JP3644236B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれている主として炭素微粒子からなるパティキュレートを除去する排気ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれている主として炭素微粒子からなるパティキュレートを除去するために、同エンジンの排気ガス通路に触媒付きのトラップフィルタ(以下トラップ部材という)を設けた排気ガス浄化装置は、既に提案されている。
【0003】
上記既提案の排気ガス浄化装置の構造の一例を、図7を参照して説明する。図中符号01はディーゼルエンジンの排気ガス通路、02は同排気ガス通路01に介装されたパティキュレートトラップである。同パティキュレートトラップ02には、上流側が開口し下流側が閉塞された小断面積の多数の入口通路03と、上流側が閉塞され下流側が開口した小断面積の多数の出口通路04とを、交互にかつ隣接して配置すると共に、隣接する入口通路及び出口通路03及び04間の隔壁05を、パティキュレートの通過は許容しないが、排気ガスの通過は許容する微小孔を備えた多孔質セラミックス等によって形成したトラップ部材06が収容されている。上記隔壁05の入口通路03側の表面には、白金等貴金属粒子からなる酸化触媒が担持されている。
【0004】
上記パティキュレートトラップ02の上流側における排気ガス通路01に、再生用燃料の噴射ノズル07と、同噴射ノズル07から噴射された燃料を微粒化する網目状の衝突板08とを備えたガイド筒09が連結され、上記噴射ノズル07には、燃料タンク010内の燃料が燃料ポンプ011により加圧されて供給されるように構成されている。
【0005】
上記既提案の装置では、燃料タンク010内の再生用燃料が、噴射ノズル07から噴射されて衝突板08に衝突し、微粒化されて排気ガス通路01内を流れて来た高温の排気ガスと混合し、大部分がガス化してトラップ部材06の入口通路03に流入する。トラップ部材06の隔壁05の入口通路03側の表面に担持されている酸化触媒と、大部分ガス化した再生用燃料とが反応してトラップ部材06の温度が上り、上記表面に濾別されて付着しているスート状のパティキュレートが、上記酸化触媒により燃焼して、トラップ部材06の目詰りが解消し所謂再生が行なわれる。
【0006】
しかしながら、上記パティキュレートと酸化触媒との反応は、上述したように再生用燃料が大部分ガス化してトラップ部材06に流入するため、実質的に固体間の反応となり、本質的に活発な反応が行なわれない。従って、トラップ部材06内に捕集されたパティキュレートを燃焼して再生するために、多量の再生用燃料を噴射して高温下、例えば500℃程度の高温雰囲気で反応させることが必要となり、再生コストが増大する不具合があると共に、トラップ部材06が高温下で稼働するので、その耐久性が劣る欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来のパティキュレートトラップにおける問題点を解消し、少量の再生用燃料によって捕集されたパティキュレートを相対的に低温の雰囲気下で迅速に燃焼させることができ、従って再生コストが安くかつ耐久性及び信頼性が優れたディーゼルエンジン用の排気ガス浄化装置を提供することを、主たる目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス通路に配置され、排気ガス中のパティキュレートを捕集する酸化触媒付のトラップ部材と、同トラップ部材の上流側に配設され上記捕集されたパティキュレートを燃焼させる時に同トラップ部材に供給される含酸素気体を加熱する加熱装置と、上記トラップ部材と上記加熱装置との間に配設され、捕集されたパティキュレートを燃焼させる時に同トラップ部材の入口通路に噴孔から均等に軽油を噴射する軽油供給装置とを備えたことを特徴とする排気ガス浄化装置を提案するものである。
【0009】
上記構成によれば、トラップ部材の上流側に、同トラップ部材により捕集されたパティキュレートの再生時に、パティキュレートの燃焼に必要な酸素の供給源となる空気等の含酸素気体を加熱する加熱装置が設けられると共に、同加熱装置とトラップ部材との間に軽油を噴射する軽油供給装置が設けられているので、上記加熱装置により加熱された含酸素気体がトラップ部材に供給されて酸化触媒が加熱されることと、軽油供給装置から噴射された軽油が、略液相のままでスート状のパティキュレートと触媒粒子との間に介在し、液相の軽油を介してパティキュレートの酸化反応が効果的に行なわれることによって、従来の同種装置より少量の軽油を使用し低い温度レベルでトラップ部材の再生を迅速かつ確実に行なうことができる。
【0010】
本発明に係る排気ガス浄化装置は、ディーゼルエンジンの排気ガス通路に並列に配置された第1及び第2分岐通路と、上記第1及び第2分岐通路内に夫々介装され、排気ガス中のパティキュレートを捕集する酸化触媒付のトラップ部材と、上記排気ガス通路と上記第1又は第2分岐通路とを選択的に接続する切換弁装置と、上記第1及び第2分岐通路内においてトラップ部材の上流側に配設され、捕集されたパティキュレートを燃焼させる時にトラップ部材に供給される含酸素気体を加熱する加熱装置と、第1及び第2分岐通路内においてトラップ部材と加熱装置との間に夫々配設され、捕集されたパティキュレートを燃焼させる時に同トラップ部材の入口通路に噴孔から均等に軽油を噴射する軽油供給装置と、上記第1又は第2分岐通路内のトラップ部材の目詰まりを検知する装置と、同目詰まり検知装置により何れかのトラップ部材の目詰まりが検知された時、上記切換弁装置及び加熱装置並びに軽油供給装置を作動させるコントロールユニットとを備えた構成であることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、第1及び第2分岐通路内に夫々加熱装置、軽油供給装置及びトラップ部材を設け、切換弁装置により選択された何れか一方のトラップ部材に排気ガスを供給すると共に、他方のトラップ部材の再生を行なうことによって、ディーゼルエンジンの運転中、常時排気ガス中のパティキュレートを捕集する一方、休止している側のトラップ部材の再生を行なうことができる利点がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を、図1ないし図6を参照して説明する。
先ず、図1の概略構成図において、符号10はトラック等車両用のディーゼルエンジン、12は同エンジン10の排気マニホールド14を含む排気ガス通路である。上記排気ガス通路12には、第1及び第2の分岐通路16A及び16Bが接続されている。
【0013】
上記第1及び第2分岐通路16A及び16B内に、実質的に同一の構造をする第1及び第2のパティキュレートトラップ18A及び18Bが配設されている。第1及び第2パティキュレートトラップ18A及び18Bのケーシング内には、夫々排気ガス中のパティキュレートを捕集するトラップ部材20A及び20Bと、各トラップ部材20A及び20Bの上流側に配設された電熱式の加熱装置22A及び22Bと、同加熱装置22Aとトラップ部材20Aとの間並びに加熱装置22Bとトラップ部材20Bとの間に配設された燃料噴射管24A及び24Bとが設けられ、上記トラップ部材20A及び20Bには、夫々の内部温度を検知する温度センサー26A及び26Bが設けられている。
【0014】
上記第1及び第2分岐通路16A及び16Bと排気ガス通路12との接続部分には、何れか一方の分岐通路16A又は16Bを選択的に排気ガス通路12に連通させる上流側の切換弁装置28及び下流側の切換弁装置30が設けられ、各切換弁装置28及び30は弁アクチュエータ32及び34により切換え操作される。また、上記第1及び第2分岐通路16A及び16Bの上流側及び下流側の排気ガス通路12に夫々圧力センサー36及び38が設けられ、両圧力センサー36及び38の圧力信号は差圧検出装置40に供給され、同差圧検出装置40により検知された差圧が設定値、例えば200mmHgを超えたとき、トラップ部材20A又は20Bが目詰りしたと判断され、即ち上記差圧検出装置40は、目詰り検知装置を構成している。
【0015】
上記パティキュレートトラップ18A及び18Bの加熱装置22A及び22Bより上流側のケーシングに、第1及び第2空気供給通路42A及び42Bの下流端が接続され、同空気供給通路42A及び42Bの上流端は、弁アクチュエータ44により切換えられる切換弁装置46を介してエアポンプ48に連結されている。
【0016】
また、パティキュレートトラップ18A及び18Bのトラップ部材20A及び20Bより下流側のケーシングに、第1及び第2排出通路50A及び50Bの上流端が接続され、同排出通路50A及び50Bの下流端は、弁アクチュエータ52により切換えられる切換弁装置54を介して夫々大気に連通されている。
【0017】
上記燃料噴射管24A及び24Bは、弁アクチュエータ56によって切換えられる切換弁装置58を介して選択的に燃料ポンプ60の吐出側に接続され、同燃料ポンプ60は燃料タンク62内の軽油を吸引し加圧して切換弁装置58に供給する。同燃料タンク62は、エンジン10に供給される燃料としての軽油を燃料噴射ポンプ64に供給する。
上記温度センサー26A及び26B、及び差圧検出装置 40の出力信号又は情報は、CPUを含むコントロールユニット66に供給され、同コントロールユニット66は上記出力信号又は情報を受容して、上記切換弁装置28,30,46,54及び58の弁アクチュエータ32,34,44,52及び56、並びに加熱装置22A,22Bに駆動出力を提供する。なお、符号67は上記燃料ポンプ60の吐出側と燃料タンク62とを連通させる戻り管路内に介装されたリリーフ弁であり、上記燃料噴射管24A及び24B、切換弁装置58及び弁アクチュエータ56、並びに燃料ポンプ60を総括して軽油供給装置と称する。
【0018】
図2は上記トラップ部材20A及び20Bの構造の詳細を示す部分的断面図である。トラップ部材20A及び20Bはコージエライト、β−スポジューメン等の多孔質 セラミックス材料によって作られ、上流側が開口し下流側が閉塞した小断面積の入口通路68と、上流側が閉塞され下流側が開口した小断面積の出口通路70とを、交互にかつ隣接して密に配設したハニカム状部材であって、図中に矢印で示されているように、排気ガスは上記入口及び出口通路68及び70を区画する隔壁72に形成された多数の微小孔を通過するが、排気ガス中に含まれているパティキュレートはその大部分が隔壁72を通過することができず、隔壁72の入口通路68側の表面に濾別されて堆積し、時間の経過と共に次第に排気ガスの流通抵抗が増大する。また、隔壁72の入口通路68側の表面には、白金(Pt)等の貴金属酸化触媒が担持されている。
【0019】
次に、図3及び図4は、トラップ部材20A,20B及びその直上流に配設される燃料噴射管24A,24Bとを示したもので、この例では、燃料噴射管24A,24Bが最も簡単な直管状に形成されている。燃料噴射管24A,24Bのトラップ部材20A,20Bに対する外周面に多数の噴孔74が穿設され、噴孔74から噴射された軽油が、その一部を矢印で示したように飛散して、排気ガスと共にトラップ部材の多数の入口通路68内に可及的均等に流入するように構成されている。
【0020】
図3では、代表的に一個の噴孔74のみが示されているが、多数の噴孔74から夫々軽油が噴射される。燃料噴射管24A,24Bが直径方向に配置されているので、噴射管に直交する直径O−Oの周辺部分に最も多くの噴孔74を配置し、直径O−Oから遠ざかるにしたがい噴孔74の個数を漸減させることが好ましい。図4は、図3の直径O−Oに沿う燃料噴射管24A,24Bの断面図において、多数の噴孔74の配置態様の一例を示すものである。
【0021】
また、図5は燃料噴射管24A,24Bの先端部分を、トラップ部材20A,20Bに対し略同心の環状部76に形成し、同環状部76のトラップ部材20A,20Bに対向する外周面に上記同様の多数の噴孔74が設けられる。環状部76を設けることによって、トラップ部材20A,20Bの多数の入口通路68に均等な軽油噴射を容易に確保することができる。
【0022】
さて、図1では、切換弁装置28及び30によって第1分岐通路16Aが排気ガス通路12から遮断されると共に、第2分岐通路16Bが排気ガス通路12に接続されている。エンジン10の排気ガスの全量が第2分岐通路16Bに流れ、パティキュレートトラップ18B内のトラップ部材20Bの多数の入口通路68に流入して隔壁72を通過して出口通路70から下流側の排気ガス通路12に流れ、図示しないマフラーからテールパイプを経て外気に放出される。このとき、切換弁装置46及び54が夫々第2分岐通路16Bと第1分岐通路16Aとの連通を遮断しているので、第2分岐通路16B側から第1分岐通路16A側に逆流することはない。また加熱装置22A及び22Bは何れも消勢されており、さらに切換弁装置58は中立位置にあって燃料噴射管24A及び24Bの何れにも燃料軽油が供給されず、燃料ポンプ60も停止している。
【0023】
エンジン10の運転時間が累積すると、上記トラップ部材20Bの入口通路68の隔壁表面に濾別されたパティキュレートが次第に堆積するので、排気ガス通路12の上流側と下流側との間に差圧が発生する。この差圧が圧力センサー36及び38、さらに差圧検出装置40により検知され、その信号はコントロールユニット66に供給される。
【0024】
上記コントロールユニット66の作動態様の一例は、図6のフローチャートに示すとおりである。以下同コントロールユニット66の作動を図1の概略図を参照しながら説明する。
エンジン10が運転を開始すると共に、プログラムがスタートし、ステップS1でパティキュレートトラップ18A,18Bの上流側及び下流側の排気ガス通路12の差圧ΔPが差圧検出装置40からの信号により読取られると共に、各トラップ部材20A,20Bの内部温度が温度センサー26A,26Bの信号により読取られる。
【0025】
プログラムはステップS2に進み、ここでは上記差圧ΔPが設定値、例えば200mmHg以上であるかどうかが調べられる。差圧ΔPが設定値以上のYESの場合はステップはS3に進み、差圧ΔPが設定値未満のNOの場合は上記ステップS1にリターンする。
ステップS3では、コントロールユニット66から各切換弁装置28,30,46及び54の弁アクチュエータ32,34,44及び52に夫々駆動出力が供給される。この結果、第1分岐通路16Aが排気ガス通路12に接続されると共に、第2分岐通路16Bが排気ガス通路12から遮断される。また、パティキュレートの燃焼ガスを含む空気を外部に放出する第2排出通路50Bが大気に連通されると共に、第2空気供給通路42Bが第1分岐通路16Aから遮断される。
【0026】
続いて、プログラムはステップS4に進み、エアポンプ48が駆動されると共に、加熱装置22Bが付勢される。この結果、加熱装置22Bにより加熱された空気がトラップ部材18Bに供給される。
【0027】
次に、ステップS5において、燃料ポンプ60が作動され、燃料タンク62内の燃料軽油が切換弁装置58に供給される。次のステップS6において、同切換弁装置58の弁アクチュエータ56がコントロールユニット66により設定時間、例えば5秒間作動されて燃料噴射管24Bに軽油が供給され、上記加熱された空気と共に、トラップ部材20Bに供給される。トラップ部材20Bの直上流に配置された燃料噴射管24Bから噴射された軽油は、殆んどガス化することなく液相の状態でトラップ部材20B内のスート状のパティキュレート及び触媒粒子に接すると共に、トラップ部材20Bが上記加熱された空気により昇温されるので、前記従来の装置より十分低い温度、例えば400℃程度の温度で捕集されたパティキュレートが効果的に燃焼する。
【0028】
プログラムはS7に進み、上記軽油の噴射後設定時間例えば5分経過したのちに、トラップ部材20Bの温度が500℃以上かどうかが調べられる。もし、トラップ部材20Bの温度が500℃以上となっているYESの場合、パティキュレートの燃焼が実質的に完了し、即ち目詰りが解消して再生が行なわれたと判断されて、ステップはS8に進み、コントロールユニット66により燃料ポンプ60及びエアポンプ48が停止されると共に、加熱装置22Bが消勢されて、プログラムはステップS1にリターンする。
【0029】
上記ステップS7において、トラップ部材20Bの温度が500℃未満のときは、捕集されたパティキュレートの燃焼が終了していないと判断されて、プログラムはステップS6にリターンし、切換弁装置58が再び5秒間開かれて軽油の噴射が行なわれ、ステップS7で5分後にトラップ部材20Bの温度が500℃以上になったかどうか、即ちパティキュレートの燃焼が終了したかが調べられる。その結果が、なおNOの場合は、さらにステップS6にリターンして上記の作動が繰り返されるが、通常、3回目の軽油噴射によって再生が終了する。パティキュレートの燃焼によって生成した燃焼ガスは、供給された空気と共に排気通路50Bを通り大気中に放散される。
【0030】
上記第2分岐通路16B内のトラップ部材20Bの再生が行なわれている間、エンジン10の排気ガスは、第1分岐通路16A内のトラップ部材20Aを通過してパティキュレートが捕集されるので、排気ガス中のパティキュレートの捕集は、中断することなく行なわれる。エンジン10の長時間の運転により上記トラップ部材20A内にパティキュレートが堆積して目詰まりが起ると、差圧検出装置40の信号により再びコントロールユニット66が、上記プログラムを遂行し、排気ガス流路の切換えと、トラップ部材20Aの再生とが行なわれる。
【0031】
上記本発明の好ましい実施形態によれば、トラップ部材20A及び20Bにパティキュレートが捕集され堆積して目詰りが生じたときに、トラップ部材20A及び20Bの直上流において加熱装置22A及び22Bとトラップ部材20A及び20Bとの間に介装された燃料噴射管24A及び24Bから、短時間少量の軽油が噴射され、噴射された軽油は大部分液相の状態でパティキュレートと触媒粒子との間に介在するので、従来の固体間酸化反応によりパティキュレートの燃焼を行なうものに較べ、著しく少量の軽油でトラップ部材20A及び20Bの再生を行なうことができ、従って燃費を向上し、再生コストを低減し得ると共に、従来より十分低温の雰囲気でパティキュレートの酸化燃焼が行なわれるので、トラップ部材20A及び20Bの耐久性を向上し得る利点がある。
【0032】
本発明は、上記好ましい実施形態されるものではなく、本発明の特許請求の範囲で種々の修正変更を加え、実施することができる。例えば、エアポンプ48に代え、圧縮空気タンクと開閉弁とからなる空気源を採用することができ、また含酸素気体としての空気に代えエンジン10の排気ガスを使用することができ、この場合、再生用含酸素気体として作動する排気ガスは、勿論、排気ガス通路12から分岐して使用される。
【0033】
さらに、本発明の他の実施形態として、第1及び第2分岐通路16A及び16Bの一方のみパティキュレートトラップ18A又は18Bを設け、他方の分岐通路を排気ガスのバイパス通路として利用してもよい。この場合、パティキュレートトラップ18A又は18Bの再生中、エンジン10の排気ガスはバイパス通路又は他方の分岐通路内を、パティキュレートを捕集されることなく流れることとなるが、上述したように、トラップ部材20A又は20Bの再生に要する時間は極めて短かく(上記フロチャートについて説明したように僅か5〜6分に過ぎない)、再生終了後は、勿論、直ちにパティキュレートトラップ18A及び18Bを備えた分岐通路側に排気ガスが流れるように切換えられるので、環境に与える実害は小さく、装置全体の簡素化が達成され、従って安価となる利点がある。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、捕集されたパティキュレートを燃焼させる時にトラップ部材の入口通路に噴孔から均等に軽油を噴射することができ、捕集されたパティキュレートの燃焼に必要な軽油の消費量が少なく、かつ低温下に燃焼させることができ、再生コストが安く、トラップ部材の耐久性を向上できる。
【0035】
また、請求項2の発明よれば、上記効果に加え、捕集したパティキュレートにより目詰まりしたトラップ部材の再生処理中に、他方のトラップ部材により排気ガス中のパティキュレートを捕集することができるので、環境へのパティキュレートの放散を最小限に抑止し得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1におけるトラップ部材20A及び20Bの要部拡大断面図である。
【図3】図1における燃料噴射管24A及び24Bとトラップ部材20A及び20Bとの関係的配置を示した部分的拡大正面図である。
【図4】図3の側断面図である。
【図5】図3と異る燃料噴射管24A及び24Bとトラップ部材20A及び20Bとの関係的配置を示した部分的拡大正面図である。
【図6】図1におけるコントロールユニット66の作動態様を示したフローチャートである。
【図7】従来の排気ガス浄化装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10…ディーゼルエンジン、12…排気ガス通路、16A及び16B…第1及び第2分岐通路、18A及び18B…第1及び第2パティキュレートトラップ、20A及び20B…トラップ部材、22A及び22B…加熱装置、24A及び24B…燃料噴射管、26A及び26B…温度センサー、28,30,46,54及び58…切換弁装置、32,34,44,52及び56…弁アクチュエータ、36,38…圧力センサー、40…差圧検出装置、42A及び42B…第1及び第2空気供給通路、48…エアポンプ、50A及び50B…第1及び第2排出通路、60…燃料ポンプ、62…燃料タンク、64…燃料噴射ポンプ、66…コントロールユニット、68…入口通路、70…出口通路、72…隔壁。
Claims (2)
- ディーゼルエンジンの排気ガス通路に配置され、排気ガス中のパティキュレートを捕集する酸化触媒付のトラップ部材と、同トラップ部材の上流側に配設され上記捕集されたパティキュレートを燃焼させる時に同トラップ部材に供給される含酸素気体を加熱する加熱装置と、上記トラップ部材と上記加熱装置との間に配設され、捕集されたパティキュレートを燃焼させる時に同トラップ部材の入口通路に噴孔から均等に軽油を噴射する軽油供給装置とを備えたことを特徴とする排気ガス浄化装置。
- ディーゼルエンジンの排気ガス通路に並列に配置された第1及び第2分岐通路と、上記第1及び第2分岐通路内に夫々介装され、排気ガス中のパティキュレートを捕集する酸化触媒付のトラップ部材と、上記排気ガス通路と上記第1又は第2分岐通路とを選択的に接続する切換弁装置と、上記第1及び第2分岐通路内においてトラップ部材の上流側に配設され、捕集されたパティキュレートを燃焼させる時にトラップ部材に供給される含酸素気体を加熱する加熱装置と、第1及び第2分岐通路内においてトラップ部材と加熱装置との間に夫々配設され、捕集されたパティキュレートを燃焼させる時に同トラップ部材の入口通路に噴孔から均等に軽油を噴射する軽油供給装置と、上記第1又は第2分岐通路内のトラップ部材の目詰まりを検知する装置と、同目詰まり検知装置により何れかのトラップ部材の目詰まりが検知された時、上記切換弁装置及び加熱装置並びに軽油供給装置を作動させるコントロールユニットとを備えたことを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化装置。
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