JP3713923B2 - ディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は,ディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれる排気微粒子即ちパティキュレートをフィルタで捕集し,捕集されたパティキュレートを加熱焼却してフィルタを再生するディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として,ディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれる排気微粒子即ちパティキュレートを捕集するため,排気ガス通路に一対のフィルタを並列に配置し,一方のフィルタでパティキュレートを捕集し,捕集したパティキュレートが所定量以上になると,排気ガスの流れを切り換えて他方のフィルタで排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集すると共に,一方のフィルタに捕集されたパティキュレートを加熱焼却して該一方のフィルタを再生するものが知られている(例えば,特開平7−279646号公報,特開平8−312329号公報参照)。
【0003】
ディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置は,例えば,図7に示すようなものが考えられる。該ディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置は,ディーゼルエンジンの排気マニホールドに連通した排気管10,該排気管10から分岐する一対の排気ガス通路(分岐管11,12),それぞれの排気ガス通路11,12に取り付けられ,排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集するフィルタ5,9,排気ガスを排気ガス通路11,12の両方又は一方に流すように作動する切換弁4,切換弁4とフィルタ5,9との間で両排気ガス通路11,12同士を連通する連通管23,及び再生時にのみ開く開閉弁24と排気ガスの流量を制御する流量制御弁25とからなる連通管23に設けられた再生用制御弁26を有するものである。
【0004】
図7に破線で示す位置に切換弁4を切り換えて,一方の排気ガス通路11に排気ガスを導入し,他方の排気ガス通路12への排気ガスの流入を遮断すると,排気ガスに含まれるパティキュレートは一方の排気ガス通路11に設けられたフィルタ5で捕集される。フィルタ5の圧力損失が所定の大きさよりも大きくなると,コントローラ7は,目詰まり判定用圧力センサ(図示せず)からの出力を受けてフィルタ5が目詰まりを起こしていると判断し,アクチュエータ17に信号を送り,これにより,切換弁4は図7において実線で示す位置に切り換わる。即ち,他方の排気ガス通路12へ排気ガスを導入し,一方の排気ガス通路11への排気ガスの流入を遮断する。フィルタ5の内部に設けられた電気ヒータ(図示せず)が電極端子20を通じて通電される。電気ヒータの通電時間が所定の時間になり,電気ヒータの温度がパティキュレートの燃焼可能な温度以上に達すると,開閉弁24が開いて連通管23の通路を開放し,他方の排気ガス通路12から連通管23を通して排気ガスをフィルタ5に導く。排気ガスは酸素を含んでいるので,排気ガスがフィルタ5に導入されると,フィルタ5に捕集されたパティキュレートは加熱焼却される。
【0005】
他方の排気ガス通路12のフィルタ9が目詰まりを起こすと,切換弁4が切り換わり,排気ガスは一方の排気ガス通路11へ導入され,他方の排気ガス通路12への排気ガスの流入は遮断されるとともに,フィルタ9の内部に設けられた電気ヒータ(図示せず)が電極端子20を通じて通電される。電気ヒータの通電時間が所定の時間になり,電気ヒータの温度がパティキュレートの燃焼可能な温度以上に達すると,開閉弁24が開いて連通管23の通路が開放され,排気ガスが一方の排気ガス通路11から連通管23を通してフィルタ9へ導入される。その結果,フィルタ9に捕集されたパティキュレートは加熱焼却される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上記のようなディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置では,並列に配置されたフィルタに対して排気ガスの流れを切換弁で切り換え,いずれか一方のフィルタで排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集している間に,他方のフィルタ即ち再生側フィルタに捕集されたパティキュレートを加熱焼却して再生側フィルタを再生する。その際,再生側フィルタに捕集されたパティキュレートを焼却するために,排気ガスが連通管を介して再生側フィルタへ導入される。それ故に,連通管に配置されている再生用制御弁特に流量制御弁に,排気ガス中のパティキュレートが付着して堆積し,開口面積が減少するという問題が生じる。即ち,流量制御弁の開口面積が減少することによって再生側フィルタに供給される排気ガスの量が減少し,これにより,フィルタの再生が十分に行われず,再生不良が生じ,フィルタの捕集時間が短くなるという問題が発生する。それ故,この種の再生装置については,再生用制御弁,特に流量制御弁に付着したパティキュレートを如何にして除去するかが課題となっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,分岐管を連通する連通管に設けた再生用制御弁に付着したパティキュレートを高圧エアで吹き飛ばして除去することにより,再生用制御弁の開口面積の減少を防止し,再生側フィルタに供給する排気ガス量の減少を防止し,フィルタの再生をスムースに且つ確実に再生し,フィルタの捕集時間の長期化を図ったディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置を提供することである。
【0008】
この発明は,ディーゼルエンジンの排気管から分岐する一対の分岐管,前記分岐管にそれぞれ設けられた排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集するフィルタ,前記フィルタに捕集されたパティキュレートを加熱焼却するため前記フィルタにそれぞれ設けられた加熱装置,前記分岐管のいずれか一方に前記排気管から排気ガスを流すため切り換えられる前記排気管に設けられた切換弁,前記切換弁と前記フィルタとの間の前記分岐管を連通し且つ再生側の前記フィルタに再生用排気ガスを供給する連通管,前記連通管に設けられた前記フィルタの再生のための排気ガス流量を制御する再生用制御弁,及び前記再生用制御弁へ予め設定された所定の時間間隔で前記制御弁に高圧エアを供給するエア配管に設けられたエア供給制御弁から構成され,前記高圧エアの供給は前記フィルタの再生中には行わないことから成るディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置に関する。
【0009】
このディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置において,前記高圧エアは,前記連通管に設けられた吐出口,前記再生用制御弁内に設けられた吐出口及び/又は前記制御弁のハウジングに設けられた吐出口から供給されることから成るものである。
【0010】
この発明によるディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置は,上記のように構成したので,切換弁を切り換えて,例えば排気管から排気ガスを一方の分岐管及びフィルタに導入すれば,排気ガスに含まれるパティキュレートはフィルタで捕集され,フィルタが捕集側フィルタとして機能する。一方のフィルタがパティキュレートで目詰まりを起こすと,切換弁が切り換えられて,排気ガスは排気管から他方の分岐管及びフィルタへと導入され,該フィルタが捕集側フィルタとして機能するようになる。目詰まりを起こしている一方のフィルタ即ち再生側フィルタは,加熱装置で加熱され,加熱装置の温度がパティキュレートの燃焼可能な温度以上に達すると,再生用制御弁が開いて連通管の通路が開放され,排気ガスは他方の分岐管から連通管を通して一方のフィルタへ導入される。排気ガスは酸素を含んでいるので,排気ガスが導入されると,再生用のフィルタに捕集されたパティキュレートはすぐに加熱焼却されて再生される。
【0011】
他方のフィルタを捕集側フィルタとして機能させていると,やがて今度は他方のフィルタが目詰まりを起こすので,自動的に切換弁が切り換わって再び一方のフィルタが捕集側フィルタとなる。そして,目詰まりを起こした他方のフィルタが今度は上記と同様にして再生される。このようにして,両フィルタは,交互に捕集側フィルタとしての機能を果たし,その間に他方のフィルタが再生側フィルタとなって再生される。
【0012】
この再生装置は,再生時に再生用制御弁を開くことによって,排気ガスを再生側フィルタへ導入できるように構成されたものであるから,排気ガスに含まれるパティキュレートが再生用制御弁特に流量制御弁に付着することは避けられないが,車両側の高圧エアが所定の時間間隔で流量制御弁に向けて供給されるので,流量制御弁に付着したパティキュレートは高圧エアによって吹き飛ばされ,除去される。このため,流量制御弁の開口面積の減少を防止することができ,再生側フィルタに供給される排気ガス量の減少が防止されるので,フィルタに捕集されたパティキュレートを十分に加熱焼却することができ,フィルタの捕集時間の長期化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明によるディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置の実施例を説明する。図1はこの発明によるディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置の一実施例を示す概略説明図,図2は図1の再生装置における再生用制御弁の構造を示す断面図,図3は図2のA−A断面図,及び図4は図1に組み込まれるフィルタの構造の一例を示す説明図である。
【0014】
このディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置は,ディーゼルエンジン1の排気マニホルド15に接続された排気管10から分岐した一対の排気ガス通路(分岐管11,12)の途中にそれぞれフィルタ5,9が並列に配設されている。ディーゼルエンジン1は,EGR装置を備えている。EGR通路21は,排気マニホルド15と吸気マニホルド14に接続された吸気管13とを接続する。EGR通路21には,EGR弁2が設置されている。EGR弁2の開閉作動は,エンジンコントローラ8の指令で制御される。ディーゼルエンジン1のエンジン回転,負荷等の運転状態は,エンジンコントローラ8に入力される。エンジンコントローラ8は,ディーゼルエンジン1の運転状態及びディーゼルパティキュレートフィルタ用コントローラ7の情報を受けてEGR弁2の開閉を制御し,排気ガスの一部を吸気管13へ送り込む制御を行なう。
【0015】
このディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置は,フィルタ5,9を交互に通過する排気ガスに含まれるカーボン,煤,HC等のパティキュレートを捕集し,フィルタ5,9に捕集されたパティキュレートを加熱装置(電気ヒータ22)を作動して加熱焼却し,フィルタ5,9を再生する。フィルタ5,9は,図4に示すように,排気ガス通路11,12に配設されたハウジング18内に組み込まれたセラミックス不織布から作製された円筒状及び/又はプリーツ状の筒状フィルタ16と,筒状フィルタ16の表面に配置された金網等から成る加熱装置22から構成されている。筒状フィルタ16の両端には封止プレート19,19が取り付けられ,加熱装置22は筒状フィルタ16の外周に配置され,排気ガスは図4に矢印で示すように筒状フィルタ16の外側から内側へ向かって流れる。筒状フィルタ16を構成する材料は,上記のように,耐熱性で耐酸化性に富んだSiC,Al2 O3 等から成るセラミックス不織布を使用できるが,セラミックス不織布の均等物として,セラミックス繊維,セラミックス織布,セラミックスフェルト等の繊維材料を使用することができる。
【0016】
このディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置では,加熱装置22は筒状フィルタ16の排気ガス流れの上流側に位置し,周方向に通電可能に構成することができる。加熱装置22には,通電のため周方向の両端に電極端子20が設けられている。加熱装置22を構成する通電金網は,筒状フィルタ16の排気ガス流れの上流側に位置し,軸方向全領域において均一なピッチ即ちメッシュ数に構成したものが使用される。加熱装置22は,コントローラ7からの指令によって作動される。
【0017】
このディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置では,フィルタ5,9の上流側の排気管10に排気ガス圧を検出するための入口圧力センサ3が設けられ,また,フィルタ5,9の下流側の排気管10に排気ガス圧を検出するための出口圧力センサ6が設けられている。入口圧力センサ3及び出口圧力センサ6による排気ガス圧の検出値はコントローラ7に入力される。排気管10から一対の排気ガス通路11,12に分岐する分岐点には,コントローラ7の指令で電磁式又は油圧式のアクチュエータ17によって作動される切換弁4が配設されている。切換弁4は,アクチュエータ17によって排気ガスをいずれか一方或いは両方の排気ガス通路11,12に流すように作動される。コントローラ7は,入口圧力センサ3及び出口圧力センサ6からの排気ガス圧の検出信号を受けて切換弁4の切り換え作動を行なうと共に,再生するフィルタ5又は9の加熱装置22を作動する。
【0018】
切換弁4とフィルタ5,9との間で,排気ガス通路11と排気ガス通路12は連通管23によって連通されている。連通管23には開閉弁24と流量制御弁25とからなる再生用制御弁26が介装されている。開閉弁24は通常は閉じており,再生側フィルタ5又は9の加熱装置22を作動させている再生時にのみ短時間だけ開くものである。また,流量制御弁25は連通管23内を通過する排気ガスの流量を絞り,再生側フィルタ5又は9が過度に温度上昇するのを防止するために設けられたものである。なお,排気管10から分岐する導管28は再生用アクチュエータ29に接続されている。
【0019】
再生用アクチュエータ29は,排気管10の圧力に応じて流量制御弁25の開度を調節するためのものである。即ち,再生用アクチュエータ29は,排気管10の圧力が低いときには流量制御弁25の開度を絞り,排気管10の圧力が高いときには流量制御弁25の開度を大きくして,連通管23を通じて排気ガス通路11からフィルタ9へ,あるいは排気ガス通路12からフィルタ5へ導入される排気ガスの流量が常に一定になるように調節するためのものである。
【0020】
流量制御弁25は,図2及び図3に示すように,円筒状の弁体30の上下に枢支軸31を有するとともに,弁体30の中央部には枢支軸31に直交する方向に貫通孔32が形成されたものであり,弁体30は枢支軸31によってハウジング27に対して回動可能に枢支されたものである。連通管23の軸線と貫通孔32の軸線とのなす角度の大きさに応じて,連通管23を流れる排気ガスの流量が調節される。
【0021】
再生用制御弁26のハウジング27には,車両側エア供給源,例えば,車両ブレーキ用の圧力制御装置の排気口から高圧エアを導くためのエア配管33がエア供給制御弁の電磁弁34を介して接続されている。エア配管33は末端で複数に分岐し,そのうちの一本の分岐管35は枢支軸31に接続されている。枢支軸31には高圧エアを導く通路36が形成され,通路36先端の吐出口38は弁体30の貫通孔32に開口している。このため,流量制御弁25の貫通孔32内に付着したパティキュレートを高圧エアの噴射によって吹き飛ばすことができる。また,エア配管33の別の分岐管37は再生用制御弁26のハウジング27の側面に接続されており,高圧エアはハウジング27に形成された吐出口40から流量制御弁25の弁体30の外周面に向けて噴射され,弁体30の開閉弁24側の外周面に付着したパティキュレートは高圧エアによって吹き飛ばされる。エア配管33のさらに別の分岐管39は,弁体30の反対側の外周面(開閉弁24とは反対側の弁体の外周面)に向けて高圧エアを噴射できるように吐出口41が形成されている。電磁弁34を開いたときに,エア配管33の各分岐管35,37,39から高圧エアが同時に流量制御弁25に向けて噴射され,流量制御弁25の清掃が行われる。なお,高圧エアは必ずしも各分岐管35,37,39の吐出口38,40,41から同時に噴射させる必要はなく,少なくとも一つの分岐管の吐出口から噴射させるようにしてもよい。例えば吐出口38,40,41から順番に噴射できるように構成してもよいし,あるいは二つの吐出口38,41から同時に噴射させ,次に残りの噴出口40から噴射させ,これを交互に繰り返すようにしてもよい。
【0022】
このディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置は,上記のように構成されているので,次のように作動する。ディーゼルエンジン1の運転によって,例えば,まず切換弁4は排気ガス通路11を開放し,排気ガス通路12を閉鎖する。ディーゼルエンジン1からの排気ガスは排気マニホルド15から排気管10を通って排気ガス通路11に流れ込み,フィルタ5によって排気ガス中に含まれるパティキュレートが捕集される。圧力センサ3,6からの排気ガス圧力の信号はコントローラ7に入力され,コントローラ7はフィルタ5の上流側と下流側との排気ガス圧力の圧力比を演算する。フィルタ5が目詰まりを起こすと,即ちフィルタ5に堆積されたパティキュレートが所定量に達すると,フィルタ5の上流側と下流側との排気ガス圧力の圧力比が所定値に達する。該圧力比が所定値に達したとき,コントローラ7の指令によってアクチュエータ17が作動して切換弁4が切り換えられ,ディーゼルエンジン1からの排気ガスは排気マニホルド15から排気管10を通って排気ガス通路12に流れ込むようになる。
【0023】
排気ガスが排気ガス通路12に流れ込んでいる間は,排気ガス通路11には排気ガスの流入が遮断されているので,その間に排気ガス通路11のフィルタ5の再生が行われる。即ち,フィルタ5の加熱装置22が通電され,加熱装置22の通電時間が所定の時間になり,加熱装置22の温度がパティキュレートの燃焼可能な温度以上に達すると,開閉弁24が開いて連通管23の通路を開放し,排気ガスが排気ガス通路12から連通管23を介してフィルタ5に導かれる。排気ガスは酸素を含んでいるので,排気ガスが導入されると,フィルタ5に捕集されたパティキュレートは加熱焼却され,フィルタ5は再生される。
【0024】
排気ガスの排気ガス通路12及びフィルタ9への流入が続くと,やがてフィルタ9が目詰まりを起こす。即ちフィルタ9に堆積されたパティキュレートが所定量に達し,フィルタ9の上流側と下流側との排気ガス圧力の圧力比が所定値に達する。圧力比が所定値に達したとき,コントローラ7の指令によってアクチュエータ17が作動して切換弁4が切り換えられ,ディーゼルエンジン1からの排気ガスは排気マニホルド15から排気管10を通って再び排気ガス通路11に流れ込むようになる。
【0025】
排気ガスが排気ガス通路11に流れ込んでいる間は,排気ガス通路12には排気ガスの流入が遮断されているので,その間に排気ガス通路12のフィルタ9の再生が行われる。即ち,フィルタ9の加熱装置22が通電され,加熱装置22の通電時間が所定の時間になり,加熱装置22の温度がパティキュレートの燃焼可能な温度以上に達すると,開閉弁24が開いて連通管23の通路を開放し,排気ガスが排気ガス通路11から連通管23を介してフィルタ9に導かれる。そして,排気ガスが導入されると,フィルタ9に捕集されたパティキュレートは加熱焼却され,フィルタ9は再生される。
【0026】
再生時には,開閉弁24が開いて排気ガス通路11又は12から排気ガスが連通管23に流れ込むので,流量制御弁25に排気ガスに含まれるパティキュレートが付着する。その付着したパティキュレートは高圧エアによって吹き飛ばされて除去される。ここで,流量制御弁25に付着したパティキュレートを除去する時の処理手順について,図5のフローチャートを参照して説明する。まず最初にタイマをリセットし(ステップS1),時間tの計測を開始する(ステップS2)。タイマは時間tが30分経過するまではステップS2に戻って時間tの計測を続け,30分を経過すると信号をコントローラ7へ送信する(ステップS3)。コントローラ7はタイマからの信号を受けて,ディーゼルパティキュレートフィルタのヒータリレー信号を測定する(ステップS4)。ヒータリレー信号が入力されているときは,加熱装置22がONのときであるから,加熱装置22がOFFになるまで待機する(ステップS5)。加熱装置22がOFFになったときに電磁弁34を開き,高圧エアを供給する(ステップS6)。即ち,フィルタ5,9の再生中でないときに,高圧エアを流量制御弁25へ供給する。そのとき,0.5秒間,高圧エアが流量制御弁25に向けて噴射され,流量制御弁25に付着したパティキュレートは高圧エアによって吹き飛ばされて,フィルタ5,9に捕集される。このようにして,流量制御弁25は30分に一回の間隔で清掃される。なお,車両側のエア供給源として,プレッシャーレギュレーターの排気側に接続した場合には,レギュレーター開放時の騒音を低減することができるという副次的な効果も得られる。
【0027】
上記のとおり,この発明によるディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置は流量制御弁25に付着したパティキュレートを高圧エアによって除去することができるように構成されているので,再生側のフィルタ5又は9に十分な量の排気ガスを供給することができ,フィルタ5,9に付着したパティキュレートを十分に加熱焼却することができる。このため,フィルタ5,9は十分に再生されるので,フィルタ5,9の捕集時間が従来のものに比べて増加するという効果が得られる。この効果について示したものが図6である。図6はフィルタの経時劣化を示すグラフで,この発明の再生装置と従来の再生装置とを比較したものである。つまり,図6はフィルタの経時劣化について,この発明の再生装置を作動させた場合と作動させなかった場合とを比較したものである。この図6からも分かるように,この発明の再生装置を作動させなかった場合には,走行距離が長くなるに従って,一回の再生で走行できる距離が徐々に低下してくるのに対して,この発明の再生装置を作動させた場合には,走行距離が長くなっても,一回の再生で走行できる距離はあまり変化せず,フィルタの経時劣化が非常に小さいという優れた効果が得られることがわかる。
【0028】
【発明の効果】
この発明によるディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置は,上記のように,再生用制御弁特に流量制御弁に付着したパティキュレートを高圧エアで吹き飛ばして除去するように構成したので,流量制御弁の開口面積の減少を防止することができる。このため,時間の経過に伴って再生側フィルタに供給される排気ガス量が減少するという問題が解決されるので,フィルタに捕集されたパティキュレートを十分に加熱焼却することができ,フィルタの捕集時間の長期化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置の一実施例を示す概略説明図である。
【図2】図1の再生装置における再生用制御弁の構造を示す断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1の再生装置におけるフィルタの構造を示す説明図である。
【図5】この発明によるディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置の再生用制御弁に付着したパティキュレートを除去する時の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】この発明による再生装置を作動させた場合と作動させなかった場合についてフィルタの経時劣化を比較したグラフである。
【図7】従来のディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン
4 切換弁
5,9 フィルタ
7 コントローラ
10 排気管
11,12 排気ガス通路(分岐管)
22 加熱装置
23 連通管
24 開閉弁(再生用制御弁)
25 流量制御弁(再生用制御弁)
27 ハウジング
34 電磁弁(エア供給制御弁)
38,40,41 吐出口
Claims (2)
- ディーゼルエンジンの排気管から分岐する一対の分岐管,前記分岐管にそれぞれ設けられた排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集するフィルタ,前記フィルタに捕集されたパティキュレートを加熱焼却するため前記フィルタにそれぞれ設けられた加熱装置,前記分岐管のいずれか一方に前記排気管から排気ガスを流すため切り換えられる前記排気管に設けられた切換弁,前記切換弁と前記フィルタとの間の前記分岐管を連通し且つ再生側の前記フィルタに再生用排気ガスを供給する連通管,前記連通管に設けられた前記フィルタの再生のための排気ガス流量を制御する再生用制御弁,及び前記再生用制御弁へ予め設定された所定の時間間隔で前記制御弁に高圧エアを供給するエア配管に設けられたエア供給制御弁から構成され,前記高圧エアの供給は前記フィルタの再生中には行わないことから成るディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置。
- ディーゼルエンジンの排気管から分岐する一対の分岐管,前記分岐管にそれぞれ設けられた排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集するフィルタ,前記フィルタに捕集されたパティキュレートを加熱焼却するため前記フィルタにそれぞれ設けられた加熱装置,前記分岐管のいずれか一方に前記排気管から排気ガスを流すため切り換えられる前記排気管に設けられた切換弁,前記切換弁と前記フィルタとの間の前記分岐管を連通し且つ再生側の前記フィルタに再生用排気ガスを供給する連通管,前記連通管に設けられた前記フィルタの再生のための排気ガス流量を制御する再生用制御弁,及び前記再生用制御弁へ予め設定された所定の時間間隔で前記制御弁に高圧エアを供給するエア配管に設けられたエア供給制御弁から構成され,前記高圧エアは,前記連通管に設けられた吐出口,前記再生用制御弁内に設けられた吐出口及び/又は前記制御弁のハウジングに設けられた吐出口から供給されることから成るディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置。
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US10920695B1 (en) * | 2019-09-05 | 2021-02-16 | Ford Global Technologies, Llc | Methods and systems for regeneration of an exhaust aftertreatment device |
US20210071606A1 (en) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | Ford Global Technologies, Llc | Methods and systems for regeneration of an exhaust aftertreatment device |
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