JP6654585B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
従来、燃焼室から排出される排気ガスを浄化すべく、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集するフィルタが排気通路に設けられた内燃機関が知られている。斯かる内燃機関では、フィルタの上流側に設けられた触媒において燃料を酸化反応させ、酸化反応によって生じる反応熱によって、フィルタに堆積したPMを燃焼除去するフィルタ再生処理が実行される。
しかしながら、フィルタ再生処理は、内燃機関が所定の運転状態にあるときに実行可能である。このため、特許文献1に記載の内燃機関では、フィルタ再生処理を実行できない間にフィルタがPMによって閉塞することを回避すべく、フィルタ上のPMに凝縮水のような液体物質が供給される。
特開2013−124576号公報
しかしながら、特許文献1は、触媒にPMが付着することについて何ら言及していない。本願の発明者は、鋭意研究の結果、触媒にもPMが付着することを見出した。この現象は、以下に説明するようなメカニズムに基づくものと考えられる。
例えば、フィルタ再生処理では、触媒上で酸化反応を生じさせるために触媒に燃料が供給される。しかしながら、触媒の上流側端面では、酸化反応が生じにくいため、酸化反応熱による温度上昇が小さい。このため、燃料の重質分が触媒の上流側端面に残留する。残留した燃料の重質分は、排気ガスに曝されることで酸化重合し、高粘度成分に変化する。この結果、燃料を介して触媒の上流側端面にPMが付着する。フィルタ再生処理が繰り返されて、触媒へのPMの付着量が多くなると、PMによって触媒が閉塞し、触媒の機能が低下する。
また、フィルタ再生処理が実行されなくても、触媒に燃料が供給される場合がある。例えば、内燃機関の排気通路に燃料を噴射する排気燃料噴射弁の噴射口が煤等によって閉塞されることを防止すべく排気燃料噴射弁から定期的に燃料を噴射する場合、噴射された燃料が触媒に供給される。また、触媒がNOx吸蔵還元触媒(NSR触媒)である場合、触媒に吸蔵されたNOxを還元浄化すべく、燃料が還元剤として供給される。これらの場合も、同様の原理によって燃料を介して触媒にPMが付着する。
そこで、本発明の目的は、PMによる触媒の閉塞を抑制することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
本開示の要旨は以下のとおりである。
(1)内燃機関の排気通路に配置された触媒と、前記触媒に燃料を供給する燃料供給装置と、前記燃料供給装置による燃料の供給を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定した場合、前記燃料供給装置から前記触媒に液体状態の燃料を供給する、内燃機関の排気浄化装置。
(2)前記制御装置は、前記触媒に所定量以上の粒子状物質が付着したと判定した後、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、該流入排気ガスの温度が予め定められた基準温度以上である時間の合計が第一閾値に達した場合に、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定する、上記(1)に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(3)前記制御装置は、前記流入排気ガスの温度が前記基準温度以上であるときの該流入排気ガスの温度の平均値を算出し、該平均値が相対的に高い場合に、該平均値が相対的に低い場合に比べて前記第一閾値を短くする、上記(2)に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(4)前記制御装置は、前記触媒に所定量以上の粒子状物質が付着したと判定した後、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、該流入排気ガスの温度と、該温度が維持された時間とから熱供給量を算出し、該熱供給量が基準量に達した場合に、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定する、上記(1)に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(5)前記制御装置は、前記触媒に所定量以上の粒子状物質が付着したと判定した後、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、該流入排気ガスの温度が粒子状物質の燃焼温度以上である時間の合計が第二閾値に達した場合には、前記触媒から粒子状物質が除去されたと判定し、前記燃料供給装置から前記触媒に液体状態の燃料を供給しない、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
(6)前記制御装置は、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定した場合、前記流入排気ガスの温度が燃料の最低沸点以下であるときに前記燃料供給装置から前記触媒に燃料を供給する、上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
(7)前記燃料供給装置は、前記触媒よりも排気流れ方向上流側の前記排気通路に配置された排気燃料噴射弁であり、前記制御装置は、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定した場合、前記内燃機関がアイドリングストップ状態にあるとき又は該アイドリングストップ状態にされるときに前記燃料供給装置から前記触媒に燃料を供給する、上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
(8)前記制御装置は、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、前記燃料供給装置から前記触媒に液体状態の燃料を供給するとき、前記流入排気ガスの温度が相対的に高い場合に、該流入排気ガスの温度が相対的に低い場合に比べて燃料の供給量を多くする、上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
本発明によれば、PMによる触媒の閉塞を抑制することができる内燃機関の排気浄化装置が提供される。
図1は、本発明の第一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置が設けられた内燃機関を概略的に示す図である。 図2は、排気燃料噴射弁による燃料の噴射態様の一例を示す図である。 図3は、液体状態の燃料を供給することによって触媒からPMが除去されるメカニズムを説明するための図である。 図4は、軽油供給時の排気ガスの温度と触媒の閉塞率との関係を示すグラフである。 図5は、触媒に付着したPM中の高粘度成分の割合と、触媒の閉塞率との関係を示すグラフである。 図6は、触媒の基材上に残留したPMを示す図である。 図7は、PMが付着した触媒を熱処理した場合のPM中の高粘度成分の割合の時間変化を示すグラフである。 図8は、筒内燃料噴射弁からの燃料噴射量及び機関回転数と流入排気ガスの温度との関係を示すマップである。 図9は、本発明の第一実施形態におけるPM付着判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図10は、本発明の第一実施形態における燃料供給条件判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図11は、本発明の第一実施形態におけるPM除去処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図12は、燃料の供給量と流入排気ガスの温度との関係を示すマップである。 図13は、本発明の第二実施形態における燃料供給条件判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図14は、第一閾値と流入排気ガスの温度の平均値との関係を示すマップである。 図15は、本発明の第三実施形態における燃料供給条件判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<第一実施形態>
以下、図1〜図12を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
<内燃機関全体の説明>
図1は、本発明の第一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置が設けられた内燃機関を概略的に示す図である。図1に示される内燃機関1は圧縮自着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)である。内燃機関1は車両に搭載される。
図1を参照すると、10は機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内にそれぞれ燃料を噴射する電子制御式の筒内燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドをそれぞれ示す。吸気マニホルド4は吸気管6を介してターボチャージャ(過給機)7のコンプレッサ7aの出口に連結される。コンプレッサ7aの入口は吸気管6を介してエアクリーナ8に連結される。吸気管6内にはスロットル弁9が配置される。さらに、吸気管6周りには吸気管6内を流れる吸入空気を冷却するためのインタークーラ13が配置される。内燃機関1では、機関冷却水がインタークーラ13内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。吸気マニホルド4及び吸気管6は、空気を燃焼室2に導く吸気通路を形成する。
一方、排気マニホルド5は排気管27を介してターボチャージャ7のタービン7bの入口に連結される。タービン7bの出口は排気管27を介して触媒28に連結される。触媒28は排気管27を介してフィルタ29に連結される。排気マニホルド5及び排気管27は、燃焼室2における混合気の燃焼によって生じた排気ガスを排出する排気通路を形成する。
触媒28は、排気ガス中の未燃燃料(HC、CO等)を酸化可能な酸化触媒(DOC)である。触媒28はフィルタ29よりも排気流れ方向上流側の排気通路に配置される。具体的には、触媒28は、内燃機関1の排気通路において、タービン7bとフィルタ29との間の排気管27内に配置される。フィルタ29は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集する。フィルタ29は例えばディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)である。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(EGR)通路14を介して互いに連結される。EGR通路14内には電子制御式のEGR制御弁15が配置される。また、EGR通路14周りにはEGR通路14内を流れるEGRガスを冷却するためのEGR冷却装置20が配置される。内燃機関1では、機関冷却水がEGR冷却装置20内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
燃料は燃料ポンプ30によって燃料タンク31から燃料配管32を介してコモンレール18内に供給される。燃料ポンプ30は燃料タンク31内の燃料を汲み上げると共に燃料を昇圧する。コモンレール18内に供給された高圧の燃料は各燃料供給管17を介して各筒内燃料噴射弁3に供給される。各筒内燃料噴射弁3は各燃焼室2内に燃料を噴射する。燃料は例えば軽油である。
また、各筒内燃料噴射弁3には、リーク燃料配管33が連結されている。コモンレール18から各筒内燃料噴射弁3に供給された燃料のうち、燃焼室2内に噴射されなかった燃料はリーク燃料配管33を介して排気燃料噴射弁35に供給される。
排気燃料噴射弁35は触媒28よりも排気流れ方向上流側の排気通路に配置される。具体的には、排気燃料噴射弁35は、内燃機関1の排気通路において、タービン7bと触媒28との間の排気管27に固定される。排気燃料噴射弁35は、例えば、筒内燃料噴射弁3と同様の電子制御式噴射弁である。排気燃料噴射弁35は、排気管27内に燃料を噴射し、排気管27を介して触媒28に燃料を供給する。例えば、排気燃料噴射弁35は、図2に示されるように、触媒28に向かって燃料を噴射する。
内燃機関1の各種制御は電子制御ユニット(ECU)80によって実行される。ECU80はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス81によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)82、RAM(ランダムアクセスメモリ)83、CPU(マイクロプロセッサ)84、入力ポート85及び出力ポート86を備える。負荷センサ101及びエアフロメータ102の出力が、対応するAD変換器87を介して入力ポート85に入力される。
負荷センサ101は、アクセルペダル120の踏込み量に比例した出力電圧を発生させる。したがって、負荷センサ101は機関負荷を検出する。エアフロメータ102は、吸気通路においてエアクリーナ8とコンプレッサ7aとの間に配置され、吸気管6内を流れる空気流量を検出する。さらに、入力ポート85には、クランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ108が接続され、クランク角センサ108によって機関回転数が検出される。
一方、出力ポート86は、対応する駆動回路88を介して、筒内燃料噴射弁3、スロットル弁駆動用モータ、EGR制御弁15、燃料ポンプ30及び排気燃料噴射弁35に接続されている。ECU80は、筒内燃料噴射弁3から噴射される燃料の噴射時期及び噴射時間、スロットル弁9の開度、EGR制御弁15の開度、燃料ポンプ30の作動、並びに排気燃料噴射弁35から噴射される燃料の噴射時期及び噴射時間を制御する。
なお、排気浄化装置が設けられる内燃機関は、燃焼室に点火プラグが配置された火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)であってもよい。また、気筒配列、吸排気系の構成及び過給機の有無のような内燃機関の具体的な構成は、図1に示した構成と異なっていてもよい。
例えば、筒内燃料噴射弁3に供給される燃料は、燃料ポンプ30の代わりに、燃料タンク31内に配置されたインタンクポンプによってコモンレール18に供給されてもよい。また、排気燃料噴射弁35に供給される燃料は、燃料配管32及びリーク燃料配管33を通ることなく、燃料タンク31と排気燃料噴射弁35とを直接接続する燃料配管(図示せず)を介して排気燃料噴射弁35に供給されてもよい。この場合、リーク燃料配管33は省略される。また、排気燃料噴射弁35に供給される燃料は燃料タンク31とは別個の燃料タンクに貯蔵されていてもよい。燃料は例えば軽油である。
<内燃機関の排気浄化装置の構成>
以下、本発明の第一実施形態に係る内燃機関1の排気浄化装置の構成について説明する。内燃機関1の排気浄化装置は、フィルタ29と、触媒28と、触媒28に燃料を供給する燃料供給装置と、燃料供給装置による燃料の供給を制御する制御装置とを備える。本実施形態では、排気燃料噴射弁35が燃料供給装置に相当し、ECU80が制御装置に相当する。
なお、燃料供給装置は、燃焼室2内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁3であってもよい。筒内燃料噴射弁3は、各気筒における膨張行程において燃料を噴射するポスト噴射を行うことによって触媒28に未燃燃料を供給することができる。この場合、排気燃料噴射弁35は省略されてもよい。
<触媒へのPMの付着>
内燃機関1の排気浄化装置では、排気ガス中のPMがフィルタ29に捕集されることで、排気ガスが浄化される。しかしながら、フィルタ29に捕集されたPMの量が多くなると、フィルタ29の閉塞(目詰まり)が生じ、フィルタ29を通した排気ガスの排出が阻害される。このため、フィルタ29に捕集されたPMを定期的に除去する必要がある。
本実施形態では、フィルタ29に捕集されたPMを除去するために、排気浄化装置の制御装置はフィルタ再生処理を実行する。フィルタ再生処理では、燃料供給装置から触媒28に燃料を供給することで、フィルタ29に捕集されたPMを燃焼除去する。触媒28に燃料を供給すると、触媒28上で燃料の酸化反応が生じて、フィルタ29に流入する排気ガスの温度が反応熱によって上昇する。この結果、フィルタ29の温度が上昇し、フィルタ29に捕集されたPMが燃焼除去される。
しかしながら、フィルタ再生処理が実行されると、フィルタ29に捕集されたPMは除去されるが、触媒28にPMが付着する。この現象は、以下に説明するようなメカニズムに基づくものと考えられる。
上述したように、フィルタ再生処理では、触媒28上で酸化反応を生じさせるために触媒28に燃料が供給される。しかしながら、触媒28の上流側(機関本体10側)端面では、酸化反応が生じにくいため、酸化反応熱による温度上昇が小さい。このため、燃料の重質分が触媒28の上流側端面に残留する。残留した燃料の重質分は、排気ガスに曝されることで酸化重合し、高粘度成分に変化する。この結果、燃料を介して触媒28の上流側端面にPMが付着する。フィルタ再生処理が繰り返されて、触媒28へのPMの付着量が多くなると、PMによって触媒28が閉塞し、触媒28の機能が低下する。
また、フィルタ再生処理が実行されなくても、触媒28に燃料が供給される場合がある。例えば、煤等によって排気燃料噴射弁35の噴射口が閉塞されることを防止すべく排気燃料噴射弁35から定期的に燃料を噴射する場合、噴射された燃料が触媒28に供給される。また、触媒28がNOx吸蔵還元触媒(NSR触媒)である場合、触媒28に吸蔵されたNOxを還元浄化すべく、排気燃料噴射弁35又は筒内燃料噴射弁3から触媒28に燃料が還元剤として供給される。これらの場合も、同様の原理によって燃料を介して触媒28にPMが付着する。
<触媒上のPM除去>
このため、本実施形態では、排気浄化装置の制御装置は、触媒28に付着したPMを除去すべく、燃料供給装置から触媒28に液体状態の燃料を供給する。以下、液体状態の燃料を触媒28に供給することによって、触媒28に付着したPMが除去されるメカニズムについて説明する。
図3は、液体状態の燃料を供給することによって触媒28からPMが除去されるメカニズムを説明するための図である。図3Aに示すように、触媒28に供給された燃料の重質分は、酸化重合によって高粘着性の高重合成分及び低重合成分に変化し、触媒28の基材28a上に排気ガス中のPMを付着させる。その後、図3Bに示すように、液体状態の燃料が触媒28に供給される。液体状態の燃料が触媒28に供給されると、PM中の可溶性有機成分(SOF)が燃料中に溶解する。図3Cに示すように、SOFが溶解した燃料は触媒28の基材28aに吸収されると共に熱によって蒸発する。また、SOFが溶解した燃料は、触媒28の基材28aに吸収されるときに液架橋力によってPMを凝集させる。凝集したPMは基材28aとの接着性が低下する。このため、その後、図3Dに示すように、凝集したPMは排気ガスによって基材28aから剥離される。したがって、液体状態の燃料を供給することによって触媒28からPMを除去することができる。
本願の発明者は、液体状態の燃料を供給することによるPM除去の効果を確認すべく、以下の実験を行った。図4は、軽油供給時の排気ガスの温度と触媒の閉塞率との関係を示すグラフである。なお、排気ガスの温度は触媒の排気流れ方向上流側で測定された。この実験では、PMが付着している触媒に軽油を供給し、軽油供給前後で触媒の閉塞率を測定した。五回の実験では、軽油供給時の排気ガスの温度が変更された。軽油の沸点は、軽油に含まれる成分毎に異なるが、概して200℃〜350℃である。図4のグラフに示されるように、軽油の最低沸点(200℃)以下の温度では、軽油が液体状態で触媒に供給されるため、軽油の供給によって触媒の閉塞率は大きく低下した。一方、軽油の最低沸点よりも高い温度(250℃)では、軽油が気液混合状態で触媒に供給されるため、軽油の供給によって触媒の閉塞率はほとんど低下しなかった。
図5は、触媒に付着したPM中の高粘度成分の割合と、触媒の閉塞率との関係を示すグラフである。この実験では、触媒に付着したPM中の高粘度成分の割合を変化させ、液体状態の軽油を供給した後の触媒の閉塞率を測定した。図5に示されるように、触媒に付着したPM中の高粘度成分の割合が高いほど、軽油供給後の触媒の閉塞率が高くなった。
この理由は以下のように考えられる。PMは高粘度成分である可溶性有機成分(SOF)を含んでおり、PM中のSOFの割合が高い場合、液体状態の軽油を触媒に供給した後に軽油に溶解せずにPM中に残留するSOFの量が多くなる。この結果、凝集したPMの粘着力が高くなり、図6に示されるように、凝集したPMの一部が、排気ガスによって触媒28の基材28aから剥離されることなく、基材28a上に残留する。このため、触媒に付着したPM中の高粘度成分の割合が高いほど、軽油供給後の触媒の閉塞率が高くなる。
図7は、PMが付着した触媒を熱処理した場合のPM中の高粘度成分の割合の時間変化を示すグラフである。五回の実験では、熱処理の温度が変更された。触媒が高温(例えば250℃以上)で熱処理されると、触媒に付着したPM中のSOFが酸化分解される。このため、図7に示されるように、触媒の熱処理によって、PM中のSOFの割合、すなわちPM中の高粘度成分の割合が低下する。したがって、触媒を熱処理してから液体状態の軽油の供給を行うことによって、触媒からのPMの剥離を促進することができる。
上記知見に基づいて、排気浄化装置の制御装置は、触媒28に付着したPM中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定した場合、燃料供給装置から触媒28に液体状態の燃料を供給する。このことによって、触媒28からPMを効果的に剥離することができるため、PMによる触媒28の閉塞を抑制することができる。
本実施形態では、制御装置は、触媒28に所定量以上のPMが付着したと判定した後、触媒28に流入する排気ガス(以下、「流入排気ガス」という)の温度が基準温度以上である時間の合計が第一閾値に達した場合に、触媒28に付着したPM中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定する。例えば、制御装置は、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給された場合、触媒28に所定量以上のPMが付着したと判定する。なお、制御装置は、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されてから所定時間が経過した場合に、触媒28に所定量以上のPMが付着したと判定してもよい。
また、制御装置は流入排気ガスの温度を以下のように検出又は推定する。例えば、制御装置は、排気通路に配置された排気温センサ36によって流入排気ガスの温度を検出する。排気温センサ36は、触媒28よりも排気流れ方向上流側の排気通路に配置され、具体的には、排気燃料噴射弁35と触媒28との間の排気管27内に配置される。また、排気温センサ36の出力は、対応するAD変換器87を介してECU80の入力ポート85に入力される。
なお、制御装置は、マップ又は計算式を用いて、筒内燃料噴射弁3からの燃料噴射量及び機関回転数に基づいて流入排気ガスの温度を推定してもよい。この場合、排気温センサ36は内燃機関1から省略されてもよい。マップ又は計算式は例えばECU80のROM82に記憶される。マップでは、図8に示したように、流入排気ガスの温度IETが筒内燃料噴射弁3からの燃料噴射量Qe及び機関回転数NEの関数として示される。
また、制御装置は、燃料供給装置から液体状態の燃料が供給されるように、以下のタイミングで燃料供給装置から燃料を供給する。制御装置は、検出又は推定した流入排気ガスの温度が燃料の最低沸点以下であるときに燃料供給装置から触媒28に燃料を供給する。なお、制御装置は、内燃機関1がアイドリングストップ状態にあるとき又はアイドリングストップ状態にされるときに、燃料供給装置から触媒28に燃料を供給してもよい。この場合、燃料供給装置として排気燃料噴射弁35が用いられる。なお、アイドリングストップ状態とは、内燃機関1が搭載された車両の一時停止中に燃焼室2への燃料供給が停止されている状態を意味する。アイドリングストップ状態では、混合気の燃焼による高温の排気ガスが燃焼室2から排出されないため、排気燃料噴射弁35から噴射された燃料を液体状態で触媒28に供給することができる。
また、流入排気ガスの温度がPMの燃焼温度以上である場合、触媒28に付着したPMは排気ガスによって燃焼除去される。この場合、燃料供給によって触媒28からPMを除去する必要がない。このため、制御装置は、触媒28にPMが付着したと判定した後、検出又は推定した流入排気ガスの温度がPMの燃焼温度以上である時間の合計が第二閾値に達した場合、触媒28からPMが除去されたと判定し、燃料供給装置から触媒28に液体状態の燃料を供給しなくてもよい。このことによって、触媒28からPMを除去するために使用される燃料の量を減らすことができ、内燃機関1の燃費を改善することができる。
<PM付着判定処理>
以下、フローチャートを参照して、上述した制御について詳細に説明する。図9は、本発明の第一実施形態におけるPM付着判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、排気浄化装置の制御装置(本実施形態ではECU80)によって繰り返し実行される。本制御ルーチンでは、触媒28に所定量以上のPMが付着したか否かが判定される。
最初に、ステップS101において、制御装置は、PM付着フラグがオフであるか否かを判定する。PM付着フラグは、触媒28に所定量以上のPMが付着していると判定された場合にオンにされるフラグである。ステップS101においてPM付着フラグがオンであると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS101においてPM付着フラグがオフであると判定された場合、本制御ルーチンはステップS102に進む。
ステップS102では、制御装置は、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されたか否かを判定する。例えば、制御装置は、フィルタ再生処理を実行した場合、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されたと判定する。また、制御装置は、排気燃料噴射弁35の噴射口の閉塞を防止するため又はNOxを還元浄化するために燃料供給装置から触媒28に燃料を供給した場合、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されたと判定する。
ステップS102において、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されたと判定された場合、本制御ルーチンはステップS103に進む。ステップS103では、制御装置は、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されてから所定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS103において所定時間が経過したと判定された場合、本制御ルーチンはステップS104に進む。ステップS104では、制御装置はPM付着フラグをオンにする。ステップS104の後、本制御ルーチンは終了する。
また、ステップS102においてPM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されていないと判定された場合、又はステップS103において所定時間が経過していないと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。なお、ステップS103は省略されてもよい。
<燃料供給条件判定処理>
図10は、本発明の第一実施形態における燃料供給条件判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、排気浄化装置の制御装置(本実施形態ではECU80)によって繰り返し実行される。本制御ルーチンでは、触媒28に液体状態の燃料を供給するための条件が成立しているか否かが判定される。
最初に、ステップS201において、制御装置は、PM付着フラグがオンであるか否かを判定する。PM付着フラグがオフであると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、PM付着フラグがオンであると判定された場合、本制御ルーチンはステップS202に進む。
ステップS202では、制御装置は、上述したいずれかの方法によって流入排気ガスの温度IETを検出又は推定する。次いで、ステップS203において、制御装置は、流入排気ガスの温度IETがPMの燃焼温度Tfc以上であるか否かを判定する。PMの燃焼温度Tfcは例えば500℃である。ステップS203において流入排気ガスの温度IETがPMの燃焼温度Tfc未満であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS204に進む。
ステップS204では、制御装置は、流入排気ガスの温度IETが基準温度Tref以上であるか否かを判定する。基準温度Trefは、SOFの沸点以上の温度又は触媒28の活性温度以上の温度であり、例えば250℃である。ステップS204において流入排気ガスの温度IETが基準温度Tref未満であると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS204において流入排気ガスの温度IETが基準温度Tref以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS205に進む。
ステップS205では、制御装置は第一積算時間T1を更新する。第一積算時間T1は、流入排気ガスの温度IETが基準温度Tref以上に維持された時間の合計である。制御装置は、第一積算時間T1に微小時間Δtを加算した値を新たな第一積算時間T1とする。微小時間Δtは本制御ルーチンの実行間隔に相当する値である。第一積算時間T1の初期値はゼロである。
次いで、ステップS206において、制御装置は、第一積算時間T1が第一閾値Tth1以上であるか否かを判定する。第一閾値Tth1は、PM中の高粘度成分の割合が熱処理によって所定値以下となるように予め定められた値である。所定値は例えば25%以下の値であり、第一閾値Tth1は例えば10分以上の値である。また、第一閾値Tth1は、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されたときの流入排気ガスの温度、PM量、燃料供給量等に基づいて設定されてもよい。
ステップS206において第一積算時間T1が第一閾値Tth1未満であると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS206において第一積算時間T1が第一閾値Tth1以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS207に進む。この場合、触媒28に付着したPM中の高粘度成分の割合が所定値以下に達したと推定される。このため、ステップS207において、制御装置は、燃料供給フラグをオンにすると共に、第一積算時間T1をゼロにしてリセットする。燃料供給フラグは、触媒28に液体状態の燃料を供給するための条件が成立しているときにオンにされるフラグである。ステップS207の後、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS203において流入排気ガスの温度IETが燃焼温度Tfc以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS208に進む。ステップS208では、制御装置は第一積算時間T1及び第二積算時間T2を更新する。第二積算時間T2は、流入排気ガスの温度IETが燃焼温度Tfc以上に維持された時間の合計である。制御装置は、第一積算時間T1に微小時間Δtを加算した値を新たな第一積算時間T1とし、第二積算時間T2に微小時間Δtを加算した値を新たな第二積算時間T2とする。微小時間Δtは本制御ルーチンの実行間隔に相当する値である。第二積算時間T2の初期値はゼロである。
次いで、ステップS209において、制御装置は、第二積算時間T2が第二閾値Tth2以上であるか否かを判定する。第二閾値Tth2は、PMの燃焼によって触媒28上のPMの量が所定値未満となるように予め定められた値である。第二閾値Tth2は例えば3分以上の値である。
ステップS209において第二積算時間T2が第二閾値Tth2以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS210に進む。この場合、触媒28上のPMの量は所定値未満であると推定される。このため、ステップS210において、制御装置は、PM付着フラグ及び燃料供給フラグをオフにすると共に、第一積算時間T1及び第二積算時間T2をゼロにしてリセットする。ステップS210の後、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS209において第二積算時間T2が第二閾値Tth2未満であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS206に進む。ステップS206では、制御装置は、第一積算時間T1が第一閾値Tth1以上であるか否かを判定する。第一積算時間T1が第一閾値Tth1未満であると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、第一積算時間T1が第一閾値Tth1以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS207に進む。ステップS207では、制御装置は、燃料供給フラグをオンにすると共に、第一積算時間T1をゼロにしてリセットする。ステップS207の後、本制御ルーチンは終了する。なお、ステップS203及びステップS208〜ステップS210は省略されてもよい。
<PM除去処理>
図11は、本発明の第一実施形態におけるPM除去処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、排気浄化装置の制御装置(本実施形態ではECU80)によって繰り返し実行される。本制御ルーチンでは、触媒28上のPMを除去するための制御が実行される。
最初に、ステップS301において、制御装置は、燃料供給フラグがオンであるか否かを判定する。燃料供給フラグがオフであると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、燃料供給フラグがオンであると判定された場合、本制御ルーチンはステップS302に進む。
ステップS302では、制御装置は、内燃機関1がアイドリングストップ状態にあり又はアイドリングストップ状態にされるか否かを判定する。例えば、制御装置は、内燃機関1が搭載された車両が一時停止した場合、内燃機関1がアイドリングストップ状態にされると判定する。ステップS302において内燃機関1がアイドリングストップ状態になく且つアイドリング状態にされないと判定された場合、本制御ルーチンはステップS303に進む。
ステップS303では、制御装置は、上述したいずれかの方法によって流入排気ガスの温度IETを検出又は推定する。次いで、ステップS304では、制御装置は、流入排気ガスの温度IETが燃料の最低沸点BPmin以下であるか否かを判定する。燃料は例えば軽油であり、燃料の最低沸点BPminは例えば200℃である。
ステップS304において、流入排気ガスの温度IETが燃料の最低沸点BPminよりも高いと判定された場合、触媒28に液体状態の燃料を供給できないため、本制御ルーチンは終了する。一方、流入排気ガスの温度が燃料の最低沸点BPmin以下であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS305に進む。また、ステップS102において内燃機関1がアイドリングストップ状態にあり又はアイドリングストップ状態にされると判定された場合、本制御ルーチンはステップS303及びステップS304をスキップしてステップS305に進む。
ステップS305では、制御装置は、燃料供給装置から触媒28に燃料を供給する。このとき、触媒28には、液体状態の燃料が供給される。燃料の供給量は、例えば、触媒28の単位面積当たり0.03ml/cm2以上0.06ml/cm2以下に設定される。このことによって、内燃機関1の燃費の悪化を抑制しつつ、触媒28からPMを除去することができる。
なお、制御装置は、流入排気ガスの温度IETが相対的に高い場合に、流入排気ガスの温度IETが相対的に低い場合に比べて燃料の供給量を多くしてもよい。このことによって、流入排気ガスの温度IETに関わらず、PM除去に必要な量の燃料を液体状態で触媒28に供給することができる。例えば、制御装置は、図12に示したようなマップを用いて燃料の供給量を設定する。このマップでは、燃料の供給量が流入排気ガスの温度IETの関数として示される。図12に実線で示したように、燃料の供給量は流入排気ガスの温度IETが高くなるにつれて線形的に多くされる。なお、燃料の供給量は、図12に破線で示したように、流入排気ガスの温度IETが高くなるにつれて段階的(ステップ状)に多くされてもよい。
次いで、ステップS306において、制御装置はPM付着フラグ及び燃料供給フラグをオフにすると共に第二積算時間T2をリセットしてゼロにする。ステップS306の後、本制御ルーチンは終了する。なお、ステップS302又はステップS303及びステップS304は省略されてもよい。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図7に示されるように、触媒28に付着したPM中の高粘度成分の割合は、熱処理の温度が高いほど熱処理によって大きく低下する。このため、PM中の高粘度成分の割合を所定値以下にするために必要な熱処理時間は、流入排気ガスの温度が高いほど短くなる。
そこで、第二実施形態では、排気浄化装置の制御装置は以下の制御を実行する。制御装置は、第一実施形態と同様に、流入排気ガスの温度が基準温度以上である時間の合計が第一閾値に達した場合に、触媒28に付着したPM中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定し、燃料供給装置から触媒28に液体状態の燃料を供給する。さらに、制御装置は、流入排気ガスの温度が基準温度以上であるときの流入排気ガスの温度の平均値を算出し、平均値が相対的に高い場合に、平均値が相対的に低い場合に比べて第一閾値を短くする。このことによって、より適切なタイミングで液体状態の燃料を触媒28に供給することができ、燃料供給による触媒28上のPMの除去が促進される。なお、流入排気ガスの温度は、第一実施形態と同様の方法で検出又は推定される。
<燃料供給条件判定処理>
図13は、本発明の第二実施形態における燃料供給条件判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、排気浄化装置の制御装置(本実施形態ではECU80)によって繰り返し実行される。本制御ルーチンでは、触媒28に液体状態の燃料を供給するための条件が成立しているか否かが判定される。
ステップS401〜ステップS405及びステップS410〜ステップS412は、図10におけるステップS201〜ステップS205及びステップS208〜ステップS210と同様であることから説明を省略する。
ステップS411において第二積算時間T2が第二閾値Tth2未満であると判定された場合又はステップS405の後、本制御ルーチンはステップS406に進む。ステップS406では、制御装置は、流入排気ガスの温度IETが基準温度Tref以上であるときの流入排気ガスの温度IETの平均値を算出する。
次いで、ステップS407において、制御装置は、ステップS406において算出した平均値に基づいて第一閾値Tth1を算出する。具体的には、制御装置は、平均値が相対的に高い場合に、平均値が相対的に低い場合に比べて第一閾値Tth1を短くする。例えば、制御装置は、図14に示したようなマップを用いて第一閾値Tth1を設定する。このマップでは、第一閾値Tth1が流入排気ガスの温度IETの平均値の関数として示される。図14に実線で示したように、第一閾値Tth1は流入排気ガスの温度IETの平均値が高くなるにつれて線形的に短くされる。なお、第一閾値Tth1は、図12に破線で示したように、流入排気ガスの温度IETの平均値が高くなるにつれて段階的(ステップ状)に短くされてもよい。
次いで、ステップS408において、制御装置は、第一積算時間T1が第一閾値Tth1以上であるか否かを判定する。第一閾値Tth1は、ステップS407において算出された値である。ステップS408において第一積算時間T1が第一閾値Tth1未満であると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS408において第一積算時間T1が第一閾値Tth1以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS409に進む。ステップS409では、制御装置は、燃料供給フラグをオンにすると共に、第一積算時間T1をゼロにしてリセットする。ステップS409の後、本制御ルーチンは終了する。
なお、第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、図9のPM付着判定処理及び図11のPM除去処理が実行される。
<第三実施形態>
第三実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置と同様である。このため、以下、本発明の第三実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
PMが付着した触媒28に供給される熱量が多いほど、PM中のSOFが酸化分解される量が多くなり、PM中の高粘度成分の割合が低くなる。このため、第三実施形態では、排気浄化装置の制御装置は以下の制御を実行する。制御装置は、触媒28に所定量以上のPMが付着したと判定した後、流入排気ガスの温度と、この温度が維持された時間とから熱供給量を算出する。制御装置は、熱供給量が基準量に達した場合に、触媒28に付着したPM中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定し、燃料供給装置から触媒28に液体状態の燃料を供給する。このことによって、より適切なタイミングで触媒28に燃料を供給することができ、燃料供給による触媒28上のPMの除去が促進される。
<燃料供給条件判定処理>
図15は、本発明の第三実施形態における燃料供給条件判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、排気浄化装置の制御装置(本実施形態ではECU80)によって繰り返し実行される。本制御ルーチンでは、触媒28に液体状態の燃料を供給するための条件が成立しているか否かが判定される。
ステップS501〜ステップS504及びステップS509は、図10におけるステップS201〜ステップS204及びステップS209と同様であることから説明を省略する。
ステップS504において流入排気ガスの温度IETが基準温度Tref以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS505に進む。ステップS505では、制御装置は熱供給量HAを更新する。熱供給量HAは、流入排気ガスによって触媒28に供給される熱量の合計と相関する値である。例えば、制御装置は、流入排気ガスの温度IETに微小時間Δtを乗じた値を熱供給量HAに加算した値を新たな熱供給量HAとする。微小時間Δtは本制御ルーチンの実行間隔に相当する値である。熱供給量HAの初期値はゼロである。
また、ステップS503において流入排気ガスの温度IETがPMの燃焼温度Tfc以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS508に進む。ステップS508では、制御装置は熱供給量HA及び第二閾値Tth2を更新する。
ステップS509において第二積算時間T2が第二閾値Tth2未満であると判定された場合又はステップS505の後、本制御ルーチンはステップS506に進む。ステップS506では、制御装置は、熱供給量HAが基準量HAref以上であるか否かを判定する。基準量HArefは、PM中の高粘度成分の割合が熱処理によって所定値以下となるように予め定められた値である。所定値は例えば25%以下の値である。また、基準量HArefは、PM除去以外の目的で燃料供給装置から触媒28に燃料が供給されたときの流入排気ガスの温度、PM量、燃料供給量等に基づいて設定されてもよい。
ステップS506において熱供給量HAが基準量HAref未満であると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS506において熱供給量HAが基準量HAref以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS507に進む。ステップS507では、制御装置は、燃料供給フラグをオンにすると共に、熱供給量HAをゼロにしてリセットする。ステップS507の後、本制御ルーチンは終了する。
また、ステップS509において第二積算時間T2が第二閾値Tth2以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS510に進む。ステップS510では、制御装置は、PM付着フラグ及び燃料供給フラグをオフにすると共に、熱供給量HA及び第二積算時間T2をゼロにしてリセットする。ステップS510の後、本制御ルーチンは終了する。
なお、第三実施形態においても、第一実施形態と同様に、図9のPM付着判定処理及び図11のPM除去処理が実行される。
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。例えば、触媒はフィルタに担持されていてもよい。具体的には、触媒は、フィルタの表面に塗布され、フィルタと一体であってもよい。また、フィルタは省略されてもよい。また、燃料供給装置から供給される燃料は、バイオディーゼル燃料のような軽油以外の燃料であってもよい。
1 内燃機関
3 筒内燃料噴射弁
27 排気管
28 触媒
29 フィルタ
35 排気燃料噴射弁
80 電子制御ユニット(ECU)

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
    前記触媒に燃料を供給する燃料供給装置と、
    前記燃料供給装置による燃料の供給を制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定した場合、前記燃料供給装置から前記触媒に液体状態の燃料を供給する、内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記制御装置は、前記触媒に所定量以上の粒子状物質が付着したと判定した後、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、該流入排気ガスの温度が予め定められた基準温度以上である時間の合計が第一閾値に達した場合に、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記制御装置は、前記流入排気ガスの温度が前記基準温度以上であるときの該流入排気ガスの温度の平均値を算出し、該平均値が相対的に高い場合に、該平均値が相対的に低い場合に比べて前記第一閾値を短くする、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記制御装置は、前記触媒に所定量以上の粒子状物質が付着したと判定した後、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、該流入排気ガスの温度と、該温度が維持された時間とから熱供給量を算出し、該熱供給量が基準量に達した場合に、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記制御装置は、前記触媒に所定量以上の粒子状物質が付着したと判定した後、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、該流入排気ガスの温度が粒子状物質の燃焼温度以上である時間の合計が第二閾値に達した場合には、前記触媒から粒子状物質が除去されたと判定し、前記燃料供給装置から前記触媒に液体状態の燃料を供給しない、請求項1から4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記制御装置は、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定した場合、前記流入排気ガスの温度が燃料の最低沸点以下であるときに前記燃料供給装置から前記触媒に燃料を供給する、請求項1から5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記燃料供給装置は、前記触媒よりも排気流れ方向上流側の前記排気通路に配置された排気燃料噴射弁であり、前記制御装置は、前記触媒に付着した粒子状物質中の高粘度成分の割合が所定値以下であると判定した場合、前記内燃機関がアイドリングストップ状態にあるとき又は該アイドリングストップ状態にされるときに前記燃料供給装置から前記触媒に燃料を供給する、請求項1から6のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記制御装置は、前記触媒に流入する流入排気ガスの温度を検出又は推定し、前記燃料供給装置から前記触媒に液体状態の燃料を供給するとき、前記流入排気ガスの温度が相対的に高い場合に、該流入排気ガスの温度が相対的に低い場合に比べて燃料の供給量を多くする、請求項1から7のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 前記粒子状物質は前記触媒の上流側端面にのみ付着している、請求項1から8のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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