JP2005113870A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低圧下においてパティキュレートフィルタの過剰昇温に起因する溶損を防止することができる技術を提供する。
【解決手段】 内燃機関の排気浄化装置において、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の量が限界堆積量以上となった場合に、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去を行う酸化除去手段は、大気圧検出手段により検出された大気圧が低い程、前記限界堆積量の値を小さく設定する。
【選択図】 図2


Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関、特にディーゼルエンジンの排気中には、煤等の粒子状物質(PM:Particulate Matter)が含まれている。そのため、パティキュレートフィルタ(以下、フィルタという場合もある)を排気系に配置し、大気放出以前にPMを捕集している。そして、PMがフィルタにより過度に捕集されると、フィルタは目詰まりを起こし、この目詰まりが排気抵抗の増加を生じさせ内燃機関の出力低下を生じさせる。そのため、フィルタを昇温してフィルタに捕集されたPMを除去する、いわゆるPM再生処理を実施することが必要となる。
ここで、PM再生処理の開始時期を特定する方法としては、フィルタ前後の差圧からフィルタの圧力損失を求めてPM堆積量を検出することによる方法が知られている。そして、大気圧と排気温度により圧力損失から得られるPM堆積量を補正することにより、PM堆積量をより正確に検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平10−259711号公報 特開平10−196347号公報 特開平03−229909号公報
上述した従来の技術においては、PM堆積量をより正確に検出することはできるが、大気圧が低くなる低圧下ではフィルタ温度が上がりやすくなるため以下のような問題が生ずる可能性がある。
上述の排気浄化装置を搭載した自動車が標高の高い場所(高地)に行く場合、フィルタ温度が上がりやすくなる。これは、高地などの大気圧が低くなる低圧下では、空気の密度が小さくなるため、内燃機関に吸入される吸入空気量が平地での通常運転時よりも減少し、これに伴い排気の流量も減少するので、フィルタに流入する排気の流量が減少することによるものである。
また、高地に行く場合においては、登坂路を走行する必要があることから内燃機関が高負荷運転状態となる場合が多い。このような高負荷運転後のアイドル運転時やPM再生処理時などでは、フィルタの温度が上昇しており、フィルタが高温状態の場合に、フィルタに流入する排気の流量が減少すると、排気によってフィルタから熱が奪われなくなってしまい(排気によるフィルタの熱の持ち去り量が減少してしまい)、フィルタが過剰に昇温する可能性がある。そして、フィルタの過剰の昇温は、フィルタの溶損を招く虞がある。
本発明は、上記したような事情に鑑みてなされたものであり、低圧下においてパティキュレートフィルタの過剰昇温に起因する溶損を防止することができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を採用した。
すなわち、内燃機関の排気通路に設けられ、排気中に含まれる粒子状物質を捕集するパ
ティキュレートフィルタと、
前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の量を推定するPM量推定手段と、
前記PM量推定手段により推定された粒子状物質の量が限界堆積量以上となった場合に、前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去を行う酸化除去手段と、
を備えた内燃機関の排気浄化装置において、
前記酸化除去手段は、大気圧検出手段により検出された大気圧が低い程、前記限界堆積量の値を小さく設定することを特徴とする。
このように、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去が酸化除去手段により実行される場合の条件となる、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の量を、一定量とはせずに、大気圧が低い程、小さく設定しているので、酸化除去手段によって酸化除去される粒子状物質の量が減少することとなり、低圧下において空気の密度が小さくなることにより吸入空気量が減少しパティキュレートフィルタから熱が奪われなくなっても(パティキュレートフィルタの熱の持ち去り量が減少しても)、パティキュレートフィルタが過剰に昇温することはない。したがって、パティキュレートフィルタの溶損を防止することが可能となる。
また、内燃機関の排気通路に設けられ、排気中に含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタと、
前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の量を推定するPM量推定手段と、
前記PM量推定手段により推定された粒子状物質の量が限界堆積量以上となった場合に、前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去を行う酸化除去手段と、
を備えた内燃機関の排気浄化装置において、
前記酸化除去手段により前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化除去する際、大気圧検出手段により検出された大気圧が低い程、パティキュレートフィルタに流入する排気の量を増量させる増量手段をさらに備えることを特徴とする。
このように、酸化除去手段による酸化除去処理中であって、低圧下となって空気の密度が小さくなることにより吸入空気量が減少するような場合において、増量手段によってパティキュレートフィルタに流入する排気の量を増量させることにより、通常の(平地での)大気圧と同等の排気の流量を確保することができ、パティキュレートフィルタから熱をより奪うことができるようになるので、パティキュレートフィルタが過剰に昇温するようなことはなく、パティキュレートフィルタの溶損を防止することが可能となる。
上記の構成において、前記酸化除去手段は、昇温手段により前記パティキュレートフィルタの温度を目標温度まで上昇させることにより、該パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去を行うものであって、前記大気圧検出手段により検出された大気圧が低い程、該目標温度の値を小さく設定することも好ましい。
これにより、パティキュレートフィルタが過剰に昇温するようなことはなく、パティキュレートフィルタの溶損を防止することが可能となる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
本発明によれば、低圧下においてパティキュレートフィルタの過剰昇温に起因する溶損
を防止することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例に係る内燃機関としてディーゼルエンジンを説明するための概略断面図である。まず、内燃機関の基本構造及び機能について説明する。
図1に示すように、内燃機関1は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程(爆発行程)及び排気行程の4サイクルを繰り返して出力を得るディーゼルエンジンである。内燃機関1は、その内部に燃焼室(シリンダ)2を形成する。燃焼室2で発生する燃料の爆発力は、ピストン3及びコンロッド4を介してクランクシャフト7の回転力に変換される。また、燃焼室2には、吸気通路5の最下流部をなす吸気ポート5Aと、排気通路6の最上流部をなす排気ポート6Aとが設けられている。吸気ポート5Aと燃焼室2との境界は吸気弁8によって開閉される。また、排気ポート6Aと燃焼室2との境界は排気弁9によって開閉される。
また、内燃機関1は、燃料噴射弁10を備えている。燃料噴射弁10は、高圧ポンプ(図示略)等によって加圧された軽油を、燃焼室2に適宜の量、適宜のタイミングで噴射供給する電磁駆動式開閉弁である。
また、排気通路6は、下流にてマフラー(図示略)と接続されている。そして、排気通路6の途中には、排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、PM等の排気成分を浄化するための排気浄化装置11が設けられている。
排気浄化装置11は、排気中のPMを捕集するパティキュレートフィルタに酸化触媒、吸蔵還元型NOx触媒などの酸化能を有する触媒が担持されたものである(以下、フィルタ11という)。ここで、パティキュレートフィルタと触媒とは独立して設けられるものであってもよい。
また、フィルタ11より上流の排気通路6には、該排気通路6内を流通する排気中に燃料を添加する燃料添加弁12が取り付けられ、この燃料添加弁12は燃料ポンプ(図示略)と接続されている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)20が併設されている。このECU20は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びバックアップRAM等からなる論理演算回路を備え、各種センサの信号に基づいて、例えば、内燃機関1の運転状態を検出し、内燃機関1の各種構成要素を統括制御する。
ECU20には、内燃機関1に取り付けられたクランクポジションセンサ13、運転者によるアクセルペダル(図示略)の踏込量に応じた信号を出力するアクセルポジションセンサ(図示略)、及び内燃機関1内を循環する冷却水の温度(冷却水温)に応じた信号を出力する水温センサ(図示略)、吸気通路5を通じて燃焼室2に導入される空気の流量(吸入空気量)に応じた信号を出力するエアフロメータ(図示略)、大気圧を検出する大気圧検出手段としての大気圧センサ(図示略)等、各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。
また、ECU20は、一定時間毎に実行すべき基本ルーチンにおいて、各種センサの出力信号の入力、機関回転数の演算、トルクの演算、燃料噴射量の演算、燃料噴射時期の演算などを実行する。基本ルーチンにおいてECU20が入力した各種信号やECU20が演算して得られた各種制御値は、該ECU20のRAMに一時的に記憶される。
更に、ECU20は、各種のセンサやスイッチからの信号の入力、一定時間の経過、或いはクランクポジションセンサ13からのパルス信号の入力などをトリガとした割り込み処理において、RAMから各種制御値を読み出し、それら制御値に従って燃料噴射弁10,燃料添加弁12などを制御し、そして、定期的に以下に述べるような排気浄化制御を実行する。ここで、ECU20は、PM量推定手段と、酸化除去手段と、を構成している。
排気浄化制御において、ECU20は、フィルタ11に捕集されているPM量が、限界堆積量以上であるという条件(以下、PM再生処理実行条件という)が成立したときに、フィルタ11に捕集されているPMを除去すべく、PM再生処理(酸化除去処理)を実行する。当該限界堆積量とは、PMがフィルタ11に捕集されることによりフィルタ11の目詰まりを起こし、この目詰まりが排気抵抗の増加を生じさせ、内燃機関の出力低下を生じさせてしまう量である。
そして、本実施例においては、PM再生処理実行条件となるPM量の限界堆積量を、一定量とはせずに、大気圧に基づいて変更させることを特徴とするものである。
図2は、PMの限界堆積量と大気圧との関係を表す図である。
図2に示すように、本実施例においては、大気圧が低くなる程、PM量の限界堆積量の値が小さくなるように、大気圧とPM量の限界堆積量との関係を設定している。図2においては、大気圧がa(例えば、平地)の場合の限界堆積量をa’とすると、大気圧がaより低いb(例えば、高地)の場合の限界堆積量はa’より小さいb’となることを表している。これは、大気圧b(高地)の場所においては、大気圧がa(平地)の場合よりもフィルタ11に堆積しているPMの堆積量が少ない量でPM再生処理が開始されることを意味するものである。
PMがフィルタ11に堆積した状態で高地に向かう場合には、大気圧の変化に伴ってフィルタ11に堆積可能とされる限界堆積量が変わるので、フィルタ11に堆積しているPM堆積量が、大気圧及び図2に示す関係から限界堆積量となった時点で、PM再生処理実行条件が成立し、PM再生処理が開始される。
ここで、フィルタ11に捕集されているPM量を推定する手段について説明する。
フィルタ11に捕集されているPM量を推定するには、例えば、内燃機関1の運転状態、例えば、機関回転数とトルクとPM量との関係を予め導き出しマップ化してROMに記憶させておき、そのマップと機関回転数とトルクとからPM量を算出し、前回のPM再生処理実行終了時から内燃機関1の運転状態に基づいて算出されるPM量を積算していくことによって推定することができる。また、燃料噴射量とPM量との関係を予め導き出しマップ化してROMに記憶させておき、前回のPM再生処理実行終了時からの燃料噴射量の積算値により、その燃料噴射量の積算値とマップとからPM量を推定することもでき、或いは、フィルタ11の前後差圧(フィルタ11より上流の排気圧力とフィルタ11より下流の排気圧力との差圧)に基づいて推定することもできる。
そして、ECU20は、上述のようにしてPM量を推定し、推定したPM量が、大気圧
センサにより検出された大気圧との関係から図2によって限界堆積量となったと判断した時点で、PM再生処理実行条件が成立していると判定し、PM再生処理として、フィルタ11の温度を500℃〜700℃程度の高温域(目標温度、以下にPM再生処理温度という)まで昇温させるための昇温処理を実行する。
フィルタ11の温度を上昇させる手段(昇温手段)としては、燃料噴射弁10により行われる、内燃機関1の圧縮行程での通常の主燃料噴射に加えて、排気行程中又は膨張行程中に気筒内に燃料を副次的に噴射するポスト噴射又は吸気行程もしくは排気行程の上死点近傍で気筒内に燃料を噴射するビゴム噴射等の副噴射を行うことが有効である。
ポスト噴射においては、排気行程中又は膨張行程中に噴射された燃料が未燃燃料としてフィルタ11に流入し、フィルタ11に担持された触媒との反応熱により該触媒の温度が上昇する。一方、ビゴム噴射においては、吸気行程又は排気行程の上死点近傍で噴射された燃料がその後の行程で蒸発して着火し易いものとなり燃焼を安定させるので、主燃料噴射時期を遅延させることによりピストン運動に消費されるエネルギ量が減少し、それに伴い温度上昇した排気がフィルタ11に到達することにより該フィルタ11の温度が上昇する。更に噴射された燃料の未燃分がフィルタ11に供給され、それがフィルタ11に担持された触媒上で酸化反応を起こし、以って該触媒の温度が上昇する。
そして、触媒の温度が上昇すると、該触媒を担持したフィルタ11の温度も上昇し、PMが酸化されて除去されることとなる。
副噴射の量及び噴射時期は、アクセル開度と機関回転数と副噴射量又は副噴射時期との関係を予め導き出してマップ化しておきROMに記憶させておけば、そのマップとアクセル開度と機関回転数とから算出することができる。
また、上述の副噴射の代わりにあるいは副噴射とともに、還元剤添加弁21から排気中へ還元剤たる燃料を添加させることにより、それらの未燃燃料成分をフィルタ11に担持された触媒において酸化させ、酸化の際に発生する熱によって触媒の床温を高めるようにしてもよい。かかる場合にも酸化触媒の温度が上昇することによりフィルタ11の温度も上昇し、PMが酸化され除去されることとなる。
以下に、本実施例におけるPM再生処理制御を図3に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS101において、大気圧を読み込む。
続くステップS102において、ステップS101で読み込まれた大気圧に基づいてPMの限界堆積量Gmaxを算出する。この算出には、図2で示した関係を用いるもので、図2に示す関係を予めマップ化してROMに記憶させておき、そのマップと大気圧とから限界堆積量Gmaxを算出するとよい。
続くステップS103において、実際にフィルタ11に堆積している実PM堆積量Gpmを推定する。
続くステップS104において、ステップS102で算出された限界堆積量Gmaxと、ステップS103で推定された実PM堆積量Gpmとを比較して、限界堆積量Gmaxよりも実PM堆積量Gpmの方が大きいかどうかを判定する。限界堆積量Gmaxよりも実PM堆積量Gpmの方が大きい場合(Gmax<Gpm)にはステップS105に進む。ステップS104で否定判定がなされた場合には再度ステップS101に戻り、その後
、上述した処理が繰り返されることとなる。
ステップS105においては、PM再生処理が実行される。
続くステップS106において、PM再生処理終了条件が成立しているか否かが判定される。具体的には、PM再生処理実行開始から所定時間経過したか否か、あるいはPM堆積量が所定量以下か否かにより判定する。そして、PM再生処理終了条件が成立している場合はPM再生処理を終了して本制御を終了する。一方、PM再生処理終了条件が成立していない場合は、再度ステップ105へ戻り、その後上述した処理が繰り返されることとなる。
このように、大気圧が低圧である程、PM再生処理が開始される条件としてのPMの限界堆積量を小さくすることにより、PM再生処理によって酸化されるPMの量が減少するので、低圧下において空気の密度が小さくなることにより吸入空気量が減少しフィルタ11の熱の持ち去り量が減少しても、フィルタ11が過剰に昇温することはない。これにより、フィルタ11の溶損を防止することが可能となる。
ここで、高負荷運転後のアイドル運転時やPM再生処理時などのような、フィルタ11の温度が上昇している場合を想定して、フィルタ11が過剰に昇温することのない大気圧と限界堆積量との関係を予め実験等によりマップ化してROMに記憶させておくとよい。これにより、より確実にフィルタ11の溶損を防止することが可能となる。
次に、何らかの理由により、急に気圧が低下した場合について説明する。
急に気圧が低下した場合とは、内燃機関1の停止時の気圧に対して、その後に内燃機関1を再始動させる時の気圧が低下している場合をいうものであり、例えば、台風時に内燃機関1を始動させる場合や、車両が平地から高地に搬送されて高地において内燃機関1を始動させるような場合を例示することができる。このような場合、内燃機関1を始動させた時点でのPMの堆積量が、低圧下における限界堆積量をすでに超えてしまっている可能性がある。
そこで、本実施例においては、大気圧が低圧である程、PM再生処理温度を下げる制御を、上述したPM再生処理制御に加えて実行するものである。
図4は、大気圧とPM再生処理温度との関係を表した図である。図5は、実際にフィルタ11に堆積している実PM堆積量ごとに、大気圧とPM再生処理温度との関係を表した図である。図5において、a,b,cは実PM堆積量を示すものであり、a,b,c間には、a<b<cの関係がある。
図4,5に示すように、本実施例においては、大気圧が低くなる程、PM再生処理が実行された場合のPM再生処理温度が低くなるように設定されている。図5においては、図4に示すような関係が実PM堆積量ごとに設定され、実PM堆積量が多い場合程、PM再生処理温度は低く設定されている。
図6は、急に気圧が低下した場合を考慮したPM再生処理制御を示すフローチャート図である。
図6に示すフローチャートでは、図3に示したフローチャートにおいて、ステップS104とステップS105との間に、PM再生処理温度を算出するステップS110が加えられたものである。ステップS110において、PM再生処理温度の算出には図4,5で
示した関係を用いるもので、図4,5に示す関係を予めマップ化してROMに記憶させておくとよい。
図4に相当するマップを用いる場合には、このマップと大気圧とからPM再生処理温度を算出する。このような制御を、図3に示した制御に加えることにより、急に気圧が低下して、限界堆積量を超えてしまうような場合でも、気圧の低下に伴ってPM再生処理温度を低くすることによって、フィルタ11の過剰な昇温を防止することができ、フィルタ11の溶損を防止することが可能となる。
また、図5に相当するマップを用いて、このマップと、大気圧と、ステップS103で推定された実PM堆積量Gpmと、からPM再生処理温度を算出することによって、より確実にフィルタ11の過剰な昇温を防止することができる。
さらに、PM再生処理温度を低く設定するとともに、フィルタ11の昇温速度を抑えて(遅らせて)もよい。フィルタ11の昇温速度を抑えるには、燃料噴射弁10により実行される副噴射時の噴射量を抑えたり、噴射間隔を長くしたり、また、還元剤添加弁21により添加される燃料の量を抑えたり、添加の間隔を長くするとよい。これにより、PMをゆっくり酸化させることができるので、より確実にフィルタ11の過剰な昇温を防止することができる。
ここで、PM再生処理温度を低く設定したり、フィルタ11の昇温速度を抑えた場合には、PMの酸化速度が低下する場合があるので、このような場合にはPM再生処理の実行時間を長くとるとよい。この場合、大気圧が低くなる程、PM再生処理の実行時間を長くする制御をさらに加えるとよい。
なお、PM再生処理温度を算出するステップ(図6に示すステップS110)は、図3を用いて説明したPM再生処理制御に加えたものであったが、大気圧が低くなる程、PM再生処理温度を低くなるように設定するだけでも、PM再生処理制御中のフィルタ11の過剰な昇温を防止することができ、フィルタ11の溶損を防止することが可能である。
(実施例2)
実施例1では、大気圧が低くなる程、限界PM堆積量を小さく設定するものであったが、本実施例においては、PM再生処理中(PM再生処理のためにフィルタ11を昇温させる昇温処理中も含む)において、大気圧が低くなる程、フィルタ11に流入する排気の流量を多くすることによって、フィルタ11の過剰な昇温を防いでフィルタ11の溶損を防止するものである。なお、内燃機関1の概略構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
フィルタ11に流入する排気の流量を多くするには、増量手段を構成するECU20により実行される、アイドルアップを実施する方法、吸入空気量を増量させる方法、また、EGR装置が設けられている場合にはEGR通路を遮断する方法を例示することができる。
ここで、アイドルアップを実施する方法とは、内燃機関1のアイドル状態における機関回転数を、通常(例えば、平地)の場合よりも上昇させた状態とすることによるものであり、これには、燃料噴射弁10により燃焼室2に噴射される燃料の量を増量させることを例示することができる。また、吸入空気量を増量させる方法とは、吸気通路5に設けられた吸気絞り弁を開弁側に制御することによるものである。また、EGR装置とは、内燃機関1の排気通路6を流れる排気の一部を該内燃機関1の吸気通路5へ再循環させる排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置であり、排
気通路6を流れる排気の一部をEGR通路を介して吸気通路5へ再循環させている。そして、EGR通路を遮断する方法とは、EGR通路内を流通する排気の流量を変更するEGR弁を閉弁することによるものであり、これによって排気を吸気通路5に戻すことなくフィルタ11に流入させることができる。
図7は、大気圧と排気流量との関係を示す図である。図7に示すように、大気圧が低くなる程、排気流量が大きくなるように設定している。
大気圧が低くなる程、空気の密度が小さくなるため、これに伴い排気の流量も減少する。PM再生処理中のフィルタ温度は、フィルタ11に流入する排気の流量が特に影響する。上述した方法のように、大気圧が低くなる程、フィルタ11に流入する排気の流量を多くすることによって、通常の(平地での)大気圧と同等の排気の流量を確保することができる。したがって、大気圧が低い場所でPM再生処理を行った時に、フィルタ11が過剰に昇温することが抑制される。すなわち、フィルタ11の溶損を防止することが可能となる。
なお、本実施例において説明した制御は、実施例1で説明した制御に加えて実行されるものであってもよい。
本発明の実施例に係る内燃機関を示す概略図。 実施例1においてPMの限界堆積量と大気圧との関係を表す図。 実施例1においてPM再生処理制御を示すフローチャート図。 実施例1において大気圧とPM再生処理温度との関係を表した図。 実施例1において実PM堆積量ごとに、大気圧とPM再生処理温度との関係を表した図。 実施例1において急に気圧が低下した場合を考慮したPM再生処理制御を示すフローチャート図。 実施例2において大気圧と排気流量との関係を示す図。
符号の説明
1 内燃機関
2 燃焼室
3 ピストン
4 コンロッド
5 吸気通路
5A 吸気ポート
6 排気通路
6A 排気ポート
7 クランクシャフト
8 吸気弁
9 排気弁
10 燃料噴射弁
11 フィルタ
12 燃料添加弁
13 クランクポジションセンサ
20 ECU

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中に含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタと、
    前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の量を推定するPM量推定手段と、
    前記PM量推定手段により推定された粒子状物質の量が限界堆積量以上となった場合に、前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去を行う酸化除去手段と、
    を備えた内燃機関の排気浄化装置において、
    前記酸化除去手段は、大気圧検出手段により検出された大気圧が低い程、前記限界堆積量の値を小さく設定することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中に含まれる粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタと、
    前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の量を推定するPM量推定手段と、
    前記PM量推定手段により推定された粒子状物質の量が限界堆積量以上となった場合に、前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去を行う酸化除去手段と、
    を備えた内燃機関の排気浄化装置において、
    前記酸化除去手段により前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化除去する際、大気圧検出手段により検出された大気圧が低い程、パティキュレートフィルタに流入する排気の量を増量させる増量手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記酸化除去手段は、昇温手段により前記パティキュレートフィルタの温度を目標温度まで上昇させることにより、該パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の酸化除去を行うものであって、前記大気圧検出手段により検出された大気圧が低い程、該目標温度の値を小さく設定することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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JP2011247140A (ja) * 2010-05-25 2011-12-08 Isuzu Motors Ltd 高地における排ガス浄化システム
JP2014001740A (ja) * 2013-09-06 2014-01-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd エンジンの排気浄化装置及び方法
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