10は演算部3からの信号を受けて自動操舵用のモーターを駆動し、ステアリングを自動で操舵して車両の進行方向を変化させる。
【0138】
図16においては、上記各アクチュエータの他に、演算部3を構成するソフトウェアブロックに、新たに二つのソフトウェアブロックが追加されている。すなわち、動作目標自動生成手段3fは、生成された周囲地図、および道路地図案内システム5からの情報を受けて、操作量評価手段3cが用いる評価関数、および推奨操作量生成手段3dで用いられる終端条件を自動的に選択する。これは、例えば道路地図案内システム5でセットされている目的地までの経路に沿って走行するために、分岐路の手前で自動的に正しい方向の分岐路に進入できるような車線に車線変更することを動作目標として生成するような機能を果たす。
【0139】
また、アクチュエータ指令値演算手段3gは、推奨操作量生成手段3dで生成された加減速指令、および車線変更指令を実現するのに必要なアクチュエータの指令値を演算し、各アクチュエータに送る。アクチュエータ指令値演算手段3gについては公知の車間距離制御装置(例えば特開平2000−108721号公報)や車線維持装置(例えば特開平7−104850号公報)と同一の構成で実現できるので、ここでは説明しない。
【0140】
以下、図17に示すフローチャートをもとに、図18のような場面での動作を例にとって、第3の実施例の詳細を説明する。
【0141】
図18の場面は、自車両Aが左車線(レーン0)を先行車Bに追従して走行しており、右車線(レーン1)には前後にそれぞれ隣接車C、Dが走行している。この先約1kmの地点で道路が二方向に分岐しており、目的地に到着するためには右方向の分岐路へ進まなければならない、という場面となっている。
【0142】
図17のフローチャートにおいて、ステップ1からステップ4までは第1の実施例とまったく同じである。車群状態ベクトルは、前記(数41)式、および下記(数53)式のように初期化される。
【0143】
【数53】
Figure 0003714258
また、行列E、Eは前記(数13)式のように初期化される。
ステップ5においては、道路地図案内システム5の受信信号および地図データベースから自車両の現在位置が読み込まれる。この時点で、1km先に分岐点が存在することが認識される。
【0144】
ステップ6では分岐点の接近を受けて、自車両の位置が道路地図案内システム5で設定された目的地へ到達するのに適切かどうかがチェックされる。この場合、目的地に到達するためには右方向へ進む必要があり、現在の車線では不適当と判断され、ステップ8に進む。なお、自車両が既に右車線にいる場合にはステップ7に進み、それまでに何らかの方法、理由で設定されていた評価基準がそのまま継承されることが確認されて、ステップ9に進む。
【0145】
ステップ8では右車線に車線変更することが目標に含まれるような評価基準が適当に選択され、新たな評価基準として設定される。例えば、下記(数54)式のような評価関数と終端条件等がそのような評価基準の一つとして考えられる。
【0146】
【数54】
Figure 0003714258
第3の実施例では、第2の実施例と比較して、終端条件が明示的に指定されているところが異なっている。ステップ9では推奨操作量生成手段3dのアルゴリズムが呼び出され、(数54)式の評価関数が最小になるような操作量が生成される。この場合、終端条件が明示的に指定されているので、1回だけ右に車線変更するような操作量の候補の中から、最適操作量が生成されることになる。
例えば、図18のような場面において、図19の左図に示したような操作量が得られたとする。得られた操作量の意味は以下のように解釈できる。まず加速して車両Cと車両Dとの間隙の隣まで前進する。次に車速を保ったまま右へ車線変更する。車線変更したら、車間距離を広げるためにゆっくり減速する。車間距離が広がったら一定速走行に移行する。以上のような制御を実際に実行すると、図19の右図のように車群の状態は変化していくと予想される。
【0147】
ステップ10では新たに生成された操作量で過去の操作量を置き換える処理が行なわれる。
ステップ11では更新された操作量がアクチュエータ指令値演算手段3gに転送され、アクチュエータ指令値演算手段3gによって各アクチュエータに対する指令値に変換される。変換されたアクチュエータ指令値はただちに各アクチュエータに転送され、古い操作量を更新する。各アクチュエータは新たな操作量が転送されてくるまで、一番新しく転送された操作量に従って動作する。
以上で処理を終了する。
【0148】
なお、図17のフローチャートにおいて、第1、第2の実施例において記述した表示装置へのデータの転送処理のステップは省略したが、必要であればステップ10以降の任意のステップにデータ転送の処理を挿入することは可能である。
【0149】
以上が第3の実施例の説明である。
第3の実施例においては、道路地図案内システムとの連携により、適切な評価基準を自動的に選択する例、および生成した推奨操作量を実際にアクチュエータに指令することで、運転支援を実現する例を示した。なお、ここではアクチュエータが完全に自動制御されるという前提で実施例を説明したが、アクセルやブレーキに補助踏力、ステアリングに補助トルクを加えるという形で運転者の運転を支援する方法も同様にして構成することができる。
【0150】
(第4の実施例)
本発明の第4の実施例を図20から図25までの図面に基づいて説明する。
第4の実施例は、本発明の推奨操作量生成手段3dの具体的な構成方法(例えば請求項11に相当)を示すために説明する実施例である。
【0151】
第4の実施例の配置図は第1の実施例に示したものと同じく図1に示すようになる。各構成要素の機能も第1の実施例と同一であるため、説明は省略する。以下、図20に示すような道路状況における動作の例に基づいて、推奨操作量生成手段3dの具体的構成方法を説明する。
【0152】
図20では、片側二車線の道路の左車線を速度vで自車両Aが走行しており、その前方に車両Bが速度vで走行しているいる。車両Aと車両Bとの車間距離は車両Aの運転者が希望する車間距離とは異なっており、車両Aの運転者は車間距離を調整する意志を持っているとする。一方、右車線には隣接の車両Cが速度vで走行している。車両Cの速度は車両Bの速度よりも遅く、また車両Cは左ウィンカーを出すなどして左車線への車線変更の意志を持っているものとする。また、ここでは説明の簡略化のため車両Aと車両Bの車線変更は考えないものとする。従って、この場合生成される操作量は加減速に関する操作量uだけである。
【0153】
周囲車両群挙動予測手段3bの予測式のうち、車両進行方向の挙動を記述する部分は第1の実施例に示したものと同一の式、すなわち(数2)式および(数3)式で構成する。ただし、簡略化のため車両Bと車両Cはすでにそれぞれの希望車速で走行しており、先行車を検出するまでは一定車速で走り続けるものとする。
【0154】
この場合、周囲車両群挙動予測手段3bの予測式は、各車の位置関係によって3通りに切り替わる可能性がある。後の説明の都合上、考えられる3通りの位置関係それぞれに整数値を図21に示すように割り当て、車両の位置関係を整数値をとる変数qで表すものとする。この時、車両進行方向の予測式は、下記(数55)式のようにまとめて記述することができる。
【0155】
【数55】
Figure 0003714258
ただし、
【0156】
【数56】
Figure 0003714258
【0157】
【数57】
Figure 0003714258
車両Cの車線変更のモデルも第1の実施例に示したものと同様の式、すなわち前記(数23)式、(数25)式で構成されるものとする。この場合、車両Cが車線変更の意志を持っていることはわかっていると仮定しているので、(数22)式に示したような車線変更の意志のチェックは行なわない。まとめると、qの遷移条件として下記(数58)式のようにまとめられる。
【0158】
【数58】
Figure 0003714258
操作量評価手段3cも車両の位置関係によって変化する可能性がある。例えば、図19のような場面では、下記(数59)式、(数60)式に示すような評価関数を考えることができる。
【0159】
【数59】
Figure 0003714258
【0160】
【数60】
Figure 0003714258
ただし、
(u)=(1/2)u は加減速を小さくするという要請、
(x,x)=a(x−x)+b/(x−x) は先行車に対して適当な車間距離を保つという要請、
(x,x)=1/(x−x) は後続車に接近しすぎないという要請、をそれぞれ表現した評価関数である。また、r、w、wは評価に対する重みを表す正の定数であり、a、bは、評価関数の形を決める適当なパラメータである。
【0161】
予測式(数55)式、(数58)式、評価関数(数59)式のように設定された周囲車両群挙動予測手段3bと操作量評価手段3cに対して、推奨操作量を演算するのが推奨操作量生成手段3dである。評価関数が最小になるような操作量は第1の実施例で説明したような探索法を用いれば、原理的には必ず見つけることができる。しかし、図6、図7に示した全数探索による探索方法は、設定された問題の性質を無視した試行錯誤に基づく探索方法であり、探索効率が悪く、通常多大な計算時間が必要になる。一方、車線変更のモデル(数58)式を除くと、予測式(数55)式と評価関数(数59)式から定義される問題は、最適制御問題としてよく知られている問題となり、最適解(最適操作量)が満たすべき数学的条件(最適性の必要条件)が広く知られている。そこで、最適解の探索にあたって探索範囲を最適性の必要条件を満たすものに限定すれば、探索の範囲を減らすことができるので、結果として短い計算時間で最適解を得ることができる。
【0162】
例えば、文献1「加藤寛一郎著 工学的最適制御 非線形へのアプローチ」では、そのような方法の一つとしてダイレクトシュート法に言及している。ただ、最適解のオンラインでの使用を考慮した場合には、最適解を所定の計算時間内に得ることが厳しく要求されるため、なるべく反復計算に頼らずに解が得られるようなアルゴリズムが望ましい。そのような方法の一つが、文献2「T. Ohtsuka, Continuation/GMRES method for fast algorithm of nonlinear receding horizon control Proc. 39th IEEE Conference on Decision and Control, pp.766-771, 2000.」に開示されている。そこで開示されているアルゴリズムの要点は、次のようなものになる。
【0163】
或る時刻t=tにおいて、T秒まで先の最適解u(t:t)、t≦t≦t+Tが得られているとする。ある微少な時刻Δtが経過し、時刻t=t+Δtになると、u(t:t)をそのままΔtだけシフトさせた解u(t−Δt:t)、t+Δt≦t≦t+T+Δtはそのままではt=t+Δtにおける最適解とはなっていない。しかし、Δtが十分小さければt=t+Δtにおける最適解u(t:t+Δt)はu(t:t)からあまり変化していないものと考えることができる。そこで、t=t+ΔtにおいてΔtだけ過去の最適解を入力として加えた場合に予想される系の挙動の最適性の必要条件からの乖離を調べて、その乖離をなくすように最適解を補正することで新しい解を構成する。
【0164】
以上に挙げたアルゴリズムを、車両の推奨軌道生成のために適用する場合、車線変更に伴って、予測式と評価関数が(数57)式、(数60)式のように変化してしまうことが問題となる。このため、車線変更が予想される場合には、予測式と評価関数を切り替えて最適化アルゴリズムの中で使用する必要があるが、車線変更のタイミングは自車両の動きに依存しており、厳密に最適性を満たすように解を構成することは難しくなる。ただ、上で挙げたアルゴリズムの中には1ステップ前の解を用いてシステムの挙動を予測するプロセスが含まれている。そこで、1ステップ前の解を用いた場合に起こる車線変更のタイミングを調べ、最適解の更新の際に、そこで得られたタイミングで予測式と評価関数を切り替えることで解を更新するというアルゴリズムを作ることができる。そのようなアルゴリズムは厳密には最適性を保証しないかもしれないが、元のアルゴリズムと比較してわずかに計算量が増えるだけでアルゴリズムを構成することができる。また、実際にこのアルゴリズムを使用してシミュレーションを行なった結果を見る限り、妥当性のある軌道が生成されており、推奨操作量として提示するには十分である。
【0165】
以上から、具体的なアルゴリズムを示すために、最適性の必要条件について説明する。
まず、予測式と評価関数から、新たに下記(数61)式のような関数(ハミルトニアン)を定義する。
【0166】
【数61】
Figure 0003714258
ただし、λ(t)は予測式と同じ次数の成分を持つベクトル変数である。この時、最適性の必要条件は下記(数62)式、(数63)式、(数64)式のように書き下せる。
【0167】
【数62】
Figure 0003714258
【0168】
【数63】
Figure 0003714258
【0169】
【数64】
Figure 0003714258
ただし、xはt=tにおける車群の状態量である。
【0170】
以上の条件を利用して推奨操作量を更新するための手順を図22に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0171】
図22において、まず、ステップ1では、前のサイクルで求めた時刻t−Δtにおける推奨操作量u (t:t−Δt)をロードする。
ステップ2では、u (t:t−Δt)を用いて予測式(数55)式、(数58)式を時刻t−Δtから時刻tまで積分し、時刻tにおける状態量x(t)、q(t)を求める。
ステップ3では、u (t:t−Δt)を時刻tを始点とするようにシフトした操作量u (t−Δt:t−Δt)を用い、さらにステップ2で求めた状態量x(t)、q(t)を初期条件として、(数63)式および(数58)式をtからt+Tまで積分して、状態量を求める。
ここで、xだけでなく、qも並行してチェックし、車線変更の条件に合致する状態が検出された場合には、車線変更が行なわれたとしてqの値を変更し、以後のfの積分に反映させている点に注意されたい。ここで、Tは評価区間の長さであり、積分の結果算出された状態量をx(t)、q(t)とおく。
【0172】
ステップ4では、u 、x(t)、q(t)を用いて(数64)式をt+Tからtまで積分する。ここでも、ステップ3で算出されたq(t)の値を参照しながら積分を進めるため、積分に用いるハミルトニアンが切り替えられている点に注意されたい。得られたλをλ(t)とおく。
ステップ5では、ステップ3、4で得られたx(t)、q(t)、λ(t)を用いて、(数62)式をuについて解く。解いて得られたuが時刻tにおける推奨操作量u (t:t)である。
本実施例においては、前記(数62)式は下記(数65)式で表される。
【0173】
【数65】
Figure 0003714258
ただし、λ(t)はベクトル変数λ(t)の第二成分である。従って、λ(t)が計算できていれば、推奨操作量は下記(数66)式で算出することができる。
【0174】
【数66】
Figure 0003714258
図22に示したフローチャートを実行する場合には、操作量生成の初期時刻における推奨操作量を与える必要がある。初期操作量は、もし検出された場面がしばしば現われるような場面で、あらかじめ最適操作量がわかっている場合には、記録してある最適操作量をロードして初期操作量とすればよい。また、初期操作量が厳密に最適性を満たしていなくても、最適操作量に類似した初期操作量から始めれば、図22の更新アルゴリズムを必要に応じて反復して適用することで、初期操作量に対して適切な補正を加えることができる。初期操作量の候補を持っていない場合には、例えば前記の文献2に開示されているように、評価区間の長さを初期時刻において0にとって自明な最適解をとり、自明な解から始めて評価区間の長さを徐々に長くしていくという方法で対処する方法が知られている。その場合には、全体のアルゴリズムは図23に示したようなフローチャートとなる。ここでは、最終的に時刻t≦t≦tの区間における推奨軌道を求めるものとする。
【0175】
図23において、まず、ステップ1では、t=t初期時刻における状態量x(t)、q(t)を求める。
ステップ2では、初期推奨操作量を決定する。予測区間の長さを0にした場合には、x(t)=x(t)、λ(t)=0、q(t)=q(t)とおいて、t=tにおいて(dH/du)=0を解けば、自明な最適推奨操作量u (t)(定数)が得られる。最終的に出力する推奨操作量を格納するための変数u (t)を用意し、u (t)を下記(数67)式のように初期化する。
【0176】
【数67】
Figure 0003714258
ステップ3では、時刻tを1ステップ分、すなわちΔtだけ進める。
ステップ4では、次ステップにおける評価区間の長さを決定する。評価区間の長さは0から始めて徐々に長くしていく。例えば、下記(数68)式に従って長さを決定することができる。
【0177】
【数68】
Figure 0003714258
ただし、Tは評価区間長の最大値、αは適当な正の定数である。
ステップ5では、先に図21で説明した推奨操作量の更新アルゴリズムを実行し、新たな推奨操作量u (t:t)を生成する。ただしこの場合、予測区間の長さが各ステップで同一ではないため、1ステップ前の操作量u (t−Δt:t−Δt)の長さが現在の評価区間の長さと一致しなくなる。そのため、u (t−Δt:t−Δt)の時間スケールを修正して現在の評価区間長と一致させた操作量を最適化演算に用いる。すなわち、1ステップ前の評価区間長をTとして、u (t−Δt:t−Δt)の替わりにu 〔(T/T)(t−Δt):t−Δt〕を用いることにする。
【0178】
ステップ6では、ステップ5において生成された操作量u (t:t)、t≦t≦t+Tでもって、最終的な推奨操作量格納用変数u (t)の該当部分を更新する。
ステップ7では、tがTまで進んでいるかどうかをチェックし、進んでいた場合には、その時点におけるu (t)を最終的な推奨操作量として出力して終了する。進んでいない場合にはステップ3に戻って処理を続ける。
生成された推奨操作量の利用方法については前の実施例と同じであり、操作量のまま提示する方法や、周囲車両群挙動予測手段3cの予測式を積分することで走行軌道の形に変換して提示することや、あるいは自動制御で用いる制御指令値として用いることもできる。
【0179】
以上のアルゴリズムを実際に本実施例で取り上げている場面に対して適用して得られた結果の一例を図24、図25に示す。図24においては自車両Aと車両Bの初期車間距離を40mとした場合の結果、図25は初期車間距離を60mとした場合の結果を示している。上段に生成された操作量(加減速指令値)、中段に車両Aと車両Bおよび車両Cとの車間距離および車両Cのレーン位置、下段に各車の車速をプロットしている。
図24では自車両Aに対して加速が指令され、隣接車Cの自車両前方への車線変更を防いでいるのに対し、図25では自車両Aの加速が抑制され、車両Cに場所を譲る形で車間距離を広げていることがわかる。このように、本実施例において示したアルゴリズムを用いることによって、全数探索やダイレクトシュート法などの公知の方法と比較して、少ない計算量で場面に応じた適切な操作量を提示することができるようになる。
【0180】
以上より、本発明で示した車両用推奨操作量生成装置を用いれば、操作量評価手段3cという形で表現された動作目的を実現するのに望ましい運転方法(推奨操作量)を、ある未来の時点までの一連の動作(時系列)として提示することができる。提示された運転方法を利用して、自車両の推奨走行軌道や、周囲車両群の動きの予測を運転者に提示することや、さらにはアクチュエータを作動させることによって、提示された運転方法を補助力や補助トルクを通して運転者に伝達したり、アクチュエータの自動制御によって推奨走行軌道に自動で追従するようなシステムも実現することができる。以上のような様々な運転支援の手段を提供することによって、運転者にとってより運転しやすい自動車の実現に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成を示す図。
【図2】第1の実施例を機能ブロックで示した図。
【図3】実際の道路状況(特に第1の実施例に適合)における動作の一例を示す図。
【図4】周囲車両群挙動予測手段3bにおける予測式の構成例を示す図。
【図5】周囲車両群挙動予測手段3bにおける処理のフローチャートを示す図。
【図6】推奨操作量生成手段3dの構成例のフローチャートを示す図。
【図7】指令値系列の離散化と量子化の例を示す図。
【図8】第1の実施例における全体の処理フローチャートを示す図。
【図9】第1の実施例における生成軌道とその表示例を示す図。
【図10】第2の実施例の構成を示す図。
【図11】第2の実施例を機能ブロックで示した図。
【図12】実際の道路状況(特に第2の実施例に適合)における動作の一例を示す図。
【図13】第2の実施例における生成軌道と予想地図の表示例を示す図。
【図14】第2の実施例における生成動作とその表示例を示す図。
【図15】第3の実施例の構成を示す図。
【図16】第3の実施例を機能ブロックで示した図。
【図17】第3の実施例における全体のフローチャートを示す図。
【図18】実際の道路状況(特に第3の実施例に適合)における動作の一例を示す図。
【図19】第3の実施例における生成軌道と予想挙動の例を示す図。
【図20】第4の実施例の適用場面を示す図。
【図21】第4の実施例において導入される状態変数qの定義を示す図。
【図22】第4の実施例における推奨操作量更新アルゴリズムのフローチャートを示す図。
【図23】第4の実施例における推奨操作量生成アルゴリズム全体のフローチャートを示す図。
【図24】第4の実施例における推奨操作量生成の一例を示す図。
【図25】第4の実施例における推奨操作量生成の別の一例を示す図。
【符号の説明】
1a…前方レーダ(周囲センサ) 1b…画像センサ(車線検出器)
1c…後方レーダ(周囲センサ) 1d…側方センサ(周囲センサ)
2…車速センサ 3…演算部
3a…周囲地図生成手段 3b…周囲車両群挙動予測手段
3c…操作量評価手段 3d…推奨操作量生成手段
3e…予測軌道演算手段 3f制御目標自動生成手段
3gアクチュエータ指令値演算手段 4…表示装置
5…道路地図案内システム 6…スロットル
7…エンジン 8…変速機
9…ブレーキ 10…ステアリングアクチュエータ

Claims (13)

  1. 自車両の周囲を走行する車両の位置を検出する周囲車両検出手段と、
    自車両の周囲の走行車線を検出する車線検出手段と、
    自車両の車速を検出する自車速検出手段と、
    上記三つの検出手段から得られる情報から、自車両とその周囲車両の車線ごとの位置と速度を算出する周囲地図生成手段と、
    自車両が行う行動の影響を受けて自車両と周囲に存在する他車両からなる車群に生じる予想される未来の挙動を、自車両の操作に応じて自車両の挙動を予測する自車モデルと、所定の位置関係を満たす車両の挙動に応じて他車両の挙動を予測する他車モデルとを、前記車群の車両配置に基づいて組み合わせることで記述した予測式として提示する周囲車両群挙動予測手段と、
    前記周囲車両群挙動予測手段で得られた他車両の未来の挙動に対して、車両進行方向の加減速運動および左右の車線への車線変更運動から構成される自車両の未来の操作の望ましさを評価する操作量評価手段と、
    前記周囲地図生成手段、前記周囲車両群挙動予測手段および前記操作量評価手段の結果に基づいて、自車両にとって望ましい操作量を生成する推奨操作量生成手段と、
    を備え、前記周囲車両群挙動予測手段で予測した複数の車両からなる車群に生じる未来の挙動に応じて、現在の推奨操作だけではなく、現在時刻から未来時刻までの一連の推奨操作を提示することを特徴とする車両用推奨操作量生成装置。
  2. 前記操作量評価手段は、自車両が未来にとる操作の望ましさを順序付け可能な数値で評価し、
    前記推奨操作量生成手段は、ある未来の時間区間における前記操作量評価手段の評価が最良となるような自車両の未来の操作である最適操作量を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用推奨操作量生成装置。
  3. 前記周囲車両群挙動予測手段は、他車両の挙動予測を、自車両を含む周囲車両との相互作用を考慮して行うものであることを特徴とする請求項1または請求項に記載の車両用推奨操作量生成装置。
  4. 自車両の周囲を走行する車両の方向指示器または制動灯を認識する表示灯検出手段を備え、
    該表示灯検出手段からの情報に基づいて、前記周囲車両群挙動予測手段における他車両の動作の予測式に修正を加えることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の車両用推奨操作量生成装置。
  5. 外部からの信号を用いて自車両の位置を特定する手段と地図データベースからなる道路地図案内システムを備え、
    該道路地図案内システムからの情報に基づいて、前記周囲車両群挙動予測手段における他車両の動作の予測式を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の車両用推奨操作量生成装置。
  6. 前記操作量評価手段は複数の評価基準を持ち、道路状況に応じて異なる評価基準で操作量を評価することを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の車両用推奨操作量生成装置。
  7. 前記操作量評価手段は、運転者の操作によって評価基準を切り替えることを特徴とする請求項に記載の車両用推奨操作量生成装置。
  8. 外部からの信号を用いて自車両の位置を特定する手段と地図データベースからなる道路地図案内システムを備え、
    前記操作量評価手段は、該道路地図案内システムからの情報に基づいて、評価基準を自動的に切り替えることを特徴とする請求項に記載の車両用推奨操作量生成装置。
  9. 前記推奨操作量生成手段は、推奨操作量の候補を、他車両の挙動予測方法と自車両の操作量の評価方法から変分原理に基づいて導かれる最適性の条件式を満たすように逐次更新していくことで最終的な推奨操作量を生成するものであって、操作量の更新ステップにおいて他車両の車線変更の予測を更新前の操作量に基づいて行ない、予測された車線変更の結果に基づいて他車両の挙動予測方法および自車両の操作量の評価方法を適宜切り替えることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の車両用推奨操作量生成装置
  10. 算出された自車両に対する操作量と、周囲車両群挙動の予測式とを用いて、自車両および周囲車両群の予測軌道を算出する処理手段を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の車両用推奨操作量生成装置。
  11. 前記推奨操作量生成手段は、ある所定の時間間隔が経過した場合に、新たな周囲地図を取り込み、新たな推奨操作量を算出、更新することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れかに記載の車両用推奨操作量生成装置。
  12. 前記推奨操作量生成手段は、前記周囲車両検出手段の検出範囲内に新たな車両を検出した場合、または検出範囲内の車両のうちの少なくとも一台が検出されなくなった場合に、新たな推奨操作量を算出、更新することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れかに記載の車両用推奨操作量生成装置。
  13. 前記推奨操作量生成手段は、前記予測軌道算出手段で算出された予測軌道と実際の車群の挙動との差異が所定の基準以上に大きくなった場合に新たな推奨操作量を算出、更新することを特徴とする請求項10に記載の車両用推奨操作量生成装置。
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