JP2014001740A - エンジンの排気浄化装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジンの排気通路に設けられるフィルタと、前記フィルタに堆積した微粒子を再生処理してフィルタの再生を実施する再生制御手段と、を有するエンジンの排気浄化装置において、前記制御手段は、前記フィルタに堆積した微粒子が過堆積状態となったときに、前記フィルタへの前記微粒子の捕集量が過堆積であると判断する過堆積状態判定手段と、前記フィルタの再生温度を、通常再生時における第1の再生温度と、第1の再生温度よりも低温である第2の再生温度とを切替可能なスイッチを備え、前記指示手段は、過堆積状態である場合に、前記スイッチを強制的に切り替えて第2の再生温度とする指示手段を接続できるように構成されている。
【選択図】 図1
Description
これにより、再生時間はかかるものの、より安全に第2の再生温度による再生を実施して過堆積状態を解除することができる。
前記一定量は、前記第2の再生温度によっても再生時に過昇温を起こす堆積量に設定する。これにより、前記第2の再生温度による再生における安全性がより高くなる。
これにより、前記フィルタ内部の最大到達温度を抑え、過昇温を防止することができ、より安全にDPFの再生を実施することができる。
さらに、前記フィルタの入口の実際の温度がオーバーシュートを起こしてしまうことを防止でき、過昇温に対してより安全にDPFの再生を行うことができる。
前記第2の再生温度、即ち低温で前記フィルタの再生を行うことで再生時間が長時間化し、前記エンジンに使用されるオイルが希薄化してしまうオイルダイリューションリスクが高まる。そのため、前記第2の再生温度による前記フィルタの再生終了後に前記オイルを交換することで、前記再生終了後のエンジンのオイルダイリューションによるトラブルの発生を防止することができる。
また、前記サーバは、前記指示手段から送信されたエンジンに係る情報を内部に保有するデータベースと照合して前記指示手段による前記スイッチの切替を許諾するか否かを判断して許諾する場合には許諾情報を前記指示手段に送信し、前記指示手段は、前記サーバからの許諾情報に基づいて前記スイッチを切り替るとよい。
また、前記サーバの保持者は、前記指示手段からの情報を受けて前記指示手段に許諾情報を送信するとともに、前記指示手段から前記再生を実施した旨の情報を受信することで、前記指示手段の使用状況を確実に把握することができる。また、前記指示手段からエンジンに係る情報及び前記再生を実施した旨の情報を受信するため、市場におけるエンジンや排気浄化装置の使用状況、フィルタの再生状況等を把握することができる。
前記指示手段から送信された情報に基づいて前記サービス料を徴収するため、前記指示手段の保持者からサービス料を確実に徴収することができる。
エンジン2には、給気マニホールド4を介して給気通路6が合流されるとともに、排気マニホールド8を介して排気通路10が接続されている。
給気通路6には、ターボチャージャ12のコンプレッサ12aが設けられている。コンプレッサ12aは後述するタービン12bに同軸駆動されるものである。給気通路6のコンプレッサ12aよりも下流側には、給気通路6を流れる吸入空気と大気で熱交換を行うインタークーラ14が設けられている。また、給気通路6のインタークーラ14よりも下流側には、給気通路6内を流通する吸入空気の流量を調節するスロットルバルブ16が設けられている。
また、ECU50では、前述の取り込まれた各値を元にEGR制御弁24及びスロットルバルブ18の目標開度を演算し、EGR制御弁24及びスロットルバルブ18の開度を制御する。
さらに、ECU50は、ケーブル44を通じてアクセル入力信号が取り込まれ、またケーブル46を介して車体ECU(不図示)などと接続されている。
図2は、実施例1に係るDPF34の再生の手順に係るフローチャートである。
ステップS1で、ECU50は、現在のDPF34の状態が過堆積状態であるか否か、即ち捕集ステージ5又は6であるか否かを判断する。
図3は、実施例1における捕集ステージについてまとめた表である。捕集ステージは、捕集ステージ1であればDPF34の再生を行う必要がなく、ステージ2はDPFの自動再生、ステージ3及び4はDPFの手動再生を行う必要があり、ステージ5は後述のゆっくり再生を行う必要があり、ステージ6はDPFの再生ができない状態である。
図5において、処理が開始されると、ステップS51で現在の捕集ステージを判断し、ステップS52に進む。ステップS51における現在の捕集ステージとは、図5におけるフローチャートの1周期前に決定した捕集ステージを意味し、ECU50に記憶されているものである。
図6は、実施例1における捕集ステージ判断に係る各パラメータの算出に係る図である。図6において、101はsoot推定量演算であり、DPF34に堆積したsoot量の推定値の演算を意味している。soot推定量演算101においては、102でエンジン回転数、エンジンへの燃料噴射量、酸素過剰率の各検知値を用いてエンジンからのsoot排出量を演算し、103でエンジン回転数、エンジンへの燃料噴射量、排気ガス流量、DOC入口温度、DPF入口温度、DPF出口温度の各検知値を用いてsoot再生量を演算する。次いで104で演算されたsoot排出量とsoot再生量の演算値を加算して、105で積分処理し、106でDPF34の容量で除算することでsoot堆積量の推定値[g/L]が得られる。そして、100にて、106で得られたsoot堆積量が、図5におけるステップS51で判断した捕集ステージXに対応するQx以上であり、その時間が一定以上継続しているか否かを図4に示したようなグラフを用いて判断する。
ここで、補正差圧とは、DPF34へのsoot堆積量が同一であってもDPF34の前後差圧は排気ガスの体積流量によって変化するため、排気ガス体積流量と基準ガス量との比により標準状態でのDPF34前後の差圧に換算したものである。
ステップS1でYESと判断された場合は、ステップS2に進む。
ステップS2では、ECU50の指示により、エンジンの出力制限がされるとともに、運転席等に設けた警告ランプ(不図示)等により運転手等のユーザーにDPF34が過堆積状態であることを知らせる。
ステップS3では、前記警告ランプ等を確認することでDPF34が過堆積状態であることを確認したユーザーは、ディーラー、修理工場等の後述するサービスツールを所有するサービス拠点に連絡する。
ステップS5で、前記サービス員は、ECU50を持参のサービスツールと接続する。サービスツールについては後述する。
一般的に、DPFの再生時には、DPFの入口温度は約600℃となるように制御されるが、ゆっくり再生は過昇温を防止するために例えば530℃などの低温で長時間かけて再生を行うものである。
通常の再生時は、再生制御にかかるスイッチ203が201側に入っており、例えば201のようにDPF入口温度600℃を目標とし、206でDPF入口温度の検知値と比較し、207でPID演算し、208でDPFの再生に係る燃料のレイトポスト噴射量を決定する。
1つ目の方法は、DPF34の入口温度を常にsoot堆積量に応じた温度に設定して制御することである。ここで、soot堆積量に応じた温度とは、その時点におけるsoot堆積量をPM限界堆積量とするDPF入口制御温度以下の温度である。この場合、再生中におけるDPF34の目標温度はsoot堆積量に応じて変化することとなる。これにより、常に安全に再生を行うことができるとともに、再生時間を可能な限り短く適切に設定することができる。
また、2つ目の方法は、DPF34の入口温度を例えば530℃などsoot堆積量によらず安全な低温で一定にすることである。これにより、再生時間はかかるものの、さらに安全に再生を行うことができる。
よって、図7において202で示したマップには、1つ目の方法を使用する場合にはsoot堆積量に応じたDPF入口制御温度の目標値が示したマップが、2つ目の方法を使用する場合にはマップに変えてDPF再生時のDPF入口制御温度の目標値の規定値(例えば530℃)が記憶されている。
ここでステップS7(b)は前述の1つ目の方法に相当し、ステップS7(a)は前述の2つ目の方法に相当し、どちらを選択することもできる。
捕集ステージ6は、DPF34へのsoot堆積量が多すぎてゆっくり再生もできない領域である。そのため、ステップS14で前記サービス員はDPF交換又はDPFを取り外してsootを除去して洗浄、ステップS15で前記サービスツールをECU50に接続しサービスツールでsoot堆積量をリセットすると、サービスツールにオイル交換を促すメッセージが表示される。
図11において、aで示したグラフは昇温速度にレートリミットをかけなかった場合における前記目標速度の時間変化を表しており、a’はその場合におけるDPF入口の実際の温度変化の時間変化を表している。また、bで示したグラフは昇温速度にレートリミットをかけた場合における前記目標速度の時間変化を表しており、b’はその場合におけるDPF入口の実際の温度変化の時間変化を表している。a’で示した目標温度にレートリミットをかけなかった場合におけるDPF入口の実際の温度は、目標温度を超えてオーバーシュートを起こしているが、b’で示した目標温度にレートリミットをかけた場合におけるDPF入口の実際の温度はオーバーシュートを起こしていない。
従って、前記目標温度にレートリミットをかけて昇温速度を遅くすることで、DPFの入口の実際の温度がオーバーシュートを起こして前記目標温度を超えることを防止することができ、過昇温に対してより安全にDPFの再生を行うことができる。
10 排気通路
30 排気浄化装置
32 DOC
34 DPF
50 ECU(制御手段)
204 サービスツール(指示手段)
205 サーバ
Claims (13)
- エンジンの排気通路に設けられ、排気ガス中の微粒子を捕集し、捕集した微粒子を加熱により燃料除去する強制再生が実施されるフィルタと、該フィルタの上流側に配設されフィルタの温度を上昇させるための酸化触媒と、前記フィルタに堆積した微粒子を再生処理してフィルタの再生を実施する再生制御手段と、を有するエンジンの排気浄化装置において、
前記制御手段は、
前記フィルタに堆積した微粒子が通常再生開始条件の所定量より大きな規定量以上となったときに前記フィルタへの前記微粒子の捕集量が過堆積であると判断するステップ、及び前記フィルタに堆積した微粒子が前記規定量未満であって前記フィルタの前回再生からの経過時間若しくは燃料供給量が通常再生開始条件の所定時間若しくは所定供給量より大きな規定時間若しくは規定供給量に達した場合に前記フィルタへの前記微粒子の捕集量が過堆積であると判断するステップ、及び前記フィルタに捕集された微粒子が前記規定量未満であって前記フィルタの差圧と前記排気ガスの体積流量とから演算される補正差圧が規定差圧に達した場合に前記フィルタへの前記微粒子の捕集量が過堆積であると判断するステップ、を有する過堆積状態判定手段と、
前記フィルタの再生に係る再生温度を、通常再生時における第1の再生温度と、該通常再生時における温度よりも低温である第2の再生温度とを切替可能なスイッチを備え、
前記過堆積状態判定手段により過堆積であると判断された場合に、前記スイッチを強制的に切り替えて第2の再生温度とする指示手段を接続できるように構成されていることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。 - 前記制御手段は、
前記エンジンの運転状態から前記フィルタに堆積した微粒子量を推定する堆積量演算手段を有し、
前記第2の再生温度は、前記フィルタに堆積した微粒子量に対応して、再生時に前記フィルタにおいて過昇温を起こさない限界温度以下に設定されることを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。 - 前記制御手段は、
前記過堆積状態判定手段によって過堆積であると判断された場合であって、前記フィルタの再生中に、
前記推定量演算手段によって推定された前記フィルタに堆積した微粒子量の時間変化に応じて、前記第2の再生温度を時間変化させることを特徴とする請求項2記載のエンジンの排気浄化装置。 - 前記第2の再生温度は、前記フィルタに捕集された微粒子の量が前記過堆積状態判定手段における判断の基準となる規定量の場合に、再生時に前記フィルタにおいて過昇温を起こさない限界温度以下の一定値に設定されることを特徴とする請求項2記載のエンジンの排気浄化装置。
- 前記制御手段は、
前記過堆積状態判定手段によって過堆積であると判断された場合であって、前記フィルタの再生により、前記堆積量演算手段により推定された前記フィルタに堆積した微粒子量が、前記フィルタに捕集された微粒子の量が前記過堆積状態判定手段における判断の基準となる規定量以下となった場合に、前記スイッチを強制的に切り替えて第1の再生温度とすることを特徴とする請求項2〜4何れかに記載のエンジンの排気浄化装置。 - 前記制御手段は、
前記フィルタに堆積した微粒子が前記規定量よりも大きな一定量に達したとき、前記フィルタの再生を禁止することを特徴とする請求項2〜5何れかに記載のエンジンの排気浄化装置。 - エンジンの排気通路に設けられたフィルタによって排気ガス中の微粒子を捕集し、前記フィルタに捕集された微粒子が所定量以上となったときに、エンジンの燃焼室での燃焼に寄与しない時期に燃料を噴射して酸化触媒での燃焼を行わせて前記フィルタの再生を実施するエンジンの排気浄化方法において、
前記フィルタに捕集された微粒子が通常再生開始条件の所定量より大きな規定量以上となったとき、及び前記フィルタに捕集された微粒子が前記規定量未満であって前記フィルタの前回再生からの経過時間若しくは燃料供給量が通常再生開始条件の所定時間若しくは所定供給量より大きな規定時間若しくは規定供給量に達した場合、及び前記フィルタに捕集された微粒子が前記規定量未満であって前記フィルタの差圧と前記排気ガスの体積流量とから演算される補正差圧が規定差圧に達した場合、に前記フィルタへの前記微粒子の捕集量が過堆積状態であると判断し、
過堆積と判断した場合に、前記フィルタの再生に係る再生温度を通常再生時における第1の再生温度と、該通常再生時における温度よりも低温である第2の再生温度とを切替可能なスイッチに、前記スイッチを強制的に切り替えて第2の再生温度とする指示手段を接続して、前記フィルタの再生に係る再生温度を第2の再生温度とすることを特徴とするエンジンの排気浄化方法。 - 前記エンジンの運転状態から前記フィルタに堆積した微粒子量を推定し、
前記第2の再生温度は、前記フィルタに堆積した微粒子量に対応して、再生時に前記フィルタにおいて過昇温を起こさない限界温度以下に設定することを特徴とする請求項7記載のエンジンの排気浄化方法。 - 前記第2の再生温度は、前記過堆積状態であると判断された場合であって、前記フィルタの再生中に、前記フィルタに堆積した微粒子量の時間変化に応じて、時間変化させることを特徴とする請求項8記載のエンジンの排気浄化方法。
- 前記第2の再生温度は、前記フィルタへの微粒子の堆積量が前記過堆積状態の判断の基準となる前記規定量の場合に、前記フィルタの再生時に前記フィルタにおいて過昇温を起こさない限界温度以下の一定値に設定されることを特徴とする請求項8記載のエンジンの排気浄化方法。
- 前記過堆積であると判断され第2の再生温度によって前記フィルタの再生を行うことにより、前記フィルタに堆積した微粒子量が、前記フィルタに堆積した微粒子の量が前記過堆積状態の判断の基準となる前記規定量以下となった場合に、前記スイッチを強制的に切り替えて第1の再生温度とすることを特徴とする請求項8〜10何れかに記載のエンジンの排気浄化方法。
- 前記第2の再生温度によって前記フィルタの再生を行う場合、前記第1の再生温度によって前記フィルタの再生を行う場合よりも遅い昇温速度で、再生温度まで昇温させることを特徴とする請求項8〜11何れかに記載のエンジンの排気浄化方法。
- 前記第2の再生温度による前記フィルタの再生終了後、前記エンジンに使用されるオイルを交換することを特徴とする請求項8〜12何れかに記載のエンジンの排気浄化方法。
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